説明

照明装置

【課題】平面状の発光パネルを用いた照明装置において、光源部の着脱時に、端子部が基板から剥がれて抜けることを防止する。
【解決手段】照明装置は、発光パネルを有する光源部と、該光源部と着脱自在に構成された装着部とを備える。光源部及び装着部の一方は、端子部4bを備え、他方は端子受部を備え、端子部4bは端子受部に差し込まれる位置にある。端子部4bは、端子受部に差し込む接触部41bと、基板に接続される固定部42bと、接触部41bと固定部42bとの間を接続する接続部44bとを備え、接続部44bは、取り付けられる基板側へ折り曲げられている折曲部45b〜47bを有する。この構成によれば、折曲部45b〜47bが、基板に嵌合又は係止され、端子部4bが端子受部に抜き差しされる時に、基板の面に沿って端子部4bにかかる応力を受け止めるので、端子部4bが基板から剥がれて抜けることを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源にEL素子を用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、低電圧で高輝度の発光が可能であり、有機化合物の種類によって様々な発光色が得られ、また、平面状の発光パネルとしての製造が容易である。そのため、近年、照明器具の発光源に用いることが注目されている。
【0003】
有機EL素子の発光パネルを用いた照明装置において、発光パネルが寿命に達した場合、又は、他のサイズ、種類の発光パネルを使用する場合、発光パネルの交換が必要になる。従って、有機EL素子を光源とする発光パネルを用いた照明装置においては、発光パネルの交換を容易に行えるように構成されていることが望ましい。
【0004】
例えば、下記特許文献1には、有機EL素子を用いる発光パネルを発光源として用いる、「有機EL照明パネル用取り付け装置」が開示されている。同文献1に示される装置においては、接触パッドを使用し、発光パネルの自重によって給電部との接続を確立することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−172918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この種の照明装置においては、確実な電気的に接続のため、例えば、平刃形コネクタ等の形式の、端子部と該端子部を差し込む端子受部とを有する接続構造が好適に採用される。しかしながら、このような接続構造を用いる場合、発光パネルの交換時に接続構造にかかる応力によって、端子部が基板から剥がれて抜けてしまうことがある。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、端子部と該端子部を差し込む端子受部とを有する接続構造を備え、発光パネルの交換等において、端子部が基板から剥がれて抜けることを防止することができる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、平面状の発光パネル及びこの発光パネルの非発光面側に配置された基板を収納するケースを有する光源部と、前記発光パネルを点灯制御するための基板を収納するハウジングを有し、前記光源部の背面と着脱自在に構成された装着部と、を備えた照明装置であって、前記光源部は、該光源部の背面の一端部に設けられた係合部と、前記一端部とは異なる端部に設けられている保持部と、を備え、前記装着部は、前記保持部に保持される被保持部と、該被保持部方向に付勢されつつ摺動可能であり、前記係合部と係合して前記被保持部と共に光源部を挟持する被係合部と、を備え、前記光源部及び前記装着部の内の一方は、端子部を備え、他方は前記端子部が差し込まれる端子受部を備え、前記端子部及び前記端子受部は、前記光源部が前記装着部に装着されたときに前記端子部が前記端子受部に差し込まれる位置に設けられ、前記端子部は、前記端子受部に差し込む接触部と、前記端子部を備えている前記光源部又は前記装着部の基板に電気的に接続される固定部と、前記接触部と前記固定部との間を接続する接続部と、を備え、前記接続部は、前記端子部が取り付けられる基板側へ折り曲げられている折曲部を有し、前記折曲部は、前記基板の周縁に嵌合又は係合されて、前記端子部が前記端子受部に差し込まれ又は取り外される時に、前記端子部にかかる前記被係合部の摺動方向の応力を受け止めることを特徴とする。
【0009】
上記照明装置において、前記折曲部は、前記被係合部の摺動方向に対し、非平行な2本の線状辺を含んでいることが好ましい。
【0010】
上記照明装置において、前記2本の線状辺は、前記端子部が取り付けられる基板の外周方向に次第に間隔が広がるように形成されていることが好ましい。
【0011】
上記照明装置において、前記折曲部は、前記被係合部の摺動方向に対し、直交する線状辺を含んでいることが好ましい。
【0012】
上記照明装置において前記直交する線状辺は、前記基板の端面に当接していることが好ましい。
【0013】
上記照明装置において、前記端子部は、該端子部を備えている前記光源部の保持部又は前記装着部の被保持部の近傍に設けられていることが好ましい。
【0014】
上記照明装置において、前記光源部の発光パネルとして、有機EL素子が用いられることが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、端子部は、折曲部が基板の周縁に嵌合又は係合されて、発光パネルを有する光源部が装着部と着脱されるときに端子部にかかる応力を受け止めるので、端子部が基板から剥がれて抜けることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態に係る照明装置の分解斜視図。
【図2】同照明装置を異なる角度から見た斜視図。
【図3】上記照明装置において装着部に光源部を装着するステップを説明するための側面図。
【図4】同照明装置の分解斜視図。
【図5】上記光源部のケースをカバーに嵌合させる直前の状態の端子部を示す一部断面側面図。
【図6】同光源部のケースをカバーに嵌合させる直前の状態の端子部を示す一部破断斜視図。
【図7】同光源部の配線基板と端子部との構成を示す斜視図。
【図8】上記光源部の端子部の下面図。
【図9】同端子部の折曲部の作用、効果を説明するための正面図。
【図10】上記装着部の端子受部の斜視図。
【図11】同装着部において絶縁板を取り外した状態の装着部を示す斜視図。
【図12】同端子受部の取り付け状態を説明するための上記装着部の背面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態に係る照明装置は、光源部と、装着部と、端子部と、端子受部と、を備えているものに関する。前記光源部は、輝度を上げると比較的寿命の短くなる有機EL素子等を用いる発光パネルを有する。前記装着部は、前記発光パネルの制御回路基板を有し、前記光源部へと着脱自在に構成されている。前記端子部は、前記光源部及び前記装着部の内の一方に設けられ、前記端子受部は、他方に設けられる。そして、前記端子部は、前記光源部の装着部への着脱時に、摺動等の物理的な力がかかることによって生じる応力に抗して前記端子部が基板から抜けることを防ぐ機構(以下、端子部保護機構という)を備えたことを特徴とする。また、前記端子受部は、上記着脱時の応力に加えて、着脱方向以外の応力を逃がして前記端子受け部が基板から抜け、損傷を受けることを防ぐ機構(以下、端子受部保護機構という)を備えたことを特徴とする。ここで、「応力に抗する」とは、応力に抗して端子部の位置が動かないようにすることを意味する。また「応力を逃がす」とは、応力が端子受部の基板との接続部分に伝わらないようにすることを意味する。
【0018】
以下、前記特徴を有する照明装置の実施例について、添付の図面を参照しつつ説明する。図1は、照明装置1の分解状態の構成を示す。照明装置1は、光源部2と、装着部3と、で構成されている。
【0019】
光源部2は、有機EL素子を用いる発光パネル20を備える。光源部2は、発光パネル20が寿命に達した場合、又は、出力、色温度等種類の異なる発光パネルを使用する場合に交換される。光源部2は、装着部3に向かい合う側(背面)の一端部に、隠れ線で略記するように、2つの係合部21、22と、該係合部21、22とは異なる端部に設けられている1つの保持部23と、保持部23近傍に設けられている1対の端子部4a、4bと、を備える。係合部21、22及び保持部23は、対応する凹部に嵌合又は係合する突起状の部分を有している。係合部21、22が2つ設けられることにより、装着部3への装着時の光源部2のぶれ動作を少なくすることができる。端子部4a、4bは、平刃形のものであり、発光パネル20の非発光面側に載置された配線基板7(後述する図4参照)に接続されている。端子部4a、4bの形状は、差し込むタイプのものであれば、棒状等の他の形状でもよい。
【0020】
装着部3は、天井、壁、床、スタンド等に固定して用いるものである。装着部3は、ハウジング30と、ハウジング30の収納部30aに収納されている回路基板35(後述する図4参照)と、2つの被係合部31、32と、1つの被保持部33と、端子受部5a、5bと、を有している。被係合部31、32及び被保持部33は、光源部2の係合部21、22及び保持部23と夫々対応する位置に設けられている。被保持部33は、保持部23に保持される凹部を有している。被係合部31、32は、図示しないばねによって矢印62方向に付勢されつつ、被保持部33から離れる向き(矢印61)に摺動可能で、係合部21、22に係合される凹部を有しており、被保持部33と共に光源部2を挟持する。端子受部5a、5bは、収納部30a内の回路基板に接続されている。端子受部5a、5bは、被係合部31、32と被保持部33とが光源部2を挟持することによって、端子部4a、4bが差し込まれる位置に設けられている。
【0021】
図2は、照明装置1の光源部2及び装着部3を、図1に示す矢印63方向から見た図である。本図は、特に、係合部21、22と、保持部23と、端子部4a、4bと、の位置及び形状を、明らかにしている。ハウジング30は、収納部30aに収納した回路基板を覆う絶縁板36を備えている。
【0022】
図3は、ユーザが、光源部2を装着部3に装着するステップ1乃至3の手順を説明するための図である。装着部3は、予め天井又は壁面等(図示せず)に固定されているものとする。ステップ1で、ユーザは、光源部2の係合部21、22を、装着部3の被係合部31、32に嵌めてこれらを係合させる。ステップ2で、ユーザは、光源部2を矢印64方向に押し込む。これに応じて、被係合部31、32は、矢印61方向に摺動する。ステップ3で、ユーザは、光源部2の保持部23側の端部を装着部3側へ持ち上げると共に矢印64方向への押す力を弱めれば、被係合部31、32の付勢力により、保持部23が被保持部33に保持される。以上の手順で、光源部2は、装着部3に取り付けられる。この構成において、保持部23で被保持部33を保持すると同時に、端子部4a、4bが、端子受部5a、5bに差し込まれる。
【0023】
光源部2を装着部3から取り外す際には、ユーザが光源部2を矢印61方向にスライドさせれば、保持部23と被保持部33との保持が解除されるので、光源部2を矢印64とは反対方向に引き出せば、係合部21、22と被係合部31、32との係合が解除される。
【0024】
光源部2を装着部3と着脱させるとき、端子部4a、4b及び端子受部5a、5bは、互いに接触した状態で一方が他方に対して摺動するので、この摺動時に互いに相反する応力を受ける。また、力加減等の影響によっては、差し込み又は引き抜き動作にぶれが生じ、前記摺動方向以外の方向の応力が生じることがある。端子部4a、4bは、光源部2の装着部3への着脱時に、これらの応力に抗して端子部4a、4bが基板から抜けることを防ぐ端子部保護機構を有している。また、端子受部5a、5bは、端子部4a、4bと同様に、前記応力を逃がして端子受部5a、5bが基板から剥がれ、端子受部5a、5bが損傷を受けることを防ぐ端子受部保護機構を有している。
【0025】
図4は、照明装置1の分解状態を示す。光源部2は、発光パネル20と、この発光パネル20を収納するカバー25及びケース26と、を備えている。カバー25は、透明な矩形平板状部材で構成され、周囲に側壁が立設され、この側壁に嵌合爪25aが設けられている。ケース26は、カバー25と対向する面が開口した有底の缶形状部材で、発光パネル20を収納する。ケース26の側壁内周面には、カバー25の嵌合爪25aが嵌合されて、カバー25とケース26とを固定する嵌合溝26a(後述する図5参照)が設けられている。また、ケース26は、発光パネル20の端子部4a、4bが貫通する貫通孔27a、27bを備えている。発光パネル20は、耐熱性、耐湿性及び応力緩和性に優れる芯材入りのアクリル系両面接着テープ等によって配線基板7に接着固定され、かつ、導電性ワイヤ29を超音波溶着等することによって配線基板7に電気的に接続されている。配線基板7の材料としては、ガラス繊維布にエポキシ樹脂等を含侵させて硬化させたガラス繊維板、例えば、FR−4等の、難燃性及び低導電率を両立した基材が用いられる。カバー25の材料には、例えば、透明なABS樹脂やアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等のプラスチック材料が用いられる。また、ケース26の材料には、カバー25と同様のものが用いられてもよいが、表面に絶縁処理が施されたアルミニウム等の金属材料といった不透明な材料が用いられてもよい。
【0026】
装着部3は、ハウジング30と、収納部30aに収納される回路基板35と、回路基板35を覆う絶縁板36と、を備えている。回路基板35の材料には、配線基板7と同様のものが用いられる。回路基板35は、発光パネル20を点灯駆動するための駆動ドライバ等の各種素子を実装している。端子受部5a、5bは、略L字形状に屈曲した一対の金属片であり、一方の端部が回路基板35に接続され、他方の端部が光源部2の端子部4a、4bを受けるように設けられている。ハウジング30は、端子受部5a、5bを、両矢印65で示す方向にあらかじめ定めた範囲(例えば、1mm)揺動可能に収納すると共に、端子部4a、4bが抜き差しされる貫通溝37a、37bを有している。なお、端子受部5a、5bの、本図中での上面57a(後述する図10も参照)は、端子部4a、4bの差し込み方向(本図で上方向)に動かないように、絶縁板36によって固定されている。
【0027】
<端子部保護機構について>
図5、図6は、光源部2のケース26をカバー25上に載せた状態を示す。即ち、カバー25の外周に沿って一部又は全部に突設されている嵌合爪25aを、ケース26の内周に沿って設けられている嵌合溝26aに係合させる直前の状態の端子部4a、4bを示す部分分解図である。なお、便宜上、図5、図6において、一方の端子部4aのみを図示し、他方の端子部4bの図示を省略している。ケース26がカバー25に完全に嵌合させたとき、端子部4aが、ケース26の貫通孔27aから突出して、ケース26外へ露出する。
【0028】
図7は、発光パネル20の、配線基板7及び端子部4a、4bの構成を示す。図8は、端子部4a、4bを下側(図7における配線基板7側)から見た図である。端子部4aと端子部4bとは、部品点数を少なくするため同じ構成であることが好ましいが、例えば、左右対称の別構成であってもよい。以下、便宜上、端子部4bについて説明する。なお、端子部4aは、端子部4bの各構成要素の参照番号の末尾を“b”から“a”に置き換えて表される、同一の構成要素を備えている。
【0029】
端子部4bは、端子受部5bに差し込む接触部41bと、端子部4bを備えている光源部2の基板7に電気的に接続される固定部42b、43bと、接触部41bと固定部42b、43bとの間を接続する接続部44bと、を備えている。接触部41bは、端子受部5bへの差し込み方向に直立した平刃形状に形成されている。固定部42b、43bは、光源部2の配線基板7と平行な平面を有し、配線基板7の接続パッド71、72に半田等によって電気的に接続される。接続部44bは、配線基板7と平行な略十字形状の平面を有し、その一辺に接触部41bが立設され、対峙する2辺に夫々固定部42b、43bが接続されている。また、接続部44bの接触部41bが設けられている辺と対峙する辺が配線基板7の外周方向に幅広に延設されている。接続部44bは、この延設された部分において、配線基板7の取り付け面に沿う平面と、この平面の周囲から基板側へ折り曲げられている3つの折曲部45b、46b、47bと、を有している。
【0030】
配線基板7は、折曲部45b、47bに嵌合する切り欠き部73、74を有している。切り欠き部とは、基板の周囲から内側へ、対応する折曲部を嵌めるために基板の一部を取り除いた部分をいう。折曲部45b、47bが、切り欠き部73、74と嵌合する。また、折曲部46bは、配線基板7の外周部分75に係合する。これら折曲部45b、46b、47bと、切り欠き部73、74とが、端子部保護機構として機能する。なお、必要に応じて、配線基板7の周縁よりも内側に、端子部4bの折曲部(例えば折曲部45b、47b)に嵌合する貫通孔等の切り抜き部(図示せず)が設けられてもよい。
【0031】
図9は、端子部4bの折曲部45b、46b、47bの作用、効果を説明するための図である。折曲部45b、47bは、被係合部31、32の摺動方向(矢印61、62方向)に対し、非平行な2本の線状辺である。線状辺とは、複数の折曲部のうち、線状に延びている辺を意味する。この非平行な2本の線状辺は、光源部2の交換に伴って端子部4bにかかる応力を受け止め、固定部42b、43bが接続パッド71、72から剥がれることを有効に防ぐ。これにより、光源部2を装着部3と着脱させるときに、端子部4bが配線基板7から抜けてしまうことを防止することができる。
【0032】
折曲部45b、47bは、配線基板7外周に向いて伸びており、次第に間隔が広がるようになっている。折曲部45b、47bは、被係合部31、32の摺動方向だけでなく、該方向に交差する斜め方向の応力によって、固定部42b、43bが接続パッド71、72から剥がれることを有効に防ぐ。
【0033】
光源部2を装着部3から取り外す時に、端子部4bには、配線基板7の周囲方向への応力がかかる。具体的には、光源部2の取り外すため、光源部2を、図3に示した矢印61方向にスライドさせると、端子部4a、4bは、端子受部5a、5bと接触した状態で摺動されるので、矢印61とは反対方向への応力を受ける。折曲部45b、47b(図7参照)は、非平行な線状部分で前記応力を受け、端子部4bが配線基板7から動かないように固定する。この折曲部45b、47bの働きによって、固定部42b、43bが接続パッド71、72から剥がれることを有効に防ぐ。
【0034】
折曲部46bは、被係合部31、32の摺動方向に対して直交する線状辺である。端子部4bには、光源部2を装着部3に取り付ける時に、矢印61で示される摺動方向、即ち、基板の内側へと向かう応力がかかる。折曲部46bは、配線基板7の外周部分75に係止しているので、前記応力に最も効率よく抗することができる。この折曲部46bの働きによって、固定部42b、43bが接続パッド71、72から剥がれることを有効に防止することができる。なお、折曲部46bは、配線基板7の外周部分75に直接係合しているので、配線基板7に切り欠きを設ける必要は無く、切削加工の工程を少なくすることができる。
【0035】
端子部4a、4bは、光源部2の保持部23近傍に設けられていることが望ましい。保持部23を被保持部33に保持させる又は保持を解除するとき(図3参照)、係合部21、22は被係合部31、32に係止された状態にあるので、光源部2と装着部3との位置関係はある程度定められており、上記動作において光源部2の摺動方向以外の方向へのぶれは少ない。そのため、端子部4a、4bが保持部23近傍に設けられていれば、端子部4a、4bに前記摺動方向以外の方向への力がかかり難くなり、端子部4a、4bの損傷等を抑制することができる。
【0036】
なお、端子部4a、4bが、係合部21、22の近傍に設けられている場合、光源部2を装着部3に装着させるときに、光源部2と装着部3との位置関係が定められていない状態で、端子部4a、4bが装着部3に近接することが考えられる。この場合、僅かな手ブレ等であっても、端子部4a、4bに正しく端子受部5a、5bに差し込まれず、端子部4a、4bが損傷等を受ける虞がある。しかし、このような場合であっても、前記端子部保護機構は、端子部4a、4bが配線基板7から抜けてしまうことを防止することができる。
【0037】
<端子受部保護機構について>
図10は、端子受部5aの構成を示す。端子受部5aと端子受部5bとは、部品点数を少なくするため同じ構成であることが好ましいが、例えば、左右対称の構成であってもよい。以下、便宜上、端子受部5aについて説明する。なお、端子受部5bは、端子受部5aの各構成要素の参照番号の末尾を“a”から“b”に置き換えて表される、同一の構成要素を備えている。
【0038】
端子受部5aは、端子部4aとの接触部51aと、端子受部5aを備えている光源部2装着部3の回路基板35に電気的に接続される固定部52aと、接触部51aと固定部52aとの間を連結する接続部53aと、を備えている。接触部51aは、平刃形の端子部4aが差し込まれたときに、その両面を挟み込むことができるようにクリップ状に形成されている。このクリップ状の部分は、端子部4aの差し込み方向に平行な平板を屈曲させて構成されたものであり、端子部4aの差し込み方向と直交する平面を有する上面57aによって接続部53aと接続されている。なお、接触部51aの構成は、端子部4aを差し込むことができるものであれば、前記クリップ状の部分が図中下向きになっているもの等、他の形状のものでもよい。固定部52aは、端子部4aの差し込み方向に直交する、取り付け基板表面に平行な面を有しており、装着部3の回路基板35(図4参照)の接続パッド(後述する図12に示す接続パッド38a)に半田によって電気的に接続されている。接続部53aは、接触部51aと固定部52aとの間を電気的に接続している。
【0039】
接続部53aは、端子受部5aにかかる、端子部4aの差し込み方向以外への応力を逃がす第1揺動部54aと、U字状の第2揺動部55aと、前記差し込み方向への応力を逃がす第3揺動部56aと、を有している。これら第1揺動部54a、第2揺動部55a、及び第3揺動部56aが端子受部保護機構として機能する。
【0040】
第1揺動部54aは、端子部4aの差し込み方向と平行な平面を有し、接触部51aが両矢印65方向に揺れ動くことを可能にする板状弾性体である。該構成を採用することによって、差し込み方向以外への応力、例えば、基板に沿う面方向に作用する応力を逃がし、固定部52aが回路基板35から剥がれるのを有効に防ぐことができる。
【0041】
第2揺動部55aは、第1揺動部54aから連続する平面を有し、両矢印66で示す長手方向への伸縮を可能にするU字状に湾曲した構成物である。第2揺動部55aは、光源部の交換に伴って前記長手方向にかかる応力を逃がし、固定部52aが回路基板35から剥がれるのを有効に防ぐ。
【0042】
第3揺動部56aは、例えば、第1揺動部54a及び第2揺動部55aと直交する、端子部4aの差し込み方向に直交する平面を有し、接触部51aが両矢印67方向に揺れ動くことを可能にする板状弾性体であり、端子受部5aにかかる差し込み方向(本図で上向き)への力を逃がす。
【0043】
図11は、絶縁板36を取り外した状態の装着部3を示す。端子受部5aの面57aは、装着部3の光源部2とは反対側の面において、絶縁板36に当接するように設計される。従って、端子受部5aの第3揺動部56a(図10参照)は、光源部2が装着部3から取り外される時、すなわち端子部4a(図3参照)が端子受部5aから引き抜かれるときに、この引き抜き方向に撓んで、固定部52aにかかる力を逃がし、固定部52aが回路基板35から剥がれることを防ぐ。なお、製造上の誤差等によって、端子受部5aの収納される貫通溝37aと絶縁板36との間に区画される空間(図11参照)に、僅かに遊びができる場合があり得る。このような場合には、第3揺動部56aは、差し込み方向の力によって固定部52aが回路基板35から剥がれるのを有効に防ぐ。
【0044】
なお、前記第1揺動部54a、第2揺動部55a、第3揺動部56aは、同様の機能を発揮するものであれば、例えば、棒状の弾性体等、他の形状の弾性体でもよい。
【0045】
図12は、端子受部5a、5bの回路基板35への接続部分を説明するため、図11に示す状態の装着部3から回路基板35の基板部分を取り除いた状態を示す。端子受部5a、5bの固定部52a、52bは、ハウジング30に設けられており、回路基板35に接続されている接続パッド38a、38bに、夫々半田によって接続されている。
【0046】
本発明は、上記実施例の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、バックライトを用いる発光パネルも、有機EL素子を用いる発光パネルと同様に、輝度を挙げた場合に比較的寿命が短くなるという特徴を有しており、本発明の照明装置に使用することができる。
【0047】
また、上記実施例においては、端子部4a、4bが光源部2に、端子受部5a、5bが装着部3に備えられた構成、つまり、光源部2側がオス型端子を、装着部3側がメス型端子を有する構成を示したが、これらの関係が逆であってもよい。具体的には、光源部2の配線基板7に端子受け部5a、5bが備えられ、装着部3の回路基板35に端子部4a、4bが備えられてもよい。
【0048】
本発明の照明装置は、天井、壁、床、スタンドに取り付けて用いる照明装置に利用することができる。また、発光パネルの寿命に限らず、種類又はサイズを変更することができる照明装置にも利用することができる。また、発光パネルを用いるディスプレイ装置に応用することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 照明装置
2 光源部
3 装着部
4a、4b 端子部
5a、5b 端子受部
7 配線基板
20 発光パネル
21、22 係合部
23 保持部
26 ケース
30 ハウジング
31、32 被係合部
33 被保持部
35 回路基板
41b 接触部
42b、43b 固定部
44b 接続部
45b、46b、47b 折曲部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面状の発光パネル及びこの発光パネルの非発光面側に配置された基板を収納するケースを有する光源部と、前記発光パネルを点灯制御するための基板を収納するハウジングを有し、前記光源部の背面と着脱自在に構成された装着部と、を備えた照明装置であって、
前記光源部は、該光源部の背面の一端部に設けられた係合部と、前記一端部とは異なる端部に設けられている保持部と、を備え、
前記装着部は、前記保持部に保持される被保持部と、該被保持部方向に付勢されつつ摺動可能であり、前記係合部と係合して前記被保持部と共に光源部を挟持する被係合部と、を備え、
前記光源部及び前記装着部の内の一方は、端子部を備え、他方は前記端子部が差し込まれる端子受部を備え、
前記端子部及び前記端子受部は、前記光源部が前記装着部に装着されたときに前記端子部が前記端子受部に差し込まれる位置に設けられ、
前記端子部は、前記端子受部に差し込む接触部と、前記端子部を備えている前記光源部又は前記装着部の基板に電気的に接続される固定部と、前記接触部と前記固定部との間を接続する接続部と、を備え、前記接続部は、前記端子部が取り付けられる基板側へ折り曲げられている折曲部を有し、
前記折曲部は、前記基板の周縁に嵌合又は係合されて、前記端子部が前記端子受部に差し込まれ又は取り外される時に、前記端子部にかかる前記被係合部の摺動方向の応力を受け止めることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記折曲部は、前記被係合部の摺動方向に対し、非平行な2本の線状辺を含んでいることを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記2本の線状辺は、前記端子部が取り付けられる基板の外周方向に次第に間隔が広がるように形成されていることを特徴とする請求項2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記折曲部は、前記被係合部の摺動方向に対し、直交する線状辺を含んでいることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記直交する線状辺は、前記基板の端面に当接していることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記端子部は、該端子部を備えている前記光源部の保持部又は前記装着部の被保持部の近傍に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記光源部の発光パネルとして、有機EL素子が用いられることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−51041(P2013−51041A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186877(P2011−186877)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】