照明器具
【課題】取付作業性が良く、蛍光灯の落下を確実に防止することのできる照明器具を提供する。
【解決手段】口金22を放電管21の端部から側方に突出して設けるとともに、ランプピン23をソケット31に挿入して、放電管21の軸に平行な回転軸回りに蛍光灯20を回動させて取り付けるようにしたので、取付の際に蛍光灯20の両端を作業者が保持する必要がなくなる。このため、蛍光灯20が長い場合でも一人で容易に取り付けることができ、取付作業性を改善することができる。また、蛍光灯20を回動させて取り付けるので、蛍光灯20の落下を確実に防止することができる。さらに、蛍光灯20を軸方向へ移動させないので、軸方向への蛍光灯20の連結を、隙間なく行うことができる。
【解決手段】口金22を放電管21の端部から側方に突出して設けるとともに、ランプピン23をソケット31に挿入して、放電管21の軸に平行な回転軸回りに蛍光灯20を回動させて取り付けるようにしたので、取付の際に蛍光灯20の両端を作業者が保持する必要がなくなる。このため、蛍光灯20が長い場合でも一人で容易に取り付けることができ、取付作業性を改善することができる。また、蛍光灯20を回動させて取り付けるので、蛍光灯20の落下を確実に防止することができる。さらに、蛍光灯20を軸方向へ移動させないので、軸方向への蛍光灯20の連結を、隙間なく行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管蛍光灯を用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、口金が放電管の両端に配置された直管型の蛍光灯をソケットに取り付けるには、ランプピンをソケットの凹部に挿嵌するとともに、口金を板バネに押し込んで係止するのが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−117682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、板バネにより蛍光灯を支持する従来の照明器具においては、衝撃や振動を受けた場合に、蛍光灯が外れる危険性がある。そこで、蛍光灯が外れないようにバネ圧を上げると、押し込み操作が困難になり、十分押し込まれずに中途半端な装着になり、使用中に落下するおそれがある。
また、装着時には両方の口金を略同時に押し上げる必要があり、放電管が長い場合には蛍光灯の装着に2名の作業員が必要となり、取付作業性が悪いという問題があった。
【0004】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、取付作業性が良く、蛍光灯の落下を確実に防止することのできる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照明器具は、直管の放電管の両端部付近に設けられた口金から同一方向に突出して設けられた一対のランプピンを有する蛍光灯と、前記ランプピンを保持して電力を供給する一対のソケットを有する照明器具本体と、を備えた照明器具であって、前記口金が前記放電管の端部から側方に突出して設けられ、前記ランプピンを前記ソケットに挿入して、前記放電管の軸に平行な回転軸回りに前記蛍光灯を回動させて取り付ける構成を有している。
【0006】
この構成により、口金を放電管の端部から側方に突出して設けるとともに、ランプピンをソケットに挿入して、放電管の軸に平行な回転軸回りに蛍光灯を回動させて取り付けるようにしたので、取付の際に蛍光灯の両端を作業者が保持する必要がなくなる。このため、蛍光灯が長い場合でも一人で容易に取り付けることができ、取付作業性を改善することができる。また、蛍光灯を回動させて取り付けるので、蛍光灯の落下を確実に防止することができる。さらに、蛍光灯を軸方向へ移動させないので、軸方向への蛍光灯の連結を、隙間なく行うことができる。
【0007】
また、本発明の照明器具は、前記ランプピンが、前記放電管の軸方向中心側へ突出している構成を有している。
【0008】
この構成により、ランプピンが軸方向外側へ突出していないため、蛍光灯を軸方向に配置する際に、隙間を小さくして連結することができる。
【0009】
また、本発明の照明器具は、前記一対のランプピンが、取付状態において前記照明器具本体における前記ソケットの取付面に対して平行に配置された構成を有している。
【0010】
この構成により、蛍光灯を取り付けた後に、一対のランプピンが照明器具本体のソケット取付面に対して平行に配置されることになるので、蛍光灯の落下を確実に防止することができる。
【0011】
また、本発明の照明器具は、前記ランプピンは前記口金から前記放電管の径方向に突出し、先端に凸部を有する構成を有している。
【0012】
この構成により、蛍光灯を回動させることにより、容易に蛍光灯をソケットに取り付けることができる。
【0013】
さらに、本発明の照明器具は、前記回転軸が、前記放電管の軸と一致または前記ランプピンと前記放電管の軸との間に位置する構成を有している。
【0014】
この構成により、蛍光灯を取り付ける際の回転軸が、放電管の軸と一致またはランプピンと放電管の軸との間にあるので、蛍光灯を回動させても位置があまりずれない。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、口金を放電管の端部から側方に突出して設けるとともに、ランプピンをソケットに挿入して、放電管の軸に平行な回転軸回りに蛍光灯を回動させて取り付けるようにしたので、取付の際に蛍光灯の両端を作業者が保持する必要がなくなる。このため、蛍光灯が長い場合でも一人で容易に取り付けることができ、取付作業性を改善することができる。また、蛍光灯を回動させて取り付けるので、蛍光灯の落下を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる照明器具を示す斜視図、図2(A)は外側から見た蛍光灯およびソケットの分解斜視図、図2(B)は中心側から見た蛍光灯およびソケットの分解斜視図、図3(A)〜(C)は蛍光灯の装着工程を示す斜視図、図4(A)および(B)は蛍光灯の装着工程を示す断面図である。
【0018】
図1および図2に示すように、第1実施形態にかかる照明器具10は、直管の放電管21の両端部付近に設けられた口金22から突出して設けられた一対のランプピン23、23を有する蛍光灯20と、ランプピン23を保持して電力を供給する一対のソケット31、31を備えた照明器具本体30とを有する。
【0019】
放電管21の端面21aには、放電管21と口金22を連結する連結板24が設けられている。連結板24は、蛍光灯20を回動させる際の取っ手にもなる。
【0020】
口金22は、例えば樹脂等の絶縁製部材により形成され、略立方体状を呈している。口金22の放電管21中心側面22aには、円形断面の棒状をした導電性金属からなる一対のランプピン23、23が設けられている。各ランプピン23は、放電管21の径方向に上下2段に配置されて、放電管21の軸方向に沿って放電管21の中心に向かって突出している。
従って、ランプピン23は、ソケット31が取り付けられている器具本体30の天板(取付面)30aに平行となっている。
【0021】
図2に示すように、ソケット31は、器具本体30の天板30aに取り付けられるソケットボディ32を有する。ソケットボディ32は、器具本体30側の矩形部分と器具本体30と反対側の半円部分とを組み合わせた外形および内部空間32aを有する。ソケットボディ32は、口金22と対向しない側の面は開口(開口面32b)しており、口金22と対向する側の面32cには、半円部分を含む円形の開口部32dが設けられている。
【0022】
ソケットボディ32の面32cには、開口部32dと外部とを連結する溝32eが、開口部32dの中心を通って水平方向に設けられている。溝32eの幅D(図2(A)参照)は、ランプピン23の外径より大きい。また、溝32eの軸方向長さLは、ランプピン23の長さよりも長い。従って、ランプピン23は、外部から溝32eを通って開口部32dに達することができる。
なお、ソケットボディ32の側面32fの幅は、溝32eの長さLよりも大きく、側面32fの一部を残してソケットボディ32の形状を確保している。
【0023】
開口面32bにはソケットカバー33が取り付けられる。ソケットカバー33の内面には、半円部分の中心を中心とする円柱状の軸部材33aが、放電管21の軸と平行で放電管21の外側に向かって突出して設けられている。軸部材33aの先端部には、ランプピン23が通過可能な凹部33bが設けられている。
【0024】
開口部32dには、開口部32dの内径よりも大きな外径を有する円板状の回転子34が取り付けられる。回転子34には、ソケットカバー33の軸部材33aに外嵌する円管状の軸受部34aが、軸方向中心側へ突出して設けられている。回転子34には、中心を通って一方の外周縁まで延びる切欠き34bが設けられている。この切欠き34bの幅はランプピン23の外径よりも大きく、軸受部34aの一部34cを貫通して設けられている。
【0025】
従って、ソケットボディ32にソケットカバー33および回転子34を取り付けると、回転子34の軸受部34aがソケットカバー33の軸部材33aに外嵌して、回転子34はソケットカバー33に回転可能に支持される。
【0026】
ソケットボディ32の天板32gは、器具本体30の天板30aへの取付面であり、一対の電線挿入穴32h、32hが設けられている。ソケット31取付位置における天板30aには、電線挿入穴32hに対応して貫通穴(図示省略)が設けられており、器具本体30に設けられている点灯装置(図示省略)からの電線が、貫通穴および電線挿入穴32hを通ってソケット31の内部空間32aに引き込まれてソケット31に接続される。
【0027】
ソケットボディ32の内部空間32aには、第1導電板35および第2導電板36が収容されている。
第1導電板35は、上端部にソケットボディ32の天板32gの内面に取り付けられる連結端子35aと、連結端子35aから下方に延びる支持部35bと、支持部35bの先端(下端)に設けられたランプピン23に接触して導通する導電部35cを有している。
第2導電板36は、上端部にソケットボディ32の天板32gの内面に取り付けられる連結端子36aと、連結端子36aから下方に延びる支持部36bと、支持部36bの先端(下端)に設けられたランプピン23に接触して導通する導電部36cを有している。
【0028】
連結端子35a、36aには貫通穴35d、36dが設けられており、それぞれソケットボディ32の電線挿入穴32h、32hの真下に位置する。連結端子35a、36aの先端部は内側下方へ向かって折り曲げられて電線押さえ35e、36eを形成しており、電線挿入穴32cから挿入された電線が貫通穴35b、36bを貫通して電線押さえ35e、36eと支持部35b、36bとの間で挟持され導通する。
【0029】
導電部35cは上に凸の円弧状をしており、回転子34の軸受部34aの上方に位置する。導電部36cは下に凸の円弧状をしており、軸受部34aの下方に位置する。両導電部35c、36cの間隔は、一対のランプピン23、23の間隔よりも小さい。
【0030】
次に、蛍光灯20の装着動作について説明する。
【0031】
まず、図3(A)に示すように、ソケット31の回転子34の切欠き34bが水平になるように、回転子34を位置決めしておく。蛍光灯20は、口金22が放電管21の横に位置し、一対のランプピン23、23が水平に並ぶ向き(図4(A)参照)にする。
【0032】
次いで、図3(B)および図4(A)に示すように、蛍光灯20を水平(図3(B)および図4(A)において矢印A方向)に移動させて、一対のランプピン23、23を、ソケット31の回転子34の切欠き34b内部に挿入する。ソケットカバー33の軸部材33aおよび回転子34の軸受部34aにはそれぞれ凹部33bおよび切欠き34bが設けられているので、挿入方向の前方に位置するランプピン23aは、凹部33bおよび切欠き34bを通って軸受部34aの前方に挿入される。また、挿入方向の後方に位置するランプピン23bは、軸受部34aに達しない。
【0033】
次いで、図3(C)および図4(B)に示すように、蛍光灯23を、一対のランプピン23、23の中心CP(図4(A)参照)を中心(すなわち、両ソケット31、31における軸部材33aの中心を結んだ線を中心)として矢印B方向へ90度回動させる。すなわち、蛍光灯20は放電管21の軸に平行な回転軸回りに回転させる。このとき、連結版24を持って回動させることにより、容易に蛍光灯20を回動させることができる。
これにより、ランプピン23、23は回転子34とともに回転して、それぞれ第1導電板35の導電部35cおよび第2導電板36の導電部36cを外側へ弾性変形させて接触する。
【0034】
この構成により、第1実施形態にかかる照明器具10では、口金22を放電管21の端部から側方に突出して設けるとともに、ランプピン23をソケット31に挿入して、放電管21の軸に平行な回転軸回りに蛍光灯20を回動させて取り付けるようにしたので、取付の際に蛍光灯20の両端を作業者が保持する必要がなくなる。
このため、蛍光灯20が長い場合でも一人で容易に取り付けることができ、取付作業性を改善することができる。また、蛍光灯20を回動させて取り付けるので、蛍光灯20の落下を確実に防止することができる。
さらに、蛍光灯20を軸方向へ移動させないので、軸方向への蛍光灯20の連結を、隙間なく行うことができ、照明器具10の配置を多様化することができる。
【0035】
また、ランプピン23が、放電管21の軸方向中心側へ突出しており、軸方向外側へ突出していないため、蛍光灯20を軸方向に配置する際に、隙間を小さくして連結することができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図5(A)および(B)は第2実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図である。なお、前述した第1実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0037】
図5に示すように、第2実施形態にかかる照明器具10Bでは、蛍光灯20Bの口金22に設けられている一対のランプピン23B、23Bが、取付状態において照明器具本体30におけるソケット31の取付面である天板30aに対して平行に配置されている(図5(B)参照)。すなわち、一対のランプピン23B,23Bは、放電管21の径方向に直交する方向に配置されて、各々放電管21の軸方向に沿って放電管21の中心に向かって突出している。
【0038】
ソケットボディ32に設ける溝32eは、開口部32dから鉛直方向下方へ向けて設けられて、ソケット31の下端部に開口するようにする。また、これに伴い、ソケット31内に設ける第1導電板35Bおよび第2導電板36Bの導電部35c、36cを、鉛直方向に配置する。
【0039】
次に、蛍光灯20Bの装着動作について説明する。
まず、ソケット31の回転子34の切欠き34bが鉛直になるように回転子34を位置決めしておく。蛍光灯20は、口金22が放電管21の横に位置し、一対のランプピン23B、23Bが鉛直方向に上下2段に並ぶ向きにする。
【0040】
次いで、図5(A)に示すように、鉛直方向に並んだランプピン23B,23Bを、ソケット31のソケットボディ32に設けられている溝32eの開口の下方へ位置決めする。そして、蛍光灯20Bを上昇(図5(A)中矢印A方向へ移動)させて、ランプピン23B、23Bを次々に溝32eに挿入する。
【0041】
図5(B)に示すように、蛍光灯20Bを一対のランプピン23B、23Bの中心CPを中心として矢印B方向へ90度回動させる。すなわち、蛍光灯20は放電管21の軸に平行な回転軸回りに回転する。
これにより、ランプピン23B、23Bは回転子34とともに回転して、それぞれ第1導電板35Bの導電部35cおよび第2導電板36Bの導電部36cを外側へ弾性変形させて接触する。
【0042】
この構成により、第2実施形態にかかる照明器具10Bでは、一対のランプピン23B、23Bが、取付状態において照明器具本体30におけるソケット31の取付面である天板30aに対して平行に配置されている。すなわち、一対のランプピン23B、23Bは、取付状態において落下方向である鉛直下方に対して直交する方向へ配置され、第1導電板35および第2導電板36により保持されるので、落下を確実に防止することができる。
【0043】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図6は第3実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の斜視図、図7(A)および(B)は第3実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図である。なお、前述した第1実施形態および第2実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0044】
図6に示すように、第3実施形態にかかる照明器具10Cでは、蛍光灯20Cの口金22Cに設けられている一対のランプピン23C,23Cが、放電管21の径方向に上下2段に設けられている。図7に示すように、一対のランプピン23C、23Cは、口金22Cの中心を通過する放電管21の径方向線L1に対して、角度αだけ回転した径方向線L2上に配されている。なお、口金22Cの天板22bを、円弧状に形成するのが望ましい。
【0045】
一方、図7に示すように、ソケット31Cは、下面31aが放電管21の外形に対応して上に凸の円弧状に形成されている。また、ソケット31Cの外側面31bには、全体F字形状をしたランプピン挿入用溝37が形成されている。ランプピン挿入用溝37は、下面31aに開口した開口部37aを有し、開口部37aに連続し径方向線L1に対して角度βだけ回転した径方向線L3(図7(B)参照)に沿って設けられた進入部37bを有する。さらに、進入部37bから、放電管21の中心CPに対する同心円上に、係止部37c、37dが形成されている。
【0046】
次に、蛍光灯20Cの装着動作について説明する。
まず、図7(A)に示すように、一対のランプピン23C、23Cが配置されている蛍光灯20Cの径方向線L2を、ソケット31Cのランプピン挿入溝37の進入部37bの方向に合わせて、矢印A方向へ移動させる。これにより、ランプピン23C,23Cは、ソケット31Cのランプピン挿入溝37の係止部37c、37dの位置に達する。
【0047】
次いで、図7(B)に示すように、放電管21の中心CPを中心として、蛍光灯20Cを図中矢印B方向へ、角度α+βだけ回動させる。これにより、口金22Cの中心を通過する放電管21の径方向線L1が鉛直になり、蛍光灯20Cはまっすぐに取り付けられる。
【0048】
この構成により、第3実施形態にかかる照明器具10Cでは、蛍光灯20を取り付ける際の回転軸CPが放電管21の軸と一致しているので、蛍光灯20を回動させても位置があまりずれない。
【0049】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図8は第4実施形態にかかる照明器具の斜視図、図9(A)は蛍光灯およびソケットの分解斜視図、図9(B)は蛍光灯の端部側面図、図9(C)はランプピン取付け穴の説明図、図10(A)および(B)は第4実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図、図11(A)は図10(A)におけるXI−XI位置の断面図、図11(B)は図10(B)におけるXI−XI位置の断面図である。なお、前述した第1実施形態および第2実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0050】
図8および図9に示すように、第4実施形態にかかる照明器具10Dでは、蛍光灯20Dの口金22Dの天板22bが円弧状に形成されており、天板22bから径方向外側に向かって突出してランプピン23Dが設けられている。ランプピン23Dは、天板22bに植設された支柱部23cと、支柱部23cの先端に設けられ支柱部23cの外径よりも大きな外径を有する凸部23dを有している。
【0051】
一方、ソケット31は矩形箱状のソケット本体31cとソケットカバー31eを有しており、内部空間が形成されている。ソケット本体31cの底板31dは、口金22の天板22bが嵌合する円弧状に形成されている。底板31dには、一対のランプピン23Dを係止する一対の取付穴38が、放電管21の軸方向にランプピン23Dと同じ間隔で貫通して設けられている。
図9(C)に示すように、取付穴38は、ランプピン23Dの凸部23dが通過可能な丸穴部38aと、丸穴部38aに連続し凸部23dは通過不可だが支柱部23cが通過可能な長穴部38bとから構成される。
【0052】
図9(A)に示すように、ソケット本体31cの内部には、第1導電板35および第2導電板36が設けられている。第1導電板35および第2導電板36は、各々、連結端子35a、36a、支柱部35b、36b、導電部35c、36cを有している。図10に示すように、導電部35c、36cは、一対の取付穴38の外側に位置しており、丸穴部38aに外接するとともに、丸穴部38aから長穴部38b方向(図10において右方向)へ向かうにつれて長穴部38bの中心側へ若干傾斜している。すなわち、導電部35c、36cの間隔が、ランプピン23Dの凸部23dの外側の間隔よりも狭くなるように設けえられている。これにより、ランプピン23Dの凸部23dは、導電部35c、36cに確実に接触する。
【0053】
次に、蛍光灯20Dの装着動作について説明する。
まず、図10(A)および図11(A)に示すように、一対のランプピン23D、23Dの凸部23dをソケット31の取付穴38の丸穴部38aに挿入(図11(A)において矢印A方向)して貫通する。
【0054】
次いで、図10(B)および図11(B)に示すように、蛍光灯20Dを矢印B方向へ回動させる。このとき、蛍光灯20Dは、ソケット31Dの底板31dおよび口金22Dの天板22bに形成されている円弧の中心CPを中心として、回動する。
これにより、ランプピン23Dは取付穴38の長穴部38bへ移動して、ランプピン23Dの凸部23dは長穴部38bにより係止されるので、蛍光灯20Dはソケット31Dから離脱不可となる。同時に、ランプピン23Dの凸部23dは、第1導電板35の導電部35cおよび第2導電板36の導電部36cに接触して導通する。
【0055】
この構成により、第4実施形態にかかる照明器具10Dでは、ランプピン23Dを口金22Dから放電管21の径方向に突出して設け、ランプピン23Dの先端に凸部23dを設けたので、蛍光灯20Dを回動させることにより、容易にソケット31Dに取り付けることができる。
【0056】
なお、前述した第4実施形態にかかる照明器具10Dでは、ソケット31Dの底板31dおよび口金22Dの天板22bに形成されている円弧の中心CPが口金22Dに位置する場合について説明したが、中心CPを放電管21の中心と一致させることができる。すなわち、底板31dおよび天板22bを、放電管21の中心を中心とした円弧面に形成することができる。
このようにする事により、蛍光灯20Dを取り付ける際の回転軸CPが放電管21の軸と一致するので、蛍光灯20Dを回動させても位置があまりずれない。
【0057】
なお、本発明の照明器具は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる照明器具を示す斜視図
【図2】(A)は外側から見た蛍光灯およびソケットの分解斜視図、(B)は中心側から見た蛍光灯およびソケットの分解斜視図
【図3】(A)〜(C)は蛍光灯の装着工程を示す斜視図
【図4】(A)および(B)は蛍光灯の装着工程を示す断面図
【図5】(A)および(B)は第2実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図
【図6】第3実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の斜視図
【図7】(A)および(B)は第3実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図
【図8】第4実施形態にかかる照明器具の斜視図
【図9】(A)は蛍光灯およびソケットの分解斜視図、(B)は蛍光灯の端部側面図、(C)はランプピン取付け穴の説明図
【図10】(A)および(B)は第4実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図
【図11】(A)は図10(A)におけるXI−XI位置の断面図、(B)は図10(B)におけるXI−XI位置の断面図
【符号の説明】
【0059】
10 照明器具
20 蛍光灯
21 放電管
22 口金
23 ランプピン
23d 凸部
30 照明器具本体
30a 天板(取付面)
31 ソケット
【技術分野】
【0001】
本発明は、直管蛍光灯を用いた照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の、口金が放電管の両端に配置された直管型の蛍光灯をソケットに取り付けるには、ランプピンをソケットの凹部に挿嵌するとともに、口金を板バネに押し込んで係止するのが一般的である(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2008−117682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、板バネにより蛍光灯を支持する従来の照明器具においては、衝撃や振動を受けた場合に、蛍光灯が外れる危険性がある。そこで、蛍光灯が外れないようにバネ圧を上げると、押し込み操作が困難になり、十分押し込まれずに中途半端な装着になり、使用中に落下するおそれがある。
また、装着時には両方の口金を略同時に押し上げる必要があり、放電管が長い場合には蛍光灯の装着に2名の作業員が必要となり、取付作業性が悪いという問題があった。
【0004】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、取付作業性が良く、蛍光灯の落下を確実に防止することのできる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の照明器具は、直管の放電管の両端部付近に設けられた口金から同一方向に突出して設けられた一対のランプピンを有する蛍光灯と、前記ランプピンを保持して電力を供給する一対のソケットを有する照明器具本体と、を備えた照明器具であって、前記口金が前記放電管の端部から側方に突出して設けられ、前記ランプピンを前記ソケットに挿入して、前記放電管の軸に平行な回転軸回りに前記蛍光灯を回動させて取り付ける構成を有している。
【0006】
この構成により、口金を放電管の端部から側方に突出して設けるとともに、ランプピンをソケットに挿入して、放電管の軸に平行な回転軸回りに蛍光灯を回動させて取り付けるようにしたので、取付の際に蛍光灯の両端を作業者が保持する必要がなくなる。このため、蛍光灯が長い場合でも一人で容易に取り付けることができ、取付作業性を改善することができる。また、蛍光灯を回動させて取り付けるので、蛍光灯の落下を確実に防止することができる。さらに、蛍光灯を軸方向へ移動させないので、軸方向への蛍光灯の連結を、隙間なく行うことができる。
【0007】
また、本発明の照明器具は、前記ランプピンが、前記放電管の軸方向中心側へ突出している構成を有している。
【0008】
この構成により、ランプピンが軸方向外側へ突出していないため、蛍光灯を軸方向に配置する際に、隙間を小さくして連結することができる。
【0009】
また、本発明の照明器具は、前記一対のランプピンが、取付状態において前記照明器具本体における前記ソケットの取付面に対して平行に配置された構成を有している。
【0010】
この構成により、蛍光灯を取り付けた後に、一対のランプピンが照明器具本体のソケット取付面に対して平行に配置されることになるので、蛍光灯の落下を確実に防止することができる。
【0011】
また、本発明の照明器具は、前記ランプピンは前記口金から前記放電管の径方向に突出し、先端に凸部を有する構成を有している。
【0012】
この構成により、蛍光灯を回動させることにより、容易に蛍光灯をソケットに取り付けることができる。
【0013】
さらに、本発明の照明器具は、前記回転軸が、前記放電管の軸と一致または前記ランプピンと前記放電管の軸との間に位置する構成を有している。
【0014】
この構成により、蛍光灯を取り付ける際の回転軸が、放電管の軸と一致またはランプピンと放電管の軸との間にあるので、蛍光灯を回動させても位置があまりずれない。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、口金を放電管の端部から側方に突出して設けるとともに、ランプピンをソケットに挿入して、放電管の軸に平行な回転軸回りに蛍光灯を回動させて取り付けるようにしたので、取付の際に蛍光灯の両端を作業者が保持する必要がなくなる。このため、蛍光灯が長い場合でも一人で容易に取り付けることができ、取付作業性を改善することができる。また、蛍光灯を回動させて取り付けるので、蛍光灯の落下を確実に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1の実施の形態にかかる照明器具を示す斜視図、図2(A)は外側から見た蛍光灯およびソケットの分解斜視図、図2(B)は中心側から見た蛍光灯およびソケットの分解斜視図、図3(A)〜(C)は蛍光灯の装着工程を示す斜視図、図4(A)および(B)は蛍光灯の装着工程を示す断面図である。
【0018】
図1および図2に示すように、第1実施形態にかかる照明器具10は、直管の放電管21の両端部付近に設けられた口金22から突出して設けられた一対のランプピン23、23を有する蛍光灯20と、ランプピン23を保持して電力を供給する一対のソケット31、31を備えた照明器具本体30とを有する。
【0019】
放電管21の端面21aには、放電管21と口金22を連結する連結板24が設けられている。連結板24は、蛍光灯20を回動させる際の取っ手にもなる。
【0020】
口金22は、例えば樹脂等の絶縁製部材により形成され、略立方体状を呈している。口金22の放電管21中心側面22aには、円形断面の棒状をした導電性金属からなる一対のランプピン23、23が設けられている。各ランプピン23は、放電管21の径方向に上下2段に配置されて、放電管21の軸方向に沿って放電管21の中心に向かって突出している。
従って、ランプピン23は、ソケット31が取り付けられている器具本体30の天板(取付面)30aに平行となっている。
【0021】
図2に示すように、ソケット31は、器具本体30の天板30aに取り付けられるソケットボディ32を有する。ソケットボディ32は、器具本体30側の矩形部分と器具本体30と反対側の半円部分とを組み合わせた外形および内部空間32aを有する。ソケットボディ32は、口金22と対向しない側の面は開口(開口面32b)しており、口金22と対向する側の面32cには、半円部分を含む円形の開口部32dが設けられている。
【0022】
ソケットボディ32の面32cには、開口部32dと外部とを連結する溝32eが、開口部32dの中心を通って水平方向に設けられている。溝32eの幅D(図2(A)参照)は、ランプピン23の外径より大きい。また、溝32eの軸方向長さLは、ランプピン23の長さよりも長い。従って、ランプピン23は、外部から溝32eを通って開口部32dに達することができる。
なお、ソケットボディ32の側面32fの幅は、溝32eの長さLよりも大きく、側面32fの一部を残してソケットボディ32の形状を確保している。
【0023】
開口面32bにはソケットカバー33が取り付けられる。ソケットカバー33の内面には、半円部分の中心を中心とする円柱状の軸部材33aが、放電管21の軸と平行で放電管21の外側に向かって突出して設けられている。軸部材33aの先端部には、ランプピン23が通過可能な凹部33bが設けられている。
【0024】
開口部32dには、開口部32dの内径よりも大きな外径を有する円板状の回転子34が取り付けられる。回転子34には、ソケットカバー33の軸部材33aに外嵌する円管状の軸受部34aが、軸方向中心側へ突出して設けられている。回転子34には、中心を通って一方の外周縁まで延びる切欠き34bが設けられている。この切欠き34bの幅はランプピン23の外径よりも大きく、軸受部34aの一部34cを貫通して設けられている。
【0025】
従って、ソケットボディ32にソケットカバー33および回転子34を取り付けると、回転子34の軸受部34aがソケットカバー33の軸部材33aに外嵌して、回転子34はソケットカバー33に回転可能に支持される。
【0026】
ソケットボディ32の天板32gは、器具本体30の天板30aへの取付面であり、一対の電線挿入穴32h、32hが設けられている。ソケット31取付位置における天板30aには、電線挿入穴32hに対応して貫通穴(図示省略)が設けられており、器具本体30に設けられている点灯装置(図示省略)からの電線が、貫通穴および電線挿入穴32hを通ってソケット31の内部空間32aに引き込まれてソケット31に接続される。
【0027】
ソケットボディ32の内部空間32aには、第1導電板35および第2導電板36が収容されている。
第1導電板35は、上端部にソケットボディ32の天板32gの内面に取り付けられる連結端子35aと、連結端子35aから下方に延びる支持部35bと、支持部35bの先端(下端)に設けられたランプピン23に接触して導通する導電部35cを有している。
第2導電板36は、上端部にソケットボディ32の天板32gの内面に取り付けられる連結端子36aと、連結端子36aから下方に延びる支持部36bと、支持部36bの先端(下端)に設けられたランプピン23に接触して導通する導電部36cを有している。
【0028】
連結端子35a、36aには貫通穴35d、36dが設けられており、それぞれソケットボディ32の電線挿入穴32h、32hの真下に位置する。連結端子35a、36aの先端部は内側下方へ向かって折り曲げられて電線押さえ35e、36eを形成しており、電線挿入穴32cから挿入された電線が貫通穴35b、36bを貫通して電線押さえ35e、36eと支持部35b、36bとの間で挟持され導通する。
【0029】
導電部35cは上に凸の円弧状をしており、回転子34の軸受部34aの上方に位置する。導電部36cは下に凸の円弧状をしており、軸受部34aの下方に位置する。両導電部35c、36cの間隔は、一対のランプピン23、23の間隔よりも小さい。
【0030】
次に、蛍光灯20の装着動作について説明する。
【0031】
まず、図3(A)に示すように、ソケット31の回転子34の切欠き34bが水平になるように、回転子34を位置決めしておく。蛍光灯20は、口金22が放電管21の横に位置し、一対のランプピン23、23が水平に並ぶ向き(図4(A)参照)にする。
【0032】
次いで、図3(B)および図4(A)に示すように、蛍光灯20を水平(図3(B)および図4(A)において矢印A方向)に移動させて、一対のランプピン23、23を、ソケット31の回転子34の切欠き34b内部に挿入する。ソケットカバー33の軸部材33aおよび回転子34の軸受部34aにはそれぞれ凹部33bおよび切欠き34bが設けられているので、挿入方向の前方に位置するランプピン23aは、凹部33bおよび切欠き34bを通って軸受部34aの前方に挿入される。また、挿入方向の後方に位置するランプピン23bは、軸受部34aに達しない。
【0033】
次いで、図3(C)および図4(B)に示すように、蛍光灯23を、一対のランプピン23、23の中心CP(図4(A)参照)を中心(すなわち、両ソケット31、31における軸部材33aの中心を結んだ線を中心)として矢印B方向へ90度回動させる。すなわち、蛍光灯20は放電管21の軸に平行な回転軸回りに回転させる。このとき、連結版24を持って回動させることにより、容易に蛍光灯20を回動させることができる。
これにより、ランプピン23、23は回転子34とともに回転して、それぞれ第1導電板35の導電部35cおよび第2導電板36の導電部36cを外側へ弾性変形させて接触する。
【0034】
この構成により、第1実施形態にかかる照明器具10では、口金22を放電管21の端部から側方に突出して設けるとともに、ランプピン23をソケット31に挿入して、放電管21の軸に平行な回転軸回りに蛍光灯20を回動させて取り付けるようにしたので、取付の際に蛍光灯20の両端を作業者が保持する必要がなくなる。
このため、蛍光灯20が長い場合でも一人で容易に取り付けることができ、取付作業性を改善することができる。また、蛍光灯20を回動させて取り付けるので、蛍光灯20の落下を確実に防止することができる。
さらに、蛍光灯20を軸方向へ移動させないので、軸方向への蛍光灯20の連結を、隙間なく行うことができ、照明器具10の配置を多様化することができる。
【0035】
また、ランプピン23が、放電管21の軸方向中心側へ突出しており、軸方向外側へ突出していないため、蛍光灯20を軸方向に配置する際に、隙間を小さくして連結することができる。
【0036】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図5(A)および(B)は第2実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図である。なお、前述した第1実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0037】
図5に示すように、第2実施形態にかかる照明器具10Bでは、蛍光灯20Bの口金22に設けられている一対のランプピン23B、23Bが、取付状態において照明器具本体30におけるソケット31の取付面である天板30aに対して平行に配置されている(図5(B)参照)。すなわち、一対のランプピン23B,23Bは、放電管21の径方向に直交する方向に配置されて、各々放電管21の軸方向に沿って放電管21の中心に向かって突出している。
【0038】
ソケットボディ32に設ける溝32eは、開口部32dから鉛直方向下方へ向けて設けられて、ソケット31の下端部に開口するようにする。また、これに伴い、ソケット31内に設ける第1導電板35Bおよび第2導電板36Bの導電部35c、36cを、鉛直方向に配置する。
【0039】
次に、蛍光灯20Bの装着動作について説明する。
まず、ソケット31の回転子34の切欠き34bが鉛直になるように回転子34を位置決めしておく。蛍光灯20は、口金22が放電管21の横に位置し、一対のランプピン23B、23Bが鉛直方向に上下2段に並ぶ向きにする。
【0040】
次いで、図5(A)に示すように、鉛直方向に並んだランプピン23B,23Bを、ソケット31のソケットボディ32に設けられている溝32eの開口の下方へ位置決めする。そして、蛍光灯20Bを上昇(図5(A)中矢印A方向へ移動)させて、ランプピン23B、23Bを次々に溝32eに挿入する。
【0041】
図5(B)に示すように、蛍光灯20Bを一対のランプピン23B、23Bの中心CPを中心として矢印B方向へ90度回動させる。すなわち、蛍光灯20は放電管21の軸に平行な回転軸回りに回転する。
これにより、ランプピン23B、23Bは回転子34とともに回転して、それぞれ第1導電板35Bの導電部35cおよび第2導電板36Bの導電部36cを外側へ弾性変形させて接触する。
【0042】
この構成により、第2実施形態にかかる照明器具10Bでは、一対のランプピン23B、23Bが、取付状態において照明器具本体30におけるソケット31の取付面である天板30aに対して平行に配置されている。すなわち、一対のランプピン23B、23Bは、取付状態において落下方向である鉛直下方に対して直交する方向へ配置され、第1導電板35および第2導電板36により保持されるので、落下を確実に防止することができる。
【0043】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図6は第3実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の斜視図、図7(A)および(B)は第3実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図である。なお、前述した第1実施形態および第2実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0044】
図6に示すように、第3実施形態にかかる照明器具10Cでは、蛍光灯20Cの口金22Cに設けられている一対のランプピン23C,23Cが、放電管21の径方向に上下2段に設けられている。図7に示すように、一対のランプピン23C、23Cは、口金22Cの中心を通過する放電管21の径方向線L1に対して、角度αだけ回転した径方向線L2上に配されている。なお、口金22Cの天板22bを、円弧状に形成するのが望ましい。
【0045】
一方、図7に示すように、ソケット31Cは、下面31aが放電管21の外形に対応して上に凸の円弧状に形成されている。また、ソケット31Cの外側面31bには、全体F字形状をしたランプピン挿入用溝37が形成されている。ランプピン挿入用溝37は、下面31aに開口した開口部37aを有し、開口部37aに連続し径方向線L1に対して角度βだけ回転した径方向線L3(図7(B)参照)に沿って設けられた進入部37bを有する。さらに、進入部37bから、放電管21の中心CPに対する同心円上に、係止部37c、37dが形成されている。
【0046】
次に、蛍光灯20Cの装着動作について説明する。
まず、図7(A)に示すように、一対のランプピン23C、23Cが配置されている蛍光灯20Cの径方向線L2を、ソケット31Cのランプピン挿入溝37の進入部37bの方向に合わせて、矢印A方向へ移動させる。これにより、ランプピン23C,23Cは、ソケット31Cのランプピン挿入溝37の係止部37c、37dの位置に達する。
【0047】
次いで、図7(B)に示すように、放電管21の中心CPを中心として、蛍光灯20Cを図中矢印B方向へ、角度α+βだけ回動させる。これにより、口金22Cの中心を通過する放電管21の径方向線L1が鉛直になり、蛍光灯20Cはまっすぐに取り付けられる。
【0048】
この構成により、第3実施形態にかかる照明器具10Cでは、蛍光灯20を取り付ける際の回転軸CPが放電管21の軸と一致しているので、蛍光灯20を回動させても位置があまりずれない。
【0049】
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図8は第4実施形態にかかる照明器具の斜視図、図9(A)は蛍光灯およびソケットの分解斜視図、図9(B)は蛍光灯の端部側面図、図9(C)はランプピン取付け穴の説明図、図10(A)および(B)は第4実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図、図11(A)は図10(A)におけるXI−XI位置の断面図、図11(B)は図10(B)におけるXI−XI位置の断面図である。なお、前述した第1実施形態および第2実施形態にかかる照明器具と共通する部位には同じ符号を付して、重複する説明を省略することとする。
【0050】
図8および図9に示すように、第4実施形態にかかる照明器具10Dでは、蛍光灯20Dの口金22Dの天板22bが円弧状に形成されており、天板22bから径方向外側に向かって突出してランプピン23Dが設けられている。ランプピン23Dは、天板22bに植設された支柱部23cと、支柱部23cの先端に設けられ支柱部23cの外径よりも大きな外径を有する凸部23dを有している。
【0051】
一方、ソケット31は矩形箱状のソケット本体31cとソケットカバー31eを有しており、内部空間が形成されている。ソケット本体31cの底板31dは、口金22の天板22bが嵌合する円弧状に形成されている。底板31dには、一対のランプピン23Dを係止する一対の取付穴38が、放電管21の軸方向にランプピン23Dと同じ間隔で貫通して設けられている。
図9(C)に示すように、取付穴38は、ランプピン23Dの凸部23dが通過可能な丸穴部38aと、丸穴部38aに連続し凸部23dは通過不可だが支柱部23cが通過可能な長穴部38bとから構成される。
【0052】
図9(A)に示すように、ソケット本体31cの内部には、第1導電板35および第2導電板36が設けられている。第1導電板35および第2導電板36は、各々、連結端子35a、36a、支柱部35b、36b、導電部35c、36cを有している。図10に示すように、導電部35c、36cは、一対の取付穴38の外側に位置しており、丸穴部38aに外接するとともに、丸穴部38aから長穴部38b方向(図10において右方向)へ向かうにつれて長穴部38bの中心側へ若干傾斜している。すなわち、導電部35c、36cの間隔が、ランプピン23Dの凸部23dの外側の間隔よりも狭くなるように設けえられている。これにより、ランプピン23Dの凸部23dは、導電部35c、36cに確実に接触する。
【0053】
次に、蛍光灯20Dの装着動作について説明する。
まず、図10(A)および図11(A)に示すように、一対のランプピン23D、23Dの凸部23dをソケット31の取付穴38の丸穴部38aに挿入(図11(A)において矢印A方向)して貫通する。
【0054】
次いで、図10(B)および図11(B)に示すように、蛍光灯20Dを矢印B方向へ回動させる。このとき、蛍光灯20Dは、ソケット31Dの底板31dおよび口金22Dの天板22bに形成されている円弧の中心CPを中心として、回動する。
これにより、ランプピン23Dは取付穴38の長穴部38bへ移動して、ランプピン23Dの凸部23dは長穴部38bにより係止されるので、蛍光灯20Dはソケット31Dから離脱不可となる。同時に、ランプピン23Dの凸部23dは、第1導電板35の導電部35cおよび第2導電板36の導電部36cに接触して導通する。
【0055】
この構成により、第4実施形態にかかる照明器具10Dでは、ランプピン23Dを口金22Dから放電管21の径方向に突出して設け、ランプピン23Dの先端に凸部23dを設けたので、蛍光灯20Dを回動させることにより、容易にソケット31Dに取り付けることができる。
【0056】
なお、前述した第4実施形態にかかる照明器具10Dでは、ソケット31Dの底板31dおよび口金22Dの天板22bに形成されている円弧の中心CPが口金22Dに位置する場合について説明したが、中心CPを放電管21の中心と一致させることができる。すなわち、底板31dおよび天板22bを、放電管21の中心を中心とした円弧面に形成することができる。
このようにする事により、蛍光灯20Dを取り付ける際の回転軸CPが放電管21の軸と一致するので、蛍光灯20Dを回動させても位置があまりずれない。
【0057】
なお、本発明の照明器具は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる照明器具を示す斜視図
【図2】(A)は外側から見た蛍光灯およびソケットの分解斜視図、(B)は中心側から見た蛍光灯およびソケットの分解斜視図
【図3】(A)〜(C)は蛍光灯の装着工程を示す斜視図
【図4】(A)および(B)は蛍光灯の装着工程を示す断面図
【図5】(A)および(B)は第2実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図
【図6】第3実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の斜視図
【図7】(A)および(B)は第3実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図
【図8】第4実施形態にかかる照明器具の斜視図
【図9】(A)は蛍光灯およびソケットの分解斜視図、(B)は蛍光灯の端部側面図、(C)はランプピン取付け穴の説明図
【図10】(A)および(B)は第4実施形態にかかる照明器具における蛍光灯の装着工程を示す説明図
【図11】(A)は図10(A)におけるXI−XI位置の断面図、(B)は図10(B)におけるXI−XI位置の断面図
【符号の説明】
【0059】
10 照明器具
20 蛍光灯
21 放電管
22 口金
23 ランプピン
23d 凸部
30 照明器具本体
30a 天板(取付面)
31 ソケット
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管の放電管の両端部付近に設けられた口金から同一方向に突出して設けられた一対のランプピンを有する蛍光灯と、
前記ランプピンを保持して電力を供給する一対のソケットを有する照明器具本体と、を備えた照明器具であって、
前記口金が前記放電管の端部から側方に突出して設けられ、
前記ランプピンを前記ソケットに挿入して、前記放電管の軸に平行な回転軸回りに前記蛍光灯を回動させて取り付けることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記ランプピンが、前記放電管の軸方向中心側へ突出していることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記一対のランプピンが、取付状態において前記照明器具本体における前記ソケットの取付面に対して平行に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記ランプピンは前記口金から前記放電管の径方向に突出し、先端に凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
前記回転軸が、前記放電管の軸と一致または前記ランプピンと前記放電管の軸との間に位置することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の照明器具。
【請求項1】
直管の放電管の両端部付近に設けられた口金から同一方向に突出して設けられた一対のランプピンを有する蛍光灯と、
前記ランプピンを保持して電力を供給する一対のソケットを有する照明器具本体と、を備えた照明器具であって、
前記口金が前記放電管の端部から側方に突出して設けられ、
前記ランプピンを前記ソケットに挿入して、前記放電管の軸に平行な回転軸回りに前記蛍光灯を回動させて取り付けることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記ランプピンが、前記放電管の軸方向中心側へ突出していることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記一対のランプピンが、取付状態において前記照明器具本体における前記ソケットの取付面に対して平行に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記ランプピンは前記口金から前記放電管の径方向に突出し、先端に凸部を有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項5】
前記回転軸が、前記放電管の軸と一致または前記ランプピンと前記放電管の軸との間に位置することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−103037(P2010−103037A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−275407(P2008−275407)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【出願人】(000005832)パナソニック電工株式会社 (17,916)
【Fターム(参考)】
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