説明

熱交換器、並びに、熱源装置

【課題】本発明は、ヒータの消費電力を抑制しつつ、ヒータで発生する総熱量に対する伝熱効率を高めることができる熱交換器、並びに、熱源装置を提供することを目的とした。
【解決手段】熱源装置1は、配管内の液体が凍結することを防止する凍結防止機能を備えたものであって、燃料を燃焼して発生する燃焼ガスで、受熱管43、44を流れる液体を加熱する二次熱交換部14を備えている。二次熱交換部14は、ケース部材15と、入水側ヘッダ20、21及び出水側ヘッダ22、23と、ヒータ装置18を有する。ヒータ装置18は、発熱体47及び伝熱部材48からなる加熱部24と、断熱性及び可撓性を有した板体34で構成されている。ヒータ装置18は、熱源装置1の通常の設置状態を基準に、高位置に配された出水側ヘッダ22、23とケース部材15の側壁面60、61に跨るように取り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器、並びに、熱源装置に関するものであり、特に受熱管内に流れる湯水の凍結を防止する凍結防止機能を備えた熱交換器と、その熱交換器を備えた熱源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、燃焼装置と熱交換器とを備え、燃焼装置において燃料を燃焼して生成された高温の燃焼ガスで熱交換器を加熱し、熱交換器を流れる湯水を昇温させる機能を備えた熱源装置が普及している。特に最近では、主に燃焼ガスの顕熱を回収する一次熱交換器に加えて、主に燃焼ガスの潜熱を回収する二次熱交換器を備えた熱交換効率が高い潜熱回収型の熱源装置の需要が高まっている。そして、この種の熱源装置は、燃焼装置寄りに一次熱交換器が位置し、その一次熱交換器よりも燃焼ガスの流れ方向下流側に二次熱交換器が位置し、その二次熱交換器よりもさらに下流側に燃焼ガスが排気される排気部が設けられた構成とされている。
【0003】
ところで、北海道のような地域(寒冷地)や気温の低下が著しい季節(冬季等)においては、外気温度が氷点下を下回る場合があり、熱源装置内に配された配管内の湯水が凍結してしまう場合がある。特に、熱源装置における主要機器たる熱交換器の内部で凍結が生じて湯水の流路たる受熱管(熱交換器を構成する配管)が破損すると、部品交換や修理費等が高額となる可能性が高い。そのため、従来より、寒冷地等で採用される熱源装置では、少なくとも熱交換器に対しては凍結防止対策が施された構成とされている。具体的には、特許文献1の燃焼機器ように、熱交換器にヒータを設けて主に受熱管内の湯水の凍結防止を図る方策が一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−199648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1で採用されたヒータでは、発生した熱エネルギーの一部しか熱交換器の受熱管に伝熱しないため、伝熱効率が悪く、消費電力の増加を招いていた。
以下にその理由について説明する。
特許文献1の燃焼機器は、特に明記はされていないが、ヒータとして平板状に成形したアルミナやセラミックスに発熱体を内蔵した所謂セラミックヒータ等が採用されていると予測される。そして、その平板状のセラミックヒータ等を受熱管あるいは複数の受熱管が接続されたヘッダに取り付け、受熱管内の湯水を加熱している。
【0006】
即ち、特許文献1のようにセラミックヒータ等を受熱管あるいはヘッダ(受熱管等という)に取り付けた場合、セラミックヒータ等における受熱管と実際に当接して加熱し得る面積(直接的に加熱し得る面積)が著しく小さくなる。これにより、セラミックヒータ等から直接的に受熱管等へ伝熱する熱エネルギーは、セラミックヒータ等で実質的に発生する全熱エネルギーよりも小さくなる。換言すれば、セラミックヒータ等で発生する熱エネルギーは、受熱管等へ直接的に伝熱される割合よりも、大気側に放熱する割合のほうが高い。
さらに、平板状のセラミックヒータ等は、対向する2つの平面から熱エネルギーを伝熱できる構成が一般的であるため、一方の平面だけに接触するように取り付けた場合、他方の平面の熱エネルギーは全て放熱される。
【0007】
以上により、特許文献1のような構成を備えた熱源装置においては、セラミックヒータ等における総熱量を、受熱管等への必要な伝熱量以上に発生させなければならない。即ち、セラミックヒータ等の総熱量を、前記伝熱量よりも割合が高い放熱量を加味した熱量に制御しなければならない。このため、従来技術においては、エネルギーの観点からすると無駄が多く伝熱効率が悪くなり、結果的に消費電力が増加して、ランニングコストの著しい増加を招いていた。
【0008】
そこで、本発明では、従来技術の問題点に鑑み、ヒータの消費電力を抑制しつつ、ヒータで発生する総熱量に対する伝熱効率を高めることができる熱交換器、並びに、熱源装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、液体が流れる受熱管と、液体を受熱管に導入する入水側ヘッダ及び受熱管を通過した液体を吐出する出水側ヘッダと、受熱管の大部分を覆うケース部材とを有する多管式の熱交換器であって、加熱手段を備え、前記加熱手段は、加熱部と、可撓性及び断熱性を有する板体とで構成され、加熱部は板体と一体となって変形するものであって、入水側ヘッダ及び/又は出水側ヘッダとケース部材の壁面に跨って取り付けられていることを特徴とする熱交換器である。
【0010】
本発明の熱交換器は、受熱管内の液体の凍結を防止できる機能を備えており、その機能を加熱手段によって果たす構成とされている。即ち、本発明の熱交換器は、加熱部が可撓性を有する板体と一体となって変形する加熱手段を有し、その加熱手段が入水側や出水側のヘッダとケース部材の壁面に跨って取り付けられた構成とされている。
即ち、本発明によれば、受熱管がケース部材に覆われたような構造を備えた熱交換器、例えば潜熱を回収する二次熱交換器であって、ケース部材の内部に潜熱の回収により凝縮水が発生するような構造であっても、凝縮水による影響を考慮することなくケース部材の内部に位置する受熱管を加熱することができる。具体的には、加熱手段をケース部材の外部側に配し、ヘッダの形状に沿って取り付ける。これにより、加熱手段における実質的に昇温する部分と液体の流路を形成するヘッダとの接触面積の割合を、従来技術よりも拡大させることができる。さらに、本発明では、加熱部は断熱性を有する板体の作用によって、外気への放熱量を抑えることができる。従って、本発明によれば、加熱手段からヘッダを介して受熱管に伝熱する(直接的加熱)熱量の割合を増加させることができるため、従来に比べると確実に伝熱効率を向上させることができる。
また、本発明では、加熱手段が、ケース部材の壁面に対しても接触しているため、このケース部材の壁面を介して、ケース部材内部の温度を昇温させることができる。即ち、本発明によれば、ケース部材内部の気体を昇温させて、ケース部材内部に位置する受熱管を気体を介して加熱する(間接的加熱)ことができる。
【0011】
このように、本発明では、加熱手段によるヘッダを介した直接的加熱と、加熱手段によるケース部材の壁面を介した間接的加熱の双方の加熱作用によって、受熱管を加熱することができるため、受熱管内の液体への伝熱効率を著しく向上させることができる。従って、本発明によれば、加熱手段における消費電力を、従来よりも格段に低くしても、従来技術以上の加熱効果を得ることができるため、ランニングコストの低下を図ることができる。即ち、本発明は省エネルギーの効果が高い。
【0012】
また、本発明の熱交換器では、例えば、加熱手段を粘着性を有する固定手段(例えば粘着テープ)を介して、ヘッダやケース部材の壁面に取り付けたとしても、熱によって粘着力がなくなることがない。即ち、本発明によれば、ヘッダとケース部材の壁面に跨って加熱手段が取り付けられており、加熱手段による熱エネルギーを主に2方向(ヘッダを介する方向とケース部材の壁面を介する方向)に効率的に分散させることができるため、発熱された熱が加熱手段近傍に留まることがない。特に、この熱の分散作用は、例えば、熱交換器に接続された配管等の凍結予防として行われる水抜き後の熱交換器において有効的である。即ち、熱交換器内に液体が存在せず、熱が分散しにくい状況(加熱手段近傍に熱が長期的にこもる状況)において、加熱手段が起動してしまった場合であっても加熱手段で発生した熱を確実に分散させることができる。
このように、本発明によれば、水抜きによって熱交換器内の液体が抜かれた状況であっても、加熱手段による熱が効率的に分散するため、粘着性を有する固定手段が加熱手段の熱によって焦げるような不具合や、溶けるような不具合が生じることがない。即ち、加熱手段がヘッダやケース部材の壁面から剥がれ落ちて、凍結防止機能が果たせなくなることを阻止できる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記熱交換器は、ケース部材内に高温の気体を通過させて受熱管を加熱するものであって、入水側ヘッダと出水側ヘッダのうち、通常の設置状態を基準に、高位置に配されたヘッダ側に加熱手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器である。
【0014】
ここで、一般的に、熱交換器におけるケース部材は、気体が流出入する供給側及び排気側開口を有し、それらの開口はケース部材を形成する壁面の一部に設けられている。即ち、ケース部材の内部の視点からすれば、ケース部材の壁面が前記開口の「へり」を形成している。そして、この「へり」によって、ケース部材の内部においては他の箇所より気体が滞留し易い空間が形成されている。
また、温度の高い気体は、温度の低い気体よりも密度が小さいため、空間においては上部側に滞留し易い傾向がある。
一方、ケース部材内部に高温の気体を通過させない状態、つまり熱交換器が具備された熱源装置等の運転が停止した状態においては、排気側開口から外部の常温の気体がケース部材内部に流入する場合がある。
これらの事実を総合的に勘案すると、ケース部材内部においては、排気側開口から外部の比較的低温の気体が流入した場合、ケース部材内部においては主に開口の鉛直方向上端より下部側に滞留する高温の気体が前記低温の気体によってケース部材内部から排出されてしまう。これにより、たとえ加熱手段で間接的な加熱を期待したとしても、その効果が弱くなってしまう懸念があった。
そこで、本発明では、加熱手段をケース部材の鉛直方向上部側のヘッダ及びその近傍の壁面に設け、加熱手段による間接的加熱の効果が弱まることを抑制する構成とした。これにより、外部からケース部材内に低温の気体が流入したとしても、加熱手段による熱がケース部材内部の上部側に滞留するため、間接的加熱効果が低減することが抑制される。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記加熱部は、電熱線をゴム製の管で被覆した発熱体と、伝熱性を有した平面状の伝熱部材を有し、発熱体を伝熱部材の一方の平面側に配して一体的に構成したものであって、加熱手段は、前記板体が伝熱部材の他方の平面側に配されて形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器である。
【0016】
かかる構成によれば、加熱部が電熱線をゴム製の管で被覆した発熱体と、伝熱性を有した平面状の伝熱部材により構成されているため、熱交換器の大きさに応じて、伝熱部材の大きさや発熱体の発熱容量を変更することが容易である。また、伝熱部材の他方の平面側には板体が設けられているため、加熱部における大気側への放熱が抑制される。即ち、本発明によれば、加熱手段による熱を、より効率的に受熱管に伝熱できる上、さらなる省エネルギーを図ることが可能である。
【0017】
本発明の熱交換器は、前記熱交換器は、ケース部材内に高温の気体を通過させて受熱管を加熱するもので、前記高温の気体は、燃焼により発生する燃焼ガスであって、前記熱交換器は、主に燃焼ガスの潜熱を回収する熱回収手段であることが望ましい。(請求項4)
【0018】
本発明の熱交換器は、前記受熱管は、入水側ヘッダから出水側ヘッダに至るまで螺旋状に巻かれた流路であることが望ましい。(請求項5)
【0019】
請求項6に記載の発明は、燃料を燃焼して燃焼ガスが生成される燃焼部と、請求項1乃至5のいずれかに記載した熱交換器とを有し、前記熱交換器内を通過する湯水又は熱媒体を燃焼ガスで加熱し、昇温した湯水そのもの又は熱媒体の熱エネルギーを外部に供給する機能を備えていることを特徴とする熱源装置である。
【0020】
本発明の熱源装置は、加熱手段によって熱交換器の凍結を防止できる凍結防止機能を備えた構成とされている。即ち、本発明の熱源装置は、熱交換器に可撓性及び断熱性を有する板体と一体となって変形する加熱部を具備した加熱手段を備え、その加熱手段が入水側や出水側のヘッダとケース部材の壁面に跨って取り付けられた構成とされている。そのため、本発明では、加熱手段によるヘッダを介した直接的加熱と、加熱手段によるケース部材の壁面を介した間接的加熱の双方の加熱作用によって、受熱管を加熱することができるため、受熱管内の湯水への伝熱効率を著しく向上させることができる。従って、本発明によれば、加熱手段における消費電力を、従来よりも格段に低くしても、従来技術以上の加熱効果を得ることができるため、高い省エネルギー効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の熱交換器、並びに、熱源装置では、可撓性を有する板体と一体となって変形する加熱部を有する加熱手段を有し、その加熱手段をヘッダとケース部材の壁面に跨って取り付けるため、直接的加熱に加えて、間接的加熱によって受熱管内部の湯水を昇温させることができる。これにより、従来技術より小さな消費電力であっても加熱手段における伝熱効果を高めることができるため、省エネルギーを図りつつ、凍結防止効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る熱源装置を示す作動原理図である。
【図2】図1の二次熱交換部の実体を示す斜視図である。
【図3】図2の二次熱交換部のケース部材内に収容された受熱管に注目した斜視図である。
【図4】図2の二次熱交換部の実体図を別の角度から見た斜視図である。
【図5】図4の二次熱交換部のケース部材内に収容された受熱管に注目した斜視図である。
【図6】図2の二次熱交換部をA−A方向から見た断面図である。
【図7】ヒータ装置を示す斜視図である。
【図8】図7のヒータ装置を示す分解斜視図である。
【図9】図2の二次熱交換部を示すB方向矢視図である。
【図10】図9の二次熱交換部を示すC方向矢視図である。
【図11】図9の二次熱交換部を示すD方向矢視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、本発明の実施形態に係る熱源装置1について説明する。
本実施形態の熱源装置1は、所謂二缶二水路型の熱源装置であり、独立した燃焼系統を備えた構成とされている。即ち、熱源装置1は、図1に示すように、給湯側缶体2と暖房側缶体3を有し、それぞれに燃料を燃焼して燃焼ガスを生成する燃焼部5、6と、主に燃焼ガスの顕熱を回収する一次熱交換器7、8と、送風機10、11が設けられた構成とされている。さらに熱源装置1は、前記一次熱交換器7、8の燃焼ガスの流れ方向下流側(図1において上側)に位置し主に燃焼ガスの潜熱を回収する二次熱交換器12、13が設けられた構成とされている。即ち、本実施形態の熱源装置1は、所謂潜熱回収型の熱源装置である。
なお、本実施形態の熱源装置1は、主に二次熱交換器12、13に特徴的構成を有しているため、二次熱交換器12、13について詳細に説明し、その他の部品に関しては簡単に説明する。
【0024】
まず、熱源装置1の前記その他の部品について説明する。
燃焼部5、6は、それぞれガス燃料を燃焼するバーナ30と、燃焼空間部32、33とから構成されている。そして、バーナ30に対して燃料の供給を制限可能な電磁弁35が設けられている。燃焼空間部32、33は、バーナ30における燃焼により火炎が形成される空間であり、燃焼により生成された燃焼ガスの発生部分でもある。
なお、図示しないが、電磁弁35よりも燃料の流れ方向上流側には、ガス比例弁及び元ガス電磁弁が配されている。
送風機10、11は、公知のそれと同様である。
【0025】
一次熱交換器7、8は、主要構成部材として湯水が流れる受熱管36、39と受熱管36、39の外部に取り付けられたフィン50を有し、その主要構成部材が銅製の所謂フィン・アンド・チューブ型の熱交換器である。そして、一次熱交換器7、8は、前記したように、燃焼ガスの顕熱を回収する顕熱回収手段として機能するものであり、受熱管36、39の内部を流れる湯水又は熱媒体を加熱するものである。
【0026】
即ち、一次熱交換器7、8は、受熱管36、39に湯水が導入される入水口37、38と、受熱管36、39を通過した湯水が吐出する出水口40、41とを備えている。具体的には、給湯側缶体2においては、後述する二次熱交換器12を通過した湯水が入水口37から一次熱交換器7に導入されると、その湯水は一次熱交換器7で加熱された後、出水口40を介してカラン等に供給される。また、暖房側缶体3においては、後述する二次熱交換器13を通過した熱媒体が入水口38から一次熱交換器8に導入されると、その熱媒体は一次熱交換器8で加熱された後、出水口41を介して床暖房機器やファンコンベクタ等の暖房端末29に供給される。即ち、一次熱交換器7、8は、二次熱交換器12、13よりも湯水又は熱媒体の流れ方向下流側に位置する。
【0027】
次に、本実施形態における特徴的構成たる二次熱交換器12、13について説明する。
本実施形態における二次熱交換器12、13は、図1、3、5に示すように、いずれも所謂多管式の熱交換器で、1つのケース部材15に給湯側の管路部材16及び暖房側の管路部材17の大半が収容された構成とされている(以下、給湯側と暖房側の二次熱交換器12、13を総称して二次熱交換部14という)。即ち、二次熱交換部14は、給湯側の二次熱交換器12と暖房側の二次熱交換器13との複合体である。そして、二次熱交換部14は、ケース部材15の外部で管路部材16、17の一部を形成する入水側ヘッダ20、21及び出水側ヘッダ22、23と、凍結防止用のヒータ装置(加熱手段)18が設けられている。
なお、二次熱交換部14には、燃焼ガスの潜熱が奪われた際に発生する凝縮水(ドレン)を中和して排水するドレン排水系統(図示しない)が接続されているが、本発明に関係しないため説明を省略する。
【0028】
ケース部材15は、ステンレス鋼製であり、給湯側と暖房側の双方の管路部材16、17を収容する収容空間19を有した直方体状の筐体である。そして、図2、4に示すように、ケース部材15の1組の対向する側壁面25、26に燃焼ガスが流出入する開口27、28が設けられている。具体的には、ケース部材15には、図2の正面側(図4の背面側)に示す側壁面25に収容空間19内に燃焼ガスが流入する流入側開口27が設けられ、図2の背面側(図4の正面側)に示す側壁面26に収容空間19から流出する流出側開口28が設けられている。
【0029】
さらに具体的には、流入側開口27は、給湯側の燃焼部5で生成された燃焼ガスが通過する給湯側流入開口27aと、暖房側の燃焼部6で生成された燃焼ガスが通過する暖房側流入開口27bに分割された構成であり、流出側開口28は、給湯側流入開口27aと暖房側流入開口27bのそれぞれを通過した燃焼ガスが合流し得る構成である。また、各開口27、28は、それぞれの側壁面25、26の縁から離反した位置に形成されている。即ち、その各開口27、28の開口縁と側壁面25、26の縁との間には、一定距離の間隔が空けられ、開口27、28の周囲に側壁面25、26によるへり部45、46が形成されている。換言すれば、収容空間19には、図6に示すように、へり部45、46によって、開口27、28の位置から外れた上部側空間65及び下部側空間66が形成されている。
【0030】
また、ケース部材15の内部には、図3、5に示すように、収容空間19を給湯側と暖房側に2分割する仕切板42が設けられている(以下、給湯側の空間を給湯側収容空間19a(図1)、暖房側の空間を暖房側収容空間19b(図1)という)。なお、本実施形態では、給湯側収容空間19aは、暖房側収容空間19bよりも空間容積が大きくなるように設定されている。
仕切板42は、平面状の板であり、給湯側流入開口27aと暖房側流入開口27bとの間に配され、流出側開口28を2分割した配置とされている。即ち、ケース部材15の内部においては、仕切板42によって、給湯側収容空間19aに導入された燃焼ガスは暖房側収容空間19bに混入することなく流出側開口28に至り、暖房側収容空間19bに導入された燃焼ガスは給湯側収容空間19aに混入することなく流出側開口28に至る。
【0031】
管路部材16、17は、大半の部分がケース部材15の内部に位置する複数の受熱管43、44(本実施形態では給湯側及び暖房側に6本ずつ)と、入水側ヘッダ20、21及び出水側ヘッダ22、23によって構成されている。即ち、管路部材16、17は、受熱管43、44の入水側端部に入水側ヘッダ20、21が接続され、出水側端部に出水側ヘッダ22、23が接続されている。
受熱管43、44は、ステンレス鋼製で熱伝導性に優れ、表面が平滑な配管によって形成された、所謂裸管である。また、6本の受熱管43、44は、図3、5に示すように、それぞれ一定の間隔を空けて平行に配置され、その平行状態を維持した状態で、入水側の端部から出水側の端部に向かって同心円の螺旋状に巻回された構成とされている。そして、各受熱管43、44の螺旋構造は、鉛直方向に一定の間隔を空けた5段構造とされている。
【0032】
入水側ヘッダ20、21及び出水側ヘッダ22、23は、図2〜5に示すように、平行に配された複数の受熱管43、44を並列的に接続する流路接続手段であって、管状のものが採用されている。具体的には、入水側ヘッダ20、21及び出水側ヘッダ22、23には、管の側壁に複数(受熱管43、44の本数と同数)の開口を有する。この開口(図示しない)は、各ヘッダ20〜24の管の軸線方向に並ぶように配されており、各受熱管43、44が連通するように接続されている。即ち、入水側ヘッダ20、21に流入した湯水又は熱媒体は、入水側ヘッダ20、21の開口と連通した各受熱管43、44に供給され、受熱管43、44を通過して、出水側ヘッダ22、23の開口から出水側ヘッダ22、23に流入して排出される。
【0033】
ヒータ装置18は、図7に示すように、主に加熱部24と断熱性を備えた板体34とで構成されている。
加熱部24は、図7に示すように、通電により発熱する管状の発熱体47と、その発熱体47で発生した熱エネルギーを他部材に対して効率的に伝熱可能な伝熱部材48とを有する。
発熱体47は、図8に示すように、長尺状の電線であり、シリコンゴム等の耐熱性及び可撓性を備えた外郭部材55と、ガラスウール等で形成された芯部材56と、その芯部材に螺旋状に巻回された電熱線57によって構成されている。
伝熱部材48は、伝熱性が高いアルミニウム等の金属をほぼ箔状にしたものが採用されている。また、伝熱部材48には、平面のいずれにも粘着剤等が塗布されている。
板体34は、断熱性に加えて、発熱体47の熱に耐えうる程度の耐熱性と、他部材の形状に沿って変形し得る程度の可撓性が備えられたものが採用されている。具体的には、板状にしたゴムや合成樹脂等である。
以上により、ヒータ装置18は、図7に示すように、伝熱部材48を基準に、一方の平面側の粘着部に発熱体47が貼り付けられ、他方の平面側の粘着部に板体34が貼り付けられて形成されている。即ち、本実施形態のヒータ装置18は、板体34によって大気への放熱を抑制しつつ、伝熱部材48の作用により発熱体47の熱エネルギーを効率的に他部材に伝熱することが可能な構成である。
【0034】
続いて、二次熱交換部14の各部材の位置関係について説明する。
本実施形態における二次熱交換部14は、図1、3に示すように、ケース部材15の仕切板42の左側に位置する給湯側収容空間19aに給湯側の管路部材16の一部を構成する受熱管43が配され、ケース部材15の仕切板42の右側に位置する暖房側収容空間19bに暖房側の管路部材17の一部を構成する受熱管44が配されている。より具体的には、各収容空間19a、19bでは、特に鉛直方向に注目すると、受熱管43、44が上部側空間47から下部側空間48に渡って配されている(図6)。
【0035】
給湯側の管路部材16の残部を構成する入水側ヘッダ20及び出水側ヘッダ22と、暖房側の管路部材17の残部を構成する入水側ヘッダ21及び出水側ヘッダ23は、図2〜5に示すように、ケース部材15の外側に位置するように配されている。具体的には、給湯側の入水側ヘッダ20及び出水側ヘッダ22は、ケース部材15の側壁面であって、燃焼ガスが通過する開口27、28が設けられた側壁面25、26と交差(本実施形態では直交)する側壁面60の外側近傍に配され、暖房側の入水側ヘッダ21及び出水側ヘッダ23は、開口27、28が設けられた側壁面25、26と交差(本実施形態では直交)する側壁面61の外側近傍に配されている。即ち、給湯側の各ヘッダ20、22と暖房側の各ヘッダ21、23は、それぞれ同一の側壁面60、61の外側近傍に位置する配置とされている。
なお、側壁面60と側壁面61は、互いに対向しており、さらにほぼ平行した位置関係である。
【0036】
また、入水側ヘッダ20、21と、出水側ヘッダ22、23は、二次熱交換部14あるいは熱源装置1の通常の設置状態を基準に、互いに異なる高さとなるような配置とされている。具体的には、図9に示すように、入水側ヘッダ20、21が、出水側ヘッダ22、23に対して低位置となる配置とされている。換言すると、入水側ヘッダ20、21は、下部側空間48に近く、出水側ヘッダ22、23は、上部部側空間47に近い配置である。
【0037】
ヒータ装置18は、図9に示すように、ケース部材15の外側に3箇所(ヒータ装置18a、18b、18c)取り付けられている。即ち、1つのヒータ装置18aは、図4に示すように、給湯側収容空間19a内に配された受熱管43を加熱すべく、側壁面60と出水側ヘッダ22に跨るように取り付けられ、別の1つのヒータ装置18bは、図2に示すように、暖房側収容空間19b内に配された受熱管44を加熱すべく、側壁面61と出水側ヘッダ23に跨るように取り付けられ、さらに別の1つのヒータ装置18cは、図10に示すように、給湯側収容空間19a内の受熱管43及び暖房側収容空間19b内の受熱管44の双方を加熱すべく、ケース部材15を構成する底面62であって、給湯側収容空間19aと暖房側収容空間19bに跨るように取り付けられている。
【0038】
より具体的に説明すると、ヒータ装置18a、18bは、中途の部分が入水側ヘッダ20、21の外側面の形状に沿って伝熱部材48に塗布された粘着剤を介して貼付され、その他の部分(出水側ヘッダ22、23に貼付された状態でその出水側ヘッダ22、23から逸脱した部分)が出水側ヘッダ22、23から連続的に側壁面60、61に沿って粘着剤を介して貼付されている。なお、ヒータ装置18a、18bの側壁面60、61に貼付される部位は、図9、11に示すように、側壁面60、61に沿って、ケース部材15の天面63と底面62に至る程度の長さとされている。
ヒータ装置18cは、給湯側収容空間19aの収容空間19に占める割合と、暖房側収容空間19bの収容空間19に占める割合に基づいて、給湯側に重なる割合と暖房側に重なる割合が設定されている。換言すれば、ヒータ装置18cは、図9に示すように、仕切板42を基準に、給湯側に位置する領域が暖房側に位置する領域よりも大きくなるように設定されている。
【0039】
次に、本実施形態の熱源装置1の動作について説明する。
本実施形態の熱源装置1は、所望の温度に昇温させた湯水を給湯する給湯動作と、暖房端末29に熱エネルギーを供給する暖房動作を備えている。なお、熱源装置1における給湯動作及び暖房動作は、公知技術のそれと同様であるため、簡単に説明する。
即ち、給湯動作は、カラン等が操作されると、図示しない給水源から供給される湯水を給湯側の一次熱交換器7及び二次熱交換器12で加熱して、出湯させる運転モードである。
また、暖房動作は、図示しないリモコン等を介して、暖房端末29の運転が開始されると、熱媒体を一次熱交換器8及び二次熱交換器13と暖房端末29との間で熱媒体を循環させて、一次熱交換器8及び二次熱交換器13で加熱した熱媒体を暖房端末29に供給させる運転モードである。
即ち、熱源装置1における給湯動作及び暖房動作においては、公知のそれと同様、燃焼部5、6で発生した燃焼ガスが、それぞれの缶体2、3及び二次熱交換部14を通過して、湯水や熱媒体を加熱して外部に排気される。逆に、熱源装置1がいずれの動作も実行されていなければ、燃焼ガスの流れが発生することはない。
【0040】
次に、二次熱交換部14が有する凍結防止用のヒータ装置18の機能及び作用について説明する。
本実施形態では、外部の雰囲気温度を検知する図示しない外気温センサの検知温度が低く(例えば氷点下よりも僅かに高い温度)、熱源装置1における給湯動作と暖房動作のいずれも実行されていない場合、二次熱交換部14の管路部材16、17内に滞留した湯水又は熱媒体に生じ得る凍結を防止すべく、凍結防止機能が起動される。即ち、ヒータ装置18に電流が通電され、二次熱交換部14における配管内の湯水及び熱媒体が加熱される。
【0041】
具体的には、出水側ヘッダ22、23に取り付けられたヒータ装置18a、18bに通電されると、発熱体47が発熱して高温となり、その熱が伝熱部材48に伝わる。そして、発熱体47の熱が伝熱部材48に伝わると同時に、出水側ヘッダ22、23及びケース部材15の側壁面60、61にもその熱が伝熱される。これにより、出水側ヘッダ22、23を通じて、ケース部材15内の受熱管43、44(出水側ヘッダ22、23よりも上流側)や出水側ヘッダ22、23よりも下流側の配管等が加熱される(以下、配管の直接的加熱ともいう)と共に、側壁面60、61を通じて、収容空間19内の気体が加熱されその加熱された気体の熱によってさらに受熱管43、44が加熱される(以下、配管の間接的加熱ともいう)。そして、受熱管43、44等の配管内の湯水又は熱媒体は、配管の直接的加熱及び配管の間接的加熱の作用により昇温する。
さらに、本実施形態では、ケース部材15の底面62にヒータ装置18cが貼付されているため、ケース部材15の底面62側からも受熱管43、44を間接的に加熱することができる。
【0042】
このように、本実施形態では、配管の直接的加熱のみならず、側壁面60、61及び底面62からの配管の間接的加熱の効果を期待できるため、受熱管43、44等の配管内の湯水又は熱媒体の昇温効果が高い。さらに、本実施形態では、加熱部24を断熱性及び可撓性を備えた板体34で覆い、加熱対象物の形状に沿って取り付けた構成としたため、加熱部24で発生した熱の放熱が抑制されると共に、加熱部24で発生した熱の伝熱効率を向上させることができる。即ち、本実施形態の構成によれば、ヒータ装置18における消費電力を従来技術よりも小さくしたとしても、同程度の効果あるいはそれ以上の効果を得ることができる。これにより、省エネルギーを図ることができる。
【0043】
また、本実施形態では、加熱部24を長尺状の発熱体47と平面状の伝熱部材48で構成したため、発熱体47の熱を効率的に分散させることができる。換言すれば、発熱する発熱体47が実際に当接する面積以上の領域に発熱体47の熱が伝熱されるため、配管内の湯水や熱媒体を効率的に昇温させることができる。
また、逆に言えば、発熱体47の熱が効率的に分散するため、その熱が加熱部24の近傍にこもる可能性が低い。そのため、たとえ寒冷地における「水抜き」の作用により、受熱管43、44を含めた配管等に湯水又は熱媒体が存在しないような場合であっても、加熱部24で発生した熱が近傍にこもることなく分散する。即ち、本実施形態のように、ヒータ装置18を粘着剤を介して貼付したとしても、加熱部24が粘着剤を過剰に加熱してその粘着剤を焦がしたり溶かしてしまうような不具合が発生しにくい。結果的に、ヒータ装置18が出水側ヘッダ22、23やケース部材15から剥がれ落ちるようなことを防止できる。
【0044】
また、本実施形態では、入水側ヘッダ20、21と出水側ヘッダ22、23のうち、二次熱交換部14又は熱源装置1の通常の設置を基準に、高位置且つ燃焼ガスの流れ方向下流側にあるヘッダにヒータ装置18が貼付されるように配したため、「配管の間接的加熱」の効果が低減してしまう問題が抑制される。以下に、この理由について説明する。
熱源装置1においては、運転停止中に外部から空気が吹き込まれることがあり、その空気は、二次熱交換部14の流出側開口28から流入側開口27に向かって流れる。また、一般的に、温度が高い空気は、低い空気よりも密度が小さいため上昇する。
このような現象に鑑みると、二次熱交換部14において、ヒータ装置18によって、底面側を中心に加熱した場合、収容空間19内の気体が昇温して上昇するが、外部からの空気の吹き込みによって、その加熱された空気は外部の空気の流れに乗って流入側開口27に排出されるため、折角、配管の間接的加熱を図ったとしても、効果が低減する。
しかしながら、本実施形態のように、高位置且つ燃焼ガスの流れ方向下流側にある出水側ヘッダ22、23にヒータ装置18が配されるように取り付けたため、外部から吹き込まれる空気が加熱された気体を流入側開口27に押し出すような現象が発生しにくい。特に、本実施形態では、開口27、28のへり部45によって形成された上部側空間47に加熱された気体が滞留し易いため、配管の間接的加熱の効果が殆ど低減することがない。
【0045】
上記実施形態では、ヒータ装置18を給湯側と暖房側の双方に設けた構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、給湯側のみに設けた構成であっても構わない。この理由としては、暖房側の配管内には、通常、不凍液の熱媒体が用いられるため、わざわざ凍結防止対策を施す必要がないということが挙げられる。この構成により、ヒータ装置を付加することに起因する製造コストの増加を抑えることができる。
【0046】
上記実施形態では、二次熱交換部14又は熱源装置1の通常の設置を基準に、出水側ヘッダ22、23が、入水側ヘッダ20、21よりも高位置且つ燃焼ガスの流れ方向下流側に位置する構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、入水側ヘッダ20、21が、出水側ヘッダ22、23よりも高位置且つ燃焼ガスの流れ方向下流側に位置する構成であっても構わない。即ち、受熱管43、44を流れる湯水又は熱媒体の流れに対して、燃焼ガスの流れが対向する、所謂対向流の関係にした構成である。そして、この構成においても、入水側ヘッダ20、21に配されるようにヒータ装置18を設けることで、上記実施形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。
【0047】
また、かかる構成では、ヒータ装置18を入水側ヘッダ20、21に取り付けたため、入水側ヘッダ20、21の表面での結露が軽減される。即ち、入水側ヘッダ20、21には、低温の湯水の温度と比較的温かいヘッダ周囲の温度との温度差により、結露水が発生することが知られている。そして、通常、断熱シート等を用いて結露対策が施されているが、ヒータ装置18を取り付けることで、同様の効果を得ることができるため、その断熱シートを省略でき、結果的に製造コストを削減することができる。
【0048】
またここで、受熱管を流れる液体の熱交換効率の観点からすれば、熱交換器を通過する高温の気体の流れ方向下流側に入水側ヘッダが配されることが好ましいとされている。また、入水側ヘッダは、出水側ヘッダよりも液体の流れ方向上流側に位置し、熱交換器による加熱前の液体が流れる部分である。
即ち、かかる構成によれば、入水側ヘッダ20、21を出水側ヘッダ22、23よりも高位置且つ燃焼ガスの流れ方向下流側に配置した場合、入水側ヘッダ20、21近傍は、ケース部材15内部を通過する気体の温度が低くなり(この構成の場合の出水側ヘッダ22、23側に比べて低温)、さらに入水側ヘッダ20、21内部を流れる液体の温度も低い(二次熱熱交換部14で加熱される前の温度)。これによれば、入水側ヘッダ20、21にヒータ装置18を取り付けることで、熱源装置1の通常の運転時において、ヒータ装置18の近傍に熱が長期的にこもる可能性がなくなる。即ち、ヒータ装置18の発生する熱以外が作用して、粘着剤を焦がしたり、溶かしたりするような不具合を防止することができるため、粘着性を有する固定手段を用いたとしてもヒータ装置18が不意に剥がれ落ちるなどのおそれがなくなる。
【0049】
上記実施形態では、ヒータ装置18a、18bを、ケース部材15の側壁面60、61の天面63から底面62に渡るように配したが、本発明ではこれに限定されず、例えば、ケース部材15の天面62から側壁面60、61の高さ方向中途の位置までの大きさとして取り付けた構成であっても構わない。
上記実施形態の構成に加えて、ケース部材15の天面63にヒータ装置18を取り付けた構成であっても、ケース部材15の底面62に取り付けたヒータ装置18cに替えて、ケース部材15の天面63に取り付けた構成であっても構わない。
【0050】
上記実施形態では、ケース部材15の底面62にヒータ装置18cを取り付けた構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、底面62は平面であるので、例えば加熱対象物の形状に変化するヒータ装置18に替えて、従来より存在するアルミナやセラミックスに発熱体を内蔵した所謂セラミックヒータ等を採用した構成であっても構わない。
【0051】
上記実施形態では、底面62に取り付けたヒータ装置18cを、給湯側と暖房側に跨るように配した構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、給湯側と暖房側のそれぞれに個々のヒータ装置18を配する構成であっても構わない。
【0052】
上記実施形態では、出水側ヘッダ22、23にヒータ装置18が配されるように取り付けた構成を示したが、本発明ではこれに限定されず、入水側ヘッダ20、21と、出水側ヘッダ22、23の双方にヒータ装置18が配されるように取り付けた構成であっても構わない。
【符号の説明】
【0053】
1 熱源装置
5、6 燃焼部
12、13 二次熱交換器
14 二次熱交換部
15 ケース部材
16、17 管路部材
18 ヒータ装置(加熱手段)
19 収容空間
20、21 入水側ヘッダ
22、23 出水側ヘッダ
24 加熱部
25、26、60、61 側壁面
27 流入側開口
28 流出側開口
34 板体
45、46 へり部
47 発熱体
48 伝熱部材
65 上部側空間
66 下部側空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体が流れる受熱管と、液体を受熱管に導入する入水側ヘッダ及び受熱管を通過した液体を吐出する出水側ヘッダと、受熱管の大部分を覆うケース部材とを有する多管式の熱交換器であって、
加熱手段を備え、
前記加熱手段は、加熱部と、可撓性及び断熱性を有する板体とで構成され、加熱部は板体と一体となって変形するものであって、入水側ヘッダ及び/又は出水側ヘッダとケース部材の壁面に跨って取り付けられていることを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
前記熱交換器は、ケース部材内に高温の気体を通過させて受熱管を加熱するものであって、
入水側ヘッダと出水側ヘッダのうち、通常の設置状態を基準に、高位置に配されたヘッダ側に加熱手段が取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器。
【請求項3】
前記加熱部は、電熱線をゴム製の管で被覆した発熱体と、伝熱性を有した平面状の伝熱部材を有し、発熱体を伝熱部材の一方の平面側に配して一体的に構成したものであって、
加熱手段は、前記板体が伝熱部材の他方の平面側に配されて形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱交換器。
【請求項4】
前記熱交換器は、ケース部材内に高温の気体を通過させて受熱管を加熱するもので、
前記高温の気体は、燃焼により発生する燃焼ガスであって、
前記熱交換器は、主に燃焼ガスの潜熱を回収する熱回収手段であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の熱交換器。
【請求項5】
前記受熱管は、入水側ヘッダから出水側ヘッダに至るまで螺旋状に巻かれた流路であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の熱交換器。
【請求項6】
燃料を燃焼して燃焼ガスが生成される燃焼部と、請求項1乃至5のいずれかに記載した熱交換器とを有し、前記熱交換器内を通過する湯水又は熱媒体を燃焼ガスで加熱し、昇温した湯水そのもの又は熱媒体の熱エネルギーを外部に供給する機能を備えていることを特徴とする熱源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−242004(P2012−242004A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113463(P2011−113463)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】