説明

照明用光源

【課題】配光特性が良好かつ組立作業が簡単な照明用光源を提供する。
【解決手段】照明方向である上方側に開口を有する筒状のケース60と、前記ケース60の上方側に前記開口を塞ぐように取り付けられたグローブ30とで構成される外囲器2内に、光源としての1または複数の発光モジュール10が収容された照明用光源1において、前記外囲器2内の全ての発光モジュール10は、主出射方向を上方に向けた姿勢で平面配置されており、前記発光モジュール10の上方側には、前記発光モジュール10からの出射光が出射角30°〜60°の範囲で最大光度となって前記グローブ30の内面32に届くように、前記出射光を拡散させる1または複数の光学部材80が配置されている構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光モジュールを利用した照明用光源に関し、特に配光特性の改良技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、白熱電球の代替品として、LED(Light Emitting Diode)などの半導体発光素子を有する発光モジュールを利用した電球形の照明用光源が普及しつつある。
このような照明用光源は、照射角の狭いLEDを光源としているため、白熱電球と比べて配光特性が狭いという課題を有している。そこで、図21に示すように、特許文献1に記載の照明用光源900は、基台901が、第1基台部902と、第1基台部902の上面の一部の領域から逆錐台状に突出する第2基台部903とからなり、第1基台部902の上面には第1のLED904が配置され、第2基台部903の上面には第2のLED905が配置され、第2基台部903を上方から第1基台部902へ投影した場合においてその投影域内に第1のLED904の発光面が存在し、第2基台部903の側面が光反射面906となった構成としている。この構成によって、第1のLED904からの出射光を光反射面906によって斜め下方へ反射させることで、LEDの照射角の狭さを補って、比較的良好な配光特性を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−86946号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の照明用光源900の場合、第1基台部902の上面と第2基台部903の上面とがLEDの搭載面であり、それら2つの搭載面に別途LED904,905を搭載しなければならないため、LEDの搭載面が1つだけの場合と比べて組立作業が煩雑である。すなわち、例えば、ロボットを用いてLEDを搭載する場合に、全てのLEDを平面配置するのであれば高さ方向のセッティングが不要であるが、高さの違う搭載面が2つ存在していると、それぞれの高さに対応するための高さ方向のセッティングが必要であり、その結果、ロボット操作が複雑化したり作業速度が低下したりする。
【0005】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、配光特性が良好かつ組立作業が簡単な照明用光源を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る照明用光源は、照明方向である上方側に開口を有する筒状のケースと、前記ケースの上方側に前記開口を塞ぐように取り付けられたグローブとで構成される外囲器内に、光源としての1または複数の発光モジュールが収容された照明用光源であって、前記外囲器内の全ての発光モジュールは、主出射方向を上方に向けた姿勢で平面配置されており、前記発光モジュールの上方側には、前記発光モジュールからの出射光を拡散させる1または複数の光学部材が配置されており、前記光学部材は、筒状であってその筒軸がランプ軸と平行である外側部と、当該外側部の筒内に詰められた柱状の内側部とで構成され、前記外側部は透光性材料からなると共に、前記内側部は前記外側部の透光性材料よりも屈折率の低い透光性材料からなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る照明用光源は、外囲器内の全ての発光モジュールが主出射方向を上方に向けた姿勢で平面配置されている構成であるため、発光モジュールの取り付けが容易であり、ひいては照明用光源の組立作業が簡単である。さらに、発光モジュールの上方側には、前記発光モジュールからの出射光を拡散させる1または複数の光学部材が配置されているため、照射角が狭い発光モジュールが平面配置されていても照明用光源の配光特性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】第1の実施形態に係る照明用光源を示す一部破断斜視図
【図2】第1の実施形態に係る照明用光源を示す断面図
【図3】回路ホルダを示す斜視図
【図4】光学部材による出射光の拡散の態様を説明するための概略図
【図5】第1の実施形態に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための平面図
【図6】第1の実施形態に係る照明用光源の配光特性を説明するための配光曲線図
【図7】光学部材の高さが照明用光源の配光特性に与える影響を説明するための配光曲線図
【図8】光学部材の外径が照明用光源の配光特性に与える影響を説明するための配光曲線図
【図9】変形例に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための平面図
【図10】変形例に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための平面図
【図11】変形例に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための平面図
【図12】第2の実施形態に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための平面図
【図13】第3の実施形態に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための平面図
【図14】第4の実施形態に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための平面図
【図15】第5の実施形態に係る照明用光源を示す一部破断斜視図
【図16】第5の実施形態に係る照明用光源を示す断面図
【図17】図16において二点鎖線で囲んだ部分を示す拡大断面図
【図18】第6の実施形態に係る光学部材を説明するための図
【図19】第6の実施形態に係る光学部材の配光特性を説明するための配光曲線図
【図20】第6の実施形態の変形例に係る光学部材を説明するための断面図
【図21】従来の照明用光源を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態に係る照明用光源について、図面を参照しながら説明する。なお、各図面における部材の縮尺は実際のものとは異なる。また、本願において、数値範囲を示す際に用いる符号「〜」は、その両端の数値を含む。
<第1の実施形態>
[概略構成]
図1は、第1の実施形態に係る照明用光源を示す一部破断斜視図である。図2は、第1の実施形態に係る照明用光源を示す断面図である。なお、図2において紙面上下方向に沿って描かれた一点鎖線は照明用光源のランプ軸Jを示しており、紙面上方が照明用光源の照明方向である上方であって、紙面下方が照明用光源の下方である。
【0010】
図1および図2に示すように、第1の実施形態に係る照明用光源1は、白熱電球の代替品となるLEDランプであって、光源としての発光モジュール10と、発光モジュール10が搭載された基台20と、発光モジュール10を覆うグローブ30と、発光モジュール10を点灯させるための回路ユニット40と、回路ユニット40を収容した回路ホルダ50と、回路ホルダ50を覆うケース60と、回路ユニット40と電気的に接続された口金70と、発光モジュール10からの出射光を拡散させるための光学部材80とを備える。照明用光源1の外囲器2は、グローブ30とケース60とで構成され、外囲器2内に発光モジュール10および光学部材80が収容されている。
【0011】
[各部構成]
(1)発光モジュール
図2に示すように、発光モジュール10は、実装基板11と、実装基板11に実装された半導体発光素子12と、半導体発光素子12を被覆するように実装基板11上に設けられた封止体13とを備える半導体発光モジュールであって、ランプ軸J上に配置されている。なお、本実施の形態では、半導体発光素子12はLEDであり、発光モジュール10はLEDモジュールであるが、半導体発光素子12は、例えば、LD(レーザダイオード)であっても良く、EL素子(エレクトリックルミネッセンス素子)であっても良い。
【0012】
実装基板11は、例えば、上方から見て(平面視において)略正方形の板状であって、基台20の上面21に取り付けられている。なお、本願において、上方側から見てとは、上方側からランプ軸Jに沿って下方側を見ての意味であり、例えば図2においては、紙面上側からランプ軸Jに沿って紙面下側を見ての意味である。
半導体発光素子12は、実装基板11の上面に、例えばマトリクス状に5行5列の計25個が実装されており、それら半導体発光素子12は、ランプ軸Jを中心として点対称となるように平面配置されている。また、各半導体発光素子12は、それぞれの主出射方向がランプ軸Jに沿った上方に向けた姿勢で実装されている。
【0013】
なお、半導体発光素子12の数は25個に限定されず、例えば1個であっても良いし25個以外の複数であっても良い。また、半導体発光素子12の配置もマトリックス状に限定されず、例えば円環状などの環状に配置されていても良い。さらに、半導体発光素子12の姿勢は、半導体発光素子12の全てがランプ軸J方向に沿った上方に向いている必要はなく、一部がランプ軸Jに対して斜めに傾いた方向に向けた姿勢で実装されていても良く、これにより配光の制御性がより向上して、より好ましい配光を得ることができる。
【0014】
封止体13は、例えばブロック状であって、25個全ての半導体発光素子12を封止している。封止体13の上面13aは、上方から見て略正方形の平面であって、発光モジュール10の上方側発光面を構成しており、上面13aとランプ軸Jとは、上面13aの中心において直交している。なお、上面13aとランプ軸Jとは、必ずしも上面13aの中心において直交している必要はないが、ランプ軸Jを中心とする全周に亘って均一な配光を得るためには、上面13aの中心において交差していることが好ましく、直交していることがより好ましい。
【0015】
封止体13は、主として透光性材料からなるが、半導体発光素子12から発せられた光の波長を所定の波長へと変換する必要がある場合には、前記透光性材料に光の波長を変換する波長変換材料が混入される。透光性材料としては、例えばシリコーン樹脂を利用することができ、波長変換材料としては、例えば蛍光体粒子を利用することができる。
本実施の形態では、青色光を出射する半導体発光素子12と、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体粒子が混入された透光性材料で形成された封止体13とが採用されており、半導体発光素子12から出射された青色光の一部が封止体13によって黄色光に波長変換され、未変換の青色光と変換後の黄色光との混色により生成される白色光が発光モジュール10から出射される。
【0016】
なお、発光モジュール10は、例えば、紫外線発光の半導体発光素子と三原色(赤色、緑色、青色)に発光する各色蛍光体粒子とを組み合わせたものでも良い。さらに、波長変換材料として半導体、金属錯体、有機染料、顔料など、ある波長の光を吸収し、吸収した光とは異なる波長の光を発する物質を含んでいる材料を利用しても良い。
(2)基台
基台20は、例えば略円板状であり、その上面21および下面22は、いずれも略円形の平面であって、それぞれランプ軸Jと直交している。基台20の上面21には、発光モジュール10が平面配置されており、例えば、ねじ止め、接着、係合などにより基台20に固定されている。なお、上面21は略円形に限定されず、どのような形状であっても良い。また、上面21は、発光モジュール10を平面配置できるのであれば、必ずしも全体が平面である必要はない。さらに、下面22も平面に限定されない。
【0017】
基台20には、上下方向に貫通する一対の貫通孔23が形成されており、これら貫通孔23を介して回路ユニット40の一対の配線41が基台20の上方側に導出されている。それら配線41は、それぞれ発光モジュール10の実装基板11に接続されており、これにより発光モジュール10と回路ユニット40とが電気的に接続されている。
基台20は、例えば金属材料からなり、金属材料としては、例えばAl、Ag、Au、Ni、Rh、Pd、またはそれらの内の2以上からなる合金、またはCuとAgの合金などが考えられる。このような金属材料は、熱伝導性が良好であるため、発光モジュール10で発生した熱をケース60に効率良く伝導させることができる。
【0018】
(3)グローブ
グローブ30は、本実施の形態では、一般電球形状であるA型の電球のバルブを模した形状であり、グローブ30の開口側端部31をケース60の上方側開口内に圧入することにより、発光モジュール10および光学部材80の上方を覆った状態で、ケース60の上方側開口を塞ぐようにして、ケース60の上方側端部61に取り付けられている。なお、グローブ30の形状は、A型の電球のバルブを模した形状に限定されず、どのような形状であっても良い。また、グローブ30は接着剤などによりケース60に固定されていても良い。
【0019】
グローブ30の内面32には、発光モジュール10から発せられた光を拡散させる拡散処理、例えば、シリカや白色顔料等による拡散処理が施されている。グローブ30の内面32に入射した光はグローブ30を透過しグローブ30の外部へと取り出される。グローブ30の最大外径W1は、ケース60の上方側端部61の外径W2よりも大きい。したがって、グローブ30の外部へ取り出される光が下方側へ回り込み易く、より大きな配光角を得ることができる。
【0020】
(4)回路ユニット
回路ユニット40は、半導体発光素子を点灯させるためのものであって、回路基板42と、当該回路基板42の一方の主面42a側に実装された各種の電子部品43,44とを有している。なお、図2では一部の電子部品にのみ符号を付している。回路ユニット40は、回路ホルダ50内に収容されており、例えば、ネジ止め、接着、係合などにより回路ホルダ50に固定されている。
【0021】
回路基板42は、その主面がランプ軸Jと平行する姿勢で配置されている。このようにすれば、回路ホルダ50内に回路ユニット40をよりコンパクトに格納することができる。また、回路ユニット40は、熱に弱い電子部品43が発光モジュール10から遠い下方側に位置し、熱に強い電子部品44が発光モジュール10に近い上方側に位置するように配置されている。このようにすれば、熱に弱い電子部品44が発光モジュール10で発生する熱によって熱破壊され難い。
【0022】
回路ユニット40と口金70とは、電気配線45,46によって電気的に接続されている。電気配線45は、回路ホルダ50に設けられた貫通孔51を通って、口金70のシェル部71と接続されている。また、電気配線46は、回路ホルダ50の下方側開口54を通って、口金70のアイレット部73と接続されている。
(5)回路ホルダ
回路ホルダ50は、例えば、両側が開口した略円筒状であって、大径部52と小径部53とで構成される。上方側に位置する大径部52には回路ユニット40の大半が収容されている。一方、下方側に位置する小径部53には口金70が外嵌されており、これによって回路ホルダ50の下方側開口54が塞がれている。回路ホルダ50は、例えば、樹脂などの絶縁性材料で形成されていることが好ましい。
【0023】
回路ホルダ50の上方側には基台20が位置しているが、回路ホルダ50の上方側端部55と基台20とは接触しておらず、隙間が設けられている、また、回路ホルダ50の外面56とケース60の内周面62とは接触しておらず、隙間が設けられている。したがって、発光モジュール10で発生した熱が、基台20やケース60を介して回路ホルダ50へ伝搬し難く、回路ホルダ50が高温になり難いため、回路ユニット40が熱破壊し難い。
【0024】
図3は、回路ホルダを示す斜視図である。回路ホルダ50の大径部52の内周面52aには、回路ユニット40の回路基板42を回路ホルダ50に固定するための一対のレール溝57が、互いに対向するように設けられている。一対のレール溝57は、回路基板42がランプ軸J(図2参照)と平行になる姿勢、すなわち縦置きの姿勢で、回路ユニット40を回路ホルダ50に固定するためのものであって、各レール溝57は、大径部52の内周面52に沿って上下方向に延出しており、回路基板42の両側縁部をそれら一対のレール溝57に嵌め込むと、回路ユニット40が縦置きの姿勢で固定される。
【0025】
一対のレール溝57は、ランプ軸Jを挟んで対向しておらず、ランプ軸Jを挟まずに対向しており、ランプ軸Jに対しては、両方のレール溝57が一方側に偏った位置となるよう配置されている。別の表現をすれば、ランプ軸Jを含む仮想面で大径部52内を2つの空間に区切った場合に、一方の空間内に両方のレール溝57が収まるよう配置されている。したがって、それらレール溝57に回路基板42を固定すると、回路基板42はランプ軸J上、すなわち大径部52の中央位置には配置されず、ランプ軸Jに対して一方側にずれた位置に配置される。そのため、回路基板42によって大径部52内は、一方の主面42a側の広い空間と、他方の主面42b側の狭い空間とに区切られる。これにより、一方の主面42a側には、より背の高い電子部品を配置することができる。
【0026】
各レール溝57は、基礎部57a並びに、当該基礎部57aに設けられた第1壁部57bおよび第2壁部57cにより構成されている。
各基礎部57aは、大径部52の内周面52に沿って上下方向に延伸する長尺状の部位であって、大径部52の内周面52aの一部を内側に膨出させることによって形成されている。それら基礎部57aは互いに対向する長尺面57dを有し、それら長尺面57dは、ランプ軸Jと直交する仮想面で切断した断面において互いに平行を保っており、それら長尺面57dが各レール溝57の底面を構成している。
【0027】
第1壁部57bおよび第2壁部57cは、基礎部57aの長尺面57dに、長尺方向に沿って立設されている。長尺面57dのランプ軸Jから遠い側の長辺に立設されているのが第1壁部57bであって、長尺面57dのランプ軸Jに近い側の長辺に立設されているのが第2壁部57cである。それら第1壁部57bおよび第2壁部57cは、互いに対向しており、レール溝57の側面を構成している。
【0028】
第1壁部57bは、基礎部57aの長尺面57dの長手方向全体に亘って形成されており、壁の高さが低い(長尺面57dからの突出量が小さい)上方側部分57eと、壁の高さが高い(長尺面57dからの突出量が大きい)下方側部分57fとからなる。すなわち、第1壁部57bは、壁の高さが2段階に変化しており、上方側よりも下方側で、壁が高くなっている。なお、第1壁部57bは、壁の高さが3段階以上に変化していても良い。
【0029】
一方、第2壁部57cは、基礎部57aの長尺面57dの長手方向全体に亘っては形成されておらず、長尺面57dの下方側端部付近にのみ形成されている。第2壁部57cが形成されている領域は、第1壁部57bの下方側部分57fが形成されている領域よりも狭く、下方側部分57fの下方側と第2壁部57cとは対向しているが、下方側部分57fの上方側と対向する領域には第2壁部57cは存在しない。そして、第2壁部57cは、第1壁部57bの下方側部分57fと壁の高さが同じである。
【0030】
回路基板42のレール溝57への嵌め込み作業は、回路基板42をレール溝57に対して斜めに傾けながら、回路基板42の下方側両コーナー部分を第1壁部57bに当接させ、当接させた状態で下方側両コーナー部分を第1壁部57bに沿って下方に滑らせながら、同時に回路基板42の姿勢をレール溝57と平行になるよう徐々に起こし、最後は第1壁部57bの下方側部分57fと第2壁部57cとの間に下方側両コーナー部分を嵌め込み、さらに回路基板42の両側縁部を第1壁部57bに沿わせることによって完了する。
【0031】
レール溝57の延伸方向において、第1壁部57bの上方側端部が第2壁部57cの上方側端部よりも上方側に位置するため、回路基板42を斜めに傾けたままレール溝57に対して位置決めすることができ、回路基板42の下方側両コーナー部分をレール溝57に差し込み易い。また、回路基板42の下方側両コーナー部分をレール溝57の上方側端部に差し込む際に、回路基板42の一方の主面42aをどちら側に向けておけば良いのか、視覚的に把握し易い。
【0032】
第1壁部57bは、上方側部分57eが下方側部分57fよりも、壁の高さが低くなっているため、その低くなっている分だけ回路ユニット40の電子部品43,44や半田等が第1壁部57bに当たり難い。したがって、回路基板42上の広い範囲に電子部品43,44を実装することができる。第2壁部57cについても同様に、回路基板42を固定するために必要最小限となる部分にしか設けられていないため、電子部品43,44や半田等が第2壁部57cに当たり難く、回路基板42上の広い範囲に電子部品43,44を実装することができる。
【0033】
なお、基礎部57aは必ずしも必要はなく、レール溝57は、第1壁部57bおよび第2壁部57cを大径部52の内周面52から直接延出させた構成であっても良い。その場合は、レール溝57は第1壁部57bおよび第2壁部57cで構成されることとなる。
従来の回路ケースのレール溝は、対向する一対の壁部がレール溝の延伸方向において同じ領域に設けられていたため、各壁部の上方側端部の位置が揃っており、レール溝の上方側端部に回路基板の下方側両コーナー部分を差し込むのが容易ではなかった。そのため、回路ユニットの取り付け作業が煩雑であった。
【0034】
しかしながら、本実施の形態に係る回路ホルダ50は、対向する一対の壁部(第1壁部57bおよび第2壁部57c)の上方側端部の位置がずれているため、具体的には、ランプ軸Jから遠い側である第1壁部57bの上方側端部よりも、ランプ軸Jに近い側である第2壁部57cの上方側端部の方が、下方側に位置しているため、回路基板42をレール溝57に対して傾けた姿勢で、レール溝57の上方側端部に回路基板42の下方側両コーナー部分を差し込むことができる。したがって、回路ユニット40の固定作業性が容易である。また、レール溝57の第1壁部57bの壁の高さは一定ではなく段差が設けられているため、壁の高さが低くなった部分では、回路ユニット40の電子部品43,44や半田等が第1壁部57bに当たって邪魔になり難い。
【0035】
(6)ケース
ケース60は、例えば、両端が開口し上方から下方へ向けて縮径した略円筒状を有する。ケース60の上方側開口内には基台20とグローブ30の開口側端部31とが収容されており、例えばカシメによりケース60が基台20に固定されている。なお、ケース60、基台20およびグローブ30で囲まれた空間63に接着剤を流し込むなどしてケース60が基台20に固定されていても良い。
【0036】
基台20の下方側端部の外周縁は、ケース60の内周面62の形状にあわせてテーパ形状となっている。そのテーパ面24がケース60の内周面62と面接触しているため、発光モジュール10から基台20へ伝搬した熱が、さらにケース60へ伝導し易くなっている。半導体発光素子12で発生した熱は、主に、基台20およびケース60を介し、さらに回路ホルダ50の小径部53を介して口金70へ伝導し、口金70から照明器具(不図示)側へ放熱される。
【0037】
ケース60は、例えば金属材料からなり、金属材料としては、例えばAl、Ag、Au、Ni、Rh、Pd、またはそれらの内の2以上からなる合金、またはCuとAgの合金などが考えられる。このような金属材料は、熱伝導性が良好であるため、ケース60に伝搬した熱を効率良く口金70側に伝搬させることができる。なお、ケース60の材料は、金属に限定されず、例えば熱伝導率の高い樹脂などであっても良い。
【0038】
(7)口金
口金70は、照明用光源1が照明器具に取り付けられ点灯された際に、照明器具のソケットから電力を受けるための部材である。口金70の種類は、特に限定されるものではないが、例えばエジソンタイプであるE26口金やE17口金が挙げられる。口金70は、略円筒状であって外周面が雄ネジとなっているシェル部71と、シェル部71に絶縁部72を介して装着されたアイレット部73とを備える。シェル部71とケース60との間には絶縁部材74が介在している。
【0039】
(8)光学部材
光学部材80は、発光モジュール10からの出射光が出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届くように、前記出射光を拡散させるための部材であって、発光モジュール10の上方側に配置されている。なお、出射角は、ランプ軸Jに沿った上方を0°、ランプ軸Jに沿った下方を180°として定義する。
【0040】
光学部材80は、例えば、略柱状であってランプ軸J上に配置されており、光学部材80の柱軸とランプ軸Jとは一致している。なお、光学部材80の柱軸は必ずしもランプ軸Jと一致している必要はないが、ランプ軸Jを中心とする全周に亘って均一な配光を得るためには、前記柱軸がランプ軸Jと平行であることが好ましく、前記柱軸とランプ軸Jとが一致していることがより好ましい。
【0041】
光学部材80は、例えば、筒状であってその筒軸がランプ軸Jと平行である外側部81と、外側部81の筒内に詰められた柱状の内側部82とで構成される。より具体的には、光学部材80は円柱状であって、外側部81はランプ軸Jと一致する筒軸を有する円筒状であって、内側部82は外側部81の筒内に隙間なく詰められた円柱状である。
図4は、光学部材による出射光の拡散の態様を説明するための概略図である。図4(a)に示すように、光学部材80の上面80aは、外側部81の上面81aと内側部82の上面82aとで構成されている。光学部材80の下面80bは、外側部81の下面81bと内側部82の下面82bとで構成されている。光学部材80の上面80aおよび下面80bはそれぞれ平面である。
【0042】
なお、光学部材80の上面80aおよび下面80bは平面に限定されない。例えば、光学部材80の上面80aを、倒円錐面などの凹面や、円錐面などの凸面として、光学部材80から出射される光の拡散度合いを調整しても良い。光学部材80の下面80bは、発光モジュール10からの出射光が光学部材80内に入射し易いという観点からは、封止体13の上面13aとの間に隙間ができ難いように平面であることが好ましい。
【0043】
光学部材80の外周面80cは、外側部81の外周面81cで構成されている。なお、外側部81の外周面81cには鏡面処理が施されていても良い。このようにすれば、外周面80cから光学部材80内へ光が入射するのを防止できる。外周面81cに鏡面処理を施す方法としては、例えば金属薄膜や誘電体多層膜などの反射膜を、例えば熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタ法、メッキ、などの方法により形成することが考えられる。
【0044】
外側部81の内周面81dは内側部82の外周面82cと全面に亘って接触しており、外側部81と内側部82との間に隙間はない。すなわち、外側部81の内周面81dと内側部82の外周面82cとは同一面であって、外側部81と内側部82の界面である。なお、外側部81と内側部82との間には隙間があっても良いが、隙間があると光のロスが生じるため、隙間はない方が好ましい。
【0045】
図5は、第1の実施形態に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための平面図である。図5に示すように、光学部材80は、上方側から見て、発光モジュール10の封止体13の上面13aよりも小さい。すなわち、光学部材80の上面80aおよび下面80bの面積は、封止体13の上面13aの面積よりも小さい。このようにすれば、封止体13の上面13a全体が光学部材80によって隠れることがない。すなわち、上面13aの一部を露出させることができる。そのため、図4(a)において光路L1で示すように、発光モジュール10からの出射光の一部を、光学部材80内に入射させることなく、直接グローブ30の内面32に届けることができる。
【0046】
封止体13の上面13aにおける光学部材80で隠れる領域の面積は、上面13a全体の面積40%〜78%であることが好ましい。本実施の形態では、光学部材80の外径(外側部81の外径でもある)R1は15mmであり、封止体13の上面13aの一辺の長さW3は21mmであるため、前記隠れる領域の面積は上面13a全体の面積の40%である。
【0047】
なお、光学部材80の外径R1と封止体13の上面13aの一辺の長さW3とを同じ大きさにすれば、光学部材80を上面13a上からはみ出ないように設置するだけで、光学部材80の柱軸をランプ軸Jと一致させることができ、光学部材80の位置決めが容易である。
なお、図2に示す光学部材80の高さ(上下方向の長さ)Tは15mmであり、図5に示す内側部82の外径R2は10mmであって、光学部材80の外径R1および内側部82の外径R2は、それぞれ上下方向全体に亘って均一である。
【0048】
図4に戻って、光学部材80は、上方側から見て、光学部材80の全体が封止体13の上面13aと重なる位置に配置されている。このようにすれば、光学部材80の下面80bの全体が封止体13の上面13aと接触するため、発光モジュール10からの出射光を光学部材80内に効率良く入射させることができる。
外側部81および内側部82は、それぞれ透光性材料からなる。ただし、内側部82の材料は、外側部81の材料よりも屈折率が低い。外側部81および内側部82を構成する透光性材料としては、それぞれ、シリコーンやポリカーボネート等の樹脂材料、ガラス、セラミックなどが挙げられる。例えば、外側部81を屈折率1.50のガラスで構成し、内側部82を屈折率1.41のシリコーンで構成することが考えられる。
【0049】
なお、外側部81および内側部82のいずれか一方または両方の内部に、入射した光を内部散乱させるための光散乱体が含まれていても良い。光散乱体としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化亜鉛やチタニアなどで構成された無色透明または有色透明の粒体が考えられる。そして、粒体の形状としては例えば略球形状が考えられ、その場に直径は0.1μm〜40μmの範囲であることが好ましい。また、光散乱体の添加量は、10wt%〜60wt%の範囲であることが好ましい。
【0050】
発光モジュール10の封止体13の上面13aから出射され、外側部81の下面81bから外側部81内に入射した光は、図4(a)において光路L2で示すように、外側部81の外周面81cおよび内周面81dの間で反射を繰り返し、外側部81の上面81aから光学部材80外へ出射する。光が外周面81cで反射されるのは、外側部81の材料が空気よりも屈折率が高いからであり、光が内周面81dで反射されるのは、外側部81の材料が内側部82の材料よりも屈折率が高いからである。このように、一旦外側部81内へ入射した光は、外周面81cや内周面81dから外へ漏れ難いため、上面81aまで導かれて上面81aから出射される。
【0051】
一方、発光モジュール10の封止体13の上面13aから出射され、内側部82の下面82bから内側部82内に入射した光は、内側部82の対向する外周面82c間で反射を繰り返し、一部は、図4(a)において光路L3で示すように、内側部82の上面82aから光学部材80外へ出射するが、残りは、光路L4,L5で示すように、内側部82の外周面82c(外側部81の内周面81d)を透過して外側部81内へ入射する。光が外周面82cで反射せず外周面82cを透過するのは、内側部82の材料が外側部81の材料の屈折率よりも低いからである。
【0052】
内側部82から外側部81内に入射した光は、外側部81の外周面81cおよび内周面81dの間で反射を繰り返し、光路L3で示すように、外側部81の上面81aから光学部材80外へ出射する。このように、光学部材80に入射した光は、より屈折率の高い材料で形成された外側部81に集まり、主として外側部81の上面81aから出射される。
また、外側部81の上面81aから出射される光は、主としてランプ軸Jに沿って上方へ出射されるのではなく、主としてランプ軸Jに対して30°〜60°の範囲の出射角で出射される。出射角が0°にならずこのような角度になるのは、外側部81内に入射した光の多くは、外側部81内をランプ軸Jに沿って真っ直ぐに進まず、外側部81内をジグザグに内部反射しながら進むからである。特に、内側部82から外側部81へ集まる光は、ランプ軸Jと平行でない角度で外側部81内へ入射してくるため、外側部81内をジグザグに進む。ジグザグに進んだ光は、上面81aから出射された後も、真っ直ぐランプ軸Jに沿った方向に向かわず、ランプ軸Jに対して傾斜した斜め上方の方向へ向かう。このような斜め上方へ向かう出射光が多いために、全体として、主としてランプ軸Jに対して30°〜60°の範囲の出射角で出射されることになる。
【0053】
図4(b)に示すように、発光モジュール10からの出射光は、出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届くように、光学部材80によって拡散される。したがって、グローブ30の内面32における下方寄りの領域に光がより多く届くことになり、照明用光源1の配光角が広がる。なお、グローブ30に届いた光は、さらにグローブ30によって拡散される。
【0054】
なお、広い配光角を得るためには、光学部材80の上面80aが、ケース60の上方側端部61よりも、ランプ軸Jに沿った方向における上方側に位置していることが好ましい。さらに、封止体13の上面13aが、ケース60の上方側端部61よりも、ランプ軸Jに沿った方向における上方側に位置していることがより好ましい。
以上のことから、照明用光源1は、照射角が狭い発光モジュール10が平面配置されていても、光学部材80によってその照射角を広げることができるため、配光特性が良好である。また、外側部81が筒状であって光学部材80の外周全体に亘って存在しているため、ランプ軸Jを中心とする全周に亘って照射角を広げることができ、その全周に亘って配光特性が良好である。
【0055】
[照明用光源の配光特性]
図6は、第1の実施形態に係る照明用光源の配光特性を説明するための配光曲線図である。図6に示すように、配光曲線図は、照明用光源1の上下方向を含む360°の各方向に対する光度の大きさを表しており、照明用光源1のランプ軸Jに沿った上方を0°、ランプ軸Jに沿った下方を180°として、時計回りおよび反時計回りにそれぞれ10°間隔に目盛を刻んでいる。配光曲線図の径方向に付した目盛は光度を表しており、光度は各配光曲線における最大値を100%とする相対的な大きさで表されている。
【0056】
図6における二点鎖線は、白熱電球の配光曲線Aを示す。破線は、第1の実施形態に係る照明用光源1からグローブ30および光学部材80を取り除いた場合の配光曲線Bを示す。一点鎖線は、第1の実施形態に係る照明用光源1から光学部材80を取り除いた場合の配光曲線Cを示す。太い実線は、第1の実施形態に係る照明用光源1からグローブ30を取り除いた場合の配光曲線Dを示す。細い実線は、第1の実施形態に係る照明用光源1の配光曲線Eを示す。
【0057】
配光特性は、配光角に基づき評価した。配光角とは、照明用光源における光度の最大値の半分以上の光度が出射される角度範囲の大きさをいう。図6に示す配光曲線の場合は、光度が50%以上となる角度範囲の大きさである。
図6に示すように、配光曲線Aの配光角は約310°であり、配光曲線Bの配光角は約120°であり、配光曲線Cの配光角は約240°であり、配光曲線Dの配光角は約170°であり、配光曲線Eの配光角は約285°である。
【0058】
グローブ30が無い状態において、光学部材80の有無により配光曲線がどのように変化するのかは、配光曲線Bと配光曲線Dとを比べれば分かる。配光曲線Bから分かるように、光学部材80が無い場合は出射角0°において最大光度となるのに対して、配光曲線Dから分かるように、光学部材80が有る場合は出射角40°において最大光度となる。このことから、光学部材80によって、発光モジュール10からの出射光は拡散され、配光角が広がっているのが分かる。
【0059】
グローブ30を取り付けた状態において、光学部材80の有無により配光曲線がどのように変化するのかは、配光曲線Cと配光曲線Eとを比べれば分かる。配光曲線Cから分かるように、光学部材80が無い場合は配光角が240°であるのに対して、配光曲線Eから分かるように、光学部材80が有る場合は配光角が285°にまで広がる。このように、光学部材80を設置することによって、配光角が広がり配光特性が良好になることが確認できた。
【0060】
さらに、配光曲線Aと配光曲線Eとを比べれば、第1の実施形態に係る照明用光源1の配光特性がより白熱電球に近似した配光特性を有することが分かる。
発光モジュール10からの出射光は、光学部材80によって、出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届くことが好ましい。出射角が30°未満であると、配光角の広がりが十分でないため良好な配光特性が得られず、出射角が60°を超えると、ランプ軸Jに沿って上方へ向かう光の量が不足して上方が薄暗くなる。
【0061】
次に、光学部材の高さおよび外径が照明用光源の配光特性に与える影響について調べた。図7は、光学部材の高さが照明用光源の配光特性に与える影響を説明するための配光曲線図である。図8は、光学部材の外径が照明用光源の配光特性に与える影響を説明するための配光曲線図である。
光学部材80の高さTを22mmに固定し、光学部材80の外径R1に種々変更を加えて照明用光源1の配光特性を確認したところ、図7に示すように、外径R1が5mm(外径R2は4mm)の場合の配光角は175°、外径R1が10mm(外径R2は9mm)の場合の配光角は210°、外径R1が15mm(外径R2は14mm)の場合の配光角は230°であった。この結果から、少なくとも封止体13の上面13aからはみ出さない限り(上面13aの一辺の長さW3以下であれば)、光学部材80の外径R1を大きくするほど配光特性が良いことが推測される。そして、外径R1が5mm以上であれば配光角約180°を実現できる。
【0062】
また、光学部材80の外径R1を10mm(外径R2は9mm)に固定し、光学部材80の高さTに種々変更を加えて照明用光源1の配光特性を確認したところ、図8に示すように、高さTが22mmの場合の配光角は205°、高さTが25mmの場合の配光角は235°、高さTが35mmの場合の配光角は230°、高さTが45mmの場合の配光角は235°であった。この結果から、光学部材80の高さTは配光特性にはあまり影響がないことが分かった。
【0063】
なお、図6、図7、図8に示す結果は、それぞれ実験系が異なるため(光学部材80とグローブ30との位置関係などが異なる)、同一実験系内での配光角の比較は有効であっても、異なる実験系間での配光角の比較は有効でない。
[第1の実施形態の変形例]
第1の実施形態に係る照明用光源1の変形例として以下の構成が挙げられる。なお、第1の実施形態と同じ部材については、そのまま第1の実施形態と同じ符号を用いている。
【0064】
第1の実施形態に係る光学部材80は略円柱状であったが、本発明に係る光学部材は略円柱状に限定されない。例えば、図9に示すように、略角筒状の外側部181と略角柱状の内側部182とで構成される略正四角柱状の光学部材180であっても良い。また、略円柱状および略正四角柱状以外の柱状であっても良く、柱状以外の形状であっても良い。但し、光学部材を円柱状にすることは、ランプ軸Jと中心とする全周に亘って均一な配光とするための好ましい一例となる。
【0065】
第1の実施形態に係る発光モジュール10は、上方側発光面となる封止体13の上面13aが略正方形であったが、本発明に係る封止体の上面は略正方形に限定されない。例えば、図10に示すように、発光モジュール210の封止体213の上面213aは、中心がランプ軸J上に位置する略円形であっても良く、このようにすれば、ランプ軸Jと中心とする全周に亘って均一な配光を得易い。
【0066】
第1の実施形態に係る光学部材80は、上方側から見て、発光モジュール10の封止体13の上面13aよりも小さかったが、例えば、図11に示す光学部材380のように、上方側から見て、発光モジュール10の封止体13の上面13aよりも大きくても良い。このようにすれば、発光モジュール10からの出射光を光学部材380によってより拡散させることができるが、前記出射光が直接グローブ30の内面32に届くことがないため上方への光量は低減する。
【0067】
第1の実施形態に係る光学部材80は、外径R1が上下方向全体に亘って均一であったが、均一でなくても良い。例えば、上下方向における中間部において外径が小さくなった(中間部の外径が絞られた)鼓形の形状であっても良く、下方側に向かって外径R1が大きくなる略円錐台状であっても良く、上方側に向かって外径R1が大きくなる略円錐台状であっても良い。
【0068】
第1の実施形態に係る光学部材80は、外側部81と内側部82とで構成され、径方向に2層の構造であったが、径方向に3層以上の構造であっても良い。その場合でも、全ての層が透光性材料で形成されており、外側の層ほど透光性材料の屈折率が高ければ、発光モジュール10からの出射光が出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届くように、前記出射光を拡散させることができる。
【0069】
<第2の実施形態>
図12は、第2の実施形態に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための平面図である。図12に示すように、第2の実施の形態に係る照明用光源は、発光モジュール410が複数であって光学部材480も複数である点において、第1の実施形態に係る照明用光源1と相違する。その他の構成については基本的に第1の実施形態に係る照明用光源1と略同様である。したがって、上記相違点についてのみ詳細に説明し、その他の構成については説明を簡略若しくは省略する。なお、第1の実施形態と同じ部材については、そのまま第1の実施形態と同じ符号を用いている。
【0070】
発光モジュール410は、例えば5つであって、基台20の上面21にランプ軸Jを中心に点対称で平面配置されている。具体的には、発光モジュール410は、ランプ軸J上に1つ配置されていると共に、その四方に1つずつ配置されている。このように発光モジュール410が複数の場合でも、平面配置されていれば基台20への取り付けは容易である。なお、各発光モジュール410は、実装基板411、半導体発光素子(不図示)、および封止体413を備え、第1の実施形態に係る発光モジュール10とはサイズが異なるが、その他の構成は略同じである。
【0071】
光学部材480も、例えば5つであって、それぞれ外側部481と内側部482とで構成されており、第1の実施形態に係る光学部材80とはサイズが異なるが、その他の構成は略同じである。各光学部材480は、発光モジュール410と1対1の関係で、各発光モジュール410の上方側に、各光学部材480の柱軸が各発光モジュール410の封止体413の上面413aの中心に位置するように、配置されている。
【0072】
このように複数の発光モジュール410に複数の光学部材480が1対1の関係で配置されている構成の場合も、それぞれの光学部材480によって、各発光モジュール410からの出射光が出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届くように、前記出射光が拡散されるため、照射角が狭い発光モジュール410が平面配置されていても照明用光源の配光特性が良好である。
【0073】
<第3の実施形態>
図13は、第3の実施形態に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための平面図である。図13に示すように、第3の実施の形態に係る照明用光源は、複数の光学部材580を備える点において、第1の実施形態に係る照明用光源1と相違する。その他の構成については基本的に第1の実施形態に係る照明用光源1と略同様である。
【0074】
光学部材580は、例えば5つであって、それぞれが外側部581と内側部582とで構成されており、各光学部材580は、第1の実施形態に係る光学部材80と構成が略同じであるが、外径R1が光学部材80のよりも小さい。発光モジュール10は、基台20の上面21のランプ軸J上に配置されており、全ての光学部材580は、上方から見て、発光モジュール10の封止体13の上面13aと重なる位置に、ランプ軸Jを中心に点対称で配置されている。具体的には、1つの光学部材580が、その柱軸が封止体13の上面13aの中心に位置するように配置されており、その光学部材580に対して、封止体13の上面13aの四隅に向けた四方に4つの光学部材580が配置されている。
【0075】
このように1つの発光モジュール10の上方側に複数の光学部材580が配置されている場合も、それら光学部材580によって、発光モジュール10からの出射光が出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届くように、前記出射光が拡散されるため、照射角が狭い発光モジュール10が平面配置されていても照明用光源の配光特性が良好である。
【0076】
<第4の実施形態>
図14は、第4の実施形態に係る発光モジュールおよび光学部材を説明するための図であって、(a)は平面図、(b)は(a)におけるA−A線断面図である。図14(a)に示すように、第4の実施の形態に係る照明用光源は、発光モジュール610が複数であり、それらに対し光学部材680が1つである点において、第1の実施形態に係る照明用光源1と相違する。その他の構成については基本的に第1の実施形態に係る照明用光源1と略同様である。
【0077】
発光モジュール610は、例えば5つであって、基台20の上面21にランプ軸を中心に点対称で平面配置されている。具体的には、発光モジュール610は、ランプ軸J上に1つ配置されていると共に、その四方に1つずつ配置されている。このように発光モジュール610が複数の場合でも、平面配置されていれば基台20への取り付けは容易である。各発光モジュール610は、実装基板611、半導体発光素子(不図示)、および封止体613を備え、第1の実施形態に係る発光モジュール10と構成は略同じであるが、サイズが光学部材80よりも小さい。
【0078】
光学部材680は、外側部681と内側部682とで構成されており、第1の実施形態に係る光学部材80と構成が略同じであるが、外径R1が光学部材80のよりも大きい。光学部材680は、その柱軸とランプ軸Jとが一致した状態で、発光モジュール610の上方側に配置されており、ランプ軸J上に配置された発光モジュール610の封止体613の上面613aを完全に覆っていると共に、その四方に配置された各発光モジュール610の封止体613の上面613aのランプ軸J側の約半分を覆っている。
【0079】
図14(b)に示すように、隣り合う発光モジュール610の封止体613間の隙間603には、樹脂などの透光性材料が充填されており、各発光モジュール610からの出射光が光学部材680内に効率良く入射するようになっている。
このように複数の発光モジュール610に対して1つの光学部材680が配置された構成の場合も、光学部材680によって、各発光モジュール610からの出射光が出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届くように、前記出射光が拡散されるため、照射角が狭い発光モジュール610が平面配置されていても照明用光源の配光特性が良好である。
【0080】
<第5の実施形態>
図15は、第5の実施形態に係る照明用光源を示す一部破断斜視図である。図16は、第5の実施形態に係る照明用光源を示す断面図である。図17は、図16において二点鎖線で囲んだ部分を示す拡大断面図である。
図15および図16に示すように、第5の実施形態に係る照明用光源700は、発光モジュール710、基台720、グローブ30、回路ユニット40、回路ホルダ750、ケース60、口金70、光学部材780およびキャップ部材790を備える。なお、第1の実施形態と同じ部材については、そのまま第1の実施形態と同じ符号を用いている。
【0081】
図15に示すように、発光モジュール710は、略円環状の実装基板711と、実装基板711に実装された光源としての複数の半導体発光素子712と、それら半導体発光素子712を被覆するように実装基板711上に設けられた封止体713とを備える。
実装基板711は、中央に略円形の孔部714を有し、内周縁の一箇所から孔部714の中心へ向けて舌片部715が延設されている。そして、舌片部715の下面に、回路ユニット40の配線41が接続されるコネクタ716が設けられており、配線41をコネクタ716に接続することによって発光モジュール710と回路ユニット40とが電気的に接続される(図16参照)。
【0082】
半導体発光素子712は、例えば32個が実装基板711の上面に環状に実装されている。具体的には、実装基板711の径方向に沿って並べられた半導体発光素子712を2個で1組として、16組が実装基板711の周方向に沿って等間隔を空けて並べて円環状に配置されている。なお、本願において環状とは、円環状だけでなく、三角形、四角形、五角形など多角形の環状も含まれる。したがって、半導体発光素子712は、例えば楕円や多角形の環状に実装されていても良い。
【0083】
半導体発光素子712は、1組ごと個別に略直方体形状の封止体713によって封止されている。したがって、封止体713は全部で16個である。各封止体713の長手方向は、実装基板711の径方向と一致しており、上方側からランプ軸Jに沿って下方側を見た場合において(平面視において)、ランプ軸Jを中心として放射状に配置されている。
基台720は、例えば、略円柱状の貫通孔721を有する略円筒状であり、その筒軸がランプ軸Jと一致する姿勢で配置されている。そして、基台720の上面722には発光モジュール710が、各半導体発光素子712がそれぞれの主出射方向を上方に向いた状態で搭載されている。基台720に貫通孔721が設けられているため、照明用光源700は軽量である。また、貫通孔721内と、貫通孔721を介してグローブ30内とに、回路ユニット40の一部が配置されているため、照明用光源700は小型である。
【0084】
回路ホルダ750は、例えば、両側が開口した略円筒状であって、基台720の貫通孔721を貫通している大径部752と、口金70が外嵌されている小径部753とで構成される。大径部752の上方側端部755には有底筒状のキャップ部材790が取り付けられており、大径部752およびキャップ部材790の内部に回路ユニット40が収容されている。
【0085】
回路ホルダ750には、発光モジュール710の舌片部715に対応した位置に貫通孔757が設けられている。舌片部715の先端は、貫通孔757を介して回路ホルダ750内に挿入されており、舌片部715に設けられたコネクタ716は、回路ホルダ750内に位置している。
図17に示すように、回路ホルダ750と基台720とは接触しておらず、回路ホルダ750の外面756と基台720の貫通孔721の周面723との間には隙間が設けられている。したがって、発光モジュール710で発生した熱が回路ホルダ750へ伝搬し難く、回路ホルダ750が高温になり難いため、回路ユニット40が熱破壊し難い。
【0086】
図16に戻って、キャップ部材790は、上方側が閉塞し下方が開口した有底筒状であり、上方へ向かって漸次縮径した上方部分791と、上下方向に径が均一な円筒状の下方部分792とで構成され、上方部分791はグローブ30内に位置し、下方部分792は光学部材780の貫通孔783内に位置する。下方部分792と光学部材780と間には隙間が設けられている。したがって、発光モジュール710で発生した熱が光学部材780を介して回路ホルダ750へ伝搬し難く、回路ホルダ750が高温になり難いため、回路ユニット40が熱破壊し難い。
【0087】
光学部材780は、発光モジュール710からの出射光が出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届くように、前記出射光を拡散させるための部材であって、発光モジュール710の上方側に配置されている。
光学部材780は、例えば、中央に略円筒状の貫通孔783を有する略円錐台状(上方側に向かって外径が大きくなる略円錐台状)であって、光学部材780の中心軸(外側部781および内側部782の中心軸でもある)とランプ軸Jとは一致している。なお、光学部材780の中心軸は必ずしもランプ軸Jと一致している必要はないが、ランプ軸Jを中心とする全周に亘って均一な配光を得るためには、前記中心軸がランプ軸Jと平行であることが好ましく、前記中心軸とランプ軸Jとが一致していることがより好ましい。
【0088】
光学部材780は、中央に略円筒状の貫通孔を有する略円錐台状(上方側に向かって外径が大きくなる略円錐台状)の内側部782と、図17に示すように、内側部782の下面782bおよび外周面782cを覆う外側部781とで構成されている。外側部781および内側部782は、それぞれ第1の実施形態に係る外側部81および内側部82と同様の透光性材料で構成されている。
【0089】
光学部材780の上面780aは、外側部781の上面781aと内側部782の上面782aとで構成されている。光学部材780の下面780bは、外側部781の下面781bで構成されている。光学部材780の外周面780cは、外側部781の外周面781cで構成されている。なお、外側部781と内側部782との間には隙間がない。
光学部材780の上面780aおよび下面780bは、それぞれランプ軸Jと直交する平面であり、光学部材780の外周面780cはランプ軸Jに対して傾斜した斜面である。なお、光学部材780の上面780aおよび下面780bは平面に限定されず、例えば、光学部材780の上面780aを、倒円錐面などの凹面や、円錐面などの凸面として、光学部材780から出射される光の拡散度合いを調整しても良い。封止体713の上面713aに接触させる光学部材780の下面780bは、平面であることが好ましい。
【0090】
発光モジュール710の封止体713から出射され、外側部781の下面781bから外側部781内に入射し、さらに内側部782の外周面782cで反射した光は、例えば図17において光路L6で示すように、外側部781内で内部反射を繰り返し、外側部781の上面781aから光学部材780外へ出射する。
発光モジュール710の封止体713から出射され、外側部781の下面781bから外側部781内に入射し、さらに内側部782の下面782bに入射した光は、例えば図17において光路L7で示すように、内側部782を透過して内側部782の上面782aから光学部材780外へ出射する。また、例えば図17において光路L8で示すように、内側部782内で散乱して外側部781に入射する。外側部781に入射した光は、外側部781内で内部反射を繰り返し、外側部781の上面781aから光学部材780外へ出射する。
【0091】
発光モジュール710の封止体713から出射され、外側部781の外周面781cで反射した光は、例えば図17において光路L9で示すように、斜め下方に向かう。なお、外側部781の外周面781cには鏡面処理が施されていても良い。このようにすれば、外周面781cから外側部781内へ光が入射するのを防止できる。外周面781cに鏡面処理を施す方法としては、例えば金属薄膜や誘電体多層膜などの反射膜を、例えば熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタ法、メッキ、などの方法により形成することが考えられる。
【0092】
以上のようにして、発光モジュール710からの出射光は、出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届くように、光学部材780によって拡散される。したがって、グローブ30の内面32における下方寄りの領域に光がより多く届くことになり、照明用光源700の配光角が広がる。グローブ30に届いた光は、さらにグローブ30によって拡散される。このような構成とすることで、照明用光源700は配光角270°〜310°を実現できた。なお、光学部材780がない場合の配光角は約220°であった。
【0093】
なお、広い配光角を得るためには、光学部材780の上面780aおよび外周面780cが、ケース60の上方側端部61よりも、ランプ軸Jに沿った方向における上方側に位置していることが好ましい。さらに、封止体713の上面713aが、ケース60の上方側端部61よりも、ランプ軸Jに沿った方向における上方側に位置していることがより好ましい。
【0094】
照明用光源700は、照射角が狭い発光モジュール710が平面配置されていても、光学部材780によってその照射角を広げることができるため、配光特性が良好である。また、外側部781が光学部材780の外周全体に亘って存在しているため、ランプ軸Jを中心とする全周に亘って照射角を広げることができ、その全周に亘って配光特性が良好である。
【0095】
<第6の実施形態>
図18は、第6の実施形態に係る光学部材を説明するための図であって、(a)は断面図、(b)は光学部材による出射光の拡散の態様を説明するための概略図である。なお、図18(b)では、光学部材および発光モジュール以外の部材は省略している。
図18(a)に示すように、第6の実施の形態に係る照明用光源800は、光学部材880の上面880aおよび下面880bが平面でない点、および、光学部材880と発光モジュール10との間に隙間801が設けられている点において、第1の実施形態に係る照明用光源1と相違する。その他の構成については基本的に第1の実施形態に係る照明用光源1と略同様である。
【0096】
光学部材880は、発光モジュール10からの出射光が出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届くように、前記出射光を拡散させるための部材であって、図18(a)に示すように、基台20の上面21に取り付けられた一対の支持部材890によって支持されており、発光モジュール10の上方側に、発光モジュール10から離した状態で配置されている。
【0097】
各支持部材890は、基台20にねじ止めされる台座891と、当該台座891に延設された支柱892とを備え、当該支柱892の基端には、発光モジュール10を基台20に固定するための爪状の固定部893が設けられ、当該支柱892の先端には、光学部材880を上下から掴んで固定する断面略コ字形の把持部894が設けられている。
光学部材880は、例えば、筒状であってその筒軸がランプ軸Jと平行である外側部881と、外側部881の筒内に詰められた柱状の内側部882とで構成される。より具体的には、光学部材880は円柱状であって、外側部881はランプ軸Jと一致する筒軸を有する円筒状であって、内側部882は外側部881の筒内に隙間なく詰められた円柱状であってその柱軸がランプ軸Jと一致する。
【0098】
図18(b)に示すように、光学部材880の上面880aは、外側部881の上面881aと内側部882の上面882aとで構成されている。光学部材880の下面880bは、外側部881の下面881bと内側部882の下面882bとで構成されている。光学部材880の上面880aおよび下面880bはそれぞれ曲面である。
外側部881および内側部882は、それぞれ透光性材料からなる。ただし、内側部882の材料は、外側部881の材料よりも屈折率が低い。発光モジュール10の上方側発光面13aから出射され、光学部材880に入射した光は、より屈折率の高い材料で形成された外側部881に集まり、図18(b)において光路L10で示すように、主として外側部881の上面881aから出射される。なお、外側部881の上面881aから出射される光は、主としてランプ軸Jに沿って上方へ出射されるのではなく、主としてランプ軸Jに対して30°〜60°の範囲の出射角で出射される。
【0099】
光学部材880の上面880aは、光学部材880内から上面880aを透過して外部へ出射する光を、グローブ30の頂部33へ向けて集光させる集光面となっている。具体的には、上面880aは、発光モジュール10側に凹んだ凹曲面形状であって、ランプ軸Jを含む仮想面で切断した場合の切断面(以下、「縦断面」と称する)において、発光モジュール10側に凹んだ略楕円弧形状である。光学部材880の上面880aから出射する光は、図18(b)において光路L11で示すように、グローブ30の頂部33に集束する。したがって、グローブ30の頂部33を明るくすることができ、配光特性をより良好にすることができる。
【0100】
光学部材880の下面880bは、発光モジュール10からの出射光の一部をグローブ30の裾部34へ向けて反射させる反射面となっている。具体的には、下面880bは、発光モジュール10側に突出した凸曲面形状であって、縦断面において、発光モジュール10側に膨らんだ略楕円弧形状である。発光モジュール10から出射され、光学部材880の下面880bに入射した光の一部は、図18(b)において光路L12で示すように、斜め下方に反射してグローブ30の裾部34に届く。したがって、グローブ30の裾部34を明るくすることができ、配光特性をより良好にすることができる。
【0101】
光学部材880と発光モジュール10との間には隙間801が設けられている。光学部材880は、発光モジュール10から離した状態で配置されているため、光学部材880と発光モジュール10は接触していない。したがって、光学部材880の下面880bと発光モジュール10の上方側発光面13aも接触しておらず、光学部材880の下面880bと発光モジュール10の上方側発光面13aとは離間しているので、下面880bで反射した光が、発光モジュール10や基台20には向かわず、グローブ30の裾部34に届き易い。また、光学部材80が発光モジュール10に接触していないため、発光モジュール10の上方側発光面13aに荷重や応力がかかり難い。
【0102】
図19は、第6の実施形態に係る光学部材の配光特性を説明するための配光曲線図である。第6の実施形態に係る光学部材880の配光特性を、第1の実施形態に係る光学部材80の配光特性と比較してみると、図19に示すように、発光モジュール10からの出射光が、出射角30°〜60°の範囲で最大光度となってグローブ30の内面32に届く点においては同じである。しかしながら、第6の実施形態に係る光学部材880は、上面880aが集光面となっているため、第1の実施形態に係る光学部材80よりも、出射角0°付近の光度が増している。また、第6の実施形態に係る光学部材880は、下面880bが反射面となっているため、第1の実施形態に係る光学部材80よりも、出射角90°付近の光度が増している。
【0103】
なお、第6の実施形態に係る光学部材880は、上面880aが集光面になっている点、下面880bが反射面となっている点、発光モジュール10との間に隙間801が設けられている点の3点全てを満たす構成に限定されず、それら3点の内の少なくとも1点を満たしていれば良い。
図20は、第6の実施形態の変形例に係る光学部材を説明するための断面図である。例えば、図20(a)に示す例では、光学部材880Aは、上面880Aaが平面であり集光面となっていないが、下面880Abは反射面となっており、発光モジュール10との間には隙間801Aが設けられている。この場合、グローブ30の頂部33には集光し易くなっていないが、グローブ30の裾部34には光が届き易くなっている。
【0104】
また、図20(b)に示す例では、光学部材880Bは、上面880Baが集光面となっているが、下面880Bbは反射面となっておらず、発光モジュール10との間には隙間801Bが設けられている。この場合、グローブ30の頂部33には集光し易くなっているがが、グローブ30の裾部34には光が届き易くなっていない。
また、図20(c)に示す例では、光学部材880Cは、上面880Caが集光面となっており、下面880Cbも反射面となっており、発光モジュール10との間にも隙間801Cが設けられている。但し、光学部材880Cは、ランプ軸J付近では発光モジュール10と接触しており、ランプ軸J上には隙間はなく、隙間801Cが存在するのは、下面880Cbの外周領域と上方側発光面13aの外周領域との間である。この場合、グローブ30の頂部33には集光し易くなっており、グローブ30の裾部34にも光が届き易くなっている。このように、少なくとも光学部材880Cの下面880Cbの外周領域が反射面となっており、且つ、光学部材880Cの下面880Cbの外周領域と発光モジュール10の上方側発光面との間に隙間801Cが設けられていれば、上方側発光面13aの外周領域からの出射光を効率良くグローブ30の裾部34へ届けることができる。また、ランプ軸J上の光学部材880Cと発光モジュール10とが接触している箇所において、光学部材880Cを発光モジュール10に固定することが可能である。
【0105】
また、光学部材の上面の集光面は、縦断面において発光モジュール10側に凹んだ略楕円弧形状に限定されず、グローブ30の頂部33に集光可能な形状であれば良い。例えば、図20(d)に示す光学部材880Dのように、上面880Daの集光面が、縦断面において発光モジュール10側に凹んだ略V字状であっても良い。この場合も、グローブ30の頂部33を明るくする効果を奏する。
【0106】
さらに、光学部材の下面の反射面は、縦断面において発光モジュール10側に突出した略楕円弧形状に限定されず、グローブ30の裾部34に光が届き易い形状であれば良い。例えば、図20(d)に示す光学部材880Dのように、下面880Dbの反射面が、縦断面において発光モジュール10側に突出した略V字状であっても良い。この場合も、グローブ30の裾部34を明るくする効果を奏する。
【0107】
また、光学部材は、上面の全体が集光面となっている必要はなく、上面の一部のみが集光面となっていても良い。例えば、図20(e)に示す光学部材880Eの上面880Eaように、ランプ軸J付近では集光面ではない平面であり、その平面の外側の外周領域に環状の集光面が形成されていても良い。
同様に、光学部材は、下面の全体が反射面となっている必要はなく、下面の一部のみが反射面となっていても良い。例えば、図20(e)に示す光学部材880Eの下面880Ebように、ランプ軸J付近では集光面ではない平面であり、その平面の外側の外周領域に環状の反射面が形成されていても良い。この場合でも、上方側発光面13aの外周領域からの出射光を効率良くグローブ30の裾部34へ届けることができる。
【0108】
さらに、光学部材は、上面の集光面と下面の反射面の形状の種類が違っていても良い。例えば、図20(f)に示す光学部材880Fのように、上面880Faは、縦断面において発光モジュール10側に突出した略楕円弧形状であるが、下面880Fbは、ランプ軸J付近では平面であって、且つ、その平面の外側に環状の集光面が形成されており、下面880Fbの平面の部分が発光モジュール10に固定されている態様であっても良い。
【0109】
<その他>
以上、本発明の構成を第1〜第6の実施の形態およびそれらの変形例に基づいて説明したが、本発明は上記実施の形態に限られない。例えば、第1〜第6の実施形態に係る構成、およびそれらの変形例に係る構成を、部分的に適宜組み合わせてなる照明用光源であっても良い。また、上記実施の形態に記載した材料、数値等は好ましいものを例示しているだけであり、それに限定されることはない。さらに、本発明の技術的思想の範囲を逸脱しない範囲で、照明用光源の構成に適宜変更を加えることは可能である。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、照明一般に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0111】
1,700 照明用光源
2 外囲器
10,210,410,610,710 発光モジュール
13a,213a,413a,613a,713a 上方側発光面
30 グローブ
32 内面
33 頂部
34 裾部
60 ケース
61 上方側端部
80,180,380,480,580,680,780 光学部材
80b,780b 下面
81,181,381,481,581,681,781 外側部
82,182,382,482,582,682,782 内側部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明方向である上方側に開口を有する筒状のケースと、前記ケースの上方側に前記開口を塞ぐように取り付けられたグローブとで構成される外囲器内に、光源としての1または複数の発光モジュールが収容された照明用光源であって、
前記外囲器内の全ての発光モジュールは、主出射方向を上方に向けた姿勢で平面配置されており、前記発光モジュールの上方側には、前記発光モジュールからの出射光を拡散させる1または複数の光学部材が配置されており、
前記光学部材は、筒状であってその筒軸がランプ軸と平行である外側部と、当該外側部の筒内に詰められた柱状の内側部とで構成され、前記外側部は透光性材料からなると共に、前記内側部は前記外側部の透光性材料よりも屈折率の低い透光性材料からなることを特徴とする照明用光源。
【請求項2】
前記外側部は、筒軸がランプ軸と一致した円筒状であって、前記内側部は、前記外側部の筒内に隙間なく詰められた円柱状であることを特徴とする請求項1記載の照明用光源。
【請求項3】
前記光学部材の下面の少なくとも一部は、前記発光モジュールからの出射光の一部を前記グローブの裾部へ向けて反射させる反射面となっていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明用光源。
【請求項4】
前記光学部材の上面の少なくとも一部は、前記光学部材内から前記上面を透過して外部へ出射する光を、前記グローブの頂部へ向けて集光させる集光面となっていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明用光源。
【請求項5】
照明方向である上方側に開口を有する筒状のケースと、前記ケースの上方側に前記開口を塞ぐように取り付けられたグローブとで構成される外囲器内に、光源としての1または複数の発光モジュールが収容された照明用光源であって、
前記外囲器内の全ての発光モジュールは、主出射方向を上方に向けた姿勢で平面配置されており、前記発光モジュールの上方側には、前記発光モジュールからの出射光を拡散させる1または複数の光学部材が配置されており、
前記光学部材は、円錐台状であってその中心軸がランプ軸と平行である内側部と、当該内側部の下面および外周面を覆う外側部とで構成され、前記外側部は透光性材料からなると共に、前記内側部は前記外側部の透光性材料よりも屈折率の低い透光性材料からなることを特徴とする照明用光源。
【請求項6】
前記光学部材は、上方側から見て、前記発光モジュールの上方側発光面よりも小さく、かつ、前記光学部材全体が前記上方側発光面と重なる位置に配置されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の照明用光源。
【請求項7】
前記光学部材の下面は、前記発光モジュールの上方側発光面と面接触していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の照明用光源。
【請求項8】
前記光学部材と前記発光モジュールとの間に隙間が設けられている請求項1〜6のいずれかに記載の照明用光源。
【請求項9】
前記グローブの最大外径は、前記ケースの上方側端部の外径よりも大きいことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の照明用光源。
【請求項10】
前記発光モジュールは1つであって、ランプ軸上に配置されており、前記光学部材も1つであって、ランプ軸上に配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の照明用光源。
【請求項11】
前記発光モジュールは複数であって、ランプ軸を中心に点対称で配置されており、前記光学部材も複数であって、前記各発光モジュールの上方側に1対1の関係で配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の照明用光源。
【請求項12】
前記発光モジュールは1つであって、ランプ軸上に配置されており、前記光学部材は複数であって、上方から見て、前記発光モジュールの上方側発光面と重なる位置に全ての光学部材が配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の照明用光源。
【請求項13】
前記発光モジュールは複数であって、ランプ軸を中心に点対称で配置されており、前記光学部材は1つであって、ランプ軸上に配置されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の照明用光源。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−80695(P2013−80695A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−171734(P2012−171734)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2012−529995(P2012−529995)の分割
【原出願日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】