照明灯
【課題】 照明部に対してソーラーパネルの位置を任意の方角で固定できる照明灯を提供する。
【解決手段】支柱2に取付られた照明部1と、ソーラーパネル3とを備えた照明灯Pにおいて、前記ソーラーパネル3の円筒状の支持柱4を、該照明部1上の円筒状の受け柱5に回動可能に嵌合し、かつ前記支持柱4の内部に、隙間41を残して径方向に延びる上板42を設け、前記受け柱5に隙間51を残して径方向に延びる下板52を設けると共に、前記上板42と下板52とを、上下に間隔をおいて配置し、接続ボルト7を介して互いに締結するように構成する。
【解決手段】支柱2に取付られた照明部1と、ソーラーパネル3とを備えた照明灯Pにおいて、前記ソーラーパネル3の円筒状の支持柱4を、該照明部1上の円筒状の受け柱5に回動可能に嵌合し、かつ前記支持柱4の内部に、隙間41を残して径方向に延びる上板42を設け、前記受け柱5に隙間51を残して径方向に延びる下板52を設けると共に、前記上板42と下板52とを、上下に間隔をおいて配置し、接続ボルト7を介して互いに締結するように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池により起電された電力を用いて照明を行う照明灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽電池を利用して発電した電力を利用して照明を行う照明灯としては、様々なものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、光源の光を外部に出射させる本体と、ソーラーパネルを有し前記本体の上部に取付けられる頭部とを備え、前記頭部の前記本体に対する垂直軸回りの向きをN個の向きのうちの任意に選択した向きとなるよう変更して前記頭部を前記本体に対して取付けることができる足下灯が提案されている。
【0004】
また、本出願人においても、三体以上の立設された支柱と、自然エネルギーを利用した風力、太陽光等の自然エネルギー発電手段と、該自然エネルギー発電手段により生起された電力を用いて照明を行う照明手段とを備え、前記三体以上の支柱に囲まれた空間内に、前記自然エネルギー発電手段及び前記照明手段とが支柱に取付けられて設けられた自然エネルギー利用照明灯を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−14907号公報
【特許文献2】特開2006−73378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記の足元灯には次のような問題点があった。すなわち、垂直軸回りの向きを多く選択可能するにはN数を増やせばよいが、任意の角度で調整可能にすることは困難であった。また、N数を増やせば、それに応じて頭部と本体とを接続するための接続具の数量も増えるので、取付作業や取外作業が煩雑になるものであった。
【0007】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、照明部に対してソーラーパネルの位置を任意の方角で固定できる照明灯を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
【0009】
すなわちこの発明に係る照明灯は、立設された支柱に取付られた照明部と、前記照明部に電力を供給するためのソーラーパネルとを備えた照明灯であって、前記ソーラーパネルに設けられた円筒状の支持柱が、該照明部上に設けられた円筒状の受け柱に回動可能に嵌合され、かつ前記支持柱の内部には、隙間を残して径方向に延びる上板が設けられ、前記受け柱には隙間を残して径方向に延びる下板が設けられると共に、前記上板と下板とは、上下に間隔をおいて配置され、前記上板と下板とを上下に貫通する接続ボルトを介して互いに締結されていることを特徴とするものである。
【0010】
又本発明に係る照明灯において、前記上板及び下板のいずれか一方に、前記接続ボルトの螺子部が挿通可能な孔部を形成し、他方には、前記螺子部が螺合する雌螺子部を形成すると共に、前記孔部と螺子部とを嵌合された支持柱及び受け柱の中心軸に沿って配置された構成としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前記ソーラーパネルに設けられた円筒状の支持柱が、該照明部上に設けられた円筒状の受け柱に回動可能に嵌合されているので、受け柱に対して支持柱を任意の角度に設定してソーラーパネルの受光面の位置を調整することが可能であり、加えて、前記支持柱の内部には、隙間を残して径方向に延びる上板が設けられ、前記受け柱には隙間を残して径方向に延びる下板が設けられると共に、前記上板と下板とは、上下に間隔をおいて配置されているので、前記隙間どうしの位置関係によらずソーラーパネルと照明部との結線が容易であり、更に前記上板と下板とは、接続ボルトを介して締結されているので、外から接続ボルトを容易には外すことができない。
【0012】
前記上板及び下板のいずれか一方に、前記接続ボルトの螺子部が挿通可能な孔部を形し、他方に前記螺子部が螺合する雌螺子部を形成すると共に、前記孔部と螺子部とを嵌合された支持柱及び受け柱の中心軸に沿って配置した構成とすれば、ソーラーパネルの受光面と照明部の照明方向を調整した後でも、接続ボルトの締結作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る照明灯において実施の一形態を示す正面図である。
【図2】本発明に係る照明灯において実施の一形態を示す側面図である。
【図3】照明部の説明図である。
【図4】照明部の主要部の部分分解説明図である。
【図5】照明部の他の主要部の部分分解説明図である。
【図6】照明部の他の主要部の部分分解説明図である。
【図7】図6の部分分解図である。
【図8】照明部の他の主要部の部分分解説明図である。
【図9】図1のA−A断面の拡大図である。
【図10】図9の説明図である。
【図11】図9の部分分解説明図である。
【図12】本発明に係る照明灯において実施の他の形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
【0015】
すなわち、図1〜2は本発明に係る照明灯Pの実施の一形態を示すものであり、図1はその正面図、図2は側面図である。1は周囲を照らすための照明部、2は設置面に立設されて照明部1を支持する支柱、3は照明部に電力を供給するソーラーパネル、4はソーラーパネル3を支持する円筒状の支持柱、5は照明部1の上端に設けられて支持柱4に外嵌される円筒状の受け柱であり、照明灯Pは、照明部1、支柱2、ソーラーパネル3、支持柱4及び受け柱5から主に構成されており、ソーラーパネル3で発電した電力を利用して照明部1によって設置面の周囲を照らすものである。
【0016】
支柱2は、設置面に立設されると共に、照明部1を適宜高さに取付けられる形態であれば特に限定されるものではなく、本実施形態では、アンカーボルト(図示せず)等によって設置面上に固定される平板状のベース部21と、該ベース部21から間隔をおいて立ち上がる2個の脚部22とを備えている。そして、この2個の脚部22の間に照明部1が取付けられている。なお、24は、2個の脚部22を連結する連結具である。
【0017】
ベース部21及び脚部22は、一般には強度的に安定しておりコストの安い鋼板を適宜加工したものを溶接手段等により接合したものが好適に用いられるが、ステンレス合金、アルミニウム合金などの他の金属からなる板材を用いてもよい。またベース部21及び脚部22の耐食性や耐候性を高めるために金属めっきや塗装を施してもよい。
【0018】
支柱2は、本実施形態に限られるものではなく、例えば、図12は他の実施形態を示す(a)正面図、(b)側面図であり、支柱2の脚部22を角柱状とし、該脚部22の上端に照明部1を取付けた形態でもよい。
【0019】
図3−8は照明部1の説明図である。照明部1は、ソーラーパネル3で発電した電力を蓄電する蓄電池11と、蓄電池11の蓄放電を調整して灯部12に電力を供給する制御部13と、これら蓄電池11、灯部12及び制御部13とを収納する筐体14とからなり、前記蓄電池11、灯部12及び制御部13は、リード線6によって結線されている。そして前記灯部12を正面にして、筐体14が支柱2の脚部22の間に配置されている。
【0020】
筐体14は、図3に示すように、該筐体14の内部に蓄電池11、灯部12、制御部13を収納する収納空間14aを有し、該収納空間14a内に前記蓄電池11等を固定できるものであればよい。該筐体14には、収納空間14a内に前記蓄電池11等を出し入れするための開口部14bが背面側に形成され、前記開口部14bは固定ビスB1、ワッシャW1及び開口部14bの外縁部に沿って配置されるパッキンPを介して開閉蓋15により開閉される。
【0021】
蓄電池11は、灯部12が必要時間点灯するための電力を蓄電できるものであればよい。本実施形態では、図4に示すように、蓄電池11の後部に弾性材16が配置され、そして前記開口部14bに開閉蓋15が取付けられると、開閉蓋15によって前記弾性材16が前方に押圧され、該蓄電池11の前面が筐体14の前面側内壁に取付けられた当たり金具14cに当接され、該蓄電池11が筐体14内で固定される。
【0022】
灯部12の形態は、通行人の足元を照射できる位置に固定されるものであればよい。本実施形態では、図5に示すように、灯部12からレンズ部12aを通って照射された光が、筐体14に形成された開口窓14dから外部に向けて照射するものである。そして固定ビスB2、ワッシャW2によって前記灯部12が開口窓14dの縁部に固定され、該開口窓14dを内側から塞いでいる。開口窓14dは、斜め下向きに開口しているので、通行人の足元を効果的に照射し、また開口窓14dから筐体14内に雨水等が浸入しにくくなっている。
【0023】
制御部13は、本実施形態では、図6−7に示すように、該制御部13の下部に設けられた基板13aの両側端部が、筐体14内の左右の内壁面に相対向して取付けられた取付部材17に設けられた断面コ字状の取付溝17aにそれぞれ差し込まれて、筐体14内に取付けられている。また開閉蓋15を筐体14に取付けたときに、開閉蓋15aの前面に設けられた庇部15aは、制御部13の上方に配置されるため、筐体14の上方から雨水等の水分が落ちてきても、制御部13には直接滴下しにくい。
【0024】
筐体14は、本実施形態では、図8に示すように、2個の脚部22の間に架設された倒コ字状の載置台23上に載置されている。更に具体的には、筐体14の底部14eが二重底であり、底部14e内の2個の底板間にナットN3が配置されている。そして、載置台23に設けられた孔からナットN3に向けて固定ボルトB3が螺合され、筐体14が載置台23上に固定される。これにより、外部から固定ボルトB3が目立ちにくく、また、収納空間14a内に蓄電池11等を固定する時に、ナットN3と干渉しない。
【0025】
図9は、図1のA−A断面の拡大図である。ソーラーパネル3は、一般には太陽電池セル31と、受光面側に配置される透明な合成樹脂層32と、その反対側に配置される金属板33とからなる薄板状のモジュール34と、該モジュール34の受光面を斜め上方に向けて支持する架台35とを備えている。本実施形態では、ガラス製の透明板36が、前記合成樹脂層32に対して間隔をあけて取付けられており、合成樹脂層32に傷や埃が付着しにくく、また透明板36に付着した埃等は容易に除去できるので、受光効率が高く、その状態を長期間保持することができる。
【0026】
図9―11は、照明部1とソーラーパネル3との接続構造を示す説明図である。架台35の背面からは円筒状の支持柱4が下方に垂下されている。一方照明部1の上端からは上方に向けて円筒状の受け柱5が立設されている。そして前記支持柱4が該受け柱5に回動可能に外嵌されている。これにより、照明部1の灯部12の照射方向を任意に設定し、かつソーラーパネル3の受光面の方角を任意に設定することができる。
【0027】
ソーラーパネル3で発電した電力は、モジュール34の裏面から架台35、支持柱4及び受け柱5の中を通って、筐体14の収納空間14a内の制御部13にリード線6を介して結線されており、前記電力は制御部13を経由して蓄電池11に蓄電することができる。
【0028】
支持柱4及び受け柱5は、一般には強度的に安定しておりコストの安い鋼管を適宜加工したものが好適に用いられるが、ステンレス合金、アルミニウム合金などの他の金属からなる板材を用いてもよい。また耐食性や耐候性を高めるために金属めっきや塗装を施してもよい。
【0029】
図10は、図9の説明図であり、(a)はB−B断面、(b)はC−C断面の拡大断面図である。上記支柱柱4の内部には、受け柱5の上端より上方にリード線6を上下方向に通すための隙間41を残して径方向に延びる上板42が溶接手段等により接合されている。また前記受け柱5の下端部にも、前記上板42と上下方向に間隔をあけた位置に、リード線6を上下方向に通すための隙間51を残して径方向に延びる下板52が溶接手段等により接合されている。
【0030】
これにより、受け柱5に対して支持柱4が任意の方向に回して、隙間41と隙間51との上下位置が平面視重なっていなくても、上板42及び下板52の間に空間が形成されているので、ソーラーパネル3と照明部1の制御部22とを結線するリード線6を支柱柱4及び受け柱5内を上下方向に通すことができる。
【0031】
前記支持柱4の上板42と前記受け柱5の下板52とが上下に貫通する接続ボルト7を介して接続されている。これにより、接続ボルト7は外部からは操作できないので、ソーラーパネル3は受け柱5からは容易には外されない。
【0032】
図11は、図9の主要部の部分分解図である。支持柱4の上板42は、該支持柱4の上下方向の中心軸上に螺子部43が設けられ、受け柱5の下板52には、支持柱4の上下方向の中心軸上に接続ボルト7の螺子部71より大径の貫通孔53が設けられている。これにより、ソーラーパネル3の受光面の方角によらず、筐体14の収納空間14aに接続ボルト7を入れ、該接続ボルト7の螺子部71を下板52の下方からワッシャW4を介して貫通孔53に通して螺子部43に螺着させることができる。
【0033】
上板42の螺子部43の形態は、本実施形態のように、上板42に孔を設けてその孔の上方又は下方にナット44を取付けた形態でもよく、またバーリング加工等によって上板42に雌螺子部(図示せず)を形成した形態でもよい。
【0034】
受け柱5の下部は、照明部1の筐体14の上面を貫通して収納空間14a内に達しており、更に、該下板52は、筐体14の開口部14bから視認可能な受け柱5の下端部に設けられているので、接続ボルト7の取付作業が容易となる。
【0035】
受け柱5の外周部には、支持柱4を受け柱5に外嵌した時に、支持柱4の下端が載置される外受け柱54が設けられている。これにより、支持柱4を受け柱5に外嵌させた時に、支持柱4の下端が照明部1の上端面に直接接触しないので、受け柱5と照明部1の上端面とを接合した溶接部等に接触して、接触箇所に傷が発生したり、支持柱4が傾いたりする不具合を抑えることができる。
【0036】
外受け柱54は、受け柱5と同様に、一般には強度的に安定しておりコストの安い鋼管を適宜加工したものが好適に用いられるが、ステンレス合金、アルミニウム合金などの他の金属からなる板材を用いてもよい。また耐食性や耐候性を高めるために金属めっきや塗装を施してもよい。
【0037】
また本実施形態では、支持柱4と外受け柱54との外径は同程度であり、受け柱5の外径は、支柱柱4の内径よりやや小さいので、支持柱4に螺子孔45を設け、外側から受け柱5に向けて固定ビスB5を螺着させて、該固定ビスB5の先端を受け柱5に突き当てることにより、設置後における受け柱5に対する支持柱4の不必要な回動を防止している。
【符号の説明】
【0038】
1 照明部
2 支柱
3 ソーラーパネル
4 支持柱
41 隙間
42 上板
43 螺子部
5 受け柱
51 隙間
52 下板
53 貫通孔
6 リード線
7 接続ボルト
P 照明灯
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池により起電された電力を用いて照明を行う照明灯に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽電池を利用して発電した電力を利用して照明を行う照明灯としては、様々なものが提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、光源の光を外部に出射させる本体と、ソーラーパネルを有し前記本体の上部に取付けられる頭部とを備え、前記頭部の前記本体に対する垂直軸回りの向きをN個の向きのうちの任意に選択した向きとなるよう変更して前記頭部を前記本体に対して取付けることができる足下灯が提案されている。
【0004】
また、本出願人においても、三体以上の立設された支柱と、自然エネルギーを利用した風力、太陽光等の自然エネルギー発電手段と、該自然エネルギー発電手段により生起された電力を用いて照明を行う照明手段とを備え、前記三体以上の支柱に囲まれた空間内に、前記自然エネルギー発電手段及び前記照明手段とが支柱に取付けられて設けられた自然エネルギー利用照明灯を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−14907号公報
【特許文献2】特開2006−73378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記の足元灯には次のような問題点があった。すなわち、垂直軸回りの向きを多く選択可能するにはN数を増やせばよいが、任意の角度で調整可能にすることは困難であった。また、N数を増やせば、それに応じて頭部と本体とを接続するための接続具の数量も増えるので、取付作業や取外作業が煩雑になるものであった。
【0007】
本発明は、前記の如き問題点を解消し、照明部に対してソーラーパネルの位置を任意の方角で固定できる照明灯を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は次のような構成としている。
【0009】
すなわちこの発明に係る照明灯は、立設された支柱に取付られた照明部と、前記照明部に電力を供給するためのソーラーパネルとを備えた照明灯であって、前記ソーラーパネルに設けられた円筒状の支持柱が、該照明部上に設けられた円筒状の受け柱に回動可能に嵌合され、かつ前記支持柱の内部には、隙間を残して径方向に延びる上板が設けられ、前記受け柱には隙間を残して径方向に延びる下板が設けられると共に、前記上板と下板とは、上下に間隔をおいて配置され、前記上板と下板とを上下に貫通する接続ボルトを介して互いに締結されていることを特徴とするものである。
【0010】
又本発明に係る照明灯において、前記上板及び下板のいずれか一方に、前記接続ボルトの螺子部が挿通可能な孔部を形成し、他方には、前記螺子部が螺合する雌螺子部を形成すると共に、前記孔部と螺子部とを嵌合された支持柱及び受け柱の中心軸に沿って配置された構成としてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、前記ソーラーパネルに設けられた円筒状の支持柱が、該照明部上に設けられた円筒状の受け柱に回動可能に嵌合されているので、受け柱に対して支持柱を任意の角度に設定してソーラーパネルの受光面の位置を調整することが可能であり、加えて、前記支持柱の内部には、隙間を残して径方向に延びる上板が設けられ、前記受け柱には隙間を残して径方向に延びる下板が設けられると共に、前記上板と下板とは、上下に間隔をおいて配置されているので、前記隙間どうしの位置関係によらずソーラーパネルと照明部との結線が容易であり、更に前記上板と下板とは、接続ボルトを介して締結されているので、外から接続ボルトを容易には外すことができない。
【0012】
前記上板及び下板のいずれか一方に、前記接続ボルトの螺子部が挿通可能な孔部を形し、他方に前記螺子部が螺合する雌螺子部を形成すると共に、前記孔部と螺子部とを嵌合された支持柱及び受け柱の中心軸に沿って配置した構成とすれば、ソーラーパネルの受光面と照明部の照明方向を調整した後でも、接続ボルトの締結作業が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る照明灯において実施の一形態を示す正面図である。
【図2】本発明に係る照明灯において実施の一形態を示す側面図である。
【図3】照明部の説明図である。
【図4】照明部の主要部の部分分解説明図である。
【図5】照明部の他の主要部の部分分解説明図である。
【図6】照明部の他の主要部の部分分解説明図である。
【図7】図6の部分分解図である。
【図8】照明部の他の主要部の部分分解説明図である。
【図9】図1のA−A断面の拡大図である。
【図10】図9の説明図である。
【図11】図9の部分分解説明図である。
【図12】本発明に係る照明灯において実施の他の形態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照し、具体的に説明する。
【0015】
すなわち、図1〜2は本発明に係る照明灯Pの実施の一形態を示すものであり、図1はその正面図、図2は側面図である。1は周囲を照らすための照明部、2は設置面に立設されて照明部1を支持する支柱、3は照明部に電力を供給するソーラーパネル、4はソーラーパネル3を支持する円筒状の支持柱、5は照明部1の上端に設けられて支持柱4に外嵌される円筒状の受け柱であり、照明灯Pは、照明部1、支柱2、ソーラーパネル3、支持柱4及び受け柱5から主に構成されており、ソーラーパネル3で発電した電力を利用して照明部1によって設置面の周囲を照らすものである。
【0016】
支柱2は、設置面に立設されると共に、照明部1を適宜高さに取付けられる形態であれば特に限定されるものではなく、本実施形態では、アンカーボルト(図示せず)等によって設置面上に固定される平板状のベース部21と、該ベース部21から間隔をおいて立ち上がる2個の脚部22とを備えている。そして、この2個の脚部22の間に照明部1が取付けられている。なお、24は、2個の脚部22を連結する連結具である。
【0017】
ベース部21及び脚部22は、一般には強度的に安定しておりコストの安い鋼板を適宜加工したものを溶接手段等により接合したものが好適に用いられるが、ステンレス合金、アルミニウム合金などの他の金属からなる板材を用いてもよい。またベース部21及び脚部22の耐食性や耐候性を高めるために金属めっきや塗装を施してもよい。
【0018】
支柱2は、本実施形態に限られるものではなく、例えば、図12は他の実施形態を示す(a)正面図、(b)側面図であり、支柱2の脚部22を角柱状とし、該脚部22の上端に照明部1を取付けた形態でもよい。
【0019】
図3−8は照明部1の説明図である。照明部1は、ソーラーパネル3で発電した電力を蓄電する蓄電池11と、蓄電池11の蓄放電を調整して灯部12に電力を供給する制御部13と、これら蓄電池11、灯部12及び制御部13とを収納する筐体14とからなり、前記蓄電池11、灯部12及び制御部13は、リード線6によって結線されている。そして前記灯部12を正面にして、筐体14が支柱2の脚部22の間に配置されている。
【0020】
筐体14は、図3に示すように、該筐体14の内部に蓄電池11、灯部12、制御部13を収納する収納空間14aを有し、該収納空間14a内に前記蓄電池11等を固定できるものであればよい。該筐体14には、収納空間14a内に前記蓄電池11等を出し入れするための開口部14bが背面側に形成され、前記開口部14bは固定ビスB1、ワッシャW1及び開口部14bの外縁部に沿って配置されるパッキンPを介して開閉蓋15により開閉される。
【0021】
蓄電池11は、灯部12が必要時間点灯するための電力を蓄電できるものであればよい。本実施形態では、図4に示すように、蓄電池11の後部に弾性材16が配置され、そして前記開口部14bに開閉蓋15が取付けられると、開閉蓋15によって前記弾性材16が前方に押圧され、該蓄電池11の前面が筐体14の前面側内壁に取付けられた当たり金具14cに当接され、該蓄電池11が筐体14内で固定される。
【0022】
灯部12の形態は、通行人の足元を照射できる位置に固定されるものであればよい。本実施形態では、図5に示すように、灯部12からレンズ部12aを通って照射された光が、筐体14に形成された開口窓14dから外部に向けて照射するものである。そして固定ビスB2、ワッシャW2によって前記灯部12が開口窓14dの縁部に固定され、該開口窓14dを内側から塞いでいる。開口窓14dは、斜め下向きに開口しているので、通行人の足元を効果的に照射し、また開口窓14dから筐体14内に雨水等が浸入しにくくなっている。
【0023】
制御部13は、本実施形態では、図6−7に示すように、該制御部13の下部に設けられた基板13aの両側端部が、筐体14内の左右の内壁面に相対向して取付けられた取付部材17に設けられた断面コ字状の取付溝17aにそれぞれ差し込まれて、筐体14内に取付けられている。また開閉蓋15を筐体14に取付けたときに、開閉蓋15aの前面に設けられた庇部15aは、制御部13の上方に配置されるため、筐体14の上方から雨水等の水分が落ちてきても、制御部13には直接滴下しにくい。
【0024】
筐体14は、本実施形態では、図8に示すように、2個の脚部22の間に架設された倒コ字状の載置台23上に載置されている。更に具体的には、筐体14の底部14eが二重底であり、底部14e内の2個の底板間にナットN3が配置されている。そして、載置台23に設けられた孔からナットN3に向けて固定ボルトB3が螺合され、筐体14が載置台23上に固定される。これにより、外部から固定ボルトB3が目立ちにくく、また、収納空間14a内に蓄電池11等を固定する時に、ナットN3と干渉しない。
【0025】
図9は、図1のA−A断面の拡大図である。ソーラーパネル3は、一般には太陽電池セル31と、受光面側に配置される透明な合成樹脂層32と、その反対側に配置される金属板33とからなる薄板状のモジュール34と、該モジュール34の受光面を斜め上方に向けて支持する架台35とを備えている。本実施形態では、ガラス製の透明板36が、前記合成樹脂層32に対して間隔をあけて取付けられており、合成樹脂層32に傷や埃が付着しにくく、また透明板36に付着した埃等は容易に除去できるので、受光効率が高く、その状態を長期間保持することができる。
【0026】
図9―11は、照明部1とソーラーパネル3との接続構造を示す説明図である。架台35の背面からは円筒状の支持柱4が下方に垂下されている。一方照明部1の上端からは上方に向けて円筒状の受け柱5が立設されている。そして前記支持柱4が該受け柱5に回動可能に外嵌されている。これにより、照明部1の灯部12の照射方向を任意に設定し、かつソーラーパネル3の受光面の方角を任意に設定することができる。
【0027】
ソーラーパネル3で発電した電力は、モジュール34の裏面から架台35、支持柱4及び受け柱5の中を通って、筐体14の収納空間14a内の制御部13にリード線6を介して結線されており、前記電力は制御部13を経由して蓄電池11に蓄電することができる。
【0028】
支持柱4及び受け柱5は、一般には強度的に安定しておりコストの安い鋼管を適宜加工したものが好適に用いられるが、ステンレス合金、アルミニウム合金などの他の金属からなる板材を用いてもよい。また耐食性や耐候性を高めるために金属めっきや塗装を施してもよい。
【0029】
図10は、図9の説明図であり、(a)はB−B断面、(b)はC−C断面の拡大断面図である。上記支柱柱4の内部には、受け柱5の上端より上方にリード線6を上下方向に通すための隙間41を残して径方向に延びる上板42が溶接手段等により接合されている。また前記受け柱5の下端部にも、前記上板42と上下方向に間隔をあけた位置に、リード線6を上下方向に通すための隙間51を残して径方向に延びる下板52が溶接手段等により接合されている。
【0030】
これにより、受け柱5に対して支持柱4が任意の方向に回して、隙間41と隙間51との上下位置が平面視重なっていなくても、上板42及び下板52の間に空間が形成されているので、ソーラーパネル3と照明部1の制御部22とを結線するリード線6を支柱柱4及び受け柱5内を上下方向に通すことができる。
【0031】
前記支持柱4の上板42と前記受け柱5の下板52とが上下に貫通する接続ボルト7を介して接続されている。これにより、接続ボルト7は外部からは操作できないので、ソーラーパネル3は受け柱5からは容易には外されない。
【0032】
図11は、図9の主要部の部分分解図である。支持柱4の上板42は、該支持柱4の上下方向の中心軸上に螺子部43が設けられ、受け柱5の下板52には、支持柱4の上下方向の中心軸上に接続ボルト7の螺子部71より大径の貫通孔53が設けられている。これにより、ソーラーパネル3の受光面の方角によらず、筐体14の収納空間14aに接続ボルト7を入れ、該接続ボルト7の螺子部71を下板52の下方からワッシャW4を介して貫通孔53に通して螺子部43に螺着させることができる。
【0033】
上板42の螺子部43の形態は、本実施形態のように、上板42に孔を設けてその孔の上方又は下方にナット44を取付けた形態でもよく、またバーリング加工等によって上板42に雌螺子部(図示せず)を形成した形態でもよい。
【0034】
受け柱5の下部は、照明部1の筐体14の上面を貫通して収納空間14a内に達しており、更に、該下板52は、筐体14の開口部14bから視認可能な受け柱5の下端部に設けられているので、接続ボルト7の取付作業が容易となる。
【0035】
受け柱5の外周部には、支持柱4を受け柱5に外嵌した時に、支持柱4の下端が載置される外受け柱54が設けられている。これにより、支持柱4を受け柱5に外嵌させた時に、支持柱4の下端が照明部1の上端面に直接接触しないので、受け柱5と照明部1の上端面とを接合した溶接部等に接触して、接触箇所に傷が発生したり、支持柱4が傾いたりする不具合を抑えることができる。
【0036】
外受け柱54は、受け柱5と同様に、一般には強度的に安定しておりコストの安い鋼管を適宜加工したものが好適に用いられるが、ステンレス合金、アルミニウム合金などの他の金属からなる板材を用いてもよい。また耐食性や耐候性を高めるために金属めっきや塗装を施してもよい。
【0037】
また本実施形態では、支持柱4と外受け柱54との外径は同程度であり、受け柱5の外径は、支柱柱4の内径よりやや小さいので、支持柱4に螺子孔45を設け、外側から受け柱5に向けて固定ビスB5を螺着させて、該固定ビスB5の先端を受け柱5に突き当てることにより、設置後における受け柱5に対する支持柱4の不必要な回動を防止している。
【符号の説明】
【0038】
1 照明部
2 支柱
3 ソーラーパネル
4 支持柱
41 隙間
42 上板
43 螺子部
5 受け柱
51 隙間
52 下板
53 貫通孔
6 リード線
7 接続ボルト
P 照明灯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立設された支柱に取付られた照明部と、前記照明部に電力を供給するためのソーラーパネルとを備えた照明灯であって、前記ソーラーパネルに設けられた円筒状の支持柱が、該照明部上に設けられた円筒状の受け柱に回動可能に嵌合され、かつ前記支持柱の内部には、隙間を残して径方向に延びる上板が設けられ、前記受け柱には隙間を残して径方向に延びる下板が設けられると共に、前記上板と下板とは、上下に間隔をおいて配置され、前記上板と下板とを上下に貫通する接続ボルトを介して互いに締結されていることを特徴とする照明灯。
【請求項2】
前記上板及び下板のいずれか一方には、前記接続ボルトの螺子部が挿通可能な孔部が形成され、他方には、前記螺子部が螺合する雌螺子部が形成されると共に、前記孔部と螺子部とは嵌合された支持柱及び受け柱の中心軸に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明灯。
【請求項1】
立設された支柱に取付られた照明部と、前記照明部に電力を供給するためのソーラーパネルとを備えた照明灯であって、前記ソーラーパネルに設けられた円筒状の支持柱が、該照明部上に設けられた円筒状の受け柱に回動可能に嵌合され、かつ前記支持柱の内部には、隙間を残して径方向に延びる上板が設けられ、前記受け柱には隙間を残して径方向に延びる下板が設けられると共に、前記上板と下板とは、上下に間隔をおいて配置され、前記上板と下板とを上下に貫通する接続ボルトを介して互いに締結されていることを特徴とする照明灯。
【請求項2】
前記上板及び下板のいずれか一方には、前記接続ボルトの螺子部が挿通可能な孔部が形成され、他方には、前記螺子部が螺合する雌螺子部が形成されると共に、前記孔部と螺子部とは嵌合された支持柱及び受け柱の中心軸に沿って配置されていることを特徴とする請求項1に記載の照明灯。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−48887(P2012−48887A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−188044(P2010−188044)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(000002462)積水樹脂株式会社 (781)
【Fターム(参考)】
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