説明

照明器具

【課題】光パワーの低下を防止して、天井面等の被取付面を広く均一に照明できる照明器具を提供することを目的とする。
【解決手段】光源22から発せられた光は、光源22の照射方向前方に設けられている一対の反射部24により反射されて配光制御される。このとき、反射部24は、光源22の照射方向前方において互いに対向配置された第1の反射面25と第2の反射面26とを有し、第1の反射面25と第2の反射面26との間隔D1、D2が、照射方向前方に行くにつれて拡がるように配置された。このため、一方の反射面26は光を照射方向近辺に反射し、他方の反射面25は光を照射方向に対して遠い方向へ反射する。反射部24は一対設けられているので、照射方向に対して広い範囲を均一に照明することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井等の被取付面に取り付けて、被取付面を広く、均一に照明できる照明器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、天井等の被取付面に取り付けて、被取付面を照明できる照明器具が知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7に示すように、特許文献1に記載の照明器具100は、被取付面である天井面101に取付けて室内および天井面101等を照明する。照明器具100は、光源である蛍光灯102を収容する蛍光灯収容部103と、蛍光灯収容部103の上側に設けられて点灯装置等の電気器具を収容する器具収容部104とを有し、器具収容部104が天井面101に取付けられる。
【0003】
蛍光灯収容部103は下面が開口した全体矩形箱状を呈しており、蛍光灯102の長手方向に沿ったプリズム構造を有する側壁105を有する。2本の蛍光灯102、102の間には、下に向かって山型をなす一対の反射面106、106を有する反射板107が設けられている。
【0004】
従って、蛍光灯102から下方へ照射された光は、直接下方へ照射される。蛍光灯102から中央側へ照射された光は、反射板107の反射面106に当たって、主に下方へ照射される。蛍光灯102から外側へ照射された光は、側壁105を通って左右両側へ照射される。このとき、光の一部は、側壁105のプリズム作用によって乱反射して、天井面101を照明する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−205422号公報(第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した従来の照明器具のように、プリズムやレンズ等の光を透過させることにより光の向きを変えて天井面等を照明する照明器具では、プリズムやレンズを透過する際に減衰して光パワーが落ちるという問題があった。
【0007】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、光パワーの低下を防止して、天井面等の被取付面を広く均一に照明できる照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の照明器具は、光源と、前記光源の照射を配光制御する一対の反射部と、前記光源および前記反射部を収容する照明ユニットと、を有し、前記反射部は、前記光源の照射方向前方において互いに対向配置された第1の反射面と第2の反射面とを有し、前記第1の反射面と前記第2の反射面との間隔が、照射方向前方に行くにつれて拡がるように配置されたものである。
【0009】
また、本発明の照明器具は、前記一対の反射部の間にスリットが設けられているものである。
【0010】
さらに、本発明の照明器具では、前記光源は、隣接する前記第1の反射面の境界および隣接する前記第2の反射面の境界に対向する位置を外して配置されるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、反射部は、光源の照射方向前方において互いに対向配置された第1の反射面と第2の反射面とを有し、第1の反射面と第2の反射面との間隔が、照射方向前方に行くにつれて拡がるように配置された。このため、一方の反射面は光を照射方向近辺に反射し、他方の反射面は光を照射方向に対して遠い方向へ反射する。反射部は光源を挟んで一対設けられているので、照射方向に対して広い範囲を均一に照明することができるという効果を有する照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る実施形態の照明器具の長手方向に沿って上下に切断した断面図
【図2】(A)は本発明に係る実施形態の照明器具の端面図であり、(B)は図1中II−II位置の断面図
【図3】図1中III−III位置の拡大断面図
【図4】照明ユニットの分解斜視図
【図5】上向きの照明ユニットによる照射光の経路説明図
【図6】図1中VI方向から見た平面図
【図7】(A)は従来の照明器具の側面図であり、(B)は(A)中B方向から見た端面図であり、(C)は(A)中C方向から見た下面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る実施形態の照明器具について、図面を用いて説明する。
図1および図2に示すように、本発明に係る実施形態の照明器具10は、天井11等の被取付面に取り付けて、天井11を照明する。照明器具10は、例えばパイプ12やワイヤ13等の吊下部材により、長手方向に複数個(図1においては、例えば4個)の照明ユニット20を収容した筐体30を天井11から吊下げて使用される。
【0014】
図3に示すように、矩形断面の筐体30は上面および下面に開口(上部開口31、下部開口32)しており、上部開口31および下部開口32に対向して一対の照明ユニット20、20Uが設けられている。
なお、以下においては、主に上向きの照明ユニット20について説明するが、下向きの照明ユニット20Uは、上向きの照明ユニット20と全く同様の構成である。
【0015】
図3および図4に示すように、上向きの照明ユニット20は、下方に開口した断面コ字状のフレーム21の上面に、光源であるLED22を実装したLED基板23が取り付けられている。LED22は、LED基板23の長手方向に沿って複数個(ここでは、例えば3個)設けられており、長手方向両端部のLED22は、LED基板23の端部231から一定距離だけ中央側に配置されている。
【0016】
LED22の照射方向前方(すなわち、上方)には、LED22からの光を配光制御する一対の反射部24を有する。各反射部24は、LED22の照射方向前方において互いに対向配置された第1の反射面25と第2の反射面26とを有し、第1の反射面25および第2の反射面26は両端をエンドプレート241に固定されて、枠状を形成している。第1の反射面25と第2の反射面26との間は、LED22からの光が通過可能な空間27が設けられている。
【0017】
第1の反射面25および第2の反射面26は、互いの間隔D1、D2が照射方向前方に行くにつれて拡がるように配置する。
すなわち、図3に示すように、LED22側端部における第1の反射面25と第2の反射面26との間隔D1と、照射方向前側端部における第1の反射面25と第2の反射面26との間隔D2が、D1<D2の関係となるように設定する。
【0018】
一対の反射部24の間には、スリット28が設けられている。スリット28は、LED22の照射方向前方正面に位置する。
従って、図5に示すように、LED22から照射された光は、LED22の正面に位置するスリット28を通過して真上に照射される(照射光L1)。第1の反射面25で反射した光は、側方に照射される(照射光L2)。また、第2の反射面26で反射した光は、天井11側に照射される(照射光L3)。さらに、第1の反射面25と第2の反射面26との間の空間27を通過した光は、そのまま直進する(照射光L4)。
【0019】
図6に示すように、筐体30の内部には、複数個の照明ユニット20が長手方向に連続して収容されており、隣接する照明ユニット20のエンドプレート241同士が接触している。
前述したように、照明ユニット20の長手方向両端部のLED22は、エンドプレート241から所定距離LED基板23の中央側に配置されている。このため、LED22は、隣接する照明ユニット20の境界に対向する位置(すなわち、エンドプレート241位置)には、配置されない。
【0020】
以上、説明した本発明に係る実施形態の照明器具10によれば、LED22から発せられた光は、LED22の照射方向前方に設けられている一対の反射部24により反射されて配光制御される。このとき、反射部24は、LED22の照射方向前方において互いに対向配置された第1の反射面25と第2の反射面26とを有し、第1の反射面25と第2の反射面26との間隔D1、D2が、照射方向前方に行くにつれて拡がるように配置された。
このため、一方の反射面は光を照射方向近辺に反射し、他方の反射面は光を照射方向に対して遠い方向へ反射する。反射部24は、LED22を挟んで一対設けられているので、照射方向に対して両側に、広い範囲を均一に照明することができる。このとき、レンズ等を用いた場合のように光が減衰しないので、効率よく照明できる。
【0021】
また、一対の反射部24の間にスリット28を設けたので、LED22から発せられた光は、スリット28を通って、直接照射方向に照射される。
【0022】
また、隣接する反射部24の境界となるエンドプレート241に対向する位置を外してLED22を配置したので、エンドプレート241によって遮られることなく光を照射できる。
【0023】
なお、本発明の照明器具は、前述した実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形,改良等が可能である。
例えば、前述した実施形態に示した照明器具10おいては、照明ユニット20、20Uを上下方向に向けて設けた場合を例示したが、上向きの照明ユニット20のみ、あるいは下向きの照明ユニット20Uのみを設けることも可能である。
【符号の説明】
【0024】
10 照明器具
20、20U 照明ユニット
22 LED(光源)
24 反射部
25 第1の反射面
26 第2の反射面
28 スリット
D1、D2 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
前記光源の照射を配光制御する一対の反射部と、
前記光源および前記反射部を収容する照明ユニットと、を有し、
前記反射部は、前記光源の照射方向前方において互いに対向配置された第1の反射面と第2の反射面とを有し、
前記第1の反射面と前記第2の反射面との間隔が、照射方向前方に行くにつれて拡がるように配置された照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記一対の反射部の間にスリットが設けられている照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記光源は、隣接する前記第1の反射面の境界および隣接する前記第2の反射面の境界に対向する位置を外して配置される照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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