説明

照明装置及び照明装置の製造方法

【課題】輝度不足の発生を防止し、輝度を均一にすることができる照明装置及びその照明装置の製造方法を提供できる。
【解決手段】照明装置1aは、FPC10に実装されたLED20の光出射面21aの光出射方向とは逆側においてLED20と導光板30とが固着され、かつ導光板30の出射面31側において導光板30とLED20との境界が封止されている。また、導光板30は、LED30を収納する凹部33が形成され、凹部33とLED30との境界でLED30と固着されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置及び照明装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、液晶表示装置等のバックライトとして採用される照明装置が知られている。このような照明装置は、FPC(Flexible printed circuits)と、FPCに実装されたLED(Light Emitting Diode)と、LEDからの光が入射する導光板とを備え、導光板は、LEDの光出射面側に配置されている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2007−73399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら従来の照明装置においては、LEDの光出射面の光出射方向側にまでFPCが延在しており、導光板をこのFPCの延在した部分との間で両面テープや接着剤により固定している。またLEDの光出射面の光出射方向側にまでFPCが延在していなくてもLEDの光出射面の光出射方向側でLEDに直接、導光板を接着剤により固定する場合がある。これらの場合、LEDからの出射光が導光板の出射面と反対側の領域、つまり、導光板の出射面と対向する背面から両面テープや接着剤を介して外部に漏れ出し、光量が低下する。このようにLEDの光出射面の光出射方向側かつ導光板の出射面と反対側の領域において導光板とFPC、又は導光板とLEDとが固定されると、導光板からの出射光に対して両面テープや接着剤の影響により導光板の出射光の輝度不足が発生したり、輝度が均一にならない場合があった。
【0005】
そこで本発明は、輝度不足の発生を防止し、また輝度を均一にすることができる照明装置及びその照明装置の製造方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、発光源と、前記発光源の光を導光する導光板とを備え、前記発光源と前記導光板とは、前記発光源の光出射面から光出射方向側かつ前記導光板の出射面と反対側の領域を避けて固着される、ことを特徴とする照明装置によって達成できる。
【0007】
この構成により、発光源と導光板とは、発光源の光出射面から光出射方向側かつ導光板の出射面と反対側の領域を避けて固着される。すなわち、発光源と導光板との固着部は、光出射面の光出射方向側の導光板の出射面と対向する背面側には存在しないことになる。従って、発光源からの出射光が導光板の出射面と対向する背面から接着剤等を介して外部に漏れ出すことがない。このため導光板の出射光に対する、接着剤等の影響を抑制して導光板の出射光の輝度不足の発生を防止でき、また輝度を均一にすることができる。また、発光源と導光板の固着部とは、接着剤等により両者が固定されているので、発光源と導光板とを一体化することができる。これにより、導光板に対する発光源の光出射方向のズレを抑制できる。
【0008】
また、上記目的は、前記導光板は、前記発光源を収納する凹部が形成され、前記凹部と前記発光源との境界で前記発光源と固着されている、ことを特徴とする照明装置によっても達成できる。
【0009】
この構成によっても、導光板の出射光の輝度不足の発生を防止し、輝度を均一にすることができる。また、導光板の凹部は、発光源との境界で発光源に固着されているので、発光源と導光板と確実に一体化することができる。これにより、導光板に対する発光源の光出射方向のズレを抑制できる。
【0010】
上記構成において、前記導光板と発光源との境界は封止材で封止されている、構成を採用できる。これにより、発光源に対して導光板を確実に固着させることができる。これにより、導光板に対する発光源の光出射方向のズレを抑制できる。
【0011】
上記構成において、前記導光板は、前記光出射面の高さ方向の中心で当接している、構成を採用できる。これにより、発光源からの出射光を効率よく導光することができる。
【0012】
上記構成において、前記凹部は、前記発光源の外形に対応した形状に形成された位置決め部となっている、構成を採用できる。これにより、導光板に対する発光源の光出射方向のズレを抑制できる。またこの形状により、導光板の縁部の距離が短い凹凸形状となっているため導光板の加工成形時に、LEDの出射面と対向する面のかえりが少なくなり良好な面精度が得られる。これにより、発光源の光出射面側に導光板が配置された場合に導光板への入光を妨げることがない。
【0013】
上記構成において、前記発光源は、前記基板に実装された複数の発光源を含み、前記位置決め部は、前記複数の発光源の外形に対応した形状に形成されている、構成を採用できる。これにより、導光板に対する複数の発光源の光出射方向のズレを抑制できる。
【0014】
上記構成において、前記発光源に設けられ、該発光源の一部を覆うと共に前記領域から退避している反射材を備えた、構成を採用できる。発光源に設けられた反射材を用いることにより、導光板の出射光の輝度が向上する。また、反射材が、発光源の光出射面から光出射方向側かつ前記導光板の出射面と反対側の領域から退避していることにより、導光板の出射光の輝度を均一にすることができる。
【0015】
上記構成において、前記反射材と前記発光源とは封止材で封止されている、構成を採用できる。これにより、反射材と発光源とを一体化でき、反射材が発光源から剥がれることを防止できる。また、発光源に対する反射材の位置ズレも抑制できる。
【0016】
上記構成において、前記反射材は、前記発光源の光出射面であって、前記導光板の出射面側を覆っている、構成を採用できる。これにより、輝度を向上させることができる。
【0017】
上記目的は、基板と、前記基板に実装された発光源と、固定部と前記発光源の光を導光する導光部とを有する導光板とを備えており、前記導光板は、前記導光部を前記発光源の光出射面の光出射方向側に対向させ、前記固定部は、前記光出射面の光出射方向の逆側で前記基板又は前記発光源に固定される、ことを特徴とする照明装置によって達成できる。
【0018】
この構成により、導光板の導光部は発光源の光出射面の光出射方向側に対向し、導光板の固定部は光出射面の光出射方向の逆側で基板又は発光源に固定されるため、その固定部は光出射面の光出射方向側には存在しないことになる。従って、LEDからの出射光が導光板の出射面と対向する背面から両面テープや接着剤を介して外部に漏れ出すことがない。このため導光板の出射光に対する、両面テープ等の影響を抑制して導光板の出射光の輝度不足の発生を防止でき、また輝度を均一にすることができる。また、基板と導光板の固定部とは、両面テープ等により両者が固定されているので、基板と発光源と導光板とを一体化することができる。これにより、導光板に対する発光源の光出射方向のズレを抑制できる。
【0019】
また、上記目的は、発光源を基板に実装する工程と、前記発光源の光出射面に、前記発光源の光を導光する導光板を対向させ、前記光出射面の光出射方向とは逆側で前記導光板と前記発光源を固定する工程と、前記導光板の出射面側で前記導光板と前記発光源との境界を封止材で封止する工程とを含む、ことを特徴とする照明装置の製造方法によっても達成できる。
【0020】
この構成によっても、導光板の出射光の輝度不足の発生を防止でき、また輝度を均一にすることができる。また、導光板に対する発光源の光出射方向のズレを抑制できる。
【0021】
上記構成において、前記導光板と発光源との境界を封止材で封止する工程を含む、構成を採用できる。これにより、発光源に対して導光板を確実に固着させることができる。これにより、導光板に対する発光源の光出射方向のズレを抑制できる。
【0022】
上記構成において、反射材と前記発光源とを封止材で封止する工程を含む、構成を採用できる。これにより、反射材と発光源とを一体化でき、反射材が発光源から剥がれ落ちることを防止できる。また、反射材の位置ズレも抑制できる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、輝度不足の発生を防止でき、また輝度を均一にすることができる照明装置及びその照明装置の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明に係る照明装置の複数の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0025】
図1(A)は、実施例1に係る照明装置1の正面図、図1(B)は、実施例1に係る照明装置1の拡大図、図1(C)は、実施例1に係る照明装置1のA−A断面図である。図1(A)に示すように、照明装置1は、FPC10、FPC10に実装された複数のLED20、LED20からの出射光が入射する導光板30などから構成される。
【0026】
FPC10には、可撓性を有して、細長状に形成されており、4つのLED20が等間隔で実装されている。FPC10には、実装されたLED20と電気的に接続されるパターンが形成されている。
【0027】
LED20は、例えば半田によりFPC10に形成されたパターンと電気的に接続されており、FPC10の実装面と垂直な側面である出射面21aから光を出射する。LED20は、直方体状に形成され、それぞれ導光板30の一側面と当接している。また、LED20は、光が出射される光出射面である出射面21a、この出射面21aの対向する背面21b、出射面21a及び背面21bと直交する側面22a、22bと、FPC10と平行な上面23などを有している。
【0028】
導光板30は、例えばアクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート等の樹脂から形成されており、薄いフィルム状に形成されている。導光板30は、LED20からの出射光を内部で導光して出射面31において面状に光を出射する。
【0029】
図3(A)に示すように、導光板30は固定部である凸部33aとLED20の光を導光する導光部35とを有している。導光部35はLED20の出射面21aの光出射方向側に対向して配置され、凸部33aは出射面21aの光出射方向の逆側でFPC10又はLED20に固定される。詳しくは後述する。
【0030】
また、導光板30の、LED20と当接する一辺は、導光板30の平面方向に突出した凸部33aと、LED20を収納する平面方向に凹んだ凹部33bとが交互に形成されている。凹部33bにはLED20の出射面21aと当接する底面33cを有しているが、底面33cは導光部35の一側面となっている。凸部33aは、LED20の間に位置しており、FPC10と重なっている。このように、導光板30の、LED20と当接する側の一辺は、凹凸状に形成されている。
【0031】
LED20は、それぞれ凹部33bと当接する。詳細には、凹部33bの底面33cがLED20の出射面21aの光出射方向側に対向して配置され、すなわち、導光部35がLED20の出射面21aの光出射方向側に対向して配置され出射面21aと底面33cとが当接する。これにより、図1(B)に示すように、出射面21aからの出射光が導光板30内に入射する。図1(B)において、出射面21aからの出射光を矢印で示している。導光板30内に入射した光は、出射面31から出射する。このように、導光板30内に光が入射する入射面と、出射面31とが直交している。照明装置1は例えば、携帯電話等に採用される液晶パネルのバックライトなどに用いられる。
【0032】
図1(B)、図1(C)に示すように、LED20は、FPC10の縁部13から微小距離だけ内側にFPC10の長手方向に並ぶように実装されている。また、LED20は、出射面21aがFPC10の外側を向くようにして実装されている。また、両面テープ40は、FPC10と導光板30との重なった部分に介在しており、詳細には、両面テープ40は、FPC10と導光板30の固定部である凸部33aとの間に介在してFPC10と導光板30とを固定している。両面テープ40は、例えば両面に接着剤が塗布されたアルミニウムや銀などの金属シートなどにより形成されるが、この構成に限定されない。例えば紙やプラスチックフィルムを基材としてその両面に接着剤が塗布されたタイプや基材レスのタイプでもよい。
【0033】
ここで、従来の照明装置1xについて説明する。図2は、従来の照明装置1xの説明図である。尚、照明装置1xについて、本実施例に係る照明装置1と類似の構成については類似の符号を付することにより重複する説明を省略する。図2(A)は、従来の照明装置1xの正面図、図2(B)は、従来の照明装置1xの拡大図、図2(C)は、従来の照明装置1xのB−B断面図である。
【0034】
図2(A)に示すように、導光板30xの凸部33axは、直線状に形成されている。また、FPC10xに実装されたLED20xは、この凸部33axと当接している。詳細には、図2(B)に示すように、出射面21axが、その光出射方向側に対向して配置された凸部33axと当接している。また、図2(B)、図2(C)に示すように、LED20xは、出射面21axの光出射方向においてFPC10xの中心付近に、光出射方向がFPC10xの長手方向に直交して並ぶようにして実装されている。また、FPC10xと導光板30xとの重なった部分には、両面テープ40xが介在しており両者を固定している。
【0035】
ここで、図2(B)、図2(C)に示すように、LED20xは、FPC10xの中心付近に配置されているため、出射面21axの光出射方向側にFPC10xが突出していることになる。また、両面テープ40xは、FPC10xと導光板30xとの重なった部分に介在しており、この重なった部分でFPC10xと導光板30xが固定されている。すなわちFPC10xと導光板30xの固定部は、光出射面である出射面21axの光出射方向側に位置することになる。このような構成により、従来の照明装置1xでは、出射面21axからの入射光が両面テープ40xの影響を受けて、導光板30xの出射面31xからの出射光の輝度不足が生じたり、輝度を均一にすることが困難な場合があった。詳細には、LED20xの出射面21axからの入射光が、導光板30xの出射面31xと対向する背面32xから両面テープ40xを介して外部に漏れ出して光量が低下し輝度不足を生じる。また両面テープ40xによって導光板30x内で乱反射を起こし、出射面31xの輝度にムラが生じる恐れがある。例えば、両面テープ40xが反射率の高い材料で形成されていた場合には、両面テープ40xが貼り付けられた箇所周辺の出射面31の輝度が、他の部分の輝度よりも大きくなる恐れがあった。
【0036】
また、両面テープ40xを用いずに、例えばピンなどによってFPC10xと導光板30xとを固定した場合であっても、出射面21axの光出射方向側のFPC10xが突出している部分で固定すると、出射面21axからの入射光が、FPC10xの突出した部分で反射して、上記の場合と同様に出射面31xの輝度にムラが生じる恐れがある。
【0037】
また、導光板30xの出射面31xと反対側の領域であるDxにおいてLED20xと導光板30xを直接、接着剤で固定すると、LED20xの出射面21axからの入射光が、導光板30xの背面32xから接着剤を介して外部に漏れ出して光量が低下し輝度不足を生じる。また接着剤によって導光板30x内で乱反射を起こし、出射面31xの輝度にムラが生じる恐れがある。
【0038】
しかしながら、図1(A)、図1(B)に示したように、本実施例に係る照明装置1において、LED20は、出射面21aをFPC10の外側に向けて、縁部13から微小距離だけ内側に、その光出射方向がFPC10の長手方向に直交して並ぶように実装されている。ここで、出射面21aの光出射方向側にはFPC10が突出しているが、FPC10が突出している光出射方向側でFPC10と導光板30とを固定していない。このため、FPC10と導光板30との間に空気層ができ、この空気層のため導光板30内の光がFPC10へと漏れることがない。また導光板30の導光部35は、LED20の出射面21aの光出射方向側に対向して配置され出射面21aと当接している。また、固定部である凸部33aは出射面21aの光出射方向の逆側でFPC10に固定されている。
【0039】
ここで、両面テープ40は、固定部である凸部33aとFPC10との間に介在している。詳細には、両面テープ40は、LED20の側面22a、22b側、すなわち出射面21aの光出射方向の逆側で、凸部33aとFPC10とを固定している。従って、出射面21aの光出射方向には、両面テープ40が存在しない。従って、出射面21aからの導光板30の入射光に対して、FPC10及び両面テープ40が影響を与えることはない。このため、導光板30の出射面31の輝度不足の発生を防止でき、また輝度を均一にすることができる。
【0040】
また、FPC10と導光板30とは、両面テープ40により両者が固定されているので、FPC10とLED20と導光板30とを一体化することができる。これにより、導光板30に対するLED20の光出射方向のズレを抑制できる。これによっても、出射面31の輝度が均一化する。
【0041】
また、図1(A)、図1(B)に示したように、導光板30のLED20と対向する側の辺は、凸部33a、LED20を収納する凹部33bとを交互に繰り返す凹凸状に形成されており、この凸部33a、凹部33bは、FPC10に実装されたLED20の外形に対応するように形成されている。詳細には、FPC10の長手方向での出射面21a、背面21bの長さと、凹部33bの底部33cの長さとが対応して形成されている。また、FPC10の長手方向での、隣接し合うLED20の間隔と、凸部33aの長さとが対応して形成されている。これにより、導光板30の凹部33bの底面33cをLED20の出射面21aの光出射方向側に対向して配置することによりLED20に対して導光板30の位置が規定される。したがって、凸部33a、凹部33bは、LED20に対する導光板30の位置を規定する位置決め部として機能する。これにより、導光板30に対するLED20の光出射方向のズレを抑制でき、出射面31の輝度を均一にすることができる。
【0042】
また、導光板30の凹凸形状部においては縁部の直線距離が短くなっているため、導光板の加工成形時に導光板30の入射面である、凹部33bの底面33cの出射面21aと対向する面におけるかえりが少なくなり良好な面精度が得られる。これにより導光板30の凹部33bがLED20の出射面21aに対向した場合に導光板30への入光を妨げることがない。
【0043】
次に、本実施例に係る照明装置1の製造方法について説明する。図3(A)は、導光板30の正面図、図3(B)は、LED20が実装されたFPC10の正面図、図3(C)は、両面テープ40の正面図である。
【0044】
まず、図3(B)に示すように、FPC10の縁部13から微小距離だけ内側に、LED20の光出射方向がFPC10の長手方向に直交して並ぶように複数のLED20を所定の等間隔をおいて実装する。また、この際に、LED20の出射面21a側がFPC10の縁部13からの距離が短くなるようにしてFPC10に実装する。
【0045】
次に、図3(C)に示すように、FPC10の実装面であって、LED20と干渉しないように、両面テープ40の一側部を凹凸状に形成する。このようにして形成された両面テープ40を、凹部43bが背面21bと対向し、凸部43aがそれぞれ出射面21aの間に配置されるように、FPC10の実装面にLED20と干渉しないように貼り付ける。このように両面テープ40の形状を、FPC10の実装面のLED20が実装されていない領域の形状に対応して形成することにより、LED20の出射面21aから光出射方向側には両面テープ40は存在しなくなる。即ち、両面テープ40は、出射面21aからの光出射方向側ではなく、出射面21aの光出射方向の逆側でFPC10に貼り付けられる。
【0046】
次に、両面テープ40が貼り付けられたFPC10に対して、導光板30の凹部33bが出射面21aと対向し、導光板30の固定部である凸部33aがLED20の間に配置されるように、すなわち、出射面21aと導光部35を対向させ、固定部を出射面21aから光出射方向とは逆側で固定して導光板30を取り付ける。両面テープ40により、導光板30とFPC10とは固定される。このようにして、輝度が均一な照明装置1が製造される。
【実施例2】
【0047】
次に、実施例2に係る照明装置について説明する。図4(A)は、実施例2に係る照明装置1aの正面図、図4(B)は、実施例2に係る照明装置1aの拡大図、図4(C)は、実施例2に係る照明装置1aのC−C断面図である。尚、実施例2に係る照明装置1aに関して、実施例1に係る照明装置1と同一又は類似の構成については、同一又は類似の符号を付することにより、重複する説明を省略する。
【0048】
図4(A)、図4(B)、図4(C)に示すように、LED20は、FPC10の縁部13に沿って、その光出射方向がFPC10の長手方向に直交して並ぶように所定の等間隔をおいて実装されている。また実施例1と同様に、導光板30のLED20と対向する側の辺は、凸部33a、LED20を収納する凹部33bとを交互に繰り返す凹凸状に形成されている。ここで、発光源であるLED20周辺は、封止材50によって封止されている。すなわち、導光板30とLED20とは凹部33bとLED20との境界で固着されている。換言すれば導光板30とLED20との境界は封止材50によって封止されている。封止材50は、黒色の常温硬化型の樹脂である。封止材50は、導光板30の出射面31側から導光板30とLED20との境界を覆うように封止している。すなわち、LED20の出射面21aから光出射方向側かつ導光板30の出射面31と反対側の背面32側の領域Dにおいて導光板30とLED20とは固着されていない。実施例2に係る照明装置1aは、実施例1に係る照明装置1と異なり、両面テープ40は用いられていない。照明装置1aにおいては、封止材50によって、LED20と導光板30とが直接固着されている。また、図4(C)に示すように、導光板30はFPC10から離間した状態で、出射面21aの高さ方向の略中心でLED20に当接している。
【0049】
このように、LED20の出射面21aから光出射方向側かつ導光板30の出射面31と反対側の背面32側の領域Dを避けて導光板30は、LED20に直接固着されている。この構造により両面テープのような、導光板30の出射光に影響を与える恐れのある部材がない。従って導光板30の輝度不足の発生を防止でき、また輝度を均一にすることができる。
【0050】
また、導光板30は、凹部33bとLED20との境界でLED20に固着されているので、FPC10とLED20と導光板30とを一体化でき、この場合も実施例1に係る照明装置1と同様に、導光板30に対するFPC10の光出射方向のズレを抑制できる。
【0051】
また、両面テープを採用する必要がなく、FPC10と導光板30とは直接接触させる必要はないため、FPC10の大きさの自由度が向上する。即ち、実施例1に係る照明装置1の場合には、FPC10に対して両面テープ40を貼り付けるためのスペースを確保する必要があるが、実施例2に係る照明装置1aにおいては、導光板30はLED20に対して直接接着されているため、そのようなスペースを確保する必要はない。従って、FPC10の大きさを小型化することができる。
【0052】
また、図4(C)に示したように、導光板30は、LED20の高さ方向の略中心にて接着されているため、LED20からの出射光を効率よく導光板30内に導光することができる。
【0053】
また、導光板30とLED20との境界は、封止材50によって封止されているので、LED20に対して導光板30を確実に接着させることができる。これにより、例えば導光板30が湾曲したような場合であっても、LED20と導光板30との接着が維持される。
【0054】
次に、実施例2に係る照明装置1aの製造方法について説明する。図5(A)は、LED20が実装されたFPC10の部分拡大斜視図、図5(B)は、LED20に対して導光板30が仮止めされた状態での、部分拡大斜視図、図5(C)は、LED20と導光板30との境界が封止された状態での、部分拡大斜視図である。
【0055】
まず、図5(A)に示すように、FPC10に対して縁部13に沿うように複数のLED20を、その光出射方向がFPC10の長手方向に直交して並ぶように所定の等間隔をおいて実装する。またこの際に、出射面21aがFPC10の外側を向くようにして実装する。これにより、出射面21aの光出射方向側には、FPC10が突出していないことになる。換言すると、FPC10は、出射面21aの光出射方向の逆側に突出していることになる。
【0056】
次に、出射面21aに対して垂直な側面22a、22bに仮止め用の接着剤を塗布する。仮止め用の接着剤は、無色透明の紫外線硬化型樹脂である。尚、この際に出射面21aには仮止め用の接着剤の塗布は行わない。
【0057】
次に、図5に示すように、導光板30の凹部33bが出射面21aと当接するように対向させ、導光板30をLED20に対して仮止めする。具体的には、導光板30の凹部33bが、出射面21aの高さ方向の中心に位置するようにして、導光板30を治具等で支持する。次に、仮止め用接着剤が塗布された側面22a、22bに向けて紫外線を照射する。これにより、LED20に対して導光板30が仮止めされる。このように、側面22a、22bに仮止め用接着剤を塗布することにより、LED20の出射面21aの光出射方向とは逆側で導光板30とLED20とが固着される。
【0058】
次に、図5(C)に示すように、LED20の上面23側から、封止材50を塗布する。詳細には、上面23を覆い、側面22a、22bと、その周辺の導光板30との境界を覆うように塗布する。次に、常温で放置することにより封止材50を硬化させる。これにより、導光板30の出射面31側において導光板30とLED20との境界が封止されLED20に対して導光板30が確実に接着される。
【0059】
ここで、図5(A)、(B)、図4(C)に示したように、本実施例2に係る照明装置1aにおいて、導光板30とLED20がLED20の出射面21aの光出射方向とは逆側で仮止め用接着剤を塗布することにより固着され、導光板30の出射面31側において導光板30とLED20との境界が封止材50により封止されている。すなわち、導光板30とLED20とは、LED20の出射面21aから光出射方向側かつ導光板30の出射面31と反対側の背面32側の領域Dを避けて固着されている。従って、LED20からの出射光に対して影響を与える部材がない。これにより導光板30の背面32から導光板30に入射した光が外部に漏れ出して光量が低下し輝度不足を生じたり、導光板30内の乱反射による出射面31の輝度ムラが生じる恐れもない。このため、導光板30の出射面31の輝度不足の発生を防止でき、また輝度を均一にすることができる。
【0060】
また、黒色の常温硬化型の樹脂である封止材50は、LED20の出射面21aと導光板30の出射面31との位置関係を固定している。すなわち、LED20に対して導光板30を確実に固着している。例えば導光板30が湾曲したような場合であっても、LED20と導光板30との接着が維持され、これにより、導光板30に対するLED20の光出射方向のズレを抑制できる。
【実施例3】
【0061】
次に、実施例3に係る照明装置について説明する。図6(A)は、実施例3に係る照明装置1bの断面図である。尚、実施例3に係る照明装置1bに関して、実施例1に係る照明装置1と同一又は類似の構成については、同一又は類似の符号を付することにより、重複する説明を省略する。また、図6(A)は、図1(C)に対応した図である。
【0062】
図6(A)に示すように、照明装置1bは、反射材である反射シート60、70を備えており、反射シート60は、FPC10の下面全体を覆うように貼り付けられており、反射シート70は、複数のLED20の各上面23を覆うように貼り付けられている。反射シート60、70は、それぞれ1枚のシート状に形成されている。このように、反射シート70が複数のLED20の各上面23に設けられ、LED20を覆うことにより、LED20の出射光を有効利用することができ、導光板30の出射光の輝度を向上させることができる。また、FPC10の下面側を反射シート60が覆うことにより、FPC10を透過した光を反射させることができ、導光板30の出射光の輝度を更に向上させることができる。
【0063】
また、図6(A)に示すように、反射シート60は、領域Dから退避している。反射シート60が、領域Dにまで延在していると、LED20の出射面21aからの出射光が、導光板30の背面32側で反射シート60に反射して、導光板30の出射光の輝度が不均一となる恐れがある。しかしながら、反射シート60が領域Dから退避しているため、導光板30の出射光の輝度を均一にすることができる。
【0064】
また、図6(A)に示すように、反射シート60及び70とLED20とは封止材50によって封止されている。これにより、反射シート60及び70とLED20とを一体化できる。これにより、反射シート60及び70がLED20から剥がれることを防止できる。また、LED20に対する反射シート60及び70の位置ズレも抑制できる。
【0065】
次に、照明装置1bの製造方法についても説明する。LED20が実装されたFPC10の下面側、換言すれば、LED20が実装された面の裏面に、反射シート60を接着剤により貼り付ける。次に、FPC10の実装面に両面テープ40を貼り付け、導光板30を両面テープ40に固定する。次に、複数のLED20の各上面23に反射シート70を接着剤により貼り付ける。図6(B)は、LED20の上面23に反射シート70が貼り付けられた状態での、部分拡大斜視図である。次に、反射シート60及び70、LED20、凸部33a、両面テープ40の周囲を封止材50で封止する。これにより、LED20に対する反射シート60及び70の位置ズレが防止される。また、FPC10、LED20、導光板30、反射シート60及び70とを一体化することができる。
【実施例4】
【0066】
次に、実施例4に係る照明装置について説明する。図7は、実施例4に係る照明装置1cの断面図である。尚、実施例4に係る照明装置1cに関して、実施例3に係る照明装置1bと同一又は類似の構成については、同一又は類似の符号を付することにより、重複する説明を省略する。また、図7は、図6(A)に対応した図である。
【0067】
図7に示すように、反射シート71は、LED20の上面23のみならず、導光板30の出射面31側であって、LED20の出射面21aまで覆っている。反射シート71は、実施例3に係る反射シート70と同様に、一枚のシート状に形成されているが、先端部71aでは、LED20の出射面21aと上面23とに沿うようにして折り曲げられている。このように、LED20に設けられた反射シート71が、上面23のみならず、導光板30の出射面31側の出射面21aまでLED20を覆うことにより、LED20の出射光を更に有効利用することができ、導光板30の出射光の輝度が更に向上する。
【0068】
次に、照明装置1cの製造方法について説明する。前述した、実施例3に係る照明装置1bと同様の方法で、LED20が実装されたFPC10に反射シート60を貼り付け、導光板30を固定する。次に、導光板30の出射面31側であって、LED20の出射面21aに接着剤を塗布する。次に、上面23に接着剤を塗布する。尚、接着剤の塗布は、複数のLED20に対して行う。次に、反射シート71の縁部が、導光板30の出射面31と接触するようにして、出射面21aに反射シート71を貼り付ける。次に、反射シート71を折り曲げて、上面23に反射シート71を貼り付ける。このようにして、上面23と、導光板30の出射面31側の出射面21aを、一枚の反射シート71で覆うことができる。尚、反射シート71を貼り付けた後は、実施例3に係る照明装置1bと同様に、封止材50によって、FPC10、LED20、導光板30、反射シート60及び71を一体化する。
【0069】
以上本発明の好ましい一実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0070】
上記実施例においては、発光源としてLEDを採用したが、例えば、有機EL素子、冷陰極管、熱陰極管などであってもよい。また、上記実施例において、複数のLEDがFPCに実装された場合の例を示したが、単一のLEDが実装されている場合でもよい。
【0071】
上記実施例において、基板としてFPCを採用したが、これ以外のリジット基板を採用してもよい。また、FPC10を導光板30と平行になるように配置したが、FPC10を導光板30に対して垂直に配置してもよい。
【0072】
上記実施例1において、LED20をFPC10の縁部13から微小距離だけ内側に実装した例を挙げたが、上記実施例2において説明したように、LED20をFPC10に対して縁部13に沿うようにして実装してFPC10が出射面21aの光出射方向の逆側に突出している構成であってもよい。
【0073】
また上記実施例2において、上記実施例1において説明したように、LED20をFPC10の縁部13から微小距離だけ内側に実装して、出射面21aの光出射方向側にFPC10が突出させた構成であっても、出射面21aの光出射方向側かつ導光板30の背面32側の領域でFPC10と導光板30とを固着していなければ同様の効果が得られる。
【0074】
上記実施例2において、仮止め用接着剤として、紫外線硬化樹脂を採用したがこれに限定されない。また、封止材50として常温硬化型樹脂を採用したがこれに限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】図1(A)は、実施例1に係る照明装置1の正面図、図1(B)は、実施例1に係る照明装置1の拡大図、図1(C)は、実施例1に係る照明装置1のA−A断面図である。
【図2】図2(A)は、従来の照明装置の正面図、図2(B)は、従来の照明装置の拡大図、図2(C)は、従来の照明装置のB−B断面図である。
【図3】図3(A)は、導光板の正面図、図3(B)は、LEDが実装されたFPCの正面図、図3(C)は、両面テープの正面図である。
【図4】図4(A)は、実施例2に係る照明装置の正面図、図4(B)は、実施例2に係る照明装置の拡大図、図4(C)は、実施例2に係る照明装置のC−C断面図である。
【図5】図5(A)は、LEDが実装されたFPCの部分拡大斜視図、図5(B)は、LEDに対して導光板が仮止めされた状態での、部分拡大斜視図、図5(C)は、LEDと導光板との境界が封止された状態での、部分拡大斜視図である。
【図6】図6(A)は、実施例3に係る照明装置の断面図、図6(B)は、LEDの上面に反射シートが貼り付けられた状態での、実施例3に係る照明装置の部分拡大斜視図である。
【図7】図7は、実施例4に係る照明装置の断面図である。
【符号の説明】
【0076】
1、1a 照明装置
10 FPC(基板)
20 LED(発光源)
21a 出射面
23 上面
30 導光板
31 出射面
33a 凸部(固定部、位置決め部)
33b 凹部(位置決め部)
35 導光部
40 両面テープ
50 封止材
60、70、71 反射シート(反射材)




【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光源と、
前記発光源の光を導光する導光板とを備え、
前記発光源と前記導光板とは、前記発光源の光出射面から光出射方向側かつ前記導光板の出射面と反対側の領域を避けて固着される、ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記導光板は、前記発光源を収納する凹部が形成され、前記凹部と前記発光源との境界で前記発光源と固着されている、ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記導光板と発光源との境界は封止材で封止されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記導光板は、前記光出射面の高さ方向の中心で当接している、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の照明装置。
【請求項5】
前記凹部は、前記発光源の外形に対応した形状に形成された位置決め部となっている、ことを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載の照明装置。
【請求項6】
前記発光源は、基板に実装された複数の発光源を含み、前記位置決め部は、前記複数の発光源の外形に対応した形状に形成されている、ことを特徴とする請求項5に記載の照明装置。
【請求項7】
前記発光源に設けられ、該発光源の一部を覆うと共に前記領域から退避している反射材を備えた、ことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の照明装置。
【請求項8】
前記反射材と前記発光源とは封止材で封止されている、ことを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記反射材は、前記発光源の光出射面であって、前記導光板の出射面側を覆っている、ことを特徴とする請求項7又は8に記載の照明装置。
【請求項10】
基板と、
前記基板に実装された発光源と、
固定部と前記発光源の光を導光する導光部とを有する導光板とを備えており、
前記導光板は、前記導光部を前記発光源の光出射面の光出射方向側に対向させ、
前記固定部は、前記光出射面の光出射方向の逆側で前記基板又は前記発光源に固定される、ことを特徴とする照明装置。
【請求項11】
発光源を基板に実装する工程と、
前記発光源の光出射面に、前記発光源の光を導光する導光板を対向させ、前記光出射面の光出射方向とは逆側で前記導光板と前記発光源を固定する工程と、
前記導光板の出射面側で前記導光板と前記発光源との境界を封止材で封止する工程とを含む、ことを特徴とする照明装置の製造方法。
【請求項12】
前記導光板と発光源との境界を封止材で封止する工程を含む、ことを特徴とする請求項11に記載の照明装置の製造方法。
【請求項13】
反射材と前記発光源とを封止材で封止する工程を含む、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の照明装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−146874(P2009−146874A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−61793(P2008−61793)
【出願日】平成20年3月11日(2008.3.11)
【出願人】(396004981)セイコープレシジョン株式会社 (481)