説明

熱交換器

【課題】循環水管の配置を阻害するサポートが不要で、循環水管の長さを短くすることができる熱交換器を提供する。
【解決手段】復水部1と、前記復水部1側面に設けられた水室2と、前記水室2とは反対側の復水部1側面に設けられた中間水室3と、前記水室2を入口水室21と出口水室22とに仕切る仕切り板4と、前記入口水室21の下側に接続された循環水流入管5と、前記出口水室22の下側に接続された循環水流出管6と、前記入口水室21と前記出口水室22とを前記中間水室3を介して接続する入口管束11および出口管束12とを備る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器には水平仕切り板で上下に分割されて入口水室及び出口水室が形成された水室が設けられている。入口水室には循環水流入管が接続され、出口水室には循環水流出管が接続されている。水室の反対側には中間水室が設けられている。
【0003】
運転状態では、循環水が循環水流入管から入口水室に入り、入口水室から復水部の入口管束に入り、中間水室を経由して復水部の出口管束に入り、復水部の出口管束から出口水室に入り、出口水室から循環水流出管に出てくる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−65786号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した熱交換器では、循環水流入管が循環水流出管よりも上部を流れる場合、水質に接続される循環水流出管は水室に垂直に接続する構造とすることができるが、水質に接続される循環水流入管は水室に水平に接続する構造となる。
【0006】
循環水流入管を水室に接続するためには、循環水流入管が循環水流出管よりも上部を流れる場合は、循環水流入管が長くなる。循環水流入管のサポートも必要となり、床面から循環水流入管を避けてヤグラ型のサポートを組み上げる構造となる。
【0007】
サポートは循環水管の配置を阻害すると共に、コスト的にも多大な費用がかかる。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、循環水管の配置を阻害するサポートが不要で、循環水管の長さを短くすることができる熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
実施形態の熱交換器は、復水部と、前記復水部側面に設けられた水室と、前記水室とは反対側の復水部側面に設けられた中間水室と、前記水室を入口水室と出口水室とに仕切る仕切り板と、前記入口水室の下側に接続された循環水流入管と、前記出口水室の下側に接続された循環水流出管と、前記入口水室と前記出口水室とを前記中間水室を介して接続する入口管束および出口管束とを備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態の熱交換器を示す図。
【図2】第2の実施形態の熱交換器を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態の熱交換器を図面を参照して説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態の熱交換器を示す図である。熱交換器は、復水部1、復水部1側面に設けられた水室2、水室2とは反対側の復水部1側面に設けられた中間水室3からなる。
【0013】
復水部1は、水室2と中間水室3とを連結する入口管束11および出口管束12を備える。
【0014】
入口管束11には、水室2から中間水室3への循環水が流れ、出口管束12には、中間水室3から水室2への循環水が流れる。
【0015】
水室2は、R形状仕切り板4によって入口水室21と出口水室22に仕切られている。
【0016】
R形状仕切り板4は、水平部が水室2の復水部1側を上下に仕切り、垂直部が水室2の下側を復水部1側と外側とに仕切る。
【0017】
循環水流入管5は、入口水室21の下側に接続されている。
【0018】
循環水流出管6は、出口水室22の下側に接続されている。
【0019】
運転状態では、循環水が循環水流入管5から入口水室21に入り、入口水室21から復水部1の入口管束11に入り、中間水室3を経由して復水部1の出口管束12に入り、復水部1の出口管束12から出口水室22に入り、出口水室22から循環水流出管6に出てくる。
【0020】
R形状仕切り板4は、水平部と垂直部との接合部をR形状にすることで、循環水の流れがスムーズになる。
【0021】
本実施形態によれば、循環水管の配置を阻害するサポートが不要で、循環水管の長さを短くすることができる。
【0022】
(第2の実施形態)
図2は第2の実施形態の熱交換器を示す図である。(a)は熱交換器を示す図であり、(b)は(a)を右側から見た図であり、(c)は(a)のA−A矢視断面図である。第1の実施の形態と同じ構成は同一符号として説明を省略する。
【0023】
水室2は、垂直仕切り板7によって入口水室21と出口水室22に仕切られている。
【0024】
垂直仕切り板7は、水室2を右側と左側に仕切る。図2では、左側が入口水室21、右側が出口水室22となっている。
【0025】
垂直仕切り板7は、水室2を右側と左側に仕切る構造であれば垂直でなくてもよい。
【0026】
本実施形態によれば、循環水管の配置を阻害するサポートが不要で、循環水管の長さを短くすることができる。
【0027】
以上述べた少なくともひとつの実施形態の熱交換器によれば、循環水管の配置を阻害するサポートが不要で、循環水管の長さを短くすることができる。
【0028】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1 復水部
2 水室
3 中間水室
4 R形状仕切り板
5 循環水流入管
6 循環水流出管
7 垂直仕切り板
11 入口管束
12 出口管束
21 入口水室
22 出口水室

【特許請求の範囲】
【請求項1】
復水部と、
前記復水部側面に設けられた水室と、
前記水室とは反対側の復水部側面に設けられた中間水室と、
前記水室を入口水室と出口水室とに仕切る仕切り板と、
前記入口水室の下側に接続された循環水流入管と、
前記出口水室の下側に接続された循環水流出管と、
前記入口水室と前記出口水室とを前記中間水室を介して接続する入口管束および出口管束と、
を備えた熱交換器。
【請求項2】
前記仕切り板は、水平部が水室の復水部側を上下に仕切り、垂直部が水室の下側を復水部側と外側とに仕切るR形状仕切り板である請求項1記載の熱交換器。
【請求項3】
前記仕切り板は、前記水室を右側と左側に仕切る垂直仕切り板である請求項1記載の熱交換器。

【図1】
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【図2】
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