説明

照明具

【課題】 インターホンなどの門周りのアイテムを一体化してまとまりのある意匠とした照明具を提供する。
【解決手段】 ベースが、押出形材からなるものであって、矩形平板形状の背面部と、背面部の両長辺に沿って設けた被係合部を有しており、照明が、ベースの背面部に取り付けてあり、照明カバー用台座が、基板と、基板の一端と他端に設けた係合部と、基板に設けた切欠部を有し、切欠部に照明を通してベースの正面側に取り付けてあり、照明カバーが、照明カバー用台座に取り付けてあって、照明を覆うものであり、インターホン用台座が、基板と、基板の一端と他端に設けた係合部を有し、ベースの正面側に取り付けてあり、インターホンが、インターホン用台座に取り付けてあり、インターホンカバーが、インターホン用台座に取り付けてあって、インターホンの端部を覆うものであり、化粧材が、一端と他端に設けた係合部を有し、ベースの正面側に取り付けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、門周りのアイテムを一体化した照明具に関する。
【背景技術】
【0002】
玄関周りの壁面や門柱などには、図6に示すように、インターホン105や表札109及びそれらを照らす照明102が取り付けられている。これらは、それぞれ様々な意匠のものが存在しており、建物の外観に合わせて選択されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来、インターホン、表札や照明は、それぞれ個々にデザインされるものであった。よって、それぞれの意匠が優れたものであっても、それらを壁面などの一箇所に並べて取り付けると、意匠の統一感がなく、まとまりのない印象を与えるものとなっていた。
【0004】
本発明は、上記事情を鑑みたものであり、インターホンなどの門周りのアイテムを一体化してまとまりのある意匠とした照明具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のうち請求項1の発明は、ベースと、照明と、照明カバーと、照明カバー用台座と、インターホンと、インターホンカバーと、インターホン用台座と、化粧材とを備え、ベースが、押出形材からなるものであって、矩形平板形状の背面部と、背面部の両長辺に沿って設けた被係合部を有しており、照明が、ベースの背面部に取り付けてあり、照明カバー用台座が、基板と、基板の一端と他端に設けた係合部と、基板に設けた切欠部とを有し、係合部を被係合部に係合させ、切欠部に照明を通してベースの正面側に取り付けてあり、照明カバーが、照明カバー用台座に取り付けてあって、照明を覆うものであり、インターホン用台座が、基板と、基板の一端と他端に設けた係合部を有し、係合部を被係合部に係合させてベースの正面側に取り付けてあり、インターホンが、インターホン用台座に取り付けてあり、インターホンカバーが、インターホン用台座に取り付けてあって、インターホンの端部を覆うものであり、化粧材が、一端と他端に設けた係合部を有し、係合部を被係合部に係合させてベースの正面側に取り付けてあることを特徴とする。
【0006】
本発明のうち請求項2の発明は、化粧材に表札を取り付けてあることを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項3の発明は、照明カバー用台座及びインターホン用台座が、それぞれの基板の一端と他端に、照明及びインターホンよりも正面側に突出した突出片を有し、照明カバー及びインターホンカバーが、一端を一方の突出片に係合させ、他端を他方の突出片にネジ止めして固定してあることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明のうち請求項1の発明によれば、照明やインターホンを一つのユニットにまとめ、まとまりのある意匠とすることができる。照明とインターホンはそれぞれ機能上の制約があるので意匠を揃えることは難しいが、それらをカバーで覆うことによって統一感を持たせており、照明カバーと、インターホンカバーと、化粧材の意匠を揃えれば、さらに統一感を高めることができる。また、ベースの被係合部に各部材の係合部を係合させて取り付けるので、ネジなどを用いる箇所が少なく、施工が容易である。さらに、ベースが押し出しにより一体に成形された形材からなるものであるから、安価に製造可能であり、また設置面への取り付けも容易である。なお、インターホンカバーは、インターホンの端部のみを覆うので、インターホンの機能を妨げることはなく、また大きさの異なるものにも対応できる。そして化粧材には、請求項2の発明のように、表札を取り付けることができる。
【0009】
本発明のうち請求項3の発明によれば、照明カバー及びインターホンカバーの取り付けが容易であり、また取付構造が外側から見えないようにできるので意匠性が良好である。ネジ止めした面を下側に向ければ、ネジが見えなくなり特に好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の照明具の第一実施形態の斜視図である。
【図2】第一実施形態の分解図である。
【図3】(a)は第一実施形態の正面図であり、(b)はA−A線断面図、(c)はB−B線断面図、(d)はC−C線断面図、(e)はD−D線断面図である。
【図4】照明カバー及びインターホンカバーの取付方法を示し、(a)は照明カバー部分の正面図、(b)はインターホンカバー部分の正面図、(c)は照明カバー部分の縦断面図である。
【図5】照明具の第二実施形態の斜視図である。
【図6】従来の照明、インターホン及び表札の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。この照明具は、玄関周りの壁面や門柱などに設置されるものであって、その第一実施形態は、図1に示すように、左右に長い矩形のベース1に、照明2と、インターホン5と、表札9とを横並びに取り付けて一体化したものである。より詳しくは、ベース1と、照明2と、照明カバー3と、照明カバー用台座4と、インターホン5と、インターホンカバー6と、インターホン用台座7と、化粧材8と、表札9と、端部キャップ10とを備えており、以下、図1〜図4に基づき各部材について説明する。なお、上下左右とは、図3(a)における上下左右を示し、図3(a)の手前側が正面側、奥側が背面側である。
【0012】
ベース1は、アルミの押出形材からなるものであり、左右に長い矩形平板形状の背面部11を有しており、背面部11の上下の両長辺に沿って、被係合部12を設けてある。被係合部12は、背面部11から正面側に突出する側面部13と、両側面部13の対向する面に設けた左右に延びる溝部14からなり、背面部11と両側面部13によってベース1は断面略コ字形になっている。そして背面部11には、照明2を嵌め込むための照明用孔15と、インターホン5の配線を通すためのインターホン用孔16を形成してある。
【0013】
照明2には、略円柱形状のLED照明を用いており、ベース1の背面部11に形成した照明用孔15に嵌め込んで固定する。
【0014】
照明カバー用台座4は、アルミの押出形材からなるものであり、矩形平板形状の基板41を有しており、基板41の上下辺から正面側に向けて突出片43が突出している。そして上側の突出片43の上面及び下側の突出片43の下面には、図3(d)に示すように、係合部42として左右方向に延びる突条を形成してある。また、上側の突出片43の下面には、左右方向に延びる係合突起45を形成してある。ただし、係合突起45の長さは照明カバー用台座4の左右幅より短い。さらに基板41の左辺には、照明2が丁度嵌る大きさの切欠部44を形成してある。このように形成した照明カバー用台座4は、係合部42をベース1の被係合部12(溝部14)に係合させてベース1の右側から挿入し、照明2が切欠部44に嵌る位置までスライドさせ、ベース1にネジ止めして取り付ける。
【0015】
照明カバー3は、アルミの押出形材からなるものであり、矩形平板形状で、左右幅は照明カバー用台座4に一致し、上下高さは照明カバー用台座4の上下の突出片43の間隔に一致する。そして、照明カバー3の上面には左右に延びる係合溝31を形成してある。ただし、この係合溝31は、図4(a)に示すように、照明カバー3の左右端には貫通しておらず、係合突起45と略同じ長さである。このように形成した照明カバー3は、図4(c)に示すように、上面の係合溝31を照明カバー用台座4の上側の突出片43の係合突起45に係合させ、下端を下側の突出片43に当接させて、突出片43の下面側からネジ46を螺合して固定する。照明2は照明カバー3によって覆われ、照明2の光は左右に照射される。
【0016】
インターホン用台座7は、アルミの押出形材からなるものであり、矩形平板形状の基板71を有しており、基板71の上下辺から正面側に向けて突出片73が突出している。そして上側の突出片73の上面及び下側の突出片73の下面には、図3(e)に示すように、係合部72として左右方向に延びる突条を形成してある。また、上側の突出片73の下面には、左右方向に延びる係合突起75を形成してある。ただし、係合突起75の長さはインターホン用台座7の左右幅より短い。さらに基板71の中央には、インターホン5の配線を通すための孔74を形成してある。なお、照明カバー用台座4と、インターホン用台座7とは、切欠部44と孔74の有無が異なるだけである。このように形成したインターホン用台座7は、係合部72をベース1の被係合部12(溝部14)に係合させてベース1の右側から挿入し、基板71の孔74がベース1のインターホン用孔16に一致する位置までスライドさせ、ベース1にネジ止めして取り付ける。
【0017】
インターホン5は、一般的な略直方体形状のものであり、インターホン用台座7の基板71にネジ止めして取り付ける。配線(図示省略)は、インターホン用台座7の孔74及びベース1のインターホン用孔16を通して背面側に延びる。
【0018】
インターホンカバー6は、アルミの押出形材からなるものであり、二枚一組であって、矩形平板形状で、間隔をあけて左右に並んでおり、上下高さはインターホン用台座7の上下の突出片73の間隔に一致する。そして、インターホンカバー6の上面には左右に延びる係合溝61を形成してある。ただし、この係合溝61は、図4(b)に示すように、左側のインターホンカバー6の左端及び右側のインターホンカバー6の右端には貫通していない。このように形成したインターホンカバー6は、インターホン用台座7の左右両端に取り付けるものであって、上面の係合溝61をインターホン用台座7の上側の突出片73の係合突起75に係合させ、下端を下側の突出片73にネジ止めして固定する。インターホン5は左右端部がインターホンカバー6によって覆われ、まとまりのある意匠となるが、インターホン5の操作ボタン、スピーカーやカメラなどは、左右のインターホンカバー6の間に位置するので、機能は一切妨げられない。
【0019】
化粧材8は、アルミの押出形材からなるものであり、矩形平板形状で、上面及び下面には、係合部82として左右方向に延びる突条を形成してあり、左右に貫通する中空部81を有している。このように形成した化粧材8は、係合部82をベース1の被係合部12(溝部14)に係合させて取り付ける。なお、化粧材8は、ベース1の、照明カバー用台座4及びインターホン用台座7を取り付けた箇所以外の箇所に取り付けるものであり、本実施形態では、左端と、照明カバー用台座4とインターホン用台座7の間と、右端の三箇所に取り付ける。この三枚の化粧材8を、左から第一化粧材8a、第二化粧材8b、第三化粧材8cとする。
【0020】
表札9は、名前が書かれた矩形平板を四隅の脚で支持するものであり、図3(b)、(c)に示すように、第一化粧材8aにネジ止めしてある。もちろん、表札9については、化粧材8に取り付けることができるものであれば、どのような意匠のものであってもよい。
【0021】
端部キャップ10は、矩形平板形状で、二つの爪部101を有している。この爪部101を、化粧材8(ベース1の左端においては第一化粧材8a、右端においては第三化粧材8c)の中空部81に挿入して、ベース1の両端に固定する。
【0022】
なお、照明カバー3、インターホンカバー6及び化粧材8には、同色・同模様のラミネートを張って、意匠に統一感を持たせてある。
【0023】
ここで、照明具の組立手順を説明する。まず、ベース1を設置面にネジ止めして固定する。次に、照明2をベース1の照明用孔15に嵌め込んで固定する。そして、図2に示すように、ベース1の左側から第一化粧材8aをスライドさせて取り付け、ベース1の右側から照明カバー用台座4、第二化粧材8b、インターホン用台座7、第三化粧材8cを順にスライドさせて取り付ける。この際、照明カバー用台座4とインターホン用台座7はベース1にネジ止めする。さらに、インターホン5をインターホン用台座7に取り付け、照明カバー3とインターホンカバー6をそれぞれ照明カバー用台座4とインターホン用台座7に取り付ける。そして第一化粧材8aに表札9を取り付け、最後に左右から端部キャップ10を嵌めて完成する。
【0024】
このように構成した本発明の照明具は、照明、インターホン及び表札が一つのユニットにまとめられており、まとまりのある意匠となっている。照明とインターホンはそれぞれ機能上の制約があるので意匠を揃えることは難しいが、それらを同意匠のカバーで覆い、さらに化粧材の意匠も揃っているので、より統一感がある。また、ベースの被係合部(溝部)に各部材の係合部を係合させて取り付けるので、ネジなどを用いる箇所が少なく、施工が容易である。さらに、ベースが押し出しにより一体に成形された形材からなるものであるから、設置面への取り付けは四隅をネジ止めするだけでよく、容易である。また、ベースが断面コ字形で、上下の側面部の間に各部材を挟む構造となっているので、係合部が露出せず、意匠性が良好である。なお、インターホンカバーは、インターホンの端部のみを覆うので、インターホンの機能を妨げることはなく、また大きさの異なるものにも対応できる。さらに、照明カバー及びインターホンカバーの取り付けが容易であり、また係合溝を左右端に貫通しない構造としたので、照明カバー用台座及びインターホン用台座の係合突起が左右から見えず、さらにネジ止めした面は下側に向いているので、意匠性が良好である。また、主な部材(ベース、各カバー、各台座及び化粧材)はアルミの押出形材からなるので、安価に製造できる。
【0025】
図5に示すのは、本発明の照明具の第二実施形態である。第二実施形態は、第一実施形態を90度回転させ、ベース1を縦長の状態にしたものである。各部材(ベース1、照明2、照明カバー3、照明カバー用台座4、インターホン5、インターホンカバー6、インターホン用台座7、化粧材8、表札9、端部キャップ10)の構成は、第一実施形態と同様であるが、インターホン5と表札9は、第一実施形態と比べて90度回転させた向きに取り付けてある。
【0026】
本発明は、上記の実施形態に限定されない。たとえば、ベースの被係合部と、各部材の係合部の構造は、ベースに各部材をスライドして取り付けることができるものであればどのようなものであってもよく、ベースの被係合部に突条を設け、各部材の係合部を溝部としてもよいし、ベースを平板形状とし、各部材にベースを挟む側面部を設けてもよい。また、ベースの照明用孔やインターホン用孔の位置を変えれば、照明、インターホン及び表札の配置を変更することもできる。配置を自在に変更できるよう、ベースに予め複数の孔を形成してもよい。さらに、ベースには、照明、インターホン及び表札以外に、フックや棚などを取り付けてもよい。また、照明カバー用台座及びインターホン用台座の基板は、何れも平板形状で一端と他端に係合部を有するものであれば、矩形以外の形状であってもよい。さらに、照明カバー、インターホンカバー及び化粧材は、矩形平板以外の形状であってもよく、たとえば、正面側に膨らむドーム形状のもの、正面側が波打った形状のものや、正面側に突起を有するものなどであってもよいが、相互の意匠を統一することが望ましい。また、照明は、照明カバーによって覆われるのでどのような形状であってもよく、照明カバー用台座の切欠部の大きさより小さなものであってもよい。
【符号の説明】
【0027】
1 ベース
2 照明
3 照明カバー
4 照明カバー用台座
5 インターホン
6 インターホンカバー
7 インターホン用台座
8 化粧材
9 表札
11 背面部
12 被係合部
41 基板(照明カバー用台座)
42 係合部(照明カバー用台座)
43 突出片(照明カバー用台座)
44 切欠部
71 基板(インターホン用台座)
72 係合部(インターホン用台座)
73 突出片(インターホン用台座)
82 係合部(化粧材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、照明と、照明カバーと、照明カバー用台座と、インターホンと、インターホンカバーと、インターホン用台座と、化粧材とを備え、ベースが、押出形材からなるものであって、矩形平板形状の背面部と、背面部の両長辺に沿って設けた被係合部を有しており、照明が、ベースの背面部に取り付けてあり、照明カバー用台座が、基板と、基板の一端と他端に設けた係合部と、基板に設けた切欠部とを有し、係合部を被係合部に係合させ、切欠部に照明を通してベースの正面側に取り付けてあり、照明カバーが、照明カバー用台座に取り付けてあって、照明を覆うものであり、インターホン用台座が、基板と、基板の一端と他端に設けた係合部を有し、係合部を被係合部に係合させてベースの正面側に取り付けてあり、インターホンが、インターホン用台座に取り付けてあり、インターホンカバーが、インターホン用台座に取り付けてあって、インターホンの端部を覆うものであり、化粧材が、一端と他端に設けた係合部を有し、係合部を被係合部に係合させてベースの正面側に取り付けてあることを特徴とする照明具。
【請求項2】
化粧材に表札を取り付けてあることを特徴とする請求項1記載の照明具。
【請求項3】
照明カバー用台座及びインターホン用台座が、それぞれの基板の一端と他端に、照明及びインターホンよりも正面側に突出した突出片を有し、照明カバー及びインターホンカバーが、一端を一方の突出片に係合させ、他端を他方の突出片にネジ止めして固定してあることを特徴とする請求項1又は2記載の照明具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−12345(P2013−12345A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−143254(P2011−143254)
【出願日】平成23年6月28日(2011.6.28)
【出願人】(000175560)三協立山株式会社 (529)
【Fターム(参考)】