説明

照明付浴槽装置

【課題】浴槽の底面部を容易に視認できる、あるいは浴槽への移動動作をスムーズに行うことができる照明付浴槽装置を提供する。
【解決手段】底面部と側面部とを有し、透光性を有する浴槽と、前記浴槽の外側において周状に配設され、光を放出する光源と、前記浴槽の外側において前記光源の周囲に設けられ、前記光源から放出された光を前記浴槽に向けて反射させる反射体と、前記浴槽の外側において、前記底面部の周縁領域に沿って周設された遮光体と、を備え、前記光源から放出された光は、前記遮光体により遮光され、前記周縁領域により囲まれた前記底面部の内部領域は、浴槽裏面側からの光が透過しないことを特徴とする照明付浴槽装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、照明付浴槽装置に関し、具体的には照明を使って浴槽内を光らせることができる照明付浴槽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
浴槽のデザイン性を高めたり、演出効果を高めるために、浴槽近傍に照明器具を取り付けた浴槽がある。そのような浴槽では、例えば、照明器具を浴槽の裏面側に取り付け、浴槽の一部に切り欠きを設けることにより、照明器具からの光を浴槽内に通すなどの工夫がなされている。
【0003】
また、間接照明によって浴槽内を照明し、利用者の精神的リラックス感を高めると共に、高級感を出すために、浴槽近傍に照明装置を取り付けた浴槽がある(特許文献1)。特許文献1に記載された浴槽では、湯水を貯留するための透明材又は半透明材で成る浴槽容器の裏面側に照明装置を配置している。あるいは、特許文献1に記載された浴槽では、透明材又は半透明材の内部容器と、外部容器と、の間のスペース部に照明装置を配置している。
【0004】
さらに、透明層と加飾層と補強層とが積層上に形成されてなる浴槽を使用し、その加飾層と補強層とにのみ切欠部を形成して、浴槽の裏面側に取り付けた照明器具の光を透明層を通して浴槽内を光らせることができる浴槽の演出照明装置がある(特許文献2)。
【0005】
しかしながら、特許文献1および2に記載された浴槽では、浴槽の底面部近傍に設けられた照明装置や光源などにより浴槽の底面部が光るため、使用者は浴槽の底面部を視認することが困難となるおそれがある。そのため、その使用者は浴槽に足を踏み入れる際に不安を感ずるおそれがある。したがって、使用者は入浴する際の浴槽への移動動作をスムーズに行うことができないおそれがある。
【特許文献1】特開2002−330887号公報
【特許文献2】特許第3687063号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、浴槽の底面部を容易に視認できる、あるいは浴槽への移動動作をスムーズに行うことができる照明付浴槽装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、底面部と側面部とを有し、透光性を有する浴槽と、前記浴槽の外側において周状に配設され、光を放出する光源と、前記浴槽の外側において前記光源の周囲に設けられ、前記光源から放出された光を前記浴槽に向けて反射させる反射体と、前記浴槽の外側において、前記底面部の周縁領域に沿って周設された遮光体と、を備え、前記光源から放出された光は、前記遮光体により遮光され、前記周縁領域により囲まれた前記底面部の内部領域は、浴槽裏面側からの光が透過しないことを特徴とする照明付浴槽装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明の態様によれば、浴槽の底面部を容易に視認できる、あるいは浴槽への移動動作をスムーズに行うことができる照明付浴槽装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
第1の発明は、底面部と側面部とを有し、透光性を有する浴槽と、前記浴槽の外側において周状に配設され、光を放出する光源と、前記浴槽の外側において前記光源の周囲に設けられ、前記光源から放出された光を前記浴槽に向けて反射させる反射体と、前記浴槽の外側において、前記底面部の周縁領域に沿って周設された遮光体と、を備え、前記光源から放出された光は、前記遮光体により遮光され、前記周縁領域により囲まれた前記底面部の内部領域は、浴槽裏面側からの光が透過しないことを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、浴槽の底面部の少なくとも一部は非照射状態となる。そのため、使用者はその非照射部分の底面部を容易に視認でき、入浴する際の浴槽への移動動作をスムーズに行うことができる。
【0010】
また、第2の発明は、第1の発明において、前記底面部の前記周縁領域と、前記側面部のうちの前記周縁領域に隣接した下端領域と、は、前記光源から放出された光を前記浴槽の内部に透過させることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、遮光体によって取り囲まれた部分の底面部、すなわち遮光体よりも中央側の底面部は非照射状態となる。そのため、使用者はその非照射部分の底面部をより容易に視認でき、入浴する際の浴槽への移動動作をよりスムーズに行うことができる。
【0011】
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記光源は、LEDであることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、光源の寿命を延ばすことができ、光源の交換の頻度を低減できる。
【0012】
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記反射体は、水平方向に延在する水平部と、前記水平部に略直交した方向に延在する垂直部と、を有し、前記遮光体は、前記水平部における前記垂直部と対向する辺部に当接するように配置されてなることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、連結光源から放出された光をより確実に浴槽に向かって反射することができる。そのため、浴槽の底面部と側面部との境界部近傍をより明るく光らせることができる。
【0013】
また、第5の発明は、第4の発明において、前記光源は、前記水平部と、前記垂直部と、の境界部近傍に配設されてなることを特徴とする照明付浴槽装置である。
この照明付浴槽装置によれば、連結光源から放出された光をより確実に、且つより明るく浴槽に向かって反射することができる。そのため、浴槽の底面部と側面部との境界部近傍をより明るく光らせることができる。
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる照明付浴槽装置を上方から眺めた上面模式図である。
また、図2は、本実施形態にかかる照明付浴槽装置を側方から眺めた側面模式図である。
【0015】
本実施形態にかかる照明付浴槽装置は、浴槽水を貯留可能であると共に、底面部11と側面部12との少なくとも一部が透光性を有する浴槽10と、光を放出する複数の光源を有する連結光源20a、20bと、その連結光源20a、20bをそれぞれ保持するガイド部材30a、30bと、浴槽10の外側において連結光源20a、20bの周囲に設けられ、連結光源20a、20bから放出された光を浴槽10に向かって反射させる反射体41、42と、浴槽10と反射体42との間に形成される隙間に設けられた遮光体45と、を備えている。
【0016】
なお、本願明細書において「透光性」とは、連結光源からの光をほとんど反射も吸収もせずに透過させるか、あるいは連結光源からの光を一部吸収したり反射したりしても残りの光を透過し、浴槽10の内側(浴槽水を貯留し使用者がその中に入ることのできる側)まで到達させ得る性質をいう。また、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
【0017】
本実施形態にかかる照明付浴槽装置は、電源部62と、電源スイッチ64と、をさらに備えている。図1に表したように、その電源スイッチ64は外部電源に接続されている。そして、連結光源20a、20bは電源部62と電源スイッチ64を介して外部電源に接続されている。使用者は電源スイッチ64を切り替えることによって、その連結光源20a、20bを点灯させたり消灯させることができる。
【0018】
遮光体45は、図1に表したように、浴槽の底面部11の外側に周状に配置されている。なお、遮光体45と、浴槽の底面部11および側面部12と、については後に詳述する。連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bとは、図2に表したように、浴槽10の下方部に配置されている。また、図1に表したように、連結光源20aとガイド部材30aとは、浴槽10の底面部11および側面部12の前方部に配置されている。一方、連結光源20bとガイド部材30bとは、浴槽10の底面部11および側面部12の後方部および左右側方部に配置されている。そして、連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bとは全体として、浴槽10の底面部11および側面部12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されている。
【0019】
そのため、連結光源20a、20bは、浴槽10の底面部11と側面部12との境界部近傍を周状に光らせることができる。浴槽10は透光性を有するため、連結光源20a、20bは、浴槽10を通して浴槽10の内側を光らせることができる。なお、連結光源とガイド部材とは、図1に表したように複数に分割されていなくともよい。例えば、連結光源とガイド部材とはそれぞれ1つの部材からなり、それらの連結光源とガイド部材とが浴槽10の底面部11および側面部12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されていてもよい。
【0020】
浴槽10の下方部には、浴槽10を支持する支持体50が設けられている。また、浴槽10の周囲には、浴槽10の側面部12の外面13を隠したり、支持体50を隠して、照明付浴槽装置のデザイン性を高める外周壁(エプロン)55が設けられている。そして、外周壁55には、連結光源20a、20bの取り付け/取り外し作業が可能な開口部56a、56bが設けられている。
【0021】
図3は、本実施形態にかかる照明付浴槽装置の断面を表す断面模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
まず、浴槽10の底面部11および側面部12について、図面を参照しつつ説明する。浴槽水を貯留可能な浴槽10の内面上の一点において、その点での接線に垂直な直線、すなわち法線を考える。さらに、法線であって、水平方向と45度の角度をなす法線を考える。その水平方向と45度の角度をなす法線の上方側の浴槽10を、本願明細書において「側面部12」という。これに対して、その水平方向と45度の角度をなす法線の下方側の浴槽10を、本願明細書において「底面部11」という。
【0022】
図3に表したように、連結光源20aとガイド部材30aとは、浴槽10の外側に設けられている。連結光源20aとガイド部材30aとの周囲には、反射体41、42が設けられている。反射体42は支持体50に適宜固定され、反射体41は反射体42の上方部に適宜固定されている。反射体42は、図3に表したように、水平方向に延在する水平部42aと、その水平部42aに略直交した方向に延在する垂直部42bと、を有している。そして、ガイド部材30aは、固定部材48によって反射体42の水平部42aと垂直部42bとの境界部近傍に固定されている。これについては、後に詳述する。
【0023】
連結光源20aから放出された光は、ガイド部材30aを通して、底面部11の外面(裏面)14の中央側に直接的に回り込み入射しようとする。あるいは、連結光源20aから放出された光は、直接的に入射しない場合であっても、反射体41、42で乱反射されることによって、外面14の中央側に間接的に回り込み入射しようとする。
【0024】
連結光源20aから放出された光が直接的あるいは間接的に外面14の中央側に入射すると、浴槽10は透光性を有するため、浴槽10の底面部11は略全体的に光る。浴槽10の底面部11が略全体的に光ると、使用者は浴槽10の底面部11を視認することが困難となるおそれがある。そのため、その使用者は浴槽10に足を踏み入れる際に不安を感ずるおそれがある。したがって、使用者は入浴する際の浴槽10への移動動作をスムーズに行うことができないおそれがある。
【0025】
これに対して、本実施形態にかかる照明付浴槽装置においては、図3に表したように、浴槽10と反射体42との間に形成された隙間に遮光体45が設けられている。より具体的には、遮光体45は、水平部42aにおける垂直部42bと対向する辺部に当接するように配置され、浴槽10の底面部11の外面14と、反射体42と、に周状に付設されている。そして、外面14と遮光体45との間、および反射体42と遮光体45との間には、隙間はほとんどない。
【0026】
この遮光体45は、例えば黒色の発泡部材やゴムなどの弾性体からなり、連結光源20aから放出された光を遮光できる性質を有する。なお、本願明細書において「遮光性」とは、連結光源からの光をほとんど反射したり吸収して不透過とするか、あるいは連結光源からの光を一部吸収も反射もせずに透過しても、浴槽10の内側まで到達させ得ない性質をいう。
【0027】
そのため、本実施形態にかかる照明付浴槽装置では、連結光源20aから放出された光は、遮光体45よりも中央側の外面14に回り込むことはできず、その外面14に入射することはできない。または、連結光源20aから放出された光の一部は、遮光体45よりも中央側の外面14に回り込み、その外面14に入射できたとしても、浴槽10の内側まで到達できない。したがって、遮光体45によって取り囲まれた部分の底面部11、すなわち遮光体45よりも中央側の底面部11は、外面(裏面)14からの光を透過しない。
【0028】
ここで、遮光体45よりも側面部12側の底面部11の領域を、本願明細書において「周縁領域16」というものとする。一方、遮光体45よりも中央側の底面部11の領域、すなわち周縁領域16によって囲まれた底面部11の領域を、本願明細書において「内部領域17」というものとする。さらに、周縁領域16に隣接した側面部12の領域を、本願明細書において「下端領域15」というものとする。
したがって言い換えれば、本実施形態にかかる照明付浴槽では、周縁領域16によって囲まれた内部領域17は、底面部11の外面(裏面)14からの光が透過しない。
【0029】
これによれば、周縁領域16によって囲まれた内部領域17は非照射状態となるため、使用者はその非照射部分の底面部11を容易に視認できる。そのため、使用者は浴槽10に足を踏み入れる際に不安を感ずるおそれは少なく、安心して足を踏み入れることができる。したがって、使用者は入浴する際の浴槽10への移動動作をスムーズに行うことができる。
【0030】
浴槽10と支持体50とは、図3に表したように、遮光体45よりも中央側において接着剤52によって接合されている。そこで、遮光体45は外面14に周状に付設されているため、接着剤52が連結光源20aの方に流れ込むことも防止できる。また、これと同様に、浴槽10と反射体41との間には封止体44が設けられている。そのため、連結光源20aの周囲には、浴槽10と、反射体41、42と、遮光体45と、封止体44と、によって囲まれた空間が存在する。
【0031】
連結光源20aから放出された光は、浴槽10の底面部11と側面部12との境界部近傍、すなわち周縁領域16と下端領域15とに直接的に入射する。あるいは、連結光源20aから放出された光は、周縁領域16と下端領域15とに直接的に入射しない場合であっても、反射体41、42で乱反射されることによって、その周縁領域16と下端領域15とに間接的に入射する。そして、浴槽10は透光性を有するため、連結光源20aから直接的あるいは間接的に入射した光を浴槽10の内側に透過できる。
【0032】
このようにして、本実施形態にかかる照明付浴槽装置は、底面部11と側面部12との境界部近傍、すなわち周縁領域16と下端領域15とを光らせることができる。また、連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bとは、図1に関して前述したように、浴槽10の外側において底面部11および側面部12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されているため、周縁領域16と下端領域15とを周状に光らせることができる。したがって、前述したように、本実施形態にかかる照明付浴槽装置において、使用者は内部領域17、すなわち非照射部分の底面部11を容易に視認でき、入浴する際の浴槽10への移動動作をスムーズに行うことができる。
【0033】
なお、反射体41は、連結光源20aから放出された光を反射するだけに限られず、その光を透過する性質(透光性)を有していてもよい。これによれば、反射体41よりも上方部の側面部12、すなわち下端領域15よりも上方の側面部12を光らせることができる。また、図3に表した断面模式図においては、連結光源20aおよびガイド部材30aの周囲の構造について説明したが、連結光源20bおよびガイド部材30bの周囲の構造についても同様の構造を有している。
【0034】
次に、連結光源およびガイド部材の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図4は、連結光源およびガイド部材の具体例を説明するための模式図であり、連結光源をガイド部材に挿入する前の状態を表す模式図である。
また、図5は、本具体例にかかる連結光源をガイド部材に挿入した後の状態を表す模式図である。
なお、説明の便宜上、連結光源20aおよびガイド部材30aについて以下説明するが、連結光源20bおよびガイド部材30bについても同様の構造を有する。
【0035】
連結光源20aは、連結体22aと、複数の光源23と、を有している。連結体22aは、例えば弾性体などからなり、可撓性を有している。光源23は非可撓性を有しているが、可撓性を有する連結体22aに配列されているため、光源23とそれに隣接する光源23との間の連結体22aは撓むことができる。そのため、連結光源20aは全体として可撓性を有している。なお、光源23は、LED(Light Emitting Diode)であることが好ましい。これによれば、光源23の寿命を延ばすことができる。
【0036】
ガイド部材30aは、図4に表したように、固定部材48によって反射体42の水平部42aと垂直部42bとの境界部近傍に固定されている。また、反射体42は孔43を有している。この孔43は、反射体42を貫通して設けられている。固定部材48は孔43を通って、ガイド部材30aと反射体42とを固定している。
【0037】
ガイド部材30aは中空形状を有しており、一端に挿入部31aを有している。また、ガイド部材30aは、透光性を有している。そして、ガイド部材30aは、ガイド部材本体37aと、ガイド部材本体37aの内面(当接面)32aに積層された被覆層38aと、を有する。その被覆層38aは、ガイド部材本体37aよりも摺動性の高い材料から形成されている。ガイド部材本体37aの材質としては、例えば可撓性を有する塩化ビニル樹脂などが挙げられる。一方、被覆層38aとしては、例えばポリエチレンなどのオレフィン系樹脂のコーティング被膜などが挙げられる。
【0038】
ガイド部材30aの長手方向に対して垂直方向の挿入部31aの断面積は、連結光源20aの長手方向に垂直方向の連結体22aおよび光源23の断面積よりも大きい。そのため、ガイド部材30aの挿入部31aから矢印の方向に連結光源20aを挿入することができる。このとき、ガイド部材30aは、図1に表したように、浴槽10の底面部11および側面部12の後方部および左右側方部に配置された状態で反射体42に固定されているが、連結光源20aは可撓性を有しているため、ガイド部材30aの配置形状に沿って移動できる。
【0039】
さらに、ガイド部材本体37aの内面32aには被覆層38aが設けられているため、連結光源20aは内面32aを滑らかに移動できる。その結果、連結光源20aは、内面32aを滑らかに移動しつつ挿入され、図5に表したように、ガイド部材30aの内部に収納される。つまり、連結光源20aは、反射体42の水平部42aと垂直部42bとの境界部近傍に配設される。そして、この収納状態のまま、光源23は光を照射できる。このとき、ガイド部材30aは透光性を有しているため、光源23から照射された光はガイド部材30aを通って周縁領域16と下端領域15とに入射できる。そのため、光源23は周縁領域16と下端領域15とを周状に光らせることができる。
【0040】
図4および図5に表したガイド部材30aは、説明の便宜上、一端の挿入部31a側を表しているが、他端にも同様に挿入部を有している。そのため、ガイド部材30aの両端の挿入部から連結光源20aを挿脱可能である。そして、図2に表したように、一端の挿入部は外周壁55の開口部56a近傍に配置されており、他端の挿入部は外周壁55の開口部56b近傍に配置されている。そして、開口部56a、56bは、例えば壁面ではない開放された空間に向かって設けられている。そのため、開口部56aあるいは開口部56bから連結光源20aを容易に取り付けたり、取り外すことができる。また、連結光源20aは被覆層38aにより滑らかに内面を移動できるため、より容易に連結光源20aを取り付けたり、取り外すことができる。
【0041】
さらに、連結光源20a、20bとガイド部材30a、30bとは、それぞれ複数に分割されているため、それぞれ1つの部材からなる場合よりも容易に連結光源20a、20bを取り付けたり、取り外すことができる。これは、連結光源とガイド部材とが、それぞれ1つの部材によって浴槽10の底面部11および側面部12の少なくともいずれかを取り囲むように周状に配置されている場合には、長い全長を有する連結光源を取り付けたり、取り外す必要性が生ずるためである。
【0042】
なお、連結光源20aを取り付けたり、取り外す場合であっても、ガイド部材30aは反射体42に固定されている。また、連結光源20aの全長はガイド部材30aの全長よりも長く、且つ連結光源20bの全長はガイド部材30bの全長よりも長いことが好ましい。これによれば、周縁領域16と下端領域15とをより確実に周状に光らせることができる。すなわち、周縁領域16と下端領域15とにおいて、光る部分と光らない部分とが生ずることを防止できる。したがって、浴槽のデザイン性をより高めたり、演出効果をより高めることができる。
【0043】
図6は、遮光体の設置形態の変形例を表す模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
本変形例にかかる照明付浴槽装置においては、遮光体45は図3に表した遮光体よりも側面部12側であって、底面部11の外面14と、反射体42と、に周状に付設されている。その他の構造および設置形態などは、図3に表した照明付浴槽装置の構造および設置形態と同様である。
【0044】
これによれば、遮光体45はより側面部12側に設けられているため、連結光源20aはより挟範囲となった周縁領域16と下端領域15とを照射する。一方、底面部11はより広範囲に亘って非照射状態となる。すなわち、底面部11の外面(裏面)14からの光が透過しない内部領域17は、より広範囲になっている。そのため、使用者はその非照射状態の底面部11をより広範囲に亘って容易に視認できる。したがって、使用者は浴槽10により安心して足を踏み入れることができ、入浴する際の浴槽10への移動動作をよりスムーズに行うことができる。
【0045】
以上説明したように、本実施形態によれば、遮光体45は、水平部42aにおける垂直部42bと対向する辺部に当接するように配置され、浴槽10の底面部11の外面14と、反射体42と、に周状に遮光体45が付設されている。そのため、底面部11の内部領域17、すなわち遮光体45よりも中央側の底面部11は、外面14からの光が透過しない。したがって、使用者はその非照射部分の底面部11を容易に視認でき、入浴する際の浴槽10への移動動作をスムーズに行うことができる。
【0046】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、連結光源20a、20bやガイド部材30a、30bなどが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などやそれらの設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、ガイド部材30a、30bは中空形状を有していなくともよく、連結光源20a、20bを適宜設定された位置に案内できる形状を有していればよい。その場合、光源23がガイド部材30a、30bの外部に配置される限り、そのガイド部材30a、30bは透光性を有していなくともよい。また例えば、ガイド部材30a、30bは反射体42に固定されていなくともよく、浴槽10などに固定されていてもよい。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施の形態にかかる照明付浴槽装置を上方から眺めた上面模式図である。
【図2】本実施形態にかかる照明付浴槽装置を側方から眺めた側面模式図である。
【図3】本実施形態にかかる照明付浴槽装置の断面を表す断面模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
【図4】連結光源およびガイド部材の具体例を説明するための模式図であり、連結光源をガイド部材に挿入する前の状態を表す模式図である。
【図5】本具体例にかかる連結光源をガイド部材に挿入した後の状態を表す模式図である。
【図6】遮光体の設置形態の変形例を表す模式図であり、図1に表したA−A断面図に相当する。
【符号の説明】
【0048】
10 浴槽、 11 底面部、 12 側面部、 13、14 外面、 15 下端領域、 16 周縁領域、 17 内部領域、 20a、20b 連結光源、 22a、22b 連結体、 23 光源、 30a、30b ガイド部材、 31a、31b 挿入部、 32a、32b 内面(当接面)、 37a、37b ガイド部材本体、 38a、38b 被覆層、 41、42 反射体、 43 孔、 44 封止体、 45 遮光体、 48 固定部材、 50 支持体、 52 接着剤、 55 外周壁、 56a、56b 開口部、 62 電源部、 64 電源スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底面部と側面部とを有し、透光性を有する浴槽と、
前記浴槽の外側において周状に配設され、光を放出する光源と、
前記浴槽の外側において前記光源の周囲に設けられ、前記光源から放出された光を前記浴槽に向けて反射させる反射体と、
前記浴槽の外側において、前記底面部の周縁領域に沿って周設された遮光体と、
を備え、
前記光源から放出された光は、前記遮光体により遮光され、
前記周縁領域により囲まれた前記底面部の内部領域は、浴槽裏面側からの光が透過しないことを特徴とする照明付浴槽装置。
【請求項2】
前記底面部の前記周縁領域と、前記側面部のうちの前記周縁領域に隣接した下端領域と、は、前記光源から放出された光を前記浴槽の内部に透過させることを特徴とする請求項1記載の照明付浴槽装置。
【請求項3】
前記光源は、LEDであることを特徴とする請求項1または2に記載の照明付浴槽装置。
【請求項4】
前記反射体は、水平方向に延在する水平部と、前記水平部に略直交した方向に延在する垂直部と、を有し、
前記遮光体は、前記水平部における前記垂直部と対向する辺部に当接するように配置されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明付浴槽装置。
【請求項5】
前記光源は、前記水平部と、前記垂直部と、の境界部近傍に配設されてなることを特徴とする請求項4記載の照明付浴槽装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate