説明

照明器具

【課題】光源としてのLEDから発生した熱の放熱効果を確保しつつ、灯室内での水滴の発生や浸入を抑制することができる照明器具及び照明装置を提供する。
【解決手段】本発明は、前面に開口した金属製の外部ケース本体21と、開口を閉成して外部ケース本体21とで灯室22を形成する板状のレンズ23と、外部ケース本体21とレンズ23とで保持した金属製の基板25と、基板25のレンズ23と対向する面に配置した複数の光源としてのLED26と、を備え、外部ケース本体21の灯室22側の内面から基板25側に向けて突出する複数のリブ21aからなるヒートシンク部21bと、LED26の背面とヒートシンク部21bとの間に配置されたペルチェ素子29と、を備え、LED26の点灯に伴う発熱を利用してペルチェ素子29のペルチェ効果によって灯室22の内部温度低下を抑制する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外灯(街路灯・街灯)等の各種照明器具に関し、特に光源に複数のLEDを用いた照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種照明器具の光源の長寿命化や電気代のコスト削減を目的として、光源にLEDを用いた照明器具が開発・販売されつつある。
【0003】
また、光源に複数のLEDを配置した場合、そのLEDの点灯に伴って発生する熱を放熱又は冷却する必要があることから、ファン等の動力を不要とした安価な放熱構成として、ヒートシンクを用いたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−192940号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した照明器具にあっては、LEDの点灯に伴って発生した熱を放熱する機能しか具備していなかった。
【0006】
したがって、このような複数のリブ等からなるヒートシンクを備えた照明器具を屋外設置の外灯(街路灯・街灯)等に適用した場合、特に豪雪地帯等の寒冷地(例えば、1日の平均気温−10℃前後)に設置した場合にあっては、平均気温程度であればLEDそのものの低温側の耐久性も十分に確保されているものの、平均気温を大幅に下回ったりするような場合にあっては(例えば、1902年1月25日の旭川では、−41.0℃)、LEDを基板に固定するための接着剤等の耐久性が追いつかなくなるなどに起因して、LEDの点灯不良、場合によってはLEDが損傷する等の不具合が発生していた。
【0007】
そこで、本発明は、光源としてのLEDを採用した場合であっても、LEDの点灯に伴う発熱に対する放熱又は冷却効果を維持しつつ、特に、零下側の気温に対する耐久性を向上することができる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明の照明器具は、前面に開口した金属製の外部ケース本体と、前記開口を閉成して前記外部ケース本体とで灯室を形成する板状のレンズと、前記外部ケース本体と前記レンズとで保持した金属製の基板と、該基板の前記レンズと対向する面に配置した複数の光源としてのLEDと、を備えた照明器具において、前記外部ケース本体の前記灯室側の内面から前記基板側に向けて突出する複数のリブからなるヒートシンク部と、前記LEDの背面と前記ヒートシンク部との間に配置されたペルチェ素子と、を備え、前記LEDの点灯に伴う発熱を利用して前記ペルチェ素子のペルチェ効果によって前記灯室内の温度低下を抑制するようにしたことを特徴とする。
【0009】
本発明の照明器具によれば、周囲環境温度が極端に低下した場合であっても、LEDの点灯に伴う発熱を利用して問う室内の温度低下を抑制することにより、周辺環境温度低下に伴うLEDの点灯不良や破損を抑制することができる。
【0010】
この際、外壁部の外表面には、水滴等の表面付着を抑制するために、アルマイトコーティング処理、特に、アルミ合金アルマイトコーティング処理を施すのが望ましい。
【0011】
また、本発明の照明器具は、前記ペルチェ素子の前記LED側の面と前記ヒートシンク側の面との間には、前記灯室内を区画する仕切りが設けられていることを特徴とする。
【0012】
このような構成によれば、LEDの点灯に伴って発生した熱をペルチェ素子で有効利用を図ることができる。
【0013】
さらに、本発明の照明器具は、前記外部ケース本体と前記レンズとの間に周壁の一部を構成する枠状の周壁部と、該周壁部から外部に向けて突出する取付フランジと、前記周壁部の内側に一体に設けられて前記基板を支持する支持板と、を備えていることを特徴とする。
【0014】
このような構成によれば、周壁部によって照明器具全体の外観上の肉厚が調整されてデザイン上の汎用性が向上されると共に、取付フランジによって照明装置本体等への取り付けや電源供給(経路の確保)等を行なうことが可能となる。
【0015】
しかも、本発明の照明器具は、前記支持板は前記灯室内を前記外部ケース本体側と前記レンズ側とで区画すると共に前記レンズ側の面で前記基板を支持していることを特徴とする。
【0016】
このような構成によれば、灯室内の支持板と外壁部との間で吸熱・放熱作用を効率良く行なうことができ、灯室のLED側(レンズ側)への水滴の浸入や塵埃等の侵入を抑制することができる。
【0017】
また、本発明の照明装置は、請求項5又は請求項6に記載の照明器具と、前記取付フランジと係合して前記照明器具を保持する灯体保持部材と、該灯体保持部材を支持すると共に前記灯体保持部材から前記基板に電源供給を行なう配電制御盤と、該配電制御盤を支持する支持構造体と、を備えていることを特徴とする。
【0018】
このような照明装置よれば、LEDを光源に用いた街路灯等の屋外に設置される照明装置として、降雨や降雪に伴って外壁部に付着した水滴を効率良く除去することができる。また、灯体保持部材に照明器具とは別のLED以外の電球からなる第2の光源を配置すれば、消費電力や光源の耐久性を高く維持しつつ、意匠性の向上並びに照明光量の確保に貢献することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の照明器具は、光源としてのLEDから発生した熱の放熱効果を確保しつつ、灯室内での水滴の発生や浸入を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る照明器具を搭載した照明装置としての街路灯の上方からの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る照明器具を搭載した照明装置としての街路灯の下方からの斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態の照明器具を示す要部の分解斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態の照明器具の平面図である。
【図5】本発明の一実施形態の照明器具を示し、(A)は照明器具の正面図、(B)は照明器具の側面図である。
【図6】本発明の一実施形態の照明器具の断面図である。
【図7】本発明の一実施形態の照明器具の応用例を示し、(A)はリブを形成した要部の断面図、(B)は溝を形成した要部の断面図である。
【図8】本発明の一実施形態の照明器具におけるスペーサと基板との関係を示す要部の分解斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る照明装置の応用例を示す要部の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明の一実施形態に係る照明器具及び照明装置について、図面を参照して説明する。尚、以下に示す実施例は本発明の照明器具及び照明装置における好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定を付している場合もあるが、本発明の技術範囲は、特に本発明を限定する記載がない限り、これらの態様に限定されるものではない。また、以下に示す実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、かつ、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、以下に示す実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
【0022】
図1は本発明の一実施形態に係る照明器具を搭載した照明装置としての街路灯の上方からの斜視図、図2は本発明の一実施形態に係る照明器具を搭載した照明装置としての街路灯の下方からの斜視図、図3は本発明の一実施形態の照明器具を示す要部の分解斜視図、図4は本発明の一実施形態の照明器具の平面図、図5は本発明の一実施形態の照明器具を示し、図5(A)は照明器具の正面図、図5(B)は照明器具の側面図、図6は本発明の一実施形態の照明器具の断面図、図7は本発明の一実施形態の照明器具の応用例を示し、図7(A)はリブを形成した要部の断面図、図7(B)は溝を形成した要部の断面図、図8は本発明の一実施形態の照明器具におけるスペーサと基板との関係を示す要部の分解斜視図、図9は本発明の一実施形態に係る照明装置の応用例を示す要部の平面図である。
【0023】
(街路灯の全体構成)
図1及び図2において、本発明に係る照明装置としての街路灯10は、道路、歩道、公園、その他の屋外の地中等に下端が埋設された支柱等の支持構造体11と、支持構造体11の上端付近に設けられて屋外電線等から電源供給を受ける配電制御盤12と、配電制御盤12から一端(先端)が略水平方向に突出した状態で他端が固定された灯体保持部材13と、灯体保持部材13に着脱可能に複数保持された照明器具20と、を備えている。
【0024】
(支持構造体11の構成)
支持構造体11は、支柱としての金属製ポール等が用いられているが、設置環境(例えば、豪雪地帯や沿岸部等)に応じて、コンクリート製ポール等を用いることができる。また、ビル等の外壁を支持構造体11とすることも可能である。この際、配電制御盤12をビル等の外壁に直接設置することができる。さらに、公園等の場合には、支柱やビル外壁に変えて既存の施設(例えば、公衆トイレ外壁等)を支持構造体11とすることも可能である。しかも、これらビルや公園既存施設の外壁等を支持構造体11の一部として利用し、照明器具20を所望の場所から照明可能となる位置にまで外壁等から延在して支持構造体12とする等、その形態は設置箇所に応じて適宜である。
【0025】
(配電制御盤12の構成)
配電制御盤12は、図示しない電線から供給された電源を定格(100V)に変換して灯体保持部材13に供給するもので、電源回路や点灯回路等の公知の制御回路が設けられている。また、配電制御盤12は、例えば、その上面や支持構造体11などにソーラセルを配置し、所謂、太陽電池方式を電源供給に採用した場合(併用を含む)、充放電コントローラや蓄電池等が設けられる。
【0026】
(灯体保持部材13の構成)
灯体保持部材13は、本実施の形態では、シャフト状のものが用いられており、その上面側に蒲鉾形状(トンネル形状)を呈する上面カバー14と、上面カバー14の底面側に位置する底面カバー15と、備えている。また、底面カバー15は上面カバー14にボルト等の締結部材を用いて上面カバー14に固定されており、この状態で各照明器具20を個々に着脱可能としている。尚、各照明器具20の保持(取り付け)や電源供給等は後述する。
【0027】
上面カバー14は、耐熱性(雪や直射日光等を含む)及び強度に優れた樹脂材料等から形成されており、配電制御盤12と電気的に接続された電源供給線(例えば、プリント敗戦基板等)を保護している。また、上面カバー14は、その電源供給線の保持と共に底面カバー15を保持するための取付部(図示せず)が配置されている。
【0028】
底面カバー15は、金属(例えば、アルミニウム)等の比較的硬質な材料から形成されている。本実施の形態においては、長手方向(灯体保持部材13から突出する方向)に沿って複数のリブ15aを形成することによって、方持ちの基部側(灯体保持部材13側)から突出端(先端)側に長尺とした場合の突出端側の垂れ(撓み)を抑制している。
【0029】
(照明器具20の構成)
照明器具20は、図3乃至図6に示すように、前面(街路灯10への設置状態で底面)に開口する金属製の外部ケース本体21と、その開口を閉成して外部ケース本体21とで灯室22を形成するレンズ23と、外部ケース本体21の周縁とレンズ23の周縁とで挟持したフレーム部材24と、フレーム部材24に固定した金属製の基板25と、基板25のレンズ23との対向面に配置した複数の光源としてのLED26と、を備えている。
【0030】
(外部ケース本体21の構成)
外部ケース本体21の灯室22側の内面は、基板25側に向けて突出する複数のリブ21aからなるヒートシンク部21bと、外部ケース本体21の中心付近から周縁に向かう程に少なくとも外観上で肉厚が薄肉となる外壁部21cと、を備えている。尚、外壁部21cは、基本的に同一の肉厚から構成されており、その外表面には、アルマイトコーティング処理(例えば、アルミ合金アルマイトコーティング処理)を施しており、後述する外壁部21cの形状と相俟って、雨水や雪(雪解け水)が流れ易くなっている。また、外部ケース本体21は、本実施の形態では、図4に示すように、平面視略正方形を呈しているが、円形や多角形等のデザインを考慮した形状とすることができる。また、外部ケース本体21には、比較的軽量で強度が高く、特に、街路灯10などとして屋外に用いる場合においては耐食性(腐食性)及び熱伝導率が高い金属又は合金をベースとしており、必要に応じて(自然環境、LED26の個数、灯室22内の容積等を勘案)樹脂材料に、電磁波吸収・放熱・絶縁性に優れた金属粒子からなるコーティング処理を施しても良い。本実施の形態では、アルミニウム(又はアルミニウム合金)を基材としてダイカストによりヒートシンク部21bを一体に同時形成すると共に、四辺(周縁)と中心付近とで外観上の肉厚が中心側から周縁に向かう程に薄肉となるように、略ドーム形状(山型形状)に形成している。尚、本実施の形態においては、外部ケース本体21の外壁部21cを対向する二辺と他の二辺とで、曲率を同じとしている。また、対向する二辺と中心付近とで外観上の肉厚が中心側から周縁に向かう程に薄肉となるように、略蒲鉾形状に形成しても良い。さらに、本実施の形態においては、後述する取付フランジ24bから基板25に電源供給用の配線が配策されるため、外壁部21cのうち、取付フランジ24bが突出している辺を除く対向する二辺の曲率を高くして周縁に向かう程に薄肉化を大きくし、取付フランジ24bが突出している辺を含む対向する二辺の曲率を低くして周縁に向かう程に薄肉化を低くし、水滴等が取付フランジ24bに流れ難くなるように構成している。したがって、図7(A),(B)に示すように、この取付フランジ24bが突出している側の辺(周縁)に水滴を薄肉側の二辺に向かって案内するように突出したリブ21d(図7(A))や樋受け状の溝21e(図7(B))を形成しても良い。
【0031】
ヒートシンク部21bは、外部ケース本体21の成形時による一体成形、又は、切削加工によって形成されており、各リブ21aの先端がLED26の背面と対向するように等間隔で形成することにより、その全体でLED26の点灯に伴って発生した熱を効率良く吸熱し、外壁部21cから大気へと放熱される。
【0032】
(レンズ23の構成)
レンズ23は、樹脂又は金属からなる矩形枠状のレンズフレーム27と、レンズフレーム27に保持された樹脂製レンズ本体28と、を備えている。
【0033】
なお、樹脂性レンズ本体28は、基本的には無色透明のものを用いるが、有色透明でも良い。また、樹脂性レンズ本体28には、1枚プレート状のものに、各LED26から出射された照明光束が全体として所定配光となるようにプリズムレンズ(例えば、フレネルレンズ)等が形成されている。この際、例えば、各LED26を単位として複数のレンズプレート(分割レンズ)を組み合わせると共に、各レンズプレートにプリズムレンズを形成しても良い。
【0034】
(フレーム部材24の構成)
フレーム部材24は、外部ケース本体21とレンズ23との間の周壁の一部を構成する枠状の周壁部24aと、周壁部24aから外部に向けて突出する取付フランジ24bと、周壁部24aの内側に一体に設けられて基板25を支持する支持板24cと、を樹脂の一体成形等により一体に備えている。また、支持板24cは、灯室22を外部ケース本体21側とレンズ23側とで区画することでLED26の背面側、即ち、ヒートシンク部21b側に暖かい空気を充満させ、LED26および樹脂製レンズ本体28側の空気が高温化し難いようにしている。さらに、支持板24cには、図8に示すように、その四隅付近から突出する脚部24dにより支持板24cから浮いた状態で基板25を支持している。また、周壁部24aと取付フランジ24bとの中間付近の境界部分には配線用の開口24eが形成されている。
【0035】
取付フランジ24bには、底面カバー15に照明器具20の全体を装着(ネジ固定)するための止め孔24fが形成されている。
【0036】
支持板24cの略中央部には、ペルチェ素子29を貫通状態で保持する取付開口24gが形成されている。
【0037】
ペルチェ素子29は、本実施の形態においては、支持板24cの略中央に配置されている。なお、ペルチェ素子29は、本実施の形態に示すように、1箇所でも良いし、複数個所でも良い。また、ペルチェ素子29は、季節(例えば、夏季と冬季)とで表裏を逆に配置することも可能である。これにより、例えば、冬季においては、LED26の点灯に伴う発熱を利用して、ペルチェ効果により支持板24cよりも上方(支持板24cとヒートシンク部21bとの間の灯室22)と支持板24cよりも下方(支持板24cと樹脂性レンズ本体28との間の灯室22)との温度差を無くし、外気(冷気)による灯室22の内部温度が極端に下がらないようにすることができる。また、夏季においては、LED26の点灯に伴う発熱を放熱するため、ゼーベック効果により支持板24cよりも上方(支持板24cとヒートシンク部21bとの間の灯室22)と支持板24cよりも下方(支持板24cと樹脂性レンズ本体28との間の灯室22)との温度差を無くし、発熱による灯室22の内部温度が極端に上がらないようにすることができる。尚、支持板24cの適宜複数個所等に、支持板24cの上方側と下方側とで対流(循環)作用が働くように、連通孔24hを形成しても良い(図3,図8参照)。
【0038】
(作用)
上記の構成において、例えば、配電制御盤12に配置されたタイマーや明暗センサ(共に図示せず)によって灯体保持部材13及び取付フランジ24b(開口24e)を経由して基板25に電源が供給されると、LED26が点灯し、レンズ23によって所定の配光パターンで周囲が照明される。
【0039】
また、LED26の点灯に伴い、各LED26の背面側から発熱すると、その熱は各リブ21aからヒートシンク部21bに吸熱され、外壁部21cから放熱される。
【0040】
この際、例えば、降雪時においても、外壁部21cの外表面(大気側)には、ヒートシンク構造が採用されていないため、雪の詰まり等を抑制することができ、放熱効果の低下を抑制することができる。
【0041】
また、灯室22の内部温度は、ペルチェ素子29の温度変換効果を利用して、夏季は灯室22の内部温度が上昇し過ぎないように放熱機能を重視し、冬季は灯室22の内部温度が下降し過ぎないように保温機能を重視することができる。このため、特に、冬季等の外気温度が低い場合において、LED26の点灯不良や破損の発生といった不具合を抑制することができる。
【0042】
(応用例)
ところで、上記実施の形態では、光源にLED26を用いたものを開示したが、例えば、図9示すように、中央に白熱灯、メタルハライドランプ、水銀灯といった公知の電球等を第2の光源16として配置し、照明光量の確保等に貢献することができる。また、LEED26の点灯色や第2の光源16の点灯色を異ならせることにより、街路灯10としての装飾性(イルミネーション効果)を向上することができる。
【0043】
(実施例効果)
このように、本発明の照明器具20にあっては、前面に開口した金属製の外部ケース本体21と、開口を閉成して外部ケース本体21とで灯室22を形成する板状のレンズ23と、外部ケース本体21とレンズ23とで保持した金属製の基板25と、基板25のレンズ23と対向する面に配置した複数の光源としてのLED26と、を備え、外部ケース本体21の灯室22側の内面から基板25側に向けて突出する複数のリブ21aからなるヒートシンク部21bと、LED26の背面とヒートシンク部21bとの間に配置されたペルチェ素子29と、を備え、LED26の点灯に伴う発熱を利用してペルチェ素子29のペルチェ効果によって灯室22内の温度低下を抑制することにより、周囲環境温度が極端に低下した場合であっても、LED26の点灯に伴う発熱を利用して灯室22の内部温度低下を抑制することにより、周辺環境温度低下に伴うLED26の点灯不良や破損を抑制することができる。
【0044】
また、本発明の照明器具20は、ペルチェ素子29のLED26側の面とヒートシンク部21b側の面との間には、灯室22を区画する仕切りとしての支持板24cが設けられていることにより、LED26の点灯に伴って発生した熱をペルチェ素子29で有効利用を図ることができる。
【0045】
さらに、本発明の照明器具20は、外部ケース本体21とレンズ23との間に周壁の一部を構成する枠状の周壁部24aと、周壁部24aから外部に向けて突出する取付フランジ24bと、周壁部24aの内側に一体に設けられて基板25を支持する支持板24cと、を備えていることにより、周壁部24aによって照明器具20の全体の外観上の肉厚が調整されると共に、取付フランジ24bによって街路灯10への取り付けや電源供給等を行なうことが可能となる。
【0046】
しかも、本発明の照明器具20は、支持板24cは灯室22内を外部ケース本体21側とレンズ23側とで区画すると共にレンズ23側の面で基板25を支持していることにより、灯室22内の支持板24cと外壁部21cとの間で吸熱・放熱作用を効率良く行なうことができ、灯室22のLED26側(レンズ23側)への水滴の浸入や塵埃等の侵入を抑制することができる。
【0047】
また、本発明の街路灯10は、照明器具20と、取付フランジ24bと係合して照明器具20を保持する灯体保持部材13と、灯体保持部材13を支持すると共に灯体保持部材13から基板25に電源供給を行なう配電制御盤12と、配電制御盤12を支持する支持構造体11と、を備えていることにより、LED26を光源に用いた街路灯10のように屋外に設置される照明装置として、降雨や降雪に伴って外壁部21cに付着した水滴を効率良く除去することができる。また、灯体保持部材13に照明器具20とは別のLED以外の電球からなる第2の光源16を配置すれば、消費電力や光源(LED26)の耐久性を高く維持しつつ、意匠性の向上並びに照明光量の確保に貢献することが可能となる。
【符号の説明】
【0048】
10…街路灯
11…支持構造体
12…配電制御盤
13…灯体保持部材
16…第2の光源
20…照明器具
21…外部ケース本体
21a…リブ
21b…ヒートシンク部
21c…外壁部
22…灯室
23…レンズ
24…フレーム部材
24a…周壁部
24b…取付フランジ
24c…支持板
24g…取付開口
25…基板
26…LED
29…ペルチェ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面に開口した金属製の外部ケース本体と、前記開口を閉成して前記外部ケース本体とで灯室を形成する板状のレンズと、前記外部ケース本体と前記レンズとで保持した金属製の基板と、該基板の前記レンズと対向する面に配置した複数の光源としてのLEDと、を備えた照明器具において、
前記外部ケース本体の前記灯室側の内面から前記基板側に向けて突出する複数のリブからなるヒートシンク部と、前記LEDの背面と前記ヒートシンク部との間に配置されたペルチェ素子と、を備え、前記LEDの点灯に伴う発熱を利用して前記ペルチェ素子のペルチェ効果によって前記灯室内の温度低下を抑制することを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記外壁部の外表面には、アルマイトコーティング処理が施されていることを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
前記アルマイトコーティング処理がアルミ合金アルマイトコーティング処理であることを特徴とする請求項2に記載の照明器具。
【請求項4】
前記ペルチェ素子の前記LED側の面と前記ヒートシンク側の面との間には、前記灯室内を区画する仕切りが設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の照明器具。
【請求項5】
前記外部ケース本体と前記レンズとの間に周壁の一部を構成する枠状の周壁部と、該周壁部から外部に向けて突出する取付フランジと、前記周壁部の内側に一体に設けられて前記基板を支持する支持板と、を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の照明器具。
【請求項6】
前記支持板は前記灯室内を前記外部ケース本体側と前記レンズ側とで区画すると共に前記レンズ側の面で前記基板を支持していることを特徴とする請求項5に記載の照明器具。
【請求項7】
請求項5又は請求項6に記載の照明器具と、前記取付フランジと係合して前記照明器具を保持する灯体保持部材と、該灯体保持部材を支持すると共に前記灯体保持部材から前記基板に電源供給を行なう配電制御盤と、該配電制御盤を支持する支持構造体と、を備えていることを特徴とする照明装置。
【請求項8】
前記灯体保持部材は前記照明器具とは別にLED以外の電球からなる第2の光源を備えていることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−45568(P2013−45568A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−181724(P2011−181724)
【出願日】平成23年8月23日(2011.8.23)
【出願人】(511189528)株式会社ファシオネ (1)
【Fターム(参考)】