熱アシスト磁気記録ヘッドならびに光学近接場変換器内の熱エネルギを放散する方法およびシステム
【課題】光学近接場変換器およびヒートシンクアセンブリを備えた熱アシスト磁気記録ヘッドを提供する。
【解決手段】HAMRヘッド内では動作中に光学NFT内で熱エネルギが発生する。HAMRヘッド内のヒートシンクアセンブリは、光学NFTから熱エネルギを抽出し、この熱エネルギを、HAMRヘッドの周りの空気への対流、HAMRヘッドに隣接する面への放射、および/またはHAMRヘッドの他の部品への伝導によって、伝達する。光学NFT内で発生した熱エネルギはヒートシンクに伝導される。ヒートシンクのエアベアリング面は、この熱エネルギの少なくとも一部を、エアベアリング面と隣接する磁気媒体の面との間を通る空気に、対流によって伝達する。さらに、熱エネルギの一部をエアベアリング面から磁気媒体に伝導によって伝達してもよい。
【解決手段】HAMRヘッド内では動作中に光学NFT内で熱エネルギが発生する。HAMRヘッド内のヒートシンクアセンブリは、光学NFTから熱エネルギを抽出し、この熱エネルギを、HAMRヘッドの周りの空気への対流、HAMRヘッドに隣接する面への放射、および/またはHAMRヘッドの他の部品への伝導によって、伝達する。光学NFT内で発生した熱エネルギはヒートシンクに伝導される。ヒートシンクのエアベアリング面は、この熱エネルギの少なくとも一部を、エアベアリング面と隣接する磁気媒体の面との間を通る空気に、対流によって伝達する。さらに、熱エネルギの一部をエアベアリング面から磁気媒体に伝導によって伝達してもよい。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0001】
概要
本明細書において記載されクレームされている実現例は、光学近接場変換器およびヒートシンクアセンブリを備えた熱アシスト磁気記録ヘッドを提供する。ヒートシンクアセンブリは、光学近接場変換器と熱伝導接触し、かつ対流冷却面を有する。
【0002】
その他の実現例も本明細書において記載され詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】遠位端に設けられた封入ヒートシンクを利用する熱アシスト磁気記録ヘッドを備えたアクチュエータアームフレキシャの一例を示す。
【図2A】書込極およびヨークの一例の斜視図を示す。
【図2B】図2Aの書込極およびヨークに金属被覆ヒートシンクの一例を設けたものを示す。
【図3】金属被覆ヒートシンクを備えた書込極を有する熱アシスト磁気記録ヘッドの一例の部分斜視図の断面を示す。
【図4A】光学近接場変換器の一例の斜視図を示す。
【図4B】図4Aの光学近接場変換器に翼状のヒートシンクの一例を設けたものを示す。
【図5】翼状のヒートシンクを備えた光学近接場変換器を有する熱アシスト磁気記録ヘッドの一例の部分斜視図の断面を示す。
【図6A】円形の光学近接場変換器の一例の斜視図を示す。
【図6B】図6Aの円形の光学近接場変換器に円錐台形状のヒートシンクの一例を設けたものを示す。
【図7】円錐台形状のヒートシンクを備えた円形の光学近接場変換器を有する熱アシスト磁気記録ヘッドの一例の部分斜視図の断面を示す。
【図8】現在開示されている技術に従い光学近接場変換器から熱エネルギを伝導させる処理の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
熱アシスト磁気記録(HAMR:Heat Assisted Magnetic Recording)技術は、データを、安定性が高い媒体に、集束させた光を用いてまず媒体を加熱することにより、磁気記録する。HAMR技術は、鉄と白金の合金といった安定性が高い磁性化合物を利用して媒体を構成する。こうした材料は、単一ビットをより小さな領域に記憶することができるが、磁気媒体記憶に使用される従来技術を制限するのと同じ超常磁性効果による制限は受けない。しかしながら、この高安定性の磁性化合物は、媒体上の磁性配向を変化させるために、まず加熱しなければならない。
【0005】
ある実現例において、HAMRヘッドは、少なくとも光学近接場変換器(NFT:Near-Field Transducer)と書込極とを含む。光学NFTは、光を集めて媒体に集束させるのに使用される。集束させた光は、媒体上のスポットの温度を、書込極によって磁性配向を変化させるのに十分に高い温度まで上昇させる(たとえば数百度の温度上昇)。しかしながら、光学NFTが光を集めて集束させたときに生じる極端な熱は、光学NFTの動作寿命を著しく制限する。
【0006】
有限要素解析によると、光学NFTの温度は、媒体の磁性配向を変化させるのに十分な光を集束させたときに、セ氏500度を超える可能性がある。現在開示されている技術は、光学NFTの熱管理のためのヒートシンクを開示している。しかしながら問題がいくつかある。第1に、光学NFTは大きさが小さいため(たとえば一般的には幅100nmから200nm)、熱エネルギを放散する表面積が極めて小さい。第2に、光学NFTの近傍に何も配置されていないので、書込極および/または光学NFTの効率または共振周波数が大幅に低下または変化する可能性がある。他の実現例では、HAMRヘッドにさらに他の小型電子部品(たとえば1つ以上の読取機およびセンサ)が含まれている。光学NFTの近傍に何も配置されていないと、これらのさらなる小型電子部品のうちいずれかの効率または共振周波数が大幅に変化する可能性がある。
【0007】
よって、現在開示されているヒートシンクおよびヒートシンクアセンブリは、光学NFTから熱エネルギを抽出し、この熱エネルギを、HAMRヘッドの周りの空気への対流、HAMRヘッドに隣接する面(たとえば磁気媒体)への放射、および/またはHAMRヘッドの他の部品への伝導によって、伝達する。他の実現例では、光学NFTおよびヒートシンクを、HAMRヘッド以外の記録ヘッドにおいて利用する。
【0008】
図1は、その遠位端に設けられた封入ヒートシンク112を利用するHAMRヘッド106を備えたアクチュエータアームフレキシャ102の一例を示す。座標軸が示されており、y方向は、フレキシャ102の長手方向においてフレキシャ102の遠位端に向かって延び、x方向は、対応する磁気媒体(図示せず)に対して平行な方向においてフレキシャ102を横断して延び、z方向は、磁気媒体に向かって下向きに延びる。アクチュエータアームフレキシャ102は、y方向に延びるカンチレバーアクチュエータアーム(図示せず)に装着される。アクチュエータアームフレキシャ102は、z軸方向において調整されて磁気媒体上の磁気ビットの1以上のトラックを追従することができる。HAMRヘッド106を備えたエアベアリングスライダ(ABS:Air Bearing Slider)104は、磁気媒体(図示せず)に対向するフレキシャ102の面上において、フレキシャ102の遠位端に設けられる。スライダ104によって、HAMRヘッド106は、磁気媒体の対応する面の上でこの面に接近して浮動することができる。電線(たとえばワイヤ108)が、フレキシャ102に沿って概ねy方向に延び、最終的にHAMRヘッド106に接続するスライダ104上のコンタクトパッド(たとえばパッド110)に装着される。処理電子装置(図示せず)に/から送られる読取/書込およびその他の電気信号は、電線およびコンタクトパッドを介してHAMRヘッド106まで送られる。
【0009】
図1には、HAMRヘッド106を回転させて拡大したものの断面図も示されている。このHAMRヘッド106は、x軸を中心として90度、z軸を中心として90度回転させて拡大したものであり、HAMRヘッド106の断面はHAMRヘッド106の中心を通るyz面であるので、HAMRヘッド106内のさまざまな構成要素の向きが明らかになっている。基板124は、HAMRヘッド106の構成要素の載置面の役割を果たし、HAMRヘッド106をABS104に接続している。基板124上に設けられた導波管コア114は、光波を光学NFT116に伝達し、NFT116は、光を集束させて磁気媒体(図示せず)上の一点に導く。
【0010】
典型的には、光学NFT(たとえば光学NFT116)は、HAMRヘッド内における光学導波管クラッド材料として機能するAl2O3によって囲まれている。Al2O3の光学特性は導波管に適しているが、Al2O3の熱伝導率は非常に低い(たとえば1.35W/m/K)。これは、光学NFTが吸収したエネルギを熱エネルギとして実質的に取込み、光学NFTの動作寿命を大幅に制限する。
【0011】
このAl2O3の短所を克服する1つの方法は、光学NFTを、ヒートシンクとして使用される光学品質を有する誘電体のブロックで囲むまたは封入することである。このヒートシンクは、Al2O3よりも熱伝導率が高くかつ光学NFTから有効に熱を伝達するのに十分大きくなければならない。さらに、ヒートシンクは、光学NFTの共鳴に大きな影響を及ぼさないおよび/または導波管損失を生じさせないように、十分小さくおよび/または配向されていなければならない。ある実現例では、光学NFTの1つの構成要素の直径は200nmである。ヒートシンクは、光学NFTと十分に接触するのに足る大きさである必要がある。またさらに、ヒートシンクは、HAMRヘッド内の他の小型電子部品(たとえば1つ以上の読取機およびセンサ)いずれにも大きな影響を及ぼさないように、十分小さくおよび/またはHAMRヘッド内において配向されていなければならない。ある実現例において、ヒートシンクは、結晶相で作ることができるさまざまな金属化合物(たとえばMgO、MgF2、LiF、CaF2、BaF2、BeO、ZnO、Si3N4、および/またはAlN)で構成してもよい。
【0012】
図1に示される光学NFT116は、ヒートシンク112(太線で示される)で囲まれている。ヒートシンク112は、光学NFT116がヒートシンク112内に設けられた状態で導波管コア114上に設けられる。光学NFT116から離れた場所において、従来の光学導波管クラッド材料118(たとえばAl2O3)が用いられる。書込極120は、ヒートシンク112および/またはクラッド材料118の上に設けられる。
【0013】
ある実現例では、ヒートシンク112は、熱エネルギを光学NFT116から伝導によって抽出し、この熱エネルギを周囲のHAMRヘッド106の構成要素(たとえば導波管コア114、クラッド材料118、および/または書込極120)に伝導によって伝達すする。別の実現例では、ヒートシンク112は、熱エネルギを、磁気媒体に対向するヒートシンク112のエアベアリング面122から概ねz方向に位置する隣の磁気媒体(図示せず)に、放射によって伝達する。さらに他の実現例では、ヒートシンク112は、熱エネルギを、エアベアリング面の隣で移動している空気に、対流によって伝達する。さらに他の実現例では、ヒートシンク112は、伝導、放射、および対流による熱エネルギの伝達を組合せたものを利用して光学NFT116の温度を管理する。
【0014】
ヒートシンクを備えていないHAMRヘッド内の光学NFTのある実現例では、光学NFTの温度はHAMRヘッドの動作中に500℃を超える。ヒートシンクを追加すると、ヒートシンクの熱伝導率と動作中の光学NFTの温度上昇との間の逆の関係が明らかになる。ある実現例では、図1に示されるヒートシンクは、エアベアリング面122から負のz方向に0.5ミクロン、トラックを横断する方向(すなわちx方向)に0.5μm延びる。ヒートシンクの熱伝導率が5W/m/Kの場合、光学NFTの温度は、HAMRヘッドの動作中に約275℃上昇する。ヒートシンクの熱伝導率が20W/m/Kの場合、光学NFTの温度は、HAMRヘッドの動作中に約150℃上昇する。
【0015】
図2Aは、書込極220およびヨーク226の一例の斜視図を示す。書込極220(実線で示す)は、ヨーク226(点線で示す)に装着され、ヨーク226からz方向および負のy方向に延びる。ヨーク226は、オフヘッド処理電子機器(図示せず)から書込信号を受ける磁気コイル(図示せず)に装着される。ヨーク226は、磁気コイルからの書込信号を書込極220に伝達し、これは、書込信号を媒体に与えて媒体上のビットの磁気分極を変化させることにより、データを書込信号から媒体に書込む。
【0016】
HAMRヘッド内において、光学NFT(図示せず)は、示されている書込極220およびヨーク226の隣に位置する。ある実現例では、書込極220から熱エネルギを伝導によって抽出することは、光学NFTからの熱エネルギの抽出を促進する。
【0017】
図2Bは、図2Aの書込極220およびヨーク226に金属被覆ヒートシンク228の一例が設けられたものを示す。ヒートシンク228(太線で示す)は、書込極220を被覆し、書込極220からx方向および負のx方向に延びている。ある実現例において、ヒートシンク228は、x方向および負のx方向(すなわちトラックを横断する方向)に数ミクロン(たとえば4μm〜20μm)、y方向およびz方向の厚みはわずか10分の数ミクロンである。この実現例では、ヒートシンク228の大きさおよび表面積は、光学NFTの温度を25%から30%低下させるのに十分である。ある実現例において、優れた熱伝導率を有する1以上の金属を用いて金属被覆部(たとえばCr、Ru、Cu、Au、Ag、Al、Ni、Ir、Pt、W、Ti、Mo、Zr、Rh、Pd、V、およびその合金またはそれをドーピングしたもの)を形成してもよい。
【0018】
図3は、金属被覆ヒートシンク328を備えた書込極320を有するHAMRヘッド300の一例の部分斜視図の断面を示す。図3は、図2Bに示される書込極220とヒートシンク228との間の界面を詳細に示している。ヒートシンク328は、書込極320からx方向およびy方向に延びる。さらに、示されている実現例では、ヒートシンク328は実際光学NFT316に接触していない。熱エネルギは、書込極320および周囲にある任意のクラッド材料318を介して、光学NFT316からヒートシンク228に伝達される。
【0019】
ヒートシンク328は、エアベアリング面322における対流による熱エネルギの伝達を利用することにより、光学NFT316からの熱エネルギの放散を最大にする。好ましくは、ヒートシンク328を非磁性金属で構成してサイドトラック消去および/または書込極320に対する干渉のリスクを最小にする。ある実現例において、ヒートシンク328は、成膜後のスライダ加工(たとえばチップをウエハから分離すること、チップをラッピングすること、チップを研磨すること、空気力学的構造をチップ上にパターン形成すること、保護膜をチップ上に設けることなど)と共存し得る。さらに、ヒートシンク328は、媒体の方向に書込極320を超えて突出しない(ヒータがオンで書込極320を媒体に向かって押出すときも、ヒータがオフのときも)。結果として、ヒートシンク328が原因でHAMRヘッド300の後縁に構造上の問題が生じることはない。
【0020】
ある実現例では、ヒートシンク328を、本明細書に開示されている他の熱エネルギ放散装置のうち1つ以上と組合せてもよい。具体的には、ヒートシンク328は、図4Bおよび図5に示される翼状のヒートシンク432、532とともに使用したときに特に効果的である。本明細書に開示されているヒートシンクのうち1つ以上との組み合わせのことをヒートシンクアセンブリと呼ぶ。
【0021】
図4Aは、光学NFT416の一例の斜視図を示す。光学NFT416を用いて光を集めて媒体(図示せず)に集束させる。集束させた光は、媒体上のスポットの温度を、書込極(図示せず)による磁性配向の変化を引起すのに十分高い温度まで、上昇させる。
【0022】
図4Bは、図4Aの光学近接場変換器416に翼状のヒートシンク432および434の一例を設けたものを示す。ヒートシンク432、434(太線で示す)は、光学NFT416の一部を覆い、光学NFT416からx方向およびy方向に延びている。ある実現例では、ヒートシンク432および434は、x方向および負のx方向(すなわちトラックを横断する方向)に数ミクロン(たとえば4μm〜20μm)延び、y方向の厚みは光学NFT416よりも大きい。
【0023】
結果として、ヒートシンク432および434は、ともに使用された場合、図2Bおよび図3のヒートシンク228および328と接触し得る。この組み合わせが光学NFTの光学効率に与える影響はほとんどまたは全くない。ともに使用されたとき、ヒートシンク228、328および432、434の大きさおよび表面積は、光学NFTの温度を最大50%低下させるのに十分である。ある実現例において、優れた熱伝導率を有する1以上の金属(たとえばCr、Ru、Cu、Au、Ag、Al、Ni、Ir、Pt、W、Ti、Mo、Zr、Rh、Pd、V、およびその合金またはそれをドーピングしたもの)を用いてヒートシンク432および434を形成してもよい。実現例によっては、ヒートシンク432および434を光学NFT416と同じ材料で構成してもよい。
【0024】
図5は、翼状のヒートシンク532を備えた光学NFT516を有するHAMRヘッド500の一例の部分斜視図の断面を示す。図5は、光学NFT516と、翼状ヒートシンク532と、書込極520との間の界面を詳細に示している。ヒートシンク532は、光学NFT516からx方向およびy方向に延びる。熱エネルギは、伝導により、光学NFT516からヒートシンク532に伝わる。次に、熱エネルギは、ヒートシンク532から、周囲の任意のクラッド材料518、導波管コア514、および/または書込極520へと伝導される。さらに、エアベアリング面522での対流による熱エネルギ伝達は、ヒートシンク532から熱エネルギを運ぶ。
【0025】
翼状のヒートシンク532からの熱エネルギの伝導による伝達を改善するために、ヒートシンク532を図2Aおよび図3のヒートシンク228、328とともに使用してもよい。エアベアリング面522におけるヒートシンク228、328の表面積が比較的大きいために、対流による熱エネルギの伝達は、ヒートシンク532のみを用いる実現例と比較すると、遥かに大きい。他の実現例では、ヒートシンク532を、本明細書に開示されている他の熱エネルギ放散装置のうち1つ以上と組合せてもよい。
【0026】
図6Aは、円形の光学NFT636の一例の斜視図を示す。この円形の光学NFT636は、光を集めて媒体(図示せず)に集束させるのに使用される。集束させた光は、媒体上のスポットの温度を、書込極(図示せず)による磁性配向の変化を引起すのに十分高い温度まで、上昇させる。
【0027】
図6Bは、図6Aの円形の光学NFT636に円錐台形状のヒートシンク638の一例を設けたものを示す。ヒートシンク638(太線で示す)は、光学NFT636を覆い、光学NFT636からy方向に延びて円錐台を形成する。ある実現例では、ヒートシンク636は、y方向に1ミクロンの何分の1かにわたって(たとえば50nm〜250nm)延びる。
【0028】
図7は、円錐台形状のヒートシンク738を備えた円形の光学NFT736を有するHAMRヘッド700の一例の部分斜視図の断面を示す。ヒートシンク738は、光学NFT736と書込極720との間でy方向に延びている。熱エネルギは、伝導によって光学NFT736からヒートシンク738に伝わる。次に、このエネルギは、ヒートシンク738から書込極720および周囲の任意のクラッド材料718に伝導される。他の実現例では、ヒートシンク738を本明細書に開示される他のヒートシンクのうち1つ以上と組合せてもよい。
【0029】
ある実現例において、優れた熱伝導率を有する1以上の金属(たとえばCr、Ru、Cu、Au、Ag、Al、Ni、Ir、Pt、W、Ti、Mo、Zr、Rh、Pd、V、およびその合金またはそれをドーピングしたもの)を用いてヒートシンク738を形成してもよい。実現例によっては、ヒートシンク738を形成するために選択された材料を、光学NFT736のカップリング効率の維持にも適合したものにする。プラズモニック(plasmonic)金属(たとえばAu、Ag、Cu、Al、Pd、V、およびその合金またはそれをドーピングしたもの)は、光学NFT736のカップリング効率を維持するのに特に有効である。実現例によっては、ヒートシンク738を光学NFT736と同じ材料で構成してもよい。ある実現例では、ヒートシンク738は、ウエハ処理中に、光学NFT736と書込極720とを薄膜成長方向(すなわちy方向)において接続する。
【0030】
光学NFT736はクラッド材料718およびヒートシンク738によって囲まれている。導波管コア714はクラッド材料718の片側と境を接している。ヒートシンク738は、光学NFT736、クラッド材料718、および書込極720と境を接している。ある実現例では、ヒートシンク738の底の断面の寸法は、光学NFT736の円形部分と同一である。ヒートシンク738が円錐台形状で延びている様子を示しているが、ヒートシンクは円筒の一部の形またはその他の形状で延びていてもよい。
【0031】
光学NFTから熱エネルギを十分に伝導するのに足りる大きさのヒートシンクのxz断面積は、光学NFTの理想的なxz断面積よりも大きいことが多い。図6Bおよび図7の実現例では、光学NFT636、736は、円錐台形状のヒートシンク638、738の底の断面形状と一致させるのに必要な大きさよりも大きくされる。この場合、光学NFT636、736の効率は約30%低下するかもしれないが、光学NFT636、736から放散するパワーは、光学NFTがより小さい場合(たとえば図5の光学NFT516参照)と比較して、約55%増加し得る。なぜなら、光学NFT636、736からヒートシンク638、738および書込極620、720への伝導による熱エネルギの伝達が増すからである。さらに、他に特別な条件がない限り、光学NFT636、736の動作中は、ヒートシンク638、738のxz断面積と光学NFT636、736の温度上昇との間に逆の関係がある。
【0032】
ヒートシンク738のxz断面積を光学NFT736のxz断面積と一致させて熱エネルギ伝達を増大させると、結果として、ヒートシンク738がない理想的な大きさの光学NFTと比較して、光学NFT736における全体的な温度低下は約50%となる場合がある。書込極720は、この実現例において、ヒートシンク738がない実現例と比較すると、50%以上ものパワーを吸収し得る。このようにパワーがさらに吸収されることによって、光学NFTの動作温度が低下して、光学NFTの動作寿命を延ばすことができる。
【0033】
図2Bおよび図3に示されるヒートシンク228、328をヒートシンク738とともに使用した場合、ヒートシンク228、328の体積によって、書込極720に伝導するさらなる熱エネルギのほとんどを放散することができる。結果として、磁気記録ヘッド700の動作中の書込極720の温度は、小さいヒートシンクを用いるまたはヒートシンクを使用しない場合の書込極の温度と同一または略同一であろう。書込極の動作寿命も、動作温度の影響が大きい。ヒートシンク738から書込極720に伝達される熱が書込極720からヒートシンク228または328に伝わるようにすることは、書込極720の所望の動作温度および動作寿命の維持に役立つ。
【0034】
図8は、現在開示されている技術に従い光学近接場変換器から熱エネルギを伝導させる処理800の例を示す。発生処理805において、HAMRヘッド内での動作時に光学NFT内で熱エネルギが発生する。光学NFTは光を集めて磁気媒体に集束させる。その結果、光学NFTが加熱される。現在開示されているヒートシンクのうち1つ以上を用いて、光学NFT内で発生した熱エネルギを放散してもよい。
【0035】
判断処理810において、図1に関連付けて具体的に説明した封入ヒートシンクがHAMRヘッド内にある場合、伝導処理815に進む。HAMRヘッド内に封入ヒートシンクがなければ、発生処理805に戻る。
【0036】
伝導処理815において、光学NFT内で発生した熱エネルギは封入ヒートシンクに伝導される。さらに、光学NFT内で発生した熱エネルギは、光学NFTに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導される。加えて、封入ヒートシンクに伝導された熱エネルギはさらに、封入ヒートシンクに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば書込極、導波管コア、導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。しかしながら、書込極、導波管コア、および/または導波管に伝達される伝導熱エネルギは、光学NFTおよび/または封入ヒートシンクとの熱接触面積が不十分なので、限定される可能性がある。また、書込極、導波管コア、および/または導波管の材料構成が、熱エネルギの伝達に特に適していない可能性もある。
【0037】
判断処理820において、図4Bおよび図5に関連付けて具体的に説明した翼状のヒートシンクがHAMRヘッド内にある場合、伝導処理825に進む。翼状のヒートシンクがHAMRヘッド内になければ、発生処理805に戻る。
【0038】
伝導処理825において、光学NFT内で発生した熱エネルギは翼状のヒートシンクに伝導される。さらに、光学NFT内で発生した熱エネルギは、光学NFTに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。加えて、翼状のヒートシンクに伝導された熱エネルギはさらに、翼状のヒートシンクに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば書込極、導波管コア、導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。
【0039】
判断処理830において、図6Bおよび図7と関連付けて具体的に説明した円錐台形状のヒートシンクがHAMRヘッド内にある場合、伝導処理835に進む。円錐台形状のヒートシンクがHAMRヘッド内になければ、発生処理805に戻る。
【0040】
伝導処理835において、光学NFT内で発生した熱エネルギは円錐台形状のヒートシンクに伝導される。さらに、光学NFT内で発生した熱エネルギは、光学NFTに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。加えて、円錐台形状のヒートシンクに伝導された熱エネルギはさらに、円錐台形状のヒートシンクに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば書込極、導波管コア、導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)に伝導し得る。
【0041】
判断処理840において、図2Bおよび図3と関連付けて具体的に説明した金属で被覆された円錐形のヒートシンクがHAMRヘッド内にある場合、伝導処理845に進む。判断処理840は、円錐台形状のヒートシンク、翼状のヒートシンク、または封入ヒートシンクのうち1つ以上がHAMRヘッド内にある場合に行なわれる。
【0042】
伝導処理845において、光学NFT内で発生した熱エネルギは、導波管クラッド、円錐形のヒートシンク、翼状のヒートシンク、または封入ヒートシンクが存在すればそれを介して金属被覆ヒートシンクに伝導される。さらに、光学NFT内で発生した熱エネルギは、光学NFTに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。加えて、金属被覆ヒートシンクに伝導された熱エネルギはさらに、金属被覆ヒートシンクに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば書込極、導波管コア、導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。
【0043】
伝導処理845に続いて、金属被覆ヒートシンクが存在していれば、または、判断処理840に続いて、金属被覆ヒートシンクが存在していなければ、対流/放射処理850が行なわれる。対流/放射処理850では、対流冷却面(たとえばHAMRヘッド上のエアベアリング面)を形成するHAMRヘッドの1以上の構成要素(たとえば1以上のヒートシンク、書込極、光学NFT、導波管コア、および/または導波管クラッド)内の熱エネルギが、対流によって、HAMRヘッド上のエアベアリング面と磁気媒体の表面との間を通る空気に伝達される。さまざまな実現例において、HAMRヘッドおよび/または磁気媒体面が動いて空気の擾乱が生じ、これによって、対流による熱エネルギの伝達が増す。さらに、対流/放射処理850は、HAMRヘッド上のエアベアリング面から磁気媒体に直接伝達される放射による熱エネルギ伝達も含み得る。
【0044】
他に特別な条件がない限り、エアベアリング面に対して露出したヒートシンクの表面積が大きいほど、対流による熱エネルギ伝達は大きい。さらに、他に特別な条件がない限り、光学NFTに接触するヒートシンクの表面積が大きいほど、伝導による熱エネルギの伝達は大きい。結果として、金属被覆ヒートシンクを円錐形のヒートシンク、翼状のヒートシンク、または封入ヒートシンクとともに用いて、光学NFTからの熱エネルギの伝導、および、エアベアリング面における対流/放射による熱エネルギの伝達双方を、改善し得る。本明細書に開示されているヒートシンクのうち1つ以上を組合せたものをヒートシンクアセンブリと呼ぶ。
【0045】
上記明細書、実施例、およびデータによって、本発明の例示としての実施の形態の構成および用途に関する説明が完成する。本発明の数多くの実施の形態を発明の精神および範囲から逸脱することなく実現できるので、本発明は以下の請求項に帰する。さらに、異なる実施の形態の構造上の特徴を、記載されている請求項の範囲を逸脱することなく別の実施の形態に組込んでもよい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0001】
概要
本明細書において記載されクレームされている実現例は、光学近接場変換器およびヒートシンクアセンブリを備えた熱アシスト磁気記録ヘッドを提供する。ヒートシンクアセンブリは、光学近接場変換器と熱伝導接触し、かつ対流冷却面を有する。
【0002】
その他の実現例も本明細書において記載され詳述される。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【図1】遠位端に設けられた封入ヒートシンクを利用する熱アシスト磁気記録ヘッドを備えたアクチュエータアームフレキシャの一例を示す。
【図2A】書込極およびヨークの一例の斜視図を示す。
【図2B】図2Aの書込極およびヨークに金属被覆ヒートシンクの一例を設けたものを示す。
【図3】金属被覆ヒートシンクを備えた書込極を有する熱アシスト磁気記録ヘッドの一例の部分斜視図の断面を示す。
【図4A】光学近接場変換器の一例の斜視図を示す。
【図4B】図4Aの光学近接場変換器に翼状のヒートシンクの一例を設けたものを示す。
【図5】翼状のヒートシンクを備えた光学近接場変換器を有する熱アシスト磁気記録ヘッドの一例の部分斜視図の断面を示す。
【図6A】円形の光学近接場変換器の一例の斜視図を示す。
【図6B】図6Aの円形の光学近接場変換器に円錐台形状のヒートシンクの一例を設けたものを示す。
【図7】円錐台形状のヒートシンクを備えた円形の光学近接場変換器を有する熱アシスト磁気記録ヘッドの一例の部分斜視図の断面を示す。
【図8】現在開示されている技術に従い光学近接場変換器から熱エネルギを伝導させる処理の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0004】
詳細な説明
熱アシスト磁気記録(HAMR:Heat Assisted Magnetic Recording)技術は、データを、安定性が高い媒体に、集束させた光を用いてまず媒体を加熱することにより、磁気記録する。HAMR技術は、鉄と白金の合金といった安定性が高い磁性化合物を利用して媒体を構成する。こうした材料は、単一ビットをより小さな領域に記憶することができるが、磁気媒体記憶に使用される従来技術を制限するのと同じ超常磁性効果による制限は受けない。しかしながら、この高安定性の磁性化合物は、媒体上の磁性配向を変化させるために、まず加熱しなければならない。
【0005】
ある実現例において、HAMRヘッドは、少なくとも光学近接場変換器(NFT:Near-Field Transducer)と書込極とを含む。光学NFTは、光を集めて媒体に集束させるのに使用される。集束させた光は、媒体上のスポットの温度を、書込極によって磁性配向を変化させるのに十分に高い温度まで上昇させる(たとえば数百度の温度上昇)。しかしながら、光学NFTが光を集めて集束させたときに生じる極端な熱は、光学NFTの動作寿命を著しく制限する。
【0006】
有限要素解析によると、光学NFTの温度は、媒体の磁性配向を変化させるのに十分な光を集束させたときに、セ氏500度を超える可能性がある。現在開示されている技術は、光学NFTの熱管理のためのヒートシンクを開示している。しかしながら問題がいくつかある。第1に、光学NFTは大きさが小さいため(たとえば一般的には幅100nmから200nm)、熱エネルギを放散する表面積が極めて小さい。第2に、光学NFTの近傍に何も配置されていないので、書込極および/または光学NFTの効率または共振周波数が大幅に低下または変化する可能性がある。他の実現例では、HAMRヘッドにさらに他の小型電子部品(たとえば1つ以上の読取機およびセンサ)が含まれている。光学NFTの近傍に何も配置されていないと、これらのさらなる小型電子部品のうちいずれかの効率または共振周波数が大幅に変化する可能性がある。
【0007】
よって、現在開示されているヒートシンクおよびヒートシンクアセンブリは、光学NFTから熱エネルギを抽出し、この熱エネルギを、HAMRヘッドの周りの空気への対流、HAMRヘッドに隣接する面(たとえば磁気媒体)への放射、および/またはHAMRヘッドの他の部品への伝導によって、伝達する。他の実現例では、光学NFTおよびヒートシンクを、HAMRヘッド以外の記録ヘッドにおいて利用する。
【0008】
図1は、その遠位端に設けられた封入ヒートシンク112を利用するHAMRヘッド106を備えたアクチュエータアームフレキシャ102の一例を示す。座標軸が示されており、y方向は、フレキシャ102の長手方向においてフレキシャ102の遠位端に向かって延び、x方向は、対応する磁気媒体(図示せず)に対して平行な方向においてフレキシャ102を横断して延び、z方向は、磁気媒体に向かって下向きに延びる。アクチュエータアームフレキシャ102は、y方向に延びるカンチレバーアクチュエータアーム(図示せず)に装着される。アクチュエータアームフレキシャ102は、z軸方向において調整されて磁気媒体上の磁気ビットの1以上のトラックを追従することができる。HAMRヘッド106を備えたエアベアリングスライダ(ABS:Air Bearing Slider)104は、磁気媒体(図示せず)に対向するフレキシャ102の面上において、フレキシャ102の遠位端に設けられる。スライダ104によって、HAMRヘッド106は、磁気媒体の対応する面の上でこの面に接近して浮動することができる。電線(たとえばワイヤ108)が、フレキシャ102に沿って概ねy方向に延び、最終的にHAMRヘッド106に接続するスライダ104上のコンタクトパッド(たとえばパッド110)に装着される。処理電子装置(図示せず)に/から送られる読取/書込およびその他の電気信号は、電線およびコンタクトパッドを介してHAMRヘッド106まで送られる。
【0009】
図1には、HAMRヘッド106を回転させて拡大したものの断面図も示されている。このHAMRヘッド106は、x軸を中心として90度、z軸を中心として90度回転させて拡大したものであり、HAMRヘッド106の断面はHAMRヘッド106の中心を通るyz面であるので、HAMRヘッド106内のさまざまな構成要素の向きが明らかになっている。基板124は、HAMRヘッド106の構成要素の載置面の役割を果たし、HAMRヘッド106をABS104に接続している。基板124上に設けられた導波管コア114は、光波を光学NFT116に伝達し、NFT116は、光を集束させて磁気媒体(図示せず)上の一点に導く。
【0010】
典型的には、光学NFT(たとえば光学NFT116)は、HAMRヘッド内における光学導波管クラッド材料として機能するAl2O3によって囲まれている。Al2O3の光学特性は導波管に適しているが、Al2O3の熱伝導率は非常に低い(たとえば1.35W/m/K)。これは、光学NFTが吸収したエネルギを熱エネルギとして実質的に取込み、光学NFTの動作寿命を大幅に制限する。
【0011】
このAl2O3の短所を克服する1つの方法は、光学NFTを、ヒートシンクとして使用される光学品質を有する誘電体のブロックで囲むまたは封入することである。このヒートシンクは、Al2O3よりも熱伝導率が高くかつ光学NFTから有効に熱を伝達するのに十分大きくなければならない。さらに、ヒートシンクは、光学NFTの共鳴に大きな影響を及ぼさないおよび/または導波管損失を生じさせないように、十分小さくおよび/または配向されていなければならない。ある実現例では、光学NFTの1つの構成要素の直径は200nmである。ヒートシンクは、光学NFTと十分に接触するのに足る大きさである必要がある。またさらに、ヒートシンクは、HAMRヘッド内の他の小型電子部品(たとえば1つ以上の読取機およびセンサ)いずれにも大きな影響を及ぼさないように、十分小さくおよび/またはHAMRヘッド内において配向されていなければならない。ある実現例において、ヒートシンクは、結晶相で作ることができるさまざまな金属化合物(たとえばMgO、MgF2、LiF、CaF2、BaF2、BeO、ZnO、Si3N4、および/またはAlN)で構成してもよい。
【0012】
図1に示される光学NFT116は、ヒートシンク112(太線で示される)で囲まれている。ヒートシンク112は、光学NFT116がヒートシンク112内に設けられた状態で導波管コア114上に設けられる。光学NFT116から離れた場所において、従来の光学導波管クラッド材料118(たとえばAl2O3)が用いられる。書込極120は、ヒートシンク112および/またはクラッド材料118の上に設けられる。
【0013】
ある実現例では、ヒートシンク112は、熱エネルギを光学NFT116から伝導によって抽出し、この熱エネルギを周囲のHAMRヘッド106の構成要素(たとえば導波管コア114、クラッド材料118、および/または書込極120)に伝導によって伝達すする。別の実現例では、ヒートシンク112は、熱エネルギを、磁気媒体に対向するヒートシンク112のエアベアリング面122から概ねz方向に位置する隣の磁気媒体(図示せず)に、放射によって伝達する。さらに他の実現例では、ヒートシンク112は、熱エネルギを、エアベアリング面の隣で移動している空気に、対流によって伝達する。さらに他の実現例では、ヒートシンク112は、伝導、放射、および対流による熱エネルギの伝達を組合せたものを利用して光学NFT116の温度を管理する。
【0014】
ヒートシンクを備えていないHAMRヘッド内の光学NFTのある実現例では、光学NFTの温度はHAMRヘッドの動作中に500℃を超える。ヒートシンクを追加すると、ヒートシンクの熱伝導率と動作中の光学NFTの温度上昇との間の逆の関係が明らかになる。ある実現例では、図1に示されるヒートシンクは、エアベアリング面122から負のz方向に0.5ミクロン、トラックを横断する方向(すなわちx方向)に0.5μm延びる。ヒートシンクの熱伝導率が5W/m/Kの場合、光学NFTの温度は、HAMRヘッドの動作中に約275℃上昇する。ヒートシンクの熱伝導率が20W/m/Kの場合、光学NFTの温度は、HAMRヘッドの動作中に約150℃上昇する。
【0015】
図2Aは、書込極220およびヨーク226の一例の斜視図を示す。書込極220(実線で示す)は、ヨーク226(点線で示す)に装着され、ヨーク226からz方向および負のy方向に延びる。ヨーク226は、オフヘッド処理電子機器(図示せず)から書込信号を受ける磁気コイル(図示せず)に装着される。ヨーク226は、磁気コイルからの書込信号を書込極220に伝達し、これは、書込信号を媒体に与えて媒体上のビットの磁気分極を変化させることにより、データを書込信号から媒体に書込む。
【0016】
HAMRヘッド内において、光学NFT(図示せず)は、示されている書込極220およびヨーク226の隣に位置する。ある実現例では、書込極220から熱エネルギを伝導によって抽出することは、光学NFTからの熱エネルギの抽出を促進する。
【0017】
図2Bは、図2Aの書込極220およびヨーク226に金属被覆ヒートシンク228の一例が設けられたものを示す。ヒートシンク228(太線で示す)は、書込極220を被覆し、書込極220からx方向および負のx方向に延びている。ある実現例において、ヒートシンク228は、x方向および負のx方向(すなわちトラックを横断する方向)に数ミクロン(たとえば4μm〜20μm)、y方向およびz方向の厚みはわずか10分の数ミクロンである。この実現例では、ヒートシンク228の大きさおよび表面積は、光学NFTの温度を25%から30%低下させるのに十分である。ある実現例において、優れた熱伝導率を有する1以上の金属を用いて金属被覆部(たとえばCr、Ru、Cu、Au、Ag、Al、Ni、Ir、Pt、W、Ti、Mo、Zr、Rh、Pd、V、およびその合金またはそれをドーピングしたもの)を形成してもよい。
【0018】
図3は、金属被覆ヒートシンク328を備えた書込極320を有するHAMRヘッド300の一例の部分斜視図の断面を示す。図3は、図2Bに示される書込極220とヒートシンク228との間の界面を詳細に示している。ヒートシンク328は、書込極320からx方向およびy方向に延びる。さらに、示されている実現例では、ヒートシンク328は実際光学NFT316に接触していない。熱エネルギは、書込極320および周囲にある任意のクラッド材料318を介して、光学NFT316からヒートシンク228に伝達される。
【0019】
ヒートシンク328は、エアベアリング面322における対流による熱エネルギの伝達を利用することにより、光学NFT316からの熱エネルギの放散を最大にする。好ましくは、ヒートシンク328を非磁性金属で構成してサイドトラック消去および/または書込極320に対する干渉のリスクを最小にする。ある実現例において、ヒートシンク328は、成膜後のスライダ加工(たとえばチップをウエハから分離すること、チップをラッピングすること、チップを研磨すること、空気力学的構造をチップ上にパターン形成すること、保護膜をチップ上に設けることなど)と共存し得る。さらに、ヒートシンク328は、媒体の方向に書込極320を超えて突出しない(ヒータがオンで書込極320を媒体に向かって押出すときも、ヒータがオフのときも)。結果として、ヒートシンク328が原因でHAMRヘッド300の後縁に構造上の問題が生じることはない。
【0020】
ある実現例では、ヒートシンク328を、本明細書に開示されている他の熱エネルギ放散装置のうち1つ以上と組合せてもよい。具体的には、ヒートシンク328は、図4Bおよび図5に示される翼状のヒートシンク432、532とともに使用したときに特に効果的である。本明細書に開示されているヒートシンクのうち1つ以上との組み合わせのことをヒートシンクアセンブリと呼ぶ。
【0021】
図4Aは、光学NFT416の一例の斜視図を示す。光学NFT416を用いて光を集めて媒体(図示せず)に集束させる。集束させた光は、媒体上のスポットの温度を、書込極(図示せず)による磁性配向の変化を引起すのに十分高い温度まで、上昇させる。
【0022】
図4Bは、図4Aの光学近接場変換器416に翼状のヒートシンク432および434の一例を設けたものを示す。ヒートシンク432、434(太線で示す)は、光学NFT416の一部を覆い、光学NFT416からx方向およびy方向に延びている。ある実現例では、ヒートシンク432および434は、x方向および負のx方向(すなわちトラックを横断する方向)に数ミクロン(たとえば4μm〜20μm)延び、y方向の厚みは光学NFT416よりも大きい。
【0023】
結果として、ヒートシンク432および434は、ともに使用された場合、図2Bおよび図3のヒートシンク228および328と接触し得る。この組み合わせが光学NFTの光学効率に与える影響はほとんどまたは全くない。ともに使用されたとき、ヒートシンク228、328および432、434の大きさおよび表面積は、光学NFTの温度を最大50%低下させるのに十分である。ある実現例において、優れた熱伝導率を有する1以上の金属(たとえばCr、Ru、Cu、Au、Ag、Al、Ni、Ir、Pt、W、Ti、Mo、Zr、Rh、Pd、V、およびその合金またはそれをドーピングしたもの)を用いてヒートシンク432および434を形成してもよい。実現例によっては、ヒートシンク432および434を光学NFT416と同じ材料で構成してもよい。
【0024】
図5は、翼状のヒートシンク532を備えた光学NFT516を有するHAMRヘッド500の一例の部分斜視図の断面を示す。図5は、光学NFT516と、翼状ヒートシンク532と、書込極520との間の界面を詳細に示している。ヒートシンク532は、光学NFT516からx方向およびy方向に延びる。熱エネルギは、伝導により、光学NFT516からヒートシンク532に伝わる。次に、熱エネルギは、ヒートシンク532から、周囲の任意のクラッド材料518、導波管コア514、および/または書込極520へと伝導される。さらに、エアベアリング面522での対流による熱エネルギ伝達は、ヒートシンク532から熱エネルギを運ぶ。
【0025】
翼状のヒートシンク532からの熱エネルギの伝導による伝達を改善するために、ヒートシンク532を図2Aおよび図3のヒートシンク228、328とともに使用してもよい。エアベアリング面522におけるヒートシンク228、328の表面積が比較的大きいために、対流による熱エネルギの伝達は、ヒートシンク532のみを用いる実現例と比較すると、遥かに大きい。他の実現例では、ヒートシンク532を、本明細書に開示されている他の熱エネルギ放散装置のうち1つ以上と組合せてもよい。
【0026】
図6Aは、円形の光学NFT636の一例の斜視図を示す。この円形の光学NFT636は、光を集めて媒体(図示せず)に集束させるのに使用される。集束させた光は、媒体上のスポットの温度を、書込極(図示せず)による磁性配向の変化を引起すのに十分高い温度まで、上昇させる。
【0027】
図6Bは、図6Aの円形の光学NFT636に円錐台形状のヒートシンク638の一例を設けたものを示す。ヒートシンク638(太線で示す)は、光学NFT636を覆い、光学NFT636からy方向に延びて円錐台を形成する。ある実現例では、ヒートシンク636は、y方向に1ミクロンの何分の1かにわたって(たとえば50nm〜250nm)延びる。
【0028】
図7は、円錐台形状のヒートシンク738を備えた円形の光学NFT736を有するHAMRヘッド700の一例の部分斜視図の断面を示す。ヒートシンク738は、光学NFT736と書込極720との間でy方向に延びている。熱エネルギは、伝導によって光学NFT736からヒートシンク738に伝わる。次に、このエネルギは、ヒートシンク738から書込極720および周囲の任意のクラッド材料718に伝導される。他の実現例では、ヒートシンク738を本明細書に開示される他のヒートシンクのうち1つ以上と組合せてもよい。
【0029】
ある実現例において、優れた熱伝導率を有する1以上の金属(たとえばCr、Ru、Cu、Au、Ag、Al、Ni、Ir、Pt、W、Ti、Mo、Zr、Rh、Pd、V、およびその合金またはそれをドーピングしたもの)を用いてヒートシンク738を形成してもよい。実現例によっては、ヒートシンク738を形成するために選択された材料を、光学NFT736のカップリング効率の維持にも適合したものにする。プラズモニック(plasmonic)金属(たとえばAu、Ag、Cu、Al、Pd、V、およびその合金またはそれをドーピングしたもの)は、光学NFT736のカップリング効率を維持するのに特に有効である。実現例によっては、ヒートシンク738を光学NFT736と同じ材料で構成してもよい。ある実現例では、ヒートシンク738は、ウエハ処理中に、光学NFT736と書込極720とを薄膜成長方向(すなわちy方向)において接続する。
【0030】
光学NFT736はクラッド材料718およびヒートシンク738によって囲まれている。導波管コア714はクラッド材料718の片側と境を接している。ヒートシンク738は、光学NFT736、クラッド材料718、および書込極720と境を接している。ある実現例では、ヒートシンク738の底の断面の寸法は、光学NFT736の円形部分と同一である。ヒートシンク738が円錐台形状で延びている様子を示しているが、ヒートシンクは円筒の一部の形またはその他の形状で延びていてもよい。
【0031】
光学NFTから熱エネルギを十分に伝導するのに足りる大きさのヒートシンクのxz断面積は、光学NFTの理想的なxz断面積よりも大きいことが多い。図6Bおよび図7の実現例では、光学NFT636、736は、円錐台形状のヒートシンク638、738の底の断面形状と一致させるのに必要な大きさよりも大きくされる。この場合、光学NFT636、736の効率は約30%低下するかもしれないが、光学NFT636、736から放散するパワーは、光学NFTがより小さい場合(たとえば図5の光学NFT516参照)と比較して、約55%増加し得る。なぜなら、光学NFT636、736からヒートシンク638、738および書込極620、720への伝導による熱エネルギの伝達が増すからである。さらに、他に特別な条件がない限り、光学NFT636、736の動作中は、ヒートシンク638、738のxz断面積と光学NFT636、736の温度上昇との間に逆の関係がある。
【0032】
ヒートシンク738のxz断面積を光学NFT736のxz断面積と一致させて熱エネルギ伝達を増大させると、結果として、ヒートシンク738がない理想的な大きさの光学NFTと比較して、光学NFT736における全体的な温度低下は約50%となる場合がある。書込極720は、この実現例において、ヒートシンク738がない実現例と比較すると、50%以上ものパワーを吸収し得る。このようにパワーがさらに吸収されることによって、光学NFTの動作温度が低下して、光学NFTの動作寿命を延ばすことができる。
【0033】
図2Bおよび図3に示されるヒートシンク228、328をヒートシンク738とともに使用した場合、ヒートシンク228、328の体積によって、書込極720に伝導するさらなる熱エネルギのほとんどを放散することができる。結果として、磁気記録ヘッド700の動作中の書込極720の温度は、小さいヒートシンクを用いるまたはヒートシンクを使用しない場合の書込極の温度と同一または略同一であろう。書込極の動作寿命も、動作温度の影響が大きい。ヒートシンク738から書込極720に伝達される熱が書込極720からヒートシンク228または328に伝わるようにすることは、書込極720の所望の動作温度および動作寿命の維持に役立つ。
【0034】
図8は、現在開示されている技術に従い光学近接場変換器から熱エネルギを伝導させる処理800の例を示す。発生処理805において、HAMRヘッド内での動作時に光学NFT内で熱エネルギが発生する。光学NFTは光を集めて磁気媒体に集束させる。その結果、光学NFTが加熱される。現在開示されているヒートシンクのうち1つ以上を用いて、光学NFT内で発生した熱エネルギを放散してもよい。
【0035】
判断処理810において、図1に関連付けて具体的に説明した封入ヒートシンクがHAMRヘッド内にある場合、伝導処理815に進む。HAMRヘッド内に封入ヒートシンクがなければ、発生処理805に戻る。
【0036】
伝導処理815において、光学NFT内で発生した熱エネルギは封入ヒートシンクに伝導される。さらに、光学NFT内で発生した熱エネルギは、光学NFTに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導される。加えて、封入ヒートシンクに伝導された熱エネルギはさらに、封入ヒートシンクに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば書込極、導波管コア、導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。しかしながら、書込極、導波管コア、および/または導波管に伝達される伝導熱エネルギは、光学NFTおよび/または封入ヒートシンクとの熱接触面積が不十分なので、限定される可能性がある。また、書込極、導波管コア、および/または導波管の材料構成が、熱エネルギの伝達に特に適していない可能性もある。
【0037】
判断処理820において、図4Bおよび図5に関連付けて具体的に説明した翼状のヒートシンクがHAMRヘッド内にある場合、伝導処理825に進む。翼状のヒートシンクがHAMRヘッド内になければ、発生処理805に戻る。
【0038】
伝導処理825において、光学NFT内で発生した熱エネルギは翼状のヒートシンクに伝導される。さらに、光学NFT内で発生した熱エネルギは、光学NFTに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。加えて、翼状のヒートシンクに伝導された熱エネルギはさらに、翼状のヒートシンクに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば書込極、導波管コア、導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。
【0039】
判断処理830において、図6Bおよび図7と関連付けて具体的に説明した円錐台形状のヒートシンクがHAMRヘッド内にある場合、伝導処理835に進む。円錐台形状のヒートシンクがHAMRヘッド内になければ、発生処理805に戻る。
【0040】
伝導処理835において、光学NFT内で発生した熱エネルギは円錐台形状のヒートシンクに伝導される。さらに、光学NFT内で発生した熱エネルギは、光学NFTに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。加えて、円錐台形状のヒートシンクに伝導された熱エネルギはさらに、円錐台形状のヒートシンクに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば書込極、導波管コア、導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)に伝導し得る。
【0041】
判断処理840において、図2Bおよび図3と関連付けて具体的に説明した金属で被覆された円錐形のヒートシンクがHAMRヘッド内にある場合、伝導処理845に進む。判断処理840は、円錐台形状のヒートシンク、翼状のヒートシンク、または封入ヒートシンクのうち1つ以上がHAMRヘッド内にある場合に行なわれる。
【0042】
伝導処理845において、光学NFT内で発生した熱エネルギは、導波管クラッド、円錐形のヒートシンク、翼状のヒートシンク、または封入ヒートシンクが存在すればそれを介して金属被覆ヒートシンクに伝導される。さらに、光学NFT内で発生した熱エネルギは、光学NFTに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。加えて、金属被覆ヒートシンクに伝導された熱エネルギはさらに、金属被覆ヒートシンクに隣接するHAMRヘッドの他の構成要素(たとえば書込極、導波管コア、導波管クラッドおよび/または別のヒートシンク)にも伝導し得る。
【0043】
伝導処理845に続いて、金属被覆ヒートシンクが存在していれば、または、判断処理840に続いて、金属被覆ヒートシンクが存在していなければ、対流/放射処理850が行なわれる。対流/放射処理850では、対流冷却面(たとえばHAMRヘッド上のエアベアリング面)を形成するHAMRヘッドの1以上の構成要素(たとえば1以上のヒートシンク、書込極、光学NFT、導波管コア、および/または導波管クラッド)内の熱エネルギが、対流によって、HAMRヘッド上のエアベアリング面と磁気媒体の表面との間を通る空気に伝達される。さまざまな実現例において、HAMRヘッドおよび/または磁気媒体面が動いて空気の擾乱が生じ、これによって、対流による熱エネルギの伝達が増す。さらに、対流/放射処理850は、HAMRヘッド上のエアベアリング面から磁気媒体に直接伝達される放射による熱エネルギ伝達も含み得る。
【0044】
他に特別な条件がない限り、エアベアリング面に対して露出したヒートシンクの表面積が大きいほど、対流による熱エネルギ伝達は大きい。さらに、他に特別な条件がない限り、光学NFTに接触するヒートシンクの表面積が大きいほど、伝導による熱エネルギの伝達は大きい。結果として、金属被覆ヒートシンクを円錐形のヒートシンク、翼状のヒートシンク、または封入ヒートシンクとともに用いて、光学NFTからの熱エネルギの伝導、および、エアベアリング面における対流/放射による熱エネルギの伝達双方を、改善し得る。本明細書に開示されているヒートシンクのうち1つ以上を組合せたものをヒートシンクアセンブリと呼ぶ。
【0045】
上記明細書、実施例、およびデータによって、本発明の例示としての実施の形態の構成および用途に関する説明が完成する。本発明の数多くの実施の形態を発明の精神および範囲から逸脱することなく実現できるので、本発明は以下の請求項に帰する。さらに、異なる実施の形態の構造上の特徴を、記載されている請求項の範囲を逸脱することなく別の実施の形態に組込んでもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱アシスト磁気記録ヘッドであって、
光学近接場変換器と、
前記光学近接場変換器と熱伝導接触し、対流冷却面を有する、ヒートシンクアセンブリとを備える、熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項2】
前記ヒートシンクアセンブリは、少なくとも部分的に前記光学近接場変換器を封入する、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項3】
前記ヒートシンクアセンブリは、前記光学近接場変換器から延びる1対の翼状部分を含む、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項4】
前記ヒートシンクアセンブリは、前記光学近接場変換器から延びる円錐台形状の部分を含む、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項5】
書込極をさらに備え、前記ヒートシンクアセンブリは、前記書込極上の金属被覆部を含む、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項6】
前記ヒートシンクアセンブリは、第1のヒートシンクと第2のヒートシンクとを含み、前記第1のヒートシンクは前記第2のヒートシンクと熱伝導接触する、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項7】
前記ヒートシンクアセンブリは、前記熱アシスト磁気記録ヘッドのエアベアリング面を占める、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項8】
前記ヒートシンクアセンブリは光学品質を有する誘電体を含む、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項9】
前記ヒートシンクアセンブリは非磁性金属を含む、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項10】
前記対流冷却面は、磁気記録媒体に対向するエアベアリング面である、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項11】
光学近接場変換器内の熱エネルギを放散する方法であって、
前記光学近接場変換器内に熱エネルギを発生するステップと、
前記光学近接場変換器内の熱エネルギの少なくとも一部を、前記光学近接場変換器と伝導接触するヒートシンクアセンブリに伝導させるステップと、
前記ヒートシンクに伝導させた熱エネルギの少なくとも一部を、対流冷却面のエアベアリングに対流によって伝達するステップとを含む、方法。
【請求項12】
前記ヒートシンクアセンブリは第1のヒートシンクと第2のヒートシンクとを含み、前記第1のヒートシンクは前記第2のヒートシンクと熱伝導接触する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒートシンクアセンブリは、熱アシスト磁気記録ヘッドのエアベアリング面を占める、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記対流冷却面は磁気記録媒体に対向する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
光学近接場変換器内の熱エネルギを放散するシステムであって、
前記光学近接場変換器と伝導接触する第1のヒートシンクと、
前記第1のヒートシンクと伝導接触する第2のヒートシンクとを備え、前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクのうち一方または双方が、対流冷却面を含む、システム。
【請求項16】
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクのうち一方または双方は、少なくとも部分的に前記光学近接場変換器を封入する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクのうち一方または双方は、前記光学近接場変換器から延びる1対の翼状部分を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクのうち一方または双方は、前記光学近接場変換器から延びる円錐台形状の部分を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
書込極をさらに備え、前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクのうち一方または双方は、前記書込極とも伝導接触し、前記書込極上の金属被覆部を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記対流冷却面は、磁気記録媒体に対向するエアベアリング面である、請求項15に記載のシステム。
【請求項1】
熱アシスト磁気記録ヘッドであって、
光学近接場変換器と、
前記光学近接場変換器と熱伝導接触し、対流冷却面を有する、ヒートシンクアセンブリとを備える、熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項2】
前記ヒートシンクアセンブリは、少なくとも部分的に前記光学近接場変換器を封入する、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項3】
前記ヒートシンクアセンブリは、前記光学近接場変換器から延びる1対の翼状部分を含む、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項4】
前記ヒートシンクアセンブリは、前記光学近接場変換器から延びる円錐台形状の部分を含む、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項5】
書込極をさらに備え、前記ヒートシンクアセンブリは、前記書込極上の金属被覆部を含む、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項6】
前記ヒートシンクアセンブリは、第1のヒートシンクと第2のヒートシンクとを含み、前記第1のヒートシンクは前記第2のヒートシンクと熱伝導接触する、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項7】
前記ヒートシンクアセンブリは、前記熱アシスト磁気記録ヘッドのエアベアリング面を占める、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項8】
前記ヒートシンクアセンブリは光学品質を有する誘電体を含む、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項9】
前記ヒートシンクアセンブリは非磁性金属を含む、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項10】
前記対流冷却面は、磁気記録媒体に対向するエアベアリング面である、請求項1に記載の熱アシスト磁気記録ヘッド。
【請求項11】
光学近接場変換器内の熱エネルギを放散する方法であって、
前記光学近接場変換器内に熱エネルギを発生するステップと、
前記光学近接場変換器内の熱エネルギの少なくとも一部を、前記光学近接場変換器と伝導接触するヒートシンクアセンブリに伝導させるステップと、
前記ヒートシンクに伝導させた熱エネルギの少なくとも一部を、対流冷却面のエアベアリングに対流によって伝達するステップとを含む、方法。
【請求項12】
前記ヒートシンクアセンブリは第1のヒートシンクと第2のヒートシンクとを含み、前記第1のヒートシンクは前記第2のヒートシンクと熱伝導接触する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ヒートシンクアセンブリは、熱アシスト磁気記録ヘッドのエアベアリング面を占める、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記対流冷却面は磁気記録媒体に対向する、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
光学近接場変換器内の熱エネルギを放散するシステムであって、
前記光学近接場変換器と伝導接触する第1のヒートシンクと、
前記第1のヒートシンクと伝導接触する第2のヒートシンクとを備え、前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクのうち一方または双方が、対流冷却面を含む、システム。
【請求項16】
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクのうち一方または双方は、少なくとも部分的に前記光学近接場変換器を封入する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクのうち一方または双方は、前記光学近接場変換器から延びる1対の翼状部分を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクのうち一方または双方は、前記光学近接場変換器から延びる円錐台形状の部分を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
書込極をさらに備え、前記第1のヒートシンクおよび前記第2のヒートシンクのうち一方または双方は、前記書込極とも伝導接触し、前記書込極上の金属被覆部を含む、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記対流冷却面は、磁気記録媒体に対向するエアベアリング面である、請求項15に記載のシステム。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図2A】
【図2B】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2012−133873(P2012−133873A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−278148(P2011−278148)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−278148(P2011−278148)
【出願日】平成23年12月20日(2011.12.20)
【出願人】(500373758)シーゲイト テクノロジー エルエルシー (278)
【Fターム(参考)】
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