説明

熱的に分離されたチップを有する温度プローブ

対象物の温度を測定するための温度プローブを開示する。この温度プローブは、ハウジングおよびハウジングの端部と熱的に接触しているチップを備える。チップは、温度プローブによってその温度を測定すべき対象物の表面に接触するように適合されている。チップと接触しているハウジングの一部分は熱抵抗が高く、ハウジングの隣接部分からチップを熱的に分離するのに有効である。センサがハウジングの内部に配置され、チップの温度を測定するように適合されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱的に分離されたチップを有する温度プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体材料処理の分野では、たとえば、真空処理室を備える半導体材料処理装置を使用して、基板上の様々な材料のエッチングおよび析出や、レジスト除去などの様々な処理を実行する。こうした処理の有効性は、しばしば、処理室のある位置における温度状態の制御に依存するので、温度を測定するために、処理室内では温度センサが使用されてきた。
【発明の概要】
【0003】
対象物の温度を測定するための温度プローブを開示する。温度プローブの例示的な一実施形態は、同じ材料からなる第1および第2の部分、ならびに、第1の部分を通って延在する第1のセクションおよび第2の部分を通って延在する第2のセクションを含む孔を含むハウジングであって、ハウジングの第2の部分が、第1の部分に隣接する第1の端部、第2の端部、第2のセクションを画定する外面および内面を含む壁、ならびに壁を通って延在する少なくとも1つの開口を含むハウジングと、第2の部分の第2の端部に取り付けられ、温度を測定すべき対象物の表面に接触するように適合されたチップと、孔内に配置され、チップの温度を測定するように構成されたセンサとを備え、第2の部分は、第1の部分からチップを熱的に分離するのに有効な熱抵抗を有する。
【0004】
温度プローブの他の例示的な一実施形態が提供され、この実施形態は、第1の部分、第2の部分、ならびに、第1の部分を通って延在する第1のセクションおよび第2の部分を通って延在する第2のセクションを含む孔を含むハウジングであって、ハウジング全体が同じ材料からなり、孔の第1のセクションは第2のセクションよりも大きな直径を有し、ハウジングの第2の部分が、第1の部分に隣接する第1の端部、第2の端部、第2のセクションを画定する外面および内面を含む壁、ならびに壁を通って延在し、第2の部分の長さを超える長さを有する旋回パターンで第2のセクションの第1の端部と第2の端部の間で熱が伝導するように構成される少なくとも1つの開口を含むハウジングと、第2の部分の第2の端部に取り付けられ、温度を測定すべき対象物の表面に接触するように構成されたチップと、孔内に配置され、チップの温度を測定するように適合されたセンサとを備え、第2の部分は、(i)第1の部分からチップを熱的に分離するのに有効な熱抵抗を有し、(ii)チップを弾性的に付勢する。
【0005】
温度プローブの他の例示的な一実施形態が提供され、この実施形態は、第1の部分および第2の部分、ならびに、第1の部分および第2の部分を通って延在する長手方向の孔を含む一体化されたハウジングであって、ハウジングの第2の部分が、第1の部分に隣接する第1の端部、第2の端部、長手方向の孔の一部分を画定する外面および内面を含む壁、ならびに壁を通って延在し、第2の部分の長さを超える長さを有する旋回パターンで第2の部分の第1の端部と第2の端部の間で熱が伝導するように構成される少なくとも1つの開口を含むハウジングと、第2の部分の第2の端部に取り付けられ、温度を測定すべき対象物の表面に接触するように構成されたチップであって、表面に対してチップを弾性的に付勢するのに第2の部分が有効であるチップと、孔内に配置され、チップの温度を測定するように構成されたセンサとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】温度プローブの例示的な一実施形態を示す図である。
【図2】温度プローブの他の例示的な一実施形態の一部分を示す図である。
【図3】温度プローブの他の例示的な一実施形態の一部分を示す図である。
【図4】半導体材料のプラズマ処理装置のプラズマ処理室の例示的な一実施形態を示す図である。
【図5】プラズマ室の基板支持体内に設置された接触センサを備える温度プローブの例示的な一実施形態を示す図である。
【図6】プラズマ処理室の基板支持体内に設置された非接触センサを備える温度プローブの例示的な一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
対象物の温度を測定するための温度プローブを開示する。温度プローブは、温度を測定すべき対象物の表面と熱的に接触して配置されるように構成された熱的に分離されたチップを備える。温度プローブの各実施形態は、対象物の温度を測定する様々な用途で使用するように構成されている。
【0008】
温度プローブの各実施形態は、たとえば、プラズマ処理室内で使用して、プラズマ処理作業中の処理室構成部品または半導体基板の温度を測定することができる。プラズマ処理室は、エッチング、析出、およびレジスト除去を含め、様々な処理作業が実行される、容量結合された処理室、誘導結合された処理室、およびレジスト除去室とすることができる。
【0009】
図1には、例示的な一実施形態による温度プローブ10が示してある。図に示すように、温度プローブ10は、ハウジング12、およびハウジング12の上端に設けられた別個のチップ14を備える。以下に述べるように、通常、ハウジング12およびチップ14は様々な材料で作製される。ハウジング12は、外面16および内面(図示せず)を備え、内面は、ハウジング12を通って延在する内部の長手方向の孔を画定する。ハウジング12は、第1の部分18および隣接する第2の部分20を備える。この実施形態では、ハウジング12全体は、一体化した材料で作製される。すなわち、この実施形態では、第1の部分18および第2の部分20は、同じ材料で構成される。図に示すように、第1の部分18は、第1の部分18の底部に雄ねじ22を備える。ねじ22は、温度プローブ10を本体に固着するために、本体の対合する雌ねじと係合するように構成されている。図示した実施形態では、ハウジング12のねじ22から上の部分は円筒形の形状を有する。ねじ22を備える第1の部分18の底部は、第1の部分18および第2の部分20の残りの部分よりも大きな外径を有する。
【0010】
温度プローブ10のチップ14は、温度プローブ10で温度を測定すべき対象物の表面と接触して配置するように構成されている。ハウジング12の第2の部分20は、ハウジングの第1の部分18からチップ14を熱的に分離するように、すなわち、チップ14と対象物が接触している間、チップ14から第1の部分18への熱伝導およびその逆の熱伝導による熱伝達を低減し、好ましくは最小限に抑えるように構成されている。チップ14とハウジング12の第1の部分18との間の熱伝達の速度を低減させることにより、対象物からチップ14に入る、より多量の熱がチップ14内にとどまり、チップ14を熱する。チップ14からハウジング12および周囲環境に伝達される熱は少なくなる。したがって、チップ14は、温度を測定している対象物の温度により近いまたはそれと同じ温度に到達する。定常状態では、チップ14は、対象物と同じ温度にとどまる。したがって、温度プローブ10は、対象物の温度を正確に測定することができる。
【0011】
1次元の定常熱伝達状態では、材料を横切っての熱伝達速度qは、式1、q=kA(T−T)/Lで与えられる。ここで、kは材料の熱伝導率であり、Aは熱伝達の方向に垂直な方向での材料の断面積であり、Tは材料の一方の面での温度であり、Tは材料の反対側の面での温度であり(ΔT=T−T、ここでΔTは正または負とすることができる)、Lは熱伝達がそれに沿って生じる材料の長さである。式1は、式2、q=ΔT/(L/kA)と再構成することができる。式2では、L/kAの項は、材料の「熱抵抗」と呼ばれている。式2によれば、所与の値のΔTにおいて、材料の熱抵抗を増大させると、熱伝達が生じる材料の長さに沿っての熱伝達速度qが減少する。Lを増大させ、kを低減させ、かつ/またはAを低減させることによって、熱抵抗を増大させることができる。温度プローブ10のハウジング12を、第2の部分20において高い熱抵抗をもたらすように構成して、チップ14と第1の部分18との間の熱伝導を低減させる。第2の部分20の熱抵抗が高いことにより、チップ14は、チップ14と接触している対象物の表面の温度と同じ温度に到達できることが好ましい。
【0012】
ハウジング12は、所望の特性を有する任意の適切な材料を含むことができる。ハウジング12の材料では、ハウジング12の第2の部分20に沿って伝導させることにより熱伝達の速度qを低減させるため、熱伝導率kの係数が低いことが好ましい。したがって、ハウジング12の材料は、ハウジング12の第1の部分18からのチップ14の熱的分離を改善するように選択することができ、これにより、温度プローブ10によって実施することができる対象物の温度読取り精度を改善することができる。
【0013】
温度プローブ10を相対的に高い温度状態に曝すことができるようにするために、ハウジング12は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリアミドイミド(PAI)、ポリエーテルイミド(たとえば、ULTEM 1000)など、適切な高分子材料で作製することができる。温度プローブ10の相対的に低い温度での用途では、アセタールやアクリルなど、他のプラスチック材料を使用してハウジング12を構成することができる。
【0014】
温度プローブの他の実施形態では、ハウジング12は、金属材料で作製することができる。金属材料は、プラスチックよりも広い使用温度範囲にわたって使用することができる。ハウジング12を構成するのに使用される金属材料は、金属にしては熱伝導率が低いことが好ましい。たとえば、ハウジング12の各実施形態は、ステンレス鋼(たとえば、304もしくは430ステンレス鋼)、ニッケルベースの合金(たとえば、INCONEL、NICHROMEもしくは同様のもの)、またはチタニウムで作製することができる。これらの金属材料は、ハウジング12を構成するのに使用されるプラスチックなどのポリマーよりも熱伝導率が著しく高いことがあるが、これらの金属材料は、プラスチックよりも、剛性および強度が高い。これらの機械的特性により、金属材料は、プラスチックよりも断面積Aが小さくなり、さらにハウジング12において機械的特性が適切になる。したがって、金属材料は、ハウジング12の第2の部分20を含め、ハウジング12の1つまたは複数の選択された領域における断面積が十分に小さくなるように製造して、これらの領域内での金属材料を介する熱伝導を、温度プローブ10での使用に適切なレベルにまで低減させることができる。
【0015】
温度プローブ10の他の例示的な実施形態では、ハウジング12の少なくとも一部分(たとえば、第1の部分18および/または第2の部分20全体)を、適切な複合材、好ましくは熱伝導率の低い材料で作製することができる。
【0016】
温度プローブ10の例示的な実施形態によっては、ハウジング12の第1の部分18および第2の部分20は、別個の材料とすることができる。たとえば、第1の部分18および第2の部分20は、両方とも同じ高分子、金属、または複合材から構成することができる。第1の部分18および第2の部分20は、別法として、互いに異なる材料から構成することができる。このような実施形態では、第1の部分18の上端部と第2の部分20の下端部を、熱伝導率が低い結合剤を用いて互いに結合して、第2の部分20から第1の部分18への、またその逆方向への熱伝導の速度をさらに低減させることができる。
【0017】
ハウジング12の第2の部分20は、ハウジング12の壁を通って延在する少なくとも1つの開口を備える。この実施形態では、第1の部分18は、こうした1つまたは複数の開口を備えない。第2の部分20内の1つまたは複数の開口は、第2の部分20の熱抵抗を改善する。1つまたは複数の開口は、所望の量の熱的分離をチップ12にもたらす、任意の適切なサイズ、形状およびパターンを有することができる。たとえば、図1に示す実施形態では、第2の部分20は、コイル構成を有し、連続的ならせん状の単一の開口24を備える。らせんは、単一または複数のらせん構成とすることができる。開口24の各セクションは、隣接する固体材料25である。第2の部分20は、2つ以上のらせん状の開口を備えることができる。
【0018】
図2は、温度プローブ10の例示的な他の一実施形態を示す。この実施形態では、複数の別個の開口24が、ハウジングの第2の部分20の長さ方向に沿って交互に入れ替わるパターンで配置されている。この実施形態では、2つの開口24が、固体材料25の隣接する各部分の間に配置されている。2つの開口24は、それぞれ180°近くにまで延在する。以下に述べるように、配線71を有するセンサ70が、第2の部分20の内部に配置されている状態が示してある。チップ14が、第2の部分20に取り付けられている。
【0019】
図3は、温度プローブ10の例示的な他の一実施形態を示す。この実施形態では、複数の別個の開口24は、ハウジングの第2の部分20において交互に入れ替わるパターンで形成されている。配線71を有するセンサ70が、第2の部分20の内部に配置されている状態が示してある。チップ14が、第2の部分20に取り付けられている。
【0020】
図1〜3に示した温度プローブ10の例示的な実施形態では、第2の部分20内の開口24は、通常、圧縮していない状態で幅を約0.1mm〜約0.5mmとすることができる。開口24の隣接する各部分の間にある(図1)、または別個の開口24を画定する(図2および3)ハウジング12の材料25は、通常、幅を約0.3mm〜約2.5mmとすることができる。1つまたは複数の開口24を備える第2の部分20は、通常、長さlを約5mm〜約15mmとすることができる(図1を参照)。
【0021】
通常、温度プローブ10は、使用中は周囲環境に曝されている。周囲環境中では、1つまたは複数の開口24は、ハウジング12の第2の部分20内に、対応する1つまたは複数の空隙を形成する。通常、空隙の熱伝導率は約0.025W/mKと低い。この熱伝導率は、ほとんどのプラスチックの熱伝導率よりも大幅に低く(たとえば、せいぜい1/10の低さである)、またハウジング12を形成するのに使用されている金属材料の熱伝導率よりも低い。空隙は、第2の部分20の熱抵抗を増大させ、それにより、チップ14からハウジング12の第1の部分18への熱伝導を低減させるのに有効である。
【0022】
さらに、1つの開口を有するらせん構成で(図1)、または複数の開口を備える他の適切な構成で(図2や図3で示すように)、ハウジング12の第2の部分20内に開口24を形成することにより、熱は、温度プローブ10内でただ1つの、チップ14からの主な伝導経路を有する。たとえば、図1に示した温度プローブ10では、熱は、第2の部分20の全長方向に沿って流れ、ハウジング12の第1の部分18に到達するまで、らせんパターン内を流れ、開口24を画定するハウジング材料25を介して第2の部分20の周りを回らざるを得ない。したがって、第2の部分20内でらせん形状の開口24を形成することにより、第2の部分20の長さlと比較して、チップ14とハウジング12の第1の部分18との間の、第2の部分20を介する熱伝導経路の実際の長さLが著しく増大する。らせん開口の巻き数を増大させて、Lを増大させることができる。たとえば、らせんの巻き数を5〜20とすることができる。熱伝導経路の長さを増大させることにより、第2の部分20の熱抵抗の大きさが増大し(式2)、さらに、第2の部分20に沿った熱伝達の速度qが低減し、第1の部分18からのチップ14の熱的な分離度が増大する。さらに、巻き数を増大させることにより、1巻き単位でチップ14が圧縮されるとき、個々の開口幅低減量を低減させることができる。
【0023】
図2および図3で示した温度プローブ10では、熱は、開口24を画定するハウジング材料25を介して流れるので、温度プローブ10の縦軸の周りに旋回パターンで伝導せざるを得ない。したがって、熱は、第2の部分20の上端から下端に移動する場合、またはその逆の場合に、第2の部分20の長さlよりも長い距離を流れなければならず、これにより第1の部分18からのチップ14の熱的な分離度がさらに増大する。
【0024】
前述の通り、ハウジング12の第2の部分20の壁の厚さを低減させると、やはり第2の部分20の熱抵抗が増大する。したがって、第2の部分20の壁の厚さを最小限に抑えることが望ましい。通常、第2の部分20の壁の厚さは、約0.5mm〜約2mmの範囲とすることができる。ハウジング12の第1の部分18は、第2の部分20およびチップ14を支持する。所望の強度および剛性をハウジング12にもたらすために、通常、第1の部分18の壁の厚さは、第2の部分20の壁の厚さよりも厚い。たとえば、第1の部分18全体(または、図1に示すように、ねじを含む実施形態でのねじ22の上側の第1の部分18の一部分で)の壁の厚さは、通常、約1mm〜約5mmの範囲とすることができる。前述の通り、金属材料を使用して、第1の部分18と第2の部分20の両方において、ハウジング12を構成するのに使用されるプラスチック材料と比較して厚さがより薄いハウジング12を構成することができ、さらには適切な構造特性を実現することができる。
【0025】
図1〜3で示すような実施形態では、ハウジング12の第2の部分20は、チップ14がハウジング12からいくらか独立して移動し、それにより、チップ14の上面26を対象物の表面に対して弾性的に付勢することができるように、十分な弾性を有することが好ましく、対象物の温度は、温度プローブ10によって自動調整式に測定することになる。図1〜3に示す各実施形態では、チップ14の上面26は平坦である。しかし、上面26は、上面26が接触する対象物の表面の輪郭と一致する、半円形などの様々な輪郭を有することができる。1つまたは複数の開口24によって第2の部分20の弾性を改善する。さらに、ハウジング12を構成するのに使用される材料を選択して、第2の部分20の弾性を増大させることができる。たとえば、弾性のあるプラスチック材料を使用してハウジング12を作製することができる。薄い金属も弾性を実現することができる。
【0026】
同じ材料から構成される一体化されたハウジング12は、様々な製造技法によって作製することができる。たとえば、ハウジング12は、成形によって作製することができる。ハウジング12の第1の部分18上のねじ40は、成形プロセスによって、または成形プロセス後に形成することができる。他の実施形態では、ハウジング12は、管などの一体成形のプラスチックまたは金属を機械加工することによって作製することができる。たとえば、レーザアブレーション、高圧水ジェット機械加工、または従来の機械加工の技法により、ハウジング12の第2の部分20内に、開口24を形成することができる。2つ以上の片部(たとえば、別個の第1および第2の部分)を含むハウジングも、これらの技法で作製することができる。
【0027】
前述の通り、温度プローブ10の各実施形態を使用して、プラズマ処理室内の半導体基板の温度を測定することができる。図4には、半導体ウェーハなどの半導体材料基板を処理するためのプラズマ処理装置の、容量結合されたプラズマ処理室30の例示的な実施形態が示してあり、ここでは1つまたは複数の温度プローブを設置して、半導体基板や処理室の構成部品(たとえば上部電極)など、1つまたは複数の対象物の温度を測定することができる。図に示すように、プラズマ処理室30は、ガス注入開口を有するシャワーヘッドを含むシャワーヘッド電極アセンブリなど、上部電極アセンブリ32を備える。上部電極アセンブリ32は、プロセスガス源34と液体で結合している。上部電極アセンブリ32は、ガス注入開口を介して、プラズマ処理室30にプロセスガスを供給するように構成されている。基板支持体36は、上部電極アセンブリ32の下に配置されている状態が示してある。基板支持体36は、半導体基板40がその上に支持される上面38を備える。基板40は、上部電極アセンブリ32に面している。通常、基板支持体36は、上面38上で基板40を静電気的に固定するように構成された静電チャック(ESC)を備える。少なくとも1つの無線周波数(RF)電力源42(各RF電力源は、互いに異なる周波数で基板支持体36に電力を供給するように構成されている)により、基板支持体36にRF電力を供給することができるが、上部電極アセンブリ32は、アースに帰路を設けて、上部電極アセンブリ32と基板40の間に配置されたプラズマ処理室30の領域に注入されるプロセスガスからプラズマを生成して、基板40をエッチングする。他の実施形態では、プラズマ処理室30には、1つまたは複数の周波数で上部電極アセンブリ32に電力を供給するための、1つまたは複数のRF電力源が含まれ得る。
【0028】
また図4に示すように、温度プローブ10は、基板支持体36の内部に配置され、上面38からは間隔を空けてある。温度プローブ10は、たとえば図1〜3のうちの任意の1つに示した構造を有することができる。温度プローブ10は、基板40を支持する上面38に隣接する基板支持体36の最上部の領域の温度を測定して、基板40の温度を求めることができるように構成されている。
【0029】
図5には、基板支持体36の例示的な一実施形態に設置された温度プローブ10が示してある。図5に示すように、基板支持体36は、ベース52、ベース52とヒータ層56の間の結合層54を形成する結合剤、およびヒータ層56上のターゲット層58を含む。温度プローブ10によってその温度を測定する半導体基板40は、ターゲット層58の上面60上に支持される。
【0030】
処理室30内で実行される半導体処理に温度が強い影響を及ぼし、処理室内部の温度変動により処理が変動することがあるので、プラズマ処理室30内部の温度を正確に測定することが望ましい。プラズマ処理室30内の様々な構成部品の温度が、装置が実行する処理に影響を及ぼす。たとえば、エッチング中、温度が所定の温度範囲を超えるときには、エッチング反応が変化して、それによりエッチングプロセスの変化が生じるので、エッチングプロセスは所定の温度範囲内で行わなければならない。
【0031】
図5に示す実施形態では、ベース52は、金属材料から構成される。この金属材料は、熱伝導率が高いことが好ましい。たとえば、この金属材料は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、または同様のものとすることができる。基板支持体36には、ベース52の温度を制御するよう動作することができる温度制御システムが含まれ得る。ベース52には、ターゲット層58上に支持されている半導体基板40の処理中、流路と液体で結合している温度制御された液源44(図4)から、水または同様のものなど温度制御された冷却液がそれを通って流れて、ベース52の温度を所望の温度範囲内に制御することのできる液体流路が含まれ得る。図に示すように、ベース52は、孔64を画定する内面62を含む。ねじ22の上にあるハウジング12の外面16と孔64を画定するベース52の内面62との間のギャップのサイズを変えるように、孔64の直径を変化させ、それにより、ハウジング12へのベース52の温度の影響(すなわち、ベース52とハウジング12の間の熱抵抗)に作用することができる。ベース52の下端は、ハウジング12の第1の部分18に雄ねじ22を係合させて、孔64内に温度プローブ10を固着させるための雌ねじ66を備える。
【0032】
支持体36上に支持されている半導体基板を処理するためのプラズマ処理室30の動作中、ベース52は、ターゲット層58よりも低い温度に保たれるが、ターゲット層58は、ヒータ層56によって加熱されて、ターゲット層58からベース52に伝導することにより、熱を効率よく伝達することができる。通常、温度プローブ10のチップ14およびハウジング12は、約−20℃〜約90℃の温度範囲に曝すことができるが、ターゲット層58とベース52の間の最大温度差は、通常約50℃である。温度プローブ10は、温度プローブ10によるターゲット層58の(したがってターゲット層58上に支持されている半導体基板40の)温度読取りの精度に対する、ターゲット層58とベース52の間のこうした潜在的に大きな温度差の影響を低減し、好ましくは最小限に抑えるように構成されている。
【0033】
チップ14との間の熱伝達速度は、チップ14の温度に影響を及ぼす。したがって、ターゲット層58とベース52の間の温度差が大きい場合でさえ、チップ14との間の熱伝達への影響をごく最小限に抑え、その結果、温度差が大きい場合でも、温度プローブ10がターゲット層58の実際の温度とは異なる温度を読み取る原因になる、温度プローブ10によるターゲット層58の温度読取りの精度への悪影響がないことが望ましい。ベース52を冷却することによりその温度が強く影響を受けているハウジング12の第1の部分18からチップ14を熱的に分離することにより、温度プローブ10によるターゲット層58の温度読取りの精度に対するターゲット層58とベース52の間の温度差の影響が低減され、好ましくは排除されることが好ましい。
【0034】
この実施形態では、電源68により、制御された量の電力がヒータ層56に供給されて、上に存在するターゲット層58の温度を所望の温度範囲内に維持する。結合層54は、ヒータ層56とベース52の間に熱抵抗をもたらし、その結果、ヒータ層56によって生成される熱は、ターゲット層58に効率的に伝達される。話を簡単にするために、例示的なターゲット層58は、単一層であるものとして示してある。単一層は、たとえば、アルミナ、イットリア、ジルコニア、石英、それらの組合せ、または同様のものなど、セラミック材料を含むことができる。実施形態によっては、ターゲット層58は、2層以上を含むことができる。たとえば、ターゲット層58は、静電チャックアセンブリとすることができる。こうした実施形態では、ターゲット層58は、たとえば、セラミック材料層および、1つまたは複数のさらなる層を含むことができる。ターゲット層58および金属ベース52は、著しく異なる熱膨張係数を有し、動作中には、やはりそれぞれ異なる温度変化に曝される。したがって、ベース52およびターゲット層58はまた、この動作中には、互いに異なる量の熱膨張を受ける。結合層54は、剥離したりまたは基板支持体の平坦度に悪影響を及ぼしたりすることなく、ターゲット層58とベース52の間のこの潜在的に大きな熱膨張の差を吸収するのに十分な材料で作製される。結合剤は、シリコン結合化合物または同様のものなど、所望の結合強度、熱抵抗およびコンプライアンスを実現する任意の適切な材料とすることができる。
【0035】
他の実施形態では、ターゲット層58は、結合層54に直接配置することができ(すなわち、基板支持体は中間ヒータ層を含まない)、液源44からベース52内の流路に供給される温度制御された液体の温度(ならびに、場合によっては液体、液体の流速および/または流れの持続時間)を変化させることによりターゲット層58の温度を制御して、ターゲット層58を所望の温度に維持することができる。
【0036】
図5に示す例示的な実施形態では、温度プローブ10は「接触」センサ70を備える。すなわち、センサ70は、チップ14と物理的に直接接触する。チップ14は、センサ70によってその温度が測定される下端面72を備える。図に示すように、センサ70の一部分は、チップ14と熱的に直接接触して、チップ14の下端面72に置くことができる。センサ70は、ハウジング12の長手方向の孔を通って延在する配線71を備える。長手方向の孔は、ハウジングの第1の部分18における第1のセクション74、およびハウジング12の第2の部分20における第2のセクション76を含む。ハウジング12の壁の厚さは、第1の部分18における厚さよりも第2の部分20における厚さの方が薄いので、長手方向の孔の第2のセクション76の直径は、長手方向の孔の第1のセクション74の直径よりも大きい。チップ14は、ターゲット層58とチップ14の間の熱抵抗を低減させるために、熱伝導率が十分に高い任意の材料から構成することができる。たとえば、チップ14は、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、白金もしくは同様のものを含む金属から、または窒化アルミニウムなどの伝導率の高い非金属材料から構成することができる。
【0037】
図5に示すように、チップ14は、ハウジング12の開口上端に固着するように構成されている。チップ14は、ハウジング12の内部に受けて、チップ14をハウジング12に摩擦嵌めするように構成された環状のリング15を備えている。あるいは、チップ14には、上端に隣接するハウジング12の内面上に形成された、対合する雌ねじと係合するための雄ねじが含まれ得る。他の実施形態では、チップ14は、熱伝導率が低い結合剤でハウジング12に結合することができ、それにより、チップ14からハウジング12の第2の部分20への熱伝導を低減させることができる。前述の通り、ハウジング12の第2の部分20は、チップ14を弾性的に付勢し、その結果、チップ14の表面26はターゲット層58と良好に熱接触して、確実に、熱抵抗を低くし、ターゲット層58からチップ14への熱伝達を良好にする。
【0038】
接触センサ70は、たとえば、熱電対、サーミスタ、抵抗温度検出器(RTD)、白金測温抵抗体、バルクシリコンデバイス、またはアクティブソリッドステートデバイスとすることができる。注封材料は、ハウジング12の長手方向の孔の第1のセクション74に配置して、センサ70を囲む空間を充填することができる。接触センサによるターゲット層58の温度読取り値を使用して、ターゲット層58の表面60上に支持されている半導体基板40の温度を評価する。
【0039】
図6には、基板支持体36の例示的な一実施形態に設置された、別の例示的な実施形態による温度プローブ10が示してある。この実施形態では、温度プローブ10は、「非接触」センサ、すなわち、ハウジングのチップ14に接触することなくターゲット層58の温度を測定するセンサを備える。非接触センサは、ターゲット層58と熱的に結合して配置されたルミネッセント材料が放出する光の量および特性を監視することにより、放射高温測定技法によってターゲット層58の温度を測定する。
【0040】
図示した実施形態では、センサは光導波路80を備え、この光導波路は、光源から放出される光を伝達するためにハウジング12の長手方向の孔に配置される。光導波路は、たとえば光ファイバとすることができる。光導波路80は、ハウジング12を通して光を伝達するための任意の適切な材料から構成することができる。たとえば、光導波路80は、プラスチック、石英、サファイアまたは同様のものから作製することができる。図4に示すように、光源46は、プラズマ処理室30の外部に位置している。光源46は、所望の波長または波長範囲で放出する任意の適切な装置とすることができる。たとえば、光源46はレーザとすることができる。ルミネッセント材料78は、チップ14の下端面72の上に位置している。図に示すように、光が放出される光導波路80の端部82は、ルミネッセント材料78から間隔を空けてある。通常、光導波路80は、図に示すようにルミネッセント材料78の下端面に垂直に延在する。一実施形態では、ルミネッセント材料78は蛍光体である。蛍光体は、遷移金属化合物または希土類化合物である。通常、蛍光体は、母材および放出時間に作用する追加のアクティベータを含む。蛍光体は、プラズマ処理室30内でターゲット層58が曝される温度範囲に基づいて選択することができる。蛍光体は、珪酸塩樹脂粘結剤などの粘結剤中に含まれることがある。蛍光体が環境に曝されないように、光透過性の材料(たとえば石英)が蛍光体を覆うことができる。
【0041】
この実施形態では、蛍光体は、光源46が放出し光導波路80が伝達する光でパルス状に照射される。蛍光体がこの光で励起されると、蛍光体は、光源46が放出する光とは異なる波長の光を放出する。蛍光体が放出する光は、電磁スペクトルの可視領域または非可視領域に存在することがあり、標準の光検出器を用いて、放出された光を検出することが可能になる。この光は、たとえば、ガラスおよび石英の光導波路によって伝達することができる。光源46が放出するパルスが終了して後の、蛍光体が放出する光の減衰速度は、蛍光体の温度の関数である。
【0042】
蛍光体が放出する光の減衰速度は、監視され、定量化され、その蛍光体について知られている温度値と比較される。光処理システムが、蛍光体が放出し光導波路が伝達する光を処理するように光導波路80と動作可能に接続されて、蛍光体の温度を特定する。蛍光体の温度は、チップ14の温度に対応する。図4に示すように、光処理システムは、ルミネッセント材料が放出し光導波路80が搬送する光を検出するための、処理室30の外部に配置された光検出器48を備えることができる。光検出器48は、光処理システムの信号処理システム50に電気信号を出力する。信号処理システムは、電気信号を処理して、この信号を、温度プローブ10のチップ14と熱的に接触しているターゲット層58の温度値に変換する。この温度値を使用して、ターゲット層58上に支持されている半導体基板40の温度を推定する。この温度値を使用して、ターゲット層58の温度を制御するために基板支持体36のヒータ層56に供給される電力の量を制御することができる。
【0043】
温度プローブ10の他の実施形態では、チップ14上に設けられているルミネッセント材料78は、黒体材料である。黒体材料は、ルミネッセント材料の温度に基づく赤外(IR)光を放出する。黒体材料が放出するIR光の波長は、適切な光処理システムで測定され、測定された波長からターゲット層58の温度を推測することができる。
【0044】
本発明を、その具体的な実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、添付の特許請求の範囲に記載の範囲から逸脱することなく、様々な変更および修正を加えることができ、均等物を利用できることが当業者には明白になるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物の温度を測定するための温度プローブであって、
前記温度プローブは、同じ材料で構成された第1および第2の部分、ならびに、前記第1の部分を通って延在する第1のセクションおよび前記第2の部分を通って延在する第2のセクションを含む孔を含むハウジングを備え、前記ハウジングの前記第2の部分が、前記第1の部分に隣接する第1の端部、第2の端部、前記第2のセクションを画定する外面および内面を含む壁、ならびに前記壁を通って延在する少なくとも1つの開口を含み、
前記温度プローブは、
前記第2の部分の前記第2の端部に取り付けられ、温度を測定すべき前記対象物の表面に接触するように構成されたチップと、
前記孔内に配置され、前記チップの温度を測定するように構成されたセンサとを更に備え、
前記第2の部分は、前記第1の部分から前記チップを熱的に分離するのに有効な熱抵抗を有する、
ことを特徴とする温度プローブ。
【請求項2】
前記センサは、前記チップに物理的に接触している、
ことを特徴とする請求項1に記載の温度プローブ。
【請求項3】
ルミネッセント材料が、前記チップ上に設けられ、
前記センサは、前記ハウジングの前記孔に配置された光導波路を含み、前記光導波路は、前記ルミネッセント材料から間隔を空けられ、かつそれに面する端部を含み、前記光導波路は、前記ルミネッセント材料が放出する光を伝達するように構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の温度プローブ。
【請求項4】
前記ルミネッセント材料は蛍光体であり、
光源が、前記光導波路に光を放出して前記蛍光体に照射し、前記蛍光体に光を放出させるように構成され、
光処理システムが、前記蛍光体が放出して前記光導波路が伝達する前記光を処理して、前記チップの温度に対応する前記蛍光体の温度を特定するように構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の温度プローブ。
【請求項5】
前記ルミネッセント材料は黒体材料であり、
光処理システムが、前記黒体材料が放出して前記光導波路が伝達する前記光を処理して、前記チップの温度に対応する前記黒体材料の温度を特定するように構成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の温度プローブ。
【請求項6】
前記ハウジングの前記第2の部分は、前記第1の端部から前記第2の端部までの長さを有し、
前記少なくとも1つの開口は、前記第2の部分の長さを超える長さを有する旋回パターンで前記第1の端部と第2の端部の間で熱が伝導するように構成され、各開口は、約0.1mm〜約0.5mmの幅を有し、
前記1つまたは複数の各開口を画定する前記第2の部分の材料は、約0.3mm〜約2.5mmの幅を有し、
前記第2の部分の壁は、約0.5mm〜約2mmの厚さを有し、
前記ハウジングの前記第2の部分は、前記チップを弾性的に付勢する、
ことを特徴とする請求項1に記載の温度プローブ。
【請求項7】
前記ハウジング全体は高分子材料で構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の温度プローブ。
【請求項8】
前記ハウジング全体は金属で構成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の温度プローブ。
【請求項9】
前記孔の前記第1のセクションは第1の直径を有し、
前記孔の前記第2のセクションは、前記第1の直径よりも大きな第2の直径を有し、
前記ハウジングの前記第1の部分は、雄ねじを有するベースを備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の温度プローブ。
【請求項10】
プラズマ処理室内の半導体基板を支持するための基板支持体であって、
孔を含む金属性ベースと、
前記ベース上のヒータ層と、
前記半導体基板を支持するように構成された第1の表面および第2の表面を含む、前記ヒータ層上のターゲット層と、
前記ターゲット層の前記第2の表面に接触しているチップを有する前記ベースの前記孔に配置され、前記ターゲット層の温度を特定するように構成された請求項1に記載の温度プローブと、
を備えることを特徴とする基板支持体。
【請求項11】
前記センサは、前記チップに物理的に接触している、
ことを特徴とする請求項10に記載の基板支持体。
【請求項12】
ルミネッセント材料が、前記チップ上に設けられ、
前記センサは、前記ハウジングの前記孔に配置された光導波路を含み、前記光導波路は、前記ルミネッセント材料から間隔を空けられ、かつそれに面する端部を含み、前記光導波路は、前記ルミネッセント材料が放出する光を伝達するように構成され、
光源が、前記光導波路が伝達し前記ルミネッセント材料に照射される光を放出することによって前記ルミネッセント材料に光を放出させるように構成され、その光は前記光導波路によって伝達され、
光処理システムが、前記ルミネッセント材料が放出し、前記光導波路が伝達する光を処理して、前記チップの温度に対応する前記ルミネッセント材料の温度を特定するように構成されている、
ことを特徴とする請求項10に記載の基板支持体。
【請求項13】
前記ハウジング全体は高分子材料で構成され、
第2の部分の壁は、約0.5mm〜約2mmの厚さを有し、
少なくとも1つの開口は、前記第2の部分の長さを超える長さを有する旋回パターンで前記第2の部分の第1の端部と第2の端部の間で熱が伝導するように構成され、各開口は、約0.1mm〜約0.5mmの幅を有し、
前記1つまたは複数の各開口を画定する前記第2の部分の材料は、約0.3mm〜約2.5mmの幅を有し、
前記ハウジングの前記第2の部分は、自己整合するように前記ターゲット層の前記第2の表面に対して前記チップを弾性的に付勢する、
ことを特徴とする請求項10に記載の基板支持体。
【請求項14】
前記ベースは、前記ベースの温度を制御するための温度制御された液体の供給源と液体で結合するように構成され、
前記ハウジングの前記第1の部分は、雄ねじを有するベースを備え、
前記ベースは、前記ハウジングの前記ベースの前記雄ねじと係合する雌ねじを含む、
ことを特徴とする請求項10に記載の基板支持体。
【請求項15】
前記対象物の温度を測定するための温度プローブであって、
前記温度プローブは、第1の部分、第2の部分、ならびに、前記第1の部分を通って延在する第1のセクションおよび前記第2の部分を通って延在する第2のセクションを含む孔を含むハウジングを備え、前記ハウジング全体が同じ材料で構成され、前記孔の前記第1のセクションは前記第2のセクションよりも大きな直径を有し、前記ハウジングの前記第2の部分が、前記第1の部分に隣接する第1の端部、第2の端部、前記第2のセクションを画定する外面および内面を含む壁、ならびに前記壁を通って延在し、前記第2の部分の長さを超える長さを有する旋回パターンで前記第2の部分の前記第1の端部と第2の端部の間で熱が伝導するように構成され、
前記温度プローブは、
前記第2の部分の前記第2の端部に取り付けられ、温度を測定すべき対象物の表面に接触するように構成されたチップと、
前記孔内に配置され、前記チップの温度を測定するように構成されたセンサと更にを備え、
前記第2の部分は、(i)前記第1の部分から前記チップを熱的に分離するのに有効な熱抵抗を有し、(ii)前記チップを弾性的に付勢する、
ことを特徴とする温度プローブ。
【請求項16】
前記センサは、前記チップに物理的に接触している、
ことを特徴とする請求項15に記載の温度プローブ。
【請求項17】
ルミネッセント材料が、前記チップ上に設けられ、
前記センサは、前記ハウジングの前記孔に配置された光導波路を含み、前記光導波路は、前記ルミネッセント材料から間隔を空けられ、かつそれに面する端部を含み、前記光導波路は、前記ルミネッセント材料が放出する光を伝達するように構成され、
光源が、前記光導波路に光を放出して前記ルミネッセント材料に照射し、前記ルミネッセント材料が光を放出するように構成され、
光処理システムが、前記ルミネッセント材料が放出し、前記光導波路が伝達する光を処理して、前記チップの前記温度に対応する前記ルミネッセント材料の温度を特定するように構成されている、
ことを特徴とする請求項15に記載の温度プローブ。
【請求項18】
前記ハウジングの前記第2の部分は、前記第1の端部から前記第2の端部までの長さを有し、
各開口は、約0.1mm〜約0.5mmの幅を有し、
1つまたは複数の各開口を画定する前記第2の部分の前記材料は、約0.3mm〜約2.5mmの幅を有し、
前記ハウジングの前記第2の部分の前記壁は、約0.5mm〜約2mmの厚さを有する、
ことを特徴とする請求項15に記載の温度プローブ。
【請求項19】
プラズマ処理室内の半導体基板を支持するための基板支持体であって、
孔を含むベースと、
前記ベース上のヒータ層と、
前記半導体基板を支持するように構成された第1の表面および第2の表面を含む、前記ヒータ層上のターゲット層と、
前記ターゲット層の前記第2の表面に接触している前記チップを有する前記ベースの前記孔に配置され、前記ターゲット層の温度を特定するように構成された請求項15に記載の温度プローブと、
を備えることを特徴とする基板支持体。
【請求項20】
対象物の温度を測定するための温度プローブであって、
前記温度プローブは、第1の部分、第2の部分、ならびに、前記第1の部分および前記第2の部分を通って延在する長手方向の孔を含む一体化されたハウジングを備え、前記ハウジングの前記第2の部分が、前記第1の部分に隣接する第1の端部、第2の端部、前記長手方向の孔の一部分を画定する外面および内面を含む壁、ならびに前記壁を通って延在し、前記第2の部分の長さを超える長さを有する旋回パターンで前記第2の部分の前記第1の端部と第2の端部の間で熱が伝導するように構成される少なくとも1つの開口を含み、
前記温度プローブは、
前記第2の部分の前記第2の端部に取り付けられ、温度を測定すべき対象物の表面に接触するように構成されたチップであって、前記第2の部分は、前記表面に対して前記チップを弾性的に付勢するのに有効であるチップと、
前記孔内に配置され、前記チップの温度を測定するように構成されたセンサとを含むこと、
ことを特徴とする温度プローブ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2010−533863(P2010−533863A)
【公表日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−516995(P2010−516995)
【出願日】平成20年7月11日(2008.7.11)
【国際出願番号】PCT/US2008/008562
【国際公開番号】WO2009/014609
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(592010081)ラム リサーチ コーポレーション (467)
【氏名又は名称原語表記】LAM RESEARCH CORPORATION