説明

熱可塑性ポリマー用の難燃剤/安定剤−組合せ物

【課題】 難燃性だけでなく安定化作用を合成樹脂にもたらす熱可塑性合成樹脂用の難燃剤組合せ物の提供。
【解決手段】 この課題は、難燃剤として塩基性または両性の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、硼酸塩、錫酸塩、混合された酸化物/水酸化物、酸化物/水酸化物/炭酸塩、水酸化物/珪酸塩、または水酸化物/硼酸塩、またはこれらの物質の混合物(成分C)をホスホニットまたはホスホニット/ホスフィット混合物(成分D)およびモンタンワックス酸のエステルまたは塩(成分E)との組合せでまたは成分DあるいはEを芳香族のジ−またはトリカルボン酸エステルまたは芳香族のジ−またはトリカルボキシアミド(成分F)と組合せてまたは、ホスフィナート類(成分A)またはこれらの混合物を窒素含有相乗剤(成分B)と併用して添加することによって達成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱可塑性ポリマー用の難燃剤/安定剤−組合せ物、この難燃剤/安定剤−組合せ物を含有するポリマー成形材料に関する。
【背景技術】
【0002】
熱可塑性樹脂の加工は僅かの例外を除いて溶融状態で行われる。これに付随する構造および状態の変化は、殆ど全ての合成樹脂を化学的に変化させる。その結果は架橋、酸化、分子量変化であり、そして物理的および工業的性質の変化も結果として生じる。加工の間のポリマーへのマイナスの影響を減らすために、種々の添加物が合成樹脂に依存して添加されている。安定剤が一般に添加されており、これらは架橋を含むかまたは分解を含む反応の様な変質工程を抑制するかまたは少なくとも遅らせる。第一に溶融物の流動挙動を改善するという課題を有する潤滑剤も殆どの合成樹脂に混入されている。
【0003】
各々が一つの機能を負っている広範な種々の添加物が一般に同時に使用されている。例えば酸化防止剤および安定剤は、合成樹脂を化学的分解のない加工に耐えそして外的作用、例えば熱、紫外線、天候および酸素(空気)に関して長期間にわたって安定化させるようにするために使用される。潤滑剤は流動挙動の向上だけでなく、熱い機械的部材に合成樹脂溶融物が過度に付着するのを抑制しそして顔料、フィラーおよび補強材のための分散剤としても作用する。
【0004】
難燃剤の使用も溶融状態で加工する間の合成樹脂の安定性に影響を及ぼし得る。難燃剤は、国際基準に従って合成樹脂を十分に安全にするために、しばしば多量に添加しなければならない。高温での難燃化作用に必要とされる難燃剤の化学反応性は合成樹脂の加工安定性に害を及ぼし得る。それは例えばポリマーを著しく分解させ得るし、架橋反応をもたらし、ガスを発生させそして変色させ得る。合成樹脂を難燃剤なして加工する場合には、これらの効果の幾つかは生じないかまたは減少された程度でしか生じない。
【0005】
難燃剤を添加しない場合には、ポリアミドは一般に少量の銅ハロゲン化物によって安定かされるしまたはさらに芳香族アミン類や立体障害フェノール類によっても安定化される。その際の主要な目的は高い長期可使温度のもとで長期間の安定性を達成することである[ “Plastics Additives Handbook ”、第5版、(H.Zweifel (著者) 、Carl Hanser 出版社、ミュンヘン、2000、第80〜84頁] 。
【0006】
特に熱可塑性ポリマーにとってホスフィン酸の塩(ホスフィナート類)は有効な難燃剤添加物であることが実証されている(ドイツ特許出願公開(A)第2,252,258号明細書およびドイツ特許出願公開(A)第2,447,727号明細書)。ホスフィン酸カルシウムおよびホスフィン酸アルミニウムはポリエステルにおいて特に有効な作用をしそして例えばアルカリ金属塩よりもポリマー成形材料の材料特性にマイナスの影響を及ぼさないと報告されている(ヨーロッパ特許出願公開(A)第0,699,708号明細書)。
【0007】
ホスフィンナートとある種の窒素含有化合物の相乗作用組合せ物も発見され、これらは非常に多くのポリマーにおいてホスフィナート単独よりも難燃剤としてより有効に作用する(PCT/EP97/01664、ドイツ特許出願公開(A)第197 34 437号明細書および同第197 37 727号明細書)。
【0008】
カルボジイミド類、イソシアネート類およびイソシアヌレート類はポリマー成形材料をリン含有難燃剤と一緒になって安定化するのに有効であることが実証されている[ドイツ特許出願公開(A)第199 20 276号明細書]。
【0009】
特にリン含有難燃剤をポリアミド類において使用した場合には、従来に説明されている安定剤の作用は加工の間に発生する作用、特に例えば変色および分子量分解を抑制するのに不十分であることが実証されている。
【0010】
ドイツ特許出願公開(A)第196 14 424号明細書はポリエステルにおいておよびポリアミドにおいてホスフィナートを窒素系相乗剤と組み合わせることを開示している。ドイツ特許出願公開(A)第199 33 901号明細書は、ホスフィナートをポリエステルおよびポリアミド類のための難燃剤としてメラミンポリホスファートと組み合わせることを開示している。しかしながらこれらの新たに開発された高活性の難燃剤を使用した時に、結果としてポリマーの一部が分解しそしてポリマーの変色が特に300℃以上の加工温度において発生し得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
それ故に本発明の課題は、難燃性だけでなく安定化作用を合成樹脂にもたらす熱可塑性合成樹脂用の難燃剤組合せ物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、難燃剤として塩基性または両性の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、硼酸塩、錫酸塩、混合された酸化物/水酸化物、酸化物/水酸化物/炭酸塩、水酸化物/珪酸塩、または水酸化物/硼酸塩、またはこれらの物質の混合物(成分C)をホスホニットまたはホスホニット/ホスフィット混合物(成分D)およびモンタンワックス酸のエステルまたは塩(成分E)との組合せでまたは成分DあるいはEを芳香族のジ−またはトリカルボン酸エステルまたは芳香族のジ−またはトリカルボキシアミド(成分F)と組合せてまたは、ホスフィナート類(成分A)またはこれらの混合物を窒素含有相乗剤(成分B)と併用して添加することによって達成される。
【0013】
それ故に本発明は、成分Aとして25〜99.9重量%の下記式(I)のホスフィン酸塩および/または下記式(II)のジホスフィン酸塩
【0014】
【化6】



[ 式中、R1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C6 −アルキルおよび/またはアリールであり;
3 は直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C10−アルキレン、C6 〜C10−アリーレ ン、−アルキルアリーレンまたは−アリールアルキレンであり;
MはMg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、 Sr、Mn、Li、Na、Kおよび/またはプロトン化窒素塩基であり;
mは1〜4であり;
nは1〜4であり;および
xは1〜4である。]
および/またはこれらのポリマーを含有しそして成分Bとして10〜75重量%の窒素含有相乗剤成分またはリン/窒素系難燃剤を含有しそして成分Cとして0.1〜50重量%の塩基性または両性酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、硼酸塩、錫酸塩、混合された酸化物/水酸化物、酸化物/水酸化物/炭酸塩、水酸化物/珪酸塩、または水酸化物/硼酸塩、またはこれらの物質の混合物を含有しそして成分Dとして0〜5重量%の構造式
R−[P(OR1)R2]m (I)
[式中、Rが一価または多価の脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族有機基でありそして
1 は構造式(II)
【0015】
【化7】



で表される化合物であるかまたは二つのR1 が構造式(III)
【0016】
【化8】



で表されるブリッジ基を形成し、その際に
Aは直接結合、O、S、直鎖状または枝分かれしたC1-18−アルキレン、直鎖状または 枝分かれしたC1-18−アルキリデンであり、
2 は互いに無関係に直鎖状または枝分かれしたC1-12−アルキル、C1-12−アルコキ シ、C5-12−シクロアルキルでありそして
nは0〜5でありそして
mは1〜4である。]
で表されるホスホニットを含有しそして成分Eとして0〜5重量%のモンタンワックス酸のエステルまたは塩を含有しそして成分Fとして0.1〜5重量%のN,N’−ビスピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミドおよび/またはN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,3−ベンゼンジカルボキシアミドを含有し、各成分の合計が常に100重量%であることを特徴とする、熱可塑性ポリマー用の難燃剤−安定剤組合せ物を提供する。
【発明の効果】
【0017】
驚くべきことに、本発明者はホスフィナートと場合によっては窒素系相乗剤、例えばメラミンポリホスファートとの本発明の組合せ物が、ある酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、硼酸塩、錫酸塩、混合された酸化物/水酸化物、酸化物/水酸化物/炭酸塩、水酸化物/珪酸塩、または水酸化物/硼酸塩、またはこれらの物質の混合物がホスホニットまたはホスホニット/ホスファイト混合物よりなる混合物およびモンタン酸ワックスのエステルまたは塩との組合せ、またはこれらの成分と芳香族ジ−またはトリカルボン酸エステルまたは芳香族ジ−またはトリカルボキシアミドとの組合せまたはこれらの組合せを添加した場合に、ポリマー中に混入した時に著しく改善された安定性をもたらすことを見出した。規定した酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、硼酸塩、錫酸塩、混合された酸化物/水酸化物、酸化物/水酸化物/炭酸塩、水酸化物/珪酸塩、または水酸化物/硼酸塩、またはこれらの物質の混合物が変色を抑制することができるが、ポリマーの分解は観察される。驚くべきことに、ポリマーの分解がある種の他の添加物を添加することによって抑制され得ることを見出した。
【0018】
本発明の組合せ物は、難燃化性を十分に保持しながら同時に、溶融状態での加工の間の合成樹脂の変色を低減しそして低分子量の単位をもたらす合成樹脂の分解を抑制する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
Mは好ましくはカルシウム、アルミニウムまたは亜鉛である。
【0020】
プロトン化された窒素塩基は好ましくはアンモニア、メラミン、トリエタノールアミンのプロトン化された塩基、特に好ましくはNH4 + である。
【0021】
1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、好ましくは直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C6 −アルキルおよび/またはフェニルである。
【0022】
1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、特に好ましくはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第三ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルである。
【0023】
3 は好ましくはメチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、第三ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンまたはn−ドデシレンである。
【0024】
3 の他の有利な意味はフェニレンまたはナフチレンである。
【0025】
適するホスフィナートはPCT/EP97/039053号明細書に記載されている。ここにPCT/EP97/039053号明細書を全文記載したものとする。
【0026】
特に有利なホスフィナートにはホスフィン酸アルミニウム、ホスフィン酸カルシウムおよびホスフィン酸亜鉛である。
【0027】
規定したホスフィナートと窒素含有化合物との、非常に多くのポリマーにおいてホスフィナート単独(ドイツ特許出願公開(A)第196 14 424号明細書、同第197 34 437号明細書および同第197 37 727号明細書)よりも難燃剤としてより有効な作用を示す相乗性組合せ物も本発明の範囲に包含される。ホスフィナートの難燃作用は他の難燃剤、好ましくは窒素含有相乗剤またはリン/窒素系難燃剤との組合せによっても改善され得る。
【0028】
窒素含有相乗剤は好ましくは式(III) 〜(VIII)のそれら
【0029】
【化9】



[式中、R5 〜R7 が水素原子;水酸基またはC1 〜C4 −ヒドロシキアルキル基で置換 されたまたは置換されていないC1 〜C8 −アルキル、C5 〜C16−シクロアルキルま たは−アルキルシクロアルキル基; C2 〜C8 −アルケニル、C1 〜C8 −アルコキシ 、−アシル、または−アシルオキシ、C6 〜C12−アリールまたは−アリールアルキル 、−OR8 または−N(R8 )R9 、またはN−脂環式系またはN−芳香族系であり、 R8 は水素原子;水酸基またはC1 〜C4 −ヒドロキシアルキル基で置換されたまた は置換されていないC1 〜C8 −アルキル、C5 〜C16−シクロアルキルまたは−アル キルシクロアルキル; またはC2 〜C8 −アルケニル、C1 〜C8 −アルコキシ、−ア シルまたは−アシルオキシ、またはC6 〜C12−アリールまたは−アリールアルキルで あり、
9 〜R13はR8 について規定した基かまたは−O−R8 基であり、
mおよびnは互いに無関係に1,2,3または4であり、
Xはトリアジン化合物(III) と付加物を形成し得る酸である。]
またはそれらの混合物、またはトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレートと芳香族ポリカルボン酸とのオリゴマーエステルである。
【0030】
窒素含有相乗剤は好ましくはベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、グリコールウリル、メラミン、メラミンシアヌレート、ジシアンジアミド、グアニジン、カルボジイミド、硼酸亜鉛である。
【0031】
有利な窒素系相乗剤は、メラミンの縮合生成物であるのが有利である。例えばメラミンの縮合生成物はメレム、メラム、またはメロン、または高度な縮合水準を持つこの種の化合物並びにそれらの混合物であり、例えばPCT/EP97/16948に記載の方法によって製造できる。
【0032】
リン/窒素系難燃剤は好ましくはメラミンとリン酸または縮合リン酸との反応生成物であるかまたはメラミンの縮合生成物とリン酸または縮合リン酸との反応生成物またはここに記載した生成物の混合物である。
【0033】
リン酸または縮合リン酸との反応生成物はメラミンまたは縮合メラミン化合物、例えばメラム、メレムまたはメロン等とリン酸との反応によって生じる化合物である。例えばジメラミンホスファート、ジメラミンピロホスファート、メラミンホスファート、メラミンピロホスファート、メラミンポリホスファート、メラムポリホスファート、メロンポリホスファート、およびメレムポリホスファートおよび混合ポリ酸、例えばPCT/WO98/39306号明細書に記載されているものがある。
【0034】
リン/窒素系難燃剤は特に好ましくはメラミンポリホスファートである。
【0035】
リン/窒素系難燃剤は好ましくは式(NH4 y 3-y PO4 あるいは(NH4 PO3 z で表される窒素含有ホスファートであり、その際にyが1〜3でありそしてzが1〜10,000である。
【0036】
リン/窒素系難燃剤は好ましくはリン酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムまたはポリリン酸アンモニウムである。
【0037】
添加物は単独でまたはリン/窒素系難燃剤と組合せてホスフィナートに添加してもよい。これら添加物の例には以下のものがある:
1.酸化防止剤
1.1 アルキル化モノフェノール類、例えば2,6-ジ- 第三ブチル-4- メチルフェノール、 2-第三ブチル-4,6- ジメチルフェノール、2,6-ジ- 第三ブチル-4- エチルフェノール、 2,6-ジ- 第三ブチル-4-n- ブチルフェノール、2,6-ジ- 第三ブチル-4- イソブチルフェ ノール、2,6-ジ- シクロペンチル-4- メチルフェノール、2-( α- メチルシクロヘキシ ル)-4,6-ジメチルフェノール、2,6-ジ- オクタデシル-4- メチルフェノール、2,4,6-ト リ- シクロヘキシルフェノール、2,6-ジ- 第三ブチル-4- メエトキシメチルフェノール 、2,6-ジノニル-4- メチルフェノール、2,4-ジメチル-6-(1'- メチル- ウンデシ-1'-イ ル)-フェノール、2,4-ジメチル-6-(1'- メチル- ヘプタデシ-1'-イル)-フェノール、2, 4-ジメチル-6-(1'- メチル- トリデシ-1'-イル)-フェノールおよびそれらの混合物。
【0038】
1.2 アルキルチオメチルフェノール類、例えば 2,4- ジオクチルチオメチル-6- 第三ブ チルフェノール、 2,4- ジオクチル- チオメチル-6- メチルフェノール、 2,4- ジオク チル- チオメチル-6- エチルフェノール、2,6-ジドデシルチオメチル-4- ノニルフェノ ール。
【0039】
1.3 ハイドロキノンおよびアルキル化ハイドロキノン類、例えば2,6-ジ- 第三ブチル-4 - メトキシフェノール、2,5-ジ- 第三ブチル- ハイドロキノン、2,5-ジ- 第三アミル- ハイドロキノン、2,6-ジフェニル-4- オクタデシルオキシフェノール、2,6-ジ第三ブチ ル- ハイドロキノン、2,5-ジ第三ブチル-4- ヒドロキシアニソール、3,5-ジ第三ブチル -4- ヒドロキシアニソール、3,5-ジ第三ブチル-4- ヒドロキシフェニルステアレート、 ビス-(3,5-ジ第三ブチル-4- ヒドロキシフェニル)-アジペート。
【0040】
1.4 トコフェロール類、例えばα- トコフェロール、β- トコフェロール、γ- トコフ ェロール、δ- トコフェロールおよびそれらの混合物(ビタミンE)。
【0041】
1.5 ヒドロキシレート化チオジフェニルエーテル類、例えば2,2'- チオビス-(6-第三ブ チル-4- メチルフェノール) 、2,2'- チオビス-(4-オクチルフェノール) 、4,4'- チオ ビス-(6-第三ブチル-3- メチルフェノール) 、4,4'- チオビス-(6-第三ブチル-2- メチ ルフェノール) 、4,4'- チオビス-(3,6-ジ第二アミルフェノール) 、4,4'- ビス-(2,6- ジメチル-4- ヒドロキシフェニル)-ジスルフィド。
【0042】
1.6 アルキリデン- ビスフェノール類、例えば2,2'- メチレンビス-(6-第三ブチル-4- メチルフェノール) 、2,2'- メチレンビス-(6-第三ブチル-4- エチルフェノール) 、2, 2'- メチレンビス-[4-メチル-6-(α- メチルシクロヘキシル)-フェノール] 、2,2'- メ チレンビス-(4-メチル-6- シクロヘキシルフェノール) 、2,2'- メチレンビス-(6-ノニ ル-4- メチルフェノール) 、2,2'- メチレンビス-(4,6-ジ- 第三ブチルフェノール) 、 2,2'- エチリデンビス-(4,6-ジ- 第三ブチルフェノール) 、2,2'- エチリデンビス-(6- 第三ブチル-4- イソブチルフェノール) 、2,2'- メチレンビス-[6-( α- メチルベンジ ル)-4-ノニルフェノール] 、2,2'- メチレンビス-[6-( α, α- ジメチルベンジル)-4- ノニルフェノール] 、4,4'- メチレンビス-(2,6-ジ- 第三ブチルフェノール) 、4,4'- メチレンビス-(6-第三ブチル-2- メチルフェノール) 、1,1-ビス-(5-第三ブチル-4- ヒ ドロキシ-2- メチルフェニル)-ブタン、2,6-ジ-(3-第三ブチル-5- メチル-2- ヒドロキ シベンジル)-4-メチルフェノール、1,1,3-トリス-(5-第三ブチル-4- ヒドロキシ-2- メ チルフェニル)-ブタン、1,1-ビス-(5-第三ブチル-4- ヒドロキシ-2- メチルフェニル)- 3-n-ドデシルメルカプトブタン、エチレングリコール- ビス-[3,3'- ビス(3'-第三ブチ ル-4'-ヒドロキシフェニル)-ブチラート] 、ビス-(3-第三ブチル-4- ヒドロキシ-5- メ チルフェニル)-ジシクロペンタジエン、ビス-[2-(3'-第三ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メ チルベンジル)-6-第三ブチル-4- メチルフェニル]-テレフタレート、1,1-ビス-(3,5-ジ メチル-2- ヒドロキシフェニル)-ブタン、2,2-ビス-(3,5-ジ第三ブチル-4- ヒドロキシ フェニル)プロパン、2,2-ビス-(5-第三ブチル-4- ヒドロキシ2-メチルフェニル)-4-n - ドデシルメルカプトブタン、1,1,5,5-テトラ-(5-第三ブチル-4- ヒドロキシ-2- メチ ルフェニル)-ペンタン。
【0043】
1.7 O-、N-および S- ベンジル化合物、例えば 3,5,3',5'-テトラ第三ブチル-4,4'-ジ ヒドロキシジベンジルエーテル、オクタデシル-4- ヒドロキシ-3,5- ジメルベンジルメ ルカプトアセテート、トリス-(3,5-ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-アミン、ビ ス-(4-第三ブチル-3- ヒドロキシ-2,6- ジメチルベンジル)-ジチオテレフタレート、ビ ス-(3,5-ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-スルフィド、イソオクチル-3,5- 第三 ブチル-4- ヒドロキシベンジル- メルカプトアセテート。
【0044】
1.8 ヒドロキシベンジル化マロナート、例えばジオクタデシル-2,2- ビス-(3,5-ジ第三 ブチル-2- ヒドロキシベンジル)-マロナート、ジオクタデシル-2-(3-第三ブチル-4- ヒ ドロキシ-5- メチルベンジル)-マロナート、ジドデシルメルカプトエチル-2,2- ビス-( 3,5-ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-マロナート、ジ-[4(1,1,3,3-テトラメチル ブチル)-フェニル]-2,2-ビス-(3,5-ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-マロナート 。
【0045】
1.9 ヒドロキシベンジル芳香族化合物、例えば1,3,5-トリス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-2,4,6-トリメチルベンゼン、1,4-ビス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、2,4,6-トリス-(3,5-ジ- 第三ブ チル-4- ヒドロキシベンジル)-フェノール。
【0046】
1.10 トリアジン化合物、例えば 2,4- ビスオクチルメルカプト-6-(3,5-ジ- 第三ブチル -4- ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、 2- オクチルメルカプト-4,6- ビス-(3, 5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシアニリノ)-1,3,5-トリアジン、 2- オクチルメルカプ ト-4,6- ビス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェノキシ)-1,3,5-トリアジン、2, 4,6-トリス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェノキシ)-1,2,3-トリアジン、1,3, 5-トリス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレート、1,3,5-ト リス-(4-第三ブチル-3- ヒドロキシ-2,6- ジメチルベンジル)-イソシアヌレート、2,4, 6-トリス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェニルエチル)-1,2,3-トリアジン、1, 3,5-トリス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヘキサヒドロ -1,3,5- トリアジン、1,3,5-トリス-(3,5-ジシクロヘキシル-4- ヒドロキシベンジル)- イソシアヌレート。
【0047】
1.11 ベンジルホスホナート類、例えばジメチル 2,5- ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベン ジル- ホスホナート、ジエチル 3,5- ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル- ホスホナ ート、ジオクタデシル 3,5- ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル- ホスホナート、ジ オクタデシル 5- 第三ブチル-4- ヒドロキシ-3- メチルベンジル- ホスホナート、3,5- ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベンジル- ホスホン酸- モノエチルエステルのCa塩。
【0048】
1.12 アシルアミノフェノール類、例えば 4- ヒドロキシ- ラウリン酸アニリド、4-ヒド ロキシ- ステアリン酸アニリド、N-(3,5- ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェニル)-カ ルバミン酸オクチルエステル。
【0049】
1.13 β-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸と一価- または多 価アルコール類、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、 1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオ ール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレン- グリコール、ジエチレングリコール 、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス-(ヒドロキシエチル)-イソ シアヌレート、N,N'- ビス-(ヒドロキシエチル)-蓚酸アミド、3-チアウンデカノール、 3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4- ヒドロキシメチル-1- ホスファ-2,6,7- トリオキサビシクロ-[2,2,2]- オクタンとのエ ステル。
【0050】
1.14 β-(5-第三ブチル-4- ヒドロキシ-3- メチルフェニル)-プロピオン酸と一価または 多価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、 1,6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオ ール、ネオペンチルグリコール、チオジエチレン- グリコール、ジエチレングリコール 、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス-(ヒドロキシエチル)-イソ シアヌレート、N,N'- ビス-(ヒドロキシエチル)-蓚酸ジアミド、3-チアウンデカノール 、3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、 4-ヒドロキシメチル-1- ホスファ-2,6,7- トリオキサビシクロ-[2,2,2]- オクタンとの エステル。
【0051】
1.15 β-(3,5-ジシクロヘキシル-4- ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸と一価または多 価アルコール、例えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1, 6-ヘキサンジオール、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオー ル、ネオペンチルグリコール、チオジエチレン- グリコール、ジエチレングリコール、 トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、トリス-(ヒドロキシエチル)-イソシ アヌレート、N,N'- ビス-(ヒドロキシエチル)-蓚酸ジアミド、3-チアウンデカノール、 3-チアペンタデカノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4- ヒドロキシメチル-1- ホスファ-2,6,7- トリオキサビシクロ-[2,2,2]- オクタンとのエ ステル。
【0052】
1.16 3,5-ジ第三ブチル-4- ヒドロキシフェニル酢酸と一価または多価アルコール、例 えばメタノール、エタノール、オクタノール、オクタデカノール、1,6-ヘキサンジオー ル、1,9-ノナンジオール、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ネオペンチル グリコール、チオジエチレン- グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ コール、ペンタエリスリトール、トリス-(ヒドロキシエチル)-イソシアヌレート、N,N' - ビス-(ヒドロキシエチル)-蓚酸ジアミド、3-チアウンデカノール、3-チアペンタデカ ノール、トリメチルヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、4-ヒドロキシメチル -1- ホスファ-2,6,7- トリオキサビシクロ-[2,2,2]- オクタンとのエステル。
【0053】
1.17 β-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェニル)-プロピオン酸のアミド類、例え ばN,N'- ビス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヘキサメチ レンジアミン、N,N'- ビス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェニルプロピオニル )-トリメチレンジアミン、N,N'- ビス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェニルプ ロピオニル)-ヒドラジン。
【0054】
2. 紫外線吸収剤および光安定剤
2.1 2-(2'- ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾール類、例えば2-(2'-ヒドロキシ-5 '-メチルフェニル)-ベンゾトリアゾール、2-(3',5'- ジ第三ブチル-2'-ヒドロキシフェ ニル)-ベンゾトリアゾール、2-(5'-第三ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリア ゾール、2-[2'-ヒドロキシ-5'-(1,1,3,3- テトラメチルブチル) フェニル]-ベンゾトリ アゾール、2-(3',5'- ジ第三ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)-5-クロロ- ベンゾトリア ゾール、2-(3'-第三ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)-5-クロロ- ベンゾトリ アゾール、2-(3'-第二ブチル-5'-第三ブチル-2'-ヒドロキシフェニル)-ベンゾトリアゾ ール、2-(2'-ヒドロキシ-4'-オクトキシフェニル)-ベンゾトリアゾール; 2-(3',5'- ジ 第三アミル-2'-ヒドロキシフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(3',5'- ビス( α、α- ジメチルベンジル)-2'- ヒドロキシフェニル) ベンゾトリアゾール; 2-( 第三ブチル-2 '-ヒドロキシ-5'-(2- オクチルオキシカルボニルエチル)-フェニル)-5-クロロベンゾト リアゾール、 2-(3'- 第三ブチル-5'-[(2-エチルヘキシルオキシ) カルボニルエチル]- フェニル)-2'- ヒドロキシヘニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3'-第三ブチル-2 '-ヒドロキシ-5'-(2- メトキシカルボニルエチル) フェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ ール、 2-(3'- 第三ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2- メトキシカルボニルエチル) フェニ ル) ベンゾトリアゾール、2-(3'-第三ブチル-2'-ヒドロキシ-5'-(2- オクチルカルボニ ルエチル) ベンゾトリアゾール、2-(3'-第三ブチル-5'-[2-(2-エチルヘキシルオキシ) カルボニルエチル]-2'- ヒドロキシフェニル) ベンゾトリアゾール、2-(3'-ドデシル-2 '-ヒドロキシ-5'-メチルフェニル) ベンゾトリアゾールおよび2-(3'-第三ブチル-2'-ヒ ドロキシ-5'-(2- イソオクチルカルボニルエチル) フェニルベンゾトリアゾール、2,2' - メチレン- ビス-[4-(1,1,3,3- テトラメチルブチル)-6-ベンゾトリアゾール-2- イル - フェノール] よりなる混合物; 2-[3'-第三ブチル-5'-(2- メトキシカルボニルエチル )-2'- ヒドロキシフェニル]-ベンゾトリアゾールとポリエチレングリコール 300とのエ ステル交換反応生成物; [R-CH2CH2-COO(CH2)3]2 ( 式中、R は3'- 第三ブチル-4'-ヒド ロキシ-5'-2H- ベンゾトリアゾール-2- イル- フェニルである。) 。
【0055】
2.2 2- ヒドロキシベンゾフェノン類、例えば4-ヒドロキシ- 、4-メトキシ- 、4-オク トキシ- 、4-デシルオキシ- 、4-ドデシルオキシ- 、4-ベンジルオキシ- 、4,2',4'-ト リヒドロキシ- 、2'- ヒドロキシ-4,4'-ジメトキシ誘導体。
【0056】
2.3 場合によって置換された安息香酸のエステル、例えば4-第三ブチル- フェニル- サ ルチラート、フェニル- サルチラート、オクチルフェニル- サルチラート、ジベンゾイ ルレゾルシノール、ビス-(4-第三ブチルベンゾイル)-レゾルシノール、ベンゾイルレゾ ルシノール、2,4-ジ- 第三ブチルフェニル 3,5- 第三ブチル-4- ヒドロキシ- ベンゾエ ート、ヘキサデシル 3,5- ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシベンゾエート、オクタデシル 3,5- ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシベンゾエート、2-メチル-4,6- 第三ブチル- フェ ニル 3,5- ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベンゾエート。
【0057】
2.4 アクリレート類、例えばα- シアノ- β, β- ジフェニルアクリル酸エチルエステ ルまたはα- シアノ- β, β- ジフェニルアクリル酸イソオクチルエステル、α- カル ボメトキシ- 桂皮酸メチルエステル、α- シアノ- β- メチル-p- メトキシ桂皮酸メチ ルエステルまたはα- シアノ- β- メチル-p- メトキシ桂皮酸ブチルエステル、α- カ ルボメトキシ-p- メトキシ桂皮酸メチルエステルおよびN-( β- カルボメトキシ- β- シアノビニル)-2-メチル- インドリン。
【0058】
2.5 ニッケル化合物、例えば2,2'- チオ- ビス-[4-(1,1,3,3- テトラメチル- ブチル)- フェノール] のニッケル錯塩、例えば場合によっては追加的配位子、例えばn-ブチルア ミン、トリエタノールアミンまたはN-シクロヘキシル- ジエタノールアミンを持つ 1:1 - または1:2-錯塩、ジブチルジチオカルバミン酸ニッケル、モノアルキルエステルのニ ッケル塩、例えば4-ヒドロキシ-3,5- ジ- 第三ブチル- ベンジルホスホン酸のメチルま たはエチルエステルのニッケル塩、ケトオキシム類のニッケル錯塩、例えば2-ヒドロキ シ-4- メチルフェニル- ウンデシル- ケトオキシムのそれら、1-フェニル-4- ラウロイ ル-5- ヒドロキシピラゾールの、場合によっては追加的配位子を持つニッケル錯塩。
【0059】
2.6 立体障害アミン類、例えばビス-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジイル) セバケート 、ビス-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジイル)-スクシナート、ビス-(1,2,2,6,6-ペンタ メチルピペリジイル) セバケート、n-ブチル-3,5- ジ第三ブチル-4- ヒドロキシベンジ ルマロン酸- ビス-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン)-エステル、1-ヒドロキシエチ ル-2,2,6,6- テトラメチル-4- ヒドロキシピペリジンとコハク酸との縮合生成物、N,N' - ビス-(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-第三オク チルアミノ-2,6- ジクロロ-1,3,5-s- トリアジンとの縮合生成物、トリス-(2,2,6,6-テ トラメチル-4- ピペリジル)-ニトリロトリアセテート、テトラキス-(2,2,6,6-テトラメ チル-4- ピペリジル)-1,2,3,4-ブタンテトラオエート、1,1'-(1,2-エタンジイル)-ビス -(3,3,5,5-テトラメチルピペラジノン) 、4-ベンゾイル-2,2,6,6- テトラメチルピペリ ジン、4-ステアリロキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジン、4-ステアリロイルオキシ -2,2,6,6- テトラメチルピペリジン、ビス-(1,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジル)-2-n- ブチル-2-(2-ヒドロキシ-3,5- ジ第三ブチルベンジル)-マロナート、3-n-オクチル-7,7 ,9,9- テロラメチル-1,3,8- トリアザスピロ[4,5] デカン-2,4- ジオン、ビス-(1-オク チルオキシ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジル)-セバケート、ビス-(1-オクチルオキシ -2,2,6,6- テトラメチルピペリジル)-スクシナート、N,N'- ビス-(2,2,6,6-テトラメチ ル-4- ピペリジル)-ヘキサメチレンジアミンと4-モルホリノ-2,6- ジクロロ-1,3,5- ト リアジンとの縮合生成物、2-クロロ-4,6- ジ-(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6- テトラメチ ルピペリジル)-1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノ) エタンとの縮 合生成物、2-クロロ-4,6- ジ-(4-n-ブチルアミノ-2,2,6,6- テトラメチルピペリジル)- 1,3,5-トリアジンと1,2-ビス-(3-アミノプロピルアミノ) エタンとの縮合生成物、8-ア セチル-3- ドデシル-7,7,9,9- テトラメチル-1,3,8- トリアザスピロ[4,5] デカン-2,4 - ジオン、3-ドデシル-1-(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジル) ピロリジン-2,5- ジ オン、3-ドデシル-1-(1,2,2,6,6-ペンタメチル-4- ピペリジル) ピロリジン-2,5- ジオ ン。
【0060】
2.7 オキサルアミド類、例えば 4,4'-ジ- オクチルオキシ- オキサニリド、2,2'- ジエ トキシオキサニリド、2,2'- ジ- オクチルオキシ-5,5'-ジ- 第三ブチル- オキサニリド 、2,2'- ジドデシルオキシ-5,5'-ジ- 第三ブチル- オキサニリド、2-エトキシ-2'-エチ ル- オキサニリド、N,N'- ビス-(3-ジメチルアミノプロピル)-オキサミド、2-エトキシ -5- 第三ブチル-2'-エチルオキサニリドおよびこれと2-エトキシ-2'-エチル-5,4'-ジ第 三ブチル- オキサニリドとの混合物、o-およびp-メトキシ- 二置換されたオキサニリド の混合物並びにo-およびp-エトキシ- 二置換されたオキサニリドの混合物。
【0061】
2.8 2-(2- ヒドロキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、例えば2,4,6-トリス-(2-ヒドロキ シ-4- オクチルオキシフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2- ヒドロキシ-4- オクチルフ ェニル)-4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-(2,4- ジヒドロキシ フェニル)-4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2,4-ビス-(2-ヒドロ キシ-4- プロピルオキシフェニル)-6-(2,4- ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2- (2- ヒドロキシ-4- オクチルオキシフェニル)-4,6-ビス-(4-メチルフェニル)-1,3,5-ト リアジン、2-(2- ヒドロキシ-4- ドデシルオキシフェニル)-4,6-ビス-(4-メチルフェニ ル)-1,3,5-トリアジン、2-[2- ヒドロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3- ブチルオキシプロピル オキシ) フェニル]-4,6-ビス-(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン、2-[2- ヒド ロキシ-4-(2-ヒドロキシ-3- オクチルオキシプロピルオキシ) フェニル]-4,6-ビス-(2, 4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジン。
【0062】
3. 金属不活性化剤、例えばN,N'- ジフェニルオキサルアミド、N-サリチラル-N'-サリチ ロイル- ヒドラジン、N,N'- ビス-(サリチロイル)-ヒドラジン、N,N'- ビス-(3,5-ジ- 第三ブチル-4- ヒドロキシフェニルプロピオニル)-ヒドラジン、3-サリチロイルアミノ -1,2,4- トリアゾール、ビス( ベンジリデン) オキサリル- ジヒドラジド、オキサニリ ド、イソフタロイルジヒドラジド、セバコイル- ビスフェニルヒドラジド、N,N'- ジア セチルアジポイル- ジヒドラジド、N,N'- ビス-(サリシロイル) オキサリル- ジヒドラ ジド、N,N'- ビス- サリシロイル- チオプロピニル- ヒドラジド。
【0063】
4. ホスフィット類およびホスホニット類、例えばトリフェニル- ホスフィット、ジフェ ニル- アルキル- ホスフィット、フェニル- ジアルキルホスフィット、トリス-(ノニル フェニル)-ホスフィット、トリラウリル- ホスフィット、トリオクタデシル- ホスフィ ット、ジステアリル- ペンタエリスリット- ジホスフィット、トリス-(2,4-ジ- 第三ブ チルフェニル) ホスフィット、ジイソデシル- ペンタエリスリット- ジホスフィット、 ビス-(2,4-ジ- 第三ブチルフェニル) ペンタエリスリット- ジホスフィット、ビス-(2, 6-ジ- 第三ブチル-4- メチルフェニル) ペンタエリスリット- ジホスフィット、ビス- イソデシルオキシ- ペンタエリスリットジホスフィット、ビス-(2,4-ジ- 第三ブチル-6 - メチルフェニル) ペンタエリスリットジホスフィット、ビス-(2,4,6-トリ- 第三ブチ ルフェニル) ペンタエリスリット- ジホスフィット、トリステアリル- ソルビトールト リホスフィット、テトラキス-(2,4-ジ- 第三ブチルフェニル)-4,4'- ビフェニレン- ジ ホスホニット、6-イソオクチルオキシ-2,4,8,10-テトラ第三ブチル-12H- ジベンズ[d,g ]-1,3,2-ジオキサホスホシン、6-フルオロ-2,4,8,10-テトラ第三ブチル-12-メチルジベ ンゾ[d,g]-1,3,2-ジオキサホスホシン、ビス[2,4- ジ第三ブチル-6- メチルフェニル) メチルホスフィット、ビス(2,4- ジ第三ブチル-6- メチルフェニル) - エチルホスフィ ット。
【0064】
5. 過酸化物分解剤、例えばβ- チオ- ジプロピオン酸のエステル類、例えばラウリル- 、ステアリル- 、ミリスチル- またはトリデシル- エステル類、メルカプトベンズイミ ダゾール、2-メルカプトベンズイミダゾールの亜鉛塩、ジブチル亜鉛- ジチオカルバマ ートジオクタデシルジスルフィド、ペンタエリスリット- テトラキス-(β- ドデシルメ ルカプト)-プロピオナート。
【0065】
6. ポリアミド安定剤、例えば銅塩と沃化物および/または燐化合物および二価のマンガ ンの塩との組合せ。
【0066】
7. 基礎的補助安定剤、例えばメラミン、ポリビニルピロリドン、ジシアンジアミン、ト リアリル- シアヌレート、尿素誘導体、ヒドラジン誘導体、アミン類、ポリアミンド類 、ポリウレタン類、高級脂肪酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、例えばス テアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸マグネシウム、ステアリン酸マグ ネシウム、リシノール酸ナトリウム、パルミチン酸カリウム、アンチモン- カテコーラ ートまたは錫- カテコラート。
【0067】
8. 成核剤、例えば4-第三ブチル- 安息香酸、アジピン酸; ジフェニル酢酸。
【0068】
9. フィラーおよび補強剤、例えば炭酸カルシウム、珪酸塩、ガラス繊維、アスベスト、 タルク、カオリン、マイカ、硫酸バリウム、金属酸化物および- 水酸化物、カーボンブ ラック、グラファイト。
【0069】
10. 他の添加物、例えば可塑剤、膨張性グラファイト、潤滑剤、乳化剤、顔料、蛍光増 白剤、難燃剤、帯電防止剤、発泡剤。
【0070】
これらの追加的添加物はポリマーに、難燃剤の添加前、難燃剤と一緒にまたは後で添加してもよい。これらの添加剤は難燃剤と同様に、固体の状態、溶液の状態または溶融物としてまたは固体または液体の混合物またはマスターバッチ/ 濃厚物の状態で添加してもよい。
【0071】
金属酸化物は好ましくは酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マンガンおよび/または酸化錫である。
【0072】
水酸化物は好ましくは水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、ヒドロタルサイト(hydrotalcite) 、ヒドロカルマイト、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、酸化錫水和物および/または水酸化マンガンである。
【0073】
成分Cは好ましくは硼酸亜鉛、塩基性珪酸亜鉛または錫酸亜鉛である。
【0074】
成分Cは特に好ましくは水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、ジヒドロタルサイトまたはベーマイトである。
【0075】
成分Dとして適するのは、構造式
R−[P(OR1)R2]m (I)
[式中、Rが一価または多価の脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族有機基でありそして
1 は構造式(II)
【0076】
【化10】



で表される化合物であるかまたは二つのR1 が構造式(III)
【0077】
【化11】



で表されるブリッジ基を形成し、その際に
Aは直接結合、O、S、直鎖状または枝分かれしたC1-18−アルキレン、直鎖状または 枝分かれしたC1-18−アルキリデンであり、
2 は互いに無関係に直鎖状または枝分かれしたC1-12−アルキル、C1-12−アルコキ シ、C5-12−シクロアルキルでありそして
nは0〜5でありそして
mは1〜4である。]
で表されるホスホニットである。
【0078】
有利な基は、Rが直鎖状または枝分かれしたC4-18−アルキル、直鎖状または枝分かれしたC4-18−アルケニル、C5-12−シクロアルキル、C5-12−シクロアルケニル、C6-24−アリールまたは−ヘテロアリール、C6-24−アリーレンまたは−ヘテロアリーレンであり、これらは置換されていてもよく;R1 が構造式(II)または(III) で表される基であり、その際にR2 は互いに無関係に直鎖状または枝分かれしたC1-8 −アルキル、C1-8 −アルコキシ、シクロアルキルであり;Aが直接結合、O、直鎖状または枝分かれしたC1-8 −アルキレン、直鎖状または枝分かれしたC1-8 −アルキリデンであり、そしてnが0〜3でありそしてmが1〜3であるものである。
【0079】
特に有利な基は、Rがシクロヘキシル、フェニル、フェニレン、ビフェニル基であり;R1 が構造式(II)または(III) で表される基であり;その際にR2 は互いに無関係に直鎖状または枝分かれしたC1-8 −アルキル、C1-8 −アルコキシ、シクロヘキシルであり;Aが直接結合、O、直鎖状または枝分かれしたC1-6 −アルキリデンであり、そしてnが1〜3でありそしてmが1または2であるものである。
【0080】
更に、上述の請求項に従う化合物の混合物は式(IV)のホスフィットとの組合せであり、その際にR1 が上に規定した通り、
P(OR1 3 (IV)
で表される。
【0081】
特に有利なのは、上記の請求項をベースとして芳香族系またはヘテロ芳香族系、例えばベンゼン、ビフェニル、またはジフェニルエーテルを三ハロゲン化リン、好ましくは三塩化リンとをフリーデルクラフト触媒、塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化鉄等の存在下にフリーデルクラフト反応させそして構造式(II)および(III) をベースとするフェノールと反応させることによって製造される化合物である。過剰の三ハロゲン化リンおよび上述のフェノールから特殊な反応順序で製造されるホスフィットとの混合物も明らかに本発明によって包含されている。
【0082】
これらの化合物の群の内、以下の構造(V) および(VI)が有利である:
【0083】
【化12】



[式中、nは0または1である。]
これらの混合物は場合によっては化合物(VII) または(VIII)の成分も含有していてもよい:
【0084】
【化13】



【0085】
【化14】



成分Eとして適するのは一般にC14〜C40−の鎖長を有する長鎖の脂肪族カルボン酸(脂肪酸)のエステルまたは塩である。エステルは上述のカルボン酸と慣用の多価アルコール、例えばエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリットとの反応生成物である。上記のカルボン酸のアルカリ金属- またはアルカリ土類金属塩またはアンモニウム塩および亜鉛塩が特に使用される。
【0086】
成分Eは好ましくはステアリン酸のエステルまたは塩、例えばグリセロールモノステアレートまたはステアリン酸カルシウムである。
【0087】
成分Eはモンタンワックス酸とエチレングリコールとの反応生成物である。
【0088】
有利なこの反応生成物はモンタンワックス酸のモノ−およびジ(エチレングリコール)エステル、モンタン酸ワックス、およびエチレングリコールよりなる混合物である。
【0089】
好ましい成分Eはモンタンワックス酸とカルシウム塩との反応生成物である。
【0090】
特に好ましくは反応生成物は、モンタンワックス酸のモノ−およびジ−(1,3−ブタンジオール)エステル、モンタンワックス酸、1,3−ブタンジオール、モンタン酸カルシウムおよびカルシウム塩の混合物である。
【0091】
カルボン酸(エステル)アミド類は成分Fとして適する。
【0092】
好ましい成分Fは芳香族ジ−またはトリカルボン酸(エステル)アミドの誘導体である。
【0093】
有利なこの誘導体にはN,N’−ビスピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミドである。
【0094】
特に有利な誘導体はN,N’−ビス(2,2,6,6-テトラメチル-4- ピペリジニル)-1,3-ベンゼンジカルボキシアミドである。
【0095】
難燃剤−安定性組合せ物中の成分A、BおよびCの量比は意図する用途分野に実質的に依存しており、広い範囲で変更できる。用途分野次第で、難燃剤−安定性組合せ物は25〜99.9重量%の成分A、0〜75重量%の成分Bおよび0.1〜50重量%の成分C、0〜5重量%の成分D、0〜5重量%の成分Eおよび0.1〜5重量%の成分Fを含有する。
【0096】
難燃剤−安定性組合せ物は、好ましくは50〜90重量%の成分A、0〜50重量%の成分B、1〜20重量%の成分C、0〜5重量%の成分D、0〜5重量%の成分Eおよび0.1〜5重量%の成分Fを含有する。
【0097】
難燃剤−安定性組合せ物は、特に好ましくは50〜80重量%の成分A、20〜50重量%の成分B、2〜20重量%の成分C、0〜3重量%の成分D、0〜3重量%の成分Eおよび0.1〜4重量%の成分Fを含有する。
【0098】
本発明の難燃剤−安定性組合せ物はカルボジイミドを含有していてもよい。
【0099】
本発明は、また、本発明の難燃剤−安定性組合せ物を含む難燃性合成樹脂成形材料にも関する。
【0100】
好ましい合成樹脂は、HI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルボナートと称される種類の熱可塑性ポリマーおよびABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカルボナート/アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPPE/HIPS(ポリフェニレンエーテル/HI(ポリスチレン)合成樹脂と称されるブレンドまたはポリブレンドである。
【0101】
特に有利な合成樹脂はポリアミド、ポリエステルおよびPPE/HIPS−ブレンドである。
【0102】
難燃剤−安定性組合せ物の使用総量は、合成樹脂成形材料を基準として2〜50重量%である。
【0103】
合成樹脂成形材料中の難燃剤−安定性組合せ物の使用総量は、合成樹脂成形材料を基準として10〜30重量%である。
【0104】
最後に本発明は本発明の難燃剤−安定剤組合せ物を含有するポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバーである。
【0105】
ポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバーは、ポリマーがHI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルボナート、およびABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカルボナート/アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン)と要される種類のブレンドまたはポリーブレンドであるものである。
【0106】
有利なポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバーは、ポリマー含有量を基準として2〜50重量%の量で含有する。
【0107】
特に有利なポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバーは、ポリマー含有量を基準として10〜30重量%の量で含有する。
【0108】
特に有利な一つの実施態様においては、ポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバーは、ポリマー含有量を基準として2〜30重量%の難燃剤−安定性組合せ物を含有し、その際に該難燃剤−安定性組合せ物は50〜80重量%の成分A、20〜50重量%の成分B、2〜20重量%の成分C、0〜3重量%の成分D、0〜3重量%の成分Eおよび0.1〜3重量%の成分Fを含有する。
【0109】
特に有利な一つの実施態様においては、ポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバーは、ポリマー含有量を基準として2〜30重量%の難燃剤−安定性組合せ物を含有し、その際に該難燃剤−安定性組合せ物は60〜98重量%の成分A、2〜40重量%の成分C、0〜1重量%の成分D、0〜1重量%の成分Eおよび0.1〜1重量%の成分Fを含有する。
【0110】
上記の添加物は非常に広範な手順で合成樹脂中に導入することができる。例えばポリアミド類またはポリエステルの場合には、添加物を早い段階でポリマー溶融物中に混入することによって、すなわち重合/重縮合の開始時またはその最後にまたは続くコンパウンド加工時に混入することによって導入することができる。更に添加物が後で初めて添加される加工法もある。これは、特に顔料マスターバッチまたは添加剤マスターバッチが使用される場合に行われる。他の可能な方法は、特に粉末状添加物を乾燥工程からの熱いままでもよいポリマーペレットにドラム法で適用するものである。
【0111】
難燃剤−安定剤組合せ物は好ましくはペレット、フレーク、微細粒子、粉末および/または超微粉砕化された物質の状態でもよい。
【0112】
難燃剤−安定剤組合せ物は好ましくは固体、溶融混合物、コンパクト化物質、押出加工材料またはマスターバッチの物理的混合物の状態である。
【0113】
この混合物はポリアミドまたはポリエステルの成形材料において使用するのが有利である。適するポリアミドの例はドイツ特許出願公開(A)第19920276号明細書に記載されている。
【0114】
ポリアミドは好ましくはアミノ酸のタイプおよび/またはジアミン−ジカルボン酸のタイプのポリアミドである。
【0115】
ポリアミドは好ましくはナイロン−6および/またはナイロン−6,6である。
【0116】
ポリアミドは好ましくは未変性であるか、有色であるか、充填剤を含有しているかまたは充填剤を含有していないか、補強されているか、未補強であるかまたは他の何らかの方法で変性されている。
【0117】
ポリエステルは好ましくはポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートでもよい。
【0118】
ポリエステルは好ましくは未変性であるか、有色であるか、充填剤を含有しているかまたは充填剤を含有していないか、補強されているか、未補強であるかまたは他の何らかの方法で変性されている。
【0119】
カルボジイミドも存在していてもよい。
【実施例】
【0120】
1.使用される成分
市販のポリマー(ペレット):
ナイロン6.6(GRPA 6.6): (R)Durethan A 30(Bayer AG, ドイツ国)
(R) Vetrotex 983 EC 104.5mmガラス繊維(Saint-Gobain-Vetrotex,ドイツ)
難燃剤(成分A):
ジエチルホスフィン酸のアルミニウム塩(以下、DEPALと記載する)。
【0121】
相乗剤(成分B):
(R) Melapur 200(メラミンポリホスファート) ( 以下、MPPと称する; DSM Melapur NL)。
【0122】
成分C:
活性酸化亜鉛; Bayer AG、ドイツ国
(R) Firebrake ZB 硼酸亜鉛, Borax, USA
(R) Magbifin H10 水酸化マグネシウム, Martinswerk,ドイツ国。
【0123】
DHT 4Aタルサイト二水和物 (dihydrotalcite,Kyowa Chemicals, 日本) 。
【0124】
ホスホニット( 成分D): Sandstab (R) P-EPQ (R) 、Clariant GmbH 、ドイツ国。
【0125】
ワックス成分( 成分E):
(R) Licomont CaV 102, Clariant GmbH 、ドイツ国(モンタンワックス酸のCa塩) 芳香族ジ−またはトリカルボン酸エステルまたは芳香族ジ−またはトリカルボキシアミド(成分F):
Nylostab(R) S-EED (R) , Clariant GmbH 、ドイツ国
( * Nylostab S-EED はN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,3−ベンゼンジカルボキシアミドである)
2.難燃性合成樹脂成形材料の製造、加工および試験
難燃性成分を、表に記載した割合でホスホニット、潤滑剤、および安定剤と混合しそして二軸スクリュー式押出機 (Leistritz ZSE 27/44D) の側部フィーダーを通して260〜310℃の温度でナイロン−6,6中に混入する。ガラス繊維を第二の側部フィーダーを通して添加する。均一化されたポリマーを引出し加工し、ウオーターバスで冷却しそして次いでペレット化する。
【0126】
十分に乾燥した後に成形材料を射出成形機(Arburg Allrounder)で270〜320℃の溶融物温度で試験体に加工し、UL−94(Underwriers Laboratories) 試験をベースとして難燃性について試験し各付けする。
【0127】
成形材料の流動性は275℃/2.16kgでの溶融物容積指数(MVR) の測定によって測定する。MVR値の明瞭な増加はポリマーの分解を示す。
【0128】
他に指摘がない限り、各シリーズの全ての試験は同じ条件(温度プログラム、スクリュウー形状、射出成形パラメータ等)のもとでの比較のために実施した。
【0129】
混合処方の比較例1〜3は、ジエチルホスフィン酸のアルミニウム塩(DEPAL)および窒素含有相乗剤のメラミンポリホスファート(MPP)、および金属酸化物および金属硼酸塩のそれぞれ単独をベースとする難燃剤組成物が使用されている比較例である。
【0130】
難燃剤と安定剤の混合物を本発明に従って使用した結果は実施例1〜3に挙げてある。全ての量は重量%で記載しそして難燃剤組合せ物および添加物を含めた合成樹脂成形材料をベースとする。
【0131】
表1:実験“比較例1〜3”の結果は比較例でありそして“実施例1〜3”は本発明の難燃剤−安定剤混合物である:
【0132】
【表1】



これらの例から本発明の添加物(ホスフィナート、窒素系相乗剤および酸化物および硼酸塩並びに成分D、EまたはFのそれぞれよりなる混合物)がポリマーの加工性および射出成形性を難燃作用を害することなく著しく改善することが判る。
【0133】
ナイロン−6.6中に難燃剤DEPALおよびMPPを混入することが成形材料をグレーに変色させる(比較例1)。酸化亜鉛または硼酸亜鉛の添加がグレーへの変色を抑制するが、機械的性質の著しい劣化がある(比較例2、比較例3)。
【0134】
ホスフィナート、窒素系相乗剤、硼酸塩およびモンタンワックス酸のカルシウム塩よりなる本発明の難燃剤−安定剤組合せ物(実施例1)を使用した場合には、難燃性があるだけでなく、変色もなく良好な機械的性質を有する。低いMVR値からは、ポリマーの分解が生じないことが判る。ホスホニット(実施例2)および Nylostab S-EED を使用した場合には、難燃性があり、変色がなくそして良好な機械的性質が同様に認められる。驚くべきことに Nylostab S-EED を使用することが、高い衝撃強度および切欠き衝撃強度をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
成分Aとして25〜99.9重量%の下記式(I)のホスフィン酸塩および/または下記式(II)のジホスフィン酸塩
【化1】



[ 式中、R1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C6 −アルキルおよび/またはアリールであり;
3 は直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C10−アルキレン、C6 〜C10−アリーレ ン、−アルキルアリーレンまたは−アリールアルキレンであり;
MはMg、Ca、Al、Sb、Sn、Ge、Ti、Zn、Fe、Zr、Ce、Bi、 Sr、Mn、Li、Na、Kおよび/またはプロトン化窒素塩基であり;
mは1〜4であり;
nは1〜4であり;および
xは1〜4である。]
および/またはこれらのポリマーを含有しそして成分Bとして10〜75重量%の窒素含有相乗剤成分またはリン/窒素系難燃剤を含有しそして成分Cとして0.1〜50重量%の塩基性または両性酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、硼酸塩、錫酸塩、混合された酸化物/水酸化物、酸化物/水酸化物/炭酸塩、水酸化物/珪酸塩、または水酸化物/硼酸塩、またはこれらの物質の混合物を含有しそして成分Dとして0〜5重量%の構造式
R−[P(OR1)R2]m (I)
[式中、Rが一価または多価の脂肪族、芳香族またはヘテロ芳香族有機基でありそして
1 は構造式(II)
【化2】



で表される化合物であるかまたは二つのR1 が構造式(III)
【化3】



で表されるブリッジ基を形成し、その際に
Aは直接結合、O、S、直鎖状または枝分かれしたC1-18−アルキレン、直鎖状または 枝分かれしたC1-18−アルキリデンであり、
2 は互いに無関係に直鎖状または枝分かれしたC1-12−アルキル、C1-12−アルコキ シ、C5-12−シクロアルキルでありそして
nは0〜5でありそして
mは1〜4である。]
で表されるホスホニットを含有しそして成分Eとして0〜5重量%のモンタンワックス酸のエステルまたは塩を含有しそして成分Fとして0.1〜5重量%のN,N’−ビスピペリジニル−1,3−ベンゼンジカルボキシアミドおよび/またはN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,3−ベンゼンジカルボキシアミドを含有し、各成分の合計が常に100重量%であることを特徴とする、熱可塑性ポリマー用の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項2】
1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、直鎖状のまたは枝分かれしたC1 〜C6 −アルキルおよび/またはフェニルである、請求項1に記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項3】
1 およびR2 は互いに同じかまたは異なり、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第三ブチル、n−ペンチルおよび/またはフェニルである、請求項1または2に記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項4】
3 がメチレン、エチレン、n−プロピレン、イソプロピレン、n−ブチレン、第三ブチレン、n−ペンチレン、n−オクチレンまたはn−ドデシレン;フェニレンまたはナフチレン;メチルフェニレン、エチルフェニレン、第三ブチルフェニレン、メチルナフチレン、エチルナフチレンまたは第三ブチルナフチレン;フェニルメチレン、フェニルエチレン、フェニルプロピレンまたはフェニルブチレンである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項5】
Mがカルシウムイオン、アルミニウムイオンまたは亜鉛イオンである、請求項1〜4のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項6】
成分Bがメラミンの縮合生成物である、請求項1〜5のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項7】
メラミンの縮合生成物がメレム、メラム、メロンおよび/または高度な縮合水準を持つそれらの化合物である、請求項1〜6のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項8】
成分Bがメラミンとポリリン酸との反応生成物を含みおよび/またはメラミンの縮合生成物とポリリン酸と反応生成物であるかまたはそれらの混合物である、請求項1〜5のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項9】
反応生成物がジメラミンピロホスファート、メラミンポリホスファート、メレムポリホスファート、メラムポリホスファート、メロンポリホスファートおよび/またはこれらの種類のポリ塩の混合物である、請求項8に記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項10】
成分Bがメラミンポリホスファートである、請求項9に記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項11】
リン/窒素系難燃剤成分が式(NH4 y 3-y PO4 あるいは(NH4 PO3 z で表される窒素含有ホスファートであり、その際にyが1〜3でありそしてzが1〜10,000である、請求項1〜5のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項12】
リン/窒素系難燃剤成分がリン酸水素アンモニウム、リン酸二水素アンモニウムおよび/またはポリリン酸アンモニウムである、請求項11に記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項13】
窒素含有相乗剤が式(III) 〜(VIII)
【化4】



【化5】



[式中、R5 〜R7 が水素原子;水酸基またはC1 〜C4 −ヒドロシキアルキル基で置換 されたまたは置換されていないC1 〜C8 −アルキル、C5 〜C16−シクロアルキルま たは−アルキルシクロアルキル基; C2 〜C8 −アルケニル、C1 〜C8 −アルコキシ 、−アシル、または−アシルオキシ、C6 〜C12−アリールまたは−アリールアルキル 、−OR8 または−N(R8 )R9 、またはN−脂環式系またはN−芳香族系であり、 R8 は水素原子;水酸基またはC1 〜C4 −ヒドロキシアルキル基で置換されたまた は置換されていないC1 〜C8 −アルキル、C5 〜C16−シクロアルキルまたは−アル キルシクロアルキル; C2 〜C8 −アルケニル、C1 〜C8 −アルコキシ、−アシルま たは−アシルオキシ、またはC6 〜C12−アリールまたは−アリールアルキルであり、 R9 〜R13はR8 について記した基かまたは−O−R8 基であり、
mおよびnは互いに無関係に1,2,3または4であり、
Xはトリアジン化合物(III) と付加物を形成し得る酸である。]
で表されるそれらまたはそれらの混合物であるかまたはトリス( ヒドロキシエチル) イソシアヌレートと芳香族カルボン酸とのオリゴマーエステルである、請求項1〜5のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項14】
窒素含有相乗剤がベンゾグアナミン、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、アラントイン、グリコールウリル、メラミン、メラミンシアヌレート、ジシアンジアミドおよび/またはグアニジンである請求項1〜13のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項15】
カルボジイミドを含有する請求項1〜14のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項16】
成分Cが酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化マンガンおよび/または酸化錫である、請求項1〜15のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項17】
成分Cが水酸化アルミニウム、ベーマイト、ジヒドロタルサイト、(dihydrotalcite) 、ヒドロカルマイト、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、酸化錫水和物、水酸化マンガン、硼酸亜鉛、塩基性珪酸亜鉛または錫酸亜鉛である、請求項1〜15のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項18】
50〜90重量%の成分A、0〜50重量%の成分B、1〜20重量%の成分C、0〜5重量%の成分D、0〜5重量%の成分Eおよび0.1〜5重量%の成分Fを含有する、請求項1〜17のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項19】
50〜80重量%の成分A、20〜50重量%の成分B、2〜20重量%の成分C、0〜3重量%の成分D、0〜3重量%の成分Eおよび0.1〜4重量%の成分Fを含有する、請求項1〜18のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物。
【請求項20】
請求項1〜19のいずれか一つに記載の難燃剤−安定剤組合せ物を含有する難燃性合成樹脂成型材料。
【請求項21】
合成樹脂がHI(高密度)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルボナートで表される種類の熱可塑性ポリマーおよびABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカルボナート/アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPPE/HIPS(ポリフェニレンエーテル/HI(ポリスチレン)合成樹脂で表される種類のブレンドまたはポリーブレンドである、請求項20に記載の難燃性合成樹脂成型材料。
【請求項22】
合成樹脂がポリアミドである請求項20または21に記載の難燃性合成樹脂成形材料。
【請求項23】
合成樹脂成形材料を基準として2〜50重量%の難燃剤−安定剤組合せ物を含む、請求項20〜22のいずれか一つに記載の難燃性合成樹脂成型材料。
【請求項24】
合成樹脂成形材料を基準として10〜30重量%の難燃剤−安定剤組合せ物を含む、請求項20〜23のいずれか一つに記載の難燃性合成樹脂成型材料。
【請求項25】
請求項20に記載の組成を有する難燃剤−安定剤組合せ物を含有する、請求項20〜24のいずれか一つに記載の難燃性合成樹脂成型材料。
【請求項26】
請求項1〜19のいずれか一つに記載の難燃剤/安定剤組合せ物を含有するポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
【請求項27】
ポリマーがHI(耐衝撃性)ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルボナート、およびABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)またはPC/ABS(ポリカルボナート/アクリルニトリル−ブタジエン−スチレン)で表される種類のブレンドまたはポリブレンドである、請求項26に記載のポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
【請求項28】
難燃剤/安定剤組合せ物をポリマー含有量を基準として2〜50重量%の量で含有する、請求項26または27に記載のポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
【請求項29】
難燃剤/安定剤組合せ物をポリマー含有量を基準として10〜30重量%の量で含有する、請求項26〜28のいずれか一つに記載のポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。
【請求項30】
請求項15に記載の難燃剤/安定剤組合せ物を含有する、請求項26〜29のいずれか一つに記載のポリマー成形材料、ポリマーフィルム、ポリマーフィラメントまたはポリマーファイバー。

【公開番号】特開2004−263188(P2004−263188A)
【公開日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−58009(P2004−58009)
【出願日】平成16年3月2日(2004.3.2)
【出願人】(597109656)クラリアント・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング (115)
【Fターム(参考)】