照明器具
【課題】器具本体の側方および光源を1つのセードで覆って、放熱特性を良好にでき、セード上の影を防止でき、小型化できる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、有底筒状に形成され、施工面側に設置される器具本体11と、器具本体11の底部裏面に取り付けられる発光素子と、器具本体11の側方および発光素子を覆うセード14とを備え、器具本体11は、発光素子の取付面から側方へ傾斜面20を有し、傾斜面20に発光素子から施工面に向けて立設する複数の放熱フィン21を設ける。
【解決手段】照明器具10は、有底筒状に形成され、施工面側に設置される器具本体11と、器具本体11の底部裏面に取り付けられる発光素子と、器具本体11の側方および発光素子を覆うセード14とを備え、器具本体11は、発光素子の取付面から側方へ傾斜面20を有し、傾斜面20に発光素子から施工面に向けて立設する複数の放熱フィン21を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば廊下の壁面や天井面に設置されるシーリングライト等の照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、器具本体の外底面に複数の放熱フィンを器具本体外周の内側領域に収まるように設け、放熱フィンを器具本体外周の外側領域に突出自在とした照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−130397号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明器具は、器具本体の放熱性を高める構造とすることにより、コンパクトにできる。
ところで、図14に示すように、器具本体101の底部にLEDユニット102が取り付けられ、この器具本体101の下方にセード103が取り付けられる照明器具100が提案されている。
このような従来の照明器具100は、器具本体101の内周部に給電部104が配置されており、器具本体101がねじ105により不図示の施工面に取り付けられ、セード103が器具本体101にねじ込まれる。
【0005】
このような従来の照明器具100は、LEDユニット102が発した熱を放熱するために、器具本体101の下方にセード103を取り付けることにより器具本体101をセード103で覆わないようにしている。
しかし、意匠面において、器具本体101の側方およびLEDユニット102を1つのセードで覆うことが望まれる。
従って、このような従来の照明器具100は、セード103の上方に器具本体101が独立して配置されているために、意匠面で良好ではない。
【0006】
一方、このような問題を解決するために、器具本体の側方およびLEDユニットを、1つのセードで覆った照明器具が提案されている。
しかし、このような従来の照明器具は、意匠面で良好ではあるものの、小型化を図るために、器具本体とセードとの距離が極端に小さい。
従って、このような従来の照明器具は、放熱特性が良好ではない。
加えて、このような従来の照明器具は、透過セードを用いた場合に、セード上に影が生じてしまい、意匠面での新たな問題を有する。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、器具本体の側方および光源を1つのセードで覆って、放熱特性を良好にでき、セード上の影を防止でき、小型化できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明器具は、有底筒状に形成され、施工面側に設置される器具本体と、前記器具本体の底部裏面に取り付けられる発光素子と、前記器具本体の側方および前記発光素子を覆うセードとを備え、前記器具本体は、前記発光素子の取付面から側方へ傾斜面を有し、前記傾斜面に前記発光素子から前記施工面に向けて立設する複数の放熱フィンを設ける。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記放熱フィンは、前記セードとの隙間が、前記発光素子の取付面から前記施工面に近づくにしたがって狭く形成される。
【0010】
本発明に係る照明器具は、前記施工面側の前記器具本体と前記セードとの間および前記セードと前記施工面との間に隙間を有し、前記放熱フィンが整流フィンを兼ねる。
【0011】
本発明に係る照明器具は、前記器具本体に、前記発光素子を有するユニットと前記発光素子への給電部とが一体に取り付けられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る照明器具によれば、器具本体の側方および光源を1つのセードで覆って、放熱特性を良好にでき、セード上の影を防止でき、小型化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の天井面の設置状態の側面図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の斜め上方から視た分解斜視図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具のセードの垂直断面図を含む側面図
【図4】本発明に係る第1実施形態の照明器具の器具本体の斜め下方から視た外観斜視図
【図5】本発明に係る第1実施形態の照明器具の器具本体の底面図
【図6】本発明に係る第1実施形態の照明器具の器具本体の放熱フィン周りの拡大図
【図7】本発明に係る第1実施形態の照明器具のLEDユニットの分解斜視図
【図8】本発明に係る第1実施形態の照明器具における空気の流れを説明する側面図
【図9】本発明に係る第1実施形態の照明器具における空気の流れを説明する拡大側面図
【図10】本発明に係る第1実施形態の照明器具におけるセードの一部破断垂直断面図
【図11】本発明に係る第1実施形態の照明器具における影に関する光学的な特性を説明するセードの垂直断面図を含む側面図
【図12】本発明に係る第1実施形態の照明器具における反射に関する光学的な特性を説明するセードの垂直断面図を含む側面図
【図13】本発明に係る第2実施形態の照明器具の分解斜視図
【図14】従来の照明器具の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、器具本体11と、器具本体11の底部裏面に取り付けられる発光素子であるLED12を有するLEDユニット13と、器具本体11の側方およびLEDユニット13を覆うセード14とを備える。
図1に示すように、照明器具10は、器具本体11の上端部に有する引掛シーリング部材15により施工面1に機械的に固定および電気的に接続される。
なお、照明器具10の固定方法としては、省施工方法として、引掛シーリング部材15の他にローゼット方式やカチット方式を適用できる。また、ダクトや直付や吊下等の方法を実施できる。
【0015】
図2に示すように、器具本体11は、例えばADC12等の金属材料により成形されて白色に染色されており、天部に収容される給電部16の上部に絶縁シート17を介して固定ボディ18が取り付けられる。
器具本体11は、底部のLED取付面19にLEDユニット13が取り付けられる。器具本体11は、LED取付面19から側方へ傾斜面20を有し、傾斜面20にLEDユニット13から施工面1に向けて立設する複数の放熱フィン21を有する。
なお、放熱フィン21は、LEDユニット13から施工面1に向けて立設するものに代えて、螺旋形状に形成されてもよい。
【0016】
器具本体11には、LEDユニット13と給電部16とが一体に取り付けられている。
従って、LEDユニット13と給電部16とを別所に配置した場合と比べて不図示の配線を省略できるとともに簡単な構造になるために小型化できる。
セード14は、例えばポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等の樹脂製であって、乳白色に染色されている。
【0017】
図3に示すように、器具本体11は、LED取付面19から側方へ有する傾斜面20にLEDユニット13から施工面1に向けて立設する複数の放熱フィン21を有するために、LED12の発した熱が放熱フィン21に伝わりやすい。
従って、放熱フィン21により、LED12の熱を効率よく放熱でき、器具本体11の側方およびLEDユニット13を1つのセード14で覆って、放熱特性を良好にできる。
このとき、放熱フィン21が器具本体11の表面積を拡大するために、放熱性能を向上できる。
さらに、器具本体11の傾斜面20に放熱フィン21が設けられるために、器具本体11の外形が大きくならずに放熱フィン21を有効的に設置でき、小型化できる。
【0018】
セード14は、周板22の底部に底板23を有し、底板23の中央部に開口24を有し、周板22の上端部に開口25を有する。
セード14は、乳白色であるために、光を透過させることを目的としている。セード14は、他の材質を使用する場合にも、同様の効果が得られる。
セード14は、鉄等の、樹脂よりも高い放熱性を有するものである場合は、より放熱する度合いを高めることができる。意匠面では、ガラスを使用することが外観上で最良である。
セード14は、内周面の上端部に有するガイド受26が器具本体11の上端部に有するガイド突起27に係合してあらかじめ定められた角度だけ回動されることにより、器具本体11に取り付けられる。
【0019】
図4および図5に示すように、LEDユニット13は、LED取付面19にドライバ等の手工具により取り付けられる。
LEDユニット13は、器具本体11に取り付けられた状態で、単体が取り外しができない。
図6に示すように、放熱フィン21は、LED取付面19を中心として、例えば10度である間隔角度θ1で放射状に突出しており、LED取付面19側に傾斜状の面取部28を有する。
なお、放熱フィン21の間隔角度は10度に限定されるものではなく、放射される角度であれば、他の角度が選ばれてもよい。
【0020】
図7に示すように、LEDユニット13は、LED12が実装されたLED基板29の上部にベース部材30が配置されており、LED基板29の下部にレンズ31と枠32とが配置される。
なお、LED12は、様々な色温度を選ぶことができる。また、発光素子として、LED12以外に有機EL等を選ぶこともできる。
【0021】
次に、照明器具10の放熱特性について説明する。
図8に示すように、放熱フィン21とセード14の内周面との隙間は、器具本体11のLED取付面19付近が隙間寸法L1であり、器具本体11の中央部が隙間寸法L1よりも小さい隙間寸法L2である。
そして、放熱フィン21とセード14の内周面との隙間は、器具本体11の上端部付近が隙間寸法L2よりも小さい隙間寸法L3である。
従って、セード14の照射面側の開口24が吸気口の役割を果たし、施工面側の開口25が排気口の役割となって空気の流れを創生できる。
【0022】
このとき、吸気口から入ってくる空気の流れの速さを、便宜上、整数にて設定して1とすると、器具本体11のLED取付面19付近の隙間寸法L1が例えば25mmであり、器具本体11の上端部付近の隙間寸法L3が例えば10mmである。
これにより、器具本体11とセード14との隙間寸法が器具本体11のLED取付面19付近から器具本体11の上端部付近に行くにしたがって1/2以下となる。
このとき、空気の量は変わらないために、その最小隙間に向けて流れる空気の速さが1以上となり、空気の速度が器具本体11の周囲において加速される。
【0023】
従って、加速された空気が器具本体11のLED取付面19側から上方に向けた上昇気流となって器具本体11を効率よく放熱できる。
さらに、放熱フィン21が、照射面側に面取部28を有するために、空気をより流れ易くすることが可能となり、空気の流れに有利に働く。
【0024】
図9に示すように、器具本体11とセード14との間では、セード14側に気圧が低い(温度が低い)低気圧領域A1が生じ、器具本体11側に気圧が高い(温度が高い)高気圧領域A2が生じている。
そのため、単一の器具本体11の周囲に、気圧違いが生じているために、空気が流れやすくなり、放熱性が向上する。
【0025】
次に、照明器具10の光学的な特性について説明する。
図10に示すように、セード14は、底板23の開口24の周囲に例えば15度以上である傾斜角度θ2で傾斜した反射面33を有する。
従って、反射面33が傾斜しているために、LEDユニット13からの光を施工面1側に向けて積極的に反射できるとともに、まぶしさの配慮がなされ、遮光と器具効率の両方に配慮できる。
なお、反射面33の傾斜角度は、必ずしもこの角度でなくてもよい。
【0026】
図11に示すように、放熱フィン21とセード14との隙間は、LED取付面19から施工面1側へいくほど狭くなるよう形成されており、さらに、放熱フィン21に面取部28を有するために、LEDユニット13からの光を直接受けない。
従って、放熱フィン21の影がセード14上に生じにくく、影は施工面1側に近づくにしたがってなだらかになるために、存在を認識しにくくできるので、セード14の外観意匠を向上できる。
【0027】
また、セード14の内周面で反射する光成分のうち、放熱フィン21を通過した光成分が影を形成することがない。
これに対し、放熱フィンとセードとの隙間がLED取付面から施工面1側へかけて一定あるいは施工面1側へいくほど広くなるように形成される場合、LEDユニットからの光が、器具本体の放熱フィンの頂点を直接通過する。
そのため、セード上に放熱フィンの影34が生じてしまう。
【0028】
図12に示すように、LEDユニット13からの光は、セード14の開口24から下方に向けて出射されるとともに、LEDユニット13に対面するセード14の反射面33により反射して二次反射面となる器具本体11に照射された後に施工面1へ進む。
このとき、LEDユニット13は床面に向けて取り付けられている。しかし、器具本体11が白色に染色されているために、セード14で反射した光が施工面1へ向けて多く反射される。
従って、セード14の反射面33により施工面1へ光をまわすことにより、間接照明を演出でき、セード14が透過セードであるために、施工面1側へ光がまわるたけでなく、セード14の全体に光がまわり、外観意匠を向上できる。
【0029】
以上、説明したように第1実施形態の照明器具10によれば、放熱フィン21により、LED12の熱を効率よく放熱でき、器具本体11の側方およびLEDユニット13を1つのセード14で覆って、放熱特性を良好にできる。
また、第1実施形態の照明器具10によれば、放熱フィン21が器具本体11の表面積を拡大するために、放熱性能を向上できる。
さらに、第1実施形態の照明器具10によれば、器具本体11の傾斜面20に放熱フィン21が設けられるために、器具本体11の外形が大きくならずに放熱フィン21を有効的に設置でき、小型化できる。
【0030】
また、第1実施形態の照明器具10によれば、放熱フィン21は、セード14との隙間が、LED取付面19から施工面1に近づくにしたがって狭く形成される。
これにより、放熱フィン21の影がセード14上に生じにくく、影は施工面1側に近づくにしたがってなだらかになるために、存在を認識しにくくできるので、セード14の外観意匠を向上できる。
【0031】
そして、第1実施形態の照明器具10によれば、施工面1側の器具本体11とセード14との間およびセード14と施工面1との間に隙間を有し、放熱フィン21が整流フィンを兼ねる。
そのため、第1実施形態の照明器具10によれば、セード14の照射面側の開口24が吸気口の役割を果たし、施工面側の開口25が排気口の役割となって空気の流れを創生できる。
従って、第1実施形態の照明器具10によれば、加速された空気が器具本体11のLED取付面19側から上方に向けた上昇気流となって器具本体11を効率よく放熱できる。
【0032】
さらに、第1実施形態の照明器具10によれば、器具本体11に、LEDユニット13と給電部16とが一体に取り付けられる。
これにより、LEDユニット13と給電部16とを別所に配置した場合と比べて不図示の配線を省略できるとともに簡単な構造になるために小型化できる。
【0033】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の第2実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0034】
図13に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具50は、器具本体51と、器具本体51の底部裏面に取り付けられるLEDユニット13と、器具本体51の側方およびLEDユニット13を覆うセード14とを備える。
照明器具50は、器具本体51に放熱フィンを有さない。
【0035】
なお、本発明の照明器具においてLED,引掛シーリング部材,給電部,絶縁シート,固定ボディ,レンズ,枠等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 施工面
10,50 照明器具
11,51 器具本体
12 LED(発光素子)
13 LEDユニット(ユニット)
14 セード
16 給電部
19 LED取付面(取付面)
20 傾斜面
21 放熱フィン
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば廊下の壁面や天井面に設置されるシーリングライト等の照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、器具本体の外底面に複数の放熱フィンを器具本体外周の内側領域に収まるように設け、放熱フィンを器具本体外周の外側領域に突出自在とした照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−130397号公報(図1、請求項1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明器具は、器具本体の放熱性を高める構造とすることにより、コンパクトにできる。
ところで、図14に示すように、器具本体101の底部にLEDユニット102が取り付けられ、この器具本体101の下方にセード103が取り付けられる照明器具100が提案されている。
このような従来の照明器具100は、器具本体101の内周部に給電部104が配置されており、器具本体101がねじ105により不図示の施工面に取り付けられ、セード103が器具本体101にねじ込まれる。
【0005】
このような従来の照明器具100は、LEDユニット102が発した熱を放熱するために、器具本体101の下方にセード103を取り付けることにより器具本体101をセード103で覆わないようにしている。
しかし、意匠面において、器具本体101の側方およびLEDユニット102を1つのセードで覆うことが望まれる。
従って、このような従来の照明器具100は、セード103の上方に器具本体101が独立して配置されているために、意匠面で良好ではない。
【0006】
一方、このような問題を解決するために、器具本体の側方およびLEDユニットを、1つのセードで覆った照明器具が提案されている。
しかし、このような従来の照明器具は、意匠面で良好ではあるものの、小型化を図るために、器具本体とセードとの距離が極端に小さい。
従って、このような従来の照明器具は、放熱特性が良好ではない。
加えて、このような従来の照明器具は、透過セードを用いた場合に、セード上に影が生じてしまい、意匠面での新たな問題を有する。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、器具本体の側方および光源を1つのセードで覆って、放熱特性を良好にでき、セード上の影を防止でき、小型化できる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明器具は、有底筒状に形成され、施工面側に設置される器具本体と、前記器具本体の底部裏面に取り付けられる発光素子と、前記器具本体の側方および前記発光素子を覆うセードとを備え、前記器具本体は、前記発光素子の取付面から側方へ傾斜面を有し、前記傾斜面に前記発光素子から前記施工面に向けて立設する複数の放熱フィンを設ける。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記放熱フィンは、前記セードとの隙間が、前記発光素子の取付面から前記施工面に近づくにしたがって狭く形成される。
【0010】
本発明に係る照明器具は、前記施工面側の前記器具本体と前記セードとの間および前記セードと前記施工面との間に隙間を有し、前記放熱フィンが整流フィンを兼ねる。
【0011】
本発明に係る照明器具は、前記器具本体に、前記発光素子を有するユニットと前記発光素子への給電部とが一体に取り付けられる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る照明器具によれば、器具本体の側方および光源を1つのセードで覆って、放熱特性を良好にでき、セード上の影を防止でき、小型化できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の天井面の設置状態の側面図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の斜め上方から視た分解斜視図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具のセードの垂直断面図を含む側面図
【図4】本発明に係る第1実施形態の照明器具の器具本体の斜め下方から視た外観斜視図
【図5】本発明に係る第1実施形態の照明器具の器具本体の底面図
【図6】本発明に係る第1実施形態の照明器具の器具本体の放熱フィン周りの拡大図
【図7】本発明に係る第1実施形態の照明器具のLEDユニットの分解斜視図
【図8】本発明に係る第1実施形態の照明器具における空気の流れを説明する側面図
【図9】本発明に係る第1実施形態の照明器具における空気の流れを説明する拡大側面図
【図10】本発明に係る第1実施形態の照明器具におけるセードの一部破断垂直断面図
【図11】本発明に係る第1実施形態の照明器具における影に関する光学的な特性を説明するセードの垂直断面図を含む側面図
【図12】本発明に係る第1実施形態の照明器具における反射に関する光学的な特性を説明するセードの垂直断面図を含む側面図
【図13】本発明に係る第2実施形態の照明器具の分解斜視図
【図14】従来の照明器具の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、器具本体11と、器具本体11の底部裏面に取り付けられる発光素子であるLED12を有するLEDユニット13と、器具本体11の側方およびLEDユニット13を覆うセード14とを備える。
図1に示すように、照明器具10は、器具本体11の上端部に有する引掛シーリング部材15により施工面1に機械的に固定および電気的に接続される。
なお、照明器具10の固定方法としては、省施工方法として、引掛シーリング部材15の他にローゼット方式やカチット方式を適用できる。また、ダクトや直付や吊下等の方法を実施できる。
【0015】
図2に示すように、器具本体11は、例えばADC12等の金属材料により成形されて白色に染色されており、天部に収容される給電部16の上部に絶縁シート17を介して固定ボディ18が取り付けられる。
器具本体11は、底部のLED取付面19にLEDユニット13が取り付けられる。器具本体11は、LED取付面19から側方へ傾斜面20を有し、傾斜面20にLEDユニット13から施工面1に向けて立設する複数の放熱フィン21を有する。
なお、放熱フィン21は、LEDユニット13から施工面1に向けて立設するものに代えて、螺旋形状に形成されてもよい。
【0016】
器具本体11には、LEDユニット13と給電部16とが一体に取り付けられている。
従って、LEDユニット13と給電部16とを別所に配置した場合と比べて不図示の配線を省略できるとともに簡単な構造になるために小型化できる。
セード14は、例えばポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)等の樹脂製であって、乳白色に染色されている。
【0017】
図3に示すように、器具本体11は、LED取付面19から側方へ有する傾斜面20にLEDユニット13から施工面1に向けて立設する複数の放熱フィン21を有するために、LED12の発した熱が放熱フィン21に伝わりやすい。
従って、放熱フィン21により、LED12の熱を効率よく放熱でき、器具本体11の側方およびLEDユニット13を1つのセード14で覆って、放熱特性を良好にできる。
このとき、放熱フィン21が器具本体11の表面積を拡大するために、放熱性能を向上できる。
さらに、器具本体11の傾斜面20に放熱フィン21が設けられるために、器具本体11の外形が大きくならずに放熱フィン21を有効的に設置でき、小型化できる。
【0018】
セード14は、周板22の底部に底板23を有し、底板23の中央部に開口24を有し、周板22の上端部に開口25を有する。
セード14は、乳白色であるために、光を透過させることを目的としている。セード14は、他の材質を使用する場合にも、同様の効果が得られる。
セード14は、鉄等の、樹脂よりも高い放熱性を有するものである場合は、より放熱する度合いを高めることができる。意匠面では、ガラスを使用することが外観上で最良である。
セード14は、内周面の上端部に有するガイド受26が器具本体11の上端部に有するガイド突起27に係合してあらかじめ定められた角度だけ回動されることにより、器具本体11に取り付けられる。
【0019】
図4および図5に示すように、LEDユニット13は、LED取付面19にドライバ等の手工具により取り付けられる。
LEDユニット13は、器具本体11に取り付けられた状態で、単体が取り外しができない。
図6に示すように、放熱フィン21は、LED取付面19を中心として、例えば10度である間隔角度θ1で放射状に突出しており、LED取付面19側に傾斜状の面取部28を有する。
なお、放熱フィン21の間隔角度は10度に限定されるものではなく、放射される角度であれば、他の角度が選ばれてもよい。
【0020】
図7に示すように、LEDユニット13は、LED12が実装されたLED基板29の上部にベース部材30が配置されており、LED基板29の下部にレンズ31と枠32とが配置される。
なお、LED12は、様々な色温度を選ぶことができる。また、発光素子として、LED12以外に有機EL等を選ぶこともできる。
【0021】
次に、照明器具10の放熱特性について説明する。
図8に示すように、放熱フィン21とセード14の内周面との隙間は、器具本体11のLED取付面19付近が隙間寸法L1であり、器具本体11の中央部が隙間寸法L1よりも小さい隙間寸法L2である。
そして、放熱フィン21とセード14の内周面との隙間は、器具本体11の上端部付近が隙間寸法L2よりも小さい隙間寸法L3である。
従って、セード14の照射面側の開口24が吸気口の役割を果たし、施工面側の開口25が排気口の役割となって空気の流れを創生できる。
【0022】
このとき、吸気口から入ってくる空気の流れの速さを、便宜上、整数にて設定して1とすると、器具本体11のLED取付面19付近の隙間寸法L1が例えば25mmであり、器具本体11の上端部付近の隙間寸法L3が例えば10mmである。
これにより、器具本体11とセード14との隙間寸法が器具本体11のLED取付面19付近から器具本体11の上端部付近に行くにしたがって1/2以下となる。
このとき、空気の量は変わらないために、その最小隙間に向けて流れる空気の速さが1以上となり、空気の速度が器具本体11の周囲において加速される。
【0023】
従って、加速された空気が器具本体11のLED取付面19側から上方に向けた上昇気流となって器具本体11を効率よく放熱できる。
さらに、放熱フィン21が、照射面側に面取部28を有するために、空気をより流れ易くすることが可能となり、空気の流れに有利に働く。
【0024】
図9に示すように、器具本体11とセード14との間では、セード14側に気圧が低い(温度が低い)低気圧領域A1が生じ、器具本体11側に気圧が高い(温度が高い)高気圧領域A2が生じている。
そのため、単一の器具本体11の周囲に、気圧違いが生じているために、空気が流れやすくなり、放熱性が向上する。
【0025】
次に、照明器具10の光学的な特性について説明する。
図10に示すように、セード14は、底板23の開口24の周囲に例えば15度以上である傾斜角度θ2で傾斜した反射面33を有する。
従って、反射面33が傾斜しているために、LEDユニット13からの光を施工面1側に向けて積極的に反射できるとともに、まぶしさの配慮がなされ、遮光と器具効率の両方に配慮できる。
なお、反射面33の傾斜角度は、必ずしもこの角度でなくてもよい。
【0026】
図11に示すように、放熱フィン21とセード14との隙間は、LED取付面19から施工面1側へいくほど狭くなるよう形成されており、さらに、放熱フィン21に面取部28を有するために、LEDユニット13からの光を直接受けない。
従って、放熱フィン21の影がセード14上に生じにくく、影は施工面1側に近づくにしたがってなだらかになるために、存在を認識しにくくできるので、セード14の外観意匠を向上できる。
【0027】
また、セード14の内周面で反射する光成分のうち、放熱フィン21を通過した光成分が影を形成することがない。
これに対し、放熱フィンとセードとの隙間がLED取付面から施工面1側へかけて一定あるいは施工面1側へいくほど広くなるように形成される場合、LEDユニットからの光が、器具本体の放熱フィンの頂点を直接通過する。
そのため、セード上に放熱フィンの影34が生じてしまう。
【0028】
図12に示すように、LEDユニット13からの光は、セード14の開口24から下方に向けて出射されるとともに、LEDユニット13に対面するセード14の反射面33により反射して二次反射面となる器具本体11に照射された後に施工面1へ進む。
このとき、LEDユニット13は床面に向けて取り付けられている。しかし、器具本体11が白色に染色されているために、セード14で反射した光が施工面1へ向けて多く反射される。
従って、セード14の反射面33により施工面1へ光をまわすことにより、間接照明を演出でき、セード14が透過セードであるために、施工面1側へ光がまわるたけでなく、セード14の全体に光がまわり、外観意匠を向上できる。
【0029】
以上、説明したように第1実施形態の照明器具10によれば、放熱フィン21により、LED12の熱を効率よく放熱でき、器具本体11の側方およびLEDユニット13を1つのセード14で覆って、放熱特性を良好にできる。
また、第1実施形態の照明器具10によれば、放熱フィン21が器具本体11の表面積を拡大するために、放熱性能を向上できる。
さらに、第1実施形態の照明器具10によれば、器具本体11の傾斜面20に放熱フィン21が設けられるために、器具本体11の外形が大きくならずに放熱フィン21を有効的に設置でき、小型化できる。
【0030】
また、第1実施形態の照明器具10によれば、放熱フィン21は、セード14との隙間が、LED取付面19から施工面1に近づくにしたがって狭く形成される。
これにより、放熱フィン21の影がセード14上に生じにくく、影は施工面1側に近づくにしたがってなだらかになるために、存在を認識しにくくできるので、セード14の外観意匠を向上できる。
【0031】
そして、第1実施形態の照明器具10によれば、施工面1側の器具本体11とセード14との間およびセード14と施工面1との間に隙間を有し、放熱フィン21が整流フィンを兼ねる。
そのため、第1実施形態の照明器具10によれば、セード14の照射面側の開口24が吸気口の役割を果たし、施工面側の開口25が排気口の役割となって空気の流れを創生できる。
従って、第1実施形態の照明器具10によれば、加速された空気が器具本体11のLED取付面19側から上方に向けた上昇気流となって器具本体11を効率よく放熱できる。
【0032】
さらに、第1実施形態の照明器具10によれば、器具本体11に、LEDユニット13と給電部16とが一体に取り付けられる。
これにより、LEDユニット13と給電部16とを別所に配置した場合と比べて不図示の配線を省略できるとともに簡単な構造になるために小型化できる。
【0033】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の第2実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0034】
図13に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具50は、器具本体51と、器具本体51の底部裏面に取り付けられるLEDユニット13と、器具本体51の側方およびLEDユニット13を覆うセード14とを備える。
照明器具50は、器具本体51に放熱フィンを有さない。
【0035】
なお、本発明の照明器具においてLED,引掛シーリング部材,給電部,絶縁シート,固定ボディ,レンズ,枠等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 施工面
10,50 照明器具
11,51 器具本体
12 LED(発光素子)
13 LEDユニット(ユニット)
14 セード
16 給電部
19 LED取付面(取付面)
20 傾斜面
21 放熱フィン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有底筒状に形成され、施工面側に設置される器具本体と、
前記器具本体の底部裏面に取り付けられる発光素子と、
前記器具本体の側方および前記発光素子を覆うセードとを備え、
前記器具本体は、前記発光素子の取付面から側方へ傾斜面を有し、前記傾斜面に前記発光素子から前記施工面に向けて立設する複数の放熱フィンを設ける照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記放熱フィンは、前記セードとの隙間が、前記発光素子の取付面から前記施工面に近づくにしたがって狭く形成される照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記施工面側の前記器具本体と前記セードとの間および前記セードと前記施工面との間に隙間を有し、前記放熱フィンが整流フィンを兼ねる照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記器具本体に、前記発光素子を有するユニットと前記発光素子への給電部とが一体に取り付けられる照明器具。
【請求項1】
有底筒状に形成され、施工面側に設置される器具本体と、
前記器具本体の底部裏面に取り付けられる発光素子と、
前記器具本体の側方および前記発光素子を覆うセードとを備え、
前記器具本体は、前記発光素子の取付面から側方へ傾斜面を有し、前記傾斜面に前記発光素子から前記施工面に向けて立設する複数の放熱フィンを設ける照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記放熱フィンは、前記セードとの隙間が、前記発光素子の取付面から前記施工面に近づくにしたがって狭く形成される照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記施工面側の前記器具本体と前記セードとの間および前記セードと前記施工面との間に隙間を有し、前記放熱フィンが整流フィンを兼ねる照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記器具本体に、前記発光素子を有するユニットと前記発光素子への給電部とが一体に取り付けられる照明器具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−160417(P2012−160417A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−21405(P2011−21405)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]