説明

照明装置、及びそれを備えた照明機器

【課題】導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高めて光利用効率が向上し、かつ直接照明としての空間照明および間接照明としての天井照明の両方を同時に実現する照明装置を提供する。
【解決手段】平板状の導光板13と光源とを備え、光源からの出射光を導光板13の内部で導光しながら導光板13の表面側から直接照明光として照射させる。また、上記直接照明光として照射されず、導光板13の外周端部から出射された光は、導光板13の外周に備えられた光透過性部材であるフレーム20によって、フレーム20内を導光された後、間接照明光として導光板13の表面側と異なる方向(例えば天井側)へ照射される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源からの光を導光板によって面状に出射させる照明装置、及びそれを備えた照明機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、照明装置においては、白熱球に替わって低消費電力・低発熱性による省エネルギー化が可能なLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)が用いられている。すなわち、LED照明は、供給される電力の多くが発光に使われ、つまり発光効率が高いために、従来の白熱照明と同じ明るさを作るのに必要な電力が少なくて済む。また、消費電力が少ないということは、従来では熱となって失われていた電力分の発熱が少なくて済み、低発熱な照明器具となるという特徴を有している。
【0003】
そして、近年では、白熱球に代替するLED電球のみならず、天井面に固定されるシーリングライト等に対してもLEDを用いた照明器具が出現するようになってきている。
【0004】
例えば、特許文献1には、LEDを用いて器具本体の側方及び背面方向に光を放射させて、天井面を明るくすることが可能な照明器具が開示されている。
【0005】
上記特許文献1に開示された照明器具100は、住宅用の天井直付け形のシーリングライトであり、図14(a)(b)に示すように、器具本体110と、該器具本体110の前面及び側面を覆う透光カバー101と、該透光カバー101の周縁部101aから器具本体110の側方及び背面方向に向けて光を放射させる光制御体102とを備えている。
【0006】
そして、器具本体110には、複数のLEDを有する発光モジュール120と、LEDを点灯する点灯装置111とが備えられている。上記発光モジュール120は、図14(c)(d)に示すように、基体121と、この基体121の上に搭載された複数のLEDチップ122a…とこれらLEDチップ122a…により励起される黄色蛍光体122bとで構成されて高輝度、高出力の白色の光を発光する半導体発光素子122とを備えている。
【0007】
この構成により、器具本体110の側方及び背面方向に光を放射させ、天井面を明るくすることが可能な照明器具100を提供するものとなっている。
【0008】
ところで、この種の照明器具100においては、シーリングライトの略全面に複数の発光モジュール120を並べて配置するので、半導体発光素子122の個数が増加しコスト高となる。
【0009】
そこで、この問題を解消するために、例えば、液晶表示装置のバックライトに使用された技術が特許文献2に開示されている。
【0010】
特許文献2に開示された表示装置用バックライト200は、図15に示すように、導光板210の下方に発光ダイオード201が、その光軸が導光板210に直交するようにして設けられている。そして、導光板210の表面における発光ダイオード201の直上においては、発光ダイオード201からの光を導光板210の両端部側へ反射すべく、曲面からなる反射面211・211が形成されている。また、発光ダイオード201の下側には反射シート202が設けられている。
【0011】
上記の構成により、発光ダイオード201を導光板210の中心線上に配置すればよいので、発光ダイオード201の個数の削減を図ることが可能となっている。
【0012】
さらに、特許文献3には、線状光源とミラーとの組み合わせによって平面照射を行うシーリングライトからなる照明器具が開示されている。特許文献3に開示された照明装置では、器具本体の外縁部に設けられた光源から、中央側の曲面ミラーに向けて光を照射し、これを反射させることで平面照射を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2010−140797号公報(2010年6月24日公開)
【特許文献2】特開2006−49324号公報(2006年2月16日公開)
【特許文献3】特開2009−9898号公報(2009年1月15日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、上記従来の特許文献2に開示された表示装置用バックライト200では、導光板210に曲面からなる反射面211・211を形成しなければならない。したがって、導光板210を加工しなければならないので、コスト高になり、特に、大型導光板の加工は面積が大きく困難であるという問題点を有している。
【0015】
また、特許文献2に開示された表示装置用バックライト200では、導光板210における発光ダイオード201の直上においては、光の液晶パネル側への出射光量が大きくなり過ぎ、導光板全体での均一照射が困難であるという問題点を有している。
【0016】
また、特許文献3に開示された照明装置では、曲面ミラーの使用によって装置の厚みが増加するといった問題を有している。
【0017】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、光源の個数の増加及び導光板の加工を伴うことなく、導光板全体での均一照射を可能とする照明装置、及びそれを備えた照明機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の照明装置は、上記の課題を解決するために、平板状の導光板と、該導光板の裏面側に配置された光源とを備え、該光源からの出射光を該導光板に入射させ、入射した光を該導光板の内部で全反射させて導光しながら該導光板の少なくとも表面側から照射させる照明装置であって、
上記導光板に対して斜めに光を入射させるように上記光源からの出射光を結合する光結合部材が、該導光板と該光源との間に設けられていると共に、
上記導光板の外周端部には、該導光板の外周端部から出射される光の方向を制御する照射方向制御部が設けられていることを特徴としている。
【0019】
本発明の照明装置では、平板状の導光板の裏面側に光源と光結合部材とが配置されており、該光結合部材は、光源から出射された光を、平板状の導光板に対して斜めに入射させるように光を結合する。このため、導光板の裏面側に配置された光源から出射された光は光結合部材を介して導光板に結合して斜めに入射され、導光板の内部を全反射しながら導光板の端部まで移動し、その途中で光路変換素子にて全反射条件が破れて導光板の表面側から照射される。
【0020】
この結果、従来のサイドエッジ型導光板とは異なり、導光板直下型のバックライトとなっているので、額縁寸法を小さくすることができる。また、サイドエッジ型導光板においては必要であった熱膨張を回避するための光源と導光板との隙間が不要となるので、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上することができる。
【0021】
また、本発明では、導光板とは別体の光結合部材を設けることにより、平板状の導光板に対して斜めに光を入射させるので、導光板の内部では入射光が全反射しながら導光される。この結果、導光板を加工しなくても、光結合部材を介して、光源からの入射光を導光板の内部にて導光させることができる。
【0022】
したがって、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上し得る照明装置を提供することができる。
【0023】
さらに、本発明の照明装置では、上記導光板の外周端部に、該導光板の外周端部から出射される光の方向を制御する照射方向制御部が設けられている。また、制御された光の少なくとも一部は上記導光板の裏面側へ照射することができる。本発明の照明装置を用いれば、直接照明としての空間照明および間接照明としての天井照明の両方を同時に実現することができる。従来のサイドエッジ型導光板では、端部(外周縁部)は光入射部として利用されているので、導光板の端部に光取出し機能を付与することができない。
【0024】
また、本発明の照明装置では、上記照射方向制御部は、上記導光板の外周に備えられた光透過性部材からなっており、上記光透過性部材は、上記導光板の外周端部から出射される光をその内部で導光した後、その少なくとも一部の光を該導光板の表面側と異なる方向へ照射させる構成とすることができる。
【0025】
上記の構成によれば、上記照射方向制御部を、例えば、樹脂等によって構成される光透過性部材によって容易に得ることができる。
【0026】
また、本発明の照明装置では、上記導光板と上記光透過性部材との間には、上記導光板の外周端部から出射される光の一部を透過しかつ一部を反射する一部透過反射部材が設けられている構成とすることができる。
【0027】
上記の構成によれば、上記一部透過反射部材の反射率を選択することで、直接照明光と関節照明光との比率を変えることが可能となる。
【0028】
また、本発明の照明装置では、上記光透過性部材の表面側には、上記光透過性部材の内部を導光され該光透過性部材の表面側に出射された光を反射させる反射部材が設けられている構成とすることができる。また、上記反射部材は、上記導光板と平行となるように配置されている構成とすることができる。
【0029】
上記の構成によれば、上記光透過性部材の表面側(例えば、室内側)に導光された光を反射し、裏面側(例えば、天井側)への照射光量を増加させることができる。
【0030】
また、本発明の照明装置では、上記光透過性部材は、上記導光板の表面側で上記導光板と平行に配置された第1の突出部と、上記導光板の裏面側で上記導光板と平行に配置された第2の突出部とを有している構成とすることができる。また、上記第1の突出部と第2の突出部とは、突出長さが互いに異なっている構成とすることができる。
【0031】
上記の構成によれば、上記第1の突出部と上記第2の突出部とのサイズを変更することで、表面側の取出し光量と裏面側の取出し光量との比率を変化させることができる。
【0032】
また、本発明の照明機器は、上述した照明装置を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0033】
本発明は、導光板の加工を伴うことなく、光源から導光板への結合効率を高め、光利用効率を向上した照明装置を提供するという効果を奏する。さらに、本発明は、導光板に入射した光の照射方向を制御し、その一部を該導光板の裏面側へ照射できる照射方向制御部を外周端部に設けているので、直接照明としての空間照明および間接照明としての天井照明の両方を同時に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明における照明装置を備えた照明機器の実施の一形態を示すものであって、照明機器としてのシーリングライトにおける照明装置の要部の構成を示す断面図である。
【図2】(a)は上記シーリングライトの構成を示す、表面側からの斜視図であり、(b)は上記シーリングライトの構成を示す、裏面側からの斜視図である。
【図3】上記照明装置における光源モジュールの構成を示す斜視図である。
【図4】(a)はLEDから出射した光が放物面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はLED近傍の光路を示す要部断面図である。
【図5】(a)はLEDから出射した光が楕円面を有する光結合部材を介して導光板に入射するときの光路を示す断面図であり、(b)はLED近傍の光路を示す要部断面図である。
【図6】(a)は2つのLEDから出射した光が放物面・楕円面を有する光結合部材を介して導光板に入射し、導光板の表面側から出射するときの光路を示す断面図であり、(b)は導光板の裏面に設けられた帯状の光源モジュールを示す斜視図である。
【図7】(a)は上記導光板を示す平面図であり、(b)は(a)の点A・B上を通る弦上の輝度分布を示すグラフである。
【図8】上記光源モジュールから導光板に入射した光における円盤からなる導光板の外周での全反射条件を示す平面図である。
【図9】(a)は上記導光板の変形例の構成を示すものであって、矩形の導光板を示す平面図であり、(b)は矩形の角部を面取りした導光板を示す平面図であり、(c)は楕円の導光板を示す平面図であり、(d)は菱形の導光板を示す平面図である。
【図10】上記照明装置における光源モジュールの変形例の構成を示すものであって、枠状の光源モジュールを示す斜視図である。
【図11】上記照明装置における調色照明を示す断面図である。
【図12】(a)〜(e)は、本発明における照明装置の要部の構成の一実施形態を示す断面図である。
【図13】本発明における照明装置の要部の構成の一実施形態を示す断面図である。
【図14】(a)は従来の照明機器の構成を示す断面図であり、(b)はその照明機器の構成を示す平面図であり、(c)はその照明機器における照明装置の構成を示す断面図であり、(d)はその照明装置における照明装置の構成を示す平面図である。
【図15】従来の液晶表示装置に適用されるバックライトの構成を示す断面である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本発明の一実施形態について図1〜図13に基づいて説明すれば、以下のとおりである。
【0036】
本実施の形態の照明装置を備えた照明機器としてのシーリングライトの構成について、図1、図2(a)〜(b)及び図3に基づいて説明する。図1はシーリングライトにおける照明装置の要部の構成を示す断面図であり、図2(a)はシーリングライトの構成を示す、表面側からの斜視図であり、図2(b)はシーリングライトの構成を示す、裏面側からの斜視図であり、図3は光源モジュールの構成を示す、表面側からの斜視図である。尚、本明細書中において、特に説明がない限り、「表面」方向は、本発明の照明装置における光照射面の向きであり、「裏面」方向はその逆向きであり、「側面」方向は、表面方向および裏面方向の両方に直交する向きである。すなわち、本発明の照明装置がシーリングライトとして天井に設置された場合、「表面」は室内(床)側であり、「裏面」は天井側である。
【0037】
上記シーリングライト1は、図2(a)に示すように、例えば円盤状の照明装置10を備えており、この円盤状の照明装置10は、その外周にフレーム20を備えている。また、シーリングライト1の裏面では、図2(b)に示すように、円盤の直径上に光源モジュール30が設けられている。このシーリングライト1の直径は例えば550mmであり、最薄部は例えば10mmとなっている。尚、シーリングライト1の形状及び各寸法についてはこれに限らない。
【0038】
上記シーリングライト1の照明装置10は、図1に示すように、表面側から順に設けられた、拡散シート11、空気層12、導光板13及び光源モジュール30にて構成されている。導光板13の裏面における光源モジュール30が設けられていない部分には、その部分が開口となった反射シート14及びバックシャーシ15が設けられている。
【0039】
上記光源モジュール30には、図3に示すように、帯状に形成された光源ホルダー31の上にシート状のヒートシンク32が設けられていると共に、このヒートシンク32の上には、光源としての例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)チップと蛍光体とで構成される発光部33a・33b(図1参照)を搭載したLED基板34a・34bが設けられている。LED基板34a・34b上には、LED基板34a・34bと後述する光結合部材35との間に隙間を設けるためのスペーサ36a・36bが形成されている。この隙間により、光結合部材35が発光部33a・33bに当接して、発光部33a・33bが破損することを防止できる。但し、これに限られず、発光部33a・33bに損傷を与えない範囲であれば、発光部33a・33bが光結合部材35と密着していても構わない。尚、半導体の発光部は非常に微細なサイズであるため、図3では、図面の煩雑さを防ぐため発光部の記載を割愛する。また、本実施の形態では、光源として発光部33a・33bを用いているが、必ずしもこれに限らず、例えば、有機EL発光素子又は無機EL発光素子を用いることも可能である。
【0040】
ここで、本実施の形態では、発光部33a・33bは、青色LEDチップと黄色蛍光体の組み合わせ、青色LEDチップと赤色蛍光体と緑色蛍光体の組み合わせ、青色LEDチップと赤色LEDチップと緑色LEDチップの組み合わせ、有機EL素子などで構成される。さらに、発光部33a・33bは、色温度2000K〜6000Kの光を出射するものとなっている。すなわち、朝日や夕日の赤色光は、色温度約2000Kであり、太陽光線は色温度約5000K〜6000Kである。尚、液晶表示装置のバックライトで使用される光源では、例えば、色温度10000K〜20000Kの発光部が用いられる。
【0041】
上記発光部33a・33bは、2列に並んで互いに平行に複数個設けられていると共に、それら複数の発光部33a・33bの上側には、光結合部材35が設けられている。
【0042】
すなわち、本実施の形態のシーリングライト1は、図1に示すように、表面側に光を照射する導光板13と、導光板13に光を結合する光学素子としての光結合部材35と、上記光結合部材35に入射光を発する発光部33a・33bとを備え、照明装置10の表面側から裏面側へ向けて、導光板13、光結合部材35、発光部33a・33bがこの順に並んで配設されたものからなっている。したがって、本実施の形態のシーリングライト1における照明装置10は、発光部33a・33bが導光板13の裏面側に設けられた光源直下型の照明装置10となっている。
【0043】
ここで、本実施の形態では、光結合部材35は、図4(a)(b)に示すように、導光板13と発光部33a・33bとの間に設けられた断面略かまぼこ状の帯状体、詳細には断面略U字形状の棒状体からなっている。光結合部材35の材質は導光板13の材質と同じ樹脂からなっている。同じ材質であれば、屈折率を同じにすることができるので、光結合部材35から導光板13への光の入射が円滑に行われる。導光板13の屈折率が光結合部材35の屈折率よりも僅かに高い構成でも構わない。また樹脂に限るものではなく硝子等の材質でも構わない。また、発光部33a・33bの周囲に白色樹脂などで図示しない側壁を形成して配光制御をすることで、光結合部材35への結合効率を向上することができる。
【0044】
上記光結合部材35は、詳細には、図4(a)に示すように、光結合部材35における導光板13側の表面は、平板状の導光板13に当接する頂部平坦面35aと、この頂部平坦面35aから両端側にそれぞれ曲面35b・35cを有する形状からなっている。
【0045】
上記曲面35b・35cは、例えば、図4(a)に示す断面放物線とすることができる。ただし、必ずしもこれに限るものではなく、図5(a)〜(b)に示すように、断面楕円とすることも可能であり、その他、弓型等の湾曲形状、又は頂部平坦面35aから斜めに傾斜する平面であっても、導光板に光を有効に結合できる形状であれば構わない。
【0046】
上記光結合部材35における導光板13側とは反対側の面、つまり光結合部材35の下端は、図4(a)に示すように、下端平坦面35dとなっており、その一部に上述したスペーサ36a・36bが形成され、発光部33a・33bと光結合部材35の衝突を防ぐスペーサになっている。発光部33a・33bは、LED基板34a・34bにそれぞれボンディングされている。上記スペーサ36a・36bは、接着剤等を塗布し、LED基板34a・34bと接着固定されている。尚、図4(a)(b)に示すように、発光部33a・33bは、光結合部材35との間に若干の隙間が形成されているが、これに限られず、発光部33a・33bに損傷を与えない範囲であれば、発光部33a・33bが光結合部材35と密着していても構わない。
【0047】
また、光結合部材35の下端側の中央部には凹部35eが形成されている。ただし、必ずしもこれに限らず、凹部35eが存在せず、光結合部材35の断面が略半円状の詰った構成でも構わない。すなわち、本実施の形態では、曲面35b・35cにて反射する光の導光板13への光路が確保できればよいので、光路とならない部分は凹部35eとしてくり抜くことができる。これにより、コスト削減及び軽量化を図ることができる。尚、凹部35eに図示しない反射シート等の反射手段を設けることも可能である。これにより、頂部平坦面35a近傍で迷光が発生する場合があっても迷光の一部を導光板13側に反射させその表面側への照射を向上させることができる。
【0048】
上記光結合部材35の下端平坦面35d・35dの下側(裏面側)には、発光部33a・33bがそれぞれ光結合部材35に近接して設けられている。これら発光部33a・33bは、図4(b)及び図5(b)に示すように、断面放物線又は断面楕円からなる曲面35b・35cの焦点位置Fよりも端部側(側面側)に存在することが好ましい。これにより、例えば、図4(a)に示すように、例えば発光部33aから出射された光が光結合部材35の断面放物線の曲面35bにて反射され、その反射光が光結合部材35の頂部平坦面35aに到達し、到達方向を維持して導光板13に斜めに入射する。そして、導光板13に入射された光は、図4(a)に示す導光板13の右側の内部を全反射して進みつつ、導光板13の下面又は上面に形成された図示しない光路変換部である光散乱体と衝突することにより導光板13中を進む角度が変わり、全反射条件が破られ、導光板13から出射し、反射シート14にて反射し、さらに導光板13内を通過し、導光板13の表面から出射し、上記拡散シート11を通して前記シーリングライト1から発光される。尚、発光部33bから出射された光も、図6(a)に示すように、発光部33aからの光とは対称に進む。すなわち、左右の発光部33a・33bからの光が光結合部材35を通過し、導光板13に入射し、その内部を全反射伝搬する様子を模式的に示したものが図6(a)である。
【0049】
このような光路は、図5(a)(b)に示す断面楕円の光結合部材35においても同様である。
【0050】
このように、光結合部材35における曲面35b・35cの形状を断面放物線又は断面楕円とすることによって、発光部33a・33bからの出射光を、断面放物線又は断面楕円の曲面35b・35cにて反射させて効率よく結合して頂部平坦面35aから導光板13に入射させることができ、図6(a)に示すように、シーリングライト1から照明光を出射することができる。尚、断面放物線と断面楕円との対比においては、断面楕円の方が光を絞って導光板13に入射するよう結合できるので、結合効率を高くすることができる。
【0051】
この結果、本実施の形態のシーリングライト1における照明装置10では、図6(b)に示すように、円盤状のシーリングライト1における中央部、つまり中心線上に横切って帯状の光源モジュール30を設けることにより、図7(a)に示すように、導光板13の中心からX軸方向に半径の±約1/3離れた点A・Bを通る弦において、図7(b)に示す輝度分布を有する導光板13からの出射光を得ることができる。この結果、本実施の形態のシーリングライト1では均一で滑らかな輝度分布を得ることが可能となる。
【0052】
ここで、本実施の形態における円盤状のシーリングライト1の輝度分布について説明する。
【0053】
すなわち、本実施の形態では、図8に示すように、円盤状の導光板13において、中心線上に設けられた光源モジュール30から出射された光Pは外周端13aに達する。ここで、本実施の形態の導光板13は例えばアクリル板にてなっているので、スネルの法則により、外周端13aでの半径方向(接線Qとの法線方向)と光源モジュール30と直交する方向とのなす角度θが約42度を境界として、全反射しない領域S1と全反射する領域S2・S2とに分かれる。全反射しない領域S1は直径の中央側部であり、全反射する領域S2・S2は直径の両端側部である。このため、本実施の形態では、図示しない光路変換素子である光散乱部の配設パターン等を調整することにより、導光板13全体の輝度のさらなる均一化を図っている。
【0054】
また、本実施の形態の照明装置10では、図1に示すように、導光板13の裏面側から発光部33a・33bの光を入射させる。ここで、液晶表示装置のバックライトの分野においては、従来、サイドエッジ型のバックライトが用いられていたが、従来のサイドエッジ型のバックライトの光利用効率が75%であるのに対して、本実施の形態の照明装置10の光利用効率は88%であった。このように、本実施の形態の照明装置10は、従来のサイドエッジ型のバックライトよりも光利用効率において優れていることが判る。すなわち、従来のサイドエッジ型のバックライトでは、導光板の長手方向の温度上昇に伴う線膨張が大きいことから、発光部と導光板との間に隙間を設ける必要があり、その結果、発光部の出射光がこの隙間から漏れるので、光利用効率を上げることができなかった。この点、本実施の形態の照明装置10では、導光板13の直下に発光部33a・33bを設けているので、導光板13が熱膨張したときにも膨張寸法は小さい。したがって、隙間を設ける必要がないので、光利用効率を上げることができるものとなっている。
【0055】
また、その結果、本実施の形態の照明装置10では、従来のサイドエッジ型のバックライトとは異なり、図1に示すように、シーリングライト1の端部に光源が存在しないので、シーリングライト1の端部に、直接、フレーム20を設けることが可能である。この結果、額縁寸法を6mm以下にした面発光が可能になる。さらに、フレーム20を透明、半透明又は乳白色の樹脂材料にて構成することによって、フレーム20も含めた全面発光が可能になる。フレーム20の形状や材質を最適化することにより、裏面方向に発光する間接照明が可能になる。
【0056】
ところで、本実施の形態では、照明装置10は、例えば円盤状となっているが、必ずしもこれに限らず、図9(a)〜(d)に示すように、各種の形状とすることができる。具体的には、図9(a)は矩形の導光板13であり、図9(b)は矩形の角が面取りされた導光板13であり、図9(c)は楕円の導光板13であり、図9(d)は菱形の導光板13である。
【0057】
この場合、図9(a)に示す矩形の導光板13では、光源モジュール30からの光の導光方向、つまり帯状に延伸する光源モジュール30に直交する方向(進行方向)においては、光量は徐々に減少する。このため、光散乱部のドットパターンの分布は進行方向に向かうに伴ってドットパターンの数を増加させることにより、導光板13から表面側への均一な輝度分布を得ることができる。一方、光の導光方向に垂直な方向(垂直方向)においては、光量は一定であり、この結果、光散乱部のドットパターンの分布も均一である。
【0058】
また、図9(b)に示す矩形の角が面取りされた導光板13では、方形部分では、図(a)と同様である。すなわち、光源モジュール30からの光の導光方向(進行方向)においては、光量は徐々に減少する。このため、光散乱部のドットパターンの分布は進行方向に向かうに伴ってドットパターンの数を増加させることにより、導光板13から表面側への均一な輝度分布を得ることができる。また、光の導光方向に垂直な方向(垂直方向)においては、光量は一定であり、この結果、光散乱部のドットパターンの分布も均一である。
【0059】
一方、矩形の角の面取り部分では、光の導光方向に垂直な方向(垂直方向)において、光は全反射し、この結果、導光板13から表面側への均一な輝度分布を得るためには、垂直方向に進むに伴って、光散乱部のドットパターンを減少させる必要がある。
【0060】
さらに、図9(c)に示す楕円の導光板13では、光源モジュール30からの光の導光方向(進行方向)においては、光量は徐々に減少する。このため、光散乱部のドットパターンの分布は進行方向に向かうに伴ってドットパターンの数を増加させることにより、導光板13から表面側への均一な輝度分布を得ることができる。一方、光の導光方向に垂直な方向(垂直方向)においては、光は全反射し、この結果、導光板13から表面側への均一な輝度分布を得るためには、垂直方向に進むに伴って、光散乱部のドットパターンを減少させる必要がある。
【0061】
また、図9(d)に示す菱形の導光板13では、光源モジュール30からの光の導光方向(進行方向)においては、光量は徐々に減少する。このため、光散乱部のドットパターンの分布は進行方向に向かうに伴ってドットパターンの数を増加させることにより、導光板13から表面側への均一な輝度分布を得ることができる。一方、光の導光方向に垂直な方向(垂直方向)においては、光は全反射し、この結果、導光板13から表面側への均一な輝度分布を得るためには、垂直方向に進むに伴って、光散乱部のドットパターンを減少させる必要がある。
【0062】
尚、本実施の形態では、照明装置10の光源モジュール30は、帯状に設けられているが、必ずしもこれに限ることはない。例えば、図10に示すように、枠状であるリング状とすることが可能である。このように、照明装置10の形状に沿う枠状の光源モジュール30とすることによって、輝度の均一化を容易に図ることができる。
【0063】
また、本実施の形態の光源モジュール30では、上述したように、光源モジュール30においては光結合部材35の長手方向に沿って2列の発光部33a・33bが設けられている。したがって、この2列の発光部33a・33bの色温度をそれぞれ異ならせることによって、図11に示すように、調光・調色照明が可能となる。具体的には、発光部33aを昼白色とし、発光部33bを電球色とする。これにより、前記シーリングライト1の外側では昼白光を照射し、シーリングライト1の内側では電球色を照射する等の調光・調色照明を行うことが可能となる。
【0064】
さらに、本実施の形態では、光源モジュール30は1列にて設けられていたが、必ずしもこれに限らず、複数列であってもよい。これにより、明るさの向上及び調光照明が可能となる。
【0065】
このように、本実施の形態の照明装置10では、導光板13と発光部33a・33bとの間には、導光板13に対して斜めに光を入射させるように発光部33a・33bからの出射光を結合する光結合部材35が設けられている。このため、導光板13の裏面の発光部33a・33bから出射された光は光結合部材35を介して導光板13に結合して斜めに入射され、導光板13の内部を全反射しながら導光板13の端部まで移動し、その途中で光路変換素子である光散乱部にて全反射条件が破れて導光板13の表面側に出射される。
【0066】
この結果、発光部33a・33bを光結合部材35の裏面に沿って並べるだけで、導光板13の全面から光を照射することができる。この結果、発光部33a・33bを導光板13の裏面の全体に配置するのに比べて、発光部33a・33bの個数を減らすことができる。
【0067】
また、本実施の形態では、導光板13とは別体の光結合部材35を設けることにより、平板状の導光板13に対して斜めに光を入射させ、導光板13の内部で全反射させて全体に導光させることができる。この結果、導光板13を加工しなくても、光結合部材35を介して、発光部33a・33bからの入射光を導光板13の内部にて導光させ、導光板13から均一に光を照射することができる。
【0068】
さらに、本実施の形態では、発光部33a・33bは、光結合部材35へ向けての出射光の光軸方向が導光板13に対して直交するように配置されている。このため、発光部33a・33bの配置を平板状の導光板13に対して斜めにする必要がないので、発光部33a・33bの配置も容易であり、構造が単純である。
【0069】
また、本実施の形態では、発光部33a・33bは色温度2000K〜6000Kの光を出射する。このため、シーリングライト1等の照明機器として適切に利用することができる。
【0070】
したがって、発光部33a・33bの個数の増加及び導光板の加工を伴うことなく、導光板13の全体での均一照射を可能とする照明装置10を提供することができる。
【0071】
また、本実施の形態では、導光板13を加工せずに済み、かつ下方から光入射するので、導光板13及びシーリングライト1の薄型化を図ることができる。具体的には、導光板13の加工にはある程度の厚さが必要である。この場合、例えば、エッジライト方式の導光板を考えた場合、発光部33a・33bの幅よりも導光板13を薄くすると光結合率が低下するため薄型化に限界がある。この点、本実施の形態では、導光板13を薄型化すれば、シーリングライト1の薄型化に繋がる。また、導光板13の材料を節約できるので、低コスト化を図ることができる。また、発光部33a・33bをその光軸が導光板13に垂直になるように実装すればよいので、組み立てが簡単である。すなわち、従来のエッジライトの場合は、側面から発光部33a・33bを取り付ける必要があるので、製造がやや困難となる。
【0072】
また、本実施の形態の照明装置10では、光結合部材35は、帯状に設けられている。
【0073】
これにより、光結合部材35と発光部33a・33bとの関係を1:1にする必要がなくなり、複数の発光部33a・33bを1つの光学部材にて覆うので、光学系の構造を単純化することができる。また、発光部33a・33bも光結合部材35に沿って設けることができるので、発光部33a・33bの配線が容易となる。
【0074】
尚、光結合部材35が帯状に設けられている構成においては、光結合部材35が複列であってもよい。この場合、特に、複列の光結合部材35の輝度分布が対称になるように、導光板13の縦又は横の中心線に対称に配置することが好ましい。また、光結合部材35が複列の場合は、導光板13の表面から出射される光の輝度は、平板状の導光板13における中央の輝度が導光板13の端の輝度よりも高くなるように配置することが望ましい。
【0075】
また、本実施の形態の照明装置10では、光結合部材35は、平板状の導光板13における縦又は横方向の中心線上に設けられている。これにより、導光板13における縦又は横方向の中心線を軸として輝度を対称にすることが可能となる。したがって、輝度分布において適切な照明装置10を提供することが可能となる。
【0076】
また、本実施の形態の照明装置10では、光源は、複数の発光部33a・33bからなっている。これにより、発光部33a・33bは、白熱球に比べて低消費電力・低発熱性であり、省エネルギー化が可能となる。
【0077】
さらに、本実施の形態の照明器具としてのシーリングライト1は、照明装置10を備えている。これにより、発光部33a・33bの個数の増加及び導光板13の加工を伴うことなく、導光板13全体での均一照射を可能とする照明装置10を備えたシーリングライト1を提供することができる。
【0078】
また、本実施の形態の照明装置10では、導光板13の下側には、導光板13を平面で保持する平板状のシャーシであるバックシャーシ15が設けられていると共に、バックシャーシ15の導光板保持面は、光結合部材35が導光板13に当接する部分に開口を有し、光結合部材35及び発光部33a・33bは、バックシャーシ15の導光板保持面よりも下方に位置している。
【0079】
このような構成とすることによって、導光板13の裏面側においては、光結合部材35及び発光部33a・33bのみが突出していることになる。したがって、光結合部材35及び発光部33a・33b以外の部分を薄型化することが可能となる。このため、全体として薄型化を図ることができる。さらに、このような構成とすることによって、発光部33a・33bの放熱の面でも優れたものとなる。また、光源モジュール30をバックシャーシ15と接続しておくことによって、バックシャーシ15が放熱板として機能するので、高い放熱性能を得ることができる。この結果、発光部33a・33bの発光効率も向上する。
【0080】
また、本実施の形態のシーリングライト1では、発光部33a・33bは、光結合部材35の長手方向に沿って2列になっている。具体的には、発光部33a・33bは、断面半円状の光結合部材35における下端弦の両端部の直下に中心線に沿って平行に2列に設けられている。
【0081】
これにより、導光板13に入射させるときに、2列の発光部33a・33bをそれぞれ反対方向に光出射させることによって、2列間の中点を通る線を軸対称として光結合部材35の両側つまり導光板13の両端側にそれぞれ導光させることができる。尚、上記2列間の中点を通る線が導光板13の中心線に一致する場合には、導光板13の中心線を軸対称として導光板の両端側にそれぞれ導光させて該導光板13の中心線に軸対称となる輝度分布を得ることができる。したがって、単純な構造にて、導光板13において輝度分布の均一化を図ることができる。すなわち、発光部33aが単独の場合は、発光部33aの直上が光透過せずに暗部となる虞がある。それを他の発光部33bからの光にて補うことが可能となる。
【0082】
尚、特許文献2に開示された表示装置用バックライト200では、発光ダイオード201の直上の輝度が周囲より明るくなり、輝線が発生するので、均一な輝度分布を作ることができないという問題があったが、本実施の形態では、その問題を解消することができる。
【0083】
また、本実施の形態の照明装置10は、そのまま大型平面光源への適用が可能であり、大きなシーリングライト1を提供することも可能である。さらに、導光板13の周辺に部材が不要であることから、シームレスに並べることにより、さらに、大きなシーリングライト1への適用が可能である。
【0084】
従来の液晶表示装置におけるサイドエッジ型のバックライトでは、導光板の周囲に光源を配置し、導光板の側面から導光板内に入射した光を液晶パネル側(表面側)から取り出す。このようなバックライトでは、照明装置の端部(外周縁部)は光入射部として利用されている。本実施の形態の照明装置10では、従来のサイドエッジ型のバックライトとは異なり、シーリングライト1の端部に光源が存在しないので、シーリングライト1の端部からの光取出しを可能にする。
【0085】
本実施の形態の照明装置10では、導光板13に入射した光の一部に対し、その光の方向を制御して、少なくとも一部の光を導光板13の裏面側へ照射させることができる照射方向制御部が外周縁部に設けられている。尚、本実施の形態の照明装置10では、照射方向制御部は、フレーム20によって構成されている。
【0086】
本実施の形態の照明装置10において、外周に備えられるフレーム20は、樹脂(アクリル樹脂やポリカーボネート等)によって形成され、光透過性部材として具備される。上述したように、導光板13に入射された光は、導光板13の内部を全反射して進む途中で、導光板13の表面側から出射されて直接照明光となる。しかしながら、全ての光が上記直接照明光として出射されるわけではなく、一部の光は導光板13の外周端部に到達してここから出射される。フレーム20は、導光板13の外周端部から出射される光を制御し、天井照明等の間接照明光として利用する機能を有している。尚、フレーム20で制御される光の全てが天井側へ照射されて間接照明光になる必要は無く、一部の光は照明装置10から室内側へ照射されても良い。
【0087】
本実施の形態の照明装置の外周縁部の構成を図12(a)〜(e)に示す。図12(a)に示す構成では、フレーム20は、拡散シート11の表面およびバックシャーシ15の裏面の両方に接するように、断面コの字形状となっている。フレーム20には、拡散シート11の表面に接する突出部(第1の突出部)20Aと、バックシャーシ15の裏面に接する突出部(第2の突出部)20Bが形成されている。すなわち、突出部20Aは、導光板13の表面側で導光板13と平行に配置されており、突出部20Bは、導光板13の裏面側で導光板13と平行に配置されている。導光板13の外周端部から出射されてフレーム20に入射された光は、フレーム20内を導光され、側面方向のみならず裏面方向にも出射され、間接照明光として利用される。
【0088】
このように、フレーム20は、その内部で光を導光させて間接照明光となるように光制御する。このため、フレーム20は、光透過性を有することが必要ではあるが、あまり透明性の高い(光拡散性の低い)部材とすることは好ましくなく、ある程度の光拡散性を持たせることが好ましい。
【0089】
さらに、フレーム20は、透明性の低い部材とすることで、拡散シート11や導光板13等の端部が視認されにくくする目隠し効果を得ることもできる。尚、フレーム20は、例えば乳白色等の着色がされていてもよく、このようにフレーム20が着色されていれば、上記目隠し効果をより一層高めることができる。また、フレーム20の表面はブラスト加工されていてもよい。フレーム表面をブラスト加工することで、フレーム内を透過・導光する光を散乱させ、天井へ照射する光分布を変化させることも可能となる。
【0090】
図12(b)に示す照明装置10は、導光板13とフレーム20との間に、ハーフミラー等の一部透過反射部材21を設けた構成である。この構成では、導光板13の外周端部から出射される一部の光は透過されて間接照明光として利用でき、一部の光は導光板13側に反射されて直接照明光として利用することができる。これにより、一部透過反射部材21の反射率を選択することで、直接照明光と関節照明光との比率を変えることが可能となる。また、一部透過反射部材21で反射された光は、直接照明光の周辺領域の輝度アップに寄与するため、直接照明光のムラ低減が可能となる。
【0091】
図12(c)に示す照明装置10は、フレーム20の表面側に反射部材22を形成した構成である。反射部材22は、例えば、フレーム20の樹脂表面に直接メッキを施して形成しても良く、あるいは、アルミやSUS等の金属板にメッキを施した反射板を作成してこれをフレーム20に貼り付けてもよい。メッキとしては、ニッケルメッキやクロムメッキを好適に使用できる。
【0092】
反射部材22は、フレーム20を室内側に導光された光を反射し、天井側への照射光量を増加させることができる。すなわち、天井への間接照明光を増加させることができる。
このため、反射部材22は、導光板13と平行となるように配置されていることが好ましい。また、反射部材22は、フレーム20との接触面においてのみ反射面となっておればよく、反対側(室内側)の面は、任意の色や模様をつけることによって照明装置10のデザインとして用いることができる。
【0093】
また、フレーム20に形成される突出部20Aと20Bとはその長さが同じである必要は無い。図12(d)に示す照明装置10では、突出部20A<突出部20Bとなるように形成されており、天井側の取出し光量を室内側の取出し光量よりも多くすることができる。逆に、図12(e)に示す照明装置10では、突出部20A>突出部20Bとなるように形成されており、室内側の取出し光量を天井側の取出し光量よりも多くすることができる。
【0094】
さらに、図12(a)〜(e)の構成では、拡散シート11は導光板13に対して貼着されておらず、拡散シート11と導光板13との間には空気層12が設けられている。これにより、導光板13の表面から出射される光は空気層12での散乱を受け、直接照明光における均一性を一層向上させることができる。また、導光板13には光散乱部のドットパターンが形成されているが、空気層12の存在によりこれらドットパターンが表面側から視認されるのを防止することができる。そして、フレーム20における突出部20Aは、導光板13に対して貼着されていない拡散シート11と空気層12との間隔を維持するように支持する機能も有する。
【0095】
また、図12(a)〜(e)の構成では、フレーム20は、突出部20A・20Bを備えた断面コの字形状とされているが、本発明の照明装置はこれに限定されるものではなく、図13に示すように、フレーム20は突出部20Aのみを備えた断面L字形状であっても良い。すなわち、フレーム20は、導光板13よりも天井側に光を導光できる部分を有していれば、天井を照明する間接照明光を得ることができる。
【0096】
このように、本実施の形態の照明装置10は、導光板13の表面以外に、導光板13の表面での照射方向と異なる方向へも照射させる照射方向制御部が外周縁部に構成されており、照射方向制御部は、天井側へ光を導光して出射するフレーム20から構成されていればよいといえる。このような構成を有することによって、直接照明としての空間照明および間接照明としての天井照明の両方を同時に実現するシーリングライトが提供される。
【0097】
反射シート14は、反射率が高いものであれば特に限定されず、当業者によって任意に選択され得る。バックシャーシ15は、反射シート14と同一形状かつ同一サイズであればよい。
【0098】
空間照明に利用される光量と天井照明に利用される光量との割合は、70:30〜95:5が好ましく、80:20〜90:10がより好ましいが、利用される空間(室内)の広さおよび配置部位によって適宜変更され得る。
【0099】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、本実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明の照明装置、及びそれを備えた照明機器は、天井直付け形のシーリングライト、壁面に取り付ける壁面照明や、看板等に適用できる。そして、適用分野として、店舗、オフィス等施設、業務用などの各種の照明器具に適用できる。
【符号の説明】
【0101】
1 シーリングライト(照明機器)
10 照明装置
11 拡散シート
12 空気層
13 導光板
14 反射シート
15 バックシャーシ
20 フレーム(照射方向制御部,光透過性部材)
20A 突出部(第1の突出部)
20B 突出部(第2の突出部)
21 一部透過反射部材
22 反射部材
30 光源モジュール
31 光源ホルダー
33a・33b 発光部
35 光結合部材
35a 頂部平坦面
35b・35c 曲面
35d 下端平坦面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状の導光板と、該導光板の裏面側に配置された光源とを備え、該光源からの出射光を該導光板に入射させ、入射した光を該導光板の内部で全反射させて導光しながら該導光板の少なくとも表面側から照射させる照明装置であって、
上記導光板に対して斜めに光を入射させるように上記光源からの出射光を結合する光結合部材が、該導光板と該光源との間に設けられていると共に、
上記導光板の外周端部には、該導光板の外周端部から出射される光の方向を制御する照射方向制御部が設けられていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
上記照射方向制御部は、上記導光板の外周に備えられた光透過性部材からなっており、
上記光透過性部材は、上記導光板の外周端部から出射される光をその内部で導光した後、その少なくとも一部の光を該導光板の表面側と異なる方向へ照射させることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
上記導光板と上記光透過性部材との間には、上記導光板の外周端部から出射される光の一部を透過しかつ一部を反射する一部透過反射部材が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
上記光透過性部材の表面側には、上記光透過性部材の内部を導光され該光透過性部材の表面側に出射された光を反射させる反射部材が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載の照明装置。
【請求項5】
上記反射部材は、上記導光板と平行となるように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
上記光透過性部材は、上記導光板の表面側で上記導光板と平行に配置された第1の突出部と、上記導光板の裏面側で上記導光板と平行に配置された第2の突出部とを有していることを特徴とする請求項2から5の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
上記第1の突出部と第2の突出部とは、突出長さが互いに異なっていることを特徴とする請求項6記載の照明装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載の照明装置を備えていることを特徴とする照明機器。

【図1】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図2】
image rotate

【図7】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate