説明

照明装置、表示装置および電子機器

【課題】背面光の利用が可能な照明装置、この照明装置を備えた表示装置および電子機器を提供する。
【解決手段】表示パネルおよび前記表示パネルを照明する照明装置を備え、前記照明装置は、前記表示パネル側から、その側面に光源を有する導光板と、前記光源からの光を拡散する第1状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第2状態との間で変調可能な拡散変調素子と、前記拡散変調素子の透過拡散光を前面側に反射する第3状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第4状態との間で変調可能な反射変調素子と、をこの順に有する表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、表示パネルを照射するバックライトに好適な照明装置、この照明装置を備えた表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
光変調型の表示パネルはモバイルなどの薄型の情報端末機器の他、電子ペーパーなど多くの電子機器に使用されている。この光変調型の表示パネルは、画素ごとに入射光を遮蔽または透過して映像を表示するものである。光変調型表示パネルの例としては液晶表示パネルが挙げられるが、近年は非液晶タイプの光変調型表示パネルも広く実用化されている。
【0003】
このような光変調型の表示パネルの背面側には照明装置(バックライト)が設けられ、このバックライトから出射された光が表示パネルに入射して映像が表示される。バックライトには、薄型化に適したエッジライト方式が多用されている。エッジライト方式は、導光板の側面に光源を配置したものであり、光源から導光板に取り込まれた光が全反射しながら導光板内部を進むことにより面発光体として機能する。
【0004】
この導光板の内部を伝播する光の取り出し方法として、導光板の背面側に拡散変調素子および反射素子をこの順に設ける方法が提案されている(例えば、特許文献1)。拡散変調素子は、入射光に対する作用状態を拡散状態と透過状態とに電気的に切り替え可能なものであり、具体的には、高分子分散型液晶(PDLC:Polymer Dispersed Liquid Crystal)である。一方、反射素子には、例えば白色の拡散反射シートなど高い反射率を有するものを使用する。このような構成の照明装置では、拡散状態の高分子分散型液晶から背面側に透過拡散光が射出されるが、この透過拡散光は拡散反射シートで前面側に戻されるため、光源(導光板)から出射された光を効率的に表示パネルへの照射光として利用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−92682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、より表示の多様性を高めるためには、外光などバックライトの背面側から入射する光(背面光)を利用できるようにすることが望ましい。
【0007】
本技術はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、背面光の利用が可能な照明装置、この照明装置を備えた表示装置および電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本技術の照明装置は、側面に光源を有する導光板と、光源からの光を拡散する第1状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第2状態との間で変調可能な拡散変調素子と、拡散変調素子の透過拡散光を前面側に反射する第3状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第4状態との間で変調可能な反射変調素子と、をこの順に有し、導光板側から光を出射するものである。本技術の表示装置は上記照明装置を表示パネルの背面側にバックライトとして備えたものであり、本技術の電子機器は上記表示装置を備えたものである。
【0009】
本技術の表示装置、照明装置または電子機器では、反射変調素子が背面側からの入射光を前面側に透過可能であるので、背面光は反射変調素子に遮蔽されることなく前面側に透過する。また、拡散変調素子および反射変調素子の作用状態を、拡散変調素子が光源からの光を拡散し、かつ反射変調素子が拡散変調素子の透過拡散光を前面側に反射する状態に切り替えることにより、光源から出射された光は、効率よく表示パネル側に出射される。
【発明の効果】
【0010】
本技術の表示装置、照明装置または電子機器によれば、反射変調素子が背面側からの入射光を前面側に透過できるようにしたので、背面光を表示パネル側への照射光として利用することが可能となる。よって、光源からの入射光を効率良く利用した映像表示が可能であると共に、背面光を利用した表示も可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示の第1の実施の形態に係る表示装置の構成を表す側断面図である。
【図2】図1に示した拡散変調素子の構成を表す図である。
【図3】図1に示した表示装置の回路構成を表すブロック図である。
【図4】図1に示したバックライトからの出射光について説明するための図である。
【図5】比較例1に係る表示装置の構成を表す側断面図である。
【図6】比較例2に係る表示装置の構成を表す側断面図である。
【図7】図6に示した光源から出射された光の経路を模式的に表した図である。
【図8】比較例3に係る表示装置の構成を表す側断面図である。
【図9】図8に示したバックライトからの出射光について説明するための図である。
【図10】図1に示した表示装置の表示方法について説明するための図である。
【図11】図1に示した表示装置の駆動方法の一例について説明するための図である。
【図12】図1に示した表示装置の駆動方法の他の例について説明するための図である。
【図13】変形例1に係る表示装置の駆動方法について説明するための図である。
【図14】図13に示した駆動方法の変形例を表す図である。
【図15】変形例2に係る表示装置の回路構成を表すブロック図である。
【図16】本開示の第2の実施の形態に係る表示装置の構成を表す側断面図である。
【図17】図16に示した光源からの出射光の経路について説明するための図である。
【図18】本開示の第3の実施の形態に係る表示装置の構成を表す側断面図である。
【図19】図18に示した表示装置に入射する外光の経路について説明するための図である。
【図20】上記実施の形態の表示装置の適用例1の外観を表す斜視図である。
【図21】適用例2の外観を表す斜視図である。
【図22】適用例3の外観を表す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本技術の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.第1の実施の形態
反射変調素子が鏡面反射(第3状態)をする例
2.変形例1
フィールドシーケンシャルカラー表示がなされる例
3.変形例2
外光補正を行う例
4.第2の実施の形態
反射変調素子が拡散反射(第3状態)をする例
5.第3の実施の形態
吸光変調素子を有する例
【0013】
〔第1の実施の形態〕
図1は本開示の第1の実施の形態に係る表示装置(表示装置1)の側断面の構成を表したものである。表示装置1は、透過型の表示パネル10およびバックライト20を有し、バックライト20から出射された光を映像信号に応じて変調し、表示パネル10の映像表示面1Aに表示するものである。バックライト20は、表示パネル10の映像表示面1Aと反対側(表示パネル10の背面側)に配置され、表示パネル10とバックライト20との間には複数の光学シート(図示せず)が設けられている。この光学シートは例えば、レンズフィルムや、偏光変換により輝度改善を図るシートなどである。
【0014】
表示パネル10は、例えば液晶表示パネルであり、一対の透明基板の間に液晶層が設けられたものである。表示パネル10は、画素ごとにバックライト20からの入射光を透過あるいは遮蔽する、即ち光変調型のものであれば、非液晶タイプのものであってもよい。
【0015】
バックライト20は表示パネル10側から、導光板21、拡散変調素子22および反射変調素子23をこの順に有している。このバックライト20は、エッジライト方式の面発光体であり、導光板21の側面に光源24が配置されている。
【0016】
導光板21は側面から光源24の光を取り込み、内部での全反射によりこの光を伝播させるものである。この導光板21は表示パネル10に対応した形状を有しており、例えば矩形の板状である。導光板21の形状は、内部を光が全反射して伝播するものであればどのようなものでもよく、例えば、厚みが段階的に変化する形状(例えば楔様)であってもよい。導光板21の前面または背面のうち、少なくとも一方の面には所定のパターンが設けられ、この所定のパターンによって光源24の光が散乱して均一化される。バックライト20に印加する電圧を変調することにより輝度の均一化を行う場合には、この所定のパターンを省略するようにしてもよい。このような導光板21は、主に例えばポリカーボネート樹脂(PC),アクリル樹脂またはポリメチルメタクリレート(PMMA)などの透明熱可塑性樹脂により構成されている。
【0017】
拡散変調素子22は、入射光に対する作用を例えば電気的に拡散状態(第1状態)と透過状態(第2状態)との間で変調することができるものであり、具体的にはPDLCやPNLC(Polymer Network Liquid Crystal)等である。この拡散変調素子22は、印加電圧の大きさに応じて、上記拡散状態および透過状態のみならず、拡散状態と透過状態との間の中間状態に調整することも可能である。拡散変調素子22は導光板21の背面に空気層を介さずに密着している。拡散変調素子22は、例えば図2(A)に表したように反射変調素子23側から、透明基板221、下側電極222、配向膜223、光変調層224、配向膜225、上側電極226および透明基板227をこの順に有するものである。
【0018】
透明基板221,227は光変調層224を支持するものであり、例えば、ガラス板やプラスチックフィルムにより構成されている。下側電極222は透明基板221のうち、透明基板227との対向面に設けられている。この下側電極222は例えば帯状であり、複数の下側電極222が互いに同一方向に延在している。上側電極226は透明基板227のうち、透明基板221との対向面に設けられている。上側電極226も例えば帯状であり、複数の上側電極226が互いに同一方向、かつ、下側電極222の延在方向と交差(直交)する方向に延在している(図2(B))。このような形状の下側電極222および上側電極226を有する拡散変調素子22では単純マトリクス駆動が可能となるが、例えば、下側電極222および上側電極226のうち、一方をベタ膜状、他方を微小な方形状としてアクティブマトリクス駆動を行うようにしてもよい。この拡散変調素子22では下側電極222および上側電極226の両方をベタ膜状とすることも可能であり、この場合、画面が一様に変調される。上側電極226は透明な導電性材料、例えば酸化インジウムスズ(ITO:Indium-Tin-Oxide)からなる。下側電極222は上側電極226と同じ材料により構成してもよく、あるいは不透明な導電性材料により構成されていてもよい。
【0019】
配向膜223、225は、光変調層224の配向を制御するものである。この配向膜223、225は、例えば垂直用配向膜であり、シランカップリング材料,ポリビニルアルコール(PVA),ポリイミド系材料あるいは界面活性剤等からなる。
【0020】
光変調層224は、電気的に白濁状態(拡散状態)と透明状態(透過状態)との間で変調可能なものであり、例えばバルク224Aとバルク224Aに分散された微粒子224Bとを含んでいる。この光変調層224は、下側電極222および上側電極226への印加電圧の大きさにより白濁状態と透明状態との間の状態に設定することも可能である。
【0021】
バルク224Aは、例えばポリマーにより構成されている。バルク224Aは、電場に対して応答しない筋状構造または多孔質構造、あるいは微粒子224Bよりも応答速度の遅い棒状構造を有している。微粒子224Bはバルク224Aよりも速い応答速度を有するものであり、例えば液晶分子により構成されている。この光変調層224では、例えば電圧無印加時に微粒子224Bがランダムな方向を向いて入射光を散乱し(拡散状態)、電圧印加時に微粒子224Bが電場方向に配向して入射光を透過する(透過状態)。
【0022】
本実施の形態の反射変調素子23は、入射光に対する作用を反射状態(第3状態)と透過状態(第4状態)との間で変調することができるものである。詳細は後述するが、これにより、バックライト20は光源24から出射された光を効率良く表示パネル10側に照射できると共に、反射変調素子23の背面側から入射する光(背面光)も利用することが可能となる。
【0023】
反射変調素子23は、例えば電気的に反射状態(後述の図4(A) 反射状態23R)と透過状態(後述の図4(B) 透過状態23T)とを切り替えることができ、印加電圧の大きさに応じて反射状態と透過状態との間の中間状態にも調整可能なものである。反射状態23Rでは、前面側(拡散変調素子22側)から入射した光を鏡面反射して導光板21側(表示パネル10側)に導き、透過状態23Tでは、背面側(拡散変調素子22と反対側)から入射した光を導光板21側に透過する。筐体等の反射変調素子23の背面側の部材は、反射変調素子23の背面に光が入射できるよう構成することが好ましい。また、反射変調素子23の背面に別途、導光体を設けるようにしてもよい。
【0024】
この反射変調素子23は、例えばエレクトロクロミック方式により(例えば、特開2005−274630号公報、特開2006−267670号公報、特開2008−152070号公報)、あるいはコレステリック液晶を用いることにより(例えば、FUJIFILM RESEARCH&DEVELOPMENT No.50-2005,p60-63、NATURE VOL 392,2 APRIL,1998,p476-479、SEN'I GAKKAISHI(報文) Vol.60,No.6(2004),p179-182)反射状態23Rと透過状態23Tとを切り替え可能なものである。エレクトロクロミック方式の具体例としては、マグネシウム・ニッケル(Mg・Ni)合金あるいはマグネシウム・チタン(Mg・Ti)合金等を用いたものが挙げられる。反射変調素子23の材料はこれらに限定されるものではなく、また、電圧印加以外の方法、例えば磁気的に反射状態と透過状態とを切り替え可能なものであってもよい。反射変調素子23は、拡散変調素子22の背面に接着剤等を用いることにより空気層を介さずに密着して設けられている。この反射変調素子23と拡散変調素子22とを密着させるための接着剤等には、反射変調素子23および拡散変調素子22と屈折率の差が小さいものを使用することが好ましく、屈折率の差が略ないことがより好ましい。
【0025】
光源24は、略一列の配光を有する線状光源として構成され、導光板21の一の側面に設けられている。この光源24は例えば、LED(Light Emitting Diode),熱陰極管(HCFL:Hot Cathode Fluorescent Lamp)または冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)等からなる。上記の他、光源24を例えば、有機EL(Electroluminescence)素子あるいは量子ドット発光子等により構成することも可能である。光源24をLEDにより構成する際には、例えば、赤色光(波長:620〜750nm)を発光する赤色LED,緑色光(波長:495〜570nm)を発光する緑色LEDおよび青色光(波長:450〜495nm)を発光する青色LEDを一列に配置するようにしてもよく、あるいは白色を発光する白色LEDを用いるようにしてもよい。光源24を複数の側面に設けるようにしてもよい。光源24の配置により、表示パネル10の周囲の、駆動回路群等の配置を適宜調整する。
【0026】
図3は、このような表示装置1の制御系および駆動系の回路構成例の概略を表したものである。表示装置1は、表示パネル10,拡散変調素子22,反射変調素子23および光源24をそれぞれ駆動する駆動回路41,42,43,44(駆動部)と、入力映像信号に対する信号処理および駆動回路41,42,43,44等の制御を行う制御部30とを有している。制御部30にはタイミング調整回路31が設けられ、このタイミング調整回路31から駆動回路41,42,43,44に信号が伝達されて表示パネル10の表示状態、拡散変調素子22と反射変調素子23との入射光に対する作用状態および光源24の発光状態が決定する。
【0027】
この表示装置1(図1)では、バックライト20から出射された光が表示パネル10に入射し、入力映像信号に応じて選択された画素により、映像表示面1Aに映像が表示される。バックライト20では、図4(A)に表したように、拡散変調素子22が拡散状態22D、反射変調素子23が反射状態23Rのとき、光源24からの光(光L1)は導光板21内を伝播して拡散変調素子22に入射し、拡散変調素子22で拡散される。拡散変調素子22で拡散された光のうち拡散変調素子22を透過した透過拡散光(図示せず)は反射変調素子23で反射され、拡散変調素子22で前面側に出射された反射拡散光と共に表示パネル10側に射出される。ここでは、反射変調素子23が入射光に対して透過状態23Tにも切り替えできるため、図4(B)に表したように光源24からの光L1に加えて、バックライト20(反射変調素子23)の背面側から入射する光(背面光L2)も表示パネル10側への照射光として利用することができる。以下、これについて比較例(比較例1〜3)を用いつつ説明する。
【0028】
図5(A)は、比較例1に係る表示装置(表示装置101)の構成を表したものである。表示装置101のバックライトは、導光板21および導光板21の背面に密着した反射素子123により構成されている。反射素子123は白色(不透明)の拡散反射シートである。この反射素子123は、導光板21を伝播した後、例えばドット印刷等により外に取り出された光を、高反射率(例えば、90%以上)で前面側に導く。即ち、図5(B)に表したように、表示装置101では光源24から出射された光L1を表示パネル10への照射光として効率的に利用することができる。しかしながら、反射素子123は常に反射状態であるため、背面光L2は反射素子123に遮蔽されて表示パネル10側へ透過しない。
【0029】
比較例2に係る表示装置(表示装置102)は、上述の表示装置101における反射素子123に代え、拡散変調素子22を配置したものである(図6(A))。この拡散変調素子22は、表示装置1の拡散変調素子22と同様に拡散状態22Dと透明状態22Tとの切り替えができ、背面光L2を利用することも可能となる(図6(B))。しかしながら、表示装置101に比べて光L1の利用効率は低下する。図7を用い、図6に示した拡散変調素子22の拡散について説明を補足する。図7は、拡散変調素子22の背面に透明基板125を設け、拡散光の方向を矢印で模式的に表したものである。拡散状態22Dの拡散変調素子22は光L1のうち約半分(反射拡散光L1R)を前面側に導き、残り(透過拡散光L1T)を背面側に射出する。即ち、表示装置102では透過拡散光L1Tを導光板21側へ戻すことができず、光量が減ってしまう。なお、実際の拡散光は、完全拡散ではなく方向依存性を有するものであるが、図7では便宜的に反射拡散光L1Rの総量と透過拡散光L1Tの総量とが略等しいものとして表している。
【0030】
比較例3に係る表示装置(表示装置103)は、この表示装置102の拡散変調素子22の背面側に上記表示装置101の反射素子123を設けたものである(図8)。この表示装置103では、反射素子123により、拡散変調素子22を透過した透過拡散光を前面側に戻すことができるため、光L1の利用効率は向上する。しかしながら、拡散変調素子22が拡散状態22Dであっても(図9(A))、透過状態22Tであっても(図9(B))、背面光L2は反射素子123に遮蔽され、表示パネル10側へ透過することができない。また、透過状態22Tでは、導光板21を伝播した光L1が拡散変調素子22には到達するものの、反射変調素子123との界面(空気層)で全反射され、反射素子123に入射することができない。即ち、光L1は導光板21の内部での全反射を繰り返すため、表示パネル10側へ取り出すことができず、照射光の光量は低下する。
【0031】
これに対し、本実施の形態の表示装置1では反射変調素子23を透過状態23Tにすることができるため、背面光L2を表示パネル10側への照射光として利用することができる。また、反射状態23Rに切り替えることで、光源24からの光L1を効率的に表示パネル10側へ導くことも可能となる。
【0032】
図10は、拡散変調素子22の状態を縦軸、反射変調素子23の状態を横軸として、バックライト20の取り得る状態を表したものである。第1象限I(拡散変調素子22D,反射変調素子23R)の状態では、拡散変調素子22の透過拡散光が反射変調素子23により前面側に導かれるため、光源24からの光L1を効率良く利用して表示パネル10側を照射することができる。第2象限II(拡散変調素子22D,反射変調素子23T)では、背面光L2が反射変調素子23を透過し、表示パネル10に入射する。即ち、光源24からの光L1と共に背面光L2を表示パネル10への照射光として利用可能な状態である。背面光L2としては例えば外光を利用できる。あるいは、光源24とは別の光源を背面側に設け、この光源からの光と光源24からの光L1を合成して利用するようにしてもよい。第3象限III(拡散変調素子22T,反射変調素子23T)は映像表示面1A側から表示パネル10を介してバックライト20の背面側が透けて見える状態であり、この状態を用いることにより完全な透明状態を実現することができる。第4象限IV(拡散変調素子22T,反射変調素子23R)では、表示パネル10側から入射した外光を、反射変調素子23Rで反射させて表示パネル10を照射することができる。即ち、第4象限IVの状態では、表示装置1を反射表示装置として用いることができる。これら第1〜第4象限に加え、駆動回路41,42,43,44の駆動タイミングや印加電圧の大きさ等を調整することにより、これらの間の中間の状態に設定することも可能となる。
【0033】
このように、本実施の形態では駆動回路41,42,43,44によりバックライト20の光利用形態および変調状態を変化させることができるため、これらの状態を組み合わせて新たな方法で映像を表示させることも可能である。例えば、図11に表したように、表示パネル10に画像を表示している状態(表示状態10B)、光源24の点灯状態(点灯状態ON)、拡散変調素子22の拡散状態22Dおよび反射変調素子23の反射状態23Rを同期させる。更に、表示パネル10に画像が表示されずに入射光がそのまま透過する状態(非表示状態10W)、光源24の消灯状態(消灯状態OFF)、拡散変調素子22の透過状態22Tおよび反射変調素子23の透過状態23Tを同期させるようにする。このとき、表示状態10Bにある時間を期間TB、非表示状態10Wにある時間を期間TWとすると、期間TBでは光源24からの光L1により画像が表示され、期間TWでは映像表示面1A側からバックライト20の背面側が透けて見える状態となる。この期間TBと期間TWとを繰り返し行い、期間TBの長さを徐々に延ばすことにより、完全に表示パネル10を素通しして背面(背景)が見通せる状態、即ち透明状態から徐々に映像が表示されてくるようになる。このように表示装置1では表示品質を損なうことなくフェードイン表示等の新たな表示方法を提供することができる。
【0034】
また表示装置1では、外光を利用した反射表示装置として、フェードイン表示を行うことも可能である。図12に表したように、表示パネル10の表示状態10B、拡散変調素子22の透過状態22Tおよび反射変調素子23の反射状態23Rを同期させる(期間TB)。更に、表示パネル10の非表示状態10W、拡散変調素子22の透過状態22Tおよび反射変調素子23の透過状態23Tを同期させるようにする(期間TW)。期間TBでは映像表示面1Aから入射した外光が反射変調素子23に反射されて画像が表示され、期間TWでは映像表示面1A側からバックライト20の背面側が透けて見える状態となる。この期間TBと期間TWとを繰り返し行い、期間TBの長さを徐々に延ばすことにより、フェードイン表示を行うことができる。
【0035】
更に、この表示装置1ではマトリクス駆動される拡散変調素子22を用いることにより、表示パネル10を非表示状態10Wとしたまま、映像表示を行うことも可能である。反射変調素子23を反射状態23Rに維持した状態で、拡散変調素子22の拡散状態22Dと透過状態22Tとをマトリクスごとに切り替え駆動することにより、拡散変調素子22に画像が表示される。加えて、このように表示パネル10を非表示状態10Wとしたまま、反射変調素子23の反射状態23Rと拡散変調素子22の透過状態22Tとを繰り返し、反射状態23Rである期間の長さを徐々に延ばすことにより、上記と同様にしてフェードイン表示を行うことができる。
【0036】
以上、本実施の形態では、反射変調素子23を透過状態23Tに変調できるようにしたので、背面光L2を表示パネル10側へ透過させることができる。よって、背面光L2を表示パネル10への照射光として利用することが可能となる。また、反射変調素子23を反射状態23R、拡散変調素子22を拡散状態22Dに切り替えることにより、光源24からの光L1を効率的に利用して映像を表示することもできる。
【0037】
更に、拡散変調素子22の状態と反射変調素子23の状態とを様々に組み合わせて、新たな表示方法を提供することも可能である。
【0038】
以下、上記実施の形態の変形例および他の実施の形態について説明するが、上記実施の形態と共通の構成要素については同一符号を付してその説明は省略する。
【0039】
〔変形例1〕
上記実施の形態の変形例1に係る表示装置1では、光源24が赤色を発光する光源24R、緑色を発光する光源24Gおよび青色を発光する光源24Bにより構成され、フィールドシーケンシャルカラー(FSC)表示を行うことができるようになっている。表示パネル10の表示素子には無彩色のものを用いる。光源24を上記赤、緑、青以外の色を発光する光源により構成するようにしてもよい。
【0040】
フィールドシーケンシャルカラー表示は、時間混色によりカラー画像を表示する方法であり、具体的には、例えば赤色、緑色および青色の光を時間軸で分割し、それぞれの光の平面画像を順次時間の経過と共に表示するものである。この画像を人間の目で認識できない速さで切り替えることにより各色光を弁別不能にし、目の時間方向の積分効果を利用してカラー画像が表示される。
【0041】
この変形例1に係る表示装置1は、図13に表したように、表示パネル10の表示状態10B、拡散変調素子22の拡散状態22D、反射変調素子23の反射状態23Rおよび光源24R,24G,24Bの点灯状態ONのタイミングを同期させることにより、フィールドシーケンシャルカラー表示を行うものである。表示パネル10の表示素子、拡散変調素子22および反射変調素子23の応答時間が互いに異なる場合、応答済のタイミングが一致するように表示パネル10、拡散変調素子22および反射変調素子23を駆動する。例えば、表示パネル10は時間tR1,tG1,tB1でデータが書き込まれ、時間tR2,tG2,tB2で応答済の状態(表示状態10B)となる。拡散変調素子22および反射変調素子23は、この時間tR2,tG2,tB2に応答済の状態(拡散状態22D,反射状態23R)となるように駆動される。光源24R,24G,24Bは、それぞれが単独で発光してもよく、あるいは、色度表示に応じて2つの光源を同時に発光させて混色することにより、色合いを調整するようにしてもよい。
【0042】
光源24R,24G,24Bは、この表示パネル10、拡散変調素子22および反射変調素子23が応答済となる時間tR2,tG2,tB2から非表示状態10Wとなる時間tR3,tG3,tB3までの期間(期間TR,TG,TB)の少なくとも一部の間、点灯状態ONとなっていればよい。例えば、時間tR2,tG2,tB2に光源24R,24G,24Bが点灯状態ONとなってもよく(図13)、あるいは図14に表したように時間tR2,tG2,tB2よりも後に点灯状態ONになってもよい。
【0043】
〔変形例2〕
上記実施の形態の変形例2に係る表示装置1は、背面光L2として外光を利用する際にこの外光の色度補正を行う機能を有するものである。
【0044】
この表示装置1には、図15に表したように外光補正処理部50および外光検出器60が設けられている。外光検出器60は光を検出するセンサであり、例えば筐体(図示せず)の外側等の外光を検出可能な位置に設けられている。この外光検出器60は、表示装置1の下面以外の複数の面(例えば、上面、側面、映像表示面1Aの枠部分および背面)に設けるようにしてもよく、あるいは上面(天面)等の一つの面に設けるようにしてもよい。例えば、外光検出器60を下面以外の全ての面に設け、どの方向からより多く光が入射するのかを検知し、これらの出力をOR処理して平均的環境光の色度を求めるようにしてもよい。外光検出器60を一つの面にのみ設ける場合には、例えば凸レンズ等と組み合わせて、より広範囲の光を受光できるようにすることが好ましい。外光補正処理部50は、解析部51、比較部52、算出部53および調整部54を含んでいる。
【0045】
この表示装置1では、外光検出器60により外光が検知され、その色度および輝度が解析部51で計測される。この色度および輝度と、予め設定しておいた所定の白色の色度および輝度とを比較部52で比べ、適切な色表示のために不足している色およびその度合いを算出部53で導く。この算出部53の情報が調整部54に伝達され、光源24の各色光の発光量が補填可能な範囲内で調整される。表示装置1がこのような外光補正機能を有することにより、外光を利用し、かつ品質の高い表示を行うことができる。
【0046】
〔第2の実施の形態〕
図16は、本技術の第2の実施の形態に係る表示装置(表示装置2)の側断面構成を表したものである。この表示装置2のバックライト20Aは、上記第1の実施の形態の反射変調素子23に代えて、反射変調素子23Aを有している。この反射変調素子23Aは、反射状態23Rにおいて拡散反射するものである。その点を除き、表示装置2は表示装置1と同様の構成を有し、その作用および効果も同様である。
【0047】
反射変調素子23Aは、反射変調素子23と同様に入射光に対する作用を反射状態23Rと透過状態23Tとの間で変調可能なものであるが、反射状態23Rでは前面側(拡散変調素子22側)から入射して光を拡散反射する。反射変調素子23Aは、反射状態23Rと透過状態23Tとを例えば電気的に切り替え可能なもの、具体的にはPDLC等である。即ち、反射変調素子23Aは、例えば拡散変調素子22と同様にポリマーに液晶分子を分散させた光変調層を有している(図2)。
【0048】
図17は、拡散変調素子22が拡散状態22D、反射変調素子23Aが反射状態23Rの場合の光源24からの光L1の経路を模式的に表したものである。光L1は拡散変調素子22により散乱され前面側には反射拡散光L1R、背面側には透過拡散光L1Tが出射される。この透過拡散光L1Tを反射状態23Rの反射変調素子23Aが拡散反射し、前面側に反射拡散光(L1TRAを出射すると共に背面側には透過拡散光(L1TTAを射出する。即ち、バックライト20Aは光L1のうち、表示パネル10側に反射拡散光L1Rおよび反射拡散光(L1TRAを照射し、背面側には透過拡散光(L1TTAを透過させる。例えば、拡散変調素子22および反射変調素子23Aが共に、入射光のうち50%を前面側に戻し、残りの50%を背面側に透過させるものである場合、入射光(例えば、光L1)の光量の75%が前面側、25%が背面側に出射される。反射状態23Rの反射変調素子23Aの白濁度を拡散状態22Dの拡散変調素子22の白濁度よりも大きくすることにより、前面側に出射される光量を増加させることができる。このように、拡散変調素子22および反射変調素子23Aの白濁度を調整することにより、前面側、背面側に出射する光量の比を変化させることができる。
【0049】
〔第3の実施の形態〕
図18は、本技術の第3の実施の形態に係る表示装置(表示装置3)の側断面構成を表したものである。この表示装置3のバックライト20Bは、上記第1の実施の形態の拡散変調素子22と反射変調素子23との間に吸光変調素子25を有するものであり、この吸光変調素子25は、入射光の吸光度を変調可能なものである。その点を除き、表示装置3は表示装置1と同様の構成を有し、その作用および効果も同様である。
【0050】
吸光変調素子25は、入射光に対する作用を吸収状態25A(第5状態)と透過状態25T(第6状態)との間で変調可能なものであり、具体的には、例えば、エレクトロクロミック方式により電気的に変調されるものである。印加電圧の大きさにより、これらの間の状態を複数設定することも可能である。この吸光変調素子25を有するバックライト20Bでは、主に表示装置3を反射表示装置として使用する場合にコントラスト比(CR)を向上させることができる。
【0051】
図19(A)に表したように、拡散変調素子22が拡散状態22D、吸光変調素子25が透過状態25T、反射変調素子23が反射状態23Rのとき、映像表示面1A側から入射した外光L3は、表示パネル10、拡散変調素子22、吸光変調素子25を透過した後、反射変調素子23で反射されて再び映像表示面1A側に出射される。一方、図19(B)に表したように、拡散変調素子22が透過状態22T、吸光変調素子25が吸収状態25A、反射変調素子23が反射状態23Rのとき、映像表示面1A側から入射した外光L3は、表示パネル10、拡散変調素子22を透過すると吸光変調素子25で吸収されるため、反射変調素子23で反射される外光L3の光量は、図19(A)と比較して少なくなる。即ち、反射変調素子23を反射状態23Rに維持したまま、拡散変調素子22の拡散状態22Dおよび吸光変調素子25の透過状態25Tと、拡散変調素子22の透過状態22Tおよび吸光変調素子25の吸収状態25Aとを切り替えることにより、コントラスト比(CR)を向上させることができる。
【0052】
〔適用例〕
以下、上記実施の形態および変形例で説明した表示装置の適用例について説明する。上記実施の形態等の表示装置は、テレビジョン装置,ノート型パーソナルコンピュータ等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなど、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器の表示装置に適用することが可能である。
【0053】
(適用例1)
図20は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるテレビジョン装置の外観を表したものである。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル310およびフィルターガラス320を含む映像表示画面部300を有しており、この映像表示画面部300は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
【0054】
(適用例2)
図21は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるノート型パーソナルコンピュータの外観を表したものである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体510,文字等の入力操作のためのキーボード520および画像を表示する表示部530を有しており、その表示部530は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
【0055】
(適用例3)
図22は、上記実施の形態等の表示装置が適用されるビデオカメラの外観を表したものである。このビデオカメラは、例えば、本体部610,この本体部610の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ620,撮影時のスタート/ストップスイッチ630および表示部640を有しており、その表示部640は、上記実施の形態等に係る表示装置により構成されている。
【0056】
以上、実施の形態および変形例を挙げて本技術を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々変形可能である。例えば、上記実施の形態等では、拡散変調素子22および反射変調素子23Aが電気的に変調可能である場合について説明したが、電気以外の方法、例えば、磁気的手段やMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)等の技術を用いた機械的手段により変調可能なものであってもよい。
【0057】
また、例えば、上記実施の形態等において説明した各部の材料などは限定されるものではなく、他の材料および厚みとしてもよい。
【0058】
加えて、上記第3の実施の形態では、拡散変調素子、反射変調素子に加えて、吸光変調素子を設けた場合について例示したが、吸光変調素子以外の変調素子を設けるようにしてもよい。
【0059】
なお、本技術は、以下のような構成も可能である。
(1)表示パネルおよび前記表示パネルを照明する照明装置を備え、前記照明装置は、前記表示パネル側から、その側面に光源を有する導光板と、前記光源からの光を拡散する第1状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第2状態との間で変調可能な拡散変調素子と、前記拡散変調素子の透過拡散光を前面側に反射する第3状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第4状態との間で変調可能な反射変調素子と、をこの順に有する表示装置。
(2)前記反射変調素子を第3状態と第4状態との間で電気的に変調させる前記(1)記載の表示装置。
(3)前記拡散変調素子を第1状態と第2状態との間で電気的に変調させる前記(1)または(2)記載の表示装置。
(4)前記反射変調素子は第3状態において前記拡散変調素子の透過拡散光を鏡面反射する前記(1)乃至(3)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(5)前記拡散変調素子はポリマーに液晶分子を分散させた光変調層を有する前記(1)乃至(4)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(6)前記反射変調素子は、ポリマーに液晶分子を分散させた光変調層を有し、前記拡散変調素子の透過拡散光を第3状態において拡散反射する前記(5)記載の表示装置。
(7)前記反射変調素子の第3状態の白濁度は、前記拡散変調素子の第1状態の白濁度よりも大きい前記(6)記載の表示装置。
(8)前記拡散変調素子および前記反射変調素子の作用状態を、前記拡散変調素子の第1状態と前記反射変調素子の第3状態、前記拡散変調素子の第1状態と前記反射変調素子の第4状態、前記拡散変調素子の第2状態と前記反射変調素子の第3状態、および前記拡散変調素子の第2状態と前記反射変調素子の第4状態の組み合わせのうちのいずれかになるように設定する前記(1)乃至(7)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(9)前記表示パネルおよび前記照明装置を映像信号に基づいて駆動する駆動部を有し、前記駆動部は、前記拡散変調素子の第1状態および前記反射変調素子の第3状態を同期させる前記(1)乃至(8)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(10)前記駆動部は、前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第4状態を同期させ、前記拡散変調素子の第1状態および前記反射変調素子の第3状態と前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第4状態とを交互に繰り返しながら徐々に前記拡散変調素子の第1状態および前記反射変調素子の第3状態の期間を延ばすことにより、前記表示パネルに映像を浮かび上がらせる前記(9)記載の表示装置。
(11)前記拡散変調素子と前記反射変調素子との間に吸光変調素子を有し、前記吸光変調素子は、前記表示パネル側から入射した光を吸収する第5状態と前記表示パネル側から入射した光を前記反射変調素子側に透過する第6状態との間で変調可能な吸光変調素子を有する前記(1)乃至(10)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(12)前記表示パネルおよび前記照明装置を映像信号に基づいて駆動する駆動部を有し、前記駆動部は、前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第3状態を同期させる前記(1)乃至(11)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(13)前記駆動部は、前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第4状態を同期させ、前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第3状態と前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第4状態とを交互に繰り返しながら徐々に前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第3状態の期間を延ばすことにより、前記表示パネルに映像を浮かび上がらせる前記(12)記載の表示装置。
(14)前記拡散変調素子はマトリクス駆動され、前記表示パネルおよび前記照明装置を映像信号に基づいて駆動する駆動部を有し、前記駆動部は、前記反射変調素子を第3状態に維持したまま前記拡散変調素子の第1状態と第2状態とをマトリクスごとに切り替え駆動することにより、前記拡散変調素子に映像を表示させる前記(1)乃至(7)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(15)前記拡散変調素子はマトリクス駆動され、前記表示パネルおよび前記照明装置を映像信号に基づいて駆動する駆動部を有し、前記駆動部は、前記反射変調素子の第3状態と第4状態とを繰り返しながら徐々に第3状態の期間を延ばすと共に、前記拡散変調素子の第1状態と第2状態とを切り替えて前記拡散変調素子に映像を表示させることにより、前記拡散変調素子に映像を浮かび上らせる前記(14)記載の表示装置。
(16)外光検出部を有し、前記外光検出部への入射光を解析して前記光源の出射光を補正する外光補正処理部を有する前記(1)乃至(15)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(17)前記反射変調素子の背面から外光が入射する前記(1)乃至(15)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(18)前記反射変調素子の背面側に導光体が設けられた前記(1)乃至(16)のうちいずれか1つに記載の表示装置。
(19)側面に光源を有する導光板と、前記光源からの光を拡散する第1状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第2状態との間で変調可能な拡散変調素子と、前記拡散変調素子の透過拡散光を前面側に反射する第3状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第4状態との間で変調可能な反射変調素子と、をこの順に有し、前記導光板側から光を出射する照明装置。
(20)表示装置を備え、前記表示装置は、表示パネルおよび前記表示パネルを照明する照明装置を備え、前記照明装置は、前記表示パネル側から、その側面に光源を有する導光板と、前記光源からの光を拡散する第1状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第2状態との間で変調可能な拡散変調素子と、前記拡散変調素子の透過拡散光を前面側に反射する第3状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第4状態との間で変調可能な反射変調素子と、をこの順に有する
電子機器。
【符号の説明】
【0060】
1,2・・・表示装置、10・・・表示パネル、20,20A・・・バックライト、21・・・導光板、22・・・拡散変調素子、221,227・・・透明基板、222・・・下側電極、223,225・・・配向膜、224・・・光変調層、224A・・・バルク、224B・・・微粒子、226・・・上側電極、23,23A・・・反射変調素子、24・・・光源、25・・・吸光変調素子、30・・・制御部、31・・・タイミング調整回路、41,42,43,44・・・駆動回路、50・・・外光補正処理部、51・・・解析部、52・・・比較部、53・・・算出部、54・・・調整部、60・・・外光検出器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示パネルおよび前記表示パネルを照明する照明装置を備え、
前記照明装置は、前記表示パネル側から、その側面に光源を有する導光板と、前記光源からの光を拡散する第1状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第2状態との間で変調可能な拡散変調素子と、前記拡散変調素子の透過拡散光を前面側に反射する第3状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第4状態との間で変調可能な反射変調素子と、をこの順に有する
表示装置。
【請求項2】
前記反射変調素子を第3状態と第4状態との間で電気的に変調させる
請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
前記拡散変調素子を第1状態と第2状態との間で電気的に変調させる
請求項1記載の表示装置。
【請求項4】
前記反射変調素子は第3状態において前記拡散変調素子の透過拡散光を鏡面反射する
請求項1記載の表示装置。
【請求項5】
前記拡散変調素子はポリマーに液晶分子を分散させた光変調層を有する
請求項1記載の表示装置。
【請求項6】
前記反射変調素子は、ポリマーに液晶分子を分散させた光変調層を有し、前記拡散変調素子の透過拡散光を第3状態において拡散反射する
請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
前記反射変調素子の第3状態の白濁度は、前記拡散変調素子の第1状態の白濁度よりも大きい
請求項6記載の表示装置。
【請求項8】
前記拡散変調素子および前記反射変調素子の作用状態を、
前記拡散変調素子の第1状態と前記反射変調素子の第3状態、前記拡散変調素子の第1状態と前記反射変調素子の第4状態、前記拡散変調素子の第2状態と前記反射変調素子の第3状態、および前記拡散変調素子の第2状態と前記反射変調素子の第4状態の組み合わせのうちのいずれかになるように設定する
請求項1記載の表示装置。
【請求項9】
前記表示パネルおよび前記照明装置を映像信号に基づいて駆動する駆動部を有し、
前記駆動部は、前記拡散変調素子の第1状態および前記反射変調素子の第3状態を同期させる
請求項1記載の表示装置。
【請求項10】
前記駆動部は、前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第4状態を同期させ、前記拡散変調素子の第1状態および前記反射変調素子の第3状態と前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第4状態とを交互に繰り返しながら徐々に前記拡散変調素子の第1状態および前記反射変調素子の第3状態の期間を延ばすことにより、前記表示パネルに映像を浮かび上がらせる
請求項9記載の表示装置。
【請求項11】
前記拡散変調素子と前記反射変調素子との間に吸光変調素子を有し、
前記吸光変調素子は、前記表示パネル側から入射した光を吸収する第5状態と前記表示パネル側から入射した光を前記反射変調素子側に透過する第6状態との間で変調可能な吸光変調素子を有する
請求項1記載の表示装置。
【請求項12】
前記表示パネルおよび前記照明装置を映像信号に基づいて駆動する駆動部を有し、
前記駆動部は、前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第3状態を同期させる
請求項1記載の表示装置。
【請求項13】
前記駆動部は、前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第4状態を同期させ、前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第3状態と前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第4状態とを交互に繰り返しながら徐々に前記拡散変調素子の第2状態および前記反射変調素子の第3状態の期間を延ばすことにより、前記表示パネルに映像を浮かび上がらせる
請求項12記載の表示装置。
【請求項14】
前記拡散変調素子はマトリクス駆動され、
前記表示パネルおよび前記照明装置を映像信号に基づいて駆動する駆動部を有し、
前記駆動部は、前記反射変調素子を第3状態に維持したまま前記拡散変調素子の第1状態と第2状態とをマトリクスごとに切り替え駆動することにより、前記拡散変調素子に映像を表示させる
請求項1記載の表示装置。
【請求項15】
前記拡散変調素子はマトリクス駆動され、
前記表示パネルおよび前記照明装置を映像信号に基づいて駆動する駆動部を有し、
前記駆動部は、前記反射変調素子の第3状態と第4状態とを繰り返しながら徐々に第3状態の期間を延ばすと共に、前記拡散変調素子の第1状態と第2状態とをマトリクスごとに切り替え駆動して前記拡散変調素子に映像を表示させることにより、前記拡散変調素子に映像を浮かび上らせる
請求項1記載の表示装置。
【請求項16】
外光検出部を有し、
前記外光検出部への入射光を解析して前記光源の出射光を補正する外光補正処理部を有する
請求項1記載の表示装置。
【請求項17】
前記反射変調素子の背面から外光が入射する
請求項1記載の表示装置。
【請求項18】
前記反射変調素子の背面側に導光体が設けられた
請求項1記載の表示装置。
【請求項19】
側面に光源を有する導光板と、前記光源からの光を拡散する第1状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第2状態との間で変調可能な拡散変調素子と、前記拡散変調素子の透過拡散光を前面側に反射する第3状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第4状態との間で変調可能な反射変調素子と、をこの順に有し、
前記導光板側から光を出射する
照明装置。
【請求項20】
表示装置を備え、
前記表示装置は、
表示パネルおよび前記表示パネルを照明する照明装置を備え、
前記照明装置は、前記表示パネル側から、その側面に光源を有する導光板と、前記光源からの光を拡散する第1状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第2状態との間で変調可能な拡散変調素子と、前記拡散変調素子の透過拡散光を前面側に反射する第3状態と背面側からの入射光を前面側に透過する第4状態との間で変調可能な反射変調素子と、をこの順に有する
電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2013−80646(P2013−80646A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−220682(P2011−220682)
【出願日】平成23年10月5日(2011.10.5)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】