説明

照明装置

【課題】光源からの光を任意の方向へ照射することが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置1は、光源と、光源からの光を反射する反射面3aを有する反射部材3と、所定の第1方向を軸方向として反射部材3を回動させる第1回動機構6と、第1方向に略直交する第2方向を軸方向として反射部材3を回動させる第2回動機構7とを備えている。第1回動機構6は、第1駆動用磁石14と第1駆動用コイル15とを備える磁気駆動機構であり、第2回動機構7は、第2駆動用磁石16と第2駆動用コイル17とを備える磁気駆動機構である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話等のカメラ付きの携帯機器に搭載される比較的小型の照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話等のカメラ付きの携帯機器に搭載されるLED装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のLED装置は、LED(Light Emitting Diode)を有するLEDユニットと、LEDの光軸方向へLEDユニットを駆動する駆動機構とを備えている。駆動機構は、駆動源となるステッピングモータと、LEDユニットに係合してLEDの光軸方向へLEDユニットを移動させるLEDユニット駆動カムとを備えている。このLED装置では、ステッピングモータが駆動すると、LEDユニット駆動カムが回動して、LEDの光軸方向へLEDユニットが移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−185816号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のLED装置では、上述のように、LEDの光軸方向へLEDユニットを移動させることができる。すなわち、このLED装置では、LEDをその光軸方向へ移動させて、LEDからの光の指向性を変えることができる。しかしながら、このLED装置では、LEDからの光を任意の方向へ照射することはできない。
【0005】
そこで、本発明の課題は、光源からの光を任意の方向へ照射することが可能な照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明の照明装置は、光源と、光源からの光を反射する反射面を有する反射部材と、所定の第1方向を回動の軸方向として反射部材を回動させる第1回動機構と、第1方向に略直交する方向である第2方向を回動の軸方向として反射部材を回動させる第2回動機構とを備え、第1回動機構は、第1駆動用磁石と第1駆動用コイルとを備える磁気駆動機構であり、第2回動機構は、第2駆動用磁石と第2駆動用コイルとを備える磁気駆動機構であることを特徴とする。
【0007】
本発明の照明装置は、所定の第1方向を回動の軸方向として反射部材を回動させる第1回動機構と、第1方向に略直交する方向である第2方向を回動の軸方向として反射部材を回動させる第2回動機構とを備えている。そのため、第1回動機構による反射部材の回動動作と、第2回動機構による反射部材の回動動作との組合せによって、光源から射出され反射部材で反射された光を任意の方向へ照射することが可能になる。すなわち、本発明では、反射部材、第1回動機構および第2回動機構を用いて光源からの光を任意の方向へ照射することが可能になる。
【0008】
また、本発明では、第1回動機構および第2回動機構が磁気駆動機構であるため、第1回動機構および第2回動機構がカム等を用いた機械的な駆動機構である場合と比較して、第1回動機構および第2回動機構の構成を簡素化して、第1回動機構および第2回動機構を小型化することが可能になる。
【0009】
本発明において、反射面は、平面状に形成され、第1方向は、反射面の法線方向に略直交する方向であることが好ましい。また、本発明において、第2方向は、光源の光軸方向に略直交する方向であることが好ましい。このように構成すると、光源からの光を目標とする方向へ照射する際の、第1回動機構の回動量および第2回動機構の回動量の制御が容易になる。
【0010】
本発明において、第1駆動用磁石と第1駆動用コイルとは、第1方向と第2方向とに略直交する方向である第3方向で対向し、第2駆動用磁石と第2駆動用コイルとは、第2方向で対向していることが好ましい。このように構成すると、比較的簡易な構成で、第1回動機構と第2回動機構との磁気干渉を抑制することが可能になる。
【0011】
本発明において、照明装置は、たとえば、第1方向を回動の軸方向とする反射部材の回動が可能となるように反射部材を保持する支持体と、第2方向を回動の軸方向とする支持体の回動が可能となるように支持体を保持する保持体とを備えている。また、本発明において、たとえば、第1駆動用磁石は、反射部材に取り付けられ、第1駆動用コイルおよび第2駆動用磁石は、支持体に取り付けられ、第2駆動用コイルは、保持体に取り付けられている。この場合には、第2方向を軸方向として回動する支持体に第2駆動用コイルが取り付けられている場合と比較して、第2駆動用コイルのコイル端部の引き回し処理が容易になる。
【0012】
本発明において、第1方向を回動の軸方向とする反射部材の回動中心である第1回動中心の軸線は、反射部材を通過することが好ましい。また、本発明において、第1回動中心の軸線は、反射部材の略中心を通過することがより好ましい。このように構成すると、第1方向を軸方向とする反射部材の回動可能角度が一定である場合の、反射部材の変位量を小さくすることが可能になる。したがって、照明装置の他の構成部品を反射部材に近づけても、回動する反射部材と他の構成部品との干渉を防止することが可能になり、その結果、照明装置を小型化することが可能になる。
【0013】
本発明において、第2方向を回動の軸方向とする反射部材の回動中心である第2回動中心の軸線は、反射部材を通過することが好ましい。また、本発明において、第2回動中心の軸線は、反射部材の略中心を通過することが好ましい。このように構成すると、第2方向を軸方向とする反射部材の回動可能角度が一定である場合の、反射部材の変位量を小さくすることが可能になる。したがって、照明装置の他の構成部品を反射部材に近づけても、回動する反射部材と他の構成部品との干渉を防止することが可能になり、その結果、照明装置を小型化することが可能になる。
【0014】
本発明において、照明装置は、支持体に対する反射部材の原点位置へ反射部材を付勢する第1付勢部材と、保持体に対する支持体の原点位置へ支持体を付勢する第2付勢部材とを備えることが好ましい。このように構成すると、第1駆動用コイルおよび第2駆動用コイルに電流が供給されていない状態でも、反射部材を所定の基準姿勢に保つことが可能になり、光源からの光を所定の基準方向へ照射することが可能になる。
【0015】
本発明において、反射部材には、第1方向の両側へ突出して支持体に回動可能に支持される第1支持軸が形成され、第1付勢部材は、第1支持軸が挿通されるとともに、その一端側が反射部材に係合し、かつ、その他端側が支持体に係合するネジリコイルバネであることが好ましい。このように構成すると、第1付勢部材の構成を簡素化することが可能になる。
【0016】
本発明において、保持体には、支持体を回動可能に支持する第2支持軸が形成され、第2付勢部材は、その中間部分が第2支持軸に保持され、その両端側が支持体に係合する板バネであることが好ましい。このように構成すると、第2付勢部材の構成を簡素化することが可能になる。
【0017】
本発明において、照明装置は、光源と反射部材との間に配置されるレンズと、レンズを光軸方向へ移動させる直動機構とを備え、直動機構は、第3駆動用磁石と第3駆動用コイルとを備える磁気駆動機構であることが好ましい。このように構成すると、直動機構によってレンズを光軸方向へ移動させることで、光源からの光の指向性を変えることが可能になる。また、このように構成すると、直動機構が磁気駆動機構であるため、直動機構が機械的な駆動機構である場合と比較して、直動機構の構成を簡素化して、直動機構を小型化することが可能になる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明の照明装置では、光源からの光を任意の方向へ照射することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる照明装置の斜視図である。
【図2】図1に示す照明装置の平面図である。
【図3】図1に示す照明装置の分解斜視図である。
【図4】図2のE−E断面の断面図である。
【図5】図1に示す支持体を下面側から示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかる照明装置の斜視図である。
【図7】図6に示す照明装置の平面図である。
【図8】図6に示す照明装置の分解斜視図である。
【図9】図7のF−F断面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0021】
[実施の形態1]
(照明装置の構成)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる照明装置1の斜視図である。図2は、図1に示す照明装置1の平面図である。図3は、図1に示す照明装置1の分解斜視図である。図4は、図2のE−E断面の断面図である。図5は、図1に示す支持体4を下面側から示す斜視図である。
【0022】
本形態の照明装置1は、携帯電話等のカメラ付きの携帯機器に搭載される比較的小型の照明装置である。この照明装置1は、光源を有する光源部2と、光源からの光を反射する反射面3aを有する反射部材3とを備えている。本形態の光源は、LEDである。また、本形態の反射面3aは、平面状に形成されている。以下の説明では、図1〜図4に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とし、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とする。また、X1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
【0023】
光源部2は、照明装置1の前面側に配置されており、光源は、後ろ側に向かって光を射出する。すなわち、本形態の前後方向は、光源の光軸方向である。光源から射出された光は、反射部材3において、略上側に向かって反射される。
【0024】
また、照明装置1は、反射面3aの法線n(図4参照)の方向(法線方向)に略直交する方向である第1方向を回動の軸方向とする反射部材3の回動が可能となるように反射部材3を保持する支持体4と、上下方向を回動の軸方向とする支持体4の回動が可能となるように支持体4を保持する保持体5と、第1方向を回動の軸方向として反射部材3を回動させる第1回動機構としての回動機構6と、上下方向を回動の軸方向として支持体4とともに反射部材3を回動させる第2回動機構としての回動機構7とを備えている。第1方向は、上下方向と略直交する方向であり、支持体4の回動範囲において、第1方向と左右方向とが一致する箇所がある。本形態の上下方向は、第1方向に略直交する方向である第2方向である。また、第1方向と第2方向とに直交する方向は、第3方向である。なお、図5におけるV方向は、第1方向であり、図5におけるW方向は、第3方向である。
【0025】
また、照明装置1は、支持体4に対する反射部材3の原点位置へ反射部材3を付勢する第1付勢部材としてのネジリコイルバネ8と、保持体5に対する支持体4の原点位置へ支持体4を付勢する第2付勢部材としての板バネ9と、前後方向において、光源と反射部材3との間に配置されるレンズ10と、レンズ10を前後方向へ移動させる直動機構11とを備えている。
【0026】
保持体5は、上面が開口する略直方体の箱状に形成されている。保持体5の下面部5aの略中心には、支持体4を回動可能に支持する第2支持軸としての支持軸5bが形成されている。支持軸5bは、下面部5aから上側へ向かって突出するように形成されている。また、支持軸5bは、下側に配置される略円柱状の大径部5cと、大径部5cの上側に配置されるとともに大径部5cよりも外径の小さな略円柱状の小径部5dとによって構成されている。小径部5dは、大径部5c上面の中心から上側へ突出するように形成されており、大径部5cの上面の、小径部5dの周りには、円環状の段差面5eが形成されている。
【0027】
支持軸5bには、左右方向へ貫通するスリット5fが形成されている。スリット5fは、支持軸5bの上端面(すなわち、小径部5dの上端面)から上下方向における支持軸5bのほぼ全域に形成されている。スリット5fの上端側は、上方向に向かうにしたがって、前後方向へ広がるように傾斜する傾斜面5gとなっている。
【0028】
支持体4は、支持体4の下面を構成する下面部4aと、第1方向における下面部4aの両端側のそれぞれから上側に向かって立ち上る2個の側面部4bとを備えている。下面部4aは、図5に示すように、略長方形の平板状に形成されるベース部4cと、ベース部4cから略後ろ側へ突出する2個の磁石固定部4dとを備えている。
【0029】
ベース部4cには、上下方向へ貫通する略円形の貫通孔4eが形成されている。貫通孔4eは、第1方向において、ベース部4cの略中心に形成されるとともに、第3方向において、ベース部材4cの中心よりも略前側に形成されている。この貫通孔4eには、図4に示すように、保持体5の小径部5dが挿入されており、ベース部4cの下面の、貫通孔4eの周りは、段差面5eに当接している。
【0030】
また、ベース部4cの下面には、下側へ向かって突出する略円柱状の2個の突起部4fが形成されている。2個の突起部4fは、第1方向におけるベース部4cの両端側のそれぞれに形成されている。また、2個の突起部4fは、第3方向において、貫通孔4eと略同じ位置に形成されている。
【0031】
磁石固定部4dは、略長方形状の平板状に形成されている。また、2個の磁石固定部4dは、第1方向に所定の間隔をあけた状態で形成されている。磁石固定部4dには、上下方向へ貫通する貫通孔4gが形成されている。上下方向から見たときの貫通孔4gは、略長方形状となっている。
【0032】
側面部4bは、第1方向に略直交する平板状に形成されている。また、側面部4bは、第1方向におけるベース部4cの両端側のそれぞれから立ち上るように形成されている。側面部4bには、第3方向の一方側から他方側に向かうにしたがって(具体的には、略後ろ側から略前側に向かうにしたがって)下方向へ傾斜する傾斜部4hが形成されており、第1方向から見たときの側面部4bの形状は、略五角形状となっている。また、側面部4bには、傾斜部4hの上端から下側へ窪む略U形状の切欠き部4jが形成されている。
【0033】
反射部材3は、略平板状に形成されている。反射面3aは、反射部材3の一方の面に形成されている。本形態の反射部材3は、たとえば、樹脂材料で形成されており、反射部材3の一方の面にメッキや蒸着等を行うことで、反射面3aが形成されている。反射部材3は、反射面3aが略斜め前上方を向くように、支持体4に支持されている。また、反射部材3は、第1方向から見たときの形状が略等脚台形状となるように形成されており、反射面3aに略平行な裏面3bと、第1方向から見たときに反射面3aおよび裏面3bに対して傾斜する2個の傾斜面3cを備えている。なお、反射部材3は、金属板によって形成されても良い。
【0034】
反射部材3には、第1方向の両外側へ突出する第1支持軸としての支持軸3dが形成されている。支持軸3dは、略円柱状に形成されている。この支持軸3dは、支持体4の側面部4bの切欠き部4jの中に配置されており、支持体4に回動可能に支持されている。
【0035】
ネジリコイルバネ8には、一方の支持軸3dが挿通されている。ネジリコイルバネ8の一端側は、第1方向の内側に向かって折れ曲がっており、反射部材3の裏面3bに接触している。ネジリコイルバネ8の他端側は、下側に向かって折れ曲がった後、さらに、第1方向の内側に向かって折れ曲がっており、2個の磁石固定部4dのうちの一方の磁石固定部4dの下面に接触している。すなわち、ネジリコイルバネ8の一端側は、反射部材3に係合し、ネジリコイルバネ8の他端側は、支持体4に係合している。
【0036】
本形態では、たとえば、反射面3aの法線方向が上下方向に対して45°傾いた位置が支持体4に対する反射部材3の原点位置であり、反射部材3は、この原点位置を中心にして、15°程度、回動可能となっている。反射部材3が原点位置にあるときには、ネジリコイルバネ8の付勢力は反射部材3に作用していない。一方、反射部材3が原点位置から支持軸3dを中心にして図4の反時計回りの方向(反時計方向)へ回動すると、ネジリコイルバネ8による図4の時計回りの方向(時計方向)への付勢力が反射部材3に作用し、反射部材3が原点位置から支持軸3dを中心にして図4の時計方向へ回動すると、ネジリコイルバネ8による図4の反時計方向への付勢力が反射部材3に作用する。すなわち、反射部材3が原点位置から反時計方向または時計方向へ回動すると、反射部材3には、原点位置に戻す方向への付勢力が作用する。
【0037】
板バネ9は、細長い帯状の金属部材が所定形状に折り曲げられることで形成されており、図3に示すように、保持体5の支持軸5bのスリット5fに保持される保持部9aと、保持部9aの両端側から伸びるバネ部9bとを備えている。バネ部9bの先端側(すなわち、板バネ9の両端側)には、支持体4のベース部4cの突起部4fが挿通される円環状の係合部9cが形成されている。このように、板バネ9は、その中間部分である保持部9aが支持軸5bに保持され、その両端側が支持体4に係合している。
【0038】
本形態では、第1方向と左右方向とが一致する位置が保持体5に対する支持体4の原点位置であり、支持体4は、この原点位置を中心にして、15°程度、回動可能となっている。支持体4が原点位置にあるときには、板バネ9の付勢力は支持体4に作用していない。一方、支持体4が原点位置から支持軸5bを中心にして図2の反時計回りの方向(反時計方向)へ回動すると、板バネ9による図2の時計回りの方向(時計方向)への付勢力が支持体4に作用し、支持体4が原点位置から支持軸5bを中心にして図2の時計方向へ回動すると、板バネ9による図2の反時計方向への付勢力が支持体4に作用する。すなわち、支持体4が原点位置から反時計方向または時計方向へ回動すると、支持体4には、原点位置に戻す方向への付勢力が作用する。
【0039】
上述のように、支持軸3dは、反射部材3の第1方向の両外側へ突出するように形成されており、支持軸3dの軸線(軸中心線)L1は、反射部材3を通過している。すなわち、第1方向を回動の軸方向とする反射部材3の回動中心の軸線L1は、反射部材3を通過している。具体的には、軸線L1は、反射部材3の中心(より具体的には、形状中心)Cの近傍を通過している。また、本形態では、支持軸5bの軸線(軸中心線)L2は、図4に示すように、反射部材3を通過している。すなわち、上下方向を回動の軸方向とする反射部材3の回動中心の軸線L2は、反射部材3を通過している。具体的には、軸線L2は、反射部材3の中心Cの近傍を通過している。
【0040】
回動機構6は、第1駆動用磁石としての駆動用磁石14と、第1駆動用コイルとしての駆動用コイル15とを備えている。すなわち、回動機構6は、磁気駆動機構(より具体的には、電磁気駆動機構)である。駆動用磁石14は、第1方向に細長い略直方体状に形成されている。この駆動用磁石14は、反射部材3の2個の傾斜面3cのうちの上側に形成される傾斜面3cに固定されている。第3方向における駆動用磁石14の一方の面(具体的には、後ろ側に配置される面)14aは、第3方向における支持体4の側面部4bの一方の端面(具体的には、後ろ側に配置される端面)4kよりも第1方向の他方側(具体的には、略前側)に配置されている。駆動用磁石14は、第3方向における一方側の面の磁極と他方側の面の磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。
【0041】
駆動用コイル15は、第1方向に細長い略長方形状に導線が巻回されることで形成された空芯コイルであり、互いに平行な2個の長辺部15aを備えている。2個の長辺部15aは、上下方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。また、駆動用コイル15は、扁平形状に形成されている。この駆動用コイル15は、第3方向における側面部4bの一方の端面4kに固定されている。具体的には、駆動用コイル15は、第3方向とその扁平方向とが略一致するように、側面部4bの一方の端面4kに固定されている。駆動用磁石14と駆動用コイル15とは、所定の隙間を介して第3方向で対向している。具体的には、上側に配置される長辺部15aと駆動用磁石14とが所定の隙間を介して第3方向で対向している。
【0042】
回動機構7は、第2駆動用磁石としての2個の駆動用磁石16と、第2駆動用コイルとしての駆動用コイル17とを備えている。すなわち、回動機構7は、磁気駆動機構(より具体的には、電磁気駆動機構)である。駆動用磁石16は、略直方体状に形成されている。この駆動用磁石16は、支持体4の磁石固定部4dの貫通孔4gの中に固定されている。駆動用磁石16は、上面の磁極と下面の磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。また、駆動用磁石16は、2個の駆動用磁石16のうちの一方の駆動用磁石16の下面の磁極と、他方の駆動用磁石16の下面の磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。
【0043】
駆動用コイル17は、左右方向に細長い略長方形状に導線が巻回されることで形成された空芯コイルであり、互いに平行な2個の長辺部17aを備えている。2個の長辺部17aは、前後方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。また、駆動用コイル17は、扁平形状に形成されている。この駆動用コイル17は、保持体5の下面部5aの上面に固定されている。具体的には、駆動用コイル17は、上下方向とその扁平方向とが略一致するように、下面部5aの上面の後端側に固定されている。駆動用磁石16と駆動用コイル17とは、所定の隙間を介して上下方向で対向している。具体的には、前側に配置される長辺部17aと駆動用磁石16とが所定の隙間を介して上下方向で対向している。
【0044】
光源部2は、光源であるLEDが実装される基板を備えている。この光源部2は、保持体5の前側面5hの後面に固定されている。レンズ10は、略長方形の平板状に形成されるレンズホルダ20の略中心に固定されている。前側面5hには、後ろ側へ突出する4本のガイド軸21が固定されている。このガイド軸21は、略円柱状に形成されている。また、ガイド軸21は、レンズホルダ20の四隅に形成されるガイド孔20aに挿通されている。レンズホルダ20に固定されるレンズ10は、ガイド軸21に沿って前後方向へ移動可能となっている。
【0045】
直動機構11は、第3駆動用磁石としての駆動用磁石22と、第3駆動用コイルとしての駆動用コイル23とを備えている。すなわち、直動機構11は、磁気駆動機構(より具体的には、電磁気駆動機構)である。駆動用磁石22は、左右方向に細長い略長方形の平板状に形成されている。この駆動用磁石22は、レンズホルダ20の下端面に固定されている。駆動用磁石22は、上面の磁極と下面の磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。
【0046】
駆動用コイル23は、駆動用コイル17と同様に形成されており、互いに平行な2個の長辺部23aを備えている。駆動用コイル23は、駆動用コイル17と同様に、上下方向とその扁平方向とが略一致するように、保持体5の下面部5aの上面に固定されている。具体的には、駆動用コイル23は、下面部5aの上面の前端側に固定されている。駆動用磁石22と駆動用コイル23とは、所定の隙間を介して上下方向で対向している。具体的には、前側に配置される長辺部23aと駆動用磁石22とが所定の隙間を介して上下方向で対向している。
【0047】
以上のように構成された照明装置1では、駆動用コイル15に電流が供給されると、軸線L1を中心にして、反射部材3が回動する。また、駆動用コイル17に電流が供給されると、軸線L2を中心にして、支持体4が反射部材3と一緒に回動する。また、駆動用コイル23に電流が供給されると、レンズホルダ20がレンズ10とともに前後方向へ移動する。
【0048】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の照明装置1は、第1方向を回動の軸方向として反射部材3を回動させる回動機構6と、上下方向を回動の軸方向として反射部材3を回動させる回動機構7とを備えている。そのため、回動機構6による反射部材3の回動動作(パン動作)と、回動機構7による反射部材3の回動動作(チルト動作)との組合せによって、光源から射出され反射部材3で反射された光を任意の方向へ照射することが可能になる。すなわち、本形態では、反射部材3および回動機構6、7を用いて光源からの光を任意の方向へ照射することが可能になる。
【0049】
本形態では、反射部材3の反射面3aは、平面状に形成されており、回動機構6は、反射面3aの法線方向に略直交する方向である第1方向を回動の軸方向として反射部材3を回動させている。また、本形態では、回動機構7は、光源の光軸方向である前後方向に直交するとともに第1方向に略直交する方向である上下方向を回動の軸方向として反射部材3を回動させている。そのため、本形態では、光源からの光を目標とする方向へ照射する際の、回動機構6の回動量および回動機構7の回動量の制御が容易になる。
【0050】
本形態では、駆動用磁石14と駆動用コイル15とは、第3方向で対向し、かつ、駆動用磁石16と駆動用コイル17とは、上下方向で対向している。そのため、回動機構6と回動機構7との間に回動機構6と回動機構7との磁気干渉を抑制するための壁等を設けなくても、回動機構6と回動機構7との磁気干渉を抑制することが可能になる。また、本形態では、駆動用磁石16が回動する支持体4に取り付けられ、駆動用コイル17が回動しない保持体5に取り付けられているため、駆動用コイル17が支持体4に取り付けられ、駆動用磁石16が保持体5に取り付けられている場合と比較して、駆動用コイル17のコイル端部の引き回し処理が容易になる。
【0051】
本形態では、第1方向を回動の軸方向とする反射部材3の回動中心の軸線CL1は、反射部材3の中心Cの近傍を通過している。そのため、第1方向を回動の軸方向とする反射部材3の回動可能角度が一定であれば、回動する反射部材3の変位量を小さくすることが可能になる。また、本形態では、上下方向を回動の軸方向とする反射部材3の回動中心の軸線L2は、反射部材3の中心Cの近傍を通過している。そのため、上下方向を回動の軸方向とする反射部材3の回動可能角度が一定であれば、回動する反射部材3の変位量を小さくすることが可能になる。したがって、本形態では、照明装置1の他の構成部品を反射部材3に近づけても、回動する反射部材3と他の構成部品との干渉を防止することが可能になる。その結果、本形態では、照明装置1を小型化することが可能になる。なお、軸線CL1、CL2が、反射部材3の中心Cを通過していれば、回動する反射部材3の変位量をより小さくすることが可能になり、その結果、照明装置1をより小型化することが可能になる。
【0052】
本形態では、照明装置1は、支持体4に対する反射部材3の原点位置へ反射部材3を付勢するネジリコイルバネ8と、保持体5に対する支持体4の原点位置へ支持体4を付勢する板バネ9とを備えている。そのため、本形態では、駆動用コイル15、17に電流が供給されていない状態でも、反射部材3を所定の基準姿勢に保つことが可能になり、その結果、光源からの光を所定の基準方向へ照射することが可能になる。
【0053】
本形態の照明装置1は、光源と反射部材3との間に配置されるレンズ10を前後方向へ移動させる直動機構11を備えている。そのため、本形態では、直動機構11によってレンズ10を光軸方向へ移動させることで、照明装置1からの光の指向性を変えることが可能になる。
【0054】
本形態では、回動機構6、7および直動機構11は、磁気駆動機構である。そのため、回動機構6、7および直動機構11がカム等を用いた機械的な駆動機構である場合と比較して、回動機構6、7および直動機構11の構成を簡素化することが可能になる。したがって、本形態では、回動機構6、7および直動機構11を小型化して、照明装置1を小型化することが可能になる。
【0055】
[実施の形態2]
(照明装置の構成)
図6は、本発明の実施の形態2にかかる照明装置51の斜視図である。図7は、図6に示す照明装置51の平面図である。図8は、図6に示す照明装置51の分解斜視図である。図9は、図7のF−F断面の断面図である。
【0056】
本形態の照明装置51は、実施の形態1の照明装置1と同様に、携帯電話等のカメラ付きの携帯機器に搭載される比較的小型の照明装置であり、上述の光源部2と、光源からの光を反射する反射面53aを有する反射部材53とを備えている。本形態の反射面53aも、平面状に形成されている。実施の形態1と同様に、以下の説明では、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とし、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とする。また、X1方向側を「右」側、X2方向側を「左」側、Y1方向側を「前」側、Y2方向側を「後(後ろ)」側、Z1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
【0057】
光源部2は、照明装置51の前面側に配置されており、光源は、後ろ側に向かって光を射出する。すなわち、前後方向は、光源の光軸方向である。光源から射出された光は、反射部材53において、略上側に向かって反射される。なお、図8、図9では、光源部2の図示を省略している。
【0058】
また、照明装置51は、反射部材53が固定される回動体62と、反射面53aの法線n(図9参照)の方向(法線方向)に略直交するである第1方向を回動の軸方向とする回動体62の回動が可能となるように回動体62を保持する支持体54と、上下方向を回動の軸方向とする支持体54の回動が可能となるように支持体54を回動可能に保持する保持体55と、第1方向を回動の軸方向として回動体62とともに反射部材53を回動させる第1回動機構としての回動機構56と、上下方向を回動の軸方向として支持体54とともに回動体62および反射部材53を回動させる第2回動機構としての回動機構57とを備えている。第1方向は、上下方向と略直交する方向であり、支持体54の回動範囲において、第1方向と左右方向とが一致する箇所がある。実施の形態1と同様に、上下方向は、第1方向に略直交する方向である第2方向である。また、第1方向と第2方向とに直交する方向は、第3方向である。なお、図9では、保持体55の図示を省略している。
【0059】
また、照明装置51は、支持体54に対する回動体62の原点位置へ回動体62を付勢する第1付勢部材(図示省略)と、保持体55に対する支持体54の原点位置へ支持体54を付勢する第2付勢部材(図示省略)とを備えている。さらに、照明装置51は、前後方向において、光源と反射部材53との間に配置されるレンズ60と、レンズ60を前後方向へ移動させる直動機構61とを備えている。
【0060】
回動体62は、反射部材53が固定される略長方形の平板状の反射部材固定部62aと、第1方向における反射部材固定部62aの両端から第3方向の一方側(具体的には、略後ろ側)向かって伸びる2個の側面部62bとを備えている。反射部材固定部62aは、反射部材53が固定される固定面62cが略斜め前上方を向くように配置されている。側面部62bには、回動体62を回動可能に支持する支持軸63が挿通される挿通孔62dが第1方向で側面部62bを貫通するように形成されている。回動体62は、支持軸63に対して回動可能となっている。
【0061】
保持体55は、保持体5と同様に形成されている。保持体55の下面部55aの略中心には、支持体54を回動可能に支持する支持軸55bが形成されている。支持軸55bは、保持体5の支持軸5bと同様に形成されている。すなわち、支持軸55bは、大径部5cと同様の大径部55cと、小径部5dと同様の小径部55dとによって構成されており、大径部55cの上面の、小径部55dの周りには、段差面5eと同様の段差面55eが形成されている。
【0062】
支持体54は、支持体54の下面を構成する下面部54aと、第1方向における下面部54aの両端側のそれぞれから上側に向かって立ち上る2個の側面部54bと、第3方向の一端側(具体的には、略後ろ側)で2個の側面部54bを繋ぐ後面部54cとを備えている。
【0063】
下面部54aは、略長方形の平板状に形成されている。下面部54aには、上下方向へ貫通する略円形の貫通孔54eが形成されている。貫通孔54eは、第1方向において、下面部54aの略中心に形成されるとともに、第3方向において、下面部54aの中心よりも略前側に形成されている。この貫通孔54eには、保持体55の小径部55dが挿入されており、下面部54aの下面の、貫通孔54eの周りは、段差面55eに当接している。
【0064】
側面部54bは、第1方向に略直交する平板状に形成されている。また、側面部54bは、第1方向における下面部54aの両端側のそれぞれから立ち上るように形成されている。側面部54bには、第3方向の一方側から他方側に向かうにしたがって(具体的には、略後ろ側から略前側に向かうにしたがって)下方向へ傾斜する傾斜部54hが形成されており、第1方向から見たときの側面部54bの形状は、略五角形状となっている。この側面部54bには、支持軸63の端部が固定されている。なお、支持軸63は、回動体62に固定されるとともに、側面部54bに回動可能に支持されても良い。
【0065】
反射部材53は、略長方形の平板状に形成されている。反射面53aは、反射部材53の一方の面に形成されている。反射部材3と同様に、反射部材53も、たとえば、樹脂材料で形成されており、反射部材53の一方の面にメッキや蒸着等を行うことで、反射面53aが形成されている。反射部材53は、反射面53aが略斜め前上方を向くように、回動体62の反射部材固定部62aの固定面62cに固定されている。
【0066】
実施の形態1と同様に、本形態でも、たとえば、反射面53aの法線方向が上下方向に対して45°傾いた位置が支持体54に対する反射部材53および回動体62の原点位置であり、反射部材53および回動体62は、この原点位置を中心にして、15°程度、回動可能となっている。反射部材53および回動体62が原点位置にあるときには、第1付勢部材の付勢力は回動体62に作用していない。一方、反射部材53および回動体62が原点位置から支持軸63を中心にして図9の反時計方向へ回動すると、第1付勢部材による図9の時計方向への付勢力が回動体62に作用し、反射部材53および回動体62が原点位置から支持軸63を中心にして図9の時計方向へ回動すると、第1付勢部材による図9の反時計方向への付勢力が回動体62に作用する。すなわち、反射部材53および回動体62が原点位置から反時計方向または時計方向へ回動すると、回動体62には、原点位置に戻す方向への付勢力が作用する。
【0067】
また、実施の形態1と同様に、本形態でも、第1方向と左右方向とが一致する位置が保持体55に対する支持体54の原点位置であり、支持体54は、この原点位置を中心にして、15°程度、回動可能となっている。支持体54が原点位置にあるときには、第2付勢部材の付勢力は支持体54に作用していない。一方、支持体54が原点位置から支持軸55bを中心にして図7の反時計方向へ回動すると、第2付勢部材による図7の時計方向への付勢力が支持体54に作用し、支持体54が原点位置から支持軸55bを中心にして図7の時計方向へ回動すると、第2付勢部材による図7の反時計方向への付勢力が支持体54に作用する。すなわち、支持体54が原点位置から反時計方向または時計方向へ回動すると、支持体54には、原点位置に戻す方向への付勢力が作用する。
【0068】
回動機構56は、第1駆動用磁石としての駆動用磁石64と、第1駆動用コイルとしての2個の駆動用コイル65とを備えている。すなわち、回動機構56は、磁気駆動機構(より具体的には、電磁気駆動機構)である。駆動用磁石64は、第1方向を軸方向とする略半円柱状に形成されており、図9に示すように、第3方向の一端側(具体的には、略後ろ側)に曲面64aを備えるとともに、第3方向の他端側(具体的には、略前側)に平面64bを備えている。この駆動用磁石64は、曲面64aが略後ろ側に配置されるように、回動体62の2個の側面部62bの、第3方向の一方側(具体的には、略後ろ側)の端面に固定されている。駆動用磁石64は、曲面64aの磁極と平面64bの磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。
【0069】
駆動用コイル65は、第1方向に細長い略長方形状に導線が巻回されることで形成された空芯コイルであり、互いに平行な2個の長辺部65aを備えている。2個の長辺部65aは、上下方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。また、駆動用コイル65は、扁平形状に形成されている。2個の駆動用コイル65は、上下方向で重なるように、支持体54の後面部54cの略前側の側面54jに固定されている。具体的には、2個の駆動用コイル65は、第3方向とその扁平方向とが略一致するように、後面部54cの略前側の側面54jに固定されている。駆動用磁石64と2個の駆動用コイル65とは、所定の隙間を介して第3方向で対向している。具体的には、上側に配置される駆動用コイル65の下側の長辺部65aおよび下側に配置される駆動用コイル65の上側の長辺部65aと駆動用磁石64の曲面64aとが所定の隙間を介して第3方向で対向している。
【0070】
回動機構57は、第2駆動用磁石としての駆動用磁石66と、第2駆動用コイルとしての2個の駆動用コイル67とを備えている。すなわち、回動機構57は、磁気駆動機構(より具体的には、電磁気駆動機構)である。駆動用磁石66は、上下方向を軸方向とする略半円柱状に形成されており、図7に示すように、第3方向の一端側(具体的には、略後ろ側)に曲面66aを備えるとともに、第3方向の他端側(具体的には、略前側)に平面66bを備えている。この駆動用磁石66は、曲面66aが略後ろ側に配置されるように、支持体54の後面部54cの略後ろ側の側面54kに固定されている。駆動用磁石66は、曲面66aの磁極と平面66bの磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。
【0071】
駆動用コイル67は、導線が略正方形状に巻回されることで形成された空芯コイルである。また、駆動用コイル67は、扁平形状に形成されている。2個の駆動用コイル67は、保持体55の後側面55gの前面に固定されている。具体的には、2個の駆動用コイル67は、前後方向とその扁平方向とが略一致するように、かつ、左右方向で隣り合うように後側面55gの前面に固定されている。また、2個の駆動用コイル67は、略正方形状に巻回されて形成される駆動用コイル67の4つの辺が左右方向または上下方向と略平行になるように、後側面55gの前面に固定されている。駆動用磁石66と2個の駆動用コイル67とは、所定の隙間を介して前後方向で対向している。具体的には、左右方向の内側に配置される駆動用コイル67の内側辺部67aと駆動用磁石66の曲面66aとが所定の隙間を介して前後方向で対向している。
【0072】
光源部2は、実施の形態1と同様に、保持体55の前側面55hの後面に固定されている。レンズ60は、略長方形の平板状に形成されるレンズホルダ70の略中心に固定されている。前側面55hには、後ろ側へ突出するガイド軸(図示省略)が固定されている。このガイド軸は、レンズホルダ70に形成されるガイド孔(図示省略)に挿通されており、レンズホルダ70に固定されるレンズ60は、ガイド軸に沿って前後方向へ移動可能となっている。
【0073】
直動機構61は、第3駆動用磁石としての2個の駆動用磁石72と、第3駆動用コイルとしての2個の駆動用コイル73とを備えている。すなわち、直動機構61は、磁気駆動機構(より具体的には、電磁気駆動機構)である。駆動用磁石72は、上下方向に細長い略長方形の平板状に形成されている。2個の駆動用磁石72は、レンズホルダ70の左右両端面のそれぞれに固定されている。駆動用磁石72は、右側面の磁極と左側面の磁極とが異なる磁極となるように着磁されている。
【0074】
駆動用コイル73は、上下方向に長い略長方形状に導線が巻回されることで形成された空芯コイルであり、互いに平行な2個の長辺部73aを備えている。2個の長辺部73aは、前後方向に所定の間隔をあけた状態で配置されている。また、駆動用コイル73は、扁平形状に形成されている。2個の駆動用コイル73のそれぞれは、左右方向とその扁平方向とが略一致するように、保持体55の左右の側面部55jの内側面のそれぞれに固定されている。具体的には、駆動用コイル73は、側面部55jの内側面の前端側に固定されている。駆動用磁石72と駆動用コイル73とは、所定の隙間を介して左右方向で対向している。具体的には、前側に配置される長辺部73aと駆動用磁石72とが所定の隙間を介して左右方向で対向している。
【0075】
以上のように構成された照明装置51では、駆動用コイル65に電流が供給されると、回動体62とともに反射部材53が回動する。また、駆動用コイル67に電流が供給されると、支持体54が回動体62および反射部材53とともに回動する。また、駆動用コイル73に電流が供給されると、レンズホルダ70がレンズ60とともに前後方向へ移動する。
【0076】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態の照明装置51は、第1方向を回動の軸方向として回動体62とともに反射部材53を回動させる回動機構56と、上下方向を回動の軸方向として支持体54とともに回動体62および反射部材53を回動させる回動機構57とを備えている。そのため、本形態では、実施の形態1と同様に、回動機構56による反射部材53の回動動作(パン動作)と、回動機構57による反射部材53の回動動作(チルト動作)との組合せによって、光源から射出され反射部材53で反射された光を任意の方向へ照射することが可能になる。
【0077】
本形態では、反射部材53の反射面53aは、平面状に形成されており、回動機構56は、反射面53aの法線方向に略直交する方向である第1方向を回動の軸方向として反射部材53を回動させている。また、本形態では、回動機構57は、光源の光軸方向である前後方向に直交するとともに第1方向に略直交する方向である上下方向を回動の軸方向として反射部材53を回動させている。そのため、本形態では、実施の形態1と同様に、光源からの光を目標とする方向へ照射する際の、回動機構56の回動量および回動機構57の回動量の制御が容易になる。
【0078】
本形態では、照明装置51は、支持体54に対する回動体62の原点位置へ反射部材53を付勢する第1付勢部材と、保持体55に対する支持体54の原点位置へ支持体54を付勢する第2付勢部材とを備えている。そのため、本形態では、実施の形態1と同様に、駆動用コイル65、67に電流が供給されていない状態でも、反射部材53を所定の基準姿勢に保つことが可能になり、その結果、光源からの光を所定の基準方向へ照射することが可能になる。
【0079】
本形態の照明装置51は、光源と反射部材53との間に配置されるレンズ60を前後方向へ移動させる直動機構61を備えている。そのため、本形態では、実施の形態1と同様に、直動機構61によってレンズ60を光軸方向へ移動させることで、照明装置51からの光の指向性を変えることが可能になる。
【0080】
本形態では、回動機構56、57および直動機構61は、磁気駆動機構である。そのため、本形態では、実施の形態1と同様に、回動機構56、57および直動機構61の構成を簡素化することが可能になり、その結果、回動機構56、57および直動機構61を小型化して、照明装置51を小型化することが可能になる。
【0081】
[他の実施の形態]
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0082】
上述した形態では、回動機構7、57は、上下方向を軸方向として反射部材3、53を回動させている。この他にもたとえば、回動機構7、57は、第1方向に対して略直交する方向を軸方向として反射部材3、53を回動させるのであれば、上下方向に対して傾斜した方向を軸方向として反射部材3、53を回動させても良い。また、上述した形態では、反射面3a、53aは、平面状に形成されているが、反射面3a、53aは、曲面状に形成されても良い。
【0083】
上述した形態では、回動機構6、56は、反射部材3、53を回動させ、回動機構7、57は、支持体4、54等とともに反射部材3、53を回動させている。この他にもたとえば、回動機構6、56が支持体4、54等とともに反射部材3、53を回動させ、回動機構7、57が反射部材3、53を回動させるように、回動機構6、7、56、57が構成されても良い。
【0084】
実施の形態1では、駆動用磁石14は反射部材3に固定され、駆動用コイル15は支持体4に固定されている。この他にもたとえば、駆動用磁石14が支持体4に固定され、駆動用コイル15が反射部材3に固定されても良い。同様に、実施の形態2では、駆動用磁石64は回動体62に固定され、駆動用コイル65は支持体54に固定されているが、駆動用磁石64が支持体54に固定され、駆動用コイル65が回動体62に固定されても良い。
【0085】
実施の形態1では、駆動用磁石16は支持体4に固定され、駆動用コイル17は保持体5に固定されている。この他にもたとえば、駆動用磁石16が保持体5に固定され、駆動用コイル17が支持体4に固定されても良い。同様に、実施の形態2では、駆動用磁石66は支持体54に固定され、駆動用コイル67は保持体55に固定されているが、駆動用磁石66が保持体55に固定され、駆動用コイル67が支持体54に固定されても良い。
【0086】
実施の形態1では、駆動用磁石14と駆動用コイル15とが第3方向で対向している。この他にもたとえば、第1方向または略上下方向で対向するように、駆動用磁石14と駆動用コイル15とが配置されても良い。同様に、実施の形態2では、駆動用磁石64と駆動用コイル65とが第3方向で対向しているが、第1方向または略上下方向で対向するように、駆動用磁石64と駆動用コイル65とが配置されても良い。また、実施の形態1では、駆動用磁石16と駆動用コイル17とが上下方向で対向し、実施の形態2では、駆動用磁石66と駆動用コイル67とが前後方向で対向しているが、左右方向で対向するように、駆動用磁石16、66と駆動用コイル17、67とが配置されても良い。
【0087】
上述した形態では、レンズ10、60は、前後方向へ移動可能となっているが、レンズ10、60は、固定されていても良い。また、照明装置1、51は、レンズ10、60を備えていなくても良い。また、光源部2が前後方向へ移動可能となっていても良い。
【0088】
実施の形態1では、支持体4に対する反射部材3の原点位置へ反射部材3を付勢する第1付勢部材は、ネジリコイルバネ8であるが、第1付勢部材は、ネジリコイルバネ8以外のバネ部材であっても良いし、ゴム等の弾性部材であっても良い。また、実施の形態1では、保持体5に対する支持体4の原点位置へ支持体4を付勢する第2付勢部材は、板バネ9であるが、第2付勢部材は、板バネ9以外のバネ部材であっても良いし、ゴム等の弾性部材であっても良い。
【0089】
上述した形態では、駆動用コイル15、17、23、65、67、73は、導線が巻回されることで形成された空芯コイルであるが、駆動用コイル15、17、23、65、67、73は、FPコイル(ファインパターンコイル)であっても良い。
【符号の説明】
【0090】
1、51 照明装置
3、53 反射部材
3a、53a 反射面
3d 支持軸(第1支持軸)
4、54 支持体
5、55 保持体
5b 支持軸(第2支持軸)
6、56 回動機構(第1回動機構)
7、57 回動機構(第2回動機構)
8 ネジリコイルバネ(第1付勢部材)
9 板バネ(第2付勢部材)
10、60 レンズ
11、61 直動機構
14、64 駆動用磁石(第1駆動用磁石)
15、65 駆動用コイル(第1駆動用コイル)
16、66 駆動用磁石(第2駆動用磁石)
17、67 駆動用コイル(第2駆動用コイル)
22、72 駆動用磁石(第3駆動用磁石)
23、73 駆動用コイル(第3駆動用コイル)
L1 第1回動中心の軸線
L2 第2回動中心の軸線
V 第1方向
W 第3方向
Y 光源の光軸方向
Z 第2方向
n 反射面の法線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、前記光源からの光を反射する反射面を有する反射部材と、所定の第1方向を回動の軸方向として前記反射部材を回動させる第1回動機構と、前記第1方向に略直交する方向である第2方向を回動の軸方向として前記反射部材を回動させる第2回動機構とを備え、
前記第1回動機構は、第1駆動用磁石と第1駆動用コイルとを備える磁気駆動機構であり、
前記第2回動機構は、第2駆動用磁石と第2駆動用コイルとを備える磁気駆動機構であることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記反射面は、平面状に形成され、
前記第1方向は、前記反射面の法線方向に略直交する方向であることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記第2方向は、前記光源の光軸方向に略直交する方向であることを特徴とする請求項2記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1駆動用磁石と前記第1駆動用コイルとは、前記第1方向と前記第2方向とに略直交する方向である第3方向で対向し、
前記第2駆動用磁石と前記第2駆動用コイルとは、前記第2方向で対向していることを特徴とする請求項3記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1方向を回動の軸方向とする前記反射部材の回動が可能となるように前記反射部材を保持する支持体と、前記第2方向を回動の軸方向とする前記支持体の回動が可能となるように前記支持体を保持する保持体とを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の照明装置。
【請求項6】
前記第1駆動用磁石は、前記反射部材に取り付けられ、
前記第1駆動用コイルおよび前記第2駆動用磁石は、前記支持体に取り付けられ、
前記第2駆動用コイルは、前記保持体に取り付けられていることを特徴とする請求項5記載の照明装置。
【請求項7】
前記第1方向を回動の軸方向とする前記反射部材の回動中心である第1回動中心の軸線は、前記反射部材を通過することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の照明装置。
【請求項8】
前記第1回動中心の軸線は、前記反射部材の略中心を通過することを特徴とする請求項7記載の照明装置。
【請求項9】
前記第2方向を回動の軸方向とする前記反射部材の回動中心である第2回動中心の軸線は、前記反射部材を通過することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の照明装置。
【請求項10】
前記第2回動中心の軸線は、前記反射部材の略中心を通過することを特徴とする請求項9記載の照明装置。
【請求項11】
前記支持体に対する前記反射部材の原点位置へ前記反射部材を付勢する第1付勢部材と、前記保持体に対する前記支持体の原点位置へ前記支持体を付勢する第2付勢部材とを備えることを特徴とする請求項5または6記載の照明装置。
【請求項12】
前記反射部材には、前記第1方向の両側へ突出して前記支持体に回動可能に支持される第1支持軸が形成され、
前記第1付勢部材は、前記第1支持軸が挿通されるとともに、その一端側が前記反射部材に係合し、かつ、その他端側が前記支持体に係合するネジリコイルバネであることを特徴とする請求項11記載の照明装置。
【請求項13】
前記保持体には、前記支持体を回動可能に支持する第2支持軸が形成され、
前記第2付勢部材は、その中間部分が前記第2支持軸に保持され、その両端側が前記支持体に係合する板バネであることを特徴とする請求項11または12記載の照明装置。
【請求項14】
前記光源と前記反射部材との間に配置されるレンズと、前記レンズを前記光軸方向へ移動させる直動機構とを備え、
前記直動機構は、第3駆動用磁石と第3駆動用コイルとを備える磁気駆動機構であることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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