説明

照明器具

【課題】 発光素子固有の特質を活かしたデザイン及び見栄えを備えた照明器具を提供する。
【解決手段】 少なくとも一方が開放した筐体12と、筐体内に配置され且つこの筐体の開放方向に光を出射する第一の発光素子13aと、を備えた照明器具10であって、この筐体の周縁に沿って配置されたライトガイド15と、このライトガイドに対して光学的に結合された第二の発光素子13bと、を備えるように、照明器具10を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所謂ペンダントライトやシーリングライトとして使用される扁平な筐体を備えた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、白色LEDの発光効率の向上に伴って、一般照明用の光源としての利用拡大が期待されており、既に白色LEDを光源としたペンダントライトタイプのLED照明器具が多種類市販されている。
光源としての個々の白色LEDが従来の白熱灯や蛍光灯と比較して非常に小型であることを活かして、これらのLED照明器具は小型・薄型のデザインになっている。
【0003】
さらに、特許文献1には、金属ベース基板の片面に複数個のLEDを実装したカード型LED照明光源が、コネクタを介して着脱可能に点灯回路に接続されると共に、基板裏面が照明装置の一部に熱的に接触するようにした、LED照明装置が開示されている。
【0004】
この構成によれば、コネクタを介して点灯回路からカード型LED照明光源の各LEDに給電が行なわれる。これにより、各LEDが発光し、各LEDの発光時に生ずる熱が基板裏面から照明装置の一部に対して放熱される。これにより、基板上に高密度でLEDを集積させたとしても、各LEDが放熱により比較的低い温度に保持される。これにより、各LEDの発光効率が高く保持され得るので、光利用効率が向上することになる。
【特許文献1】特開2007−059930号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来のLED照明器具においては、特許文献1によるLED照明装置も含めて、複数個のLEDにより面状光源を構成したり、環状光源を構成することにより、従来の白熱灯や蛍光灯の代用としての光源を構成するようになっている。
従って、LED照明器具からの照明光や見栄えは、従来の白熱灯や蛍光灯を光源とする照明器具とほぼ同じであり、LED固有の特質を活かしているとはいいがたい。
【0006】
このような問題は、LEDを使用した場合だけでなく、他の発光素子を使用した場合も同様である。
また、上述したペンタントライトタイプの照明器具だけでなく、例えば天井面に直接に取り付けられる所謂シーリングライトタイプの照明器具やその他の種類の照明器具においても同様の問題がある。
【0007】
本発明は、以上の点から、発光素子固有の特質を活かしたデザイン及び見栄えを備えた照明器具を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的は、本発明によれば、少なくとも一方が開放した筐体と、筐体内に配置され筐体が開放した方向へ光を発する発光素子と、を備えた照明器具であって、この筐体の周縁に少なくとも部分的に沿って配置されたライトガイドと、このライトガイドに光学的に結合した少なくとも一つの発光素子と、を備えていることを特徴とする、照明器具により、達成される。
【0009】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記筐体が扁平である。
【0010】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記筐体の開放した面を閉じるように配置された照明レンズを備えている。
【0011】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記ライトガイドが、上記筐体の周縁に沿って、この筐体を包囲する形状を有している。
【0012】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記ライトガイドが、半径方向に関して内側部分と外側部分とに分割されている。
【0013】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記第二の発光素子が、上記ライトガイドの内側部分の上面または下面に対向するように配置されている。
【0014】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記第二の発光素子が、上記ライトガイドの内側部分の内周側壁に対向するように配置されている。
【0015】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記ライトガイドの内側部分と外側部分が、別体に構成され完全に分離されている。
【0016】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記ライトガイドの内側部分と外側部分が、一体に構成されており、その境界がスリットにより画成されている。
【0017】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記ライトガイドの内側部分が、各発光素子に対向する位置に、各発光素子の光軸と同心で頂角がほぼ90度の円錐状凹部を備えている。
【0018】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記ライトガイドの内側部分が、その外側面及び/または内側面にて、各発光素子に対応する周囲方向の位置に、平面または円錐状凹部の中心軸に焦点を有するほぼ放物柱面から成るV字状の切欠部を備えている。
【0019】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記ライトガイドの外側部分の外周面及び/または内側部分が、光拡散効果を有するように形成されている。
【0020】
本発明による照明器具は、好ましくは、上記第一の発光素子及び第二の発光素子が、上記筐体内に収容された一つの基板上に実装されている。
【発明の効果】
【0021】
上記構成によれば、例えば照明器具の筐体が天井から吊下げられ、あるいは天井面に直接に取り付けられる。これにより、ペンダントライトまたはシーリングライトとして使用され、筐体内の第一の発光素子からの光が筐体の開放方向に出射する。このため、光出射方向、例えば照明器具の下方にて、部屋の床面やデスク,食卓等が照明されることになる。
【0022】
さらに、各発光素子が駆動され、各発光素子が発光する。各発光素子から出射した光は、ライトガイドに入射し、ライトガイド内にて反射を繰り返すことにより、その周囲方向に拡散される。
その後、ライトガイド内の光は、周囲方向全体に分かってほぼ均一に拡散された後、外周面から外部に出射する。
【0023】
これにより、本照明器具を外部から観察した場合、照明器具の筐体の外周縁付近が第二の発光素子からの拡散光によって均一な線状に光って見えることになる。従って、従来の照明器具と比較して、照明器具の外周縁が線状に光る。これにより、LED等の発光素子の特質を活かした斬新な見栄えが提供されることになる。
【0024】
この場合、外周縁の線状の照明は、筐体の周縁に沿って配置されたライトガイドに対向して配置された発光素子により行なわれる。このため、消費電力が小さく、また温度上昇も比較的少ない。
【0025】
また、ライトガイドによる拡散効果により、発光素子として比較的少数の発光素子を使用すればよい。このため、簡単な構成により、低コストで照明器具の商品価値を向上させることが可能である。
【0026】
上記筐体が扁平である場合には、全体が小型に構成され得る。また、本照明器具を天井面や壁面に取り付けた場合に、占有スペースが少なくて済むことになる。
【0027】
上記筐体の開放した面を閉じるように配置された照明レンズを備えている場合には、第一の発光素子から出射した光が、この照明レンズを介して外部に照射されることになる。従って、照明レンズにより所定の配光特性を付与することができる。
【0028】
上記ライトガイドが、上記筐体の周縁に沿って、この筐体を包囲する形状を有している場合には、上記ライトガイドが視覚的に筐体と一体のデザインとなり、見栄えが向上することになる。
【0029】
上記ライトガイドが、半径方向に関して内側部分と外側部分とに分割されている場合には、第二の発光素子から出射した光は、ライトガイドの内側部分に入射し、ライトガイドの内側部分内にて反射を繰り返す。これにより、その周囲方向に拡散される。その後、ライトガイドの内側部分の各所から外側に出射した光は、ライトガイドの外側部分に入射し、さらにこのライトガイドの外側部分内に反射を繰り返す。これにより、周囲方向全体に分かってほぼ均一に拡散された後、外周面から外部に出射する。従って、第二の発光素子から出射した光が、ライトガイドの内側部分と外側部分の二段階で周囲方向に拡散されるので、周囲方向に関してより均一に光が拡散されることになる。
【0030】
上記第二の発光素子が、上記ライトガイドの内側部分の上面または下面に対向するように配置され、または上記ライトガイドの内側部分の内周側壁に対向するように配置されている場合には、第二の発光素子から出射した光が、上記ライトガイドの内側部分の上面,下面または内周側壁から内部に進入することになる。
【0031】
上記ライトガイドの内側部分と外側部分が、別体に構成され完全に分離されている場合には、これらの内側部分及び外側部分が、それぞれ最適な形状に成形され、組み立てられる。
【0032】
上記ライトガイドの内側部分と外側部分が、一体に構成されており、その境界がスリットにより画成されている場合には、これらの内側部分及び外側部分の相互の位置合わせが不要であり、組立が容易に行なわれ得ることになる。
【0033】
上記ライトガイドの内側部分が、各発光素子に対向する位置に、各発光素子の光軸と同心で頂角がほぼ90度の円錐状凹部を備えている場合には、各発光素子から光軸方向に出射した光が、この円錐状凹部で全反射して水平方向周囲に拡散することになる。これにより、各発光素子からの光の利用効率が向上することになる。
【0034】
上記ライトガイドの内側部分が、その外側面及び/または内側面にて、各発光素子に対応する半径方向の位置に、平面または円錐状凹部の中心軸に焦点を有するほぼ放物柱面から成るV字状の切欠部を備えている場合には、各発光素子から直接に側方に出射した光あるいは上記ライトガイドの内側部分の円錐状凹部で全反射して側方に進む光が、この切欠部で全反射して、拡散光または平行光となって、ライトガイドの内側部分の周囲方向に沿って反射する。これにより、各発光素子からの光の利用効率が向上することになる。
【0035】
上記ライトガイドの外側部分の外周面及び/または内側部分が、光拡散効果を有するように形成されている場合には、ライトガイドの内側部分の外周面から外側に光が出射するとき、光が拡散される。また、ライトガイドの外側部分の外周面から外側に光が出射するとき、同様に光が拡散される。従って、ライトガイドの外側部分から外部に出射する光がより均一になる。
【0036】
上記第一の発光素子及び第二の発光素子が、上記筐体内に収容された一つの基板上に実装されている場合には、全体として部品点数が少なくなり、またより小型に構成され得ることになる。
【0037】
このようにして、本発明によれば、発光素子固有の特質を活かしたデザイン及び見栄えを備えた照明器具が提供され得ることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、この発明の好適な実施形態を図1から図9を参照しながら、詳細に説明する。
尚、以下に述べる実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0039】
[実施例1]
図1及び図2は、本発明による照明器具の第一の実施形態の構成を示している。
図1及び図2において、照明器具10は、ペンダントライトタイプの照明器具であって、上方から順に、支持パイプ11,筐体12,LED基板13,照明レンズ14,ライトガイド15及び表面カバー16から構成されている。
【0040】
上記支持パイプ11は、照明器具10全体を天井から吊下げた状態で支持するためのものである。
支持パイプ11は、その下端が、筐体12に固定されていると共に、その上端が図示しない部屋の天井等に対して固定されている。
【0041】
上記筐体12は、扁平な円盤状に形成されており、周縁が下方に延びていると共に、その下方が開放している。
ここで、上記筐体12は、熱伝導性の良好な材料から構成されることにより、ヒートシンクとして作用して、後述するLED基板13上に実装されたLEDで発生する熱を放熱するようになっている。
【0042】
上記LED基板13は、図示の場合、円板状に形成されており、上記筐体12の内部にて、筐体12内にて筐体12の内部下面に密着して配置されている。
そして、上記LED基板13は、その中央領域の下面に、第一の発光素子としてのメイン照明用の複数個の白色LED13aが実装されている。
【0043】
また、上記LED基板13は、その周縁領域の下面に等角度間隔で分散配置された、第二の発光素子としてのイルミネーション用の複数個(図示の場合、4個)の白色LED13bが実装されている。
これらの白色LED13a,13bは、何れもその光軸がLED基板13に対して下方にほぼ垂直に延びるように配置されている。
【0044】
さらに、上記LED基板13は、上述した白色LED13a,13bを駆動するための駆動回路(図示せず)を備えており、この駆動回路から電源コードが、支持パイプ11を通って部屋の天井等の裏まで引き回され、屋内配線に接続されるようになっている。
【0045】
上記照明レンズ14は、扁平な円形の外形を有しており、上記LED基板13の中央領域に対応するように、その大きさが選定されている。
上記照明レンズ14は、図2に示すように、周縁にて等角度間隔で上方に延びる取付脚部14aの先端が、上記LED基板13の対応する位置に設けられた係合孔13cに係合することにより、このLED基板13に対して位置決めされ、例えばカシメ等により固定保持されるようになっている。
これにより、上記照明レンズ14は、メイン照明用の各白色LED13aから出射する光を、所望の配光特性となるように、下方に向かって照射するようになっている。
従って、本照明器具10の下方にて、例えば部屋の床面やデスク,食卓等が所望の配光特性で照明され得ることになる。
【0046】
上記ライトガイド15は、図示の場合、半径方向に関して内側部分と外側部分に分割されており、互いに別体である内側の第一のライトガイド17と外側の第二のライトガイド18から構成されている。
ここで、第一のライトガイド17及び第二のライトガイド18は、図3及び図4に示すように、LED基板13に対して同じ高さ位置に配置されており、第一のライトガイド17の外周縁と第二のライトガイド18の内周縁が僅かな間隙で互いに対向するようになっている。
これらの第一のライトガイド17及び第二のライトガイド18は、LED基板13上に実装された白色LED13bに対して透光性を備える材料から成形されている。
【0047】
上記第一のライトガイド17は、図3及び図4に示すように、やや扁平な円環状に形成されている。
上記第一のライトガイド17は、LED基板13上の白色LED13bに対向する領域にて、図5(A)に示すように、この白色LED13bと反対側の面即ち下面に、対応する白色LED13bの光軸と同心の円錐状凹部17aを備えている。
この円錐状凹部17aは、図5(A)そして図6(B)に示すように、その頂角がほぼ90度に形成されている。これにより、LED基板13上のイルミネーション用白色LED13bから対応する第一のライトガイド17に入射した光L1は、その光軸と同心の円錐状凹部17aに内側から入射することにより、全方向に対して全反射することになる。
【0048】
また、上記第一のライトガイド17は、図3及び図4に示すように、上述した円錐状凹部17aの半径方向外側面及び内側面に、この円錐状凹部17aと同じ半径方向の位置に、切欠部17bを備えている。
この切欠部17bは、上述した位置を中心に周囲方向に斜めに延び、水平方向に関してほぼV字形の溝を形成している。
【0049】
ここで、この切欠部17bは、より詳細には平面から構成され、あるいは上記円錐状凹部17aの中心軸を焦点とする放物線を、この中心軸方向に平行移動した放物柱面から構成されている。
これにより、図6(A)に示すように、前述したように上記円錐状凹部17aで全方向に全反射した光のうち、半径方向即ち第一のライトガイド17の内側面及び外側面方向に反射した光L2が、これらの切欠部17bに内側から入射する。このため、この光が全反射して、第一のライトガイド17の周囲方向に沿って進むことになる。
その際、切欠部17bが放物柱面から形成されている場合には、切欠部17bの内面で反射した光は、ほぼ平行光となって、第一のライトガイド17の周囲方向に沿って進むことになる。
【0050】
さらに、上記第一のライトガイド17は、その第二のライトガイド18に対向する外周面が、シボ加工,シボ塗装等の粗面加工や、ローレットカットにより、透過光を拡散させるように、即ち光拡散効果を有するように形成されている。
また、上記第一のライトガイド17は、表面カバー16を筐体12に固定するための固定ネジを貫通させるネジ孔17cを備えている。
これらのネジ孔17cは、好ましくは互いに隣接する二つの円錐状凹部17aの中間付近に配置されている。
これにより、第一のライトガイド17内にて十分に導光が行なわれ、外部への出射光度が周囲方向に関してほぼ均一になる。
【0051】
上記第二のライトガイド18は、図3及び図4に示すように、やや扁平な円環状に形成されており、その高さは、第一のライトガイド17とほぼ同じに選定されている。
上記第二のライトガイド18は、その外周面が、シボ加工,シボ塗装等の粗面加工や、凹Rまたは凸Rから成るローレットカットにより、透過光を拡散させるように、即ち光拡散効果を有するように形成されている。
【0052】
上記表面カバー16は、不透光性材料から構成され、あるいは不透光性塗料で塗装されることにより、不透光性を備えており、円環状に形成されている。
上記表面カバー16は、その外径が筐体12の外径とほぼ同じである。また、その内径が照明レンズ14より僅かに小径であって、照明レンズ14の周縁を覆うようになっている。
さらに、上記表面カバー16は、その周縁に沿って等角度間隔の複数個(図示の場合、4個)のネジ孔16aを備えている。
これにより、このネジ孔16aに固定ネジ16bを挿通し、表面カバー16とLED基板13の間にライトガイド15即ち第一のライトガイド17及び第二のライトガイド18を挟み込むようにして、表面カバー16が筐体12の取付ボス12aに対して固定保持される。
さらに、上記表面カバー16のネジ孔16aは、ネジ孔カバー16cで覆われるようになっている。
【0053】
尚、上記筐体12は、その上面が放熱効果を高めるために、図7に示すように、凹凸形状12aを備えている。
これにより、筐体12の内部下面に密着したLED基板13から、白色LED13a,13bの駆動時の熱が、筐体12に伝達され、この凹凸形状12aにより、外気に放出されて、LED基板13そして各白色LED13a,13bの放熱が行なわれ得るようになっている。
【0054】
本発明実施形態による照明器具10は、以上のように構成されており、照明器具10は、その支持パイプ11の上端が部屋の天井等に取り付けられることにより、ペンダントライトとして使用され得る。
天井裏等の屋内配線からLED基板13の駆動回路に給電が行なわれる。これにより、各白色LED13a,13bが駆動され、発光する。
ここで、メイン照明用の白色LED13aから出射した光は、照明レンズ14を介して下方に出射し、例えば部屋の床面やデスク,食卓等が照明される。
【0055】
これに対して、イルミネーション用の白色LED13bから出射した光は、対向するライトガイド15の第一のライトガイド17内に入射し、その円錐状凹部17aの内面で全反射し、全方向に向かって進む。
さらに、円錐状凹部17aで全反射して全方向に向かって進む光のうち、側方即ち半径方向内側及び外側に向かって進む光は、切欠部17bの内面で全反射して、拡散光または平行光となって、第一のライトガイド17内を周囲方向に沿って進むことになる。
【0056】
このようにして第一のライトガイド17内を周囲方向に向かって進む光は、第一のライトガイド17内で反射を繰り返す。これにより、第一のライトガイド17内全体に導かれ、その外周面の各所から外側に出射する。これにより、第一のライトガイド17の全周に亘ってほぼ均一な光が、外周面から外側に出射し、出射の際にこの外周面のシボ加工,シボ塗装等の粗面加工やローレットカットの加工により、拡散され、より均一化された状態で、第二のライトガイド18の内周面から入射する。
【0057】
第二のライトガイド18内に入射した光は、さらに第二のライトガイド18内で反射を繰り返す。これにより、その周囲方向全体に分かってほぼ均一に拡散された後、外周面から外部に出射し、出射の際にこの外周面のシボ加工,シボ塗装等の粗面加工やローレットカットの加工により、拡散され、より均一化された状態で外部に出射することになる。
【0058】
従って、本照明器具10を外部から観察した場合、照明レンズ14を介して下方に光が照射される。これにより、通常の照明が行なわれ、照明器具10の扁平な筐体12の外周縁付近の第二のライトガイド18の外周面からの拡散光により、筐体12の外周縁が均一な線状に光って見えることになる。このため、白色LED13bの特質を活かした斬新な見栄えが得られることになる。
【0059】
また、LED基板13上の白色LED13a,13bの駆動時に発生する熱は、LED基板13から筐体12に伝達され、この筐体12の上面の凹凸形状12aを介して外部に放出される。このため、白色LED13a,13bの温度が上昇して、これらの発光効率が低下してしまうようなことはない。
【0060】
[実施例2]
図8は、本発明による照明器具の第二の実施形態の構成を示している。
図8において、照明器具20は、図1に示した照明器具10とほぼ同様の構成であるから、同じ構成要素には同じ符号を付して、その説明を省略する。
照明器具20は、図1に示した照明器具10とは、第一のライトガイド17及び第二のライトガイド18が一体に形成されたライトガイド21を備えている点でのみ異なる構成になっている。
【0061】
上記ライトガイド21は、前述した第一のライトガイド17及び第二のライトガイド18が、等角度間隔に配置された連結部22により一体に連結されている。また、この連結部22以外の部分では、その間にスリット23を画成するようになっている。
これにより、上記ライトガイド21は、図1の照明器具10における互いに別体の第一のライトガイド17及び第二のライトガイド18から成るライトガイド15と同様に作用するようになっている。
【0062】
このように構成された照明器具20によれば、図1の照明器具10と同様に作用する。さらに、第一のライトガイド17及び第二のライトガイド18が互いに一体に形成されている。このため、これらの第一のライトガイド17及び第二のライトガイド18の相互の位置決めが不要である。また、第一のライトガイド17及び第二のライトガイド18が、一つの部品(ライトガイド21)として供給され、部品点数が削減され、組立が容易に行なわれ得ることになる。
【産業上の利用可能性】
【0063】
上述した実施形態においては、筐体12が支持パイプ11を介して部屋の天井等に取り付けられ、下方に光を出射するペンダントライトとして使用されているが、これに限らず、筐体12が直接に部屋の天井等に取り付けられて、シーリングライトとして使用され、あるいは壁面等に取り付けられて、他の方向に光を出射するような他の種類の照明器具として使用されてもよいことは明らかである。 また、上述した実施形態においては、メイン照明用及びイルミネーション用として白色LED13a,13bが使用されているが、これに限らず、他の発光色のLEDあるいは複数の発光色のLEDが使用され、この混色によってメイン照明及び/またはイルミネーションが行なわれるようにしてもよいことは明らかである。
【0064】
さらに、上述した実施形態においては、光源としてLEDが使用されているが、これに限らず、他の発光素子が使用されていてもよい。
また、上述した実施形態においては、イルミネーション用の白色LED13bが、第一のライトガイド17の上面に対向して配置されているが、これに限らず、第一のライトガイド17の下面に対向して配置されていてもよい。
あるいは、上述した実施形態においては、イルミネーション用の白色LED13bとして、所謂サイドビュータイプの表面実装型LEDが、第一のライトガイド17の内周側壁に対向して配置されるようにしてもよい。
【0065】
さらに、上述した実施形態においては、筐体12が扁平な円盤状に形成されており、これに合わせて、ライトガイド15または21も円環状に形成されているが、これに限らず、筐体12が照明器具の用途に合わせて扁平または非扁平の楕円形あるいは異型の外形を有しており、この形状に合わせて、ライトガイド15,21の外形が形成されるようにしてもよいことは明らかである。
【0066】
上述した実施形態においては、第一の発光素子から出射した光が照明レンズを介して外部に照射されるようになっているが、照明レンズが省略されてもよいことは明らかである。
また、上述した実施形態においては、ライトガイド15または21が、筐体12の周縁の内側に配置されているが、これに限らず、筐体12の周縁の外側に配置されていてもよいことは明らかである。
【0067】
このようにして、本発明によれば、発光素子固有の特質を活かしたデザイン及び見栄えを備えた、極めて優れた照明器具が提供され得る。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明による照明器具の第一の実施形態の構成を示す下方から見た斜視図である。
【図2】図1の照明器具の分解斜視図である。
【図3】図1の照明器具における要部の構成を示す分解斜視図である。
【図4】図1の照明器具における表面カバーを除いた状態の部分底面図である。
【図5】図1の照明器具における周縁付近の(A)イルミネーション用LEDを通る部分拡大断面図,(B)取付ネジを通る部分拡大断面図及び(C)その他の部分の部分拡大断面図である。
【図6】図1の照明器具における第一のライトガイドのLED付近の構成を示す(A)拡大平面図及び(B)拡大側面図である。
【図7】図1の照明器具における筐体の上面の形状を示す上方から見た斜視図である。
【図8】本発明による照明器具の第二の実施形態の構成を示す下方から見た分解斜視図である。
【図9】図8の照明器具におけるライトガイドの全体構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0069】
10 照明器具
11 支持パイプ
12 筐体
12a 凹凸形状
13 LED基板
13a メイン照明用白色LED(第一の発光素子)
13b イルミネーション用白色LED(第二の発光素子)
14 照明レンズ
15 ライトガイド
16 表面カバー
17 第一のライトガイド
17a 円錐状凹部
17b 切欠部
18 第二のライトガイド
20 照明器具
21 ライトガイド
22 連結部
23 スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一方が開放した筐体と、筐体内に配置され筐体が開放した方向へ光を発する発光素子と、を備えた照明器具であって、
この筐体の周縁に少なくとも部分的に沿って配置されたライトガイドと、
このライトガイドに光学的に結合した少なくとも一つの発光素子と、
を備えていることを特徴とする、照明器具。
【請求項2】
上記筐体が扁平であることを特徴とする、請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
上記筐体の開放した面を閉じるように配置された照明レンズを備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の照明器具。
【請求項4】
上記ライトガイドが、上記筐体の周縁に沿って、この筐体を包囲する形状を有していることを特徴とする、請求項1から3の何れかに記載の照明器具。
【請求項5】
上記ライトガイドが、半径方向に関して内側部分と外側部分とに分割されていることを特徴とする、請求項1から4の何れかに記載の照明器具。
【請求項6】
上記第二の発光素子が、上記ライトガイドの内側部分の上面または下面に対向するように配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
上記第二の発光素子が、上記ライトガイドの内側部分の内周側壁に対向するように配置されていることを特徴とする、請求項5に記載の照明器具。
【請求項8】
上記ライトガイドの内側部分と外側部分が、別体に構成され完全に分離されていることを特徴とする、請求項5から7の何れかに記載の照明器具。
【請求項9】
上記ライトガイドの内側部分と外側部分が、一体に構成されており、その境界がスリットにより画成されていることを特徴とする、請求項5から7の何れかに記載の照明器具。
【請求項10】
上記ライトガイドの内側部分が、各発光素子に対向する位置に、各発光素子の光軸と同心で頂角がほぼ90度の円錐状凹部を備えていることを特徴とする、請求項5から9の何れかに記載の照明器具。
【請求項11】
上記ライトガイドの内側部分が、その外側面及び/または内側面にて、各発光素子に対応する半径方向の位置に、平面または円錐状凹部の中心軸に焦点を有するほぼ放物柱面から成るV字状の切欠部を備えていることを特徴とする、請求項5から10の何れかに記載の照明器具。
【請求項12】
上記ライトガイドの外側部分の外周面及び/または内側部分が、光拡散効果を有するように形成されていることを特徴とする、請求項1から11の何れかに記載の照明器具。
【請求項13】
上記第一の発光素子及び第二の発光素子が、上記筐体内に収容された一つの基板上に実装されていることを特徴とする、請求項1から12の何れかに記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−293769(P2008−293769A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137483(P2007−137483)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(000002303)スタンレー電気株式会社 (2,684)
【Fターム(参考)】