説明

照明器具

【課題】部品等の交換なしに器具設置後に照射された展示物等の見え方を確認しながら照明器具の配光(ビーム角)を連続的に変化させる。
【解決手段】照明器具11は、広角用レンズ16に対応する広角用のLEDと、広角用レンズ16より配光角度が狭い狭角用レンズ15に対応する狭角用のLEDとを備える。また、照明器具11は、互いに並列に配置された広角用スライドボリューム19bと狭角用スライドボリューム19aとを備える。広角用スライドボリューム19bは、所定の方向に操作されると広角用のLEDの光出力を減少させ、上記所定の方向と逆方向に操作されると広角用のLEDの光出力を増加させる。狭角用スライドボリューム19aは、上記所定の方向に操作されると狭角用のLEDの光出力を増加させ、上記所定の方向と逆方向に操作されると狭角用のLEDの光出力を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関するものである。本発明は、特に、LED照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
LED照明器具において、目的に適した配光特性を得る手段としてレンズや反射板を変更して使用する方法が広く知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−73627号公報
【特許文献2】特開2009−9826号公報
【特許文献3】特開2005−317557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、レンズもしくは反射板を交換する方法で配光を変化させる場合は照明器具を現地に設置した後で交換用の部品を新たに調達する必要があるという課題があった。また、部品の交換の場合は配光の変化が連続的でなく、ユーザの要求する照射イメージを実現するのが困難であるという課題があった。
【0005】
本発明は、例えば、部品等の交換なしに器具設置後に照射された展示物等の見え方を確認しながら照明器具の配光(ビーム角)を連続的に変化させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様に係る照明器具は、
種類ごとに配光特性が異なる少なくとも2種類の配光部材と、
前記少なくとも2種類の配光部材の種類ごとに、対応する光源を少なくとも1つ含み、それぞれ対応する種類の配光部材によって配光が制御される複数の光源と、
前記複数の光源を、対応する配光部材の種類ごとに個別に調光する調光部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一の態様によれば、照明器具の調光部が、それぞれ対応する種類の配光部材によって配光が制御される複数の光源を、対応する配光部材の種類ごとに個別に調光することにより、部品等の交換なしに器具設置後に照射された展示物等の見え方を確認しながら照明器具の配光(ビーム角)を連続的に変化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施の形態1に係る照明器具の斜視図。
【図2】実施の形態1に係る照明器具の分解斜視図。
【図3】実施の形態1に係る照明器具のLEDモジュールの平面図。
【図4】実施の形態1に係る照明器具の回路ブロック図。
【図5】実施の形態1に係る照明器具の電源ケースの部分拡大図。
【図6】実施の形態1に係る照明器具の配光特性の例を示す配光曲線図。
【図7】実施の形態1に係る照明器具のスライドボリュームと出力電流の関係を示すグラフ。
【図8】実施の形態1の第1変形例に係る照明器具の斜視図。
【図9】実施の形態1の第2変形例に係る照明器具の斜視図。
【図10】実施の形態1の第3変形例に係る照明器具の斜視図。
【図11】(a)実施の形態1の第4変形例に係る照明器具の斜視図、(b)照明器具の電源ケースの部分拡大図。
【図12】実施の形態2に係る照明器具の回路ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図を用いて説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係る照明器具11の斜視図である。図2は、照明器具11の分解斜視図である。
【0011】
図1及び図2において、照明器具11は、電源回路が内蔵される電源ケース18と、この電源ケース18にアーム部25を介して取り付けられる灯具12とを備える。
【0012】
灯具12は、内部に取り付けられるLEDモジュール13と、このLEDモジュール13の発光面に取り付けられる複数の狭角用レンズ15及び広角用レンズ16と、この狭角用レンズ15及び広角用レンズ16を灯具12内に固定するレンズカバー17とを備える。
【0013】
LEDモジュール13には、複数個のLED14が実装されている。そして、一部のLED14を接続する狭角回路23と、残りのLED14を接続する広角回路24とが構成されている。つまり、LEDモジュール13では、独立した2つの閉回路が構成されている。各々のLED14は、狭角用レンズ15と、狭角用レンズ15とは配光特性が異なる広角用レンズ16とのいずれかに1対1で対応付けられて配置される。LEDモジュール13は、それらのレンズを固定するレンズカバー17により、灯具12に固定される。
【0014】
図3は、照明器具11のLEDモジュール13の平面図である。
【0015】
図3において、LEDモジュール13は、基板20上に2つの導通回路(狭角回路23及び広角回路24)を有する。各々の回路はコネクタ21、パターン22、LED14で構成され、独立したコントロールが可能である。ここで、狭角回路23側のLED14を狭角用LED14a、広角回路24側のLED14を広角用LED14bという。
【0016】
2種類のレンズ(狭角用レンズ15及び広角用レンズ16)と2つの導通回路(狭角回路23及び広角回路24)上に実装されたLED14の関係については、同一回路上のLED14に対応した位置に配置されるレンズを全て同一種類とする。つまり、狭角回路23に実装されたLED14(狭角用LED14a)は狭角用レンズ15に対応し、広角回路24に実装されたLED14(広角用LED14b)は広角用レンズ16に対応する。
【0017】
なお、本実施の形態では、LEDモジュール13が狭角用LED14aを4つ、広角用LED14bを3つ備えているが、LEDモジュール13は、これと異なる数の狭角用LED14a及び広角用LED14bを備えていてもよい。また、狭角用LED14a及び広角用LED14bは互いに同じ色温度のLED14であるとするが、異なる色温度のLED14であってもよい。例えば、狭角用LED14aを5000K(ケルビン)のLED14とし、広角用LED14bを3000KのLED14とすることができる。
【0018】
図1及び図2において、電源ケース18は、内部にLED14を点灯させるための2系統の出力電流制御が可能な直流電源回路を備えている。
【0019】
図4は、照明器具11の回路ブロック図である。
【0020】
図4において、照明器具11は、電源ケース18に内蔵され、商用交流電源ACが供給される電源回路30(点灯装置)と、この電源回路30が出力する直流電流を入力して点灯するLEDモジュール13とを備える。
【0021】
前述したように、LEDモジュール13は、狭角回路23及び広角回路24を備える。
【0022】
電源回路30は、整流平滑回路31、狭角用出力定電流回路32、広角用出力定電流回路33、制御回路34(例えば、マイクロコンピュータ)、調整部19を備える。整流平滑回路31は、商用交流電源ACをダイオードブリッジ35により全波整流し、平滑コンデンサ36により平滑して直流電圧を得る。狭角用出力定電流回路32は、整流平滑回路31とLEDモジュール13の狭角回路23に接続される。広角用出力定電流回路33は、整流平滑回路31とLEDモジュール13の広角回路24に接続される。制御回路34は、広角用出力定電流回路33及び狭角用出力定電流回路32の出力電流を調整する。調整部19は、制御回路34の調整値を設定する。
【0023】
広角用出力定電流回路33は、定電流制御用のFET37、抵抗38、チョークコイル39、トランジスタ40、ダイオード41、電流検出抵抗42、定電流制御回路43、電解コンデンサ44を備える。定電流制御用のFET37は、ドレイン端子が整流平滑回路31の高電位側に接続される。抵抗38は、FET37のドレイン端子及びゲート端子間に接続される。チョークコイル39は、一端がFET37のソース端子に接続される。トランジスタ40は、コレクタ端子がFET37のゲート端子に接続され、エミッタ端子が整流平滑回路31の低電位側に接続される。ダイオード41は、カソード端子がFET37のソース端子に接続され、アノード端子が整流平滑回路31の低電位側に接続される。電流検出抵抗42は、一端が電解コンデンサ44の低電位側に接続され、他端がLEDモジュール13の広角回路24に接続される。定電流制御回路43は、電流検出抵抗42の他端とトランジスタ40のベース端子と制御回路34に接続される。電解コンデンサ44は、正極がチョークコイル39を介してFET37のソース端子に接続され、負極が整流平滑回路31の低電位側に接続される。
【0024】
広角用出力定電流回路33の定電流制御回路43は、電流検出抵抗42に流れる電流を検出し、電流検出抵抗42に流れる電流が一定の電流となるように、トランジスタ40のスイッチングを制御して、定電流制御用のFET37のスイッチングを制御する。このように定電流制御回路43によって、広角用出力定電流回路33が広角用LED14bに略一定の直流電流を供給する。
【0025】
なお、定電流制御回路43は、電流検出抵抗42に流れる電流を、制御回路34によって調整された電流値となるように、トランジスタ40及び定電流制御用のFET37のスイッチングを制御する。したがって、制御回路34が、電流検出抵抗42に流れる電流値を100mA(ミリアンペア)、300mAといった異なる電流値に調整することにより、広角用LED14bに流れる電流が調整されて、広角用LED14bが発する光量が変化する。
【0026】
狭角用出力定電流回路32の構成及び動作については、広角用出力定電流回路33と同様であるため、説明を省略する。
【0027】
調整部19は、2つのスライドボリューム(可変抵抗)からなる。一方は、広角用出力定電流回路33の出力電流を調整するための調整値を設定する広角用スライドボリューム19bであり、他方は、狭角用出力定電流回路32の出力電流を調整するための調整値を設定する狭角用スライドボリューム19aである。
【0028】
図5は、照明器具11の電源ケース18の部分拡大図である。
【0029】
図1及び図5において、広角用スライドボリューム19b及び狭角用スライドボリューム19aは、電源ケース18の側面から突出するように設けられており、2系統の直流電源回路(広角用出力定電流回路33及び狭角用出力定電流回路32)の出力電流を各々のスライドボリュームで独立して制御することが可能である。広角用スライドボリューム19bをA方向へスライドさせると、制御回路34によって広角用出力定電流回路33の出力電流が少なくなるように調整される。狭角用スライドボリューム19aをA方向へスライドさせると、制御回路34によって狭角用出力定電流回路32の出力電流が多くなるように調整される。
【0030】
広角用スライドボリューム19bと狭角用スライドボリューム19aは、互いに並列に配置されているので、広角用スライドボリューム19bと狭角用スライドボリューム19aを同時にスライドさせやすい。本実施の形態では、広角用スライドボリューム19bと狭角用スライドボリューム19aを「広角」の目盛に合わせると広角用出力定電流回路33の出力電流が最大値、狭角用出力定電流回路32の出力電流が最小値(例えば0A)に調整される。「中間」の目盛に合わせると広角用出力定電流回路33の出力電流と狭角用出力定電流回路32の出力電流との両方が最大値と最小値との中間値に調整される。「狭角」の目盛に合わせると広角用出力定電流回路33の出力電流が最小値(例えば0A)、狭角用出力定電流回路32の出力電流が最大値に調整される。これにより、目盛の表示に対応する配光角度を得ることができる。
【0031】
なお、調整部19は、外部のコントローラから制御信号を有線あるいは無線で受信する機能を備えたものに置き換えても構わない。この場合、調整部19は、例えばPWM(パルス幅変調)のデューティ比によって配光角度や調光度を指令する制御信号を受信する。そして、制御回路34は、調整部19で受信された制御信号のデューティ比に応じて、広角用出力定電流回路33の出力電流と狭角用出力定電流回路32の出力電流とを調整する。
【0032】
上記のように、本実施の形態において、照明器具11は、種類ごとに配光特性(特に、配光角度)が異なる2種類の配光部材を備える。具体的には、照明器具11は、第1種類の配光部材(広角用レンズ16)と、第1種類の配光部材より配光角度が狭い第2種類の配光部材(狭角用レンズ15)とを備える。なお、照明器具11は、配光部材として、リフレクタを備えてもよい。照明器具11は、3種類以上の配光部材を備えてもよい。
【0033】
また、照明器具11は、配光部材の種類ごとに、対応する光源を少なくとも1つ含み、それぞれ対応する種類の配光部材によって配光が制御される複数の光源を備える。具体的には、照明器具11は、第1種類の配光部材(広角用レンズ16)に対応する複数のLED(広角用LED14b)と、第2種類の配光部材(狭角用レンズ15)に対応する複数のLED(狭角用LED14a)とを備える。
【0034】
また、照明器具11は、複数の光源を、対応する配光部材の種類ごとに個別に調光する調光部(電源回路30)を備える。調光部は、第1種類の配光部材と第2種類の配光部材とのうち、一方の配光部材に対応する光源(狭角用レンズ15に対応する狭角用LED14a)の光出力を増加させる場合、他方の配光部材に対応する光源(広角用レンズ16に対応する広角用LED14b)の光出力を減少させるか又は維持する。一方、調光部は、一方の配光部材に対応する光源(狭角用レンズ15に対応する狭角用LED14a)の光出力を減少させる場合、他方の配光部材に対応する光源(広角用レンズ16に対応する広角用LED14b)の光出力を増加させるか又は維持する。
【0035】
調光部は、配光部材の種類ごとに、対応するLED14に接続され当該LED14に電流を供給する電源回路(狭角用出力定電流回路32及び広角用出力定電流回路33)と、当該電源回路に供給させる電流を調整する調整器(調整部19)とを有する。具体的には、調光部は、第1種類の配光部材と第2種類の配光部材とのうち、一方の配光部材に対応する調整器として、所定の方向(例えば図5のA方向)に操作されると一方の配光部材に対応する電源回路(狭角用出力定電流回路32)に供給させる電流を増加させ、上記所定の方向と逆方向に操作されると一方の配光部材に対応する電源回路(狭角用出力定電流回路32)に供給させる電流を減少させる第1可変抵抗器(狭角用スライドボリューム19a)を有する。また、調光部は、他方の配光部材に対応する調整器として、上記所定の方向に操作されると他方の配光部材に対応する電源回路(広角用出力定電流回路33)に供給させる電流を減少させ、上記所定の方向と逆方向に操作されると他方の配光部材に対応する電源回路(広角用出力定電流回路33)に供給させる電流を増加させる第2可変抵抗器(広角用スライドボリューム19b)を有する。
【0036】
上記のような構成を採用したことにより、本実施の形態によれば、部品等の交換なしに器具設置後に照射された展示物等の見え方を確認しながら照明器具11の配光(ビーム角)を連続的に変化させることが可能となる。
【0037】
次に、照明器具11の配光特性について説明する。
【0038】
図6は、照明器具11の配光特性の例を示す配光曲線図である。
【0039】
図6において、(a)狭角回路23のみを点灯させた場合(広角用出力定電流回路33の出力電流を調整可能な範囲の最小値が0Aであれば、広角用スライドボリューム19bを「狭角」の目盛に合わせた場合)は狭角の配光カーブが得られ、(c)広角回路24のみを点灯させた場合(狭角用出力定電流回路32の出力電流を調整可能な範囲の最小値が0Aであれば、狭角用スライドボリューム19aを「広角」の目盛に合わせた場合)は広角の配光カーブが得られる。
【0040】
また、(b)狭角回路23と広角回路24の電流値を変化させる(広角用スライドボリューム19bと狭角用スライドボリューム19aをスライドさせる)ことにより、中間的な配光カーブが連続的に得られることになる。
【0041】
本実施の形態では、狭角用レンズ15を中心に配置し、その周囲に他の狭角用レンズ15及び広角用レンズ16を、互いに交互に並ぶように配置している。そのため、狭角回路23の電流値を最大電流で固定し、広角回路24の電流値を変化させる(狭角用スライドボリューム19aを「狭角」の目盛に合わせたまま、広角用スライドボリューム19bをスライドさせる)ことにより、被照射物の中心付近の明るさを保ったまま、照射物の周辺の光をコントロールすることができる。また、広角回路24の電流値を最大電流で固定し、狭角回路23の電流値を変化させる(広角用スライドボリューム19bを「広角」の目盛に合わせたまま、狭角用スライドボリューム19aをスライドさせる)ことにより、広い照射範囲は維持した状態で中心付近の照度をコントロールすることができる。
【0042】
狭角回路23、広角回路24の電流値を相反する方向に同時制御する(広角用スライドボリューム19bと狭角用スライドボリューム19aを同じ方向に同時にスライドさせる)ことにより、光の量を略一定でビーム角のみを狭角から広角の範囲内で連続的にコントロールすることができる。本実施の形態では、スライドボリュームの移動方向に対する、電流値の制御方向を狭角回路23、広角回路24で反対にしているため、ユーザはスライドボリュームを纏めて動かすことにより、容易に操作をすることができる。
【0043】
図7は、スライドボリュームと出力電流の関係を示すグラフである。
【0044】
図7において、スライドボリュームと出力電流の関係は(a)直線的な関係には限定されず、得られる効果により、点灯回路(狭角回路23、広角回路24)の出力特性は(b)や(c)に示す出力特性カーブのようなものとしてもよい。このような出力特性とすることで、光出力が高い領域での変化量を小さくしたり、光出力が低い領域での変化量を小さくしたりすることができる。また、配光特性を微調整しやすくすることができる。特に、光出力が低い領域で、光を大きく変化させると、光出力の変化量以上に光が変化しているように視覚的に感じるため、光出力が低い領域での光の変化量を小さくすると、ユーザは違和感なく微調整を行うことができる。
【0045】
なお、本実施の形態では、広角用出力定電流回路33と狭角用出力定電流回路32の出力電流をそれぞれ調整できるようにして、広角用LED14bと狭角用LED14aが発する光量を変化させて、配光角度の広狭を調節できるようにしているが、中央に配置されるLED14の光量を変化させても、照明器具11としての配光特性に与える影響は少ない。そのため、中央に配置されるLED14の光量を一定とする制御を行ってもよい。
【0046】
図8は、本実施の形態の第1変形例に係る照明器具11の斜視図である。
【0047】
図8において、灯具12に配置されるレンズは直線状に配置されており、一端側から順に、広角用レンズ16→狭角用レンズ15→広角用レンズ16→狭角用レンズ15→広角用レンズ16としている。
【0048】
本実施の形態では、中央に配置される広角用レンズ16によって得られる配光と、この両側に配置される狭角用レンズ15によって得られる配光が重なり合うようにしている。また、照明器具11から得られる配光を広角とする場合は、灯具12からの光を広げたいときであるので、灯具12の両端側に、広角用レンズ16を配置している。
【0049】
このように、灯具12のレンズの配置は、図1に示したような円形に限らず、直線的な配置でもよい。
【0050】
図9は、本実施の形態の第2変形例に係る照明器具11の斜視図である。
【0051】
図9において、狭角用レンズ15は中心に1つ配置され、広角用レンズ16は中心の狭角用レンズ15を囲うように6つ配置されている。
【0052】
このように、2種類のレンズの数量比率は、同数でなくてもよく(即ち、広角用レンズ16と狭角用レンズ15の数が異なっていてもよい)、得られる配光特性により、数量比を極端に変更してもよい。
【0053】
図10は、本実施の形態の第3変形例に係る照明器具11の斜視図である。
【0054】
図10において、照明器具11は、天井裏に埋め込まれるダウンライトとして形成されている。照明器具11は、放熱用のヒートシンク26を備えるとともに、取付バネ27を3つ(図10では2つしか示されていない)備える。照明器具11の取付時には、取付バネ27をヒートシンク26側に押さえ付け、そのまま照明器具11をヒートシンク26側から、天井面に設けられた埋込穴に押し込む。照明器具11が取り付けられると、灯具12の環形の底部が天井面より下方に突き出す。この底部の側面には、調整部19の広角用スライドボリューム19b及び狭角用スライドボリューム19aが設けられている。
【0055】
図11(a)は、本実施の形態の第4変形例に係る照明器具11の斜視図である。図11(b)は、照明器具11の電源ケース18の部分拡大図である。
【0056】
図11(a)及び(b)において、照明器具11は、調整部19のスライドボリューム(広角用スライドボリューム19b及び狭角用スライドボリューム19a)の代わりに、ロータリーボリューム(広角用ロータリーボリューム19d及び狭角用ロータリーボリューム19c)を備えている。スライドボリュームの場合と同様に、広角用ロータリーボリューム19d及び狭角用ロータリーボリューム19cは、電源ケース18の側面から突出するように設けられており、2系統の直流電源回路(広角用出力定電流回路33及び狭角用出力定電流回路32)の出力電流を各々のロータリーボリュームで独立して制御することが可能である。
【0057】
実施の形態2.
本実施の形態について、主に実施の形態1との差異を説明する。
【0058】
本実施の形態では、照明器具11が備える電源回路30(点灯装置)の構成が実施の形態1のものと異なる。
【0059】
図12は、照明器具11の回路ブロック図である。
【0060】
図12において、LEDモジュール13は、実施の形態1と同様に、狭角回路23及び広角回路24を備える。
【0061】
電源回路30は、整流平滑回路31、出力定電流回路45、出力制御回路46、制御回路34(例えば、マイクロコンピュータ)、調整部19を備える。整流平滑回路31は、実施の形態1と同様に、商用交流電源ACをダイオードブリッジ35により全波整流し、平滑コンデンサ36により平滑して直流電圧を得る。出力定電流回路45は、整流平滑回路31に接続される。出力制御回路46は、出力定電流回路45とLEDモジュール13の狭角回路23及び広角回路24に接続される。制御回路34は、出力定電流回路45の出力電流を調整するとともに、出力制御回路46を制御する。調整部19は、制御回路34の調整値を設定する。
【0062】
出力定電流回路45は、定電流制御用のFET37、抵抗38、チョークコイル39、トランジスタ40、ダイオード41、電流検出抵抗42、定電流制御回路43、電解コンデンサ44を備える。定電流制御用のFET37は、ドレイン端子が整流平滑回路31の高電位側に接続される。抵抗38は、FET37のドレイン端子及びゲート端子間に接続される。チョークコイル39は、一端がFET37のソース端子に接続される。トランジスタ40は、コレクタ端子がFET37のゲート端子に接続され、エミッタ端子が整流平滑回路31の低電位側に接続される。ダイオード41は、カソード端子がFET37のソース端子に接続され、アノード端子が整流平滑回路31の低電位側に接続される。電流検出抵抗42は、一端が電解コンデンサ44の低電位側に接続され、他端がLEDモジュール13の広角回路24に接続される。定電流制御回路43は、電流検出抵抗42の他端とトランジスタ40のベース端子と制御回路34に接続される。電解コンデンサ44は、正極がチョークコイル39を介してFET37のソース端子に接続され、負極が整流平滑回路31の低電位側に接続される。
【0063】
出力定電流回路45の定電流制御回路43は、実施の形態1における定電流制御回路43と同様に、電流検出抵抗42に流れる電流を検出し、電流検出抵抗42に流れる電流が一定の電流となるように、トランジスタ40のスイッチングを制御して、定電流制御用のFET37のスイッチングを制御する。このように定電流制御回路43によって、出力定電流回路45が広角用LED14b及び狭角用LED14aに流れる直流電流を調整する。
【0064】
なお、定電流制御回路43は、実施の形態1における定電流制御回路43と同様に、電流検出抵抗42に流れる電流を、制御回路34によって調整された電流値となるように、トランジスタ40及び定電流制御用のFET37のスイッチングを制御する。したがって、制御回路34が、電流検出抵抗42に流れる電流値を100mA、300mAといった異なる電流値に調整することにより、広角用LED14b及び狭角用LED14aに流れる電流が調整されて、広角用LED14b及び狭角用LED14aが発する光量が変化する。
【0065】
出力制御回路46は、狭角用FET47、広角用FET48、FET駆動回路49を備える。広角用FET48は、広角用LED14bに接続される。狭角用FET47は、狭角用LED14aに接続される。FET駆動回路49は、制御回路34からの制御信号に基づいて、広角用FET48と狭角用FET47のスイッチングを制御する。
【0066】
例えば、FET駆動回路49は、広角用FET48と狭角用FET47を交互にオン/オフすることで、広角用LED14bと狭角用LED14aとを交互に点灯させることができる。このとき、狭角用LED14aの点灯時間(狭角用FET47のオン時間)が長いと、狭角用LED14aの平均照度が高くなって、配光特性が狭角になる。一方、広角用LED14bの点灯時間(広角用FET48のオン時間)が長いと、広角用LED14bの平均照度が高くなって、配光特性が広角になる。
【0067】
調整部19は、1つのスライドボリューム19e(可変抵抗)からなる。スライドボリューム19eを一方側にスライドさせると、広角用LED14bに電流が流れる時間が長くなり、他方側にスライドさせると、狭角用LED14aに電流が流れる時間が長くなる。
【0068】
このように、本実施の形態によれば、1つのスライドボリューム19e(ロータリーボリュームでもよい)で配光特性を広角又は狭角に変更することができる。
【0069】
なお、調整部19は、出力定電流回路45の出力電流を調整するための調整値を設定するスライドボリューム(又はロータリーボリューム)を備えていてもよい。
【0070】
本実施の形態では、LEDモジュール13の狭角回路23と広角回路24とが互いに並列に接続されている。そして、出力制御回路46の狭角用FET47が狭角回路23と、広角用FET48が広角回路24と、それぞれ直列に接続されている。本実施の形態の変形例として、LEDモジュール13の狭角回路23と広角回路24とが互いに直列に接続されてもよい。この場合、出力制御回路46の狭角用FET47が狭角回路23と、広角用FET48が広角回路24と、それぞれ並列に接続される。したがって、狭角用FET47がオフになると狭角用LED14aが点灯可能となり、広角用FET48がオフになると広角用LED14bが点灯可能になる。この場合も、制御回路34は、狭角用FET47と広角用FET48を交互にオン/オフすることで、狭角用LED14aと広角用LED14bとを交互に点灯させることができる。このとき、狭角用LED14aの点灯時間(狭角用FET47のオフ時間)が長いと、狭角用LED14aの平均照度が高くなって、配光特性が狭角になる。一方、広角用LED14bの点灯時間(広角用FET48のオフ時間)が長いと、広角用LED14bの平均照度が高くなって、配光特性が広角になる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、これらのうち、2つ以上の実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらのうち、2つ以上の実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。
【符号の説明】
【0072】
11 照明器具、12 灯具、13 LEDモジュール、14 LED、14a 狭角用LED、14b 広角用LED、15 狭角用レンズ、16 広角用レンズ、17 レンズカバー、18 電源ケース、19 調整部、19a 狭角用スライドボリューム、19b 広角用スライドボリューム、19c 狭角用ロータリーボリューム、19d 広角用ロータリーボリューム、19e スライドボリューム、20 基板、21 コネクタ、22 パターン、23 狭角回路、24 広角回路、25 アーム部、26 ヒートシンク、27 取付バネ、30 電源回路、31 整流平滑回路、32 狭角用出力定電流回路、33 広角用出力定電流回路、34 制御回路、35 ダイオードブリッジ、36 平滑コンデンサ、37 FET、38 抵抗、39 チョークコイル、40 トランジスタ、41 ダイオード、42 電流検出抵抗、43 定電流制御回路、44 電解コンデンサ、45 出力定電流回路、46 出力制御回路、47 狭角用FET、48 広角用FET、49 FET駆動回路、AC 商用交流電源。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
種類ごとに配光特性が異なる少なくとも2種類の配光部材と、
前記少なくとも2種類の配光部材の種類ごとに、対応する光源を少なくとも1つ含み、それぞれ対応する種類の配光部材によって配光が制御される複数の光源と、
前記複数の光源を、対応する配光部材の種類ごとに個別に調光する調光部と
を備えることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記少なくとも2種類の配光部材は、種類ごとに配光角度が異なる請求項1の照明器具。
【請求項3】
前記少なくとも2種類の配光部材は、第1種類の配光部材と、前記第1種類の配光部材より配光角度が狭い第2種類の配光部材とからなり、
前記調光部は、前記第1種類の配光部材と前記第2種類の配光部材とのうち、一方の配光部材に対応する光源の光出力を増加させる場合、他方の配光部材に対応する光源の光出力を減少させるか又は維持し、前記一方の配光部材に対応する光源の光出力を減少させる場合、前記他方の配光部材に対応する光源の光出力を増加させるか又は維持する
請求項1又は2の照明器具。
【請求項4】
前記複数の光源は、複数のLEDであり、
前記調光部は、前記少なくとも2種類の配光部材の種類ごとに、対応するLEDに接続され当該LEDに電流を供給する電源回路と、当該電源回路に供給させる電流を調整する調整器とを有する
請求項1又は2の照明器具。
【請求項5】
前記少なくとも2種類の配光部材は、第1種類の配光部材と、前記第1種類の配光部材より配光角度が狭い第2種類の配光部材とからなり、
前記調光部は、前記第1種類の配光部材と前記第2種類の配光部材とのうち、一方の配光部材に対応する調整器として、所定の方向に操作されると前記一方の配光部材に対応する電源回路に供給させる電流を増加させ、前記所定の方向と逆方向に操作されると前記一方の配光部材に対応する電源回路に供給させる電流を減少させる第1可変抵抗器を有するとともに、他方の配光部材に対応する調整器として、前記所定の方向に操作されると前記他方の配光部材に対応する電源回路に供給させる電流を減少させ、前記所定の方向と逆方向に操作されると前記他方の配光部材に対応する電源回路に供給させる電流を増加させる第2可変抵抗器を有する
請求項4の照明器具。
【請求項6】
前記第1可変抵抗器と前記第2可変抵抗器とは、互いに並列に配置されたスライドボリュームである請求項5の照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−14980(P2012−14980A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−151087(P2010−151087)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(390014546)三菱電機照明株式会社 (585)
【Fターム(参考)】