説明

照明装置

【課題】複数の連設された照明装置に生じる異音の発生を低減するとともに連設された複数の照明装置の直線性を維持することのできる照明装置を提供する。
【解決手段】本発明の照明装置1は、隣り合う照明装置1に連設するため、サイドカバー4に嵌合部として凸部4aおよび凹部4bが設けられている。凹部4bの内面には、異音発生防止部5が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数連設することが可能な照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
照明装置の用途は多岐に渡っており、家庭用照明のように比較的狭い室内を照明する場合もあれば、オフィスや展示場などのように広い室内を照明する場合もある。図8は、従来のストレート型の照明装置100を示す斜視図である。広い室内を照明する場合、図8のような照明装置100が、複数台、直線状に連設される。
【0003】
例えば、特許文献1には、複数の照明装置の連設方法が開示されている。図9は、特許文献1に記載された互いに隣接する照明装置200a・200bの連設構造を示す斜視図である。図9に示すように、照明装置200aのフレーム201aにおける長手方向の端部に凸部202が形成されており、照明装置200bのフレーム201bにおける長手方向の端部に凹部203が形成されている。凸部202と凹部203とは互いに係合する。このため、フレーム201aとフレーム201bとを連結すると、凸部202と凹部203とが係合する。従って、フレーム201aとフレーム201bとが、隙間を生じることなく連設される。これにより、複数の照明装置200a・200b・・・が、直線的に連設される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平7−18311号公報(1995年3月31日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された照明装置の連設構造では、異音が発生すると共に、照明装置の直線性が損なわれるという問題がある。
【0006】
具体的には、図9に示すように、照明装置200aでは、フレーム201aの端部の全面に凸部202が形成され、照明装置200bでは、フレーム201bの端部の全面に凹部203が形成されている。そして、上述のように、フレーム201aとフレーム201bとが、隙間を生じることなく連設される。その結果、点灯時に生じる熱に伴うフレーム201aとフレーム201bの膨張、または、質量の大きい鉄道車両またはトラック類の近傍通過や地震等による振動によって、照明装置200a・200bの間に力が加わることで異音が発生することが明らかになった。
【0007】
また、図10は、図8の照明装置100を4つ連設した状態を示す平面図である。より詳細には、図10は、上記異音を防止するために、図8の照明装置100間に隙間を設けて連設した状態を示す図である。作業者が照明装置100を天井に直接取り付ける連設施工では、隣り合う照明装置100同士の位置関係を把握しながら取付作業を行うことが困難である。また、上記隙間によって連設していくごとに照明装置100の取り付け位置に誤差が生じる。その結果、図10のように連設された照明装置100の直線性が損なわれる虞がある。
【0008】
そこで、本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされてものであり、その目的は、複数の連設された照明装置に生じる異音の発生を低減するとともに連設された複数の照明装置の直線性を維持することのできる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の照明装置は、上記の課題を解決するために、取付面に設置される装置本体と、
装置本体に搭載された光源と、
光源からの出射光を透過する照明カバーとを備える照明装置であって、
上記装置本体の端部に、隣接する照明装置の装置本体の端部と嵌合する嵌合部を備え、
上記嵌合部は、嵌合状態において隣接する装置本体間に加わる力を低減する緩衝部を備えることを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、装置本体の端部に、隣接する照明装置の装置本体の端部と嵌合する嵌合部を備えている。これにより、隣接する照明装置を正確に位置合わせすることができる。従って、複数の照明装置の直線性を確保しつつ、複数の照明装置を簡便に連設することができる。
【0011】
さらに、上記の構成によれば、嵌合部が緩衝部を備えているため、隣接する照明装置の嵌合状態において、隣接する装置本体間に加わる力が低減される。これにより、複数の連設された照明装置に生じる異音の発生を低減することができる。さらに、熱または振動が照明装置に加わっても、連設状態における照明装置の直線性を維持することができる。
【0012】
本発明の照明装置において、上記嵌合部は、嵌合状態において隣接する装置本体の端部間の少なくとも一部が離間するようになっていることが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、照明装置を複数連設すると、隣接する照明装置における装置本体の端面間に、部分的に隙間が形成される。つまり、隣接する照明装置の装置本体同士が接触しない。このため、たとえ照明装置の熱膨張や振動等が生じたとしても、隣接する装置本体の端面間に加わる力をより確実に低減することができる。従って、異音の発生をより効果的に防止することができると共に、連設状態における照明装置の直線性を維持することができる。
【0014】
本発明の照明装置において、上記嵌合部は、凸部とその凸部が嵌合する凹部とからなり、上記凹部は、上記取付面への取付方向に貫通するように形成されていてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、嵌合部を構成する凹部が、照明装置の取付面方向に貫通している。これにより、照明装置の連設後であっても、照明装置を容易に取り外すことができる。従って、複数連設された照明装置のうち、一部の照明装置を容易に修理または交換することができる。
【0016】
本発明の照明装置において、上記嵌合部は、凸部とその凸部が嵌合する凹部とからなり、上記装置本体の端部に、上記凸部と凹部との対が設けられていることが好ましい。
【0017】
上記の構成によれば、装置本体の端部に、凸部と凹部との対が形成されている。これにより、照明装置の両端部(装置本体の両端部)に、同一の部材を適用することができる。このため、装置本体における一方の端部専用の部材と、他方の端部専用の部材とを製造する必要がない。従って、装置本体の製造コスト、ひいては照明装置の製造コストを削減することができる。なお、凸部と凹部との対は、1対であっても、複数対であってもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、複数の連設された照明装置に生じる異音の発生を低減するとともに連設された複数の照明装置の直線性を維持することのできる照明装置を提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の一形態に係る照明装置の端部を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施の一形態に係る照明装置を示す斜視図である。
【図3】図2の照明装置に設けられた装置本体の平面図である。
【図4】本発明実施一の形態に係る照明装置を複数連設した、連設型照明装置を示す平面図である。
【図5】本発明実施一の形態に係る照明装置を4つ連設した、連設型照明装置を示す平面図である。
【図6】本発明実施一の形態に係る照明装置を複数連設した、連設型照明装置を示す平面図である。
【図7】本発明の別の実施の一形態に係る照明装置の端部を示す斜視図である。
【図8】従来のストレート型の照明装置を示す斜視図である。
【図9】特許文献1に記載された互いに隣接する照明装置の連設構造を示す斜視図である。
【図10】図8の照明装置を4つ連設した状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態では、本発明に係る照明装置の一例として、天井等の取付面に直付されるストレート型の照明装置(灯具)について説明する。以下の説明では、便宜上、室内(床)側を「下方(下側)」、天井(取付面)側を「上方(上側)」として説明する。
【0021】
図2は、本発明の実施の一形態に係る照明装置1を示す斜視図である。図3は、図2の照明装置1に設けられた装置本体2の平面図であり、より詳細には、床側から見た装置本体2の平面図である。
【0022】
図2に示すように、照明装置1は、天井等の取付面に設置される装置本体2と、装置本体2に取り付けられた照明カバー3と、装置本体2および照明カバー3の両端部に装着されたサイドカバー4とを備えている。
【0023】
装置本体2は、図3に示すように、シャーシ21と、LEDモジュール(光源)22と、電源回路基板23とを備えている。
【0024】
照明装置1はストレート型であるため、シャーシ21は、平面視長方形となっている。シャーシ21は、例えば、アルミニウム、鉄、樹脂などの放熱性の高い材料から構成することができる。これにより、シャーシ21に搭載されたLEDモジュール22および電源回路基板23に生じる熱を、シャーシ21によって効率的に放熱することができる。さらに、シャーシ21をアルミニウムや鉄などの光を反射する材料から構成すれば、シャーシ21が、LEDモジュール22からの出射光を反射させる反射部としても機能する。
【0025】
LEDモジュール22は、照明装置1における光源である。LEDモジュール22は、LED基板と、LED基板に搭載された複数のLEDから構成されている。照明装置1では、2本の長尺(棒状)のLEDモジュール22が、シャーシ21の長手方向(長辺)に沿って設けられている。2本のLEDモジュール22は、離間して配置されている。
【0026】
電源回路基板23は、LEDモジュール22へ電力を供給する電源回路等の各種電子部品が実装されたものである。電源回路基板23は、LEDモジュール22とLEDモジュール22との間、つまり、シャーシ21の中央部に設けられている。電源回路基板23の中央部には、電源回路基板23に電源ケーブルを接続するために、貫通穴24が形成されている。一方、電源回路基板23の両端部には、装置本体2を取付面にネジ止め固定するために、固定用穴25が形成されている。なお、電源回路基板23には、LEDモジュール22の調光用の端子台が設けられていてもよい。これにより、照明装置1の調光が可能となる。
【0027】
照明カバー3は、LEDモジュール22からの出射光を透過する。照明カバー3は、拡散カバー3aとセンターカバー3bとから構成されている。拡散カバー3aは、各LEDモジュール22の光出射方向側に設けられている。拡散カバー3aは、LEDモジュール22からの出射光を透光および拡散させる。拡散カバー3aは、耐熱性材料から形成することが好ましい。例えば、乳白色(半透明)のポリカーボネート樹脂またはアクリルは、耐衝撃性、耐熱性、光拡散性に優れているため、拡散カバー3aの構成材料として好適である。一方、センターカバー3bは、電源回路基板23を隠すように設けられている。センターカバー3bは、サイドカバー4に設けられた案内ガイド(図示せず)に着脱可能に固定されている。
【0028】
サイドカバー4は、照明装置1の長手方向の両端部(装置本体2の長手方向の両端部)に設けられている。サイドカバー4の外側面(照明装置1の側面または端面)の一部には、凸部4aおよび凹部4bが形成されている。凸部4aおよび凹部4bは、照明装置1を複数連設するための嵌合部である。照明装置1の連設については後述する。サイドカバー4は、装置本体2および照明カバー3の両端部に装着されている。サイドカバー4は、例えば、ポリカーボネート樹脂から構成することができる。
【0029】
このように、照明装置1は、LEDモジュール22からの出射光を、照明カバー3(拡散カバー3a)によって拡散させ、均一な光を室内側へ照射する。また、照明装置1は、複数連設できるようになっている。図4は、本発明実施一の形態に係る照明装置1を複数連設した、連設型照明装置10を示す平面図である。
【0030】
図5は、図2の照明装置1を4つ連設した、連設型照明装置10aを示す平面図である。図5のように、連設型照明装置10においても、隣り合う照明装置1・1の凸部4aと凹部4bとを嵌合させることにより、照明装置1・1との直線性を確保しつつ、複数のユニット1を簡単に連設することができる。
【0031】
なお、図4では、全ての照明装置1は、サイドカバー4の両端部に凸部4aおよび凹部4bがそれぞれ形成されている。すなわち、図4において、連設型照明装置10は、図2の照明装置1を複数連設した構成となっている。このため、互いに対向するサイドカバー4の端面に、それぞれ、凸部4aおよび凹部4bが配置される。つまり、ある照明装置1の凸部4aは、隣接する照明装置1の凹部4bに対応しており、ある照明装置1の凹部4bは、隣接する照明装置1の凸部4aに対応する。これにより、照明装置1の連設時には、凸部4aおよび凹部4bが互いに嵌合し、照明装置1が長手方向に連設される。このように、各照明装置1に、それぞれ凸部4aおよび凹部4bが形成されていれば、隣接する照明装置1の位置合わせも容易になる。また、連設状態における複数の照明装置1の直線性を確保して、複数の照明装置1を簡便に連設することができる。
【0032】
なお、図4では、全てのサイドカバー4の両端部に凸部4aおよび凹部4bが形成されている。このため、連設型照明装置10では、両端の連設されないサイドカバー4に形成された凸部4aおよび凹部4bが視認される。しかし、凸部4aおよび凹部4bは、連設される側のサイドカバー4にのみ、形成されていてもよい。つまり、両端の照明装置1のうち、嵌合しない方のサイドカバー4には、凸部4aおよび凹部4bが形成されていなくてもよい。すなわち、連設型照明装置10は、連設される側のサイドカバー4にのみ、凸部4aおよび凹部4bがそれぞれ形成された照明装置1を複数連設した構成であってもよい。この場合も隣り合う照明装置1・1の凸部4aと凹部4bとを嵌合させることにより、照明装置1・1との直線性を確保しつつ、複数のユニット1を簡単に連設することができる。さらに、両端のサイドカバー4には、嵌合部(凸部4a,凹部4b)が形成されないため、連設型照明装置10を構成したとき、外観上、凸部4aも凹部4bが視認されなくすることができる。
【0033】
ここで、図1に基づいて、照明装置1の特徴的構成について説明する。図1は、本発明の実施の一形態に係る照明装置1の端部を示す斜視図である。
【0034】
図4,図5のように、照明装置1を複数連設すると、LEDモジュール22の点灯時に生じる熱膨張、質量の大きい鉄道車両/トラック類の近傍通過や地震等による振動によって、連設型照明装置10,10aに異音が発生する。具体的には、熱により照明装置1が膨張するとき、および、照明装置1に振動が加わるときには、隣接する照明装置1・1間において長手方向に力が加わる。その結果、隣り合う照明装置1・1の接触部に摩擦力が働く。つまり、各照明装置1の連設面(サイドカバー4の端面)が擦れ合う。このため、連設型照明装置10,10aに異音が発生する。
【0035】
そこで、照明装置1では、このような異音対策が施されている。具体的には、図1のように、サイドカバー4に形成された凹部4bの内面に、隣接する照明装置1・1間に生じる力を低減する緩衝部5が設けられている。
【0036】
緩衝部5は、隣り合う照明装置1のサイドカバー4との接触部に加わる力(摩擦力)を低減し、その力によって生じる音の発生を低減する。緩衝部5は、照明装置1・1の嵌合状態において隣接する装置本体2・2間に加わる力を低減し、異音の発生を低減できるものであれば特に限定されるものではない。例えば、緩衝部5は、吸音性および摩擦力吸収性(衝撃吸収性)の少なくとも一方を有する材料から構成されていることが好ましい。
【0037】
例えば、緩衝部5は、繊維材、弾性部材などから構成することができる。繊維材としては、例えば、フェルト、不織布等が挙げられる。弾性部材としては、ゴムなどが挙げられる。また、緩衝部5は、凹部4bの内面に形成されたジェル状の部材(例えば、液晶テレビの転倒防止部材として脚部底面に敷くもの等)であってもよいし、凸部4aと凹部4bとの接触部にテフロン(登録商標)加工を施したものであってもよい。
【0038】
緩衝部5を、繊維材から構成した場合、隣り合う照明装置1の端面(サイドカバー4の端面)同士の接触による摩擦係数が低減される。これにより、異音が発生しにくくなると共に、繊維材に異音を吸収させることもできる。一方、緩衝部5を、弾性部材から構成した場合、隣り合う照明装置1の端面(サイドカバー4の端面)にかかる摩擦力が低減される。つまり、弾性部材が、摩擦力を吸収することにより、照明装置1の端面(サイドカバー4の端面)が擦れる力を低減することができる。緩衝部5が上述のようなジェル状の部材またはテフロン加工を施した場合も、同様の効果が得られる。従って、いずれの場合であっても、複数の連設された照明装置1・1に生じる異音の発生を防止することができる。
【0039】
このように、照明装置1によれば、装置本体2の端部(照明装置1の端部)に、隣接する照明装置1・1の装置本体2の端部と嵌合する嵌合部として、凸部4aおよび凹部4bを備えている。さらに、凹部4bには、緩衝部5が形成されている。すなわち、凹部4bは、隣り合う照明装置1のサイドカバー4との接触部の少なくとも一部に、緩衝部5を備えている。これにより、隣接する照明装置1・1を正確に位置合わせすることができる。従って、複数の照明装置1・1の直線性を確保しつつ、複数の照明装置1・1を簡便に連設することができる。
【0040】
さらに、凹部4bが緩衝部5を備えているため、隣接する照明装置1・1の嵌合状態において、隣接する装置本体2・2間に加わる力が低減される。つまり、互いに隣り合う照明装置1(互いに隣り合うサイドカバー4)の接触部に加わる摩擦力が低減される。これにより、照明装置1,1が複数連設された連設型照明装置10,10aに生じる異音の発生を低減することができる。さらに、熱または振動が照明装置1に加わっても、連設状態における照明装置1(連設型照明装置10,10a)の直線性を維持することができる。
【0041】
なお、図1では、緩衝部5は、凹部4bに形成されている。しかし、緩衝部5は、隣り合う照明装置1のサイドカバー4との接触部の少なくとも一部に、形成されていればよい。つまり、緩衝部5は、凹部4bに形成することに限定されるものではなく、凸部4aに形成してもよいし、サイドカバー4の端面41に形成してもよい。また、緩衝部5は、凹部4bの内面(内側面)の少なくとも一部に形成すればよく、凹部4bの底面に形成することがより好ましく、凹部4bの内面の全ての面に形成することが好ましい。緩衝部5の形成領域が広くなるほど、異音の発生防止効果を高めることができる。また、緩衝部5が凹部4b内に形成されている場合、凸部4aに形成した場合よりも目立たなくすることができ、美観が損なわれない。
【0042】
また、照明装置1では、装置本体2の両端部のサイドカバー4の端面41に、それぞれ、凸部4aおよび凹部4bが1対設けられている。しかし、一方の端部のサイドカバー4に凸部4aを、他方のサイドカバー4に凹部4bを形成してもよい。この場合も、連設型照明装置10,10aの直線性を確保することができる。ただし、両端部のサイドカバー4の端面41に、それぞれ、凸部4aおよび凹部4bが1対以上設けられていることが好ましい。これにより、照明装置1の両端部(装置本体2の両端部)に、同一のサイドカバー4を適用することができる。このため、一方の端部専用のサイドカバー4と、他方の端部専用のサイドカバー4とを製造する必要がない。従って、サイドカバー4の製造コスト、ひいては照明装置1の製造コストを削減することができる。
【0043】
また、本実施形態では、図4に示すように、照明装置1のサイドカバー4に形成された凸部4aの長さと、隣接する照明装置1のサイドカバー4に形成された凹部4bの深さとが略同一となっている。このため、連設型照明装置10では、照明装置1のサイドカバー4の端面(連設面)と、隣接する照明装置1のサイドカバー4の端面(連設面)とが当接している。
【0044】
しかし、隣り合う照明装置1に連設されたときに、互いに対向するサイドカバー4の端面(連設面)が離間するようになっていることが好ましい。図6は、本発明実施一の形態に係る照明装置1を複数連設した照明装置を示す平面図である。図6の照明装置1は、凸部4a長さが、凹部4bの深さ以上に設定されている点のみが、図4の構成とは異なる。図6の構成では、凸部4aおよび凹部4bは、嵌合状態において隣接する装置本体2の端部間の一部が離間するようになっている。すなわち、照明装置1を連設して連設型照明装置10bを構成すると、互いに隣り合う照明装置1・1の端面41,41が、離間して設けられる。つまり、互いに隣り合う照明装置1・1におけるサイドカバー4,4の端面41・41同士(装置本体2・2同士)が接触しない。このため、たとえ照明装置1の熱膨張や振動等が生じたとしても、隣接する端面41,41間に加わる力をより確実に低減することができる。従って、異音の発生をより効果的に防止することができる。また凸部4aおよび凹部4bの嵌合により照明装置1の位置合わせが正確にできるので、複数の照明装置1を直線的に取り付けることも容易である。また、熱または振動が照明装置1に加わっても、端面41,41間に生じる力を低減できるので、連設型照明装置10bにおける複数連設された照明装置1の直線性を維持することができる。
【0045】
一方、図1の照明装置1では、凹部4bは、サイドカバー4の厚さ方向の中央部に形成されており、凹部4bは、サイドカバー4の厚さ方向に貫通していない。しかし、凹部4bは、サイドカバー4の厚さ方向(取付面への取付方向)に貫通して形成されていてもよい。図7は、本発明の別の実施の一形態に係る照明装置1bの端部を示す斜視図である。図7の照明装置1bでは、凹部4b’は、サイドカバー4の厚さ方向に貫通するように形成されている。これにより、照明装置1bの連設後であっても、照明装置1bを下方向へ取り外すことが可能となる。従って、複数連設された照明装置1bのうち(連設型照明装置10のうち)、一部の照明装置1bを容易に修理または交換することができる。
【0046】
具体的には、連設型照明装置10では、凸部4aと凹部4bとが互いに係合した状態で、故障等によって連設型照明装置10の両端以外の照明装置1を取り外す(下方向へ引き降ろす)必要が生じる場合がある。この場合、図1のように、凹部4bが、サイドカバー4の厚さ方向に非貫通であると、複数の連接された照明装置1のうち端部の照明装置1から順番に、取り外す必要のある照明装置1まで取り外してゆかねばならない。
【0047】
これに対し、図7のように、凹部4b’が、サイドカバー4の厚さ方向に貫通している場合、上下方向の拘束がない。従って、取り外す必要のある照明装置1のみを下方向へ取り外すことが可能となる。
【0048】
なお、本実施形態では、光源としてLED22を備える照明装置1について説明した。しかし、光源はLED22に限定されるものではなく、蛍光体、エレクトロルミネッセンス素子、半導体光源等の各種発光素子であってもよい。また、光源の色は任意に設定すればよい。ただし、LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)は、長寿命、低消費電力といった利点を有する。
【0049】
また、本実施形態では、複数の照明装置1を長手方向に連設した、連設型照明装置10について説明した。しかし、複数の照明装置1を短手方向に連設することもできる。この場合、サイドカバー4を照明装置1の短手方向に装着すればよい。つまり、連設型照明装置10における照明装置1の連設方向は、長手方向に限定されるものではない。
【0050】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0051】
1 照明装置
2 装置本体
3 照明カバー
4a 凸部(嵌合部)
4b 凹部(嵌合部)
4b’ 凹部(嵌合部)
5 緩衝部
22 LEDモジュール(光源)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付面に設置される装置本体と、
装置本体に搭載された光源と、
光源からの出射光を透過する照明カバーとを備える照明装置であって、
上記装置本体の端部に、隣接する照明装置の装置本体の端部と嵌合する嵌合部を備え、
上記嵌合部は、嵌合状態において隣接する装置本体間に加わる力を低減する緩衝部を備えることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
上記嵌合部は、嵌合状態において隣接する装置本体の端部間の少なくとも一部が離間するようになっていることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
上記嵌合部は、凸部とその凸部が嵌合する凹部とからなり、
上記凹部は、上記取付面への取付方向に貫通するように形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
上記嵌合部は、凸部とその凸部が嵌合するする凹部とからなり、
上記装置本体の端部に、上記凸部と凹部との対が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−37915(P2013−37915A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173437(P2011−173437)
【出願日】平成23年8月8日(2011.8.8)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】