説明

照明器具

【課題】本体を天井内に格納した状態と、天井面から突出させた状態の両方で首振り可能にした照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具1は、天井に設けられた埋込穴に固定した枠体10に、光源21を有する本体20を支持する本体支持体30を軸支し、本体支持体30に、本体20の光源21を装着するソケット部33と、本体20を枠体10から引き出すようにソケット部33をスライドするスライド機構50とを設ける構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照射方向を変更可能な照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、光源を有する本体を、天井に設けられた埋込穴に挿入するとともに、埋込穴に固定した枠体に鉛直方向に回転(首振り)自在に支持し、照射範囲を変更可能にした照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。この照明器具では、枠体に本体の回転軸を設け、この回転軸を中心に本体を回転させることで、本体を天井内に格納した状態で首振りしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−259551号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の構成では、本体を天井内に格納した状態で首振りすることはできるが、本体を天井面から突出させた状態で首振りすることはできなかった。これに対し、例えば、伸縮自在なアーム等の先端に本体を首振り自在に固定し、アームを伸ばすことで、本体を天井面から突出させて首振りすることが考えられる。しかしながら、この構成では、アームを収容するスペース分だけ照明器具の全高や径が大きくなってしまう。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、小型化を図りつつ、本体を天井内に格納した状態と、天井面から突出させた状態の両方で首振り可能にした照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、天井に設けられた埋込穴に固定した枠体に、光源を有する本体を支持する本体支持体を軸支し、前記本体支持体に、前記本体の光源を装着するソケット部と、前記本体を前記枠体から引き出すように前記ソケット部をスライドするスライド機構とを設けたことを特徴とする。
【0006】
上記構成において、前記スライド機構に、前記ソケット部のスライド方向を規定するガイドを、前記本体の引き出し方向に対し斜めに形成してもよい。
【0007】
上記構成において、前記枠体は、前記埋込穴に固定される外枠と、前記本体を囲う内枠とを備え、前記内枠を前記外枠に水平回転自在に支持してもよい。
【0008】
上記構成において、前記本体のソケット部側の断面を楕円形に形成し、この楕円形の短軸を前記本体の首振り方向に一致させてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、天井に設けられた埋込穴に固定した枠体に、光源を有する本体を支持する本体支持体を軸支し、本体支持体に、本体の光源を装着するソケット部と、本体を枠体から引き出すようにソケット部をスライドするスライド機構とを設けたため、ソケット部自体がスライドされるので、別途にアーム等が不要となる。これにより、小型化を図りつつ、本体を天井内に格納した状態と、天井面から突出させた状態の両方で首振りすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る照明器具を示す正面図である。
【図2】照明器具を示す縦断面図である。
【図3】照明器具を示す底面図である。
【図4】照明器具の分解斜視図を前方左側から示す図である。
【図5】照明器具の分解斜視図を後方右側から示す図である。
【図6】フードを示す斜視図である。
【図7】スライド機構を示す斜視図である。
【図8】スライド機構の動作を説明する図である。
【図9】本体を傾斜させたときの照明器具を示す縦断面図である。
【図10】本体を首振りして天井から突出させたときの照明器具を示す正面図である。
【図11】本体を首振りして天井から突出させたときの照明器具を示す縦断面図である。
【図12】本体を首振りして天井から突出させたときの照明器具を示す底面図である。
【図13】本体を首振りしたときの照明器具を示す正面図である。
【図14】本体を首振りしたときの照明器具を示す縦断面図である。
【図15】本体を首振りしたときの照明器具を示す底面図である。
【図16】本発明の変形例に係るスライド機構を示す簡略図である。
【図17】本発明の変形例に係る照明器具を示す縦断面図である。
【図18】図17の照明器具を示す底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は実施の形態に係る照明器具を示す正面図であり、図2は照明器具を示す縦断面図であり、図3は照明器具を示す底面図である。図4は照明器具の分解斜視図を前方左側から示す図であり、図5は照明器具の分解斜視図を後方右側から示す図である。図6は、フードを示す斜視図である。なお、説明中、前後左右及び上下といった方向は、図1に示す照明器具を正面側から見た方向に従うものとする。
照明器具1は、天井2に設けた円形の埋込穴2Aに埋め込まれるダウンライト等の照明器具であり、図1〜図5に示すように、大別して、埋込穴2Aに固定される枠体10と、枠体10内に配置される本体20と、本体20を支持する本体支持体30とを備えて構成されている。
【0012】
枠体10は、例えば樹脂を用いて形成され、埋込穴2Aに嵌め込まれる略環状の外枠11に、略碗状の内枠12を嵌合して構成されている。外枠11には、照明器具1を天井2に埋め込んだ状態に支持する複数(本実施の形態では、3つ)の取付金具13が周方向に等間隔に設けられている。
内枠12は、下面開放型の大略椀状に形成されており、外枠11に対し水平方向(埋込穴2Aの周方向)に回動自在に構成されている。内枠12には、本体20の上部が挿通されるとともに本体20の首振りを許容する首振り許容孔14が形成されている。首振り許容孔14は、内枠12の頂部から延出し、その下端14Aは外枠11近傍に形成されている。また、内枠12には、首振り許容孔14に対向して切り欠き部15が形成されており、この切り欠き部15に、本体20の首振り角度を調整するためのラチェット機構40が配置されている。
【0013】
ラチェット機構40は、略帯状のラチェット41と、このラチェット41と係合する板ばね42と備えて構成されている。ラチェット41は、本体支持体30に設けられ、内枠12に略沿うように湾曲して延出しており、その内側には、複数の歯41Aがラチェット41の延出方向に配列されている。板ばね42は、例えば一枚の金属板を内枠12の形状にほぼ沿うように湾曲させて形成され、一端が内枠12に固定されている。板ばね42の他端には、金属板の先端部を略くの字状に折り曲げて形成した爪42Aが設けられている。爪42Aは、板ばね42の付勢力によってラチェット41に向けて付勢されている。
さらに、内枠12には、首振り許容孔14及び切り欠き部15に直交するように、一対のねじ孔16(図11参照)が形成され、各ねじ孔16に、本体支持体30を回動自在に支持するねじ17が螺合される。このねじ17が本体支持体30の回転軸Cとなる。
【0014】
本体20は、ランプ(光源)21と、このランプ21の光を反射する反射鏡22と、これらのランプ21及び反射鏡22を覆うフード23とを備えている。本実施の形態のランプ21には、例えば、HID(High Intensity Discharge lamp:高輝度放電ランプ)ランプであって、棒状に延びる膨らみを有する直管形のランプが用いられている。
反射鏡22は、例えばアルミニウム等の高反射率を有する金属材をプレス成形等により下面開放型の大略椀状に形成して構成され、その内面には、略回転放物面形状の反射面22Aが形成されている。この反射鏡22の下端開放面側からランプ21を挿入することで、反射鏡22がランプ21に挿着され、反射鏡22はフード23に支持されている。
フード23は、円筒状の下端部24と、この下端部24から略円錐状に延出する中間部25とを連結するとともに、中間部25に楕円筒状の上端部26を一体形成して構成されている。フード23は、図2及び図6に示すように、上端部26の短軸S1が本体20の首振り方向(図2では、左右方向)に一致するように配置されている。フード23の上端部26には、本体支持体30に支持される一対の支持片27が一体に設けられ、支持片27の先端にはそれぞれねじ穴27Aが形成されている。
【0015】
本体支持体30は、図1及び図2に示すように、上面及び下面を開放する略角筒状のアングル部31を備えている。アングル部31は、前後に2分割して形成されており、前アングル31F及び後アングル31Rを有している。アングル部31の前面31A及び後面31Bには、それぞれアーム32が取り付けられ、各アーム32の一端はアングル部31の下部に固定され、他端はねじ17によって内枠12に回動自在に支持されている。アングル部31の左面31Cには、ラチェット機構40のラチェット41が一体に形成されている。
アングル部31の内側には、ランプ21が装着されるソケット部(装着部)33が配置されており、このソケット部33は、ランプ21に電気的に接続されるソケット34と、このソケット34をアングル部31に支持するソケット金具35とを備えている。ソケット34には、ランプ21に電源を供給する電線36が接続されている。ソケット金具35には、前後一対の固定孔35Aが形成されており、ボルト37を固定孔35Aに挿通するとともに、フード23の支持片27(図6)に形成されたねじ穴27A(図6)に螺合することで、フード23がソケット金具35に固定される。
また、アングル部31の内側には、ソケット金具35をスライドするスライド機構50が設けられている。以下、このスライド機構50について詳細に説明する。
【0016】
図7はスライド機構50を示す斜視図であり、図8はスライド機構50の動作を説明する図である。なお、図7では、ソケット金具35の上部が省略されている。
スライド機構50は、図2及び図7に示すように、アングル部31の前面31A及び後面31Bのそれぞれに対向するように設けられている。各スライド機構50は、ソケット金具35を挟んでスライド方向を規定する一対のガイド51と、これら一対のガイド51間に当該ガイド51に沿って複数段(本実施の形態では、7段)形成され、ソケット金具35のスライドの固定位置を規定する一対の丸穴(位置決め部材、溝)52と、丸穴52に係合する一対の係合部53と、係合部53をソケット金具35内に保持する一対の保持溝54とを備えて構成されている。
【0017】
一対のガイド51は、本体20の引き出し方向(本実施の形態では、鉛直方向)に対し斜めに形成されており、互いに平行に延在している。各係合部53は、丸穴52に係合するボール(係合子)55と、このボール55を丸穴52に向けて付勢して係合させるコイル状のスプリング56とを備えている。これらのボール55及びスプリング56は、耐熱性に優れた素材、例えば金属を用いて形成されている。このように、係合部53を比較的構造が簡単なボール55及びスプリング56で構成するとともに、これらのボール55及びスプリング56を金属で形成したため、係合部53を安価に製造することができる。なお、これらの本体20及びソケット部33が灯体部60(図2参照)を構成している。
ソケット金具35は、斜めに形成されたガイド51に沿うように、正面視で平行四辺形に形成されている。ソケット金具35の前部及び後部には、円柱状にくり抜かれた保持溝54が一対ずつ形成されており、ボール55は保持溝54の端部側に配置され、スプリング56は保持溝54の端面54A側に配置される。したがって、ソケット金具35は、片側一対ずつの係合部53によって、すなわち、合計4組のボール55及びスプリング56によって固定位置に固定されることとなる。また、ソケット金具35は、アングル部31の前面31A及び後面31Bに挟持されているため、ソケット金具35とアングル部31との摩擦力、及び、4つのスプリング56の付勢力によって固定される。
【0018】
ソケット金具35に略鉛直方向の力が加えられると、ボール55がアングル部31の前面31A及び後面31Bによって保持溝54内に押し込まれ、ボール55がスプリング56の付勢に抗して丸穴52から外れて、図8に示すように、ソケット金具35がガイド51に沿ってスライドする。アングル部31の前面31A及び後面31Bには、それぞれ一対の丸穴52が複数段(7段)形成されているため、ソケット金具35のスライドの固定位置は段階的に変更される。
【0019】
次に、照明器具1の動作について説明する。
図9は、本体20を傾斜させたときの照明器具1を示す縦断面図である。図10〜図12は、本体20を首振りして天井面2Bから突出させたときの照明器具1を示す図である。図13〜図15は、本体20を枠体10に格納した状態で首振りしたときの照明器具1を示す図である。
本体20を引き出す際には、まず、図2に示すように、例えばフード23内に指等を挿入し、フード23にX方向の力を加える。ここで、ソケット金具35は、斜めに形成されたガイド51に沿うように正面視で平行四辺形に形成されており、平行四辺形の一の対角線が一対のガイド51間の距離L(図9参照)よりも短いため、ソケット金具35は一対のガイド51間内でY方向に回転可能である。したがって、フード23にX方向の力が加えられると、ソケット金具35がY方向に回転しようとするので、一対のボール55のうち、一方側(例えば、図2の右側)のボール55がスプリング56の付勢に抗して丸穴52から外れる。これにより、図9に示すように、ソケット金具35が、他方側(例えば、図9の左側)のボール55を中心にして、一対のガイド51間内でY方向に回転し、本体20が枠体10に対して傾斜する。また、ソケット金具35は、斜めに形成されたガイド51に沿うように正面視で平行四辺形に形成されているため、Y方向と反対方向には回転しない。すなわち、ソケット金具35は、その自重により一対のガイド51間でY方向と反対方向に回転してしまうことがないように構成されている。
【0020】
これにより、一方側(右側)に位置する内枠12とフード23との間の隙間δが大きくなり、内枠12とフード23との間にフード23を指で掴めるだけのスペースが確保される。フード23を掴むためには、内枠12とフード23との間に最低10mm程度の隙間が必要であるが、本実施の形態では、図2に示すように、フード23の両側の隙間δの寸法の合計が10mm以上、すなわち、本体20の本体径D1と内枠12の開口径D2との差が10mm以上(D2−D1≧10mm)であればよいので、本体20を内枠12に対し比較的大きく形成することができる。
また、本体20の枠体10に対する傾斜に伴って、一方側のボール55が丸穴52から外れ、ソケット金具35を固定する箇所が4点から2点に減少するので、比較的弱い力で本体20を枠体10から引き出すことができる。図9には、枠体10から引き出した状態の本体20を二点差線で示す。
【0021】
そして、フード23を掴んだまま本体20を引き出し続けると、本体20の一方側(右側)が内枠12に形成した首振り許容孔14の下端14Aに当接し、本体支持体30がねじ17を回転軸Cとして回転し、本体20が首振りする。照明器具1には、ラチェット機構40が設けられているため、本体支持体30の回転に伴い、板ばね42の爪42Aはラチェット41の複数の歯41Aを乗り越える。これにより、ラチェット41の歯41A毎に本体支持体30の角度を調節することができる。
【0022】
本体20を最大首振り角度θまで首振りするとともに、最大突出量Amaxまで突出させた照明器具1を図10〜図12に示す。これらの図に示すように、本実施の形態では、本体20を最大首振り角度θまで首振りした状態から、本体20の下端部24を枠体10から突出させることができるので、枠体10によってランプ21の光が遮光されることを防止できる。従来では、本体を枠体内に格納した状態で首振りしていたため、長いランプを用いる場合には、枠体の径を大きくせざるを得なかったが、本実施の形態では、本体20を枠体10から突出させた状態で首振り可能にしたため、枠体10の径を大きくすることなく、長いランプ21を用いることも可能である。
また、本体20を最大突出量Amaxまで突出しても、ソケット部33が枠体10から突出しないので、電線36等の露出を防止するためにソケット部33の周りを覆う必要がなくなり、温度上昇を抑制できる。
【0023】
また、フード23は、図6及び図11に示すように、ソケット部33側の上端部26の断面が楕円形になるように形成されるとともに、楕円形の短軸S1を本体20の首振り方向に一致するように配置されるため、本体20の上端部26が首振り方向に対し小さく形成されることとなり、本体20の首振り角度を大きくすることができる。本実施の形態では、図10に示すように、最大首振り角度θを35°以上に設定することができる。また、図6に示すように、本体20の上端部26の開口が楕円形の長軸S2方向に広くなるので、本体20の放熱性能が向上する。
本実施の形態では、図13〜図15に示すように、本体20を最大首振り角度θまで首振りした状態から、本体20を枠体10内に押し入れることもできる。すなわち、本体20は、ラチェット機構40によって調整される全ての首振り角度において、枠体10に遮光されないスライドの固定位置に固定されることが可能である。さらに、内枠12は外枠11に水平回転自在に支持されているため、鉛直方向だけでなく、水平方向にも照射範囲を変更でき、照射方向の自由度が向上する。
【0024】
このように構成された照明器具1では、図10及び図13に示すように、本体20を最大首振り角度θに首振りした場合には、図10に示す最大突出量Amax時における照明器具1の天井面2Bからの埋込高さH1と、図13に示す最小突出量Amin時における照明器具1の埋込高さH1とが同一となっている。また、図10に示す最大突出量Amax時における照明器具1の埋込穴2Aからの張出幅Wと、図13に示す最小突出量Amin時における照明器具1の張出幅Wとが同一となっている。したがって、本体20を最大首振り角度θに首振りした状態から、埋込高さH1や張出幅Wを大きくすることなく、本体20の突出量を変更することができる。
【0025】
また、照明器具1は、図2に示すように、本体20の本体径D1を埋込穴2Aの埋込穴径D3の0.6倍以上(D1/D3≧0.6)になるように構成されている。すなわち、本体径D1を埋込穴径D3に対し比較的大きく形成することができるので、器具効率を確保することができる。
さらに、照明器具1は、灯体部60の灯体高さH2が埋込穴2Aの埋込穴径D3の0.9倍以上(H2/D3≧0.9)になるように構成されている。したがって、本実施の形態では、D1/D3≧0.6及びH2/D3≧0.9を満たす照明器具1において、本体20を天井2内に格納した状態と、天井面2Bから突出させた状態の両方で首振り角度を35°以上にすることができる。
【0026】
以上説明したように、本実施の形態によれば、天井2に設けられた埋込穴2Aに固定した枠体10に、ランプ21を有する本体20を支持する本体支持体30を軸支し、本体支持体30に、本体20のランプ21を装着するソケット部33と、本体20を枠体10から引き出すようにソケット部33をスライドするスライド機構50とを設ける構成とした。この構成により、ソケット部33自体がスライドされるので、別途にアーム等を設ける必要がなくなり、小型化を図りつつ、本体20を天井2内に格納した状態と、天井面2Bから突出させた状態の両方で首振りすることができる。
【0027】
また、本実施の形態によれば、スライド機構50に、ソケット部33のスライド方向を規定するガイド51を、本体20の引き出し方向に対し斜めに形成する構成とした。この構成により、ガイド51を本体20の引き出し方向沿って形成する場合に比べ、スライド機構50の長さを短くすることができる。
【0028】
また、本実施の形態によれば、枠体10は、埋込穴2Aに固定される外枠11と、本体20を囲う内枠12とを備え、内枠12を外枠11に水平回転自在に支持する構成とした。この構成により、鉛直方向だけでなく、水平方向にも照射範囲を変更できるので、照射方向の自由度が向上する。
【0029】
また、本実施の形態によれば、本体20のソケット部33側の断面を楕円形に形成し、この楕円形の短軸S1を本体20の首振り方向に一致させる構成とした。この構成により、本体20の上端部26が首振り方向に対し小さく形成されることとなるので、本体20の首振り角度を大きくすることができる。また、本体20の上端部26の開口が楕円形の長軸S2方向に広くなるので、本体20の放熱性能が向上する。
【0030】
但し、上記実施の形態は本発明の一態様であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能であるのは勿論である。
例えば、上記実施の形態では、ソケット金具35の全体を平行四辺形に形成していたが、一対のガイド51に挟まれる部分だけを平行四辺形に形成してもよい。
また、上記実施の形態では、ガイド51を本体20の引き出し方向に対し斜めに形成するとともに、ソケット金具35を正面視で平行四辺形に形成したが、図16に示すように、スライド機構150のガイド151を鉛直方向に沿って設けてもよい。この場合、ソケット金具135の一対のガイド151に接する部分の一方又は両方にテーパ135Aを形成すればよい。
【0031】
また、上記実施の形態では、光源としてランプ21を設けているが、これに限定されず、図17及び図18の照明器具100に示すように、光源としてLED121を設けてもよい。この場合、本体120は、LED基板128に実装されるLED121と、これらLED121及びLED基板128を覆うとともにLED基板128を支持するカバー122と、このカバー122を覆うフード23とを備えるように構成すればよい。カバー122は、フード23に固定されており、LED基板128の上方及び側方を覆うカバー本体122Aと、LED基板128の下方を覆う下側カバー122Bとを有している。下側カバー122Bには、LED121を露出するように切り欠いた開口部122B1が形成され、この開口部122B1からLED121の光が放射される。なお、本体支持部130は、フード23を介してLED121が装着されるソケット部(装着部)33を備え、このソケット部33はソケット金具35を有するものの、ソケットを必要としない。
【0032】
また、上記実施の形態では、溝を丸穴とし、係合子をボールとして説明したが、これらの溝及び係合子は互いに係合可能であれば任意の形状に形成することができる。また、係合子とスプリングを一体に形成してもよい。
また、上記実施の形態では、位置決め部材を本体支持体に設け、係合部をソケット部に設けたが、位置決め部材をソケット部に設け、係合部を本体支持体に設けてもよい。
また、上記実施の形態では、スライド機構をアングル部の前面及び後面の両方に設けたが、前面及び後面の一方に設けてもよい。
また、上記実施の形態では、本発明を天井埋込型のダウンライトに適用した場合を示したが、これに限らず、例えばスポットライト等に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1,100 照明器具
2 天井
2A 埋込穴
10 枠体
11 外枠
12 内枠
20,120 本体
21 ランプ(光源)
30,130 本体支持体
33 ソケット部
34 ソケット
35 ソケット金具
50,150 スライド機構
51,151 ガイド
121 LED
S1 短軸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井に設けられた埋込穴に固定した枠体に、光源を有する本体を支持する本体支持体を軸支し、
前記本体支持体に、前記本体の光源を装着するソケット部と、前記本体を前記枠体から引き出すように前記ソケット部をスライドするスライド機構とを設けたことを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記スライド機構に、前記ソケット部のスライド方向を規定するガイドを、前記本体の引き出し方向に対し斜めに形成したことを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記枠体は、前記埋込穴に固定される外枠と、前記本体を囲う内枠とを備え、
前記内枠を前記外枠に水平回転自在に支持したことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記本体のソケット部側の断面を楕円形に形成し、この楕円形の短軸を前記本体の首振り方向に一致させたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−14881(P2012−14881A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−148392(P2010−148392)
【出願日】平成22年6月29日(2010.6.29)
【出願人】(000000192)岩崎電気株式会社 (533)
【Fターム(参考)】