説明

照明装置

【課題】複数の照明装置を長手方向に並べて配置したときに、直線性を創出することができる照明装置を提供する。
【解決手段】発光素子と、照明器具本体1とを有する照明装置において、照明器具本体1は略直方体形状であり、発光素子は、当該発光素子の発光面が照明器具本体1の一面を向いて照明器具本体1に収納され、一面の両端から略垂直でありかつ対向する面の一部から一面にかけて凹型形状となる透光パネル4を設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル・オフィス・工場などの天井における照明として、直線性を創出するために直管形蛍光灯などを用いた照明装置を長手方向に並べて設置する場合がある。特許文献1においては、額縁を有する器具本体内に直管蛍光灯を配置し、長手方向に並べて設置する際にはそれぞれの器具本体の額縁同士を連結具で連結することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−218837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では複数の照明装置の額縁12,72を連結具17によって繋ぐことで、複数の照明装置を長手方向に直線的に並べることができ、照明装置の直線性を創出するようになっている。ただし、特許文献1に記載の発明では額縁12,72があることにより、複数の照明装置を長手方向につないだときでも直線の中に額縁12,72の枠分だけ影がうまれることになる。これにより特許文献1に記載の照明装置を長手方向に連続して設けた場合であっても、額縁12,72があることにより一つ一つの照明装置の境目が分かり、一体に直列配置したようには見えない恐れがある。
【0005】
本発明では複数の照明装置を長手方向に並べて配置したときに、直線性を創出することができる照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明では、発光素子と、照明器具本体とを有する照明装置において、照明器具本体は略直方体形状であり、発光素子は、当該発光素子の発光面が照明器具本体の一面を向いて照明器具本体に収納され、一面の両端から略垂直でありかつ対向する面の一部から一面にかけて凹型形状となる透光パネルが設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の照明装置を長手方向に直列に並べたときにも直線性を創出することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明に係る実施形態の照明装置を示す斜視図である。
【図2】図1の照明器具本体1と係止部5を上方向と長手方向を通るように切断し、短手方向から見た断面図である。
【図3】図1の照明器具本体と係止部5を上方向と短手方向を通るように切断し、長手方向から見た断面図である。
【図4】透光パネル4の斜視図である。
【図5】長枠2を上方向から見たときの斜視図である。
【図6】長枠2を下方向から見たときの斜視図である。
【図7】(a)は短枠3を照明器具本体1の外側から見た斜視図である。(b)は短枠3を照明器具本体1の内側から見た斜視図である。
【図8】図1から透光パネル4を外した状態の照明装置の斜視図である。
【図9】本発明に係る実施形態の照明器具本体1を照明器具本体の長手方向に連続するよう配置した場合の斜視図である。
【図10】図9の照明器具本体1を短手方向側面側から見た場合の斜視図である。
【図11】天井10に取付けた場合の照明器具本体1の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
図1は本発明に係る実施形態の照明装置を示す斜視図である。図2は図1の照明器具本体1と係止部5を上方向と長手方向を通るように切断し、短手方向から見た断面図である。図3は図1の照明器具本体と係止部5を上方向と短手方向を通るように切断し、長手方向から見た断面図である。
【0011】
本実施形態の照明器具本体1は、長枠2と短枠3と透光パネル4と係止部5と照明器具本体1内に設けられている光源7から構成されている。本実施例において、照明器具本体1の外形は直方体である。天井取付け部6は天井10に設けられており、照明器具本体1は係止部5を介して天井取付け部6に取付けられる。天井取付け部6は直線状であり、照明器具本体1が複数設けられる。
【0012】
ここで、照明器具本体1が天井取付け部6に取付けられた際の天井側を上方向、床面側を下方向とする。つまり、照明器具本体1が天井取付け部6に取付けられた場合、上方向から下方向に、天井取付け部6,係止部5,照明器具本体1の順になるように取付けられることになる。また、照明器具本体1の外形は直方体であるため、照明器具本体1は6つの面が存在する。これ以降、照明器具本体1が天井取付け部6に取付けられたときを基準として、照明器具本体1の天井側の面を上面、照明器具本体1の床面側の面を下面、天井取付け部6と平行となる照明器具本体1の側面を長手方向側面、上面・下面・長手方向側面以外の天井取付け部6と交差する照明器具本体1の側面を短手方向側面と呼ぶことにする。また、これ以降、天井に平行であり天井取付け部6と平行となる方向を長手方向、天井に平行であり天井取付け部6と交差する方向を短手方向と呼ぶ。
【0013】
長枠2は、照明器具本体1の上方向と長手方向側面を覆うような凹型である。短枠3は、照明器具本体1の短手方向側面の一部を覆うような板状である。透光パネル4は照明器具本体1の下方向と短手方向の一部を覆うような凹型である。係止部5の外形は、H型である。係止部5の下面は、照明器具本体1の上面である長枠2に接続される。天井取付け部6は下面方向の一部と短手方向が開口した直方体である。係止部5の上面は天井取付け部6の下面に接続される。また、図示しないが係止部5内には天井取付け部6から電源を得、光源7に伝える構造が設けられている。
【0014】
図4は透光パネル4の斜視図である。透光パネル4は光源7からの光を透過するものであり、透明でも乳白色でもよい。本実施例において、透光パネル4は板状部4a・4bとで構成され、板状部4aと4bは一体で設けられている。板状部4aは照明器具本体1の下面を覆うような長方形の板状である。板状部4bは照明器具本体1の短手方向側面の一部を覆うような板状である。板状部4bは板状部4aの長手方向端部に板状部4aと略垂直になるよう設けられている。透光パネル4の外形は幅の広い凹型形状である。板状部4bの短手方向長さは板状部4aの短手方向長さよりも短い。これは後述する長枠2の載置部2b・2cに透光パネル4を載置し、照明器具本体1の短手方向側面の一部を覆うためである。また、板状部4bは板状部4aの短手方向略中央に位置している。これは透光パネル4を載置部2b・2cに載置する場合に載置部2b・2cの邪魔にならずに保持されるためである。透光パネル4を凹型形状とすることで、照明器具本体1内の光源7からの光が短手方向にも透過でき、照明器具本体1からの発光面積が広くなる。また、照明器具本体1の下面と短手方向側面とが接する位置に枠部がなく透光パネル4で照明器具本体1の下面と短手方向側面とが接する位置を覆うため、複数の照明器具本体1を長手方向に連続して設けた場合に直線性を創出することができるという効果を奏する。本実施例において4aと4bが一体で設けられているがこの限りでない。4aと4bの接続部に影が生じないような構成であれば別体とし、後に組み合わせても良い。
【0015】
図5は長枠2を上方向から見たときの斜視図である。図6は長枠2を下方向から見たときの斜視図である。長枠2は長枠上面2a、2つの長枠長手方向側面2f、それぞれ2つの載置部2b・2c、基板載置部2dから構成されている。長枠上面2aと2つの長枠長手方向側面2fにより長枠2の外形は凹部形状となる。2つの長枠長手方向側面2fは長枠上面2aの短手方向両端部2bに長枠上面2aと略垂直となるよう設けられている。それぞれ2つの載置部2b・2cは長手方向側面2fの両方の内側に設けられている。載置部2b・2cとも短手方向には渡らない。長枠上面2aが長枠長手方向2fの内側面の上方向端部に設けられているとすると、載置部2cは長枠長手方向2fの内側面の下方向端部に設けられることになる。載置部2bは長枠長手方向2fの内側面に載置部2cと一定の距離を持って設けられる。載置部2bと2cの間には透光パネル4の板状部4aが置かれるため、載置部2bと載置部2cの間の距離は透光パネル4の板状部4aの厚さ以上の距離が必要である。ここで、載置部2b・2cは透光パネル4が載置されればよいため、長手方向に渡って設けられなくとも良い。基板載置部2dは板状であり、長枠2の長手方向と短手方向に渡るよう設けられている。基板載置部2dには光源7が置かれる。長枠2の上面と長手方向側面と基板載置部2dと短枠3により点灯回路部2eが構成される。点灯回路部2eには、光源7を点灯させる点灯回路(図示しない)が設けられている。点灯回路部2eから光源7へ電源を供給するために基板載置部2dには孔等が設けられている(図示しない)。基板載置部2dは照明器具本体1において上面と下面の間かつ載置部2bより上方向に設けられている。
【0016】
図7(a)は短枠3を照明器具本体1の外側から見た斜視図である。図7(b)は短枠3を照明器具本体1の内側から見た斜視図である。短枠3は短枠部3aと2つの短枠部3bよりなる板状の凹型形状である。短枠3を長枠2に取付けることにより、照明器具本体1の短枠方向側面の一部を覆い、また、透光パネル4が長枠2の載置部2b・2cから抜け落ちることを防いでいる。本実施例において短枠3の四隅にはネジ止め穴が開いている。このネジ止め穴にネジを通し、短枠3と長枠2とを接続させている。本実施例において透光パネル4は長枠2や短枠3と接続はされておらず、係止されているのみである。但し、それぞれと接続することで透光パネル4が抜け落ちることをより防ぐため、この限りではない。
【0017】
本実施例において光源7にはLED(発光ダイオード,発光素子)が用いられている。
光源7は長枠2の基板載置部2dに設けられる。LEDは、照明器具本体1に取付けられた際に発光面が下側を向くように設けられる。LEDは基板や点灯回路から電源を得る。基板や点灯回路はLEDの下部に(照明器具本体1が天井10に取付けられたときを基準とすると上から点灯回路,基板,LEDの順に)設けられるため、従来の光源に蛍光灯を用いるタイプのように照明器具本体の長手方向端部に給電部としてソケットを設ける必要がない。これにより照明器具本体1において長手方向端部に影となる枠がなくなるため連続的に設けた場合に直線性を創造できる。
【0018】
また、本実施例では短手方向に短枠3を設けているが、短枠3を設けずに透光パネル4で短手方向を覆うことも可能である。その場合、本実施例の透光パネル4よりも短手方向に深い板状部4bを有する凹型形状となる。また、本実施例において照明器具本体1の上面と長手方向側面を覆うような長枠2も係止部5のある上面以外は覆う必要がないため、透光パネル4をその方向も含めた5方向(照明器具本体1の長手方向側面,短手方向側面,下面)を覆うような形状としてもよい。このような形状とすることで枠部がなくなり照射範囲が広がるという効果を奏する。
【0019】
図8は図1から透光パネル4を外した状態の照明装置の斜視図である。図8に示すとおり、光源7は基板載置部の長手方向に1列に並んで設けられている。光源7を照明器具本体1内に1つ設けるのではなく長手方向に並べて設けることにより、透光パネル4から出射する光の量が増す効果を奏する。また、光源7の照射範囲はある程度決まっているため、1つよりも並べて設けた方が照射範囲を広げることができるという効果を奏する。本実施例において光源7は長手方向に1列に並んで設けられているが、この限りではない。長手方向に2列に並んで設けられても3列に並んで設けられても良い。光源7の数が増えるほど照射範囲,照射量を増すことができる。また、光源7は反射板と組み合わせて設けられても良い。
【0020】
長枠2と短枠3と透光パネル4とを組み合わせる際は、以下のように行う。光源7が基板載置部2dに置かれ、点灯回路部2eに点灯回路が設けられ、点灯回路と光源7とが接続された状態とする。長枠2の載置部2b・2cの間に透光パネル4を載置する。この際、透光パネル4は長枠2の一方の短手方向側面から他方の短手方向側面へと長手方向に沿うようにスライドさせて透光パネル4を載置する。ここまでの動作により長枠2は、下面と短手方向側面の一部を透光パネル4により覆われた状態となる。短手方向側面は全部覆われておらず、透光パネル4は載置部2cに置かれただけの状態であり長手方向に動いてしまう。照明装置として透光パネル4が動くと透光パネル4の落下の危険があるため、続いて、短枠3を長枠2の短手方向側面に透光パネル4の板状部4bの一部を挟むように位置させ、ネジなどで長枠2と接続する。これにより、照明装置本体1の下面から短手方向側面の一部にいたるまで透光パネルで覆われ、枠など光源からの光を妨げることのないベース型照明が作成されることになる。
【0021】
図9は本発明に係る実施形態の照明器具本体1を照明器具本体の長手方向に連続するよう配置した場合の斜視図である。図10は図9の照明器具本体1を短手方向側面側から見た場合の斜視図である。図11は天井10に取付けた場合の照明器具本体1の斜視図である。
【0022】
照明器具本体1を長手方向に連続するよう配置すると、長手方向において光源7からの照射を妨げる箇所(従来は短枠により影となっていた部分)はなくなる。これにより、照明装置同士の継ぎ目以外から照明装置を見るとあたかも一本の長い照明装置があるかのように見え、直線性が創出される。
【符号の説明】
【0023】
1 照明器具本体
2 長枠
3 短枠
4 透光パネル
5 係止部
6 天井取付け部
7 光源
10 天井

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子と、照明器具本体とを有する照明装置において、
前記照明器具本体は略直方体形状であり、
前記発光素子は、当該発光素子の発光面が前記照明器具本体の一面を向いて前記照明器具本体に収納され、
前記一面の両端から略垂直でありかつ対向する面の一部から前記一面にかけて凹型形状となる透光パネルが設けられていることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
発光素子と、照明器具本体とを有する照明装置において、
前記照明器具本体は長枠と短枠と透光パネルとからなり、
前記長枠は前記照明器具本体の上面と長手側面を覆う凹型形状をしており、
前記短枠は前記照明器具本体の短手側面の一部を覆う板状をしており、
前記透光パネル前記照明器具本体の短手側面の他部と下面とを覆う凹型形状をしており、
前記発光素子は、当該発光素子の発光面が前記照明器具本体の下面を向いて前記照明器具本体に収納されることを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の照明装置において、
前記発光素子を発光させるための点灯回路が、前記照明器具本体内において前記発光面とは反対側に設けられることを特徴とする照明装置。
【請求項4】
基板と前記基板の一面側に設けられた複数の発光素子と前記基板の他面側に設けられた前記発光素子の点灯回路とからなる発光部と、前記発光部を支持する長枠と、前記発光部からの光を透過する透光パネルと、前記透光部と、前記発光部や前記長枠と接合するための短枠とを有する照明装置において、
前記長枠は長枠部Aと長枠部Bと長枠部Cと基板載置部と載置部Bと載置部Cとからなり、
前記長枠部Aと前記長枠部Bと前記長枠部Cとは、略長方形の板状をしており、
前記長枠部BとCは同じ大きさをしており、かつ前記長枠部Aよりも小さく、
前記長枠部Bと前記長枠部Cは、前記長枠部Aと略垂直となるように前記長枠部Aの長手方向両端に設けられており、
前記基板載置部は略長方形の板状であり、前記長枠部BとCとの間に設けられており、 前記長枠部Aと前記長枠部Bと前記長枠部Cと前記基板載置部とによって点灯回路部を形成し、
前記載置部BとCは略長方形の板状であり、前記長枠部BとCとの間かつ前記基板載置部に対して前記点灯回路部とは反対側に設けられており、
前記透光パネルは第1の透光パネル部と第2・第3の透光パネル部とからなり、
前記第1の透光パネル部は前記長枠部Aと略同じ大きさをしており、前記第2,第3の透光パネル部は、前記第1の透光パネルと略垂直となるように前記第1の透光パネル部の短手方向両端に設けられており、
前記第1の透光パネル部は前記載置部BとCとの間に設けられ、
前記短枠は前記第2の透光パネル部の一部と前記点灯回路部の短手方向とを覆う形状をしていることを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−185952(P2012−185952A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−47081(P2011−47081)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(399048917)日立アプライアンス株式会社 (3,043)
【Fターム(参考)】