説明

照明装置

【課題】照明制御の自由度を高め、照明光を用いた高度な演出を行うことが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】CPUが、ディスプレイにカラーピッカーを表示してユーザーに色の指定を促すステップST1〜ST2と、ステップST1〜ST2で指定された色の色情報を、これに対応するデューティ比のPWM信号に色情報/PWM変換回路により変換するステップST4と、PWM信号のデューティ比に応じてPWM制御点灯回路によりLED照明ユニットのLEDを点灯制御するステップST5とを備えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ショーウィンドウやイベント会場その他の様々な空間において、演出に適した照明光を提供する照明装置の分野に係るものである。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、光源の投射方向前方に、気体と液体とを注入した演出体を可動自在に配置し、液体の影を写し出す照明装置が開示されている。この例では、演出体により、液体の泡立ちや波紋、揺らめきを写し出し、照明による演出効果を高めている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平6−111602号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の照明装置は以上のような構成なので、照明制御の自由度が低く、照明光を用いた高度な演出を行うことができないという課題があった。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、照明制御の自由度を高め、照明光を用いた高度な演出を行うことが可能な照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の照明装置は、情報が与えられると、この情報を色情報に変換する制御手段と、上記制御手段から色情報が与えられると、この色情報に応じた色の照明光を発する少なくとも1以上の照明手段とを備えるようにしたものである。
【0007】
請求項2記載の照明装置は、制御手段は、照明光の色について色見本を提示する表示手段をさらに備えるとともに、上記表示手段に表示された色見本により色の指定を促し、上記色が指定されると、この指定された色を色情報に変換するようにしたものである。
【0008】
請求項3記載の照明装置は、照明手段は、光の3原色の照明光をそれぞれ発する発光ダイオードを備え、これらの発光ダイオードにより色情報に応じた色の照明光を生成して発するようにしたものである。
【0009】
請求項4記載の照明装置は、制御手段は、外部からの情報を取得する外部情報取得手段をさらに備えるとともに、上記外部情報取得手段により取得された情報の少なくとも一部を色情報に変換するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、請求項1記載の照明装置によれば、情報が与えられると、この情報を色情報に変換する制御手段と、上記制御手段から色情報が与えられると、この色情報に応じた色の照明光を発する少なくとも1以上の照明手段とを備えるようにしたので、照明制御の自由度を高め、照明光を用いた高度な演出が可能になるという効果が得られる。
【0011】
請求項2記載の照明装置によれば、制御手段は、照明光の色について色見本を提示する表示手段をさらに備えるとともに、上記表示手段に表示された色見本により色の指定を促し、上記色が指定されると、この指定された色を色情報に変換するようにしたので、照明手段が発する照明光の色の指定が直感的かつ容易になるという効果が得られる。
【0012】
請求項3記載の照明装置によれば、照明手段は、光の3原色の照明光をそれぞれ発する発光ダイオードを備え、これらの発光ダイオードにより色情報に応じた色の照明光を生成して発するようにしたので、照明手段の照明光をリアルタイム制御できるという効果が得られる。
【0013】
請求項4記載の照明装置によれば、制御手段は、外部からの情報を取得する外部情報取得手段をさらに備えるとともに、上記外部情報取得手段により取得された情報の少なくとも一部を色情報に変換するようにしたので、外部からの情報にマッチした自由度の高い演出を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】この発明の実施の形態1による照明装置の構成を示す図である。
【図2】この発明の実施の形態1による照明装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1による照明装置の動作を示すフローチャートである。
【図4】この発明の実施の形態1による照明装置の効果を説明するための図である。
【図5】この発明の実施の形態1による照明装置のバリエーションの一例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1による照明装置のバリエーションの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しつつ、この発明の実施の形態を説明する。なお、各図面では、同一の構成または相当する構成については同一の符号を付す。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1による照明装置の構成を示す。
図1において、10はコンピュータ、20はコンピュータ10によりリアルタイム制御されるLED照明ユニットである。
【0016】
また、コンピュータ10において、11はディスプレイ、11cはディスプレイ11上に表示されたカラーピッカー、12はマウスやタッチパッドなどの入力デバイス、12c はカラーピッカー11c上の特定の色を指定する入力デバイス12のカーソルである。
カラーピッカー11cは、照明装置のユーザーに対し、LED照明ユニット20の照明光について色見本を提示するものであり、色相・明度・彩度の色情報をそれぞれ変化させた多彩な色見本から構成されている。
【0017】
図2はこの発明の実施の形態1による照明装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図2において、13はLED制御プログラムを実行するCPU,14はLED制御プログラムが格納されるROM,15はLED制御プログラムを読み出すRAM,16はコンピュータ10の通信インターフェース、21はLED照明ユニット20の通信インターフェース、22は通信インターフェース21で受信した色情報をPWM信号に変換する色情報/PWM変換回路、23はPWM信号のデューティ比に応じてスイッチング動作するPWM制御点灯回路、24は赤・緑・青などの各素子などからなるLEDである。
【0018】
次に動作について説明する。
図3はこの発明の実施の形態1による照明装置の動作を示すフローチャートである。
LED制御プログラムを実行すると、まず、CPU13は、ディスプレイ11にカラーピッカー11cを表示してユーザーに色の指定を促す(ステップST1)。
【0019】
そして、ユーザーが入力デバイス12を用いてカーソル12cによりカラーピッカー11c上の特定の色を指定すると(ステップST2でYES)、CPU13は、このカーソル12cの位置に対応する色情報を取得し、通信インターフェース16を介してLED照明ユニット20へ色情報を伝送する(ステップST3)。
【0020】
コンピュータ10からLED照明ユニット20へ伝送された色情報は、通信インターフェース21により受信され、続いて色情報/PWM変換回路22により、受信した色情報に対応するデューティ比のPWM信号に変換される(ステップST4)。PWM制御点灯回路23はPWM信号のデューティ比に応じてスイッチング動作するので、LED24の赤・緑・青の各素子を流れる電流がスイッチング動作によりON/OFF制御され、LED24が点灯制御される(ステップST5)。
【0021】
こうして、例えば図4(a)〜(c)に示すように、カラーピッカー11c上の特定の色を持つセルx〜zをカーソル12cにより指定すると、LED照明ユニット20は、セルx〜zに対応した色の照明光Lx〜Lyを発するようになり、カーソル12cを操作することにより、照明制御の自由度を高め、照明光を用いた高度な演出を可能としている。
【0022】
また、LED24は半導体なのでPWM信号に対し高速応答するため、カーソル12cの動きによってLED照明ユニット20の照明光の色をリアルタイム制御できるようになっている。
【0023】
また、カラーピッカー11cをディスプレイ11に表示することにより、ユーザーはLED照明ユニット20の照明光の色を直感的な視覚により容易に指定できる。
【0024】
以上のように、この実施の形態1によれば、CPU13が、ディスプレイ11にカラーピッカー11cを表示してユーザーに色の指定を促すステップST1〜ST2と、ステップST1〜ST2で指定された色の色情報を、これに対応するデューティ比のPWM信号に色情報/PWM変換回路22により変換するステップST4と、PWM信号のデューティ比に応じてPWM制御点灯回路23によりLED照明ユニット20のLED24を点灯制御するステップST5とを備えるようにしたので、カーソル12cを操作することにより、照明制御の自由度を高め、照明光を用いた高度な演出が可能になり、LED照明ユニット20の照明光をリアルタイム制御できるという効果が得られ、また、カラーピッカー11cにより、LED照明ユニット20が発する照明光の色の指定が直感的かつ容易になるという効果が得られる。
【0025】
なお、この発明は、セルx〜zなどから構成されるカラーピッカー11cに限定されるものではなく、ユーザーに対して適切な色見本を提示するものであれば、カラーピッカー11c以外のものであっても良い。
【0026】
また、この発明は、ケーブルを使った有線接続による色情報の伝送に限定されるものではなく、例えばZIGBEE(登録商標)を用いた無線接続により色情報を伝送しても良い。
【0027】
さらに、この発明は、1台のコンピュータ10と1台のLED照明ユニット20に限定されるものではなく、1台のコンピュータ10に対して2台以上のLED照明ユニット20をリアルタイム制御するようにしても良い。
【0028】
さらに、この発明は、マウスやタッチパッドなどの入力デバイス12による色指定に限定されるものではなく、この他にもタッチパネルやトラックボール、ジョイスティック、ペンタブレット、キーボードなどにより色指定を行うようにしても良い。
【0029】
さらに、この発明は、カラーピッカー11cおよびカーソル12cによる色指定に限定されるものではなく、これ以外の方法によって照明装置の外部から得られる情報に応じて色指定を行うようにしても良い。
【0030】
例えば、図5に示すように、演出用に流すバックグラウンドミュージックをコンピュータ10が周波数解析し、その結果得られたサウンドスペクトル11sの所定の周波数領域におけるレベルに応じて色を指定し、このレベルに応じた照明光LwをLED照明ユニット20から発するようにリアルタイム制御しても良い。
【0031】
また、この他にも、図示は省略するが、コンピュータ10が演出用の映像をディスプレイ11に表示し、この映像の変化に応じて色を指定して、LED照明ユニット20の照明光をリアルタイム制御しても良い。
例えば、夕焼けの映像が表示された場合にはオレンジ色の照明光を、映像が青空に切り替わった場合には青色の照明光を、LED照明ユニット20から発するようにする。このように、外部から得られる音楽情報や映像情報の少なくとも一部の変化に応じて照明光をリアルタイム制御することにより、音楽や映像のコンセプトにマッチした自由度の高い演出を行うことが可能となる。
【0032】
さらに、この他にも、図6に示すように、コンピュータ10にネットワーク30やマイクロフォンなどの各種センサ40を接続し、これらのネットワーク30や各種センサ40を介して外部から得られるネット情報やセンシング情報に応じて色指定を行い、LED照明ユニット20の照明光をリアルタイム制御しても良い。
【0033】
例えば、メール着信や株価変動などの情報がネットワーク30から得られた場合にはアラート的に照明光を発したり、ネットワーク30から得られる天気予報情報が晴れのときには赤の照明光、雨のときには青の照明光、曇りのときには白の照明光とするなど、天気予報情報に照明光を連動させても良い。
【0034】
また、例えば、マイクロフォンで検出される騒音変化や、人感センサで検出される人の動作、温度センサで検出される気温変化、二酸化炭素センサで検出される二酸化炭素の濃度変化など、各種センサ40で検出された各センシング情報に照明光を連動させても良いし、さらに、例えば、図示は省略するが、コンピュータ10が、インストールされたスケジュール管理ソフトから逐次通知される各スケジュール情報にLED照明ユニット20の照明光を連動させても良い。
【符号の説明】
【0035】
10 コンピュータ(制御手段、外部情報取得手段)、11 ディスプレイ(表示手段)、12 入力デバイス、12c カーソル、20 LED照明ユニット(照明手段)、11c カラーピッカー(色見本)、x,y,z セル、Lx,Ly,Lz,Lw 照明光、13 CPU,14 ROM,15 RAM,16,21 通信インターフェース、22 色情報/PWM変換回路、23 PWM制御点灯回路、24 LED,30 ネットワーク(外部情報取得手段)、40 各種センサ(外部情報取得手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報が与えられると、この情報を色情報に変換する制御手段と、
上記制御手段から色情報が与えられると、この色情報に応じた色の照明光を発する少なくとも1以上の照明手段とを備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
制御手段は、
照明光の色について色見本を提示する表示手段をさらに備えるとともに、
上記表示手段に表示された色見本により色の指定を促し、上記色が指定されると、この指定された色を色情報に変換することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
照明手段は、
光の3原色の照明光をそれぞれ発する発光ダイオードを備え、これらの発光ダイオードにより色情報に応じた色の照明光を生成して発することを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項4】
制御手段は、
外部からの情報を取得する外部情報取得手段をさらに備えるとともに、
上記外部情報取得手段により取得された情報の少なくとも一部を色情報に変換することを特徴とする請求項1記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−222293(P2011−222293A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−90128(P2010−90128)
【出願日】平成22年4月9日(2010.4.9)
【出願人】(510100003)
【出願人】(503398886)株式会社感性デバイシーズ (12)
【出願人】(000141794)株式会社宮入バルブ製作所 (12)
【Fターム(参考)】