説明

照明器具

【課題】他の既設部品との干渉を防止できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、直管型ランプと、直管型ランプが取り付けられるソケット16,17を保持するソケット台15と、ソケット16,17からソケット台15を介して第1反射板の表面に引き出される器具内配線27と、第1反射板の前面に配置されて器具内配線27を覆う第2反射板18とを備え、ソケット台15は、ソケット16,17からの器具内配線27を第2反射板18により覆われる範囲内に設けられた開口部45,46から引き出す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばLEDを有する直管型LEDランプ等のランプを光源として天井面に設置される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、長手方向の両端部に配置されたソケットに直管型の蛍光ランプを取り付けた照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の照明器具は、蛍光ランプから光が放射状に出射されることにより、被照射対象である床面側を照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−213968号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明器具は、蛍光ランプの光を無用に遮ることなく輻射雑音を低減することができる。
ところが、特許文献1に記載の照明器具は、ソケットに電気的に接続される器具内配線がソケットの近傍において他の既設部品と干渉する虞がある。
従って、特許文献1に記載の照明器具は、器具内配線が他の既設部品と干渉した場合に電気的な障害が発生する。
【0005】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、他の既設部品との干渉を防止できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明器具は、直管型ランプと、前記直管型ランプが取り付けられるソケットを保持するソケット台と、前記ソケットから前記ソケット台を介して第1反射板の表面に引き出される器具内配線と、前記第1反射板の前面に配置されて前記器具内配線を覆う第2反射板とを備え、前記ソケット台は、前記ソケットからの前記器具内配線を前記第2反射板で覆われる範囲内に設けられた開口部から引き出す。
【0007】
本発明に係る照明器具は、前記開口部が、前記ソケット台の側縁に、前記器具内配線を誘導するためのスリットを有する。
【0008】
本発明に係る照明器具は、前記開口部が、一対に独立して設けられる。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記スリットが、L字形状に屈曲される。
【0010】
本発明に係る照明器具は、前記ソケット台が、前記直管型LEDランプを保持するランプ支持ばねを取り付ける。
【0011】
本発明に係る照明器具は、前記ソケット台が、前記ソケットの裏面近傍を目視可能な確認窓を有する。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る照明器具によれば、他の既設部品との干渉を防止できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る一実施形態の照明器具の斜め下方から視た分解斜視図
【図2】本発明に係る一実施形態の照明器具のソケット台周りの外観斜視図
【図3】本発明に係る一実施形態の照明器具のソケット台の斜め上方から視た外観斜視図
【図4】本発明に係る一実施形態の照明器具のソケット台周りの垂直断面図
【図5】本発明に係る一実施形態の照明器具のソケット台の変形例の外観斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る一実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10は、器具本体一体形の第1反射板11と、第1反射板11の一端部に単一の給電側ソケット台12を介して取り付けられた第1給電側ソケット13および第2給電側ソケット14とを備える。
また、照明器具10は、第1反射板11の他端部に単一の接地側ソケット台15を介して取り付けられた第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17と、第1反射板11に取り付けられる第2反射板18とを備える。
そして、照明器具10は、第1給電側ソケット13および第2給電側ソケット14と、第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17とに電気的に接続されて機械的に取り付けられる複数の直管型LEDランプ19とを備える。
さらに、照明器具10は、給電側ソケット台12および接地側ソケット台15に二対のランプ支持ばね20が取り付けられる。
照明器具10は、不図示の天井面に設置されるベースライトに適用される。
【0015】
第1反射板11は、厚みの薄い金属製板部材や樹脂製板部材により成形されており、天板21の周囲に反射面22を有する。
第1反射板11は、天板21の下面に、電源端子台23と、電源ブロック24とが取り付けられている。
電源端子台23には、外部から引き込まれた不図示の電源配線および電源ブロック24に接続される電源配線25が電気的に接続される。
電源ブロック24からは、第1給電側ソケット13および第2給電側ソケット14に電気的に接続される器具内配線26と、第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17に電気的に接続される器具内配線27とが引き出されている。
【0016】
第2反射板18は、垂直断面視がV字形状に形成されており、第1反射板11の長手方向に長さを有する。
第2反射板18は、V字形状の反射面28を有し、先端部に有するフランジ29が第1反射板11の天板21に差し込まれる等により係止されることによって第1反射板11に取り付けられる。
このとき、第2反射板18は、電源端子台23および電源ブロック24を覆って組付けられるために、電源端子台23および電源ブロック24を隠す。
【0017】
直管型LEDランプ19は、断面が略円形状のガラス管30の一端部の口金31に、第1給電側ソケット13および第2給電側ソケット14内に収容されている不図示の一対の給電側端子受に電気的に接続される一対の給電側口金ピン32をそれぞれ有する。
直管型LEDランプ19は、ガラス管30の他端部の口金33に、第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17に収容されている不図示の接地側端子受に電気的に接続される単一の接地側口金ピン34を有する。
【0018】
直管型LEDランプ19は、ガラス管30内に、複数のLED35を第1反射板11の長手方向に実装させたLED基板36を有するLEDユニット37を内蔵している。
直管型LEDランプ19は、被照射対象に向けた照射範囲が全周に対して1/2ないし2/3である。
直管型LEDランプ19は、第1給電側ソケット13および第2給電側ソケット14から給電された直流電流が給電側口金ピン32から接地側口金ピン34を通じて第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17に流れる。
そして、直管型LEDランプ19は、LED基板36に有する不図示のプリント回路に直流電流が供給されてLED35が発光される。
なお、直管型LEDランプ19は、一端部の口金31に一対の給電側口金ピン32を有し、他端部の口金33に単一の接地側口金ピン34を有するものに限ることはない。
例えば、一端部の口金31に3本の給電側口金ピン32を有し、他端部の口金33に2本の接地側口金ピン34を有するものや、一端部の口金31に2本の給電側口金ピン32を有し、他端部の口金33に2本の接地側口金ピン34を有するものであってもよい。
【0019】
次に、接地側ソケット台15および第1接地側ソケット16と第2接地側ソケット17とについて詳細に説明する。
なお、給電側ソケット台12および第1給電側ソケット13と第2給電側ソケット14とについては、接地側ソケット台15および第1接地側ソケット16と第2接地側ソケット17と同一構造であるために、ここでは、それらの説明を省略する。
【0020】
図2に示すように、接地側ソケット台15は、底板38の周囲に周板39を有して第1反射板11の天板21との間に隙間を有し、底板38に接続されていて第1反射板11の天板21に取り付けるためのブラケット40を有する。
【0021】
接地側ソケット台15は、一対の第1接地側ソケット挿通孔41と第2接地側ソケット挿通孔42とを第1反射板11の端部寄りに有する。
接地側ソケット台15は、第1接地側ソケット挿通孔41に第1接地側ソケット16が挿通され、第2接地側ソケット挿通孔42に第2接地側ソケット17が挿通されることにより、第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17が下方へ向けて突出される。
【0022】
接地側ソケット台15は、第1接地側ソケット挿通孔41の近傍に底板38を貫通した第1確認窓43を有し、第2接地側ソケット挿通孔42の近傍に底板38を貫通した第2確認窓44を有する。
接地側ソケット台15は、第1接地側ソケット16における直管型LEDランプ19の取付側に底板38を貫通した第1開口部45を有する。そして、第2接地側ソケット17における直管型LEDランプ19の取付側に底板38を貫通した第2開口部46を第1開口部45に並列に有する。
第1開口部45および第2開口部46は、器具内配線27の外径寸法よりも十分に大きい四角形に形成されており、第2反射板18で覆われる範囲内に設けられる。
第1開口部45は、接地側ソケット台15の底板38にL字形状に屈曲して切除された第1スリット47が連通して接続されており、第2開口部46は、接地側ソケット台15の底板38にL字形状に屈曲して切除された第2スリット48が連通して接続されている。
そして、第1スリット47は、接地側ソケット台15の周板39に形成された第1引出切欠49に連通して接続されており、第2スリット48は、接地側ソケット台15の周板39に形成された第2引出切欠50に連通して接続されている。
【0023】
接地側ソケット台15には、第1接地側ソケット16の近傍および第2接地側ソケット17の近傍に、ランプ支持ばね20がそれぞれ取り付けられている。
従って、接地側ソケット台15にランプ支持ばね20が取り付けられるために、従来、他の既設部品に相当する第1反射板11等に別構成で取り付けていた作業を不要として接地側ソケット台15の取り付けと同時にランプ支持ばね20を設置できる。
【0024】
図3に示すように、第1接地側ソケット16に電気的に接続された器具内配線27は、第1接地側ソケット16の底板38の裏面を通って第1反射板11の長手方向に沿って引き出される。
そして、器具内配線27は、第1開口部45から第1スリット47を介して第1引出切欠49から第1反射板11の長手方向に引き出される。
第2接地側ソケット17に電気的に接続された器具内配線27は、第1接地側ソケット16の底板38の裏面を通って第1反射板11の長手方向に沿って引き出される。
そして、器具内配線27は、第2開口部46から第2スリット48を介して第2引出切欠50から第1反射板11の長手方向に引き出される。
このとき、器具内配線27に引張荷重がかかった場合、器具内配線27は、屈曲状の第1スリット47および第2スリット48に引っ掛かる。
従って、器具内配線27に引張荷重がかかった際に、器具内配線27が第1スリット47および第2スリット48の屈曲部分に引っ掛かることにより、外れを防止できる。
【0025】
ここで、接地側ソケット台15に、第1開口部45および第2開口部46が一対に独立して設けられている。
従って、第1接地側ソケット16から引き出される器具内配線27と、第2接地側ソケット17から引き出される器具内配線27とを独立して誘導することにより、スマートに配策できる。
【0026】
加えて、第1接地側ソケット16から引き出される器具内配線27が第1スリット47を介して引き出され、第2接地側ソケット17から引き出される器具内配線27が第2スリット48を介して引き出される。
従って、簡単な作業により、器具内配線27を接地側ソケット台15の側縁へ引き出しできる。
【0027】
第1確認窓43および第2確認窓44は、器具内配線27が正しい経路で配策されているか否かを目視する機能を有する。
第1確認窓43は、第1反射板11に第2反射板18が取り付けられる以前に、下方から覗き込んだ際に器具内配線27が見えた場合、器具内配線27が第1接地側ソケット16に確実に接続されておらず正しい経路で配策されていないことが確認される。
同様に、第2確認窓44は、第1反射板11に第2反射板18が取り付けられる以前に、下方から覗き込んだ際に器具内配線27が見えた場合、器具内配線27が第2接地側ソケット17に確実に接続されておらず正しい経路で配策されていないことが確認される。
従って、接地側ソケット台15の第1確認窓43および第2確認窓44を通じて、器具内配線27が第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17に電気的に接続されているか否かを確認できる。
【0028】
図4に示すように、器具内配線27は、第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17から接地側ソケット台15の底板38と第1反射板11の天板21との間を通って第1反射板11の長手方向に沿って引き出される。
そのため、第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17に電気的に接続される器具内配線27が接地側ソケット台15の表面を通らずに、第2反射板18により覆われる範囲内の第1開口部45および第2開口部46を通じて引き出される。
従って、器具内配線27の他の既設部品に相当する第1反射板11等との干渉を防止できる。
【0029】
図5に示すように、本発明に係る一実施形態の照明器具10の変形例の接地側ソケット台51は、第1接地側ソケット16における直管型LEDランプ19の取付側に底板38を貫通した第1開口部45に直線状の第1スリット52が連通して接続されている。
また、第2接地側ソケット17における直管型LEDランプ19の取付側に底板38を貫通した第2開口部46に直線状の第2スリット53が連通して接続されている。
【0030】
以上、説明したように一実施形態の照明器具10によれば、第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17に電気的に接続される器具内配線27が接地側ソケット台15,51の表面を通らない。
そして、一実施形態の照明器具10によれば、器具内配線27が、第2反射板18により覆われる範囲内の第1開口部45および第2開口部46を通じて引き出されるために、器具内配線27の他の既設部品に相当する第1反射板11等との干渉を防止できる。
【0031】
また、一実施形態の照明器具10によれば、第1開口部45から引き出される器具内配線27が第1スリット47により誘導され、第2開口部46から引き出される器具内配線27が第2スリット48により誘導される。
そのため、一実施形態の照明器具10によれば、簡単な作業により、器具内配線27を接地側ソケット台15,51の側縁へ引き出しできる。
【0032】
そして、照明器具10によれば、第1接地側ソケット16から第1開口部45を通じて引き出される器具内配線27と、第2接地側ソケット17から第2開口部46を通じて引き出される器具内配線27とを独立して誘導することにより、スマートに配策できる。
【0033】
さらに、一実施形態の照明器具10によれば、器具内配線27に引張荷重がかかった際に、器具内配線27が第1スリット47および第2スリット48の屈曲部分に引っ掛かることにより、外れを防止できる。
【0034】
さらに、照明器具10によれば、接地側ソケット台15,51にランプ支持ばね20が取り付けられているため、従来、他の既設部品に相当する第1反射板11等に別構成で取り付けていた作業が不要となる。
【0035】
加えて、一実施形態の照明器具10によれば、接地側ソケット台15,51の第1確認窓43および第2確認窓44を通じて、器具内配線27が第1接地側ソケット16および第2接地側ソケット17に電気的に接続されているか否かを確認できる。
【0036】
なお、本発明の照明器具において第1反射板,第2反射板,電源端子台,電源ブロック等は、前述した一実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0037】
10 照明器具
11 第1反射板
12 給電側ソケット台(ソケット台)
13 第1給電側ソケット(ソケット)
14 第2給電側ソケット(ソケット)
15,51 接地側ソケット台(ソケット台)
16 第1接地側ソケット(ソケット)
17 第2接地側ソケット(ソケット)
18 第2反射板
19 直管型LEDランプ(直管型ランプ)
20 ランプ支持ばね
26,27 器具内配線
43 第1確認窓(確認窓)
44 第2確認窓(確認窓)
45 第1開口部(開口部)
46 第2開口部(開口部)
47,52 第1スリット(スリット)
48,53 第2スリット(スリット)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管型ランプと、
前記直管型ランプが取り付けられるソケットを保持するソケット台と、
前記ソケットから前記ソケット台を介して第1反射板の表面に引き出される器具内配線と、
前記第1反射板の前面に配置されて前記器具内配線を覆う第2反射板とを備え、
前記ソケット台は、前記ソケットからの前記器具内配線を前記第2反射板で覆われる範囲内に設けられた開口部から引き出す照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記開口部が、前記ソケット台の側縁に、前記器具内配線を誘導するためのスリットを有する照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記開口部が、一対に独立して設けられる照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記スリットが、L字形状に屈曲される照明器具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記ソケット台が、前記直管型LEDランプを保持するランプ支持ばねを取り付ける照明器具。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記ソケット台が、前記ソケットの裏面近傍を目視可能な確認窓を有する照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−134039(P2012−134039A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−285857(P2010−285857)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】