説明

照明器具

【課題】輝度むらがなく高品質にできる照明器具を提供する。
【解決手段】照明器具10は、器具本体11と、器具本体11の下面に取り付けられる環状のLED基板14を有し、LED基板14に環状に封止される複数のLED15,17を有するLEDユニット12と、LEDユニット12の前面に取り付けられる透光セード13とを備え、LED15,17から出射される光を下方垂直方向から斜めに反射させるための反射部材24を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDを光源として天井面に取り付けられる照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、天井面に取り付けられる器具本体に、集光・拡散レンズを介してLEDユニットが側方に向けて取り付けられ、LEDユニットの前面に光拡散カバーを取り付けた照明器具が知られている(例えば、非特許文献1、非特許文献2参照)。
非特許文献2は、器具本体の下面に反射板が取り付けられており、この反射板によりLEDユニットから出射した光を拡散して照射する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】シャープ株式会社、“取り付けについて | LEDシーリングライト”、[online]、平成23年月日不明、シャープ株式会社、[平成23年6月7日検索]、インターネット<URL:http://www.sharp.co.jp/led_lighting/ceiling/installation/index.html>
【非特許文献2】シャープ株式会社、“業界初LEDシーリングライト 6機種を発売・詳細|ニュースリリース”、[online]、平成22年8月19日、シャープ株式会社、[平成23年6月7日検索]、インターネット<URL:http://www.sharp.co.jp/corporate/news/100819-a-2.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献2は、集光・拡散レンズを介してLEDユニットから器具本体の側方に向けて出射された光が反射板により拡散されるために、広範囲に照射でき、薄型化できる。
ところで、図8に示すように、非特許文献1と同様に、器具本体101にLEDユニット102が取り付けられ、LEDユニット102の前面にセード103を取り付けた照明器具100が提案されている。
【0005】
このような従来の照明器具100は、器具本体101の中央部に、ブロックカバー104が配置されている。
そして、このような従来の照明器具100は、このブロックカバー104の下面に、LED105が封止されたLED基板106が取り付けられる。ブロックカバー104には、電源ユニット107が収容される。
そして、このような従来の照明器具100は、ブロックカバー104の下面に取り付けられたLED105から出射した光がセード103を介して下面に照射される。
【0006】
しかし、このような従来の照明器具100は、LED105が器具本体101の中央部のブロックカバー104の下面に取り付けられているために、LED105の真下においてセード103までの距離が近くなる。
そのため、このような従来の照明器具100は、セード103におけるLED105の真下部分の輝度が、セード103の他の部分よりも大きくなって、輝度むらを生ずる。
【0007】
本発明は、前述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、輝度むらがなく高品質にできる照明器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る照明器具は、器具本体と、前記器具本体の下面に取り付けられる環状のLED基板を有し、前記LED基板に環状に封止される複数のLEDを有するLEDユニットと、前記LEDユニットの前面に取り付けられる透光セードとを備え、前記LEDから出射される光を下方垂直方向から斜めに反射させるための反射部材を備える。
【0009】
本発明に係る照明器具は、前記反射部材が、前記LEDの少なくとも一部から下方垂直方向に出射される光を遮断する。
【0010】
本発明に係る照明器具は、前記反射部材が、前記LEDから出射される光を前記器具本体の中央に向けて反射させる。
【0011】
本発明に係る照明器具は、前記LED基板を覆うカバーを備える。
【0012】
本発明に係る照明器具は、前記反射部材が、前記カバーの外側に配置される。
【0013】
本発明に係る照明器具は、前記LED基板が、複数の環状に配置される。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る照明器具によれば、輝度むらがなく高品質にできるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る第1実施形態の照明器具の模式的底面図
【図2】本発明に係る第1実施形態の照明器具の模式的垂直断面図
【図3】本発明に係る第1実施形態の照明器具のLEDユニット周りの一部破断垂直断面図
【図4】本発明に係る第1実施形態の照明器具の反射部材の側面図
【図5】本発明に係る第2実施形態の照明器具のLEDユニット周りの一部破断垂直断面図
【図6】本発明に係る第3実施形態の照明器具のLEDユニット周りの一部破断垂直断面図
【図7】本発明に係る第4実施形態の照明器具の模式的底面図
【図8】従来の照明器具の断面図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る複数の実施形態の照明器具について図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1に示すように、本発明に係る第1実施形態の照明器具10は、鋼板製で白色塗装が施された器具本体11と、器具本体11の下面に取り付けられたLEDユニット12と、LEDユニット12の前面に取り付けられる透光セード13とを備える。
LEDユニット12は、円環形状に形成される器具本体11の下面に、ガラスエポキシ樹脂製であって器具本体11の外形に相似する円環形状に形成されたLED基板14を有する。
LEDユニット12は、LED基板14における外環部に複数のLED15が円環形状に配列された第1LEDユニット部16を有し、LED基板14における内環部に複数のLED17が円環形状に配列された第2LEDユニット部18を有する。
【0017】
図2に示すように、器具本体11は、上部に不図示の引掛シーリング等の固定手段を介して天井面1に取り付けられる天板19を有し、天板19の外方に外側板20を有し、天板19の内方に内側板21を有する。
透光セード13は、例えば乳白色のアクリル樹脂製であって透光性を有し、器具本体11の外側板20と内側板21とに当接されて装着される。
【0018】
図3に示すように、照明器具10は、器具本体11の中央部側の下面に鋼板製の箱形状に形成されて白色塗装が施されたブロックカバー22が取り付けられる。
ブロックカバー22には、LED基板14に有する不図示のプリント回路に電気的に接続される電源ユニット23が収容される。
ブロックカバー22は、白色塗装が施されているために、反射機能を有する。
ブロックカバー22には、LEDユニット12が下面に取り付けられる。
【0019】
そして、ブロックカバー22の下面に反射部材24が取り付けられる。
反射部材24は、例えば薄い金属製板部材により湾曲して形成された反射部材本体25を有し、凹側の湾曲部分に凹側反射面26を有し、凸側の湾曲部分に凸側反射面27を有する。
反射部材24は、凹側反射面26が外環部の第1LEDユニット部16の複数のLED15を覆うように取り付けられる。
反射部材24は、凹側反射面26および凸側反射面27が、外環のLED15および内環のLED17の下方垂直方向に対して、0〜90度の範囲を含んで設定される。
【0020】
図4に示すように、反射部材24は、反射板本体25が、複数の等脚台形の反射片28を配列させた形状に形成されており、反射片28の間にスリット29を有する。
なお、反射部材24は、金属製に代えて半透過樹脂製であってもよく、また、波形状に形成されてもよい。
【0021】
次に、照明器具10の光学的特性について説明する。
電源ユニット23に給電されることによりLED基板14のプリント回路から外環の第1LEDユニット部16のLED15および内環の第2LEDユニット部18のLED17に給電され、外環のLED15および内環のLED17が発光される。
外環のLED15からの光は、下方に向けて出射され、反射部材24の凹側反射面26により側方に向けて反射される。
従って、外環のLED15からの光は、LED15の真下方向の透光セード13に向けて出射されないので、透光セード13の他の部分よりも輝度が大きくならずに、輝度むらが生じない。
【0022】
また、内環のLED17からの光は、一部がLED17の下方に向けて出射されるとともに、反射部材24の凸側反射面27により器具本体11の中央部に向けて反射される。
従って、内環のLED17からの光は、器具本体11の中央部へ向けて出射されるとともに、LED17の真下方向の透光セード13に向けて多く出射されないので、透光セード13の他の部分よりも輝度が大きくならずに、輝度むらが生じない。
【0023】
このとき、反射部材24に向けて進行した光のうちのスリット29を透過した一定割合の光は、反射部材24を透過して透光セード13に向けて出射することにより、凹側反射面26および凸側反射面27により反射した光に対して反射光量が調整される。
【0024】
以上、説明した本発明に係る第1実施形態の照明器具10によれば、反射部材24により、外環のLED15および内環のLED17から出射される光が下方垂直方向から傾斜して反射される。
従って、照明器具10によれば、透光セード13において、外環のLED15および内環のLED17の真下部分が他の部分よりも輝度が大きくならないので、輝度むらを防止でき、高品質にできる。
【0025】
また、照明器具10によれば、反射部材24により、外環のLED15および内環のLED17の下方垂直方向に出射される光が遮断される。
従って、照明器具10によれば、透光セード13において、外環のLED15および内環のLED17の真下部分が他の部分よりも輝度が大きくならないので、輝度むらを防止できる。
【0026】
そして、照明器具10によれば、反射部材24により、内環のLED17からの光の一部が器具本体11の中央部に向けて反射される。
従って、照明器具10によれば、器具本体11の中央部を外側と同等に明るくすることにより、光のむらを防止できる。
【0027】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態の照明器具について説明する。
なお、以下の各実施形態において、前述した第1実施形態と重複する構成要素や機能的に同様な構成要素については、図中に同一符号あるいは相当符号を付することによって説明を簡略化あるいは省略する。
【0028】
図5に示すように、本発明に係る第2実施形態の照明器具30は、ブロック形状に形成された反射部材本体32を有し、反射部材本体32の外側であって外環部の第1LEDユニット部16の複数のLED15を覆う凹側反射面33を有する反射部材31を備える。
反射部材31は、反射部材本体32の内側であって内環部の第2LEDユニット部18の複数のLED17に対応した平面反射面34を有する。
【0029】
照明器具30は、外環のLED15からの光が、下方に向けて出射され、反射部材31の凹側反射面33により側方に向けて反射される。
従って、外環のLED15からの光は、LED15の真下方向の透光セード13に向けて出射されないので、透光セード13の他の部分よりも輝度が大きくならずに、輝度むらが生じない。
【0030】
また、内環のLED17からの光は、一部がLED17の下方に向けて出射されるとともに、反射部材31の平面反射面34により器具本体11の中央部に向けて反射される。
従って、内環のLED17からの光は、器具本体11の中央部へ向けて出射されるとともに、LED17の真下方向の透光セード13に向けて多く出射されないので、透光セード13の他の部分よりも輝度が大きくならずに、輝度むらが生じない。
【0031】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態の照明器具について説明する。
図6に示すように、本発明に係る第3実施形態の照明器具40は、LED基板14を覆うカバー41を備え、カバー41の外側であってLED基板14の下方に反射部材42を備える。
【0032】
カバー41は、例えば透明なアクリル樹脂製であって、箱形状に形成されており、外環のLED15と内環のLED17との間に逆V字形状の溝部43が形成される。
反射部材42は、カバー41の溝部43の外側の一方に取り付けられており、外環のLED15の下方に位置する傾斜反射面44を有する。
傾斜反射面44は、例えばアルミニウム材料の蒸着により形成される。
【0033】
照明器具40は、外環のLED15からの光が、下方に向けて出射され、反射部材42の傾斜反射面44により側方に向けて反射される。
従って、外環のLED15からの光は、LED15の真下方向の透光セード13に向けて出射されないので、透光セード13の他の部分よりも輝度が大きくならずに、輝度むらが生じない。
【0034】
第3実施形態の照明器具40によれば、カバー41が、外環のLED15および内環のLED17を覆うために、外環のLED15および内環のLED17に対する塵埃等の付着を防止できる。
【0035】
また、照明器具40によれば、カバー41の外側において、反射部材42がカバー41の溝部43の外側の一方に取り付けられるために、外環のLED15と内環のLED17とLED基板14とからの十分な絶縁距離を確保できる。
【0036】
(第4実施形態)
次に、本発明に係る第4実施形態の照明器具について説明する。
図7に示すように、本発明に係る第4実施形態の照明器具50は、外環部の第1LED基板51と、内環部の第2LED基板52とを備える。
そして、照明器具50は、外環部の第1LED基板51に、複数のLED15が円環形状に配列された第1LEDユニット部16を有し、内環部の第2LED基板52に、複数のLED17が円環形状に配列された第2LEDユニット部18を有する。
【0037】
第4実施形態の照明器具50によれば、外環部の第1LED基板51と、内環部の第2LED基板52とを別体に備える。
従って、照明器具50によれば、外環のLED15と内環のLED17との光色を異なるものとする場合等に、単一のLED基板に異なる種類のLEDを別々に取り付ける場合と比べて、組付けの間違い等を起こすことなく、組付作業を簡単にできる。
【0038】
なお、本発明の照明器具において器具本体,透光セード,LED,電源ユニット等は、前述した各実施形態に限定されるものでなく、適宜な変形や改良等が可能である。
【符号の説明】
【0039】
10,30,40,50 照明器具
11 器具本体
13 透光セード
14 LED基板
15,17 LED
16 第1LEDユニット(LEDユニット)
18 第2LEDユニット(LEDユニット)
24,31,42 反射部材
41 カバー
51 第1LED基板(LED基板)
52 第2LED基板(LED基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具本体と、
前記器具本体の下面に取り付けられる環状のLED基板を有し、前記LED基板に環状に封止される複数のLEDを有するLEDユニットと、
前記LEDユニットの前面に取り付けられる透光セードとを備え、
前記LEDから出射される光を下方垂直方向から斜めに反射させるための反射部材を備える照明器具。
【請求項2】
請求項1に記載の照明器具において、
前記反射部材が、前記LEDの少なくとも一部から下方垂直方向に出射される光を遮断する照明器具。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の照明器具において、
前記反射部材が、前記LEDから出射される光を前記器具本体の中央に向けて反射させる照明器具。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記LED基板を覆うカバーを備える照明器具。
【請求項5】
請求項4に記載の照明器具において、
前記反射部材が、前記カバーの外側に配置される照明器具。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1項に記載の照明器具において、
前記LED基板が、複数の環状に配置される照明器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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