説明

照明器具

【課題】拭き残しがなく効率よく確実に清掃することにより、常に清浄にできる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、天井面への取付部14と、取付部14が中央に配置され、天井面との間に隙間を介在させるように位置する天板部13を有する器具本体11と、器具本体11に取り付けられる光源部20とを備え、天板部13の表面に配設されて、取付部14を中心として回転自在な清掃手段17を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井面に取り付けられるシーリングライト等に適用される照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、拡大鏡の一端から他端にかけて摺接する清掃手段を備え、清掃手段の操作に連動して電源がオン・オフされる電源スイッチを備える照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1は、反射板からレバーを引き出すことにより、清掃手段が拡大鏡の表面および裏面に摺接して拡大鏡を清掃する。
特許文献1は、レバーを元の位置に戻すことにより、電源スイッチがオン状態となって照明が駆動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭62−84747号公報(図1、実用新案請求の範囲)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、布等を用いて拭わなくても拡大鏡を清掃できる。
しかし、特許文献1は、以下の六つの課題を有する。
課題の一つ目は、レバーを手動によって作動させなければならないことである。
従って、レバーの動きのためのスペースが必要になる。
【0005】
課題の二つ目は、清掃手段が電源スイッチと連動するため、清掃手段で清掃する度に照明のオン・オフが行われることである。
従って、清掃する必要がない時にも清掃が行われてしまい、照明のみを速やかに駆動できない。
【0006】
課題の三つ目は、照明を駆動させたくない場合に、レバーを一定距離引き出した位置までの範囲で清掃手段を動かすことはできるが、引き出した部分に対応する部分に清掃手段が届かないことである。
従って、このような場合に、拡大鏡の全面を清掃ができない。
【0007】
課題の四つ目は、清掃手段が往復移動するために、清掃手段の拭き残しが生ずることである。
従って、清掃手段の拭き残し部分に埃やごみが溜まる虞がある。
【0008】
課題の五つ目は、デスクスタンドの形態であるために、天井面に取付けた場合、レバーを移動させ難いことである。
従って、取付場所等に制限を生ずる。
【0009】
課題の六つ目は、天井面に取付けた場合に、清掃手段が全域に渡って配置されないことである。
従って、清掃手段の拭き残しが生じて埃やごみが溜まる虞がある。
【0010】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、拭き残しがなく効率よく確実に清掃することにより、常に清浄にできる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る照明器具は、天井面への取付部と、前記取付部が中央に配置され、前記天井面との間に隙間を介在させるように位置する天板部を有する器具本体と、前記器具本体に取り付けられる光源部とを備え、前記天板部の表面に配設されて、前記取付部を中心として回転自在な清掃手段を設ける。
【0012】
本発明に係る照明器具は、前記清掃手段は、回転基台と、前記回転基台に放射状に設置される複数の掻取部材とを有する。
【0013】
本発明に係る照明器具は、前記器具本体に前記光源部を覆うように回転させて装着されるグローブを設け、前記掻取部材が、前記グローブの回転に伴って回転する。
【0014】
本発明に係る照明器具は、前記回転基台が、前記グローブの回転に伴って回転力を蓄積する弾性部材を有し、前記グローブの回転を停めたときに、前記弾性部材に蓄積された回転力が開放されて逆方向に回転する。
【0015】
本発明に係る照明器具は、光源部が、LEDであって、前記LEDで発生した熱を前記天板部まで移動させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る照明器具によれば、拭き残しがなく効率よく確実に清掃することにより、常に清浄にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の斜め上方から視た分解斜視図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の斜め上方から視た外観斜視図
【図3】本発明に係る第2実施形態の照明器具の斜め上方から視た外観斜視図
【図4】本発明に係る第3実施形態の照明器具の斜め上方から視た分解斜視図
【図5】本発明に係る第4実施形態の照明器具の平面図
【図6】本発明に係る第4実施形態の照明器具の清掃手段の回転時の平面図
【図7】本発明に係る第5実施形態の照明器具の平面図
【図8】本発明に係る第6実施形態の照明器具の斜め上方から視た分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、円形に形成される器具本体11と、器具本体11の下面に取り付けられるLEDユニット12とを備えて、不図示の天井面に設置されるシーリングライトに適用される。
照明器具10は、器具本体11の天面に天板部13を有し、天板部13上に、天井面に設置されている不図示の引掛シーリングから電源を供給されるアダプタ14を備える。
照明器具10は、器具本体11の天板部13上に、アダプタ14が取り付けられる基台カバー15と、基台カバー15に覆われて配置されて天板部13上で回転自在な回転基台16とを備える。
照明器具10は、回転基台16に取付けられる清掃手段17を備え、清掃手段17に掻取部材18を備える。
【0019】
LEDユニット12は、器具本体11に相似する円板形に形成されるLED基板19を有し、このLED基板19の下面に光源部である複数のLED20が配列されて封止される。
LED基板19は、不図示のプリント回路を有し、このプリント回路が同じく不図示の電源ユニットに電気的に接続される。
清掃手段17は、回転基台16から天板部13の外縁までの長さを有するアーム21を備える。
清掃手段17は、アーム21の基端部が回転基台16に着脱自在に取付けられており、アーム21の下部に掻取部材18が取り付けられる。
アーム21は、その先端部に、器具本体11の外縁から下方に向けて延出されて、ユーザーや清掃作業員が手で握ることができる握持部22を備える。
アーム21は、例えば樹脂製等であり、掻取部材18は、ブラシやゴム製等である。
【0020】
次に、照明器具10における清掃手段17の動作について説明する。
図2に示すように、照明器具10は、アダプタ14が天井面の引掛シーリングに機械的および電気的に接続されることにより、器具本体11の天板部13が天井面からわずかに離れて配置される。
リモコン送信機や手動スイッチ等から照明器具10にオン信号が与えられることにより、電源ユニットからLED基板19のプリント回路を通じてLED20に給電されてLED20が発光される。
【0021】
LED20が発光されることにより、LED20から出射された光が、器具本体11の下面において反射されて床面に向けて照射される。
このとき、LED20の発光に伴って生じた熱は、LED基板19に熱的に接続された器具本体11から清掃手段17を通じて放熱される。
従って、LED20の発光に伴う熱を効率よく放熱できる。
【0022】
清掃を行う場合、ユーザーや清掃作業員がアーム21の握持部22を握って、時計回転方向または半時計回転方向に握持部22を回転させる。
このとき、アーム21は、回転自在な回転基台16に取り付けられているために、回転方向に規制がない。
アーム21が1回転されることにより、掻取部材18が器具本体11の天板部13上に付着している塵埃等を拭う。
【0023】
掻取部材18が器具本体11の天板部13上に付着している塵埃等を拭うことにより、天井面を照射する機能を有する場合に、天井面側の照度の低下を防止できる。
このとき、清掃手段17は、アーム21の回転運動を利用しているために、従来のものと比べて、天板部13の全周にわたって払拭を行うことにより、拭き残しを生じない。
【0024】
清掃手段17は、アーム21が回転基台16に着脱自在に取付けられているために、掻取部材18が汚れた際の交換が簡単にできる。
この場合、掻取部材18は、使い捨ての布製素材が好ましい。
清掃手段17は、アーム21が回転基台16に着脱自在に取付けられているために、掻取部材18のみを洗うことができるので、衛生的である。
あるいは、掻取部材18を水等で濡らしてから、天板部13を清掃することにより、より清掃効果を高めることができる。
【0025】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、天板部13の上面に手を回込ませることなく、天板部13の清掃が簡単にできる。
また、照明器具10によれば、清掃手段17を取外自在にすることにより、清掃手段17自身の汚れの清掃をユーザーや清掃作業員が適宜できる。
【0026】
そして、照明器具10によれば、必要に応じて清掃手段17を器具本体11に取付けて天板部13の掃除を行えるために、定常時は、清掃手段17を取り外しておくことにより、外観上の違和感がない。
従って、照明器具10によれば、拭き残しがなく効率よく確実に清掃することにより、常に清浄にできる。
【0027】
また、照明器具10によれば、LED20の発光に伴って生じた熱が、LED基板19に熱的に接続された器具本体11から清掃手段17を通じて放熱される。
従って、照明器具10によれば、LED20の発光に伴う熱を効率よく放熱できる。
【0028】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の各実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0029】
図3に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具30は、清掃手段31が、3個の、掻取部材32を有するアーム33と、掻取部材34を有するアーム35と、掻取部材36を有するアーム37とを備える。
掻取部材33と、掻取部材35と、掻取部材37とは、放射状に配置される。
【0030】
このとき、掻取部材33と、掻取部材35と、掻取部材37との数をN個とした場合、360度/N(回転)だけの回転により、天板部13の全域を清掃できる。
そのため、清掃手段31は、清掃のための回転角度を少なくでき、少ない回転角度で天板部13の全面を清掃できる。
また、掻取部材33と、掻取部材35と、掻取部材37との間に埃やごみが分散されるため、掻取部材33と、掻取部材35と、掻取部材37との劣化が少なくなり、メンテナンスの間隔を長くできる。
【0031】
照明器具30によれば、複数の、掻取部材33と、掻取部材35と、掻取部材37とにより、天板部13上の埃やごみや虫の死骸等を効率良く清掃できる。
そして、照明器具30によれば、複数の、掻取部材33と、掻取部材35と、掻取部材37とを有するために、回転角度を少なくできる。
【0032】
そのため、照明器具30によれば、掻取部材33と、掻取部材35と、掻取部材37との数をN個とした場合、360度/N(回転)だけの回転により、天板部13の全域を清掃できる。
さらに、照明器具30によれば、掻取部材33と、掻取部材35と、掻取部材37とが放射状に配置されるために、複数の位置から清掃手段31を駆動できる。
【0033】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の照明器具について説明する。
図4に示すように、本発明に係る第3実施形態の照明器具40は、清掃手段41が、掻取部材42を有するアーム43と、掻取部材44を有するアーム45と、掻取部材46を有するアーム47とを備える。
清掃手段41は、アーム43の先端部に連結部48を備え、アーム45の先端部に連結部49を備え、アーム47の先端部に連結部50を備える。
【0034】
照明器具40は、器具本体11の下部に回転自在なグローブ51を備える。グローブ51は、器具本体11に対してあらかじめ定められた回転角度で回転されることにより、器具本体11に回し止めにより取り付けられる。
グローブ51は、アーム43の連結部48が嵌入される受部52と、アーム45の連結部49が嵌入される受部53と、アーム47の連結部58が嵌入される受部54とを備える。
【0035】
清掃手段41は、グローブ51の脱着時にグローブ51と一体的に回転することにより、掻取部材42と、掻取部材44と、掻取部材46とにより、器具本体11の天板部13を清掃できる。
そのため、清掃手段41は、ユーザーや作業者が直接駆動させることなく、グローブ51の回転により駆動される。
照明器具40は、LED20の発光に伴って生じた熱が、グローブ51から清掃手段41を通じて放熱される。
従って、LED20の発光に伴う熱を効率よく放熱できる。
【0036】
照明器具40によれば、掻取部材42と、掻取部材44と、掻取部材46とが、グローブ51とともに回転するために、天板部13の清掃を容易にできる。
また、照明器具40によれば、下面のどの位置からでもグローブ51に手が届くために、さらに、清掃を容易にできる。
【0037】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の照明器具について説明する。
図5に示すように、本発明に係る第4実施形態の照明器具60は、四角形の天板部62を有する器具本体61を備える。
照明器具60は、清掃手段63が、掻取部材64を有するアーム65と、掻取部材66を有するアーム67と、掻取部材68を有するアーム69と、掻取部材70を有するアーム71とを放射状に配置する。
図6に示すように、清掃手段63は、一定量回転した際に、器具本体61から飛び出すが、回転運動であるために、従来のもののようなスライド移動と比べて、飛出量が少なくなり、設置スペースに制限を受けない。
【0038】
照明器具60によれば、定常時に下面から見ても、清掃手段63の飛び出しが気にならず、意匠面で良好にできる。
また、照明器具60によれば、清掃手段63の外側部分に天板部62が触れないため、手で直接持っても、埃やゴミに触ることがないために、衛生的である。
【0039】
(第5実施形態)
次に、本発明に係る第5実施形態の照明器具について説明する。
図7に示すように、本発明に係る第5実施形態の照明器具80は、三角形の天板部82を有する器具本体81を備える。
照明器具80は、清掃手段83が、掻取部材84を有するアーム85と、掻取部材86を有するアーム87と、掻取部材88を有するアーム89とを放射状に配置する。
【0040】
(第6実施形態)
次に、本発明に係る第6実施形態の照明器具について説明する。
図8に示すように、本発明に係る第6実施形態の照明器具90は、円形の天板部92を有する器具本体91を備える。
照明器具90は、清掃手段93が、掻取部材94を有するアーム95を備え、回転基板16内にねじりコイルばねである弾性部材96を収容する。
照明器具90は、清掃手段93が、弾性部材96の内周端部97を天板部92に有する内周係止部98に係止させ、弾性部材96の外周端部99を回転基台16に有する外周係止部100に係止させる。
【0041】
清掃手段93は、ユーザーや清掃作業者により、掻取部材94を有するアーム95が、図8中の反時計回転方向に回転されることにより、回転基台16が同方向に回転され、弾性部材96が外径を小さくするように弾性変形されて弾性反発力が蓄積される。
そして、清掃手段93は、アーム95が開放されると、弾性部材96に蓄積されている弾性復元力により、回転基台16および掻取部材94を有するアーム95が、図8中の時計回転方向に回転される。
従って、清掃手段93は、ユーザーや清掃作業者が、アーム95を一方向へ一回だけ押圧回転させるだけで、アーム95を戻し回転方向へ自動的に回転させて清掃できる。
【0042】
なお、図示はしないが、回転基台16が、左右いずれかの順方向の回転のときに、弾性部材96が掛止され、左右いずれかの逆方向の回転のときに、弾性部材96の掛止が外れるラチェット機構を有してもよい。
そうすれば、弾性部材96において弾性反発力の蓄積に要した回転数以上、清掃手段93を回転できる。
従って、清掃手段93は、埃やごみ等を、より確実に除去でき、勢いよく回転部分を回すことができるため、埃やごみ等を天板部92の外方へ押し出すことになって、清掃手段93の汚れを少なくできる。
【0043】
照明器具90によれば、弾性部材96の弾性力を利用して回転基台16を回転させるようにした。
従って、照明器具90によれば、一回の押圧動作により、天板部92を複数回清掃できるために、埃やごみ等を確実に除去できる。
【0044】
なお、本発明の照明器具においてLEDユニット,LED基板,LED,アダプタ,基台カバー等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0045】
10,30,40,60,80,90 照明器具
11,61,81,91 器具本体
13,62,82,92 天板部
14 アダプタ(取付部)
16 回転基台
17,31,41,63,83,93 清掃手段
18,32,34,36,42,44,46,66,68,70,84,86,88,94 掻取部材
20 LED(光源部)
51 グローブ
96 弾性部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井面への取付部と、
前記取付部が中央に配置され、前記天井面との間に隙間を介在させるように位置する天板部を有する器具本体と、
前記器具本体に取り付けられる光源部とを備え、
前記天板部の表面に配設されて、前記取付部を中心として回転自在な清掃手段を設けた照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記清掃手段は、回転基台と、前記回転基台に放射状に設置される複数の掻取部材とを有する照明器具。
【請求項3】
請求項2に記載の照明器具において、
前記器具本体に前記光源部を覆うように回転させて装着されるグローブを設け、
前記掻取部材が、前記グローブの回転に伴って回転する照明器具。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の照明器具において、
前記回転基台が、前記グローブの回転に伴って回転力を蓄積する弾性部材を有し、前記グローブの回転を停めたときに、前記弾性部材に蓄積された回転力が開放されて逆方向に回転する照明器具。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記光源部が、LEDであって、前記LEDで発生した熱を前記天板部まで移動させる照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−4504(P2013−4504A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−138212(P2011−138212)
【出願日】平成23年6月22日(2011.6.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】