説明

照明光源

【課題】製造時、輸送時、保管時、取り付け時等において取り扱い容易であり、且つ、既存の多様な蛍光灯用照明器具に対応する照明光源を提供する。
【解決手段】半導体発光素子を光源として備え、既存の直管蛍光灯の管長よりも短い複数の光源ユニット20を直列に連結して成る光源部200の両端に、既存の直管蛍光灯用の照明器具に対応する口金を備えた口金部10および30をそれぞれ連結する。口金部10は長さ調節機構を備え、当該長さ調節機構および連結する光源ユニット20の個数により、照明光源の管長を変更して、既存の多様な照明器具に対応する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明光源、特に、製造時、輸送時、保管時、取り付け時等に取り扱い容易な照明光源に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、照明装置として、白熱電球よりも低消費電力で長寿命の蛍光灯を光源に使用したものが広く用いられている。しかし近年、蛍光灯よりもさらに低消費電力で、長寿命で、発熱量も少なく、蛍光灯のように水銀による環境汚染の問題のない光源として、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の半導体発光素子を光源に用いた照明装置が、世界的なエネルギー不足への懸念の高まりや地球温暖化問題、環境問題の観点からも、注目を集めている。その結果、現在使用されている蛍光灯を半導体発光素子を用いた照明に置換しようとする動きが見られる。
【0003】
しかし、現在、世界中で蛍光灯は広く普及しており、家庭やオフィス、公共施設等において膨大な数の蛍光灯用の照明器具が設置されている。これらを半導体発光素子を用いた照明装置専用の照明器具に置き換えようとすると非常に大きなコストと手間がかかってしまう。
そこで、複数のLEDが搭載されたプリント基板を既存の蛍光灯と同じ長さの直管形状の筐体内に配置し、その両端を従来の蛍光灯用の照明器具のソケットに装着可能な給電用口金にて封止することにより、既存の直管蛍光灯との互換性を有した、直管蛍光灯型のLED照明光源が提案されている。(特許文献1および2)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第3987103号
【特許文献2】特許第4156657号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1および2に開示された蛍光灯型LED照明光源では、筐体は従来の蛍光灯と同様に一定の長さに固定されており、輸送時、保管時等においても従来の蛍光灯と同じだけの長さの輸送空間および収納空間を要し、不便である。また、ユーザが持ち運ぶ際にも、従来の直管蛍光灯と同様に長尺で取り扱いが容易でなく、不便である。さらに、代替用LED照明光源は、長さの異なる多様な蛍光灯用照明器具に合わせて個別に設計しなければ、既存の蛍光灯用照明器具に対応することができない。
【0006】
本発明の目的は、上記事情に鑑みてなされたものであって、取り扱いが容易で、既存の多様な蛍光灯用照明器具に対応可能な、半導体発光素子を用いた照明光源を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明に係る照明光源は、直管蛍光灯用照明器具における相互に対向配置された一対のソケットのそれぞれに着脱可能な口金端子を備える一対の口金部と、当該口金部を介して前記ソケットから供給される電力を受けて発光する光源部とから成る、既存の直管蛍光灯を代替する照明光源であって、前記光源部は、代替する直管蛍光灯の管長よりも短い複数の光源ユニットを含み、前記光源ユニットは、半導体発光素子が実装されたベース部材を含む発光部と、他の光源ユニットを着脱可能且つ直列に連結する不撓性の連結部と、当該光源ユニットと他の光源ユニットとが連結された場合に、当該光源ユニットの発光部と他の光源ユニットの発光部とを電気的に接続することにより、前記半導体発光素子への給電路の一部を構成する電気端子部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
上記構成により、照明光源をユニット単位に分割することができるので、従来の蛍光灯型LED照明光源のように長尺にならず、持ち運びの際等において容易に取り扱うことができる。また、輸送時や保管時等において、従来の蛍光灯型LED照明光源よりも短い長さの空間で足りるので、利便性に資することができる。
さらに、前記光源ユニットは、他の光源ユニットと連結された場合に、他の光源ユニットと相対する当該光源ユニットの前記連結部に、それぞれの光源ユニットにおける発光部の光照射方向が略平行となる位置において係合する部材を備え、前記他の光源ユニットは、前記係合部材に相対する位置に被係合部材を備えてもよい。
【0009】
これにより、それぞれの光源ユニットの光照射方向を揃えて効果的な配光を実現することができる。
また、前記電子端子部が、前記連結部上に設けられていてもよい。
これにより、別個、給電路を設けてそれらを接続する機構を設ける必要が無く、部品点数を減らしてコストを抑制することができる。また、給電路を接続する作業を省いてユーザの利便性に資することができる。
【0010】
ここで、前記口金部は、蛍光灯用照明器具のソケットから電力の供給を受ける口金端子部と、前記光源部に接続される光源部側接続部と、前記口金端子部と前記光源部側接続部との間の距離を変更するアジャスター部と、を備えてもよい。
これにより、連結する光源ユニットの個数の変更と併せて、多様な蛍光灯用照明器具に適用することができる。
【0011】
さらに、前記アジャスター部は弾性部材を含み、当該弾性部材の弾性力により前記口金端子部と前記光源部側接続部との間の距離が離れる方向に付勢しつつ、当該距離の変更を許容してもよい。
これにより、口金端子部と前記光源部側接続部との間の距離が変更可能となり、多様な直管蛍光灯用照明器具に適用することができる。さらに、弾性部材の弾性力により口金端子部と前記光源部側接続部との間の距離が離れる方向に常に付勢されているので、照明器具のソケットに照明光源が安定的に保持される効果がある。
【0012】
また、前記係合部材は突起であり、前記被係合部材は前記突起に対応する凹部であってもよい。
これにより、前記係合部材および前記被係合部材は、それぞれ突起とそれに対応する凹部という簡単な構造であるので、製造および取り扱いが容易で、コストを抑制することができる。
【0013】
また、本発明に係る照明光源は、丸形蛍光灯用照明器具におけるソケットに着脱可能な口金端子を備える口金部と、当該口金部を介して前記ソケットから供給される電力を受けて発光する光源部とから成る、既存の丸形蛍光灯を代替する照明光源であって、前記光源部は、複数の光源ユニットを含み、前記光源ユニットは、半導体発光素子を構成中に含む発光部と、1の平面内において屈曲可能であって、他の光源ユニットを着脱可能に連結する連結部と、当該光源ユニットと他の光源ユニットとが連結された場合に、当該光源ユニットの発光部と他の光源ユニットの発光部とを電気的に接続することにより、前記半導体発光素子への給電路の一部を構成する電気端子部と、を有し、連結された前記複数の光源ユニットの両端が、1の前記口金部に接続されてもよい。
【0014】
これにより、照明光源を分割して使用時における外径よりも小さなサイズに梱包することができるので、従来の丸形蛍光灯よりも容易に取り扱うことができ、輸送時や保管時等における利便性を向上させることができる。
ここで、さらに、前記光源ユニットは、他の光源ユニットと連結された場合に、他の光源ユニットと相対する当該光源ユニットの前記連結部に、それぞれの光源ユニットにおける発光部の光照射方向が略平行となる位置において係合する部材を備え、前記他の光源ユニットは、前記係合部材に相対する位置に被係合部材を備えてもよい。
【0015】
これにより、それぞれの光源ユニットの光照射方向を揃えて効果的な配光を実現することができる。
また、ここで、前記電子端子部は、前記連結部上に配設されていてもよい。
これにより、別個、給電路を設けてそれらを接続する機構を設ける必要が無く、部品点数を減らしてコストを抑制することができ、また、給電路を接続する作業を省いてユーザの利便性に資することができる。
【0016】
さらに、ここで、前記1の平面は、前記光源ユニットの光照射方向と直交する平面であってもよい。
これにより、連結部が屈曲した場合においても、それぞれの光源ユニットの光照射方向を略平行に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係る照明光源の各構成ユニットが分離された状態と連結された状態を示す外観斜視図であって、(a)には照明光源を構成する口金部および光源ユニットがそれぞれ分離された状態における外観が、(b)には口金部の光源ユニットと連結される側のうち(a)に示されているのとは異なる側の口金部の外観が、(c)には本発明の実施の形態1に係る照明光源の各構成ユニットが直管上に連結された状態における外観が、それぞれ示されている。
【図2】本発明の実施の形態1に係る光源ユニットの構成を示す外観斜視図であって、(a)は正面左側から、(b)は正面右側から見た斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る光源ユニットの筐体内部の構成を示す分解斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る口金部の構成および長さ調節機構の構成を示す分解斜視図であって、(a)は正面左側から、(b)は正面右側から見た斜視図である。
【図5】図4に示す口金部の各構成部品が組み付けられた状態における図4(a)に示す仮想平面P1による断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットの構成および形状を示す外観斜視図であって、(a)は円筒形の筐体を有し、(b)は四角筒状の筐体を有する光源ユニットを示す。
【図7】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットの構成および形状を示す外観斜視図であって、複数のLEDがベース部材上に2次元的に配置された光源ユニットを示す。
【図8】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットの構成および形状を示す外観斜視図であって、筐体と連結されている側の連結部の端面上に複数のLEDが2次元的に配置され、(a)は内部に円筒状の導光部材を有する筐体を、(b)は内周面に蛍光材が塗布された筐体を備えた光源ユニットを示す。
【図9】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットの構成および形状を示す外観斜視図であって、筐体と連結されている側の連結部の端面上に赤色、緑色、および青色LEDがそれぞれ複数2次元的に配置され、内周面に蛍光材が塗布された筐体を備えた光源ユニットを示す。
【図10】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットの構成および形状を示す外観斜視図であって、(a)は板状の遮蔽部材を、(b)は円筒状の遮蔽部材を備えた光源ユニットを示す。
【図11】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットの構成および形状を示す外観斜視図であって、筐体内周面の一部に反射膜が配設された光源ユニットを示す。
【図12】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットの構成および形状を示す外観斜視図であって、光源として(a)は板状の有機EL(Electro Luminescence)が筐体中央に、(b)はフレキシブル基板を備えた有機ELが筐体内面に配設された光源ユニットを示す。
【図13】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットの構成および形状を示す外観斜視図であって、連結部と筐体とを分離することなく発光部が交換可能な構成となっており、(a)は発光部の発光モジュールにより光色を決定し、(b)は発光部を収容する小光源ユニットの筐体により光色を決定し、(c)は光源ユニットの筐体により光色を決定する構成を備える光源ユニットを示す。
【図14】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットの構成および形状を示す分解斜視図であって、連結部と発光部とが半田付けされたリード線によって電気的に接続された光源ユニットを示す。
【図15】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットの構成および形状を示す分解斜視図であって、発光部が連結部または筐体に直接保持されず、保持部材により保持される構成を備える光源ユニットを示す。
【図16】本発明の実施の形態1の変形例に係る光源ユニットおよび連結部の構成および形状を示す外観斜視図であって、(a)および(b)は一対のピンおよびピン穴を備えた連結部を有する光源ユニットを示し、(c)、(d)、(e)、および(f)は一対の板状ピンおよび差込口を供えた連結部を示す。
【図17】本発明の実施の形態1の変形例に係る連結部の構成および形状を示す図であって、(a)、(b)は連結部材を連結穴に挿入して回転させることによって連結する構成を備える連結部の斜視図であり、(c)は(a)、(b)に示す連結部の正面図であり、(d)、(e)は連結部材を連結穴に挿入して直線的に移動させることによって連結する構成を備える連結部の斜視図であり、(f)は(d)、(e)に示す連結部の正面図である。
【図18】本発明の実施の形態1の変形例に係る口金部の構成および長さ調節機構の構成を示す分解斜視図であって、(a)は正面左側から、(b)は正面右側から見た斜視図である。
【図19】図18に示す口金部の各構成部品が組み付けられた状態における図18(a)に示す仮想平面P2による断面図である。
【図20】本発明の実施の形態1の変形例に係る口金部の構成および長さ調節機構の構成を示す分解斜視図であって、(a)は正面左側から、(b)は正面右側から見た斜視図である。
【図21】図20に示す口金部の各構成部品が組み付けられた状態における図20(a)に示す仮想平面P3による断面図である。
【図22】本発明の実施の形態2に係る照明光源の各構成ユニットが分離された状態と連結された状態を示す平面図であって、(a)には光源ユニットが、(b)には口金部が、(c)には本発明の実施の形態2に係る照明光源の各構成ユニットが環状に連結された状態が、それぞれ示されている。
【図23】本発明の実施の形態2に係る光源ユニットの構成を示す一部切り欠き外観斜視図である。
【図24】本発明の実施の形態2に係る光源ユニットの連結部内部の屈曲機構を示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る照明光源の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
(1−1.照明光源の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係る直管型照明光源100の概略構成を示す外観斜視図である。図1(a)は、直管蛍光灯の口金形状を有し、直管蛍光灯用照明器具のソケットに嵌合される一対の電極端子111をそれぞれ備える口金部10、30、および、口金部10および30からの電力の供給を受けて発光する光源部200を構成する光源ユニット20が、それぞれ分離された状態を示す外観斜視図である。図1(b)は、口金部30の光源ユニット20と連結される側を示す外観斜視図である。図1(c)は、複数の光源ユニット20が直列に連結されて成る光源部200の両端に口金部10および30がそれぞれ連結された状態を示す外観斜視図である。図1(c)に示すように、光源部200を構成する光源ユニット20の連結数を変更することにより、管長を変更することができ、これにより、多様な長さの直管蛍光灯用照明器具に用いることが出来るようになっている。
(1−2.光源ユニットの構成)
図2は、光源ユニット20の概略構成を示す外観斜視図であって、図2(a)は光源ユニットの正面左側から見た図であり、図2(b)は、正面右側から見た図である。ベース部材231上に半導体発光素子であるLED232が配置された発光モジュールを有する発光部23が、透明な円筒状の筐体24内部に配置され、当該発光部23と筐体24との両端に、連結部21および22がそれぞれ接続されて発光部23を封止している。前記LED232は蛍光体が混入されたシリコーン樹脂等の樹脂により封止され、ベース部材231上にライン状に複数配置されている。ベース部材231は、例えば、アルミナや窒化アルミに代表されるセラミックやアルミなどの金属、液晶ポリマーやポリイミド等の樹脂から成り、筐体24は、例えば、アクリル、ポリカーボネート樹脂等から成る。連結部21はメスネジ211を、連結部22はオスネジ221をそれぞれ備えており、それぞれ、他の光源ユニット20のオスネジ221およびメスネジ211と螺合する。また、口金部10はオスネジ221を、口金部30はメスネジ211を備えており(図1(a)、(b)参照)、口金部10のオスネジ221が、光源部200の一方の端部の光源ユニット20のメスネジ211に螺合され、口金部30のメスネジ211が、光源部200のもう一方の端部のオスネジ221に螺合されて、直管型照明光源100を構成する。光源ユニット20および口金部10のオスネジ221と、光源ユニット20および口金部30のメスネジ211とは、それぞれ電球の口金およびソケットと同様の形状および構成を有しており、2つの電極を備え、直管型照明光源100の給電路の一部を構成している。なお、ベース部材231上には、当該ベース部材231上に配置された各LED232への電流路の一部が形成されている。
【0019】
なお、同図においては、ベース部材231上に配置されたLED232を明瞭に表示するために、光照射方向が上方となるように図示されているが、実際の使用の際には、照明器具は天井等の高い位置に設置される場合が多いため、光照射方向は下方となり、図とは上下逆となる。以下、本願の図面においては、上記の目的から同様に光照射方向が上方となるように図示してある。
【0020】
また、上記アクリル、ポリカーボネート樹脂等から成るものと比較すると強度は低いが、筐体24にガラスを用いることも可能である。この場合においても、従来の長尺な直管型蛍光灯よりも管長が短いので、その分ある程度は取り扱いが容易になる。
連結部21には凹部212が、連結部22には凸部222が設けられており、他の光源ユニット20と連結された際に、それぞれの光源ユニット20の光照射方向が略平行となる位置で、凹部212および凸部222が係合する。これにより、複数の光源ユニット20が連結された際に、それぞれの光源ユニット20の光照射方向を揃えることが出来る。なお、口金部10の電極端子111が設けられている側とは反対側の端部には凸部222が設けられ(図1a参照)、口金部30の電極端子111が設けられている側とは反対側の端部には凹部212(図1b参照)が設けられており、光源部200の各光源ユニット20の光照射方向が垂直方向下側を向いた状態で口金部10および30の電極端子111が蛍光灯用照明器具のソケットに装着される位置において、それぞれ光源部200の両端の光源ユニット20の凹部212および凸部222と係合する。
【0021】
蛍光灯用照明器具は交流電力を供給する一方、LEDを点灯させるためには直流電力が必要となるので、口金部10(図1参照)は整流回路を内蔵している。なお、整流回路は口金部30に設けるようにしてもよい。筐体24内部には、導電線25が設けられており、当該導電線25は、直管蛍光灯用照明器具の対向配置された一対のソケットと整流回路との間の交流電流路の一部を構成するとしてもよく、整流回路と、連結された各光源ユニットにおける各LEDとの間の直流電流路の一部を構成するとしてもよい。また、導電線25を複数備えた構成としてもよく、照明器具側に配線の変更や装置の付け替え等の処理を施す場合には、導電線25を備えない構成としてもよい。なお、口金部10が内蔵する整流回路の構成に関しては、例えば、特開2009−87588号公報を参照されたい。
【0022】
また、連結される光源ユニットの個数によって直管型照明光源100に必要な電圧が異なるため、整流回路に加えて、電圧変更回路と、ユーザが光源ユニットの連結個数を選択することにより、当該連結個数の情報を受付ける連結個数受付け手段とを口金部10に設け、連結個数受付手段が受付けた光源ユニット20の連結個数情報に従って、電圧変更回路が電圧を適切な値に変更するようにしてもよい。この場合においても、整流回路、電圧変更回路、および連結個数受付け手段は、口金部30に備えられるようにしてもよい。
【0023】
ここで、口金部10にマイコンを搭載して連結された光源ユニットの個数を自動で判断し、電圧変更回路が連結個数に適した電圧を供給するように制御する構成とすることもできる。この場合においてもマイコンは口金部30に備えられてもよい。
さらに、整流回路を蛍光灯用照明器具側に備えるようにしてもよい。その場合、既存の蛍光灯用照明器具に当該整流回路を設置する工事が必要となるが、既存の蛍光灯用照明器具を利用し、照明器具全体を取り替える必要がないため、ユーザの利便性に資することができる。この場合は、対象の蛍光灯用照明器具に取り付けるべき直管型照明光源100の長さは固定であり、連結する光源ユニットの個数も固定されるため、その連結個数に適合した直流電圧を最初から提供するような回路構成とすればよい。
【0024】
図3は、光源ユニット20から筐体24を取り除き、発光部23と、連結部21および22とを取り外した状態を示す斜視図である。同図に示すように、発光部23はその長手方向の両端に板状ピン233を備えており、当該板状ピン233が、連結部21および22に設けられた差込口223(連結部21の差込口223については不図示)に嵌合されることにより、発光部23が、連結部21および22に固定される。また、板状ピン233と差込口223とが嵌合することにより、LED232への給電路の一部が形成される。
(1−3.口金部の長さ調節機構)
本実施の形態における直管型照明光源100は、連結する光源ユニット20の個数を変更することにより、長さの異なる複数の既存の蛍光灯を代替するのであるが、光源ユニットの個数を変更するだけでは、既存の蛍光灯の管長との間に若干の誤差が生じてしまう場合がある。そのため、本実施の形態においては、口金部10は、長さ調節機構を備える。以下、当該長さ調節機構について図面を参照しながら説明する。
【0025】
図4は、口金部10の長さ調節機構に係る部品が互いに分解され組みつけられる前の状態を示す外観斜視図であって、図4(a)は正面左側から、図4(b)は正面右側から見た斜視図である。口金部10は、口金11、バネ12、および連結部13とから成る。口金11は、当該口金11の外形を形作るキャップ114を有し、当該キャップ114の閉じた方の端部における端面には、蛍光灯用照明器具のソケットに嵌合される一対の電極端子111が設けられている。キャップ114の開口部側には、キャップ114の内径よりも小さい径を持つ円柱部113を有し、円柱部113の一方の端面は、キャップ114の端面の内面と一体となっている。円柱部113とキャップ114との間には、円筒状空隙部115が形成され、キャップ114の円筒状空隙部115側の面上には、係合突起部114aが設けられている。112は、電極端子111からの電力の供給路となるリード線であり、図では途中で切断された状態となっているが、実際は連結部13にまで繋がっており、直管型照明光源100の電力供給路の一部を形成している。以下、他の図面においても同様である。円柱部113の周囲に、バネ12が円筒状空隙部115内部に嵌るように設置され、さらに、連結部13の円筒部133が、バネ12を押し縮めるようにして円筒状空隙部115内部に挿入される。この時、円柱部113およびリード線112は、円筒部133の内部空間である円柱状空隙部131cおよび、連結部13内部オスネジ221側に円柱状空隙部131cに隣接して設けられている収納部131d内部に収納され、係合突起部114aは、円筒部133の外周面上に設けられたスライド溝132に摺動可能に係合する。また、円柱部113は円筒部133に摺動可能に嵌合しており、円筒部133はキャップ114に、摺動可能に嵌合している。
【0026】
図5に、口金11、バネ12、および連結部13が組みつけられた状態において、図4(a)の仮想平面P1による断面を示す。同図に示すように、係合突起部114aは、電極端子111側が太く連結部13側が細くなったカギ状の形状となっており、これにより、口金11と連結部13との組み付けを容易にすると共に、係合突起部114aの電極端子111側の端部がスライド溝132の口金11側の端部によって係止され、口金11と連結部13とが一体となって保持される。また、口金11はバネ12により連結部13から離れる方向に常に付勢されつつ、スライド溝132中を係合突起部114aが摺動することにより、当該口金11と連結部13との間の距離を変更可能となっている。さらに、直管型照明光源100の蛍光灯用照明器具への装着時において、バネ12の付勢力により、口金部10および30が照明器具のソケットに常に押し付けられる方向に力が加えられるので、照明器具に直管型照明光源100が安定的に保持される効果もある。
【0027】
なお、凸部222および凹部212を導電性の部材により構成し、当該凸部222および凹部212が係合することにより、口金部10および30から、光源部200を構成する各光源ユニット20のLEDへの給電路の一部が形成される構成としてもよい。
また、長さ調節機構が、口金部30、または、光源ユニット20に備えられた構成としてもよい。
(1−4.実施の形態1のまとめ)
以上述べたように、実施の形態1の構成によると、非使用時には、分割して管長を短くすることにより保管や輸送の便に資することができ、使用時には直列に連結して、既存の直管蛍光灯を代替するLED等の半導体発光素子を備えた直管型照明光源100を提供することができる。さらに、連結する光源ユニット20の個数の調整、および長さ調節機構により、長さの異なる様々な直管蛍光灯用の照明器具に対応可能である。
<変形例>
以上、本発明の実施の形態1を図面に基づいて説明してきたが、本発明が上述の実施の形態に限定されないのは勿論であり、以下のような変形例を実施することができる。なお、説明の重複を避けるため、実施の形態1と同じ内容のものについてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
(1)上記実施の形態1においては、複数のLED232が直線状に配列されたベース部材231は、筐体24の略中心に位置するように連結部21および22により支持されていたが、これに限られず、次のようにしてもよい。即ち、ベース部材231を直接筐体24内面に貼付するようにしてもよい。この場合、筐体24は円筒形(図6(a)参照)に限られず、図6(b)に示すように、断面が四角形の筒状体でもよく、また、それ以外の多角形の断面を有する形状としてもよい。
(2)上記実施の形態1においては、ベース部材231上に複数のLED232が直線上に配列されたライン光源を用いる構成としているが、これに限られず、図7に示すように、ベース部材231上に複数のLED232が、2次元的に配置され面光源を形成する構成としてもよい。
(3)さらには、連結部21の筐体24に封入される側の端面上にLED232を配置し、筐体内部に円筒状の導光部材241を配設する構成(図8(a))としてもよいし、蛍光体が混入されたシリコーン樹脂等により封止されていないLED232’を連結部21の筐体24に封入される側の端面上に配置し、筐体24内周面に蛍光体を塗布して蛍光体層242を形成する構成(図8(b))としてもよい。
(4)図8(b)に示す構成において、図9に示すように、LED232’として赤色LED232’R、緑色LED232’G、および青色LED232’Bの3種類を用いて白色光を生成する構成としてもよい。
(5)光源であるLED232が直接ユーザから見えないように、LED232上に、遮蔽部材235を設けるとしてもよい。遮蔽部材235は、図10(a)に示すように、半透明の板状部材でもよく、図10(b)に示すように、半透明の柱状もしくは筒状の部材でもよい。また、光源の直下部分の照度を低く設定したい場合などには、遮蔽部材235に不透明な部材を用いることも可能である。
(6)図11に示すように、筐体24内面に反射膜26を設けることにより、配光を制御するようにしてもよい。同図においては、反射膜26は筐体24内面の略半周に亘って設けられているが、筐体24内面上における反射膜の被覆程度は目的に応じて増減可能である。
(7)光源として用いる半導体発光素子はLEDに限られず、有機ELを用いてもよい。有機EL27は、図12(a)に示すように、長尺の板状の形状としてもよく、図12(b)に示すように、フレキシブルな基板を備えた有機EL27を円筒状にして筐体24の内面に配置する構成としてもよい。
(8)図13に示すように、筐体24と連結部21および22とを分離することなく発光部23を筐体24から取り出し可能な構成とすることもできる。具体的には、以下に示す小光源ユニット28を備える構成である。小光源ユニット28は、次のような構成をしている。即ち、発光部23が筐体24よりもさらに径の小さい円筒形の小筐体282内部に納められ、その両端が封止部材281および283により封止され、封止部材283の発光部23が封止されている側とは反対側の面にはオスネジ221が取り付けられており、封止部材281の発光部23が封止されている側とは反対側の面には板状ピン284および285が立設された構成となっている。実施の形態1において連結部22上のオスネジ221が設けられている位置に開口部225が設けられ、当該開口部225により連結部22の外側と内側は連通している。小光源ユニット28は、板状ピン284および285が立設されている側の端部から開口部225より筐体24内部に挿入され、連結部21の筐体24側端面の板状ピン284および285に相対する位置に設けられた差込口213および214に、板状ピン284および285が嵌合することにより、小光源ユニット28は、筐体24内部に保持される。板状ピン284および285は、互いに所定の角度を持って立設されている。これにより、小光源ユニット28装着の際に、光照射方向が連結部21および22に対して常に同じ方向となり、光照射方向が同一方向に保たれる。さらに、LEDは電流の向きが所定の1方向の場合に発光するため、板状ピン284および285が差込口213および214に嵌合されることにより連結部21のメスネジ211と発光部23とが電気的に接続される場合には、プラスとマイナスが正しく接続されることが必要となる。そこで、板状ピン284および285の立設角度が異なるようにしておくことで、プラスとマイナスが確実に正しく接続される効果もある。なお、板状ピン284および285は、その形状や長さ、幅等が互いに異なるようにしても上記目的を達成することが可能である。
【0028】
また、小光源ユニット28が交換可能な構成であるため、複数の光色の小光源ユニット28を用意することにより、小光源ユニット28を交換して光色を変更することができる。小光源ユニット28の光色変更は、個々のLED232を封止するシリコーン樹脂に混入される蛍光材の種類の変更や複数種類の蛍光材の配合比率の変更によっても達成することができるが、シリコーン樹脂によって封止されていないLED232’を用いて、小筐体282内面に塗布された蛍光材によって光色を変更する構成(図13(b))としてもよく、あるいは、筐体24内面に塗布された蛍光材によって光色を変更する構成(図13(c))としてもよい。
【0029】
なお、板状ピン284、285、および差込口213、214の形状については、図13に示される形状に限られず、装着時の光照射方向を揃えて小光源ユニット28を筐体24内部に装着することができれば何れの形状としてもよい。例えば、凹部212、凸部222およびこれらと類似の機構により光照射方向を所定の向きに揃える機能を備えたオスネジとメスネジとしてもよい。
(9)実施の形態1においては、板状ピン233が差込口223に嵌合することにより、口金部10および30からLED232への給電路の一部が形成されるとしたが、これに限られない。例えば、図14に示すように、オスネジ221およびメスネジ211からリード線224を延ばし、その先端をそれぞれベース部材231の両端に半田付け234により電気的に接続するようにしてもよい。
(10)発光部23が直接連結部21および22に保持されるのではなく、ドックベースに収納されて、そのドックベースごと光源ユニット20の筐体24内部に収納される構成としてもよい。例えば、図15(a)に示すように、ベース部材231のLED232が配列されている側とは反対側に半円柱状部材237が設けられ、筐体24内部に配置された半円柱形のドックベース29の収容凹部291に半円柱状部材237が嵌合する構成としてもよい。半円柱状部材237には板状ピン236aおよび236bが立設されており、それぞれ収容凹部291に設けられた差込口292aおよび292bと嵌合することにより、発光部23がドックベース29に保持され、且つ、電気的に接続される。LEDは電流の向きが所定の1方向の場合に発光するため、上記電気的接続の際には、プラスとマイナスが正しく接続されることが必要である。そのため、板状ピン236aおよび236bの長さや形状、立設角度等をそれぞれ異なるようにしておき、プラスとマイナスが確実に正しく接続されるようにしておくとよい。図15には、板状ピン236aおよび236bの幅(管長方向の長さ)が異なる場合を示してある。ドックベース29の管長方向両端部には、それぞれ板状ピン233が立設されており、板状ピン233が連結部21および22に設けられている差込口223(連結部21の差込口223については不図示)と嵌合する。板状ピン233と差込口223とが嵌合することにより、連結部21および22とドックベース29とが電気的に接続され、その結果、直管型照明光源100の電流路の一部を形成する。
【0030】
さらには、図15(b)に示すように、ドックベース29をより小型化して、小光源ユニット28(図13参照)の小筐体282(図13参照)の役割を担わせるようにしてもよい。この場合、小筐体282内部にドックベース29を収納するようにしてもよいが、図15(b)に示すように、小筐体282を備えない構成とすると、発光部23のドックベース29への取り付けが容易である。
【0031】
なお、半円柱状部材237にヒートシンクの役割を担わせるとしてもよく、さらに、ドックベース29にもヒートシンクの役割を担わせるとしてもよい。
(11)実施の形態1においては、オスネジ221およびメスネジ211によって、光源ユニット20と他の光源ユニット20と、および光源ユニット20と口金部10、30とを連結する構成としているが、これに限られず、以下のような変形例が考えられる。即ち、オスネジ221およびメスネジ211に代えて、図16(a)、(b)に示すようにピン226aおよび226bが、ピン穴215aおよび215bにそれぞれ嵌合することによって連結される構成としてもよい。この時、電流のプラスとマイナスの接続が正しく行われるように、図16(a)、(b)に示すようにピン226aおよび226bの直径の大きさを異ならせるようにしてもよい。その場合、ピン穴215aおよび215bの直径もそれに応じて異なる大きさとなる。
【0032】
また、ピン226aと226b、および、ピン穴215aと215b以外にも、例えば、図16(c)〜(f)に示すように、板状ピン227a、227bと、それに対応する差込口216a、216bとしてもよい。この場合においても、電流のプラスとマイナスの接続が正しく行われるように、板状ピン227a、227bの立設角度が異なるようにしてもよいし(図16(c)、(d))、板状ピン227a、227bは互いに平行に立設されていて、それぞれの幅が異なるようにしてもよい(図16(e)、(f))。また、ピンおよびそれに対応する差込口の数は3つ以上であってもよい。
【0033】
さらには、オスネジ221およびメスネジ211以外の連結方法として、上記ピンによる方法の他に、図17(a)、(b)、(c)に示すような連結部材を考えることも出来る。図17(a)および(b)は、連結部22および21の外観斜視図であり、図17(c)は、連結部21の正面図である。水滴状の平面形状を有する板状部材228aに円柱状部材228bが立設された連結部材228が連結部22に設けられており、一方、連結部21には連結穴217aが設けられている。連結穴217aは、板状部材228aの平面形状と適合する形状を有する。連結部21内部には、連結穴217aと同一の垂直方向の断面形状を有し、連結穴217aを介して外部と連通する連結空隙217bが設けられ、連結穴217aから連結部材228が挿入された際に円柱状部材228bがちょうど納まる程度の管長方向の長さを備えている。上記連結空隙217bの筐体24側の端面にはさらに、回転空間217cが設けられており、円柱状部材228bを中心に板状部材228aを90度回転させることができるようになっている。板状部材228aを90度回転させると、板状部材228a上の電気端子部228cが、回転空間217cの筐体24側の面上に設けられている電気端子部217dと接触し、電流経路の一部を形成する。なお、板状部材228aの平面形状を水滴状としたが、これに限られず、電流のプラスとマイナスが正しく接続され、且つ、光の照射方向を同一方向に揃えることができれば、前期水滴状以外の何れの形状を有するとしてもよい。
【0034】
さらに、図17(d)、(e)、(f)に示すような連結部材を考えることもできる。図17(d)および(e)は、連結部22および21の外観斜視図であり、図17(f)は、連結部21の正面図である。長円状の平面形状を有する板状部材229aに円柱状部材229bが立設された連結部材229が連結部22の端面上部に設けられている。一方、連結部21には連結穴219が設けられている。連結穴219は、水平方向に長い水平長円形穴部219aと垂直方向に長い垂直長円形穴部219bとから成り、長円形穴部219bの下端と長円形穴部219aの中央部とが連結された形状となっている。連結部21内部には、連結穴219と同一の垂直方向の断面形状を有し、連結穴219を介して外部と連通する連結空隙219cが設けられ、連結穴219から連結部材229が挿入された際に円柱状部材229bがちょうど納まる程度の管長方向の長さを備えている。上記連結空隙219cの筐体24側の端面にはさらに、スライド空間219dが設けられており、円柱状部材229bを垂直長円形穴部219bに沿って上方に移動させると、それに伴って板状部材229aがスライド空間219d内を上方に移動し、板状部材229aがスライド空間219d上面に当接して移動が停止され、その位置で連結部材229が保持される。この時、板状部材229a上の電気端子部229cが、スライド空間219dの筐体24側の面上に設けられている電気端子部219eと接触し、電流経路の一部を形成する。なお、板状部材229aの形状は長円状に限られず、電流のプラスとマイナスが正しく接続され、且つ、光の照射方向を同一方向に揃えることができれば、円、楕円、多角形形状等の何れの形状を有するとしてもよい。また、円柱状部材228bおよび229bの形状は円柱に限られず、多角形等の断面形状を有する柱状部材としてもよい。
(12)実施の形態1においては、口金部10がバネ12(図4参照)の弾性力を利用した長さ調節機構を備える構成について説明した。しかし、これに限られず、以下のような長さ調節機構を備えた口金部10を考えることが出来る。図18(a)、(b)に示すように、口金部10は、口金11、回転部14、および連結部13より成る。口金11の回転部側端面には第1係合部116が立設されており、回転部14の口金11側端部に設けられた第1被係合部141と回転可能に係合する。回転部14の内周面上にはメスネジ部143が設けられており、メスネジ部143から所定距離内側に離れてメスネジ部143と管長方向において略平行に第2係合部142が設けられている。連結部13は、回転部14側(口金11側)に円筒部133を有し、当該円筒部133の外周面上にはオスネジ部133aが設けられている。円筒部133内部には円柱状空隙部131cが設けられ、円柱状空隙部131cは、それよりも直径が若干小さい円形開口部131aを介して外部と連通している。円柱状空隙部131cの周面と円形開口部131aとの境界には、双方の径の大きさの違いにより環状段差部131b(図19参照)が形成されている。円柱状空隙部131c、円形開口部131a、および環状段差部131bとにより第2被係合部131(図19参照)が形成されている。第2係合部142は、円柱状空隙部131cの周面に沿って図18(a)、(b)に示す軸X方向に摺動可能であり、且つ、軸Xを中心として回転可能となっている。第2係合部142が環状段差部131bにより係止されることにより、回転部14が連結部13から離脱するのを防止している。また、第2係合部142と第2被係合部131とが係合している場合、メスネジ部143とオスネジ部133aとが螺合する。図19に、互いに組みつけられた状態の口金11、回転部14、および連結部13の、図18aにおける仮想平面P2による断面図を示す。口金11と回転部14とは、互いの軸X方向の距離を一定に保持したまま軸Xを中心に回転可能に係合している。一方、回転部14が回転すると、メスネジ部143とオスネジ部133aとの螺合の程度が変化し、回転部14と連結部13との軸X方向の距離が変化する。これにより、回転部14を回転させることにより、口金部10における口金11と連結部13との軸X方向の長さを調節することができる。
(13)また、さらに、以下のような長さ調節機構を備えた口金部10を考えることが出来る。図20(a)、(b)に示すように、口金11および連結部13より成る。口金11の連結部13側端部には円筒部117が立設されている。円筒部117の外周面上には、係合突起部118が立設されている。連結部13の口金11側の内部は口金11側端面において外部と連通する円柱状空隙部131cが設けられている。円柱状空隙部131cの内周面上には、軸Xと平行な方向に横溝部134aが設けられており、円柱状空隙部131cの内周面上において複数の縦溝部134bが軸X方向において互いに所定の間隔をおいて、それぞれ周方向に約1/4周に亘って設けられている。各縦溝部134bは、それぞれの下端において横溝部134aと連通している。係合突起部118を横溝部134aに係合させた状態で円筒部117を円柱状空隙部131cに挿入すると、係合突起部118は横溝部134aに沿って摺動する。係合突起部118が何れかの縦溝部134bの下端に位置している状態で口金11を軸Xを中心に回転させることにより、係合突起部118が縦溝部134bに沿って摺動し、それにより、係合突起部118が横溝部134aから外れ、係合突起部118の軸X方向の移動が規制される。その結果、口金11と連結部13との軸X方向の距離が固定される。口金11と連結部13との軸X方向の距離を再び変える際には、口金11を軸Xを中心に上記とは反対の方向に回転させて係合突起部118を横溝部134a上に戻すと、それと同時に係合突起部118と縦溝部134bとの係合が解除され、口金11を連結部13に対して軸X方向に移動可能となる。
【0035】
図21に、互いに組みつけられた状態の口金11、および連結部13の、図20aの仮想平面P3による断面図を示す。なお、それぞれの縦溝部134bは、円柱状空隙部131cの内周面上において周方向に約1/4周に亘って設けられているとしたが、それに限られず、1/4周よりも小さくてもよいし大きくてもよい。例えば、半周に亘って設けられているとしてもよい。また、係合突起部118は、1つに限られず、円筒部117の外周面上に複数立設されているとしてもよい。その場合はそれぞれに対応する横溝部134aおよび縦溝部134bのうち、少なくとも横溝部134aを設ける必要がある。
【0036】
また、上記各変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
<実施の形態2>
上記実施の形態1および各変形例においては、直管蛍光灯を代替する直管型照明光源100について説明した。しかし、分割することにより取り扱いが容易になり、また、光源部を構成する発光ユニットの個数を調節することにより、既存の多用な蛍光灯用照明器具に対応するという考えは、直管型に限られず、既存の丸形蛍光灯を代替する照明光源にも適用可能である。実施の形態2においては、既存の丸形蛍光灯を代替する半導体発光素子を用いた照明光源について説明する。なお、説明の重複を避けるため、実施の形態1および実施の形態1の各変形例と同じ内容のものについてはその説明を省略し、同じ構成要素については、同符号を付すものとする。
【0037】
本実施の形態における光源ユニット40の平面図を図22(a)に、口金部50の平面図を図22(b)に、複数の光源ユニット40が直列に連結され、その両端がひとつの口金部50に連結されて成る環状照明光源300の平面図を図22(c)に示す。図22(c)においては、環状照明光源300は、6個の光源ユニット40と1個の口金部50とから成る七角形状構成となっている。連結部41は、照明光源300の各光源ユニット40の光照射方向と直行する1の平面内において屈曲可能である。これは、光源ユニット40を環状に連結する際に、連結する光源ユニット40の個数が変化しても、環状に連結可能であるためには、連結部が屈曲可能な構成を有する必要があるが、その際に連結部の屈曲が光照射方向に影響を与えないようにするためである。光源ユニット40の連結部41側端部にはピン226aおよび226bが立設されており、連結部21側端部にはピン穴215aおよび215bが設けられている(図23参照)。口金部50は、丸形蛍光灯用照明器具のソケットに嵌合される二対の電極端子111(図22(b)、(c)においては、電極端子111は重なっており、手前の一対のみが表示されている)を備える口金52と、1の平面内において屈曲可能な連結部51とから成り、連結部51の口金とは反対側の端部にはピン223および224が立設されており、口金52の連結部51とは反対側の端部には不図示のピン穴215aおよび215bが設けられている。なお、口金部50は、整流回路を内蔵している。
【0038】
図23は、連結部41を覆う蛇腹状のカバー部材411を一部切り欠いて連結部41の内部の様子を示した光源ユニット40の一部切り欠き斜視図である。連結部41は、筐体側連結部材412に立設されたアーム部材414と、ピン側連結部材413に立設されたアーム部材415とが、それぞれの端部において1の点を中心にして1の平面内において回転可能に接続され、アーム部材414および415がカバー部材411によって覆われた構成となっている。また、筐体側連結部材412とピン側連結部材413とは、リード線112によって連結されており、リード線112は、ピン226aおよび226bと発光部23との間の電流路の一部を形成する。
【0039】
図24は、アーム部材414および415を分離して示した斜視図である。アーム部材414は、鏡像関係にある上部アーム部材4141および下部アーム部材4142より成る。上部アーム部材4141および下部アーム部材4142は、それぞれ端部に円柱状の凹部4141aおよび4142aを有する。当該円柱状凹部4141aおよび4142aの筐体側連結部材412側は、それぞれ段差部4141cおよび4142cを介して、接合面4141bおよび4142bが形作られている。円柱状凹部4141aおよび4142aは、それぞれ接合面4141bおよび4142bの一部に侵入する形となっている。一方、アーム部材415は、平坦な四角柱状のアーム本体部415bの先端に平坦な円柱状のディスク部材415aが一体的に形成されて成る。ディスク部材415aは、円柱状凹部4141aおよび4142a内部に挟まれた状態で収納され、接合面4141bと4142bとが接合されることにより、上部アーム部材4141と下部アーム部材4142とが一体化してアーム部材414を形成する。ディスク部材415aは、円柱状凹部4141aおよび4142a内に、ディスク部材415aの円筒の軸を中心に回転可能に保持され、ディスク部材415aの回転の際には、アーム本体部415bは、段差部4141cおよび4142cによって形成される空間内を移動する。ディスク部材415aの回転は、アーム本体部415bと段差部4141cおよび4142cとの係止によって制限される。上記の構成により、アーム部材414および415は、ディスク部材415aの円筒の軸を中心に、当該軸と直行する1の平面内において屈曲可能となる。なお、円柱状凹部4141aおよび4142aは、それぞれ接合面4141bおよび4142bの一部に侵入する形となっているとしたが、これに限られず、全く侵入しない形としてもよい。
【0040】
なお、連結部51も連結部41と同様の構成を備える。
<変形例>
実施の形態2において、連結する光源ユニットの個数を固定とする場合、光源ユニット40および口金部50を、所望の環径が得られる屈曲率を有した固定的な形状とし、連結部は屈曲せず固定としてもよい。
【0041】
また、実施の形態2においては、
なお、上記実施の形態1の各変形例の内容を実施の形態2にそれぞれ適応してもよく、上記各変形例の内容をそれぞれ組み合わせるとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明に係る照明光源は、製造時、輸送時、保管時、取り付け時等に取り扱いの容易な照明光源として有用である。
【符号の説明】
【0043】
10、30、50 口金部
11、52 口金
12 バネ
13、21、22、41、51 連結部
14 回転部
20、40 光源ユニット
23 発光部
24 筐体
25 導電線
26 反射膜
27 有機EL
28 小光源ユニット
29 ドックベース
100 直管型照明光源
111 電極端子
112、224 リード線
113 円柱部
114 キャップ
114a、118 係合突起部
115 円筒状空隙部
116 第1係合部
117、133 円筒部
131 第2被係合部
131a 円形開口部
131b 環状段差部
131c 円柱状空隙部
131d 収納部
132 スライド溝
133a オスネジ部
134a 横溝部
134b 縦溝部
141 第1被係合部
142 第2係合部
143 メスネジ部
200 光源部
211 メスネジ
212 凹部
213、214、216a、216b、223、292a、292b 差込口
215a、215b ピン穴
217a、219 連結穴
217b、219c 連結空隙
217c 回転空間
217d、219e、228c、229c 電気端子部
219a 水平長円形穴部
219b 垂直長円形穴部
219d スライド空間
221 オスネジ
222 凸部
225 開口部
226a、226b ピン
227a、227b、233、236a、236b、284、285 板状ピン
228、229 連結部材
228a、229a 板状部材
228b、229b 円柱状部材
231 ベース部材
232、232’ LED
232’R 赤色LED
232’G 緑色LED
232’B 青色LED
234 半田付け
235 遮蔽部材
237 半円柱状部材
241 導光部材
242 蛍光体層
281、283 封止部材
282 小筐体
291 収容凹部
300 環状照明光源
411 カバー部材
412 筐体側連結部材
413 ピン側連結部材
414、415 アーム部材
415a ディスク部材
415b アーム本体部
4141 上部アーム部材
4141a、4142a 円柱状凹部
4141b、4142b 接合面
4141c 段差部
4142 下部アーム部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管蛍光灯用照明器具における相互に対向配置された一対のソケットのそれぞれに着脱可能な口金端子を備える一対の口金部と、当該口金部を介して前記ソケットから供給される電力を受けて発光する光源部とから成る、既存の直管蛍光灯を代替する照明光源であって、
前記光源部は、代替する直管蛍光灯の管長よりも短い複数の光源ユニットを含み、
前記光源ユニットは、
半導体発光素子が実装されたベース部材を含む発光部と、
他の光源ユニットを着脱可能且つ直列に連結する不撓性の連結部と、
当該光源ユニットと他の光源ユニットとが連結された場合に、当該光源ユニットの発光部と他の光源ユニットの発光部とを電気的に接続することにより、前記半導体発光素子への給電路の一部を構成する電気端子部と、を有する
ことを特徴とする照明光源。
【請求項2】
前記光源ユニットは、他の光源ユニットと連結された場合に、他の光源ユニットと相対する当該光源ユニットの前記連結部に、それぞれの光源ユニットにおける発光部の光照射方向が略平行となる位置において係合する部材を備え、前記他の光源ユニットは、前記係合部材に相対する位置に被係合部材を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の照明光源。
【請求項3】
前記電子端子部が、前記連結部上に設けられている
ことを特徴とする請求項1または2に記載の照明光源。
【請求項4】
前記口金部は、
蛍光灯用照明器具のソケットから電力の供給を受ける口金端子部と、
前記光源部に接続される光源部側接続部と、
前記口金端子部と前記光源部側接続部との間の距離を変更するアジャスター部と、を備える
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の照明光源。
【請求項5】
前記アジャスター部は弾性部材を含み、当該弾性部材の弾性力により前記口金端子部と前記光源部側接続部との間の距離が離れる方向に付勢しつつ、当該距離の変更を許容する
ことを特徴とする請求項4に記載の照明光源。
【請求項6】
前記係合部材は突起であり、前記被係合部材は前記突起に対応する凹部である
ことを特徴とする請求項2に記載の照明光源。
【請求項7】
丸形蛍光灯用照明器具におけるソケットに着脱可能な口金端子を備える口金部と、当該口金部を介して前記ソケットから供給される電力を受けて発光する光源部とから成る、既存の丸形蛍光灯を代替する照明光源であって、
前記光源部は、複数の光源ユニットを含み、
前記光源ユニットは、
半導体発光素子を構成中に含む発光部と、
1の平面内において屈曲可能であって、他の光源ユニットを着脱可能に連結する連結部と、
当該光源ユニットと他の光源ユニットとが連結された場合に、当該光源ユニットの発光部と他の光源ユニットの発光部とを電気的に接続することにより、前記半導体発光素子への給電路の一部を構成する電気端子部と、を有し、
連結された前記複数の光源ユニットの両端が、1の前記口金部に接続される
ことを特徴とする照明光源。
【請求項8】
前記光源ユニットは、他の光源ユニットと連結された場合に、他の光源ユニットと相対する当該光源ユニットの前記連結部に、それぞれの光源ユニットにおける発光部の光照射方向が略平行となる位置において係合する部材を備え、前記他の光源ユニットは、前記係合部材に相対する位置に被係合部材を備える
ことを特徴とする請求項7に記載の照明光源。
【請求項9】
前記電子端子部は、前記連結部上に配設されている
ことを特徴とする請求項7または8に記載の照明光源。
【請求項10】
前記1の平面は、前記光源ユニットの光照射方向と直交する平面である
ことを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の照明光源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2011−70810(P2011−70810A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219033(P2009−219033)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】