照明装置
【課題】線状光源の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を汎用性をもった構造によって改善し得る照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置10は、並列配置された複数の線状光源30と、反射板40と、線状光源および反射板からの光を拡散する拡散板50と、第1の光経路変更部60と、第2の光経路変更部70とを有する。第1の光経路変更部は、線状光源に向けて突出するプリズム部61が設けられ、線状光源および反射板からの光の経路を変更する。第2の光経路変更部70は、出射面にレンズ部71が設けられ、拡散板を透過した光の経路を変更する。プリズム部は、プリズム頂角αが55°〜75°である。レンズ部によって、線状光源に対向する領域Waにおいては透過してきた光の一部を拡散板の側に全反射し、線状光源同士の間の中間領域Wbにおいては透過してきた光を正面方向に出射する。
【解決手段】照明装置10は、並列配置された複数の線状光源30と、反射板40と、線状光源および反射板からの光を拡散する拡散板50と、第1の光経路変更部60と、第2の光経路変更部70とを有する。第1の光経路変更部は、線状光源に向けて突出するプリズム部61が設けられ、線状光源および反射板からの光の経路を変更する。第2の光経路変更部70は、出射面にレンズ部71が設けられ、拡散板を透過した光の経路を変更する。プリズム部は、プリズム頂角αが55°〜75°である。レンズ部によって、線状光源に対向する領域Waにおいては透過してきた光の一部を拡散板の側に全反射し、線状光源同士の間の中間領域Wbにおいては透過してきた光を正面方向に出射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、さらに詳しくは、直下型液晶表示装置に用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直下型液晶表示装置に用いられる照明装置には、一般的に、並列配置された複数の線状光源と、反射板と、線状光源および反射板からの光を拡散する拡散板とを有する照明装置が用いられている。液晶表示装置の薄型化のために、照明装置の厚み方向の線状光源と拡散板や液晶パネルとの間の距離を短くすることが要請されている。さらに、コストの低減のために、複数の線状光源を配置する間隔つまりピッチを大きくして、使用本数を削減することが要請されている。これら薄型化および線状光源の配置ピッチが大きくなることに伴って、拡散板による拡散のみでは線状光源の像が透けて見えてしまい、周期的な輝度ムラが生じるという問題点が顕著になっている。
【0003】
そのような輝度ムラを抑制するために、拡散板のうち線状光源に対向する領域に、線状光源に向けて突出するプリズム部を設けた照明装置が提案されている(特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2004−127680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された照明装置は、線状光源の真上にプリズム部を配置することによって線状光源の真上の輝度が強くなることを防ぎ、輝度ムラを抑えている。このため、線状光源とプリズム部との位置関係を厳密に行わなければならず、プリズム部を備える拡散板などの光制御部材の製作や、液晶表示装置に照明装置を組み付けるときの光制御部材と線状光源との位置合わせなどが煩雑である。また、線状光源の配置条件(例えば、配置間隔など)に合致した光制御部材を製作しなければならないので、光制御部材の汎用性に欠け、光制御部材の製作コストの増加ひいては照明装置の製作コストの増加を招く要因となり得る。
【0005】
線状光源の配置条件に合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定しておけば、製作や位置合わせの煩雑さを改善することが可能である。
【0006】
本発明の目的は、線状光源の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を汎用性をもった構造によって改善し得る照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明は、並列配置された複数の線状光源と、反射板と、前記線状光源および前記反射板からの光を拡散する拡散板とを有する照明装置であって、前記線状光源と前記拡散板との間に配置され、前記線状光源に向けて突出するプリズム部が設けられ、前記線状光源および前記反射板からの光の経路を変更する第1の光経路変更部と、前記拡散板を挟んで前記線状光源とは反対側に配置され、出射面にレンズ部が設けられ、前記拡散板を透過した光の経路を変更する第2の光経路変更部と、を有し、前記第1の光経路変更部におけるプリズム部は、プリズム頂角が55°〜75°であり、前記第2の光経路変更部におけるレンズ部によって、前記線状光源に対向する領域においては透過してきた光の一部を前記拡散板の側に全反射し、前記線状光源同士の間の中間領域においては透過してきた光を正面方向に出射してなる照明装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1の光経路変更部におけるプリズム部、および第2の光経路変更部におけるレンズ部によって、線状光源同士の間の中間領域においても輝度の低下を抑えつつ、線状光源の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を改善することができる。
【0009】
また、第1と第2の光経路変更部は、線状光源の配置条件などに合わせて形状や組み付け位置を厳密に変更するものではないため、第1と第2の光経路変更部を汎用的に適用することができる。したがって、輝度ムラの発生を汎用性をもった構造によって改善することができ、第1と第2の光経路変更部の製作コストの増加を抑え、もって、照明装置の製作コストの増加を抑えることもできる。
【0010】
さらに、線状光源の配置条件などに合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定してあるので、合致させるための部材の位置合わせ精度を緩く設定することができることから、合致させるための部材の製作が煩雑にならず製作コストの増加を抑えることができ、位置合わせの煩雑さも低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る照明装置10を示す概略構成図、図2(A)は、第1と第2の光経路変更部60、70を備える実施形態に係る光線の軌跡を説明するための図、図2(B)は、第2の光経路変更部70を設けない場合の光線の軌跡を説明するための図、図3(A)〜(D)は、プリズム部61のプリズム頂角αの角度範囲の説明に供するための図である。
【0013】
図1および図2(A)を参照して、照明装置10は、LCDパネル20の背面に配置されてLCDパネル20を照明するために用いられる。照明装置10は、概説すれば、並列配置された複数の線状光源30と、反射板40と、線状光源30および反射板40からの光を拡散する拡散板50と、第1の光経路変更部60と、第2の光経路変更部70と、を有している。第1の光経路変更部60は、線状光源30と拡散板50との間に配置され、線状光源30に向けて突出するプリズム部61が設けられ、線状光源30および反射板40からの光の経路を変更する(図2(A)の符号L1を参照)。第2の光経路変更部70は、拡散板50を挟んで線状光源30とは反対側に配置され、出射面にレンズ部71が設けられ、拡散板50を透過した光の経路を変更する(図2(A)の符号L2、L4を参照)。第1の光経路変更部60におけるプリズム部61は、プリズム頂角αが55°〜75°である。また、第2の光経路変更部70におけるレンズ部71によって、線状光源30に対向する領域Waにおいては透過してきた光の一部を拡散板50の側に全反射し(図2(A)の符号L3を参照)、線状光源30同士の間の中間領域Wbにおいては透過してきた光を正面方向に出射する(図2(A)の符号L4を参照)。なお、線状光源30に対向する領域Waと線状光源30同士の間の中間領域Wbとの境界の位置は、線状光源30および反射板40からの光が種々の方向に向いていることから、厳密に特定できるものではない。複数の線状光源30の配置間隔や、線状光源30と第1の光経路変更部60との間の距離などによって、境界の位置は変動する。但し、本発明は、線状光源30の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を改善することを目的としているため、かかる目的から、線状光源30に対向する領域Wa、および線状光源30同士の間の中間領域Wbは、対照となる照明装置10の仕様に応じて、自ずと定まることになる。以下、詳述する。
【0014】
線状光源30は、冷陰極線管(CCFL)の他、点状のLEDを線状に配列した光源も含まれる。反射板40は、線状光源30から出射された光を第1の光経路変更部60に向けて反射する。第1の光経路変更部60などによって反射された光も、反射板40によって再び反射される。拡散板50は、樹脂基材に光拡散材を含有して形成されている。
【0015】
第1の光経路変更部60は、例えば、プリズムシートを透明粘着フィルムによって拡散板50に貼り付けて構成されている。プリズムシートは、公知のように、例えば、紫外線硬化性樹脂(UV樹脂)から形成されている。プリズム部61は、線状光源30に向けて、図1においては下側に向けて突出している。プリズム部61の高さおよびピッチは適宜選択できるが、例えば、高さは50μm程度、ピッチも50μm程度である。拡散板50およびプリズムシートは、図示例のように一体化してもよいし、別々のシートのままでもよい。プリズム部61は、線状光源30の長手方向に平行に伸びている。
【0016】
第2の光経路変更部70は、例えば、上記のプリズムシートの同一の材料を使用したレンチキュラーレンズシート、マイクロレンズアレイシートから構成されている。レンズ部71をなすレンチキュラーレンズのピッチ、あるいはマイクロレンズの直径は、例えば、30〜150μm程度で、LCDパネルの画素との間にモアレが生じないように適宜選択される。レンズ部71は、線状光源30の長手方向に平行に伸びている。
【0017】
図3を参照して、プリズム部61のプリズム頂角αの角度範囲について説明する。正面方向に出射する光の入射角度を考えるため、逆方向から垂直に光を入射させてたどると、図3(A)に示すように、プリズム頂角αが90°のときには、光が2回全反射して入射側へ戻ってしまうため、プリズム部61の側から入射して垂直に出射する光はない。図3(C)に示すように、プリズム頂角αが80°のときには、プリズム部61の屈折率が一般的な光学用プラスチック(1.49〜1.6)においては、光源側に出射はするものの、出射光線の向きが出射点より光源とは逆側になり、やはり、プリズム側から入射して垂直に出射する光はない。逆方向から垂直に入射させた光線が、水平に出射するプリズムの角度計算したところ、n=1.5のときは、76.2°、n=1.6のときは、74.8°である。図3(B)に示すように、プリズム頂角αが60°のときには、全反射後の第2面(図中右側の面)に垂直入射するため、出射光線のシート面に対する出射光線の角度は、60°である。プリズム頂角αが、それよりも狭角となると、第2面での屈折の方向が厚み方向になるため、広い範囲の光を垂直に立ち上げる作用が弱くなる。上記の考察および後述する実施例の結果に基づいて、プリズム頂角αは、60°よりやや狭角な55°から75°の範囲が望ましい。より好ましくは、プリズム頂角αは、60°〜70°である。
【0018】
図2(A)を参照して、第1と第2の光経路変更部60、70を備える実施形態の照明装置10によれば、線状光源30同士の間の中間領域Wbにおいては、線状光源30の光が第1の光経路変更部60における図中下向きのプリズム部61によって、全反射して観察側へ指向するため、線状光源30の像が広い範囲で観察される(L1を参照)。また、第2の光経路変更部70におけるレンズ部71に垂直に近い角度で入射するため、効率よく透過して、正面方向に向けて出射する(L4を参照)。一方、線状光源30の直上部つまり線状光源30に対向する領域Waにおいては、線状光源30の光がプリズム部61によって、左右に2分割され(L1を参照)、レンズ部71に40〜50°の角度で入射する。一部の光は、レンズ部71の作用によって、入射時より小さい角度で出射するが(L2を参照)、一部の光は、レンズ面で全反射して拡散板50側へ戻る(L3を参照)。その結果、拡散板50のみに比較して、線状光源30の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を抑えることができる。
【0019】
第1の光経路変更部60は、内部全反射を利用して、線状光源30の光線の方向を広い範囲で観察方向へ指向させるプリズム要素を配列したシートであるので、レンチキュラーレンズなどの屈折を使用したものよりも大きな屈折力を有し、線状光源30と線状光源30との中間点(領域Wb)においても輝度の低下を抑えることができる。
【0020】
図2(B)は、第2の光経路変更部70を設けない場合の、線状光源30の直上部つまり線状光源30に対向する領域Waにおける、光線の軌跡を示している。この場合には、レンズ部71の作用が得られないため、40°〜50°から観察した場合に、強い輝度ムラが観察される。したがって、第2の光経路変更部70を設けることによって、40°〜50°から観察した場合の輝度ムラの発生を抑えることができる。
【0021】
第1と第2の光経路変更部60、70は、線状光源30の配置条件(例えば、配置間隔など)に合わせて形状や組み付け位置を厳密に変更するものではない。このため、照明すべきLCDパネル20の側の要求によって線状光源30の配置条件が変更された場合であっても、第1と第2の光経路変更部60、70を汎用的に適用することができる。したがって、輝度ムラの発生を汎用性をもった構造によって改善することができ、第1と第2の光経路変更部60、70の製作コストの増加を抑え、もって、照明装置10の製作コストの増加を抑えることができる。
【0022】
図4は、第2の光経路変更部70の背面のうちレンズ部71の境界に対応する部位に反射層72を設けた改変例を示す概略構成図である。
【0023】
前述したように、第2の光経路変更部70を設けずに、プリズム部61を備える第1の光経路変更部60のみの場合には、斜めから観察した場合に、輝度ムラが観察されてしまう。この角度は、例えば、プリズム頂角αが60°の場合に約40°である。したがって、垂直入射する光よりも約40°以上の角度で入射する光を多く反射または散乱して、拡散板50の側に帰してしまうような光学要素と組み合わせることが好ましい。このような光学要素としては、例えば、レンズ側が出光側を向いた、レンチキュラーレンズシート、マイクロレンズアレイシートを挙げることができる。
【0024】
図1に示した第2の光経路変更部70の背面は平坦面であるが、図4に示すように、第2の光経路変更部70の背面(非レンズ部側)のうちレンズ部71の境界に対応する部位に反射層72をさらに形成してもよい。反射層72にある程度の厚み(幅の1/10から1/3)を持たせることによって、斜めの光がより一層遮光されやすくなり、斜めから観察した場合の輝度ムラを解消することができるからである。
【0025】
図5(A)(B)は、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61の先端形状を変えた改変例を示す概略構成図、図5(C)は、隣り合うプリズム部61同士を隙間部を隔てて配置した改変例を示す概略構成図である。
【0026】
第1の光経路変更部60におけるプリズム部61の先端を平坦面62aに形成して平坦化したり(図5(A))、曲面62bに形成して丸めたりしてもよい(図5(B))。また、第1の光経路変更部60における隣り合うプリズム部61同士を隙間部63aを隔てて配置し、プリズム部61同士の間に平坦部63bを形成してもよい(図5(C))。
【0027】
このように構成することによって、符号L5aによって示す光や、符号L5bによって示す光のため、斜めから観察した際の素抜けや、正面から観察した際の、線状光源30の直上部の光の隙間も軽減される。平坦面62aや曲面62bの幅は、プリズムの幅の1/6〜1/3が好ましい。隙間部63aには、レンチキュラーレンズを入れてもよい。
【0028】
図6は、光を反射する白色ペイント51を拡散板50の出射側に形成した改変例を示す概略構成図である。
【0029】
拡散板50から斜めに出射する光を緩和するために、拡散板50の出射側に形成され透過してきた光を反射する白色ペイント51を、線状光源30に対向する領域Waにおいては、線状光源30同士の間の中間領域Wbに比べて密に形成するとよい。白色ペイント51は、白色ドットあるいは白色ストライプの形状を有し、印刷によって形成される。白色ペイント51の密度は、単位面積当たりの白の面積であり、「密に形成する」とは、単位面積当たりの白の面積を大きくすることを指す。
【0030】
白色ペイント51を形成するにあたり、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61および第2の光経路変更部70におけるレンズ部71の作用によって、既にかなり線状光源30の輝度ムラが低減されている。このため、プリズム部61を有していない拡散板50に単に白色ペイント51を形成したものに比べて、白色ペイント51の濃度あるいは密度が小さく、線状光源30の直上部と中間部との白の濃度(密度)の差が小さい。したがって、線状光源30と白色の印刷パターンとの位置合わせ精度を緩く設定することができる。
【0031】
このように、線状光源30の配置条件に合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定してあるので、拡散板50の製作が煩雑にならず製作コストの増加を抑えることができる。また、拡散板50の位置合わせの煩雑さを低減または招くことがない。
【0032】
図7は、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61の一部をレンチキュラーレンズ64とした改変例を示す概略構成図である。
【0033】
図示するように、第1の光経路変更部60の線状光源30に対向する領域Waに、プリズム部61に代えて、レンチキュラーレンズ64を配置してもよい。線状光源30同士の間の中間領域Wbは、プリズム部61をそのまま配置してある。
【0034】
このように構成することによって、斜めから観察した際の素抜けや、正面から観察した際の、線状光源30の直上部の光の隙間も軽減される。
【0035】
この場合も、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61および第2の光経路変更部70におけるレンズ部71の作用によって、既にかなり線状光源30の輝度ムラが低減されているので、線状光源30とレンチキュラーレンズ64との位置合わせ精度を緩く設定することができる。線状光源30の配置条件に合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定してあるので、レンチキュラーレンズ64を配置する第1の光経路変更部60の製作が煩雑にならず製作コストの増加を抑えることができる。また、第1の光経路変更部60の位置合わせの煩雑さも招くことがない。
【0036】
図8は、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61の一部(プリズム部65)のプリズム頂角α’を変えた改変例を示す概略構成図、図9(A)(B)は、小さくしたプリズム頂角α’の説明に供する図である。
【0037】
図8に示すように、第1の光経路変更部60の線状光源30に対向する領域Waにおけるプリズム部65のプリズム頂角α’を、線状光源30同士の間の中間領域Wbにおけるプリズム部61のプリズム頂角αよりも小さくしてもよい。
【0038】
より具体的には、屈折入射後、他方の面で全反射した光線が略正面方向に出射する角度とすると、屈折率が1.5〜1.6のとき、約40°である。この場合、全反射プリズムは、入射光の角度偏差を拡大するため、垂直に入射した光線を垂直に出射させるといっても、何も形成しない平坦面とするのとは異なり、上部正面付近での光源像が拡大されるので、光源像を視認しにくくする働きがある。
【0039】
この場合も、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61および第2の光経路変更部70におけるレンズ部71の作用によって、既にかなり線状光源30の輝度ムラが低減されているので、線状光源30とプリズム頂角α’を小さくしたプリズム部65との位置合わせ精度を緩く設定することができる。線状光源30の配置条件に合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定してあるので、プリズム部61の一部(プリズム部65)のプリズム頂角α’を小さくした第1の光経路変更部60の製作が煩雑にならず製作コストの増加を抑えることができる。また、第1の光経路変更部60の位置合わせの煩雑さも招くことがない。
【0040】
図9(A)を参照して、屈折率をnとしたとき、下から垂直に入射した光線が、入射面で屈折した後、反対側の斜面で全反射して、再び垂直に出射するとき、次の条件を満足する。
【0041】
ncos(3φ)=cos(2φ)
表計算ソフトの機能のひとつである「特定の計算結果を導き出すために代入すべき値を逆算する計算機能」を用いて、上記条件を満たすφを計算した。
【0042】
n=1.50、1.52、1.58、1.60のとき、それぞれのφは、
φ=19.65、19.87、20.49、20.68
であった。これより、プリズム頂角αは約40°である。線状光源30に対向する領域Waにおける先端角(プリズム頂角α’)は、これよりも小さくするのが好ましい。
【0043】
図9(B)を参照して、先端角をさらに小さくした場合、例えば、先端角を30度とした場合には、上記同様、逆方向から光線を入射させて検討した結果、屈折率1.5〜1.6において、屈折のみで、全反射を伴わないで抜ける光の角度は、約60°以上にしか存在しない。
【0044】
図10は、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61の一部をリニアフレネルレンズ66とした改変例を示す概略構成図である。図11(A)は、図10に示される改変例における光線の軌跡を示す図、図11(B)は、拡散板50のみの対比例における光線の軌跡を示す図である。図12は、リニアフレネルレンズ66におけるレンズの角度を示す図である。
【0045】
図10に示すように、第1の光経路変更部60の線状光源30に対向する領域Waに、プリズム部61に代えて、リニアフレネルレンズ66を線状光源30に向かい合う面つまりプリズム部61と同じ側の面に配置してもよい。線状光源30同士の間の中間領域Wbは、プリズム部61をそのまま配置してある。
【0046】
このように構成することによって、線状光源30の光がリニアフレネルレンズ66とプリズム部61とによって、シートの全域において、拡散板50のみの対比例に比べて、シートに対してほぼ垂直に観察側へ指向する(図11(A)(B)を参照)。このため、拡散板50の拡散(ヘイズ)をあまり強くしなくても、線状光源30像の素抜けによる輝度ムラを解消することができる。また、従来の拡散板に比べて、拡散(ヘイズ)を小さくすることができる。
【0047】
この場合も、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61および第2の光経路変更部70におけるレンズ部71の作用によって、既にかなり線状光源30の輝度ムラが低減されているので、線状光源30とリニアフレネルレンズ66との位置合わせ精度を緩く設定することができる。線状光源30の配置条件に合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定してあるので、リニアフレネルレンズ66を配置する第1の光経路変更部60の製作が煩雑にならず製作コストの増加を抑えることができる。また、第1の光経路変更部60の位置合わせの煩雑さも招くことがない。
【0048】
図12を参照して、リニアフレネルレンズ66におけるレンズの角度は、周知の入光フレネルのレンズ角度の以下の計算式により計算することができる。
【0049】
tanφ=sinθ/(n2−cosθ)
ここに、φ:レンズ角度、θ:光線の角度
である。
【0050】
図13は、図10に示される改変例のさらなる改変例を示す概略構成図、図14は、図13に示される改変例において用い得るハイブリッドプリズムを示す図である。
【0051】
リニアフレネルレンズ66は、図10に示される改変例のように線状光源30に向かい合う面に配置する場合に限定されず、拡散板50に向かい合う面つまりプリズム部61とは反対側の面に配置してもよい。
【0052】
図13に二点鎖線によって囲んで示すように、プリズム部61の端部とリニアフレネルレンズ66の端部とは、数ピッチ分重なるように配置することが好ましい。プリズム部61およびリニアフレネルレンズ66の少なくとも一方によって、斜めからの光の光経路を変更できるからである。
【0053】
図14を参照して、プリズム部61とリニアフレネルレンズ66との境界付近には、全反射プリズムとリニアフレネルレンズとを1つのピッチ内に共存させた、WO02/027399に記載されているハイブリッドプリズム67を使用してもよい。
【0054】
(実施例)
以下、実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0055】
厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製のコスモシャイン(登録商標)A4300)の一方の面に、屈折率1.55のUV樹脂によって、ピッチ50μm、プリズム頂角を、29°、45°、55°、60°、62°、66°、69°、75°、90°のプリズムシートを作成した。
【0056】
このプリズムシートを、厚さ1.3mm、ヘイズ100%、透過率62%(株式会社東洋精機製作所製のヘイズガードIIを用いて測定)のバルク光拡散板に、透明粘着フィルムによって貼り付け、プリズム拡散板を作成した。
【0057】
次に、上記のプリズムシートと同一の材料を使用して、ピッチ130μmのレンチキュラーレンズシートを作成した。このレンチキュラーレンズシートの平坦面側のレンズの境界部に対応する部位に白色ストライプを形成した。
【0058】
冷陰極線管(CCFL)間隔が30mmのバックライトユニット(BLU)に、冷陰極線管の中心とプリズム拡散板との距離が5mm、7mm、10mm、15mmとなるように、15cm×21cmの支持枠を4種類作成した。
【0059】
9種類のプリズム拡散板と、プリズムシートを貼り合せていない拡散板とを、支持枠に設置し、その上に上記レンチキュラーレンズシートを載せて、2次元色彩輝度計(コニカミノルタセンシング株式会社製CA−2000)を0.5m離して、サンプルの面内の明るさムラを測定した。
【0060】
図15は、サンプル品の面内の明るさムラを測定したデータの一例を示すグラフである。グラフの横軸は冷陰極線管の配列方向の位置座標を示し、縦軸は輝度を示している。補正前の測定データ(図15中の線La)は、中央が明るく、周辺程暗くなっている。測定データそのものを2次曲線近似し、その極大値で近似曲線が平坦化されるよう元のデータを補正した。図15中の線Lbは、補正のための近似曲線を示し、線Lcは、補正後のデータを示している。なお、図15には、明暗変化の大きいプリズムシートを貼り合せていない拡散板の場合についての補正の様子を示してある。補正されたデータは、周期30mmの三角関数となっている。
【0061】
補正されたデータをもとに、波形の極大値の平均に対する、極小値の平均の比を求めた結果を、下記の表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
上記の比の値が1に近いほど、光源の輝度ムラは観察されにくい。目視による比較において、0.82以上になると輝度ムラがかなり改善され、0.9以上になると輝度ムラがさらに改善されて輝度ムラが視認されにくくなり、0.95以上になると輝度ムラが視認されることはほとんど無かった。
【0064】
表1に示される実験結果より、冷陰極線管の中心とプリズム拡散板との距離が5mm〜15mmの範囲においては、プリズム頂角が55°〜75°において輝度ムラの発生を抑制する効果を得ることができ、プリズム頂角が60°〜70°において、特に、有効であることがわかった。
【0065】
プリズム頂角が55°〜75°においては、斜めからの目視による観察においても、輝度ムラは観察されなかった。
【0066】
上側のレンチキュラーレンズシートを外した状態も観察した。斜めからの目視による観察をしたところ、プリズム頂角が55°〜75°であっても、弱いものの多少の輝度ムラが観察された。
【0067】
以上の実施例から、本発明の照明装置10における第1と第2の光経路変更部60、70によって、線状光源30の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を改善できるという効果を確認した。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態に係る照明装置を示す概略構成図である。
【図2】図2(A)は、第1と第2の光経路変更部を備える実施形態に係る光線の軌跡を説明するための図、図2(B)は、第2の光経路変更部を設けない場合の光線の軌跡を説明するための図である。
【図3】図3(A)〜(D)は、プリズム部のプリズム頂角の角度範囲の説明に供するための図である。
【図4】第2の光経路変更部の背面のうちレンズ部の境界に対応する部位に反射層を設けた改変例を示す概略構成図である。
【図5】図5(A)(B)は、第1の光経路変更部におけるプリズム部の先端形状を変えた改変例を示す概略構成図、図5(C)は、隣り合うプリズム部同士を隙間部を隔てて配置した改変例を示す概略構成図である。
【図6】光を反射する白色ペイントを拡散板の出射側に形成した改変例を示す概略構成図である。
【図7】第1の光経路変更部におけるプリズム部の一部をレンチキュラーレンズとした改変例を示す概略構成図である。
【図8】第1の光経路変更部におけるプリズム部の一部のプリズム頂角を変えた改変例を示す概略構成図である。
【図9】図9(A)(B)は、小さくしたプリズム頂角の説明に供する図である。
【図10】第1の光経路変更部におけるプリズム部の一部をリニアフレネルレンズとした改変例を示す概略構成図である。
【図11】図11(A)は、図10に示される改変例における光線の軌跡を示す図、図11(B)は、拡散板のみの対比例における光線の軌跡を示す図である。
【図12】リニアフレネルレンズにおけるレンズの角度を示す図である。
【図13】図10に示される改変例のさらなる改変例を示す概略構成図である。
【図14】図13に示される改変例において用い得るハイブリッドプリズムを示す図である。
【図15】サンプル品の面内の明るさムラを測定したデータの一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0069】
10 照明装置、
20 LCDパネル、
30 線状光源、
40 反射板、
50 拡散板、
51 白色ペイント、
60 第1の光経路変更部、
61 プリズム部、
62a 平坦面、
62b 曲面、
63a 隙間部、
63b 平坦部、
64 レンチキュラーレンズ、
65 プリズム頂角α’のプリズム部、
64 レンチキュラーレンズ、
66 リニアフレネルレンズ、
67 ハイブリッドプリズム、
70 第2の光経路変更部、
71 レンズ部、
72 反射層、
α、α’ プリズム頂角(α>α’)、
Wa 線状光源に対向する領域、
Wb 線状光源同士の間の中間領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、さらに詳しくは、直下型液晶表示装置に用いられる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直下型液晶表示装置に用いられる照明装置には、一般的に、並列配置された複数の線状光源と、反射板と、線状光源および反射板からの光を拡散する拡散板とを有する照明装置が用いられている。液晶表示装置の薄型化のために、照明装置の厚み方向の線状光源と拡散板や液晶パネルとの間の距離を短くすることが要請されている。さらに、コストの低減のために、複数の線状光源を配置する間隔つまりピッチを大きくして、使用本数を削減することが要請されている。これら薄型化および線状光源の配置ピッチが大きくなることに伴って、拡散板による拡散のみでは線状光源の像が透けて見えてしまい、周期的な輝度ムラが生じるという問題点が顕著になっている。
【0003】
そのような輝度ムラを抑制するために、拡散板のうち線状光源に対向する領域に、線状光源に向けて突出するプリズム部を設けた照明装置が提案されている(特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2004−127680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された照明装置は、線状光源の真上にプリズム部を配置することによって線状光源の真上の輝度が強くなることを防ぎ、輝度ムラを抑えている。このため、線状光源とプリズム部との位置関係を厳密に行わなければならず、プリズム部を備える拡散板などの光制御部材の製作や、液晶表示装置に照明装置を組み付けるときの光制御部材と線状光源との位置合わせなどが煩雑である。また、線状光源の配置条件(例えば、配置間隔など)に合致した光制御部材を製作しなければならないので、光制御部材の汎用性に欠け、光制御部材の製作コストの増加ひいては照明装置の製作コストの増加を招く要因となり得る。
【0005】
線状光源の配置条件に合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定しておけば、製作や位置合わせの煩雑さを改善することが可能である。
【0006】
本発明の目的は、線状光源の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を汎用性をもった構造によって改善し得る照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明は、並列配置された複数の線状光源と、反射板と、前記線状光源および前記反射板からの光を拡散する拡散板とを有する照明装置であって、前記線状光源と前記拡散板との間に配置され、前記線状光源に向けて突出するプリズム部が設けられ、前記線状光源および前記反射板からの光の経路を変更する第1の光経路変更部と、前記拡散板を挟んで前記線状光源とは反対側に配置され、出射面にレンズ部が設けられ、前記拡散板を透過した光の経路を変更する第2の光経路変更部と、を有し、前記第1の光経路変更部におけるプリズム部は、プリズム頂角が55°〜75°であり、前記第2の光経路変更部におけるレンズ部によって、前記線状光源に対向する領域においては透過してきた光の一部を前記拡散板の側に全反射し、前記線状光源同士の間の中間領域においては透過してきた光を正面方向に出射してなる照明装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、第1の光経路変更部におけるプリズム部、および第2の光経路変更部におけるレンズ部によって、線状光源同士の間の中間領域においても輝度の低下を抑えつつ、線状光源の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を改善することができる。
【0009】
また、第1と第2の光経路変更部は、線状光源の配置条件などに合わせて形状や組み付け位置を厳密に変更するものではないため、第1と第2の光経路変更部を汎用的に適用することができる。したがって、輝度ムラの発生を汎用性をもった構造によって改善することができ、第1と第2の光経路変更部の製作コストの増加を抑え、もって、照明装置の製作コストの増加を抑えることもできる。
【0010】
さらに、線状光源の配置条件などに合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定してあるので、合致させるための部材の位置合わせ精度を緩く設定することができることから、合致させるための部材の製作が煩雑にならず製作コストの増加を抑えることができ、位置合わせの煩雑さも低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る照明装置10を示す概略構成図、図2(A)は、第1と第2の光経路変更部60、70を備える実施形態に係る光線の軌跡を説明するための図、図2(B)は、第2の光経路変更部70を設けない場合の光線の軌跡を説明するための図、図3(A)〜(D)は、プリズム部61のプリズム頂角αの角度範囲の説明に供するための図である。
【0013】
図1および図2(A)を参照して、照明装置10は、LCDパネル20の背面に配置されてLCDパネル20を照明するために用いられる。照明装置10は、概説すれば、並列配置された複数の線状光源30と、反射板40と、線状光源30および反射板40からの光を拡散する拡散板50と、第1の光経路変更部60と、第2の光経路変更部70と、を有している。第1の光経路変更部60は、線状光源30と拡散板50との間に配置され、線状光源30に向けて突出するプリズム部61が設けられ、線状光源30および反射板40からの光の経路を変更する(図2(A)の符号L1を参照)。第2の光経路変更部70は、拡散板50を挟んで線状光源30とは反対側に配置され、出射面にレンズ部71が設けられ、拡散板50を透過した光の経路を変更する(図2(A)の符号L2、L4を参照)。第1の光経路変更部60におけるプリズム部61は、プリズム頂角αが55°〜75°である。また、第2の光経路変更部70におけるレンズ部71によって、線状光源30に対向する領域Waにおいては透過してきた光の一部を拡散板50の側に全反射し(図2(A)の符号L3を参照)、線状光源30同士の間の中間領域Wbにおいては透過してきた光を正面方向に出射する(図2(A)の符号L4を参照)。なお、線状光源30に対向する領域Waと線状光源30同士の間の中間領域Wbとの境界の位置は、線状光源30および反射板40からの光が種々の方向に向いていることから、厳密に特定できるものではない。複数の線状光源30の配置間隔や、線状光源30と第1の光経路変更部60との間の距離などによって、境界の位置は変動する。但し、本発明は、線状光源30の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を改善することを目的としているため、かかる目的から、線状光源30に対向する領域Wa、および線状光源30同士の間の中間領域Wbは、対照となる照明装置10の仕様に応じて、自ずと定まることになる。以下、詳述する。
【0014】
線状光源30は、冷陰極線管(CCFL)の他、点状のLEDを線状に配列した光源も含まれる。反射板40は、線状光源30から出射された光を第1の光経路変更部60に向けて反射する。第1の光経路変更部60などによって反射された光も、反射板40によって再び反射される。拡散板50は、樹脂基材に光拡散材を含有して形成されている。
【0015】
第1の光経路変更部60は、例えば、プリズムシートを透明粘着フィルムによって拡散板50に貼り付けて構成されている。プリズムシートは、公知のように、例えば、紫外線硬化性樹脂(UV樹脂)から形成されている。プリズム部61は、線状光源30に向けて、図1においては下側に向けて突出している。プリズム部61の高さおよびピッチは適宜選択できるが、例えば、高さは50μm程度、ピッチも50μm程度である。拡散板50およびプリズムシートは、図示例のように一体化してもよいし、別々のシートのままでもよい。プリズム部61は、線状光源30の長手方向に平行に伸びている。
【0016】
第2の光経路変更部70は、例えば、上記のプリズムシートの同一の材料を使用したレンチキュラーレンズシート、マイクロレンズアレイシートから構成されている。レンズ部71をなすレンチキュラーレンズのピッチ、あるいはマイクロレンズの直径は、例えば、30〜150μm程度で、LCDパネルの画素との間にモアレが生じないように適宜選択される。レンズ部71は、線状光源30の長手方向に平行に伸びている。
【0017】
図3を参照して、プリズム部61のプリズム頂角αの角度範囲について説明する。正面方向に出射する光の入射角度を考えるため、逆方向から垂直に光を入射させてたどると、図3(A)に示すように、プリズム頂角αが90°のときには、光が2回全反射して入射側へ戻ってしまうため、プリズム部61の側から入射して垂直に出射する光はない。図3(C)に示すように、プリズム頂角αが80°のときには、プリズム部61の屈折率が一般的な光学用プラスチック(1.49〜1.6)においては、光源側に出射はするものの、出射光線の向きが出射点より光源とは逆側になり、やはり、プリズム側から入射して垂直に出射する光はない。逆方向から垂直に入射させた光線が、水平に出射するプリズムの角度計算したところ、n=1.5のときは、76.2°、n=1.6のときは、74.8°である。図3(B)に示すように、プリズム頂角αが60°のときには、全反射後の第2面(図中右側の面)に垂直入射するため、出射光線のシート面に対する出射光線の角度は、60°である。プリズム頂角αが、それよりも狭角となると、第2面での屈折の方向が厚み方向になるため、広い範囲の光を垂直に立ち上げる作用が弱くなる。上記の考察および後述する実施例の結果に基づいて、プリズム頂角αは、60°よりやや狭角な55°から75°の範囲が望ましい。より好ましくは、プリズム頂角αは、60°〜70°である。
【0018】
図2(A)を参照して、第1と第2の光経路変更部60、70を備える実施形態の照明装置10によれば、線状光源30同士の間の中間領域Wbにおいては、線状光源30の光が第1の光経路変更部60における図中下向きのプリズム部61によって、全反射して観察側へ指向するため、線状光源30の像が広い範囲で観察される(L1を参照)。また、第2の光経路変更部70におけるレンズ部71に垂直に近い角度で入射するため、効率よく透過して、正面方向に向けて出射する(L4を参照)。一方、線状光源30の直上部つまり線状光源30に対向する領域Waにおいては、線状光源30の光がプリズム部61によって、左右に2分割され(L1を参照)、レンズ部71に40〜50°の角度で入射する。一部の光は、レンズ部71の作用によって、入射時より小さい角度で出射するが(L2を参照)、一部の光は、レンズ面で全反射して拡散板50側へ戻る(L3を参照)。その結果、拡散板50のみに比較して、線状光源30の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を抑えることができる。
【0019】
第1の光経路変更部60は、内部全反射を利用して、線状光源30の光線の方向を広い範囲で観察方向へ指向させるプリズム要素を配列したシートであるので、レンチキュラーレンズなどの屈折を使用したものよりも大きな屈折力を有し、線状光源30と線状光源30との中間点(領域Wb)においても輝度の低下を抑えることができる。
【0020】
図2(B)は、第2の光経路変更部70を設けない場合の、線状光源30の直上部つまり線状光源30に対向する領域Waにおける、光線の軌跡を示している。この場合には、レンズ部71の作用が得られないため、40°〜50°から観察した場合に、強い輝度ムラが観察される。したがって、第2の光経路変更部70を設けることによって、40°〜50°から観察した場合の輝度ムラの発生を抑えることができる。
【0021】
第1と第2の光経路変更部60、70は、線状光源30の配置条件(例えば、配置間隔など)に合わせて形状や組み付け位置を厳密に変更するものではない。このため、照明すべきLCDパネル20の側の要求によって線状光源30の配置条件が変更された場合であっても、第1と第2の光経路変更部60、70を汎用的に適用することができる。したがって、輝度ムラの発生を汎用性をもった構造によって改善することができ、第1と第2の光経路変更部60、70の製作コストの増加を抑え、もって、照明装置10の製作コストの増加を抑えることができる。
【0022】
図4は、第2の光経路変更部70の背面のうちレンズ部71の境界に対応する部位に反射層72を設けた改変例を示す概略構成図である。
【0023】
前述したように、第2の光経路変更部70を設けずに、プリズム部61を備える第1の光経路変更部60のみの場合には、斜めから観察した場合に、輝度ムラが観察されてしまう。この角度は、例えば、プリズム頂角αが60°の場合に約40°である。したがって、垂直入射する光よりも約40°以上の角度で入射する光を多く反射または散乱して、拡散板50の側に帰してしまうような光学要素と組み合わせることが好ましい。このような光学要素としては、例えば、レンズ側が出光側を向いた、レンチキュラーレンズシート、マイクロレンズアレイシートを挙げることができる。
【0024】
図1に示した第2の光経路変更部70の背面は平坦面であるが、図4に示すように、第2の光経路変更部70の背面(非レンズ部側)のうちレンズ部71の境界に対応する部位に反射層72をさらに形成してもよい。反射層72にある程度の厚み(幅の1/10から1/3)を持たせることによって、斜めの光がより一層遮光されやすくなり、斜めから観察した場合の輝度ムラを解消することができるからである。
【0025】
図5(A)(B)は、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61の先端形状を変えた改変例を示す概略構成図、図5(C)は、隣り合うプリズム部61同士を隙間部を隔てて配置した改変例を示す概略構成図である。
【0026】
第1の光経路変更部60におけるプリズム部61の先端を平坦面62aに形成して平坦化したり(図5(A))、曲面62bに形成して丸めたりしてもよい(図5(B))。また、第1の光経路変更部60における隣り合うプリズム部61同士を隙間部63aを隔てて配置し、プリズム部61同士の間に平坦部63bを形成してもよい(図5(C))。
【0027】
このように構成することによって、符号L5aによって示す光や、符号L5bによって示す光のため、斜めから観察した際の素抜けや、正面から観察した際の、線状光源30の直上部の光の隙間も軽減される。平坦面62aや曲面62bの幅は、プリズムの幅の1/6〜1/3が好ましい。隙間部63aには、レンチキュラーレンズを入れてもよい。
【0028】
図6は、光を反射する白色ペイント51を拡散板50の出射側に形成した改変例を示す概略構成図である。
【0029】
拡散板50から斜めに出射する光を緩和するために、拡散板50の出射側に形成され透過してきた光を反射する白色ペイント51を、線状光源30に対向する領域Waにおいては、線状光源30同士の間の中間領域Wbに比べて密に形成するとよい。白色ペイント51は、白色ドットあるいは白色ストライプの形状を有し、印刷によって形成される。白色ペイント51の密度は、単位面積当たりの白の面積であり、「密に形成する」とは、単位面積当たりの白の面積を大きくすることを指す。
【0030】
白色ペイント51を形成するにあたり、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61および第2の光経路変更部70におけるレンズ部71の作用によって、既にかなり線状光源30の輝度ムラが低減されている。このため、プリズム部61を有していない拡散板50に単に白色ペイント51を形成したものに比べて、白色ペイント51の濃度あるいは密度が小さく、線状光源30の直上部と中間部との白の濃度(密度)の差が小さい。したがって、線状光源30と白色の印刷パターンとの位置合わせ精度を緩く設定することができる。
【0031】
このように、線状光源30の配置条件に合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定してあるので、拡散板50の製作が煩雑にならず製作コストの増加を抑えることができる。また、拡散板50の位置合わせの煩雑さを低減または招くことがない。
【0032】
図7は、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61の一部をレンチキュラーレンズ64とした改変例を示す概略構成図である。
【0033】
図示するように、第1の光経路変更部60の線状光源30に対向する領域Waに、プリズム部61に代えて、レンチキュラーレンズ64を配置してもよい。線状光源30同士の間の中間領域Wbは、プリズム部61をそのまま配置してある。
【0034】
このように構成することによって、斜めから観察した際の素抜けや、正面から観察した際の、線状光源30の直上部の光の隙間も軽減される。
【0035】
この場合も、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61および第2の光経路変更部70におけるレンズ部71の作用によって、既にかなり線状光源30の輝度ムラが低減されているので、線状光源30とレンチキュラーレンズ64との位置合わせ精度を緩く設定することができる。線状光源30の配置条件に合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定してあるので、レンチキュラーレンズ64を配置する第1の光経路変更部60の製作が煩雑にならず製作コストの増加を抑えることができる。また、第1の光経路変更部60の位置合わせの煩雑さも招くことがない。
【0036】
図8は、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61の一部(プリズム部65)のプリズム頂角α’を変えた改変例を示す概略構成図、図9(A)(B)は、小さくしたプリズム頂角α’の説明に供する図である。
【0037】
図8に示すように、第1の光経路変更部60の線状光源30に対向する領域Waにおけるプリズム部65のプリズム頂角α’を、線状光源30同士の間の中間領域Wbにおけるプリズム部61のプリズム頂角αよりも小さくしてもよい。
【0038】
より具体的には、屈折入射後、他方の面で全反射した光線が略正面方向に出射する角度とすると、屈折率が1.5〜1.6のとき、約40°である。この場合、全反射プリズムは、入射光の角度偏差を拡大するため、垂直に入射した光線を垂直に出射させるといっても、何も形成しない平坦面とするのとは異なり、上部正面付近での光源像が拡大されるので、光源像を視認しにくくする働きがある。
【0039】
この場合も、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61および第2の光経路変更部70におけるレンズ部71の作用によって、既にかなり線状光源30の輝度ムラが低減されているので、線状光源30とプリズム頂角α’を小さくしたプリズム部65との位置合わせ精度を緩く設定することができる。線状光源30の配置条件に合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定してあるので、プリズム部61の一部(プリズム部65)のプリズム頂角α’を小さくした第1の光経路変更部60の製作が煩雑にならず製作コストの増加を抑えることができる。また、第1の光経路変更部60の位置合わせの煩雑さも招くことがない。
【0040】
図9(A)を参照して、屈折率をnとしたとき、下から垂直に入射した光線が、入射面で屈折した後、反対側の斜面で全反射して、再び垂直に出射するとき、次の条件を満足する。
【0041】
ncos(3φ)=cos(2φ)
表計算ソフトの機能のひとつである「特定の計算結果を導き出すために代入すべき値を逆算する計算機能」を用いて、上記条件を満たすφを計算した。
【0042】
n=1.50、1.52、1.58、1.60のとき、それぞれのφは、
φ=19.65、19.87、20.49、20.68
であった。これより、プリズム頂角αは約40°である。線状光源30に対向する領域Waにおける先端角(プリズム頂角α’)は、これよりも小さくするのが好ましい。
【0043】
図9(B)を参照して、先端角をさらに小さくした場合、例えば、先端角を30度とした場合には、上記同様、逆方向から光線を入射させて検討した結果、屈折率1.5〜1.6において、屈折のみで、全反射を伴わないで抜ける光の角度は、約60°以上にしか存在しない。
【0044】
図10は、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61の一部をリニアフレネルレンズ66とした改変例を示す概略構成図である。図11(A)は、図10に示される改変例における光線の軌跡を示す図、図11(B)は、拡散板50のみの対比例における光線の軌跡を示す図である。図12は、リニアフレネルレンズ66におけるレンズの角度を示す図である。
【0045】
図10に示すように、第1の光経路変更部60の線状光源30に対向する領域Waに、プリズム部61に代えて、リニアフレネルレンズ66を線状光源30に向かい合う面つまりプリズム部61と同じ側の面に配置してもよい。線状光源30同士の間の中間領域Wbは、プリズム部61をそのまま配置してある。
【0046】
このように構成することによって、線状光源30の光がリニアフレネルレンズ66とプリズム部61とによって、シートの全域において、拡散板50のみの対比例に比べて、シートに対してほぼ垂直に観察側へ指向する(図11(A)(B)を参照)。このため、拡散板50の拡散(ヘイズ)をあまり強くしなくても、線状光源30像の素抜けによる輝度ムラを解消することができる。また、従来の拡散板に比べて、拡散(ヘイズ)を小さくすることができる。
【0047】
この場合も、第1の光経路変更部60におけるプリズム部61および第2の光経路変更部70におけるレンズ部71の作用によって、既にかなり線状光源30の輝度ムラが低減されているので、線状光源30とリニアフレネルレンズ66との位置合わせ精度を緩く設定することができる。線状光源30の配置条件に合致させる場合においても、その前提として、輝度ムラを抑えるための構成を汎用性を持たせて設定してあるので、リニアフレネルレンズ66を配置する第1の光経路変更部60の製作が煩雑にならず製作コストの増加を抑えることができる。また、第1の光経路変更部60の位置合わせの煩雑さも招くことがない。
【0048】
図12を参照して、リニアフレネルレンズ66におけるレンズの角度は、周知の入光フレネルのレンズ角度の以下の計算式により計算することができる。
【0049】
tanφ=sinθ/(n2−cosθ)
ここに、φ:レンズ角度、θ:光線の角度
である。
【0050】
図13は、図10に示される改変例のさらなる改変例を示す概略構成図、図14は、図13に示される改変例において用い得るハイブリッドプリズムを示す図である。
【0051】
リニアフレネルレンズ66は、図10に示される改変例のように線状光源30に向かい合う面に配置する場合に限定されず、拡散板50に向かい合う面つまりプリズム部61とは反対側の面に配置してもよい。
【0052】
図13に二点鎖線によって囲んで示すように、プリズム部61の端部とリニアフレネルレンズ66の端部とは、数ピッチ分重なるように配置することが好ましい。プリズム部61およびリニアフレネルレンズ66の少なくとも一方によって、斜めからの光の光経路を変更できるからである。
【0053】
図14を参照して、プリズム部61とリニアフレネルレンズ66との境界付近には、全反射プリズムとリニアフレネルレンズとを1つのピッチ内に共存させた、WO02/027399に記載されているハイブリッドプリズム67を使用してもよい。
【0054】
(実施例)
以下、実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0055】
厚さ50μmの二軸延伸ポリエステルフィルム(東洋紡績株式会社製のコスモシャイン(登録商標)A4300)の一方の面に、屈折率1.55のUV樹脂によって、ピッチ50μm、プリズム頂角を、29°、45°、55°、60°、62°、66°、69°、75°、90°のプリズムシートを作成した。
【0056】
このプリズムシートを、厚さ1.3mm、ヘイズ100%、透過率62%(株式会社東洋精機製作所製のヘイズガードIIを用いて測定)のバルク光拡散板に、透明粘着フィルムによって貼り付け、プリズム拡散板を作成した。
【0057】
次に、上記のプリズムシートと同一の材料を使用して、ピッチ130μmのレンチキュラーレンズシートを作成した。このレンチキュラーレンズシートの平坦面側のレンズの境界部に対応する部位に白色ストライプを形成した。
【0058】
冷陰極線管(CCFL)間隔が30mmのバックライトユニット(BLU)に、冷陰極線管の中心とプリズム拡散板との距離が5mm、7mm、10mm、15mmとなるように、15cm×21cmの支持枠を4種類作成した。
【0059】
9種類のプリズム拡散板と、プリズムシートを貼り合せていない拡散板とを、支持枠に設置し、その上に上記レンチキュラーレンズシートを載せて、2次元色彩輝度計(コニカミノルタセンシング株式会社製CA−2000)を0.5m離して、サンプルの面内の明るさムラを測定した。
【0060】
図15は、サンプル品の面内の明るさムラを測定したデータの一例を示すグラフである。グラフの横軸は冷陰極線管の配列方向の位置座標を示し、縦軸は輝度を示している。補正前の測定データ(図15中の線La)は、中央が明るく、周辺程暗くなっている。測定データそのものを2次曲線近似し、その極大値で近似曲線が平坦化されるよう元のデータを補正した。図15中の線Lbは、補正のための近似曲線を示し、線Lcは、補正後のデータを示している。なお、図15には、明暗変化の大きいプリズムシートを貼り合せていない拡散板の場合についての補正の様子を示してある。補正されたデータは、周期30mmの三角関数となっている。
【0061】
補正されたデータをもとに、波形の極大値の平均に対する、極小値の平均の比を求めた結果を、下記の表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】
上記の比の値が1に近いほど、光源の輝度ムラは観察されにくい。目視による比較において、0.82以上になると輝度ムラがかなり改善され、0.9以上になると輝度ムラがさらに改善されて輝度ムラが視認されにくくなり、0.95以上になると輝度ムラが視認されることはほとんど無かった。
【0064】
表1に示される実験結果より、冷陰極線管の中心とプリズム拡散板との距離が5mm〜15mmの範囲においては、プリズム頂角が55°〜75°において輝度ムラの発生を抑制する効果を得ることができ、プリズム頂角が60°〜70°において、特に、有効であることがわかった。
【0065】
プリズム頂角が55°〜75°においては、斜めからの目視による観察においても、輝度ムラは観察されなかった。
【0066】
上側のレンチキュラーレンズシートを外した状態も観察した。斜めからの目視による観察をしたところ、プリズム頂角が55°〜75°であっても、弱いものの多少の輝度ムラが観察された。
【0067】
以上の実施例から、本発明の照明装置10における第1と第2の光経路変更部60、70によって、線状光源30の像が透けて見える周期的な輝度ムラの発生を改善できるという効果を確認した。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の実施形態に係る照明装置を示す概略構成図である。
【図2】図2(A)は、第1と第2の光経路変更部を備える実施形態に係る光線の軌跡を説明するための図、図2(B)は、第2の光経路変更部を設けない場合の光線の軌跡を説明するための図である。
【図3】図3(A)〜(D)は、プリズム部のプリズム頂角の角度範囲の説明に供するための図である。
【図4】第2の光経路変更部の背面のうちレンズ部の境界に対応する部位に反射層を設けた改変例を示す概略構成図である。
【図5】図5(A)(B)は、第1の光経路変更部におけるプリズム部の先端形状を変えた改変例を示す概略構成図、図5(C)は、隣り合うプリズム部同士を隙間部を隔てて配置した改変例を示す概略構成図である。
【図6】光を反射する白色ペイントを拡散板の出射側に形成した改変例を示す概略構成図である。
【図7】第1の光経路変更部におけるプリズム部の一部をレンチキュラーレンズとした改変例を示す概略構成図である。
【図8】第1の光経路変更部におけるプリズム部の一部のプリズム頂角を変えた改変例を示す概略構成図である。
【図9】図9(A)(B)は、小さくしたプリズム頂角の説明に供する図である。
【図10】第1の光経路変更部におけるプリズム部の一部をリニアフレネルレンズとした改変例を示す概略構成図である。
【図11】図11(A)は、図10に示される改変例における光線の軌跡を示す図、図11(B)は、拡散板のみの対比例における光線の軌跡を示す図である。
【図12】リニアフレネルレンズにおけるレンズの角度を示す図である。
【図13】図10に示される改変例のさらなる改変例を示す概略構成図である。
【図14】図13に示される改変例において用い得るハイブリッドプリズムを示す図である。
【図15】サンプル品の面内の明るさムラを測定したデータの一例を示すグラフである。
【符号の説明】
【0069】
10 照明装置、
20 LCDパネル、
30 線状光源、
40 反射板、
50 拡散板、
51 白色ペイント、
60 第1の光経路変更部、
61 プリズム部、
62a 平坦面、
62b 曲面、
63a 隙間部、
63b 平坦部、
64 レンチキュラーレンズ、
65 プリズム頂角α’のプリズム部、
64 レンチキュラーレンズ、
66 リニアフレネルレンズ、
67 ハイブリッドプリズム、
70 第2の光経路変更部、
71 レンズ部、
72 反射層、
α、α’ プリズム頂角(α>α’)、
Wa 線状光源に対向する領域、
Wb 線状光源同士の間の中間領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列配置された複数の線状光源と、反射板と、前記線状光源および前記反射板からの光を拡散する拡散板とを有する照明装置であって、
前記線状光源と前記拡散板との間に配置され、前記線状光源に向けて突出するプリズム部が設けられ、前記線状光源および前記反射板からの光の経路を変更する第1の光経路変更部と、
前記拡散板を挟んで前記線状光源とは反対側に配置され、出射面にレンズ部が設けられ、前記拡散板を透過した光の経路を変更する第2の光経路変更部と、を有し、
前記第1の光経路変更部におけるプリズム部は、プリズム頂角が55°〜75°であり、
前記第2の光経路変更部におけるレンズ部によって、前記線状光源に対向する領域においては透過してきた光の一部を前記拡散板の側に全反射し、前記線状光源同士の間の中間領域においては透過してきた光を正面方向に出射してなる照明装置。
【請求項2】
前記第2の光経路変更部の背面のうち前記レンズ部の境界に対応する部位に設けられた反射層をさらに有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1の光経路変更部におけるプリズム部は、その先端が平坦面または曲面に形成されている、請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1の光経路変更部における隣り合うプリズム部同士は、隙間部を隔てて配置されている、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
前記拡散板の出射側に形成され透過してきた光を反射する白色ペイントを、前記線状光源に対向する領域においては、前記線状光源同士の間の中間領域に比べて密に形成する、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1の光経路変更部の前記線状光源に対向する領域に、前記プリズム部に代えて、レンチキュラーレンズを配置してなる、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1の光経路変更部の前記線状光源に対向する領域における前記プリズム部のプリズム頂角を、前記線状光源同士の間の中間領域における前記プリズム部のプリズム頂角よりも小さくしてなる、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1の光経路変更部の前記線状光源に対向する領域に、前記プリズム部に代えて、リニアフレネルレンズを前記線状光源に向かい合う面または前記拡散板に向かい合う面に配置してなる、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項1】
並列配置された複数の線状光源と、反射板と、前記線状光源および前記反射板からの光を拡散する拡散板とを有する照明装置であって、
前記線状光源と前記拡散板との間に配置され、前記線状光源に向けて突出するプリズム部が設けられ、前記線状光源および前記反射板からの光の経路を変更する第1の光経路変更部と、
前記拡散板を挟んで前記線状光源とは反対側に配置され、出射面にレンズ部が設けられ、前記拡散板を透過した光の経路を変更する第2の光経路変更部と、を有し、
前記第1の光経路変更部におけるプリズム部は、プリズム頂角が55°〜75°であり、
前記第2の光経路変更部におけるレンズ部によって、前記線状光源に対向する領域においては透過してきた光の一部を前記拡散板の側に全反射し、前記線状光源同士の間の中間領域においては透過してきた光を正面方向に出射してなる照明装置。
【請求項2】
前記第2の光経路変更部の背面のうち前記レンズ部の境界に対応する部位に設けられた反射層をさらに有する、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1の光経路変更部におけるプリズム部は、その先端が平坦面または曲面に形成されている、請求項1または請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1の光経路変更部における隣り合うプリズム部同士は、隙間部を隔てて配置されている、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
前記拡散板の出射側に形成され透過してきた光を反射する白色ペイントを、前記線状光源に対向する領域においては、前記線状光源同士の間の中間領域に比べて密に形成する、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1の光経路変更部の前記線状光源に対向する領域に、前記プリズム部に代えて、レンチキュラーレンズを配置してなる、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1の光経路変更部の前記線状光源に対向する領域における前記プリズム部のプリズム頂角を、前記線状光源同士の間の中間領域における前記プリズム部のプリズム頂角よりも小さくしてなる、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1の光経路変更部の前記線状光源に対向する領域に、前記プリズム部に代えて、リニアフレネルレンズを前記線状光源に向かい合う面または前記拡散板に向かい合う面に配置してなる、請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の照明装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−153256(P2010−153256A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331332(P2008−331332)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(500005066)チェイル インダストリーズ インコーポレイテッド (263)
【Fターム(参考)】
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