説明

照明装置

【課題】導光通路を有するセードを比較的安価に且つ容易に製造することができる照明装置を提供すること。
【解決手段】光源としての蛍光灯12と、この蛍光灯12に被せられるセード11とを有して構成された灯具4が腕部3の先端に設けられた照明装置としての電気スタンド1において、前記セード11が、間隔を空けて複数の翼状体16〜18を上下に重ねることで構成されると共に、前記各翼状体16〜18間を導光通路19〜22としたことにより、スリット状の前記各導光通路19〜22を有するセード11、ひいては前記電気スタンド1を容易に且つ比較的安価に製造することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関するものであり、特に、机上等で用いられる電気スタンド等の照明装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の照明装置としては、基部と、この基部の後部に立設された支柱部(本発明の腕部に相当する)と、この支柱部の上部に設けられた屈曲部(本発明の腕部に相当する)と、この屈曲部の先端に設けられた灯具とを有して構成された電気スタンドが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、前記灯具の前方には、一体に形成されたスリット部(本発明の導光通路に相当する)が設けられている。そして、このように灯具にスリット部を設けることで、光源から放射される光の少なくとも一部に方向性を持たせることができる。
【特許文献1】特開2006−120581号公報号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、このような照明装置においては、複数の間隙を有するスリット部を一体形成しているため、このスリット部を形成するための金型が複雑になってしまい、コストアップを招く虞があった。また、前記スリット部の導光通路が直線的である場合は比較的製造しやすいものの、導光通路がカーブしている場合、金型を抜くことを考慮すると、製造が比較的難しかった。
【0004】
本発明は以上の問題点を解決し、導光通路を有するセードを比較的安価に且つ容易に製造することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の請求項1に記載の照明装置は、腕部と、この腕部の先端に設けられた灯具とを有し、前記灯具が、光源と、この光源に被せられるセードとを有して構成された照明装置において、前記セードが、間隔を空けて複数の翼状体を重ねることで構成されると共に、前記翼状体間を導光通路としたものである。
【0006】
また、本発明の請求項2に記載の照明装置は、請求項1において、前記セード内に、前記光源から放射された光を前記導光通路に向けて反射する反射板を設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1に記載の照明装置は、以上のように構成することにより、スリット状の導光通路を有するセードを容易に且つ比較的安価に製造することができる。
【0008】
また、前記セード内に、前記光源から放射された光を前記導光通路に向けて反射する反射板を設けたことにより、光源から放射された光を直接導光通路に導かなくても良いので、灯具の構造の自由度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図1乃至図4に基づいて説明する。1は照明装置としての電気スタンドである。この電気スタンド1は、板状の基部2と、腕部3と、この腕部3の先端に設けられた灯具4とを有して構成されている。なお、前記腕部3は、前記基部2の後部に立設された支柱部5と、この支柱部5の上部に設けられた屈曲部6と、この屈曲部6の先端に設けられた首部7とを有して構成されている。そして、前記支柱部5には、後述する蛍光灯12を点灯させるための図示しない点灯回路が収容されている。また、前記支柱部5には、孔部8が前後方向に貫通して形成されていると共に、この孔部8の内周面8Aには、前記点灯回路のためのスイッチである環状のタッチセンサ9が設けられている。なお、前記孔部8は、その中央よりも前方の開口部8B側が広くなるように構成されている。ここで言う「前方」の定義は、前記電気スタンド1の正面側であるが、使用時に使用者と対向する側と定義しても良い。また、前記タッチセンサ9は、合成樹脂製の環状部材の表面に金属メッキを施して構成されている。更に、前記屈曲部6は、蛇腹体10の内部に図示しないフレキシブルシャフトを内蔵して構成されている。そして、このフレキシブルシャフトが自在に屈曲することで、前記屈曲部6は自在に屈曲する。
【0010】
前記灯具4は、下方が開放したセード11と、このセード11に設けられた図示しないソケットに対して着脱自在に取り付けられる光源としての蛍光灯12とを有して構成されている。なお、前記蛍光灯12としては、例えばFPL型の蛍光灯等が用いられる。前記セード11は、下方が開放したセード本体13と、前記ソケットを収容する収容部14とで構成されている。そして、前記収容部14は、前記首部7に対して回動自在に取り付けられている。また、前記セード本体13には、反射板15が取り付けられていると共に、この反射板15の下方に、前記蛍光灯12が配置される。
【0011】
前記セード11について詳述する。このセード11は、第一の翼状体16と、第二の翼状体17と、第三の翼状体18とを上下に重ねてビス等で固定することによって構成されている。なお、前記第二の翼状体17と第三の翼状体18には、それぞれ上下方向に貫通して開口部17A,18Aが形成されている。また、前記各翼状体16〜18を重ねることで、前記セード本体13には、図1乃至図3の姿勢において、前記セード本体13の前後にスリット状の間隙が複数形成され、これらの間隙が導光通路19〜22となる。なお、これらの導光通路19〜22は、外側(本実施形態では前後)の斜め下方を向いて形成されている。また、前記各翼状体16〜18を重ねることで、前記開口部17A,18Aによって定義される空間Sが前記第一の翼状体16の下方に形成され、この空間Sに前記蛍光灯12及び反射板15が収容されると共に、前記各導光通路19〜22が、前記蛍光灯12が収容される前記空間Sと連通する。更に、前記反射板15は、前記蛍光灯12から上方に放射された光を外側(本実施形態では前後)の斜め下方に反射するように、下方に突出した形状に形成されている。
【0012】
そして、前述したように、前記セード11を、前記各翼状体16〜18を上下に重ねてビス等で固定することで構成することにより、部品点数は増えるものの、前記各翼状体16〜18の構造を単純化できるため、これらを成型するための金型も比較的容易に且つ安価に製造することができる。特に、本実施形態では、図3に示すように、前記各翼状体16〜18が上に凸となる曲面状に形成されているため、前記各導光通路19〜22もカーブしているが、このような構造であっても、前記各翼状体16〜18を個別に成型することで、容易に製造することができる。更に、前記各翼状体16〜18の色をそれぞれ異ならせることで、美観的な効果を与えることもできる。
【0013】
次に、本実施形態の作用について説明する。まず、使用者は前記電気スタンド1を机上等の任意の位置に置き、図示しない電源プラグを図示しないコンセントに差し込む。そして、前記開口部8B側から前記孔部8内に任意の指を挿入し、前記タッチセンサ9に触れることで、図示しない点灯回路によって、前記蛍光灯12が点灯又は消灯する。この蛍光灯12を点灯させると、この蛍光灯12から放射された光によって、机上等が照らされる。具体的には、前記蛍光灯12から下方に放射された光によって、机上等が直接照らされると共に、前記蛍光灯12から上方に放射された光が前記反射板15で下方又は外側斜め下方に反射されて机上等が照らされる。そして、前記蛍光灯12から上方に放射された光は、前記反射板15によって外側斜め下方に反射された後、前記各導光通路19〜22を通過する。そして、前述したように、前記蛍光灯12から上方に放射された光を、前記反射板15によって外側斜め下方に反射された後、前記各導光通路19〜22を通過させるように構成されていることで、前記蛍光灯12と前記各導光通路19〜22が直線的に配列される必要がないので、前記セード11の構造の自由度を高めることができる。
【0014】
以上のように本発明は、光源としての蛍光灯12と、この蛍光灯12に被せられるセード11とを有して構成された灯具4が腕部3の先端に設けられた照明装置としての電気スタンド1において、前記セード11が、間隔を空けて複数の翼状体16〜18を上下に重ねることで構成されると共に、前記各翼状体16〜18間を導光通路19〜22としたことにより、スリット状の前記各導光通路19〜22を有するセード11、ひいては前記電気スタンド1を容易に且つ比較的安価に製造することができるものである。
【0015】
また、本発明は、前記セード11内に、前記蛍光灯12から放射された光を前記各導光通路19〜22に向けて反射する反射板15を設けたことにより、前記蛍光灯12から放射された光を直接前記各導光通路19〜22に導かなくても良いので、前記灯具4の構造の自由度を高めることができるものである。
【0016】
なお、本発明は以上の実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、上記実施形態では、セードを構成する翼状体の数が3であるが、翼状体の数を2或いは4以上としても良い。また、上記実施形態では、前記セードの前後にそれぞれ導光通路を形成したが、この導光通路は、前記セードの前のみ又は後のみでも良く、また、前記セードの前後以外の部分に設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施例を示す照明装置の正面図である。
【図2】同、右側面図である。
【図3】同、A−A拡大断面図である。
【図4】同、セードの分解斜視図である。
【符号の説明】
【0018】
1 電気スタンド(照明装置)
3 腕部
4 灯具
11 セード
12 蛍光灯(光源)
13 セード本体
15 反射板
16 第一の翼状体
17 第二の翼状体
18 第三の翼状体
19〜22 導光通路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕部と、この腕部の先端に設けられた灯具とを有し、前記灯具が、光源と、この光源に被せられるセードとを有して構成された照明装置において、
前記セードが、間隔を空けて複数の翼状体を重ねることで構成されると共に、前記翼状体間を導光通路としたことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記セード内に、前記光源から放射された光を前記導光通路に向けて反射する反射板を設けたことを特徴とする請求項1記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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