説明

熱切り替え可能な膜を有する薬剤供給システム

本発明では、制御された状態で分子を放出する装置が提供される。当該装置は、患者への治療用薬剤の制御された放出に、特に適する。当該装置は、開口を有するハウジングを有し、これによりハウジングから分子が放出される。またハウジングは、分子、特に治療用薬剤を収容するリザーバを有する。リザーバは、前記開口を介した分子の放出が可能となるように、ハウジング内に配置される。また当該装置は、少なくとも一つの熱切り替え可能な膜と、該膜の少なくとも一部を加熱する少なくとも一つの加熱素子とを有する。当該装置は、加熱素子を用いて膜を加熱することにより、前記開口での前記分子の放出を調整するように構成される。必要な場合、当該装置は、さらに、当該装置から分子を加圧放出するための圧力素子を有する。この場合、薬剤は、脈動的な形態で、患者に供給される。さらに本発明では、そのような装置を用いて、分子の放出を調製する方法が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分子を制御して放出する装置に関する。特に、本発明は、1もしくは2以上の薬剤を、特に人間または動物の体に供給する装置に関する。本装置は、経皮的に適用されても良く、あるいは人または動物の体に移植しても良い。
【背景技術】
【0002】
薬剤供給システムは、医療技術に対して大きな影響を及ぼしている。薬剤処理の効果は、しばしば、薬剤供給のモードに依存する。局部的な薬剤供給は、しばしば、体系的な薬剤供給に対応する限界を超え、好ましい場合がある。そのような限界には、急速な薬剤の不活性化、および/または処理サイトにおける無効能的な薬剤濃縮が含まれる。また、体系的な薬剤供給は、被処理領域以外の組織領域において、好ましくない細胞障害性効果につながるおそれがある。
【0003】
移植可能な試薬供給システムは、多くの既存の薬剤の特性を大きく改善し、全く新しい治療に使用できる可能性がある。これにより、薬剤の局部的な供給が可能となり、従って、薬剤治療の多くの副作用が抑制される。また、移植可能な薬剤供給システムにより、患者に対する不溶性の、不安定な、または利用の難しい治療用化合物の投与が可能となり、そのような被投与化合物の量を抑制することができ、投与量のミスまたは間違いの機会が減り、患者の受ける薬剤療法に対する順守性(コンプライアンス)が改善される。
【0004】
現在、生体内(in vivo)薬剤供給において、多くの小型システムが利用可能である。これらは、例えば、LaVan D.ら(LaVan D.A.,McGuire T.,Langer R.2003.生体内薬剤供給用の小型システム。Nature Biotechnology,21巻,10号,p1184-1191)においてレビューされている。これらの中には、小型加工装置、拡散チャンバ、ナノ粒子、および「スマート」装置が含まれる。
【0005】
米国特許出願公開第2002/0187260号には、分子を制御した状態で放出または暴露する、マイクロチップ装置が示されている。装置は、リザーバを有し、このリザーバには、リザーバキャップが被せられる。リザーバキャップは、膜、リザーバキャップ、またはリザーバの内容物をリザーバ外の環境から分離することに適した、他のいかなる物理的もしくは化学的構造を有しても良い。リザーバキャップは、選択的に除去され、または透過され、選択的に分解することが好ましい。パッシブ装置では、リザーバキャップは、時間とともに劣化し、溶解し、または分解する材料から構成される。アクティブ装置では、リザーバキャップは、印加刺激に応じて、分解可能なまたは浸透可能な、いかなる材料を含んでも良い。装置の好適実施例では、リザーバキャップは、例えば金、銀、銅または亜鉛のような薄膜金属であり、あるいは電位の印加により開始される電気化学的反応の適用によって分解する膜である。分解は、不可逆である。
【0006】
米国特許出願公開第2004/0032187号には、薬剤を制御した状態で放出する装置が示されている。この装置は、薬剤分子を収容するリザーバを有する本体で構成される。リザーバは、分子に対して不透過性のバリアを有するように構成され、これにより、これらの分子の放出が抑制される。本体には、受信した音響信号を電気信号に変換する音響トランスジューサが取り付けられる。電気信号によりバリアの透過性が高まり、これにより、リザーバから分子が放出される。ある実施例では、電位によって、リザーバ内に保管された分子は、活性なバリア透過性分子状態に変化する。別の実施例では、電極により生じた電位により、バリアの部分的なまたは全体的な分解が生じる。後者の場合、バリアは、導電性材料で構成され、電位の印加の際に、溶液中に溶解し、あるいは溶解性化合物もしくはイオンを形成する。そのような材料には、銅、金、銀、および亜鉛のような金属、ならびにある高分子が含まれる。分解は、不可逆的に生じる。
【0007】
既存の一部の高分子は、臨界溶液温度(cst)を示す。臨界溶解温度は、ゲルが膨脹性および可溶性構造から、球状崩壊性および不溶性構造への相変化を示す温度である。これらの高分子は、熱切り替え可能な高分子のクラスに属する。温度上昇の際に、この挙動を示す高分子は、下臨界溶解温度(lcst)を呈し、温度低下の際にこの挙動を示す高分子は、上臨界溶解温度(ucst)を呈する。lcstおよびucstは両方とも、高分子システムの化学的変質により、調整することができる。
【0008】
熱切り替え可能な高分子システムは、現在、薬剤供給用に使用されており、特に、いわゆる薬剤滴形成に使用されている。膨脹構造では、高分子鎖は、完全に溶媒和し、開いた透過性の構造が残るのに対して、崩壊状態では、高分子構造は、比較的不透過性となる。薬剤滴製剤は、各種化合物で構成されるが、最小限の製剤には、溶媒、必要な場合、共溶媒、薬剤(または複数の試薬のカクテル)、および溶解高分子または高分子前駆体が必要である。製剤は、体内に注入(しばしば冷却)される。体内では、下臨界溶解温度を下回ると、製剤のゲル化が始まる。ゲル状態では、薬剤は、マトリックスからゆっくりとしか拡散することができず、長時間にわたる飽和薬剤放出が可能となる。しかしながら、この薬剤供給システムでは、脈動的なプロファイルを提供することはできない。また、薬剤の供給を停止するには、体内からゲル(移植物)を除去するしかない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許出願公開第2004/0032187号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、制御された状態で分子を放出する装置であって、分子の脈動供給プロファイルの提供が可能な装置を提供することである。本発明は、特に、熱切り替え可能な高分子膜を使用し、この膜の透過性は、装置の内部に配置された加熱素子を用いた、高分子温度の上昇または下降により、可逆的に調整することができる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
ある態様では、本発明により、制御された状態で分子を放出する装置が提供される。当該装置は、制御された状態で治療用薬剤を患者に対して放出することに、特に適している。当該装置は、ハウジングを有し、このハウジングは、該ハウジングから分子を放出する開口を有する。またハウジングは、分子、特に治療用薬剤を収容するリザーバを有する。リザーバは、開口を介して分子を放出できるように、ハウジング内に配置される。また、装置は、少なくとも一つの熱切り替え可能な膜と、該膜を少なくとも局部的に加熱する、少なくとも一つの加熱素子とを有する。当該装置は、加熱素子を用いた膜の加熱により、開口で、分子の放出が調整されるように構成される。
【0012】
従来の技術では、分子の放出は、そのような放出が切り替え可能となるようにしてしか制御されないのに対して、本発明による装置では、特に、高分子の温度に対する熱切り替え可能な応答を用いることにより、分子の脈動的な放出が可能となる。
【0013】
さらに別の態様では、本発明により、本発明による装置を用いて、分子の放出を調整する方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による、制御された状態で分子を放出する装置の第1の実施例の概略的な側面図である。
【図2】本発明による、制御された状態で分子を放出する装置の第2の実施例の概略的な側面図である。
【図3】本発明による、制御された状態で分子を放出する装置の第3の実施例の概略的な側面図である。
【図4】本発明による、制御された状態で分子を放出する装置の第4の実施例の概略的な側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の有意な特徴について更に説明する。本発明は、非限定的な本発明の実施例を示した添付図面を参照することにより、より明らかとなる。
【0016】
本発明は、制御された状態で分子を放出する装置に関し、この装置は、開口を有するハウジングを有し、該ハウジングは、分子を収容する少なくとも一つのリザーバを有し、前記リザーバは、開口を介して、分子を放出することが可能となるように、ハウジング内に配置される。当該装置は、さらに、少なくとも一つの熱切り替え可能な膜と、前記膜の少なくとも一部を加熱する少なくとも一つの加熱素子と、を有し、当該装置は、加熱素子を用いて膜を加熱することにより、開口で、分子の放出を調整するように構成される。
【0017】
ハウジングは、被放出分子に対して、および装置を取り囲む流体、例えば水、血液、電解質、または他の溶液に対して、不透過性の材料から形成されることが好ましい。適当な材料の一例には、例えばAl2O3のようなセラミックス、チタンおよびステンレス鋼のような金属、ならびに高分子が含まれる。ハウジングは、生体適合性材料で構成されることが好ましい。
【0018】
分子は、ある環境に放出する必要のある、いかなる分子であっても良い。これらは、治療用薬剤、ホルモン、酵素、抗体等であっても良い。
【0019】
また装置は、少なくとも一つの熱切り替え可能な膜を有しても良い。ここで使用される、「熱切り替え可能な膜」または「膜」という用語は、構成物の温度の上昇または下降とともに、可逆的に、透過性が向上または抑制される膜を意味する。
【0020】
さらに装置は、膜の少なくとも一部を加熱する、少なくとも一つの加熱素子を有する。加熱素子による膜の加熱により、膜の透過性が向上または抑制され、これにより、それぞれ、膜を介した分子の放出が可能となり、あるいは膜を介した分子の放出が完了する。適当な加熱素子の非限定的な例には、LEDおよびレーザダイオードのような光子放射素子、電気抵抗加熱素子、超音波変換器、ならびに電磁コイルが含まれる。加熱素子が光子放射素子の場合、膜は、任意で、光子感応粒子を有しても良い。加熱素子が電気コイルである場合、膜は、磁性材料を有しても良い。
【0021】
装置は、加熱素子を用いて膜を加熱することにより、開口での分子の放出を調整するように構成される。
【0022】
本発明による装置の実施例では、分子を収容するリザーバは、少なくとも一部が熱切り替え可能な膜で形成され、該熱切り替え可能な膜は、膜および開口を介した分子の放出が可能となるようにして、開口に配置される。加熱素子による膜の加熱により、膜の透過性が向上または抑制され、これにより、リザーバから装置環境への、分子の放出の調整が可能となる。
【0023】
好適実施例では、さらに、ハウジングは、圧力素子を有しても良く、この圧力素子は、放出圧力を形成し、圧力素子は、開口を介した分子の加圧放出が可能となるようにして、ハウジング内に配置される。
【0024】
圧力素子は、公知のいかなる圧力素子であっても良い。そのような圧力素子は、当業者には良く知られている。例えば、圧力素子は、加圧区画、およびピストン、またはハウジング内で移動可能な、他のいかなるバリアで構成されたシステムであっても良い。そのような圧力素子の非限定的な例は、いわゆる圧力エンジンおよびピストン、いわゆる浸透圧エンジンおよびピストンで構成されたシステム、可動式バリアを有するバネ等である。圧力素子は、バリアが加圧区画とリザーバの間で移動可能となるように、ハウジング内に配置されることが好ましい。加圧区画の圧力が上昇した場合、バリアは、リザーバの容積を低下させるように動き、装置からの加圧により、分子が放出されることが好ましい。
【0025】
本発明による装置の別の実施例では、さらにハウジングは、圧力素子を有し、該圧力素子は、放出圧力を形成し、圧力素子は、開口を介した分子の加圧放出が可能となるように、ハウジング内に配置され、圧力素子は、膜によって少なくとも一部が形成され、該膜は、環境側と接している。
【0026】
前述のように、そのような圧力素子の一例は、浸透圧素子である。そのような浸透圧素子(または浸透圧エンジン)は、例えば、加圧区画で構成され、該加圧区画は、ハウジング内に配置され、ハウジングは、2つの開口を有することが好ましい。一つの開口は、分子放出用のものであり、一つの開口は、加圧区画調整用のものである。加圧区画は、可動式バリアにより、ハウジング内で、リザーバから分離されることが好ましい。そのようなバリアの一例は、ピストンである。加圧区画の調整は、膜が透過性となった際に、環境側から加圧区画への、好ましくは水のような溶液の流入により行われることが有意である。従って、加圧区画は、少なくとも一部が熱切り替え可能な膜で形成され、該膜は、膜が透過性となった際に、環境側からの水の流入が可能となるように構成される。膜の透過性が向上した際、加圧区画において、水の流入が生じ、これにより、リザーバの方向に,バリアの移動が生じる。これにより、リザーバから、ハウジングの開口および出口を介して、分子が放出される。出口は、例えば、膜が加圧された際に開く機械的バルブ、多孔性膜、フローレストレクタ(flow-restrictor)等で形成される。
【0027】
環境は、いかなる環境であっても良いが、人または動物の体であることが好ましく、人体であることがより好ましい。経皮的な薬剤供給の場合、環境は、肌、特に表皮層であることが好ましい。
【0028】
ある実施例では、膜は、熱切り替え可能な高分子を有する。通常、熱切り替え可能な高分子は、臨界溶解温度(cst)を示す。臨界溶解温度は、ゲルが膨脹性および溶解性構造から、球状崩壊性および不溶性構造に相変化することを示す温度である。温度上昇の際に、このような挙動を示す高分子は、下臨界溶解温度(lcst)を示し、温度が低下した際に、この挙動を示す高分子は、上臨界溶解温度(ucst)を示す。lcstおよびucstの双方は、高分子システムの化学的改質により、調整することができる。cstを超えた高分子の膨脹比(水の吸収量を乾燥高分子量で除すことにより定義される)は、例えば、高分子ネットワークのクロスリンク密度を変化させることにより、化学的に調整され得る。膨脹構造では、高分子鎖は、完全に溶媒和しており、開いた透過性構造が残るのに対して、崩壊状態では、高分子構造は、比較的不透過性となる。熱切り替え可能な高分子は、ポリ−N−イソプロピルアミド(PNIPAAm)およびそのコポリマー、ポリオキシエチレントリメチロール−プロパンジステアリン酸、ならびにポリ−ε−カプロラクトン(caprolactone)を有する。臨界溶解温度は、高分子体積を温度の関数として測定することにより、定められても良い。
【0029】
温度上昇の際に、分子の放出が助長されることは、正の制御放出(pcr)と称され、これは、高分子が上臨界溶解温度(ucst)を示す場合に、認められる。反対の、すなわち、温度の上昇とともに放出が抑制されることは、負の制御放出(ncr)と称され、これは、高分子が下臨界溶解温度(lcst)を示す場合に得られる。例えば、lcstを有する純粋なPNIPPAmは、ncrを示し、NIPAAmのコポリマーおよびアクリルアミドは、pcrを示す。
【0030】
崩壊状態から膨脹状態への変態は、ある温度範囲ΔTを超えた際に生じる。この範囲内では、各温度は、ゲルのある膨脹状態に対応する。その結果、透過性は、ΔTの範囲内で、徐々に変化する。この方法では、薬剤の放出速度を調整することができる。
【0031】
従って、ある実施例では、熱切り替え可能な高分子は、上臨界溶解温度を有する高分子である。ucst高分子膜の加熱の際、膜は、球状崩壊不溶性構造から、膨脹可溶性構造への相変化を示す。この球状崩壊不溶性構造では、高分子は、リザーバ内に収容された分子に対して、不透過性であるのに対して、その膨脹溶解性構造では、分子は、膜を透過し、装置の環境に放出され得る。そのようなucst高分子膜は、本発明による装置に使用され、この膜は、膜が加熱されない場合、リザーバ内に収容された分子に対して、実質的に不透過性である。加熱時には、膜は、分子に対して透過性となり、分子は、環境に放出され得るようになる。ucst高分子の使用は、分子の臨時の(脈動的な)投与が望ましい場合、特に適している。これにより、通常閉止された状態にあるバルブが、一時的に開になる。
【0032】
別の実施例では、熱切り替え可能な高分子は、下臨界溶解温度を有する高分子である。lsct高分子膜の加熱の際、膜は、膨脹溶解性構造から、球状崩壊不溶性構造への相変化を示す。本発明による装置に、そのようなlcst高分子膜を使用した場合、膜は、該膜が加熱されない場合、リザーバに収容された分子に対して、実質的に透過性となる。従って、分子は、環境側に放出される。加熱時には、膜は、分子に対して不透過性となり、分子の放出が停止される。lsct高分子の使用は、システムにより、通常開いた状態にあるバルブが一時的に閉となるような挙動を示すような、頻繁なおよび長期間の投与に、特に適している。
【0033】
ある実施例では、熱切り替え可能な高分子は、ポリ−N−イソプロピルアミドおよびそのコポリマー、ポリオキシエチレントリメチロール−プロパンジステアリン酸、ならびにポリ−ε−カプロラクトン(caprolactone)から選定される。
【0034】
ある実施例では、加熱素子は、光子放射素子である。そのような場合、膜は、例えば光子感応粒子、色素を有する光子感応粒子を有することにより、または光源の波長で最大吸収を示すことにより、光子感応性となる。光子放射素子の非限定的な例は、LED、レーザダイオード等を有する。
【0035】
ある実施例では、加熱素子(光子放射素子)は、LED源およびレーザダイオードから選定される。
【0036】
さらに別の実施例では、膜は、光子感応粒子を有する。熱切り替え可能な高分子ヒドロゲルが、高分子構造内に均一に分散、固定される光吸収粒子(「光子感応粒子」とも称する)を有することは良く知られている。熱切り替え可能な高分子は、光の波長が、粒子吸収の範囲内にあるとき、この光によって切り替えることができ、これにより、光強度の低下、および局部的な温度上昇が可能となる。そのような方法の利点は、リザーバ内の分子が加熱素子と直接接触しないことである。直接接触は、長時間に及ぶと、薬剤の安定性上、問題が生じる。そのような光子感応粒子は、通常、直径がdで誘電率がε1の内側コアと、厚さがtで誘電率がε2の外側シェルとで構成される。内側コアは、シリカであり、外側コアは、金であっても良い。図8には、各t値での減衰プロファイルを示す。内側コアの直径dは、例えば、50乃至150nmであり、外側シェルの厚さは、2から30nmの間であり、3から25nmの間であることが好ましく、3から30nmの間であることがより好ましい。熱切り替え可能な膜が、熱切り替え可能な高分子から調製された膜である場合、光吸収粒子は、例えば、そのような高分子中に分散されても良い。熱切り替え可能な膜に供給される平均(LED)パワーは、通常、パルス周波数ωおよびパルス幅τに対して変化する。
【0037】
別の実施例では、加熱素子は、電気抵抗式加熱素子である。そのような電気抵抗式加熱素子は、少なくとも一部が膜と接するように配置されることが好ましい。熱切り替え可能な膜に供給される平均電流は、通常、パルス周波数ωおよびパルス幅τに対して変化する。
【0038】
分子の放出速度は、パルス周波数ωおよびパルス幅τを独立に変化させることにより調整される。
【0039】
さらに、装置は、加熱素子を制御する制御素子を有しても良い。そのような装置は、従来のいかなる装置であっても良いが、マイクロプロセッサであることが好ましい。マイクロプロセッサは、任意で、装置の外から、例えば遠隔制御を用いて制御されても良い。
【0040】
さらに別の実施例では、ハウジングは、複数のリザーバを有し、各リザーバは、少なくとも一部が各膜により形成され、各リザーバは、特定の種類の分子を収容し、加熱素子の加熱の際に、分子を放出しても良い。リザーバは、一つの膜を同時に有しても良く、または各リザーバが、独自の膜を有しても良い。後者の場合、膜は、同じ組成であっても、異なる組成であっても良い。さらに装置は、各リザーバの全ての膜を同時に加熱する、一つの加熱素子を有しても良く、あるいは膜を個別に加熱するようにされた、一つの加熱素子を有しても良い。
【0041】
ある実施例では、各リザーバの各膜は、少なくとも一部が、それぞれの加熱素子により、独立に加熱可能である。この場合、各リザーバを別個に取り扱うことができ、複数の種類の分子を、相互に独立して放出させることが可能となる。
【0042】
さらに別の態様では、本発明は、本発明による装置を用いて、リザーバからの分子の放出を調整する方法に関する。
【0043】
ある実施例では、分子は、人または動物の体に放出される。従って、装置は、処置が必要な患者への薬剤の供給に使用される。
【0044】
ある実施例では、装置は、人または動物の体に移植される。そのような場合、人または動物の体は、装置の環境を形成する。
【0045】
別の実施例では、装置は、経皮的に提供され、開口は、表皮に接触する。表皮は、肌の上層を形成する。そのような実施例では、分子は、人または動物の体に取り入れられるように、人または動物の肌を行き来する。
【0046】
以下、添付図面を参照して、本発明についてより詳しく説明する。図面において、同様の部材には、同様の参照符号が付されている。
【0047】
図面を参照すると、図1には、本発明による制御された状態で分子を放出する装置(1)の第1の実施例の側面図を示す。装置(1)は、ハウジング(2)を有し、このハウジング(2)は、開口(3)を有し、これにより、装置(1)から分子を放出することができる。装置(1)は、リザーバ(4)を有し、このリザーバ(4)は、装置(1)から放出される分子を収容する。従って、リザーバ(4)は、開口(3)を介した分子の放出が可能となるように、ハウジング(2)内に配置される。リザーバ(4)は、少なくとも一部が熱切り替え可能な膜(5)により形成される。開口(3)には、膜(5)が配置され、これにより膜(5)および開口(3)を介した分子の放出が可能となる。
【0048】
さらに装置(1)は、膜(5)の少なくとも一部を加熱する加熱素子(6)を有する。図1の実施例における加熱素子(6)は、電気抵抗式加熱素子(以降、「電気抵抗式加熱素子(6)」とも称する)である。電気抵抗式加熱素子は、少なくとも一部が膜(5)と接するように配置される。この構成により、電気抵抗式加熱素子(6)による膜(5)の加熱が可能となる。前述のように、加熱素子(6)により膜(5)を加熱することにより、分子の放出が調整される。膜(5)の透過性の向上の結果、分子が放出され、逆に、膜(5)の透過性の低下の結果、分子の放出が抑制される。使用膜(5)の種類に応じて、いずれかの結果が生じ得る。
【0049】
別の実施例では、膜(5)は、光子放射素子、例えばLED源またはレーザダイオード、により活性化され、これは、図4に示すような状態で配置される。
【0050】
本発明による装置のこの実施例では、分子の拡散速度および熱切り替え可能な膜の透過性により、分子の放出速度が決まる。
【0051】
図2には、本発明による制御された状態で分子を放出する装置(1)の第2の実施例の側面図を示す。装置(1)は、ハウジング(2)を有し、このハウジング(2)は、開口(3)を有し、これにより、装置(1)から分子を放出することができる。装置(1)は、リザーバ(4)を有し、このリザーバ(4)は、装置(1)から放出される分子を収容する。従って、リザーバ(4)は、開口(3)を介した分子の放出が可能となるように、ハウジング(2)内に配置される。さらに装置(1)は、熱切り替え可能な膜(5)、および該膜(5)の少なくとも一部を加熱する加熱素子(6)を有する。装置(1)は、加熱素子(6)を用いた膜(5)の加熱により、開口(3)において、分子の放出を調整することができるように構成される。ハウジング(2)は、さらに、圧力素子(7)を有する。圧力素子(7)は、放出圧力を発生し、圧力素子(7)は、開口(3)を介した分子の圧縮放出が可能となるように、ハウジング(2)内に配置される。圧力素子(7)は、少なくとも一部が膜(5)で構成される。膜(5)は、環境(8)と接する。
【0052】
リザーバ(4)は、多孔質膜、機械式バルブ、フローレストレクタ(flow-restrictor)等により、開口(3)を閉止しても良い。
【0053】
図2の実施例では、加熱素子(6)は、電気抵抗式加熱素子(以降、「電気抵抗式加熱素子(6)」とも称する)である。電気抵抗式加熱素子は、少なくとも一部が膜(5)と接するように配置される。この構成により、電気抵抗式加熱素子(6)による膜(5)の加熱が可能となる。前述のように、加熱素子(6)による膜(5)の加熱により、分子の放出が調整される。膜(5)の透過性の向上の結果、分子が放出され、逆に、膜(5)の透過性の低下により、分子の放出が抑制される。使用膜(5)の種類に応じて、いずれかの結果が生じ得る。
【0054】
本発明の第2の実施例の圧力素子(7)は、ピストン(7a)と、浸透圧エンジンである加圧区画(7b)とで構成される。電気抵抗式加熱素子(6)を用いた膜(5)の加熱により、該膜(5)の透過性が向上すると、加圧区画(7b)に水が流入し、加圧区画(7b)内の圧力が高まり、リザーバ(4)の方向にピストン(7a)が移動する。この発生圧力のため、開口(3)を介して、分子がリザーバ(4)から放出される。
【0055】
特に、図2の装置は、単一のリザーバ(4)で構成され、このリザーバは、ピストン(7a)により一端が閉止され、(非切替式)膜または出口で他端が閉止される。さらに圧力素子(7)は、浸透圧エンジン(7b)で構成され、これは、熱切り替え可能な高分子で構成された熱切り替え可能な膜(5)により、環境と分離されている。熱切り替え可能な高分子は、多孔質膜上に配置され、またはその機械的構造を支持し強度を向上する。図2の装置に適したパラメータの例は、以下の通りである:熱切り替え可能な高分子の面積/厚さ;4mm2/0.1mm、密度;〜1g/ml、熱容量;〜4.2J/Kg、最大温度範囲;〜12K、電源;コイン型バッテリ、1mAで3V、最大応答時間(高分子の体積×密度×最大温度上昇×熱容量)/電気エネルギー出力=20mJ/3mW;約6秒。
【0056】
好適実施例では、膜は、加熱された場合、水分子に対して透過性であり、浸透圧圧力エンジン(7b)(圧力素子(7)の一部である加圧区画(7b))は、リザーバの方向に、ピストン(7a)(圧力素子(7)の一部であるバリア)を押し始め、これによりリザーバ(4)が加圧される。これにより、リザーバ(4)から、開口(3)を介して分子が放出される。
【0057】
浸透圧と熱切り替え可能な高分子の透過性の変化により、分子の放出速度、例えば、薬剤投与速度が決まる。
【0058】
別の実施例では、膜(5)は、例えばLED源またはレーザダイオードのような光子放射素子により活性化される。光子放射素子は、図4と同様に構成されても良い。
【0059】
ここで、図3を参照すると、制御された状態で分子を放出する装置(1)は、開口(3)を有するハウジング(2)を有し、前記ハウジング(2)は、分子を収容する少なくとも一つのリザーバ(4)を有し、該リザーバ(4)は、開口(3)を介した分子の放出が可能となるように、ハウジング(2)内に配置され、当該装置(1)は、少なくとも一つの熱切り替え可能な膜(5)と、該膜(5)の少なくとも一部を加熱する少なくとも一つの加熱素子(6)とを有し、装置(1)は、加熱素子(6)を使用して膜(5)を加熱することにより、開口(3)での分子の放出を調整するように構成される。ハウジング(2)は、さらに、圧力素子(7)を有し、該圧力素子(7)は、放出圧力を発生し、圧力素子(7)は、開口(3)を介した分子の加圧放出が可能となるように、ハウジング(2)内に配置される。
【0060】
図3の実施例における加熱素子(6)は、電気抵抗式加熱素子(以降「電気抵抗式加熱素子(6)」とも称する)である。電気抵抗式加熱素子は、少なくとも一部が膜(5)と接するようにして配置される。この構成により、電気抵抗式加熱素子(6)による膜(5)の加熱が可能となる。前述のように、加熱素子(7)による膜(5)の加熱により、分子の放出が調整される。膜(5)の透過性の向上の結果、分子の放出が生じ、逆に、膜(5)の透過性の低下により、分子の放出が抑制される。使用膜(5)の種類に応じて、いずれかの結果が生じ得る。別の実施例では、膜(5)は、光子放射素子、例えばLED源またはレーザダイオードにより活性化され、これは、図4と同様に構成されても良い。
【0061】
図3の実施例における圧力素子(7)は、ピストン(7a)と、圧力エンジンとなる加圧区画(7b)とにより形成され、ピストン(7a)は、圧力エンジン(7b)と、リザーバ(4)との間に配置される。ただし、圧力素子(7)は、前述のようないかなる圧力素子であっても良い。
【0062】
図3の実施例による装置は、開口(3)と反対の側で、ピストン(7a)により閉止された単一のリザーバ(4)と、開口(3)の側の熱切り替え可能な膜(5)とで構成される。図3の装置に適したパラメータの一例は、以下の通りである :熱切り替え可能な高分子の面積/厚さ;4mm2/0.1mm、密度;〜1g/ml、熱容量;〜4.2J/Kg、最大温度範囲;〜12K、電源;コイン型バッテリ、1mAで3V、最大応答時間(高分子の体積×密度×最大温度上昇×熱容量)/電気エネルギー出力=20mJ/3mW;約6秒。
【0063】
好適実施例では、圧力エンジン(7b)は、熱切り替え可能な高分子膜(5)が加熱された場合、リザーバ(4)の方向にピストン(7a)を押し、これによりリザーバ(4)が加圧される。これにより、リザーバ(4)から分子が放出される。
【0064】
圧力変化および熱切り替え可能な高分子の透過性の変化により、例えば薬剤投与速度のような、分子の放出速度の変化が定まる。
【0065】
図4には、本発明による制御された状態で分子を放出する装置(1)の第4の実施例の側面図を示す。装置(1)は、開口(3)を有するハウジング(2)を有し、前記ハウジング(2)は、分子を収容する少なくとも一つのリザーバ(4)を有し、該リザーバ(4)は、開口(3)を介した分子の放出が可能となるように、ハウジング(2)内に配置され、前記装置(1)は、さらに、少なくとも一つの熱切り替え膜(5)と、該膜(5)の少なくとも一部を加熱する少なくとも一つの加熱素子(6)とを有し、装置(1)は、加熱素子(6)を使用した膜(5)の加熱により、開口(3)での分子の放出を調整するように構成される。ハウジング(2)は、さらに、圧力素子(7)を有し、該圧力素子(7)は、放出圧力を発生し、圧力素子(7)は、開口(3)を介した分子の加圧放出が可能となるように、ハウジング(2)内に配置される。
【0066】
図4の実施例における圧力素子(7)は、圧力エンジンとなる加圧区画(7b)と、ピストン(7a)とにより形成され、該ピストン(7a)は、圧力エンジン(7b)とリザーバ(4)の間に配置される。しかしながら、圧力素子(7)は、前述のようないかなる圧力素子であっても良い。
【0067】
この実施例における加熱素子(6)は、光子放射素子、特にレーザダイオード(以下、「レーザダイオード(6)」とも称する)により構成される。レーザダイオード(6)は、圧力素子(7)のピストン(7a)内に配置され、熱切り替え可能な膜に向かって(矢印参照)、光子を放射し、これを加熱するように構成される。しかしながら、加熱素子は、電気抵抗式加熱素子のような、他のいかなる加熱素子であっても良い。
【0068】
図4の実施例による装置は、特に、開口(3)が配置された側とは反対の側がピストン(7a)により閉止された、単一のリザーバ(4)で構成される。開口(3)が配置された側では、熱切り替え可能な膜(5)により、リザーバが閉止される。レーザダイオード(6)を用いた局部的な光子加熱により、熱切り替え可能な膜(5)の加熱が行われる。図4の装置に適したパラメータの一例は、以下の通りである :熱切り替え可能な高分子の面積/厚さ;3.5mm×1.5mm/0.1mm、密度;〜1g/ml、熱容量;〜4.2J/Kg、最大温度範囲;〜12K、電源;コイン型バッテリ、30mA、5Vで150mW、3.5mm×1.5mm、光エネルギー出力;6mW、最大応答時間(高分子の体積×密度×最大温度上昇×熱容量)/電気エネルギー出力=26mJ/6mW=4秒、熱切り替え可能な高分子中に存在する光子感応(光吸収)粒子による、光吸収による光子エネルギーのインカップリングを100%と仮定。
【0069】
好適実施例では、熱切り替え可能な高分子膜(5)が加熱されると、圧力(例えば浸透圧、ガス、バネ)エンジンは、レーザダイオード(6)およびピストン(7a)をリザーバ(4)の方向に押し付ける。
【0070】
圧力変化および熱切り替え可能な高分子の透過性(例えば光子出力)の変化により、例えば薬剤投与速度のような、分子の放出速度が定まる。
【0071】
以上、図面を参照して、本発明について詳細に説明したが、そのような説明および記載は、一例を示すためのものであり、限定的なものではない。本発明は、開示された実施例に限定されるものではない。
【0072】
例えば、各種圧力素子(7)および各種加熱素子(6)を使用することも可能である。
【0073】
図面、記載および特許請求の範囲の吟味により、当業者には、本発明の思想および範囲から逸脱しないで、示された実施例に対する他の変更が理解される。請求項において、「有する」という用語は、他の素子またはステップを排斥するものではなく、「一つの」という用語は、複数物の存在を否定するものではない。単に、相互に異なる従属請求項においてある手段が記載されていることから、これらの手段の組み合わせの使用が有意ではないと解してはならない。請求項におけるいかなる参照符号も、本発明の範囲を限定するものと解してはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御された状態で分子を放出する装置であって、
開口を有するハウジングを有し、
該ハウジングは、前記分子を収容する少なくとも一つのリザーバを有し、
該リザーバは、前記開口を介した前記分子の放出が可能となるように、前記ハウジング内に配置され、
当該装置は、さらに、少なくとも一つの熱切り替え可能な膜と、該膜の少なくとも一部を加熱する少なくとも一つの加熱素子とを有し、
当該装置は、前記加熱素子を用いて前記膜を加熱することにより、前記開口での前記分子の放出を調整するように構成されることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記リザーバは、少なくとも一部が前記膜により形成され、
前記膜は、前記開口に配置され、
前記膜および前記開口を介して、前記分子の放出が可能になることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ハウジングは、さらに、圧力素子を有し、
該圧力素子は、放出圧力を発生し、
前記圧力素子は、前記開口を介した前記分子の加圧放出が可能となるように、前記ハウジング内に配置され、
前記圧力素子は、少なくとも一部が前記膜により形成され、
前記膜は、環境と接していることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ハウジングは、さらに、圧力素子を有し、
該圧力素子は、放出圧力を発生し、
前記圧力素子は、前記開口を介した前記分子の加圧放出が可能となるように、前記ハウジング内に配置されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記膜は、熱切り替え可能な高分子を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記熱切り替え可能な高分子は、上臨界溶解温度を有する高分子であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記熱切り替え可能な高分子は、下臨界溶解温度を有する高分子であることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記熱切り替え可能な高分子は、ポリ−N−イソプロピルアミドおよびそのコポリマー、ポリオキシエチレントリメチロール−プロパンジステリン酸、ならびにポリ−ε−カプロラクトンから選定されることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記加熱素子は、光子放射素子であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記加熱素子は、LED源およびレーザダイオードから選定されることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記膜は、光子感応粒子を有することを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項12】
前記加熱素子は、電気抵抗式加熱素子であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記電気抵抗式加熱素子は、少なくとも一部が前記膜と接するように配置されることを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項14】
当該装置は、さらに、前記加熱素子を制御する制御素子を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記制御素子は、マイクロプロセッサであることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記ハウジングは、複数のリザーバを有し、
各リザーバは、少なくとも一部がそれぞれの膜により形成され、
各リザーバは、特定の種類の分子を収容し、前記加熱素子の加熱の際に、前記分子を放出することができることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記各リザーバのそれぞれの膜は、少なくとも一部が、各加熱素子により、独立に加熱可能であることを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
請求項1に記載の装置を用いて、リザーバからの分子の放出を調整する方法。
【請求項19】
前記分子は、人または動物の体もしくは体内に放出されることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記装置は、人または動物の体に移植されていることを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記装置は、経皮的に適用され、前記開口は、表皮と接することを特徴とする請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−544393(P2009−544393A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521395(P2009−521395)
【出願日】平成19年7月13日(2007.7.13)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052809
【国際公開番号】WO2008/012725
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】