説明

照明装置

【課題】放熱性を向上させることができる照明装置を提供することである。
【解決手段】実施形態に係る照明装置は、口金部と、複数の発光素子を備えた照明装置であって、前記口金部の一方の端部側に設けられ、内部に空間を有し、外面が外気と接する支持部を備え、前記複数の発光素子は、少なくとも発光面が前記支持部と接するようにして、前記支持部の内面側に分散して設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
後述する実施形態は、概ね、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、白熱電球(フィラメント電球)に代わって、光源に発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)を用いた照明装置が実用化されている。
発光ダイオードを用いた照明装置は、寿命が長く、また、消費電力も少なくすることができるので、既存の白熱電球と置き換えられることが期待されている。
しかしながら、光源に発光ダイオードを用いるものとすれば、白熱電球と比べて配光角が狭くなるという問題がある。
そこで、湾曲させたプリント基板に複数の発光ダイオードを設けることで配光角を拡げるようにした照明装置が提案されている。
しかしながら、この様な照明装置は、発光ダイオードにおいて発生した熱の放熱が悪く投入可能な電力が少なくなることで光束が少なくなるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−67910号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、放熱性を向上させることができる照明装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る照明装置は、口金部と、複数の発光素子を備えた照明装置である。この照明装置は、前記口金部の一方の端部側に設けられ、内部に空間を有し、外面が外気と接する支持部を備えている。そして、前記複数の発光素子は、少なくとも発光面が前記支持部と接するようにして、前記支持部の内面側に設けられている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本実施形態に係る照明装置を例示するための模式断面図である。(a)は開口部が設けられていない支持部を備えた照明装置の場合、(b)は口金部側の端部に開口部が設けられた支持部を備えた照明装置の場合である。
【図2】光源部を例示するための模式図である。(a)は開口部が設けられていない支持部を備えた照明装置の場合、(b)は口金部側の端部に開口部が設けられた支持部を備えた照明装置の場合である。
【図3】他の実施形態に係る照明装置を例示するための模式斜視図である。
【図4】他の実施形態に係る照明装置を例示するための模式断面図である。(a)は開口部が設けられていない支持部を備えた照明装置の場合、(b)は口金部側の端部に開口部が設けられた支持部を備えた照明装置の場合である。
【図5】他の実施形態に係る照明装置を例示するための模式断面図である。
【図6】照明装置における放熱の様子を例示するための模式図である。(a)は一般的な照明装置の場合、(b)は図4に例示をした放熱部を有する照明装置の場合、(c)は図5に例示をした放熱部と開口部とを有する照明装置の場合である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照しつつ、実施の形態について例示をする。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施形態に係る照明装置を例示するための模式断面図である。
なお、図1(a)は開口部が設けられていない支持部を備えた照明装置の場合、図1(b)は口金部5側の端部に開口部4a1(第1の開口部の一例に相当する)が設けられた支持部を備えた照明装置の場合である。
図2は、光源部を例示するための模式図である。
なお、図2(a)は開口部が設けられていない支持部を備えた照明装置の場合、図2(b)は口金部5側の端部に開口部4a1が設けられた支持部を備えた照明装置の場合である。
図1(a)、(b)に示すように、照明装置1には、本体部2、光源部3、支持部4、口金部5、制御部6が設けられている。
【0008】
本体部2は、内部に空間を有し、制御部6を収納することができるようになっている。 本体部2の一方の端部側は、口金部5の内部に設けられている。この場合、本体部2の一方の端部側の側面と、口金部5の内壁面とを固定するようにすることができる。
本体部2の材料には特に限定はないが、制御部6において発生した熱の放熱を考慮すると、熱伝導率の高い材料とすることが好ましい。
熱伝導率の高い材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、これらの合金などの金属材料を例示することができる。ただし、これらに限定されるわけではなく、窒化アルミニウム(AlN)、シリコンカーバイト(SiC)などの無機材料、高熱伝導性樹脂などの有機材料などとすることもできる。
【0009】
図2(a)、(b)に示すように、光源部3には発光素子3a、基板部3bが設けられている。
発光素子3aは、例えば、発光ダイオード、有機発光ダイオード、レーザダイオードなどのいわゆる自発光素子などとすることができる。発光素子3aは基板部3b上に複数設けられている。この場合、発光素子3aは、等間隔配置などのような規則的な配設形態とすることもできるし、任意の配設形態とすることもできる。
すなわち、発光素子3aは、少なくとも光の発光面(出射面)が支持部4と接するようにして、支持部4の内面側に分散して設けられるようにすることができる。この場合、発光素子3aにおいて発生した熱を支持部4に効率よく伝えるためには、発光素子3aが支持部4に埋め込まれるようにして、支持部4の内面側に分散して設けられるようにすることが好ましい。
【0010】
基板部3bは、図示しない配線パターンが形成されたものとすることができる。そして、図示しない配線パターンを介して、発光素子3aと制御部6とが電気的に接続されるようになっている。基板部3bは、例えば、フレキシブル基板などのような発光素子3aを実装可能なものとすることができる。
【0011】
基板部3bは、照明装置1の軸方向に伸びるようにして設けられている。基板部3bは、帯状のものが個別的に複数設けられるものとすることもできるし、互いに連結されたものとすることもできる。例えば、基板部3bは、一方の端部が互いに連結されたものとすることができる。
【0012】
基板部3bの口金部5側とは反対の側には湾曲面3b1が形成されている。
複数の基板部3bにより形成される外観形状には特に限定はないが、例えば、図2に示すように白熱電球のグローブと類似の形状となるようにすることができる。
【0013】
支持部4は、少なくとも発光素子3aの発光面を覆うようにして設けられている。
支持部4は、口金部5の一方の端部側に設けられ、内部に空間を有し、外面が外気と接している。
【0014】
支持部4の形状には特に限定はないが、例えば、複数の基板部3bにより白熱電球のグローブと類似の形状が形成される場合には、支持部4の形状も白熱電球のグローブと類似の形状とすることができる。
支持部4は、透光性を有する材料を用いて形成することができる。透光性を有する材料としては、例えば、シリコーン樹脂やポリカーボネートなどの透光性を有する樹脂材料、ガラスや透光性セラミックなどの無機材料を例示することができる。
【0015】
また、支持部4には、発光素子3aから出射した光を拡散させる拡散剤を含めるようにすることができる。拡散剤としては、シリコン酸化物や金属酸化物などからなるフィラー、微粒子ポリマーなどを例示することができる。支持部4に拡散剤を含めるようにすれば、発光素子3aから出射した光を拡散させることができるので、輝度ムラを低減させることができる。
【0016】
支持部4の口金部5側の端部は、本体部2に固定されている。
また、図1(b)、図2(b)に示す照明装置1aのように、支持部4aの口金部5側の端部には複数の開口部4a1が設けられ、支持部4aの内部空間と照明装置1の外部空間とがつながっているようにすることもできる。開口部4a1を設けるようにすれば、支持部4aの内部に外気を吸気したり、支持部4aの内部の空気を排気したりすることができる。
【0017】
口金部5は、本体部2の支持部4が設けられる側とは反対の側に設けられている。口金部5は、白熱電球が装着されるソケットに取付可能な形状を有するものとすることができる。口金部5は、例えば、JIS規格に定められているE26形やE17形などと類似の形状を有するものとすることができる。ただし、口金部5は、例示をした形状に限定されるわけではなく適宜変更することができる。例えば、口金部5は、蛍光ランプに使用されるピン形の端子を有するものとすることもできるし、引掛シーリングに使用されるL字形の端子を有するものとすることもできる。
【0018】
口金部5は、例えば、金属などの導電性材料を用いて形成されるものとすることができる。また、外部の電源と電気的に接続される部分を金属などの導電性材料から形成し、それ以外の部分を樹脂などから形成するようにすることもできる。
【0019】
図1、図2に例示をした口金部5は、ねじ山を有する筒状のシェル部5aと、シェル部5aの支持部4の側とは反対の側の端部に設けられたアイレット部5bとを有している。シェル部5a、アイレット部5bには、後述する制御部6が電気的に接続されている。そのため、シェル部5a、アイレット部5bを介して外部の図示しない電源と制御部6とを電気的に接続することができるようになっている。この場合、本体部2が金属などから形成される場合には、本体部2と口金部5との間に接着剤などからなる絶縁部が設けられるようにすることができる。
【0020】
制御部6は、本体部2の内部に形成された空間に設けられている。なお、本体部2と制御部6との間に電気絶縁を得るための図示しない絶縁部を適宜設けるようにすることができる。
制御部6は、光源部3に電力を供給する点灯回路を有するものとすることができる。この場合、点灯回路は、例えば、商用電源の交流100Vを直流に変換して光源部3に供給するものとすることができる。また、制御部6は、光源部3の調光を行うための調光回路をも有するものとすることができる。この場合、調光回路は、各発光素子ごと、あるいは、一群の発光素子ごとに調光を行うことができるものとすることができる。
【0021】
ここで、照明装置1、1aにおいては、発光素子3aおよび制御部6において熱が発生する。
この場合、発光素子3aにおいて発生した熱は、支持部4、4aを介して外部に放熱される。
一方、制御部6において発生した熱は、本体部2、口金部5を介して外部に放熱される。
そのため、照明装置1、1aにおいては、発光素子3a側の放熱経路と、制御部6側の放熱経路とを分離することができる。また、照明装置1aにおいては、支持部4aの口金部5側の端部に複数の開口部4a1を設けているので、支持部4aと本体部2との間における熱の伝導を低減させることができる。発光素子3aに制御部6の熱が伝わることを低減させることができれば、発光素子3aの温度上昇をその分低減させることができる。
【0022】
また、照明装置1、1aにおいては、熱源となる発光素子3aを支持部4、4aに分散させるようにして配置しているため、熱密度を低下させることができる。
また、照明装置1、1aにおいては、熱源となる発光素子3aと外気との間には支持部4、4aが設けられているだけのため、発光素子3aと外気との間の熱抵抗を小さくすることができる。
また、照明装置1、1aにおいては、発光素子3aにおいて発生した熱は、支持部4、4aを介して外部に放出される。そのため、照明装置1、1aにおいては、支持部4、4aの表面を放熱面とすることができる。
また、照明装置1aにおいては、支持部4aの口金部5側の端部に複数の開口部4a1を設けているので、支持部4aの内部の空気と、外気との流通を図ることができる。
【0023】
そのため、照明装置1、1aにおいては、発光素子3a側の放熱性を向上させることができる。その結果、照明装置1、1aにおいては、発光素子3aに対して投入可能な電力を増加させることができるようになるため、高光束化を図ることが可能となる。
【0024】
また、光源部に発光素子を用いた一般的な照明装置のように、発光素子の発光面が照明装置の軸方向と垂直となるように配置すれば、白熱電球と比べて配光角が狭くなるという問題がある。
照明装置1、1aにおいては、発光素子3aを支持部4、4aに分散させるようにして配置しているため、配光角を拡げることが可能となる。
【0025】
図3は、他の実施形態に係る照明装置を例示するための模式斜視図である。
図3に例示をする照明装置1bは、前述した照明装置1、1aと同様の要素を有している。ただし、照明装置1bに設けられた支持部14には開口部14a、開口部14b(第2の開口部の一例に相当する)が設けられている。なお、支持部14は、開口部14bが設けられること以外は前述した支持部4aと同様とすることができる。
【0026】
支持部14の口金部5側の端部にも複数の開口部14aが設けられ、支持部14の内部空間と照明装置1bの外部空間とがつながっている。
また、支持部14の口金部5側とは反対の側の端部には開口部14bが設けられ、支持部14の内部空間と照明装置1bの外部空間とがつながっている。
【0027】
開口部14bの形状、配設位置、数、大きさなどは図3に例示をしたものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
例えば、支持部14は、照明装置1bの軸方向に互いに離隔した開口部14a、14bを備えたものとすればよい。
この場合、支持部14の側面14cに開口部14bを設けるようにすることもできる。 また、大きさの小さい開口部14bを複数設けるようにすることもできる。
また、開口部14bから支持部14の内部にゴミなどが侵入することを抑制するために、通気性を有する図示しない蓋部を開口部14bに設けるようにすることもできる。例えば、メッシュ状の蓋部を開口部14bに設けるようにすることができる。
【0028】
照明装置1bにおいても、前述した照明装置1、1aと同様に放熱性の向上と、配光角の拡大を図ることができる。
この場合、照明装置1bにおいては、離隔した位置に開口部14aと開口部14bとを設けるようにしている。そのため、支持部14の内部に空気の流れFを形成することができるので、発光素子3a側の放熱性をさらに向上させることができる。また、発光素子3aに対して投入可能な電力をさらに増加させることができるようになるため、さらなる高光束化を図ることが可能となる。なお、支持部14の内部における空気の流れ方向は、照明装置1bの取り付け方向などにより変化する。例えば、図3に例示をしたように開口部14aから吸気され開口部14bから排気される場合もあるし、開口部14bから吸気され開口部14aから排気される場合もある。
【0029】
図4は、他の実施形態に係る照明装置を例示するための模式断面図である。
なお、図4(a)は開口部が設けられていない支持部を備えた照明装置の場合、図4(b)は口金部5側の端部に開口部4aが設けられた支持部を備えた照明装置の場合である。
図4(a)、(b)に例示をする照明装置1c、1dには、前述した照明装置1、1aと同様に本体部2、光源部3、支持部4、4a、口金部5、制御部6が設けられている。そしてさらに、照明装置1cには、支持部4の内面側に放熱部7が設けられている。
【0030】
放熱部7は、発光素子3aにおいて発生した熱を放熱させる。そのため、放熱部7は、熱伝導率の高い材料を用いて形成することができる。
熱伝導率の高い材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、これらの合金などの金属材料を例示することができる。ただし、これらに限定されるわけではなく、窒化アルミニウム(AlN)、シリコンカーバイト(SiC)などの無機材料、高熱伝導性樹脂などの有機材料などとすることもできる。
【0031】
また、放熱部7は、発光素子3aから出射し、支持部4、4aと外気との界面で反射されて放熱部7に入射する光を反射させる機能をも有したものとすることができる。光を反射させる機能をも有したものとする場合には、放熱部7は、熱伝導率が高く、且つ、支持部4、4aと比較して光の反射率が高い材料を用いて形成することができる。
熱伝導率が高く、且つ、光の反射率が高い材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、銅(Cu)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、これらの合金などの金属材料を例示することができる。
【0032】
なお、放熱部7と、支持部4、4aと、の間に支持部4、4aと外気との界面で反射されて放熱部7に向かう光を反射させる反射層20を設けるようにしても良い。反射層20は、光の反射率が高い材料を用いて形成されるようにすることができる。反射層20は、例えば、アルミニウム(Al)、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、または、これらの合金などの金属材料や、反射率の高い有機材料(例えば、酸化チタンや酸化亜鉛などの白色粒子を含む白色塗料など)をなどを用いて形成することができる。そして、反射層20は、めっき法、蒸着法、スパッタリング法などを用いて、これらの材料を放熱部7の表面にコーティングすることで設けることができる。また、反射層20は、クラッド法を用いて、これらの金属材料からなる層を放熱部7の表面に形成することで設けることができる。
【0033】
放熱部7は、支持部4、4aの内面、及び支持部4、4aの内面から露出している基板部3bの面を覆うようにして設けることができる。この場合、放熱部7は、支持部4、4aの内面側の全域に設けられるようにすることもできるし、支持部4、4aの内面側の一部の領域に設けられるようにすることもできる。
また、放熱部7の厚み寸法には特に限定がなく、適宜変更することができる。
【0034】
放熱部7が設けられる領域や放熱部7の厚み寸法などは、発光素子3aにおいて発生する熱量、発光素子3aの配置や数、支持部4、4aの大きさ、照明装置1c、1dの設置環境などに応じて適宜決定することができる。
【0035】
放熱部7の形成は、例えば、支持部4、4aの内面側に発光素子3aが設けられた光源部3を設け、その後、支持部4、4aの内面側に放熱部7を形成するようにすることができる。
【0036】
また、放熱部7を形成し、放熱部7の外面に基板部3bを接着するなどして光源部3を設け、光源部3を覆うようにして支持部4、4aを形成することもできる。
この場合、放熱部7の形成は、例えば、塑性加工法、切削加工法などの機械加工法を用いて行うようにすることができる。
【0037】
照明装置1c、1dにおいても、前述した照明装置1、1aと同様に放熱性の向上と、配光角の拡大を図ることができる。
この場合、照明装置1c、1dにおいては、支持部4、4aの内面側に放熱部7を設けるようにしている。そのため、照明装置1c、1dにおいては、発光素子3a側の放熱性をさらに向上させることができる。その結果、照明装置1c、1dにおいては、発光素子3aに対して投入可能な電力をさらに増加させることができるようになるので、さらなる高光束化を図ることが可能となる。
また、放熱部7が入射する光を反射させる機能を有していたり、反射層20が設けられていたりする場合には、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0038】
図5は、他の実施形態に係る照明装置を例示するための模式断面図である。
図5に例示をする照明装置1eは、前述した照明装置1c、1dと同様の要素を有している。
ただし、図3において例示をしたものと同様に、支持部14には開口部14a、開口部14bが設けられている。
また、放熱部17にも開口部17aが設けられている。なお、放熱部17は、開口部17aが設けられること以外は前述した放熱部7と同様とすることができる。
【0039】
支持部14に設けられた開口部14bと、放熱部17に設けられた開口部17aとにより、支持部14の内部空間と照明装置1eの外部空間とがつながっている。
そのため、図3において例示をした照明装置1bと同様に、支持部14の内部に空気の流れFを形成することができる。その結果、放熱部17からの放熱を増加させることができる。なお、支持部14の内部における空気の流れ方向は、照明装置1eの取り付け方向などにより変化する。例えば、図5に例示をしたように開口部14aから吸気され開口部17a、開口部14bから排気される場合もあるし、開口部14b、開口部17aから吸気され開口部14aから排気される場合もある。
【0040】
照明装置1eにおいても、前述した照明装置1、1aなどと同様に放熱性の向上と、配光角の拡大を図ることができる。
また、照明装置1eには、放熱部17が設けられているので、前述した照明装置1c、1dと同様に発光素子3a側の放熱性を向上させることができる。
また、照明装置1eには、開口部14b、開口部17aが設けられているので、前述した照明装置1bと同様に支持部14の内部に空気の流れFを形成することができる。
そのため、照明装置1eにおいては、支持部14の内部に形成された空気の流れFにより、放熱部17からの放熱をさらに増加させることができる。その結果、照明装置1eにおいては、発光素子3aに対して投入可能な電力をさらに増加させることができるようになるので、さらなる高光束化を図ることが可能となる。
また、放熱部17が入射する光を反射させる機能をも有していたり、反射層20が設けられていたりする場合には、光の取り出し効率を向上させることができる。
【0041】
図6は、照明装置における放熱の様子を例示するための模式図である。
なお、図6(a)は、基体の上端面に設けられた複数の発光素子と、複数の発光素子の上方の空間を覆うようにして設けられたグローブと、を有する一般的な照明装置の場合である。
図6(b)は、図4に例示をした放熱部7を有する照明装置1dの場合、図6(c)は、図5に例示をした放熱部7と開口部14b、開口部17aとを有する照明装置1eの場合である。
【0042】
図6は、シミュレーションにより照明装置の温度分布を求めたものであり、投入する電力は同じとし、環境温度は25℃程度とした場合である。
また、図6においては、温度分布をモノトーン色の濃淡で表し、温度が高い程濃く、温度が低いほど淡くなるように表示した。
【0043】
図6(a)に示すように、一般的な照明装置の場合の場合には、発光素子が設けられた基体101の温度が高くなり、グローブ100の温度は低くなる。すなわち、一般的な照明装置では、発光素子において発生した熱を必ずしも効率よく放熱できないという問題をを残していることがわかる。この場合、一般的には、発光素子には所定の耐熱温度があるため、放熱が悪いと投入電力が制限されることになる。そのため、発光素子に対して投入可能な電力が少なくなり高光束化を図ることができなくなるおそれがある。
【0044】
図6(b)に示すように、放熱部7を有する照明装置1dの場合には、内部に制御部6を有する本体部2の温度が高くなるものの、発光素子3aが設けられた支持部4の温度を低くすることができる。
すなわち、発光素子3a側の放熱経路と、制御部6側の放熱経路とを分離することができることがわかる。
【0045】
また、前述したように、照明装置1dにおいては、熱源となる発光素子3aを支持部4aに分散させるようにして配置しているため、熱密度を低下させることができる。
また、照明装置1dにおいては、熱源となる発光素子3aと外気との間には支持部4aが設けられているだけであるため、発光素子3aと外気との間の熱抵抗を小さくすることができる。
また、照明装置1dにおいては、発光素子3aにおいて発生した熱は、支持部4aを介して外部に放出される。そのため、支持部4aの表面を放熱面とすることができる。
また、照明装置1dにおいては、支持部4aの口金部5側の端部に複数の開口部4a1を設けているので、支持部4aの内部の空気と、外気との流通を図ることができる。
【0046】
そのため、図6(b)に示すように、発光素子3a側の放熱性を向上させることができることがわかる。その結果、一般的な照明装置と比較して、発光素子3aに対して投入可能な電力を増加させることができるようになるため、高光束化を図ることが可能となる。
【0047】
図6(c)に示すように、放熱部7と開口部14b、開口部17aとを有する照明装置1eの場合には、支持部14の内部に空気の流れFを形成することができるので、発光素子3a側の放熱性をさらに向上させることができることがわかる。その結果、発光素子3aに対して投入可能な電力をさらに増加させることができるようになるため、さらなる高光束化を図ることが可能となる。
また、照明装置1eにおいては、内部に制御部6を有する本体部2の温度も低くすることができることがわかる。
【0048】
以上に例示をした実施形態によれば、放熱性を向上させることができる照明装置を実現することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を例示したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。これら実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、前述の各実施形態は、相互に組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 照明装置、1a〜1e 照明装置、2 本体部、3 光源部、3a 発光素子、3b 基板部、4 支持部、4a 支持部、4a1 開口部、5 口金部、6 制御部、7 放熱部、14 支持部、14a 開口部、14b 開口部、17 放熱部、17a 開口部、20 反射層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
口金部と、複数の発光素子を備えた照明装置であって、
前記口金部の一方の端部側に設けられ、内部に空間を有し、外面が外気と接する支持部を備え、
前記複数の発光素子は、少なくとも発光面が前記支持部と接するようにして、前記支持部の内面側に設けられた照明装置。
【請求項2】
前記支持部の内面側に設けられた放熱部をさらに備えた請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記支持部は、前記口金部側の端部に第1の開口部を備えた請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記支持部は、前記口金部側とは反対の側の端部に第2の開口部を備えた請求項1〜3のいずれか1つに記載の照明装置。
【請求項5】
前記放熱部と、前記支持部と、の間には、前記支持部と外気との界面で反射されて前記放熱部に向かう光を反射させる反射層をさらに備えた請求項2〜4のいずれか1つに記載の照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−65529(P2013−65529A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204898(P2011−204898)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】