説明

照明装置および点灯装置

【課題】照明装置において、簡単な構成で安全な光源交換と、光源交換時の光源の自動復帰とを可能にする照明装置及び点灯装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、光源2と、点灯装置3と、給電線5と、可動構造体4、給電スイッチ30と、を備えている。点灯装置3は電源10から電力の供給を受けて、所定の電流に制御して、光源2に供給する電流制御部32を備える。給電線5は点灯装置3の出力端から光源2に前記生成された電流を供給する。可動構造体4は光源2の交換の前後に前記光源2の交換に関連して位置を移動する。給電スイッチ30は電源10と前記電流制御部32との間の給電電路に設置され、可動構造体4の動きと連動して給電電路を開閉する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子等で構成された光源を有する照明装置、および照明装置を構成し、光源への電流供給を制御する点灯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)や有機EL(Electro Luminescence)素子などの発光素子を光源とした照明装置が普及しつつある。特に、有機EL素子は省エネルギー特性を有するとともに、面発光光源を実現できるため次世代光源として期待されている。このような照明装置では発光素子の寿命に伴い光源を交換する必要がある。特に有機EL素子を使用した光源の場合、現状では素子寿命が1万時間程度と、LEDの4万時間よりも短いため、交換頻度は高くなる。
【0003】
一方、発光素子で構成された光源を照明装置として使用するためには、光源に対して所定の電流を供給する点灯装置が必要となる。
【0004】
照明装置の光源を交換する場合、作業者の安全性を考慮し、通常は、交換前に点灯装置をOFFにして、交換完了時に点灯装置をONにするという手順を採用している。また、光源交換時に点灯装置をONの状態にして、光源を交換すると同時に自動で光源が点灯するという光源自動復帰の要望があり(特許文献1、2)、自動復帰の際の光源への過大電流を防止するための技術も提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−302599号公報
【特許文献2】特開2008−126958号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
光源交換の際、交換前、交換後に点灯装置をそれぞれOFFにし、ONにするという通常の方法では、点灯装置を一旦OFFにすることにより、光源を再接続したとき自動で光源が点灯するという、光源の自動復帰が実現できない。また、点灯装置をOFFにし、その後ONにするという手間がかかり、操作ミスにより作業者の感電の恐れもある。
【0007】
光源の自動復帰を可能にするために、点灯装置をONにしたまま光源の交換作業を行うと、作業者の感電の危険性が生じる。
【0008】
特許文献1、特許文献2には光源交換の際の電源のOFF/ONについての簡便な方法は開示されておらず、光源交換の自動復帰を担保しつつ作業の安全を図ることは困難である。
【0009】
本発明の目的は、簡単な構成で光源交換時に作業者の感電の危険を回避できる照明装置及び点灯装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の観点に係る照明装置は、
光源と、
電源から電力の供給を受けて、所定の電流に制御して、前記光源に供給する電流制御部を備えた点灯装置と、
前記点灯装置の出力端から前記光源に前記生成された電流を供給する電流通電手段と、
前記光源の交換の前後に前記光源の交換に関連して位置を移動する可動構造体と、
前記電源と前記電流制御部との間の給電電路に設置され、前記可動構造体の動きと連動して開閉する給電スイッチと、
を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の観点に係る点灯装置は、
電源から入力された電力に基づき所定の電流を生成する電流制御部を備えた点灯装置において、
前記電源と前記電流制御部との間の給電電路に設置された前記給電電路を開閉する給電スイッチを備え、
前記給電スイッチは、
前記点灯装置外に突き出た先端部を備え、前記先端部は、力が加えられると前記点灯装置内に入り込み、所定の距離入り込むことにより前記給電スイッチを閉状態にし、加えられた力がなくなると元の位置に戻ることにより前記給電スイッチを開状態にするように構成されている、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の照明装置、及び点灯装置によれば、光源交換時に作業者が行う光源への電流供給のOFF及びONの操作は不要となり、操作ミスなどによる光源交換作業時の作業者感電の危険性が回避できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態1に係る照明装置の例を示す概略図で、(a)は光源を装着位置から取り外した状態の照明装置を示す図、(b)は光源を装着位置に取り付けた状態の照明装置を示す図である。
【図2】実施形態1に係る照明装置を構成する点灯装置の例を示す回路ブロック図である。
【図3】実施形態1の変形例1に係る照明装置の例を示す概略図で、(a)は光源を装着位置から取り外した状態の照明装置を示す図、(b)は光源を装着位置に取り付けた状態の照明装置を示す図である。
【図4】実施形態1の変形例2に係る照明装置の例を示す概略図で、(a)は光源を装着位置に取り付ける直前の状態の照明装置を示す図、(b)は光源を装着位置に取り付けた状態の照明装置を示す図である。
【図5】実施形態1の変形例3に係る照明装置の例を示す概略図で、(a)は光源を装着位置から取り外した状態の照明装置を示す図、(b)は光源を装着位置に取り付けた状態の照明装置を示す図である。
【図6】実施形態1の変形例3に係る照明装置を構成する点灯装置の例を示す回路ブロック図である。
【図7】実施形態1の変形例4に係る照明装置の例を示す概略図で、(a)は光源を交換するために扉を開いた状態の照明装置を示す図、(b)は光源を装着位置に取り付け扉を閉めた状態の照明装置を示す図である。
【図8】本発明の実施形態2に係る照明装置を構成する点灯装置の例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(実施形態1)
図1は本発明の実施形態1に係る照明装置の例を示す概略図である。図1(a)は光源2を装着位置から取りはずした状態の照明装置1を、図1(b)は光源2を装着位置に取り付けた状態の照明装置1を示す図である。光源2の装着位置とは、照明装置1を使用する状態での光源2の設置位置のことを言う。図1の例では、取付面6設けられた凹部で形成されるスペース(破線で示す領域)を光源収納スペース7とし、この光源収納スペース7内で固定設置された状態での光源2の位置が光源2の装着位置となる。照明装置1は、光源2と、光源2に電流を供給し、その供給をON又はOFF状態にする点灯装置3と、光源2を収納するホルダ4と、点灯装置3から電源2への電流供給手段である給電線5とを備える。点灯装置3は、光源2への給電の電路(以下、給電電路と呼ぶ)をその外部から機械的に開閉することができる給電スイッチ30を備える。ホルダ4には、給電線5の一端が接続されており、このホルダ4に光源2が収納されると光源2と接続線5とが電気的に接続される。給電線5は光源2への電流通電手段ともえる。
【0015】
この照明装置1では、図1に示すように、光源2と点灯装置3とは取付面6の表裏に配置されている。取付面6は、例えば天井面や壁面等である。給電スイッチ30は、図1(a)に示すように、点灯装置3内に設置され、その先端部は、装着状態の光源2と対向する位置で、点灯装置3から光源2の装着位置の方向に突き出ている。この先端部は、そこに点灯装置3の方向の力が加わると、点灯装置3内に入り込むように動き、先端部が所定の距離入り込むことにより、給電スイッチ30は開状態から閉状態となる。また、この力が解除されるとこの先端部は、内蔵するバネなどの力により元の突き出た位置に戻り、給電スイッチ30は開状態となる。図1(a)では給電スイッチ30の先端部には力が加わっておらず、先端部が点灯装置3から突き出ており、このとき給電スイッチ30は開状態である。図1(b)では光源2が収納されたホルダ4の外面により、給電スイッチ30の先端部が押されて点灯装置3内に所定の距離入り込んでおり、このとき給電スイッチ30は閉状態である。
【0016】
図2は実施形態1に係る照明装置1を構成する点灯装置3の例を示す回路ブロック図である。図2には照明装置1と電源10、及び照明装置1を構成する光源2と、点灯装置3と、給電線5とが示されている。点灯装置3は、電源10(交流電源)から入力された交流電力を直流に整流する整流回路部31と、整流回路部31からの出力を制御して所定の電流を生成し、出力端33を介して出力する電流制御部32と、電源10および電流制御部32の間の給電電路に配置され、給電電路を開閉する給電スイッチ30とを備えている。図1(a)に示す状態のときは給電スイッチ30は開の状態で、図1(b)に示す状態のときは給電スイッチ30は閉の状態である。給電スイッチ30が閉の状態のときは、点灯装置3から出力端33と給電線5とを介して光源2に電流が供給され、光源2はON状態になり、給電スイッチ30が開の状態のときは、光源2に電流が供給されず、光源2はOFF状態になる。点灯装置3は、通常の光源利用に伴う光源2のON、OFF機能とは別に、給電スイッチ30の開閉により光源2への電流供給をOFF、ON状態にする機能を有する。
【0017】
図1の例では、光源2はホルダ4に収納されている。このホルダ4は、その一端に、取付面6に対して回転自在に固定された回転支持部A8を有する。図1(a)に矢印で示すように、光源2の装着位置への着脱は回転支持部A8を中心としたホルダ4の回転を利用しておこなう。給電スイッチ30の開閉も、このホルダ4の回転を利用して、ホルダ4の外面で給電スイッチ30の先端部を押す、又は先端部から離すことにより行う。なお、回転支持部A8は取付面6から取り外しできないように固定されていてもよいし、着脱可能に取り付けられていて、一旦装着すれば回転支持部A8の位置が固定されるようにしてもよい。ホルダ4の回転支持部A8とは反対側の端部については、その近傍の取付面6に支持体9を設け、ホルダが図1(b)の位置に来たときに、支持体9を移動させてホルダ4の他端を支持する。これによりホルダ4を介して、光源収納スペース7内に光源2を固定設置することができる。この状態のとき光源2は装着位置にある。
【0018】
ホルダ4と点灯装置3の出力端33とは給電線5で接続されている。ホルダ4内に光源2が収納されると、点灯装置3の出力端33と光源2とが給電線5を介して電気的に接続される。給電スイッチ30が閉になると、この給電線5を介して点灯装置3から光源2に電流が供給される。
【0019】
照明装置1は以上のように構成されているため、光源2の交換作業に際して、光源2が装着位置にあるかないかに連動して、給電スイッチ30が開閉し、点灯装置3内の光源2への給電電路が開閉するため、特別の操作をすることなく、光源2への電流供給が自動的にOFF、ON状態にされる。そのため、光源2の交換作業時には確実に光源2への電流供給がOFF状態になり、作業者の感電の危険性がなくなる。併せて、光源2を装着位置に取り付けることで光源2への電流供給が自動的にON状態になるので、簡単な構成で光源交換時の光源2の自動復帰が可能となる。
【0020】
図3は実施形態1の変形例1に係る照明装置1の例を示す概略図である。図3(a)は光源2を装着位置から取りはずした状態の照明装置1を、図3(b)は光源2を装着位置に取り付けた状態の照明装置1を示す図である。図1に示す例との違いはホルダ3が回転支持部A8を有しておらず、ホルダ4全体を装着位置から着脱できる構成になっている点である。そのため、ホルダ4は回転支持部A8ではなく、ホルダ4の両端で支持体9により支持されている。その他については図1の場合と同じである。このような構成でも、図1に示す構成の場合と同様の効果が期待できる。
【0021】
図4は実施形態1の変形例2に係る照明装置1の例を示す概略図である。図4(a)は光源2を装着位置に取り付ける直前の状態の照明装置1を、図4(b)は光源2を装着位置に取り付けた状態の照明装置1を示す図である。ホルダ4内に収納されている光源2、および給電線5については図示を省略している。図1に示す例との違いはホルダ4が回転支持部A8ではなく回転支持部B50を有していることである。取付面6には回転支持部B50を着脱可能に取り付ける固定支持部が設置されているが図では省略されている。ホルダ4は、回転支持部B50を介して、取付面6の固定支持部に着脱可能に装着(仮装着と呼ぶ)できる。給電線5は取付面6の固定支持部の人が触れない位置に接続されており、回転支持部B50を取付面6の固定支持部に仮装着すると給電線5が回転支持部B50を介してホルダ4に挿入されている光源2の受電端に電気的に接続される構成となっている(図示省略)。ホルダ4は、仮装着後、回転支持部B50を中心に、取付面6に平行な面内で回転可能となっている。
【0022】
図4(a)では、光源2を収納しているホルダ4が、給電スイッチ30の先端部が突き出ているところを避ける位置で、回転支持部B50を介して取付面6に仮装着されている。仮装着後、ホルダ4は図4(a)の上の図の回転支持部B50近傍にある細線矢印で示す方向に回転支持部B50を中心として回転可能となっている。図4(a)の下の図(B−B’断面図)のホルダ4に付した矢印はこの回転によりホルダ4が給電スイッチ30の突き出た先端部に向かって移動することを示している。また、このB−B’断面図に示すように給電スイッチ30の先端部は、回転によりホルダ4が移動してくる方向に対して斜めに切り欠かれている。この切り欠き部にホルダ4の側面が押しつけられると、この先端部には給電スイッチ30を点灯装置3内に押し込む方向の力が働く。そのため、ホルダ4の回転に伴い給電スイッチ30は点灯装置3内に押し込まれていく。この回転によって光源2が装着位置にきたときの状態を示したのが図4(b)である。ホルダ4は給電スイッチ30の突き出た先端部を完全に覆った位置にある。この時、給電スイッチ30は点灯装置3内に最も押し込まれた状態にあり、給電スイッチ30は閉となる。この状態で回転支持部B50の回転に対してロックが掛かるようにしておけば光源2はこの位置で固定される。このような構成でも、図1に示す構成の場合と同様の効果が期待できる。
【0023】
図5は実施形態1の変形例3に係る照明装置1の例を示す概略図で、図5(a)は光源2を装着位置から取りはずした状態の照明装置1を、図5(b)は光源2を装着位置に取り付けた状態の照明装置1を示す図である。図6は実施形態1の変形例3に係る照明装置1を構成する点灯装置3の例を示す回路ブロック図である。図3に示す変形例1との違いは光源2への電流供給を給電線5を介さずに非接触給電にしたことである。そのため、図6に示すように、点灯装置3は無線で電流を供給するための非接触給電部60を備え、ホルダ4は非接触給電部60から受電するための非接触受電部61を備えている。ここでは、非接触給電部60と非接触受電部61とで電流通電手段が構成される。その他については図3の場合と同じである。このような構成でも、図3に示す構成の場合と同様の効果が期待でき、更に給電線5を省くことができるため、光源2を交換するとき、給電線5の長さに伴うホルダ4の位置の制約がなくなり交換作業が楽になる。
【0024】
以上の実施形態1およびその変形例では光源2を収納したホルダ4を介して給電スイッチ30の開閉を行うとした。しかし、光源2自体がある程度の機械的強度を有する場合は、ホルダ4を省くことができる。ホルダ4を使用せず光源2を直接装着位置に取り付ける場合であっても、ホルダ4を光源2と読み替えることにより本実施形態1およびその変形例は実施可能である。それぞれの例において、回転支持部A8、回転支持部B50、または非接触受電部61は光源2に直接装着することになる。このようにしても、これまで説明した効果と同様の効果を期待することができる。
【0025】
図7は実施形態1の変形例4に係る照明装置1の例を示す概略図である。変形例4では、給電スイッチ30の開閉は、光源2を交換する際に、必ず動かさなければならない可動構造体の動きに連動している。図7の例では光源2を収納するスペースに扉70を設け、給電スイッチ30の開閉が扉70の開閉に連動するように給電スイッチ30が配置される。点灯装置3は、給電スイッチ30がこのような位置に来るように配置される。この扉70は光源2の交換時には必ず開閉しなければならない可動構造体である。図7(a)は光源2を交換するために扉70を開いた状態の照明装置1を、図7(b)は光源2を装着位置に取り付け扉70を閉めた状態の照明装置1を示す図である。図7(a)の矢印の方向が扉70の開閉方向である。点灯装置3と光源2との間の配置、及び給電スイッチ30の先端部の突き出ている方向がこれまでの配置と異なっているのは、扉70の開閉に給電スイッチ30の開閉を連動させるためである。なお、この変形例では照明装置1は扉70を含む。
【0026】
この扉70は、取付面6に平行な面内で回転又は平行移動により開閉してもよい。このときは給電スイッチ30の先端部に図4に示すような切り欠き部を設けて、扉70の動きにより給電スイッチ30の先端部と扉70の側面とが接触することで給電スイッチ30を開閉することができる。
【0027】
このように、給電スイッチ30の開閉を、光源2を交換するためには必ず動かさなければならない可動構造体の動きに連動させることにより、光源2の交換作業の際、電源10からの給電が自動的にOFF/ONにされる。そのため、光源交換に伴う操作が簡略化され、電源10からの給電のOFF/ONに伴う操作ミスの発生も防止でき、交換作業時の感電の危険性もなくなる。更に、簡単な構成で光源2の自動復帰が可能となる。なお、ホルダ4を採用している場合は、ホルダ4を光源2と交換するためには必ず動かさなければならない可動構造体と考えてもよい。
【0028】
図2、図6の給電スイッチ30は、電源10と整流回路部31との間の給電電路に設置されているが、電源10と電流制御部32との間の給電電路であればどこに設置されてもよい。また、給電スイッチ30は、点灯装置3から離れた位置に設置されていてもよい。
【0029】
なお、本実施形態にかかる光源2は、交換が前提とされているだけであり、発光素子で構成された光源に限らず、どのような光源であってもよい。
【0030】
(実施形態2)
図8は本発明の実施形態2に係る照明装置1を構成する点灯装置3の例を示す回路図である。図8において、図1と同じ符号を付した部分は図1と同内容である。整流回路部31は、より具体的にブリッジ整流回路310とし、電流制御部32は、入力平滑用コンデンサ320、ダイオード321、チョークコイル322、出力平滑用コンデンサ323、電界効果トランジスタ(FET=Field Effect Transistor)324、集積回路(IC)325、電流検出用抵抗326、及び放電用回路327を備える。
【0031】
図8に示す回路では、従来の照明装置1を構成する点灯装置3に、実施形態1で説明した給電スイッチ30を追加し、出力平滑用コンデンサ323に並列に放電用回路327を接続した。実施形態2にかかる照明装置1は、発光素子で構成された光源2に対して電流を供給する点灯装置3において出力平滑用コンデンサ323が備えられているものを対象とする。
【0032】
動作について説明する。整流回路部31で整流された電圧は入力平滑用コンデンサ320で平滑化され、更に出力平滑用コンデンサ323とチョークコイル322とで平滑化され、出力端33から電流として出力される。集積回路(IC)325は電界効果トランジスタ(FET)324のゲート電圧を制御してFETドレイン電流を調節することにより出力電流を制御する。
【0033】
このような点灯装置3では、放電用回路327がない場合、光源2が交換のために取りはずされた状態では、給電スイッチ30が開になって電源10からの電力供給が停止されても、出力平滑用コンデンサ323に蓄積された電荷は放電されないことがある。しかし、このように出力平滑用コンデンサ323に蓄積された電荷が放電されないような回路構成を有している場合であっても、その点灯装置3において出力平滑用コンデンサ323と並列に放電用回路327を接続することにより、この放電用回路327を介して出力平滑用コンデンサ323に蓄積された電荷の放電が可能となる。放電後は、光源2を点灯装置3に再接続したときに光源2に過大電流が流れる恐れはなくなる。そのため、本実施形態によれば、点灯装置3が出力平滑用コンデンサ323を備えている場合でも、実施形態1で説明した給電スイッチ30を備えた構成を有する照明装置1であることを前提に、簡単な構成で光源交換時の光源2の自動復帰が可能となり、その際の光源2への過大電流を抑えることができる。従って、過大電流が流れることによる発光素子の破壊を防ぐことができる。
【0034】
放電用回路327の具体例として、最も簡単な例は抵抗素子である。放電用回路327として抵抗値Rの抵抗素子を接続すると、出力平滑用コンデンサ323の容量をCとして、時定数RCで蓄積電荷が放電される。
【0035】
なお、実施形態2では、点灯装置3への電力投入によりIC325がFET324をON状態にするような動作をする場合には、光源2の交換時に、点灯装置3への電力投入の前に点灯装置3と光源2との間の電気的接続が完了している必要がある。このようにしないと、放電用回路327でいったん蓄積電荷が放電されても出力平滑用コンデンサ323には再度電荷が蓄積され、この蓄積電荷により光源2に過大電流が流れる危険性があるからである。実施形態1に示した給電スイッチ30により給電電路を開閉する例はいずれもこの要求を満たしている。
【0036】
なお、特許文献1、2のいずれも点灯時に光源への過大電流を防止する手段を開示している。しかし、特許文献1では、対象光源が放電ランプであり、光源には交流電圧が印加されている。そのため、過電流抑制回路は、供給電圧を交流化するための回路であるブリッジ回路の一点と電源回路負極側との間に接続されており、直流駆動である発光素子で構成された光源には適用できない。特許文献2では、短絡回路の応答を積分回路でなまらせて、その結果、短絡しない方の光源への電流の一時的急増を抑えるというものであり、出力平滑用コンデンサに蓄積された電荷の放電による過大電流を防止するというものではない。
【0037】
本実施形態2では、給電スイッチ30と、放電用回路327とを導入することにより光源自動復帰の際の出力平滑用コンデンサ323に起因する光源2への過大電流流入を回避することができる。
【0038】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
【0039】
(付記1)光源と、
電源から電力の供給を受けて、所定の電流に制御して、前記光源に供給する電流制御部を備えた点灯装置と、
前記点灯装置の出力端から前記光源に前記生成された電流を供給する電流通電手段と、
前記光源の交換の前後に前記光源の交換に関連して位置を移動する可動構造体と、
前記電源と前記電流制御部との間の給電電路に設置され、前記可動構造体の動きと連動して開閉する給電スイッチと、
を備えていることを特徴とする照明装置。
【0040】
(付記2)前記可動構造体は、前記光源を収納したホルダであることを特徴とする付記1に記載の照明装置。
【0041】
(付記3)前記可動構造体は、前記光源の交換時に開閉される扉である、
ことを特徴とする付記1に記載の照明装置。
【0042】
(付記4)前記電流通電手段は、
前記電流制御部に装備された非接触給電部と、
前記光源に装備された非接触受電部と、
で構成されるとともに、
前記非接触給電部と非接触受電部との間の無線給電可能な距離が、前記光源が装着位置にあるときの前記非接触給電部と前記非接触受電部との間の距離よりも大きなものである、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか1項に記載の照明装置。
【0043】
(付記5)前記光源は、発光素子で構成され、
前記電流制御部は、
前記出力端に接続された出力平滑用コンデンサと、
前記出力平滑用コンデンサに並列に接続された放電用回路と、
を備えることを特徴とする付記1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
【0044】
(付記6)前記放電用回路は、抵抗素子である、
ことを特徴とする付記5に記載の照明装置。
【0045】
(付記7)電源から入力された電力に基づき所定の電流を生成する電流制御部を備えた点灯装置において、
前記電源と前記電流制御部との間の給電電路に設置された前記給電電路を開閉する給電スイッチを備え、
前記給電スイッチは、
前記点灯装置外に突き出た先端部を備え、前記先端部は、力が加えられると前記点灯装置内に入り込み、所定の距離入り込むことにより前記給電スイッチを閉状態にし、加えられた力がなくなると元の位置に戻ることにより前記給電スイッチを開状態にするように構成されている、
ことを特徴とする点灯装置。
【0046】
(付記8)前記電流制御部は、
前記出力端に接続された出力平滑用コンデンサと、
前記出力平滑用コンデンサに並列に接続された放電回路と、
を備えたことを特徴とする付記7に記載の点灯装置。
【符号の説明】
【0047】
1 照明装置
2 光源
3 点灯装置
4 ホルダ
5 給電線(電流通電手段)
6 取付面
7 光源収納スペース
8 回転支持部A
9 支持体
10 電源
30 給電スイッチ
31 整流回路部
32 電流制御部
33 出力端
50 回転支持部B
60 非接触給電部
61 非接触受電部
70 扉
310 ブリッジ整流回路
320 入力平滑用コンデンサ
321 ダイオード
322 チョークコイル
323 出力平滑用コンデンサ
324 電界効果トランジスタ(FET)
325 集積回路(IC)
326 電流検出用抵抗
327 放電用回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
電源から電力の供給を受けて、所定の電流に制御して、前記光源に供給する電流制御部を備えた点灯装置と、
前記点灯装置の出力端から前記光源に前記生成された電流を供給する電流通電手段と、
前記光源の交換の前後に前記光源の交換に関連して位置を移動する可動構造体と、
前記電源と前記電流制御部との間の給電電路に設置され、前記可動構造体の動きと連動して開閉する給電スイッチと、
を備えていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記可動構造体は、前記光源を収納したホルダであることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記可動構造体は、前記光源の交換時に開閉される扉である、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記電流通電手段は、
前記電流制御部に装備された非接触給電部と、
前記光源に装備された非接触受電部と、
で構成されるとともに、
前記非接触給電部と非接触受電部との間の無線給電可能な距離が、前記光源が装着位置にあるときの前記非接触給電部と前記非接触受電部との間の距離よりも大きなものである、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記光源は、発光素子で構成され、
前記電流制御部は、
前記出力端に接続された出力平滑用コンデンサと、
前記出力平滑用コンデンサに並列に接続された放電用回路と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記放電用回路は、抵抗素子である、
ことを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
電源から入力された電力に基づき所定の電流を生成する電流制御部を備えた点灯装置において、
前記電源と前記電流制御部との間の給電電路に設置された前記給電電路を開閉する給電スイッチを備え、
前記給電スイッチは、
前記点灯装置外に突き出た先端部を備え、前記先端部は、力が加えられると前記点灯装置内に入り込み、所定の距離入り込むことにより前記給電スイッチを閉状態にし、加えられた力がなくなると元の位置に戻ることにより前記給電スイッチを開状態にするように構成されている、
ことを特徴とする点灯装置。
【請求項8】
前記電流制御部は、
前記出力端に接続された出力平滑用コンデンサと、
前記出力平滑用コンデンサに並列に接続された放電回路と、
を備えたことを特徴とする請求項7に記載の点灯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−216246(P2011−216246A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−81495(P2010−81495)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】