説明

照明装置及びデータセンター内の照明システム

【課題】 省エネに優れたサーバーラック用照明装置及びデータセンターの照明システムを提供することを目的とする。
【解決手段】 照明装置(10A)は、ラック(100A)内のスロット部に収納されたサーバーモジュール(BSV、SV)を照明する照明装置である。そして照明装置(10A)は、スロット部(ST)の幅に合わせた大きさの筐体(21)と、筐体(21)に設けられ筐体がスロット部内に収納された際にサーバーモジュール(BSV、SV)の正面又は背面よりも外側に位置して光を照明する照明光源(16)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバーラック用などに使われる照明装置及びデータセンター内の照明システムに関し、特に省エネに優れたサーバーラック用照明装置及びデータセンターの照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
サーバーが多く配置されたデータセンターは消費電力が非常に大きい。このため消費電力を少しでも少なくするようにいろいろな試みが行われている。その一つに特許文献1に示されるように、消費電力を減らすために薄暗くなったデータセンター内の通路をサーバーラック側から照らす提案がなされている。
【0003】
特許文献1に開示されたサーバーラックは、扉の左右両側の周辺部を凹ませた収納凹部を有する。そしてその収納凹部に着脱自在に照明器具が装着されている。そして複数台のサーバーラックによって形成された通路を照明器具が照らしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−295083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、データセンター内でサーバーの点検・メンテナンスを行う際には、できるだけ作業者の手元が明るい方が望ましいが、特許文献1に開示された照明器具は、通路方向を照らすため、作業者の手元は暗くなってしまう可能性がある。
また、特許文献1に開示された照明器具は常に点灯されているものであり、エネルギー消費量が増加してしまう。
また、サーバーラックを既設の施設内に配設する場合、作業者の手元を十分に照らせるよう、ラックと施設の照明との配置を考慮する必要がある。しかし、施設の照明配置を基準にするとラックのレイアウトに制限が生じてしまったり、照明の直下にラックが配設されて該照明がラック上天部を照らして作業者の手元に光が十分に届かなかったりする。
また、施設の照明は、ある一定領域毎に電力管理されているため、作業に当たって照明を点灯すると、作業者のいる領域以外も点灯されてしまい、無駄な電力を消費してしまう。このように、サーバー管理において施設に常設された照明を使うことは、作業者の作業効率や省電力化といった様々な障害があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、作業者を十分に照らすとともに、省エネに優れたサーバーラックなどの照明装置及びデータセンターの照明システムを提供することを目的とする。
【0007】
第1観点の照明装置は、ラック内のスロット部に収納されたサーバーモジュールを照明する照明装置である。そして照明装置は、スロット部の幅に合わせた大きさの筐体と、筐体に設けられ筐体がスロット部内に収納された際にサーバーモジュールの正面又は背面よりも外側に位置して光を照明する照明光源と、を備える。
照明装置はラックのスロット部内に設置されるため作業の邪魔にならない。
【0008】
照明装置の照明光源は、サーバーモジュールの正面又は背面に光を照明する。
照明装置の照明光源は、サーバーモジュールの正面よりも前方に光を照明する。
照明装置の照明光源は、光を照明する射出口に光を偏向する光学部材を有する。
【0009】
照明装置の筐体は、スロット部に着脱可能に固定される。
また照明装置の筐体は、スロット部に沿って移動可能である。
照明装置の筐体は、スロット部に沿って一定ピッチごとに停止箇所を有する。
【0010】
照明装置の照明光源は、光の照明方向を変えることができる。
筐体の一部に折り曲げ部が設けられ、照明光源は折り曲げ部によって照明方向を変える。
【0011】
ラックは、ラック内に収納したサーバーモジュールを保護するための開閉可能な開閉扉を有する。そして、照明装置は、開閉扉が開いた際に開信号を出力し閉じた際に閉信号を出力する開閉スイッチを備え、照明光源は開信号を受けた際に点灯し閉信号を受けた際に消灯する。
そして、開閉扉が閉じた際に筐体は開閉扉に当接しない。
【0012】
第2観点の照明装置はラック内のスロット部に収納されたサーバーモジュールを照明する。この照明装置は、スロット部の幅に合わせて形成され、ラックの天井板に載置されたレールと、スロット部の幅に合わせた大きさで、レールに沿って移動可能な筐体と、筐体に設けられ、光をサーバーモジュールの正面又は背面に照明する照明光源と、を備える。
【0013】
第3観点のデータセンター内の照明システムは、照明装置を備えたラックがデータセンター内の通路に沿って複数配置され、通路を通る人を検出する人検出部を備え、人検出部からの信号に基づいて照明装置は通路を照明する。
【0014】
第4観点のデータセンター内の照明システムは、照明装置を備えたラックがデータセンター内の通路に沿って複数配置され、通路を通る人を検出する人検出部と、人検出部からの信号に基づいて通路を照明する通路照明装置と、を備える。
【発明の効果】
【0015】
本発明の照明装置は、サーバーモジュールを点検する作業者の手元を照らすことができる。またこの照明装置はラックのスロット部内に設置されるため、作業の邪魔にもならない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】データセンターDCの全体構成を示した斜視図である。
【図2】データセンターDCの平面図である。
【図3】第1実施形態の第1サーバーラック用LED装置10Aを備えた第1サーバーラック100Aの正面図である。
【図4】第1サーバーラック用LED装置10Aを備えた第1サーバーラック100Aの側面図である。
【図5】(A)は第1実施形態の第1サーバーラック用LED装置10Aの斜視図である。 (B)は光学部材LEを有するサーバーラック用LED装置10Bの斜視図である。
【図6】第1サーバーラック用LED装置10A及び照明器具11の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2実施形態の第2サーバーラック用LED装置10Cの斜視図である。
【図8】第2サーバーラック用LED装置10Cを説明するための第2サーバーラック100Bの側面図である。
【図9】第3実施形態の第3サーバーラック用LED装置10Dの斜視図である。
【図10】第3サーバーラック用LED装置10Dを説明するための第4サーバーラック100Dの側面図である。
【図11】第3サーバーラック用LED装置10Dの動作を示すフローチャートである。
【図12】第4実施形態の第4サーバーラック100Eの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
<データセンターDCの全体構成>
図1は、データセンターDCの全体構成を示した斜視図である。図1において、第1サーバーラック100Aが並列された方向をX軸とし、第1サーバーラック100Aの起立方向をZ軸とし、X軸及びZ軸に垂直な方向をY軸とする。
【0018】
図1に示されたように、データセンターDC内にはサーバーラック列SRLa〜100fがX軸方向に沿って6列配置されている。また、サーバーラック列SRLa〜100fは、それぞれ20台の第1サーバーラック100Aより構成される。第1サーバーラック100Aは複数のサーバーSV(図3を参照)などを収納している。
【0019】
第1実施形態において、第1サーバーラック列SRLaと第2サーバーラック列SRLbとが互いに正面を対向するように配置される。同様に、第3サーバーラック列SRLcと第4サーバーラック列SRLdとが互いに正面を対向するように配置され、第5サーバーラック列SRLeと第6サーバーラック列SRLfとが互いに正面を対向するように配置されている。したがって、第2サーバーラック列SRLbと第3サーバーラック列SRLcとが互いに背面を対向し、第4サーバーラック列SRLdと第5サーバーラック列SRLeとが互いに背面を対向している。
【0020】
これにより、複数の作業用通路30(30a、30bおよび30c)と空調用通路40(40a、40b、40cおよび40d)とが形成されている。具体的には、第1サーバーラック列SRLaと第2サーバーラック列SRLbとの間には第1作業用通路30aが形成されている。同様に、第3サーバーラック列SRLcと第4サーバーラック列SRLdとの間には第2作業用通路30bが形成され、第5サーバーラック列SRLeと第6サーバーラック列SRLfとの間には第3作業用通路30cが形成されている。また、第1サーバーラック列SRLaの背面側(−Y側)には第1空調用通路40aが形成される。第2サーバーラック列SRLbと第3サーバーラック列SRLcとの間には第2空調用通路40bが形成され、第4サーバーラック列SRLdと第5サーバーラック列SRLeとの間には第3空調用通路40cが形成される。また、第6サーバーラック列SRLfの背面側(+Y側)に第4空調用通路40dが形成される。
【0021】
また、サーバーラック列SRLa〜100fの一方(−X側)には第1サーバーラック100A内などを含めたデータセンターDC内の温度を調整するために、空調としてパッケージエアコン20a〜20dが配置されている。第1パッケージエアコン20aは第1空調用通路40aを空調し、第2パッケージエアコン20bは第2空調用通路40bを空調する。同様に、第3パッケージエアコン20cは第3空調用通路40cを空調し、第4パッケージエアコン20dは第4空調用通路40dを空調する。
【0022】
データセンターDCは天井照明が設けられていない。このため、データセンターDC内は非常に暗い状態となっている。天井照明がないため照明用の消費電力はきわめて少なくなっている。
【0023】
図2は、データセンターDCの平面図である。
図2に示されたように、例えば作業者90が第1作業用通路30aに入って第1サーバーラック列SRLa又は第2サーバーラック列SRLbに収納されたサーバーSV(図3を参照)について作業できる。同様に、作業者90は第2作業用通路30bに入って第3サーバーラック列SRLc又は第4サーバーラック列SRLdに収納されたサーバーSV(図3を参照)について作業でき、第3作業用通路30cに入って第5サーバーラック列SRLe又は第6サーバーラック列SRLfに収納されたサーバーSV(図3を参照)について作業できる。
【0024】
また、作業者90が原則的に入らない第1空調用通路40aでは、第1パッケージエアコン20aが矢印AR1に示された空調用空気を+X軸方向に吹き出す。そして空調用空気は、第1サーバーラック列SRLaからの熱を排気する。同様に、第2空調用通路40bでも、第2サーバーラック列SRLb及び第3サーバーラック列SRLcからの熱が第2パッケージエアコン20bからの空調用空気(矢印AR2)によってが+X軸方向に排気される。第3空調用通路40cでも、第4サーバーラック列SRLd及び第5サーバーラック列SRLeからの熱が第3パッケージエアコン20cからの空調用空気(矢印AR3)によって排気される。第4空調用通路40dでも、第6サーバーラック列SRLfからの熱が第4パッケージエアコン20dからの空調用空気(矢印AR4)によって排気される。
【0025】
<データセンター照明システム>
データセンター照明システムは、全ての第1サーバーラック100Aに設けられその正面通路側に光を照射する照明器具11と作業者90の存在を検出する照明器具用センサー12(図3を参照)とを少なくとも含む。データセンターDC内は天井照明の無い非常に暗い状態となっている。データセンターDC内に作業者90が入ると、照明器具用センサー12(図3を参照)が作業者90を検出する。そして照明器具用センサー12からの信号により、照明器具11が第1サーバーラック100Aの正面通路側を照明する。また、作業者90が照明器具用センサー12の検出範囲から出ると、照明器具用センサー12(図3を参照)は所定時間の経過後に照明器具11への信号出力を止める。照明器具用センサー12からの信号を受けなくなると、照明器具11が消灯する。
【0026】
例えば、図2に示されたように作業者90が第1入口ET1から−X軸方向に沿って位置Aまで歩いたとき、位置Aまで第1サーバーラック列SRLa及び第2サーバーラック列SRLbの第1サーバーラック100Aに設けられた照明器具11が順次点灯する。これにより、図2中、破線で囲まれた作業者90の周囲の領域D1が明るくなる。照明器具用センサー12(図3で説明)が作業者90を検出しないと所定時間経過後に、照明器具11が自動的に消灯する。すなわち、第1入口ET1に近い第1サーバーラック100Aに設けられた照明器具11から順次消灯する。したがって、無駄な照明電力を削減でき省エネが実現できる。
【0027】
また、作業者90が第2入口ET2から位置Aを通り過ぎ位置Bまで歩いたとき、位置Bの付近の照明器具用センサー12(図3で説明)が作業者90を検出する。照明器具用センサー12からの信号により照明器具11が点灯する。照明器具用センサー12が作業者90を検出しないと所定時間経過後に照明器具11が消灯するため、第2入口ET2から位置Aまでの照明器具11が消灯している。このため、図2に示されるように、破線で囲まれた作業者90の周囲の領域D2のみが明るくなっている。
【0028】
次に作業者90が第3入口ET3から位置A及び位置Bを経由して位置Cに到達し、その場しばらく立ち止まった状態を説明する。第3入口ET3から位置Cの手前(X軸方向)までの照明器具用センサー12は、作業者90を検出しなくなって所定時間が経過したため信号を停止する。そして、位置C付近の照明器具用センサー12のみが、作業者90を検出し続けているため、位置C付近の照明器具用センサー12が照明器具11に信号を送る。そのため、位置C付近の照明器具11のみが点灯し続ける。作業者90付近の照明装置11のみが点灯するため、無駄な照明電力を削減でき省エネが実現できる。
【0029】
<第1サーバーラック100Aの構成>
図3は、第1実施形態の第1サーバーラック100Aの正面図である。図4は、第1実施形態の第1サーバーラック用LED装置10Aを説明するための第1サーバーラック100Aの側面図である。第1サーバーラック100Aは、例えば収納規格が統一された19インチの工業用ラックとして説明する。また、図4は理解を助けるために、ディスプレイPL及びキーボードKBなどの一部の部材が省略して描いてあり、開閉扉23は点線で描いてある。
【0030】
図3及び図4に示されるように、第1サーバーラック100Aは、4本のメインフレーム13とそのX軸及びY軸方向の内側にはZ軸方向に伸びた4本のホルダーフレーム24とが設けられている。そして、第1サーバーラック100Aの正面側には、図3に示されたように、開閉扉23が設けられている。第1サーバーラック100Aの背面側は正面側と同様に開閉扉23が設けられていてもよい。また背面側に、開閉扉23ではなく、パンチメタルなどの板が取り付けられていてもよい。第1サーバーラック100Aの上側には天井板28が配置され、下側には底面板29が配置される。
【0031】
開閉扉23はメインフレーム13に蝶番27で接続されており、正面のメインフレーム13に対して開閉可能である。開閉扉23は一般的に扉枠に通風性に優れたパンチングメタルが接合されている。また、図示しないが第1サーバーラック100Aの中身が見えるように扉体の大部分に透明なガラス板が嵌め込まれたり、後述する第3サーバーラック用LED装置10Dからの光が透過するように開閉扉23の上部に透明なガラス板が嵌め込まれたりしていてもよい。
【0032】
メインフレーム13の蝶番27と反対側(+X側)の両隅には、扉開閉センサー14a、14bが設けられている。扉開閉センサー14a、14bは開閉扉23の開閉状態を検出し、開状態又は閉状態の信号を出力する。例えば、第1実施形態では押圧タイプのセンサーが使用されているが、扉開閉センサー14a、14bは近接センサーなどの他のタイプのセンサーを使用してもよい。これらの扉開閉センサー14a、14bが開閉扉23の検出を確実にするために、開閉扉23の対応する位置には扉突起部15a、15bが設けられている。
【0033】
また、第1サーバーラック100Aの天井板28の真ん中付近には照明器具11が設けられている。照明器具11は例えば10個の白色LEDが配置されており、第1サーバーラック100Aの天井板28上から正面の作業用通路30a〜30c(図2を参照)に向けて光が照射される。
【0034】
第1サーバーラック100Aの天井板28の両側(X軸方向)には作業者90の存在を検出できる照明器具用センサー12a、12bがそれぞれ設けられている。例えば、作業者90が+X軸方向に移動してくる場合に照明器具用センサー12aが作業者90の存在を先に検出する。作業者90が−X軸方向から移動してくる場合に照明器具用センサー12bが作業者90の存在を先に検出する。作業者90が第1サーバーラック100Aの正面付近で立ち止まっている場合には、照明器具用センサー12a,12bの両方が作業者90を検出する。照明器具用センサー12a,12bは、照明器具11に検出信号を出力する。そして、検出信号を受け取った照明器具11は光を照射する。
【0035】
第1実施形態では、照明器具用センサー12a、12bは遅延タイマーが内蔵されたセンサーを使用している。このため、照明器具用センサー12a、12bは、作業者90がいない状態となっても所定時間だけ検出信号を照明器具11に出力する。照明器具11は作業者90がいない状態でも所定期間だけ光を照射する。
【0036】
また図3及び図4に示されるように、第1サーバーラック100Aは、4本のメインフレーム13とそのX軸及びY軸方向の内側にはZ軸方向に伸びた4本のホルダーフレーム24とを設けている。そのホルダーフレーム24は例えば46段のスロット部STを有している。このスロット部STにはしばしば正面の一対のホルダーフレーム24の幅に対応したブランクパネル(不図示)が嵌め込まれている。またこのスロット部STには、正面と背面とのホルダーフレーム24の長さに対応して、Y軸方向に伸びた複数のサーバー挿入用レール17が設けられる。
【0037】
サーバーモジュールが挿入される際に、ブランクパネル(不図示)が嵌め込まれている場合には、そのブランクパネルが取り外されて、サーバー挿入用レール17にサーバーモジュールが挿入される。このサーバーモジュールとしてサーバーSV又はブレードサーバーBSVなどが挙げられる。サーバー挿入用レール17に挿入されたサーバーSV又はブレードサーバーBSVは、ホルダーフレーム24にネジなどで固定される。
【0038】
また、第1サーバーラック100Aの他のスロット部STには、サーバーモジュールの制御に用いられるディスプレイPL及びキーボードKBなどが設けられてもよい。一般的にディスプレイPL及びキーボードKBは、作業者90が立って又は座って作業しやすくように約80cmから160cmの高さに設けられている。
【0039】
Z軸方向に一番上のブレードサーバーBSVの上側のスロット部STに、2つの第1サーバーラック用LED装置10Aが設けられている。1つの第1サーバーラック用LED装置10Aは正面側に配置され、もう一方は背面側に配置されている。第1サーバーラック用LED装置10Aは、図5で説明するように筐体21及びLED16などから構成される。第1サーバーラック用LED装置10Aは、ブランクパネルが嵌め込まれている場合には、そのブランクパネルが取り外された後に、ホルダーフレーム24又はサーバー挿入用レール17に取り付けられる。
【0040】
第1サーバーラック用LED装置10Aの筐体21の幅はブランクパネルとほぼ同じ幅で構成される。すなわち、筐体21の幅は正面又は背面の一対のホルダーフレーム24の幅に対応している。第1サーバーラック用LED装置10Aはホルダーフレーム24又はサーバー挿入用レール17に着脱可能に取り付けられる。第1サーバーラック用LED装置10Aの底面にはLED16が設けられている。LED16は、第1サーバーラック100A内の電源端子に接続され、例えば5Vの直流電圧で点灯する。図3又は図4に示されるように、LED16が、サーバーSV又はブレードサーバーBSVなどの正面を光50で照射することで、作業者90はサーバーSVなどの設定・調整を行うことができる。また、LED16が、サーバーSV又はブレードサーバーBSVなどの背面を光50で照射することで、作業者90はサーバーSVなどにケーブルなどを配線することができる。
【0041】
また、図4に示されるように、第1サーバーラック用LED装置10Aはホルダーフレーム24より外側(正面側(−Y側)、又は背面側(+Y側))に突起するように配置されている。これにより、筐体21の底面に設けられたLED16がホルダーフレーム24の外側に露出し、LED16から照射した光50がサーバーSV又はブレードサーバーBSVなどの正面又は背面を照射する。また、第1サーバーラック用LED装置10Aは、点線で示された開閉扉23が閉じられた状態で、開閉扉23の内側に当接することがない。すなわち、開閉扉23が閉じられた状態では、第1サーバーラック用LED装置10Aは第1サーバーラック100A内に収納される。
【0042】
図3又は図4では、第1サーバーラック用LED装置10AはブレードサーバーBSVの1つ上側のスロット部STに設けられているが、複数のスロットSTをスキップして第1サーバーラック100Aの一番上のスロット部STに取り付けられてもよい。新たなブレードサーバーBSVを挿入するスロットSTを確保しておくためである。さらに、図4に示されるように、正面側の第1サーバーラック用LED装置10Aと背面側の第1サーバーラック用LED装置10Aとが異なる段のスロット部STに装着されてもよい。
【0043】
また、第1サーバーラック用LED装置10Aは常に点灯されているものではない。第1サーバーラック用LED装置10AのLED16は扉開閉センサー14a、14bに接続されている。扉開閉センサー14a、14bが開閉扉23の開放を検出した際にLED16に信号を出力し、LED16が点灯する。第1実施形態では、扉開閉センサー14a、14bの少なくとも一方が故障しても、LED16が点灯するように扉開閉センサーが2つ設けられている。しかし、コスト低減のため扉開閉センサーが1つだけ設けられていてもよい。扉開閉センサー14a、14bが開閉扉23の閉鎖を検出した際には信号出力が止まり、LED16が消灯する。
【0044】
<第1サーバーラック用LED装置10Aの構成>
図5(A)は、第1実施形態の第1サーバーラック用LED装置10Aの斜視図である。(B)は光学部材LEを有するサーバーラック用LED装置10Bの斜視図である。
【0045】
(A)に示される第1サーバーラック用LED装置10Aは、立方体である樹脂の筺体21で構成される。筺体21のX軸方向の幅は正面又は背面の一対のホルダーフレーム24の内幅と同じであり、筺体21の厚さ(Z軸方向)はスロット部STの厚さと同じように構成されている。第1サーバーラック用LED装置10Aを正面から見たときに、ブレードサーバーBSVの正面と同じ形状、又はブランクパネル(不図示)の正面と同じ形状であった方がデザイン的に優れるためである。
【0046】
筺体21の底面には白色のLED16が等間隔に5箇所設けられている。1箇所には必要な光量に応じて1個から5個の白色LED16が配置される。また、白色のLED16に代えて他の色のLEDが用いられてもよいし、フィラメント電球が用いられてもよい。
【0047】
また、筺体21のX軸方向の両側には2つの係合部25がそれぞれ設けられている。2つの係合部25は、樹脂又は金属で構成されて弾性変形可能である。このため、係合部25が第1サーバーラック100Aのホルダーフレーム24又はサーバー挿入用レール17(図4を参照)に押し付けられると、係合部25はホルダーフレーム24又はサーバー挿入用レール17に係止する。逆に、第1サーバーラック用LED装置10Aを引っ張ると、係合部25とホルダーフレーム24又はサーバー挿入用レール17との係止が解除される。
【0048】
その他、第1サーバーラック用LED装置10Aは、図示しない電源コードを有している。なお、第1実施形態では5箇所に白色のLED16が設けられているが、必要に基づいて、3箇所又は6箇所にLED16が設けられてもよい。
【0049】
(B)に示されるサーバーラック用LED装置10Bは、第1サーバーラック用LED装置10Aとほぼ同じ構成である。しかしサーバーラック用LED装置10Bは、LED16から照射された光を集光する集光レンズLEがLED16の射出口に配置してある。これにより、LED16からの光50の指向性を高めることができる。特に図示しないが、集光レンズLEの代わりに光学プリズムやミラーなどを配置して、LED16からの光50を偏向させてもよい。このようにLED16の射出口に光学部材が配置されると、サーバーSV又はブレードサーバーBSVなどの正面又は背面に照明される光50を調整することができる。
【0050】
<第1サーバーラック用LED装置10Aおよび照明器具11の動作>
図6は、第1サーバーラック用LED装置10Aおよび照明器具11の動作を示すフローチャートである。なお、動作は、第1サーバーラック用LED装置10Aが第1サーバーラック100Aの正面側(作業用通路30)に配置されている例で説明する。
【0051】
作業者90がデータセンターDC内の作業用通路30に入る(ステップS111)。すると、第1サーバーラック100Aの天井板28に設けられた照明器具用センサー12(12a、12b)が作業者90の存在を検出する(ステップS112)。第1サーバーラック100Aの通路方向(X軸方向)の両側に照明器具用センサー12a、12bが配置されるため、作業者90が作業用通路30を進行する方向に影響を受けない。
【0052】
照明器具用センサー12の信号により、第1サーバーラック100A上の照明器具11が点灯する。図2で示されたように、作業用通路30の両側の第1サーバーラック100Aの照明器具11が点灯する(ステップS113)。作業者90は一つの第1サーバーラック100Aに対して作業を行うため、その一つの第1サーバーラック100Aの前に立ち止まる。そして作業者90は第1サーバーラック100Aの正面の開閉扉23を開ける(ステップS114)。
【0053】
すると、扉開閉センサー14(14a、14b)が開閉扉23の開状態を検出する(ステップS115)。そして、扉開閉センサー14の信号により、第1サーバーラック用LED装置10Aが点灯する(ステップS116)。このとき、ステップS113で示されたように、作業用通路30の両側の第1サーバーラック100Aの照明器具11が点灯している。このため、第1サーバーラック用LED装置10Aと照明器具11は、第1サーバーラック100Aの上側に挿入されたブレードサーバーBSVから下側に挿入されたサーバーSVを満遍なく照明する。
【0054】
作業者90は、作業を終えると第1サーバーラック100Aの開閉扉23を閉じる(ステップS117)。すると扉開閉センサー14の信号が停止するため、第1サーバーラック用LED装置10Aが消灯する(ステップS118)。
【0055】
その後、作業を終えた作業者90が第1サーバーラック100Aの正面から立ち去る(ステップS119)。すると、センサー12の信号停止により、所定時間経過後に作業を行った第1サーバーラック100Aの照明器具11及びその通路の反対側の第1サーバーラック100Aの照明器具11が消灯する(ステップS120)。作業者90は作業用通路30を歩いてデータセンターDC外へ出て行くが、作業用通路30を歩いている最中は、ステップ112及びステップ113で説明したと同様に、作業用通路30の両側の照明器具11が点灯して作業用通路30を照らす。
【0056】
このように、ホルダーフレームの内幅と幅の同じ筐体内にLED16を配設してサーバーラック100A毎にその筐体を設置することで、サーバーラック毎に照明するため、作業者の手元を確実に照らすことができる。また、サーバーラック毎にラック前面を照明するため、作業者のいない作業者用通路や空調用通路等の照明の不要なエリアに対する照明コストを低減でき、施設常設の照明を用いることのない省電力化が図れる。また、扉の開閉に応じて第1サーバーラック用LED装置10Aが照明を行うため、作業の発生するときのみ照明し、更なる省電力化が図れる。
【0057】
(第2実施形態)
<第2サーバーラック用LED装置10Cの構成>
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1サーバーラック用LED装置10Aに代えて第2サーバーラック用LED装置10Cを用いている。データセンターDC及び照明器具11などの構成は第1実施形態と同じである。第2サーバーラック用LED装置10C及びそれを備えた第2サーバーラック100Cの構成について図7及び図8を参照しながら説明する。
【0058】
図7は、第2実施形態の第2サーバーラック用LED装置10Cの斜視図である。図8は、第2実施形態の第2サーバーラック用LED装置10Cを説明するための第2サーバーラック100Cの側面図である。なお、図8は理解を助けるために、第2サーバーラック100Cの開閉扉23などを一部省略して描いてある。
【0059】
図7に示されたように、第2サーバーラック用LED装置10Cは、第1サーバーラック用LED装置10Aに筺体延長部26及びLED装置用レール18を追加している。筺体延長部26のX軸方向の幅は筺体21の幅と同じであり、筺体延長部26の厚さも筺体21の厚さと同じである。筺体延長部26の奥行き(Y軸方向)DYは、スロット部STの奥行きDDであるホルダーフレーム24間(図8を参照)の約1/2に構成されている。図8に示されるように2つの第2サーバーラック用LED装置10Cが同じ段のスロット部STに配置されないのであれば、筺体延長部26の奥行き(Y軸方向)DYはスロット部STの奥行きDDと同等であってもよい。
【0060】
筺体延長部26のX軸方向の両側にはLED装置用レール18が設けられている。LED装置用レール18はXZ平面において断面形状が「凹」型となり、スライドレールとして用いられる。ここで、LED装置用レール18の凹部は第2サーバーラック100Cの挿入用レール17に噛み合うサイズで構成される。
【0061】
また、筺体21に設けられたLED16、2つの係合部25は第1実施形態で説明したものと同じである。すなわちLED16は扉開閉センサー14a、14bにより開閉扉23の開閉を検出ことで点灯又は消灯する。また、図5(B)で示されたように、LED16の射出口に集光レンズなどの光学部材が配置されていてもよい。
【0062】
また係合部25はホルダーフレーム24又はサーバー挿入用レール17(図4を参照)に押し付けられると、係合部25はホルダーフレーム24又はサーバー挿入用レール17に係止する。係合部25がホルダーフレーム24又はサーバー挿入用レール17に係止しない状態では、第2サーバーラック用LED装置10Cは、挿入用レール17とLED装置用レール18とが噛み合っているため、任意の位置で停止することができる。すなわち、図8に示されたように第2サーバーラック用LED装置10Cが第2サーバーラック100Cの挿入用レール17に沿ってY軸方向で移動自由が可能である。また、第2サーバーラック用LED装置10Cを引っ張ると、係合部25とホルダーフレーム24又はサーバー挿入用レール17との係止が解除される。
【0063】
詳しく説明すると、第2サーバーラック用LED装置10Cの位置が実線の位置であるとき、第2サーバーラック用LED装置10CのLED16の光50は、その直下に配置されたブレードサーバーBSV付近を照射できる。また、第2サーバーラック用LED装置10Cの位置が点線の位置であるとき、第2サーバーラック用LED装置10CのLED16の光50は、第2サーバーラック100Cの下側の複数のサーバーSVを照射することができる。したがって、作業者90が作業しやすいように、第2サーバーラック用LED装置10Cを所定の位置まで引出して作業することができる。
なお、第2サーバーラック用LED装置10Cおよび照明器具11の動作は、図6で示されたフローチャートと略同じであるため、説明を割愛する。
【0064】
第2サーバーラック用LED装置10Cは、その移動位置(引き出し位置)に応じて調光可能とすることもできる。例えば、サーバーラックの最上段寄りのスロットに第2サーバーラック用LED装置10Cを設置した場合、引き出し距離の増加に応じて段階的にあるいは徐々にLED16への電力供給量を増加させて照度が高くなるようにすることができる。このようにすれば、上段位置での作業の際は引き出し距離を短くすることによって少ない電力で十分な照度を得ることができ、下段位置での作業の際は引き出し距離を長くすることによって適切な電力で十分な照度を得ることができる。このような第2サーバーラック用LED装置10Cの引き出し位置に対応する調光は、この例に限定されるものではなく任意に決定することができる。
【0065】
(第3実施形態)
<第3サーバーラック用LED装置10Dの構成>
第3実施形態は、第2サーバーラック用LED装置10Cの代わりに第3サーバーラック用LED装置10Dを用いている。第3サーバーラック100Dは、その天井板28に照明器具11を備えていない。第3サーバーラック用LED装置10D及びそれを備えた第3サーバーラック100Dの構成について図9及び図10を参照しながら説明する。
【0066】
図9は、第3実施形態の第3サーバーラック用LED装置10Dの斜視図である。
第3サーバーラック用LED装置10Dは、曲げ筺体31、蛇腹部33及び筺体延長部36を有している。
【0067】
曲げ筺体31は、第1実施形態の筐体21と基本的に同じ構成でありLED16をその底面に有している。しかし、筺体21のX軸方向の両側には係合部25が設けられていない。曲げ筺体31と筺体延長部36との間には蛇腹部33が形成されている。蛇腹部33は筺体延長部36に対して曲げ筺体31を任意の角度方向に折り曲げることができる。
【0068】
第3サーバーラック用LED装置10Dは第2実施形態で説明された筺体延長部26に代えて筺体延長部36を有している。筺体延長部36はその両側面(X軸方向)に突起の先端が外側に向かう位置決め用段差部39が形成されている。一方、挿入用レール17は等間隔に形成された板バネ27を有している。板バネ27は位置決め用段差部39の凹み部に挿入されるサイズに形成されている。さらに、第3サーバーラック用LED装置10Dは、位置決め用段差部39と挿入用レール17とが所定の間隔(ピッチ)で位置決めできる。このため上述したように、筺体21に第1実施形態で説明された係合部25を有していない。また第3サーバーラック用LED装置10Dは、挿入用レール17から着脱可能である。
【0069】
また、筺体31に設けられたLED16は第1実施形態で説明したもの基本的に同じである。また、図5(B)で示されたように、LED16の射出口に集光レンズなどの光学部材が配置されていてもよい。
【0070】
LED16は扉開閉センサー14a、14bに接続され、さらに第3サーバーラック100Dの天井板28の両側に配置された照明器具用センサー12に接続されている。このためLED16は、開閉扉23の開閉で点灯又は消灯し、作業者90の存在で点灯又は消灯する。
【0071】
第3サーバーラック用LED装置10Dは、筺体31を筺体延長部36に対して上下方向に折り曲げることができる。また、作業者90が作業しやすいように、第3サーバーラック用LED装置10Dを所定の位置まで引出して作業することができる。したがって、作業者90はLED16の光が照射される位置を任意に調整できる。また、図10に示されるように、作業者90が作業を終えて開閉扉90を閉じる際には、LED16が作業用通路30を向くように、筺体31を筺体延長部36に対して約90度上に折り曲げる。また
【0072】
なお、第3実施形態で説明された位置決め用段差部39に代えて、第2実施形態で説明されたLED装置用レール18が設けられてもよい。また第2実施形態で説明されたLED装置用レール18を設けた場合には、それに応じて筺体31の両側に係合部25を設けることが好ましい。
【0073】
<第3サーバーラック用LED装置10Dの動作>
図11は、第3サーバーラック用LED装置10Dの動作を示すフローチャートである。なお、動作は、第3サーバーラック用LED装置10Dが第3サーバーラック100Dの正面側(作業用通路30)に配置されている例で説明する。
【0074】
作業者90がデータセンターDC内の作業用通路30に入る(ステップS211)。すると、第3サーバーラック100Dの天井板28に設けられた照明器具用センサー12(12a、12b)が作業者90の存在を検出する(ステップS212)。第3サーバーラック100Dの通路方向(X軸方向)の両側に照明器具用センサー12a、12bが配置されるため、作業者90が作業用通路30を進行する方向に影響を受けない。
【0075】
照明器具用センサー12の信号により、第3サーバーラック100D内の第3サーバーラック用LED装置10Dが点灯する(ステップS213)。開閉扉23は、第3サーバーラック用LED装置10Dの高さではガラス板などが嵌め込まれており光50が透過する。作業者90は一つの第3サーバーラック100Dに対して作業を行うため、その一つの第3サーバーラック100Dの前に立ち止まる。そして作業者90は第3サーバーラック100Dの正面の開閉扉23を開ける(ステップS214)。
【0076】
すると、扉開閉センサー14(14a、14b)が開閉扉23の開状態を検出する(ステップS215)。そして、扉開閉センサー14の信号により、第3サーバーラック用LED装置10Dがそのまま点灯維持される(ステップS216)。
【0077】
作業者90は、作業を終えると第3サーバーラック100Dの開閉扉23を閉じる(ステップS217)。すると扉開閉センサー14の信号が停止するが、ステップS212で照明器具用センサー12が作業者90を検出しているため、第3サーバーラック用LED装置10Dは点灯したままである。
【0078】
その後、作業を終えた作業者90が第3サーバーラック100Dの正面から立ち去る(ステップS218)。すると、センサー12の信号停止により、所定時間経過後に第3サーバーラック用LED装置10Dが消灯する(ステップS219)。
【0079】
(第4実施形態)
<第4サーバーラック100Eの構成>
次に、第4実施形態を説明する。第4実施形態は、第2サーバーラック用LED装置10Cが第4サーバーラック100Eの天井板28の上に載置されている。第2サーバーラック用LED装置10Cを備えた第4サーバーラック100Eの構成について図12を参照しながら説明する。
【0080】
図12は、第4実施形態の第4サーバーラック100Eの側面図である。なお、図8は理解を助けるために、第4サーバーラック100Eの開閉扉23などを一部省略して描いてある。
【0081】
図12に示されたように、第2サーバーラック用LED装置10Cは、第4サーバーラック100Eの天井板28の上に天井レール37が載置されている。この天井レール37は、図8で説明した挿入用レール17と同じような構造である。このため、第2サーバーラック用LED装置10Cが天井レール37に取り付けられる。図12に示されるように2つの第2サーバーラック用LED装置10Cが取り付けられてもよいし、1つだけ取り付けられてもよい。
【0082】
LED16は扉開閉センサー14a、14bに接続され、さらに第4サーバーラック100Eの天井板28の両側(X軸方向)配置された照明器具用センサー12に接続されている。このためLED16は、開閉扉23の開閉で点灯又は消灯し、作業者90の存在で点灯又は消灯する。
【0083】
第2サーバーラック用LED装置10Cは、天井レール37とLED装置用レール18とが噛み合っているため、任意の位置で停止することができる。すなわち、第2サーバーラック用LED装置10Cが第4サーバーラック100Eの天井レール37に沿ってY軸方向で移動自由が可能である。
なお、第2サーバーラック用LED装置10Cの動作は、図11で示されたフローチャートと略同じであるため、説明を割愛する。
【産業上の利用可能性】
【0084】
以上、本発明の最適な実施例について詳細に説明したが、当業者に明らかなように、本発明はその技術的範囲内において実施例に様々な変更・変形を加えて実施することができる。
例えば、本発明ではデータセンターを一例として説明したが、より小さい範囲のサーバールームなどにも適当される。また、本発明ではレールを用いてサーバー及びサーバーラック用LED装置をサーバーラックに挿入しているが、棚を用いてサーバー及びLED装置などを載置してもよい。
【0085】
また、第3実施形態では蛇腹部33を用いてLED16の照射方向を変更させるが、LED16が照射した照明光の光路にミラーなどの反射板を設けてLED16の照射方向を変えてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10A〜10D … サーバーラック用LED装置
11 … 照明器具
12a、12b … 照明器具用センサー
13 … フレーム
14a、14b … 扉開閉センサー
15a、15b … 扉突起部
16 … LED
17 … 挿入用レール
18 … LED装置用レール
20a〜20d … パッケージエアコン
21、31 … 筺体
23 … 開閉扉
24 … ホルダー
25 … 係合部
26、36 … 筺体延長部
28 … 天井板、 29 … 底面板
30a〜30c … 作業用通路
33 … 蛇腹部
37 … 天井レール
39 … 位置決め用段差部
40a〜40d … 空調用通路
50 … 光(照射光)
90 … 作業者
100A、100C、100D、100E … サーバーラック
BSV … ブレードサーバー
DC … データセンター
KB … キーボード
PL … ディスプレイ
SRL(SRLa〜SRLf) … サーバーラック列
ST … スロット部
SV … サーバー


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラック内のスロット部に収納されたサーバーモジュールを照明する照明装置であって、
前記スロット部の幅に合わせた大きさの筐体と、
前記筐体に設けられ、前記筐体が前記スロット部内に収納された際に前記サーバーモジュールの正面又は背面よりも外側に位置して光を照明する照明光源と、
を備えるサーバーモジュールを照明する照明装置。
【請求項2】
前記照明光源は、前記サーバーモジュールの前記正面又は前記背面に光を照明する請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記照明光源は、前記サーバーモジュールの前記正面よりも前方に光を照明する請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記照明光源は、前記光を照明する射出口に前記光を偏向する光学部材を有する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記筐体は、前記スロット部に着脱可能に固定される請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項6】
前記筐体は、前記スロット部に沿って移動可能である請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記筐体は、前記スロット部に沿って一定ピッチごとに停止箇所を有する請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記照明光源は、前記光の照明方向を変えることができる請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項9】
前記筐体の一部に折り曲げ部が設けられ、前記照明光源は前記折り曲げ部によって照明方向を変える請求項8に記載の照明装置。
【請求項10】
前記ラックは、前記ラック内に収納した前記サーバーモジュールを保護するための開閉可能な開閉扉を有し、
前記照明装置は、前記開閉扉が開いた際に開信号を出力し閉じた際に閉信号を出力する開閉スイッチを備え、
前記照明光源は前記開信号を受けた際に点灯し、前記閉信号を受けた際に消灯する請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記開閉扉が閉じた際に、前記筐体は前記開閉扉に当接しない請求項10に記載の照明装置。
【請求項12】
ラック内のスロット部に収納されたサーバーモジュールを照明する照明装置であって、
前記スロット部の幅に合わせて形成され、前記ラックの天井板に載置されたレールと、
前記スロット部の幅に合わせた大きさで、前記レールに沿って移動可能な筐体と、
前記筐体に設けられ、光を前記サーバーモジュールの正面又は背面に照明する照明光源と、
を備えるサーバーモジュールを照明する照明装置。
【請求項13】
データセンター内の照明システムであって、
請求項9に記載の照明装置を備えたラックが前記データセンター内の通路に沿って複数配置され、前記通路を通る人を検出する人検出部を備え、
前記人検出部からの信号に基づいて前記照明装置は前記通路を照明する照明システム。
【請求項14】
データセンター内の照明システムであって、
請求項1から請求項8のいずれか一項の照明装置を備えたラックが前記データセンター内の通路に沿って複数配置され、
前記通路を通る人を検出する人検出部と、
前記人検出部からの信号に基づいて前記通路を照明する通路照明装置と、を備える照明システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−39754(P2011−39754A)
【公開日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−186200(P2009−186200)
【出願日】平成21年8月11日(2009.8.11)
【出願人】(509226783)株式会社IDCフロンティア (1)
【出願人】(308032138)中愛株式会社 (1)
【出願人】(509226794)ジーイーコンシューマープロダクツジャパン株式会社 (1)
【出願人】(500257300)ヤフー株式会社 (1,128)
【Fターム(参考)】