説明

熱転写シート、及び画像形成方法

【課題】熱転写後に排出される熱転写シートから、秘密情報が認識されにくい熱転写シートを提供すること。
【解決手段】基材と、基材の一方面上に設けられる感熱発色層とを備える熱転写シートにおいて、感熱発色層は、ロイコ染料と顕色剤を含み、かつ、基材の他方面上から加熱手段により画素状の加熱を行ったときに、基材から画素状に剥離される構成とすることで上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱転写シート、及び画像形成方法に関し、特に、熱転写後に排出される熱転写シートから秘密情報が認識されにくい熱転写シート、及び熱転写シートを用いた画像形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、簡便な印刷方法として熱転写方法が広く使用されている。熱転写方法は、各種画像を簡便に形成できるため、印刷枚数が比較的少なくてもよい印刷物、例えば、身分証明書などのIDカードの作成や営業写真、あるいはパーソナルコンピュータのプリンタや、ビデオプリンタなどにおいて利用されている。
【0003】
この熱転写方式には、一般的に熱転写シートと称される熱溶融型のインクリボンや、昇華型のインクリボンが使用される(例えば特許文献1)。熱溶融型のインクリボンとは、熱溶融性着色層を備えるインクリボンであり、サーマルヘッド等の加熱手段によりこのインクリボンを加熱することで、熱溶融性着色層が溶融軟化して被転写体上に転写される。一方、昇華型のインクリボンとは、色材層を備えるインクリボンであり、サーマルヘッド等の加熱手段によりこのインクリボンを加熱することで色材層中の染料が昇華して染料が被転写体上に転写される。
【0004】
このように、熱転写方法は、専用のインクリボンを用いて被転写体上へ画像形成を行うことから、被転写体上へ画像形成を行った後には、印字されて抜けた部分があるインクリボンが排出されることとなる。身分証明等のIDカードの作成等において、排出されるインクリボンの抜け部分は秘密にしたい個人情報などが含まれている場合もあり、排出されるインクリボンから個人情報などが容易に知られてしまうという危険性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−314918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現在のところ熱転写方法による画像形成に際し、上記のようなインクリボンを用いる場合には、秘密情報漏洩の防止を図ることはできていない。本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、熱転写後に排出される熱転写シートから、秘密情報が認識されにくい熱転写シート、及びこの熱転写シートを用いた画像形成方法を提供することを主たる課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための本発明は、基材と、基材の一方面上に設けられる感熱発色層とを備える熱転写シートにおいて、前記感熱発色層は、ロイコ染料と顕色剤を含み、かつ、前記基材の他方面上から加熱手段により画素状の加熱を行ったときに、前記基材から前記画素状に剥離されることを特徴とする。
【0008】
また、上記課題を解決するための本発明の方法は、被転写体上に画像を形成する画像形成方法であって、基材と、前記基材の一方面上に設けられ、ロイコ染料と顕色剤を含み、かつ前記基材の他方面上から加熱手段によって画素状の加熱を行ったときに画素状に剥離される感熱発色層を、備える熱転写シートを準備する工程と、前記熱転写シートの感熱発色層側に、被転写体を重ね合わせる工程と、前記熱転写シートの基材の他方面上から加熱手段によって画素状の加熱を行い、前記基材から画素状に剥離された感熱発色層を被転写体上に転写させる工程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の熱転写シートによれば、熱転写後に排出される熱転写シートから秘密情報が認識されることを防止することができる。また、本発明の画像形成方法によれば、熱転写後に排出される熱転写シートから認識されることを防止しつつ、印画物を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態に係る熱転写シートを示す模式的断面図である。
【図2】熱転写後の熱転写シートの状態を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る熱転写シートを示す模式的断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、図1は、本発明の実施の形態に係る熱転写シートを示す模式的断面図である。
【0012】
図1に示すように、本発明の熱転写シート1は、基材2と、基材2の一方面上に設けられた離型層3と、離型層3上に設けられた感熱発色層4とから構成されている。なお、基材2と、感熱発色層4は本発明の熱転写シート1における必須の構成であり、離型層3は本発明の熱転写シート1における任意の構成である。
【0013】
そして、本発明では、この感熱発色層4が、ロイコ染料と顕色剤を含み、かつ、基材2の他方面上から加熱手段により画素状の加熱を行ったときに、基材2から画素状に剥離されることに特徴を有する。
【0014】
(基材)
本発明の熱転写シート1に用いられる基材2としては、ある程度の耐熱性と強度を有するものであれば特に限定されることはなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができる。このような基材2として、例えば、0.5〜50μm、好ましくは1〜10μm程度の厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等が挙げられる。更に、これらの材料はそれぞれ単独でも使用できるが、他の材料と組み合わせた積層体として使用してもよい。
【0015】
また、基材2は、感熱発色層4と同色、あるいは略同色であることが好ましく、感熱発色層4が無色である場合には、透明性を有するフィルムを用いることが好ましい。一方、感熱発色層4が白色不透明である場合には、例えば、白色顔料や、充填剤等を加えて成膜した白色不透明のフィルム等を用いる、あるいは、後述する背面層もしくは離型層を白色不透明とすることが好ましい。
【0016】
(易接着処理)
また、任意の構成として基材2上に離型層3を設ける場合には、基材2の表面に易接着処理を行うこととしてもよい。易接着処理は、基材2と離型層3との間に易接着層(図示しない)を形成する処理である。このような易接着層としては、例えば、水性アクリル、水性ポリエステルおよび水性エポキシ化合物からなるものが好ましい。水性アクリルとは、水溶性あるいは水分散性アクリル系樹脂のことであり、アルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレートを主要な成分とするものが好ましく、当該成分が30〜90モル%であって共重合されたものが好ましい。水性ポリエステルとは、水溶性あるいは水分散性ポリエステル系樹脂のことであり、かかるポリエステル系樹脂を構成する成分として、多価カルボン酸および多価ヒドロキシ化合物を例示できる。水性エポキシ化合物とは、水溶性あるいは水分散性、好ましくは水溶性のエポキシ基を含有する化合物のことであり、分子内にエポキシ基を少なくとも一つ以上、好ましくは二つ以上含有するもののことである。かかる水性エポキシ化合物としては、グリコール、ポリエーテル、ポリオール類のグリシジルエーテル、カルボン酸類のグリシジルエステル、グリシジル置換されたアミン類等が挙げられるが、好ましくはグリシジルエーテル類である。易接着処理は、基材2の表面に易接着性の塗膜を形成させる方法が好ましく用いられる。
【0017】
(感熱発色層)
基材2の一方面上には、ロイコ染料と顕色剤とを含む感熱発色層4が直接または間接的に設けられている。感熱発色層4は、転写前は、無色あるいは白色不透明であり、転写時の加熱により、ロイコ染料と顕色剤とが化学反応をおこし、加熱された部分が発色する。また、本発明において、感熱発色層4は、基材2の上から加熱手段により画素状の加熱を行ったときに、基材2から画素状に剥離され、被転写体上に転写されることを特徴とする。なお、本発明において、「画素状」という場合には、被転写体上への転写を所望する印画情報に対応する形状を意味し、その形状についていかなる限定もされることはない。
【0018】
以下、感熱発色層4の各構成の説明を行うに際し、まずはじめに、図2を参照して、本発明の熱転写シートを用いて熱転写を行ったときの、熱転写後の熱転写シートの状態について説明する。なお、図2(a)は転写時の熱転写シートの概略断面図であり、図2(b)は転写後の熱転写シートを感熱発色層側からみたときの上面図である。
【0019】
図2(a)に示すように、基材側から加熱手段20によって画素状に加熱を行うことにより、感熱発色層4は画素状に発色するとともに、この発色した感熱発色層4は基材2から剥離される。なお、図2(a)では画素状に発色した感熱発色層4を斜線で示している。そうすると、転写後の熱転写シートには、発色した部分が存在せず、基材2上に、発色していない感熱発色層4だけが残存した構成をとることとなる。また、加熱前の感熱発色層4は、無色あるいは白色不透明であることから、図2(b)に示すように、転写後の熱転写シートを感熱発色層4側からみた場合であっても、画素情報の判別が困難となる。以下、感熱発色層4について具体的に説明する。
【0020】
「ロイコ染料」
感熱発色層4に含まれるロイコ染料について特に限定はなく、無色または淡色の従来公知のロイコ染料を適宜選択して用いることができる。例えば、
(1)3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニル−3−インドリル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチル−3−インドリル)フタリド、3,3−ビス(9−エチル−3−カルバゾリル)−5−ジメチルアミノフタリド、3,3−ビス(2−フェニル−3−インドリル)−5−ジメチルアミノフタリドなどのトリアリールメタン系化合物;
(2)4,4−ビス(ジメチルアミノ)ベンズヒドリンベンジルエーテル、N−2,4,5−トリクロロフェニルロイコオーラミンなどのジフェニルメタン系化合物;
(3)3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン、ローダミン−β−アニリノラクタム、3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−オクチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(2,4−ジメチルアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ジベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチルアミノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプロピルアミノ)フルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−エトキシエチルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(N−エチル−N−トリルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルアミノ−7−(2−クロロアニリノ)フルオラン、3−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−(4−アニリノ)アニリノ−6−メチル−7−クロロフルオランなどのキサンテン系化合物;
(4)ベンゾイルロイコメチレンブル−、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブル−などのチアジン系化合物;
(5)3−メチルスピロジナフトピラン、3−エチルスピロジナフトピラン、3−ベンジルスピロジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシベンゾ)スピロピランなどのスピロ系化合物;
(6)その他、3,5',6−トリス(ジメチルアミノ)−スピロ〔9H−フルオレン−9,1'(3'H)−イソベンゾフラン〕−3'−オン、1,1−ビス〔2−(4−ジメチルアミノフェニル)−2−(4−メトキシフェニル)エテニル〕−4,5,6,7−テトラクロロ(3H)イソベンゾフラン−3−オンなどが挙げられ、これらの染料は1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0021】
ロイコ染料の含有量について特に限定はないが、感熱発色層4の固形分総量に対し10〜35質量%程度が一般的である。
【0022】
「顕色剤」
顕色剤についても特に限定はなく、例えば、p−オクチルフェノ−ル、p−第三ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、p−ヒドロキシアセトフェノン、α−ナフトール、β−ナフトール、p−第三オクチルカテコール、2,2'−ジヒドロキシビフェニル、ビスフェノール−A、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,2−ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3−アリル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,4−ジヒドロキシフェニル)スルホン、2,4'−ジヒドロキシフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス〔2−(4−ヒドロキシフェニルチオ)エトキシ〕メタン、4−(4−イソプロポキシベンゼンスルホニル)フェノ−ル、4−ヒドロキシフタル酸ジメチル、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸ブチル、p−ヒドロキシ安息香酸ベンジル、3,5−ジ第三ブチルサリチル酸などのフェノール系;安息香酸などの有機カルボン酸系;サリチル酸亜鉛などの金属系;2,4−ジヒドロキシ−N−2'−メトキシベンズアニリドなどのアニリド誘導体系などの顕色剤があげられ、これらの顕色剤は1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0023】
ロイコ染料と顕色剤との配合比について特に限定はないが、ロイコ染料1質量部に対し、顕色剤は1〜10質量部程度が一般的である。
【0024】
「接着性樹脂」
本発明において、画素状に発色した感熱発色層4は、基材2から画素状に剥離され、被転写体上に転写される。したがって、本発明の熱転写シートの最上面に、感熱発色層を設ける場合には、感熱発色層4と被転写体との良好な接着性が要求される。したがって、感熱発色層4上に、画素状に剥離された感熱発色層4と被転写体との接着性を向上させるための別途の層を設けない場合には、感熱発色層4に接着性樹脂が含まれていることが好ましい。
【0025】
接着性樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、塩化ビニル─酢酸ビニル共重合樹脂、スチレン─アクリル共重合樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂等の樹脂が挙げられる。
【0026】
感熱発色層に接着性樹脂を含ませる場合に、接着性樹脂は、感熱発色層の固形分総量に対し、10〜50質量%の範囲内で含有されていることが好ましい。接着性樹脂の含有量を上記範囲内とすることで、感熱発色の発色感度を落とすことなく、被転写体への密着性を確保できる。
【0027】
なお、本発明においては、感熱発色層4に接着性を付与せずとも、感熱発色層4上に直接、又は他の層を介して間接的にヒートシール層を設け、これにより、被転写体と画素状に剥離した感熱発色層4との接着性を担保することもできる。ヒートシール層については後述する。
【0028】
「その他の材料」
また、感熱発色層4には、必要に応じて、増感剤や、保存安定剤を添加してもよい。増感剤としては、例えば、酢酸亜鉛、オクチル酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、オレイン酸亜鉛、ベヘニン酸亜鉛、安息香酸亜鉛、サリチル酸ドデシルエステル亜鉛塩、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムなどの有機酸の金属塩;ステアリン酸アミド,ステアリン酸メチロールアミド,ステアロイル尿素、アセトアニリド、アセトトルイジド、安息香酸ステアリルアミド、エチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスオクチル酸アミドなどのアミド化合物;1,2−ビス(3,4−ジメチルフェニル)エタン、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエタン、1,2−ビス(3−メチルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、p−ベンジロキシビフェニル、ジフェニルカーボネート、ビス(4−メチルフェニル)カーボネート、ジベンジルオキザレート、ビス(4−メチルベンジル)オキザレート、ビス(4−クロロベンジル)オキサレート、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、1−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸ベンジル、3−ヒドロキシ−2−ナフタレンカルボン酸フェニル、メチレンジベンゾエート、1,4−ビス(2−ビニロキシエトキシ)ベンゼン、2−ベンジロキシナフタレン、4−ベンジロキシ安息香酸ベンジル、ジメチルフタレート、テレフタル酸ジベンジル、ジベンゾイルメタン、4−メチルフェノキシ−p−ビフェニルなどがあげられ、これらの増感剤は1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0029】
また、保存安定剤としては、たとえば、1,1,3−トリス(2−メチル−4ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−シクロヘキシルフェニル)ブタン、4,4'−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、4,4'−チオビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)、2,2'−チオビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(6−第三ブチル−4−メチルフェノール)などのヒンダードフェノール化合物、4−ベンジルオキシ−4'−(2−メチルグリシジルオキシ)ジフェニルスルホン、ナトリウム−2,2'−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)ホスフェートなどがあげられ、これらの保存安定剤は1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0030】
また、増感剤や保存安定剤以外にも、必要に応じて、顔料、ワックス類、消泡剤などの添加剤や、感熱発色層4に任意の着色を行うための嗔料などを添加することもできる。
【0031】
また、本発明において、感熱発色層4は、基材側から画素状の加熱を行ったときに、(i)画素状に発色する機能のほか、(ii)加熱が行われた部分、すなわち、画素状に発色した部分が基材から剥離する機能を備えている。(ii)の機能を奏する方法としては、各種の方法を挙げることができ、特に限定はないが、本発明では、(1)感熱発色層4に、加熱時の剥離性を高める物質を含有させる構成や、(2)基材2と感熱発色層4との間に離型層を形成する構成、あるいは(3)基材2と感熱発色層4との間に、感熱発色層4とともに画素状に転写される剥離層を形成する構成、によって(ii)の機能を奏することができる。(2)離型層、(3)剥離層についての詳細は後述する。
【0032】
(熱離型剤又は滑剤)
上記(1)基材2と感熱発色層との離型性を高める物質としては、加熱により溶融してこの性能を発揮するものと、固体粉末のままで働くものとがある。前者としては、ポリエチレンワックス、パラフィンワックスのようなワックス類、高級脂肪酸のアミド、エステル、及び塩、高級アルコールやレシチンなどのリン酸エステル等を挙げることができる。一方、後者としては、テフロン(登録商標)、ポリフッ化ビニルなどのフッ素樹脂、グアナミン樹脂、窒化ホウ素、シリカ、木粉、タルク等を挙げることができる。固体粉末のままで働くものは、転写後の感熱発色層4自体に、耐擦過性等の保護機能を付与することができる。
【0033】
感熱発色層4の形成方法についても特に限定はなく、例えば、分散媒体として水を使用し、ロイコ染料、顕色剤、及び必要に応じて、接着性樹脂、離型剤、滑剤、増感剤、保存性改良剤等を混合攪拌して調製した塗工液を基材2上に塗布し、乾燥することで形成することができる。
【0034】
感熱発色層4の厚みについても特に限定はないが、3.0〜10.0μm程度が好ましい。
【0035】
(離型層)
上記(1)感熱発色層4に離型剤又は滑剤を含有させる構成にかえて、本発明では、図1に示すように(2)基材2と感熱発色層との間に離型層3を設けた構成とすることもできる。特に、基材2と感熱発色層4との密着性が高い場合には、離型層3を設けることが好ましい。
【0036】
離型層3は、熱転写時に溶融して感熱発色層4の基材2からの剥離性を向上させ、転写後には、基材2上に残る層である。離型層3としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、これらの各樹脂をシリコーン変性させた樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、もしくはそれらの混合物などが挙げられるがこれに限定されるものではない。離型層3の厚みは約0.1〜5.0μm程度である。
【0037】
(剥離層)
上記(1)感熱発色層4に離型剤又は滑剤を含有させる構成、上記(2)基材と感熱発色層との間に、離型層を形成する構成にかえて、本発明においては図3に示すように(3)基材2と感熱発色層4との間に、剥離層6を設ける構成とすることもできる。
【0038】
剥離層6は、熱転写時に溶融して感熱発色層4の基材2からの剥離性を向上させ、転写後には、感熱発色層4とともに、被転写体上に転写される。したがって、被転写体上に形成された画像に良好な滑り性を付与することができ、印画物の耐擦過性を向上させることができる。さらに、印画物において感熱発色層4上に剥離層6が位置することにより、水分等の影響により画素状の感熱発色層4の発色感度が低下することも防止できる。剥離層としては、アクリル樹脂、セルロース系、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、シリコーンあるいはフッ素で編成した各種樹脂、あるいはワックスを主成分として用いることが好ましい。
【0039】
かかるワックスとしては、加熱時に溶融して剥離性を発揮する各種のワックスが好ましい。好適に使用されるワックスとしては、例えば、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、各種低分子量ポリエチレン、木ロウ、ミツロウ、鯨ロウ、イボタロウ、羊毛ロウ、セラックワックス、キャンデリラワックス、ペトロラクタム、一部変性ワックス、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等、種々のワックスが挙げられる。特に好ましいワックスは比較的融点が高く且つ溶剤に溶けにくいマイクロクリスタリンワックス及びカルナバワックス等である。剥離層は熱転写シートの感度を低下させることがないように薄い層、例えば、乾燥状態で、0.1〜2g/m2程度の厚みであることが好ましい。
【0040】
(ヒートシール層)
また、転写時に画素状に剥離された感熱発色層4と被転写体との密着性を向上させるためのヒートシール層を、感熱発色層4上に直接、又は他の層を介して間接的に設けることとしてもよい(図示しない)。なお、上記で説明したように、感熱発色層4に接着性を付与する場合には、当該層は不要であり、したがって、ヒートシール層は任意の層である。ヒートシール層は、透明性と接着性を有する材料から形成されていることが好ましく、例えば、アクリル系樹脂、ビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、エポキシ系樹脂、ゴム系樹脂、アイオノマー樹脂等を主成分とする従来既知の接着剤が広く使用できる。ヒートシール層の膜厚について特に限定はないが、0.1〜50μmの範囲であることが好ましく、1〜10μmがより好ましい。
【0041】
(背面層)
また、基材2として、高熱に対する耐久性が欠ける材料を用いる場合、加熱手段、例えば、サーマルヘッドに接する側の基材2の表面に、つまり基材の感熱発色層4が設けられている面と反対側の面に、サーマルヘッドの滑り性を良くし、かつスティッキングを防止するための背面層(図示しない)を設けることが好ましい。背面層は、耐熱性のある樹脂と熱離型剤又は滑剤の働きをする物質とを基本的な構成成分とする。このような背面層を設けることによって、例えば、熱に弱いプラスチックフィルムを基材2とした熱転写シートにおいてもスティッキングが起こることなく熱印字が可能であって、プラスチックフィルムの持つ切れにくさ、加工のし易さ等のメリットが生かせる。さらに、本発明の熱転写シート1をロール状に巻き取った時のブロッキングを防止することができる。
【0042】
背面層は、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加したものを好適に使用し形成することができる。背面層に使用されるバインダー樹脂は、例えば、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、酢酪酸セルロース、硝化綿などのセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド、アクリロニトリル−スチレン共重合体などのビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン変性又はフッ素変性ウレタン樹脂などが挙げられる。
【0043】
これらのなかで、数個の反応性基、例えば、水酸基を有しているものを使用し、架橋剤として、ポリイソシアネートなどを併用して、架橋樹脂を使用することが好ましい。背面層を形成する手段は、上記のごとき、バインダー樹脂に滑り剤、界面活性剤、無機粒子、有機粒子、顔料等を添加した材料を、適当な溶剤中に溶解又は分散させて、塗工液を調製し、この塗工液をグラビアコーター、ロールコーター、ワイヤーバーなどの慣用の塗工手段により、塗工し、乾燥するものである。背面層の塗工量は、乾燥状態で通常、0.01〜10g/m2程度である。
【0044】
(被転写体)
本発明の熱転写シート1の転写に使用可能な被転写体としては、特に限定されず、例えば、普通紙、上質紙、トレーシングペーパー、プラスチックフィルム、熱転写受像紙等を挙げることができ、被転写体について特に限定されない。
【0045】
次に、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、被転写体上に画像を形成する画像形成方法であって、基材と、基材の一方面上に設けられ、ロイコ染料と顕色剤を含み、かつ基材の他方面上から加熱手段によって画素状の加熱を行ったときに画素状に剥離される感熱発色層を、備える熱転写シートを準備する工程(第1工程)と、熱転写シートの感熱発色層側に、被転写体を重ね合わせる工程(第2工程)と、熱転写シートの基材の他方面上から加熱手段によって画素状の加熱を行い、感熱発色層を基材から画素状に剥離させるとともに、この剥離した感熱発色層を被転写体上に転写させる工程(第3工程)と、を含む点に特徴を有する。
【0046】
(第1工程)
第1工程は、基材と、基材の一方面上に設けられ、ロイコ染料と顕色剤を含み、かつ基材の他方面上から加熱手段によって画素状の加熱を行ったときに画素状に剥離される感熱発色層を、備える熱転写シートを準備する工程である。
【0047】
当該工程で準備される熱転写シートは、上述した「本発明の熱転写シート」で説明した熱転写シートをそのまま用いることができ、ここでの説明は省略する。
【0048】
(第2工程)
第2工程は、熱転写シートの感熱発色層側に、被転写体を重ね合わせる工程である。被転写体についても、上述した「本発明の熱転写シート」で説明した被転写体をそのまま用いることができ、ここでの説明は省略する。
【0049】
(第3工程)
第3工程は、熱転写シートの基材の他方面上から加熱手段によって画素状の加熱を行い、前記基材から画素状に剥離された感熱発色層を被転写体上に転写させる工程である。
【0050】
加熱手段としては、従来公知の熱転写プリンタを構成するサーマルヘッドのほか、熱板、ホットスタンパー、熱ロール、ラインヒーター、アイロンなどを挙げることができる。
【0051】
加熱温度について特に限定はないが、100〜200℃程度が好ましい。
【0052】
また、本発明の画像形成方法で形成される印画物において、該印画物の最表面に画素状に発色した感熱発色層4が位置する場合には、感熱発色層4が水分等の影響を受けることにより発色感度が低下する問題が生じうる。このような点を考慮すると、印画物の最表面に感熱発色層4が位置しないように、該感熱発色層4上には別途の層が設けられていることが好ましい。別途の層の形成方法としては、上述したように、熱転写シートに剥離層を設けておき、この剥離層を別途の層とする方法や、印画物形成後、印画物の感熱発色層4上に別途の層を設ける方法等を挙げることができる。
【0053】
以上説明した、本発明の画像形成方法によれば、画像形成後に排出される熱転写シートに発色した部分が残存しないことから、熱転写後に排出される熱転写シートから秘密情報が認識されることを防止することができる。
【実施例】
【0054】
次に実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。尚、文中、部または%とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
【0055】
(実施例1)
基材シートとして、厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)の一方の面に、下記組成の背面層用塗工液をワイヤーバーコーティング方式により、乾燥時の塗布量が1.0g/m2になるように塗布し、乾燥して(100℃60秒間)、背面層を形成した。次に、上記基材シートの背面層を形成した面と反対の面に、下記組成の離型層用塗工液をワイヤーバーコーティング方式により、乾燥時の塗布量が1.0g/m2になるように塗布、乾燥して(80℃60秒間)、離型層を形成し、さらに離型層の上に、下記組成の感熱発色層用塗工液をワイヤーバーコーティング方式により、乾燥時の塗布量が3.0g/m2になるように塗布、乾燥して(50℃120秒間)、感熱発色層を形成して、実施例1の熱転写シートを作製した。
【0056】
(背面層用塗工液)
・アクリルニトリル−スチレン共重合体 11部
・線状飽和ポリエステル樹脂 0.3部
・ジンクステアリルホスフェート 6部
・メラミン樹脂粉末 3部
・トルエン/エタノール=50/50(質量比) 80部
【0057】
(離型層用塗工液)
・エポキシ基を有するシリコーン変性アクリル樹脂 40部
(セルトップ226、ダイセル化学工業(株)製、固形分50%)
・アルミ触媒 10部
(セルトップCAT−A、ダイセル化学工業(株)製、固形分10%)
・ポリエステル樹脂 1.05部
(バイロン220、ガラス転移点67℃、数平均分子量3000、東洋紡績(株)製)
・メチルエチルケトン 24部
・トルエン 24部
【0058】
(感熱発色層用塗工液)
下記A液とB液をそれぞれサンドミルにて粒径1μmの粒状になるまで粉砕調整し、A液、B液を配合した。
(A液)
・3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ブロモフルオラン 3部
・ポリビニルアルコール10%溶液 15部
・水 30部
(B液)
・ビスフェノール−A 3.5部
・p−ベンジルビフェニル 0.5部
・ポリビニルアルコール10%溶液 15部
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体エマルジョン10%溶液 10部
水 50部
【0059】
(実施例2)
基材シートとして、厚さ4.5μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、ルミラー)の一方の面に、下記組成の背面層用塗工液をワイヤーバーコーティング方式により、乾燥時の塗布量が1.0g/m2になるように塗布し、乾燥して(100℃60秒間)、背面層を形成した。次に、上記基材シートの背面層を形成した面と反対の面に、下記組成の剥離層用塗工液をワイヤーバーコーティング方式により、乾燥時の塗布量が0.7g/m2になるように塗布、乾燥して(80℃60秒間)、剥離層を形成して、その上に実施例1と同様にして感熱発色層を形成して、実施例2の熱転写シートを作製した。
【0060】
(剥離層用塗工液)
・カルナバワックスエマルジョン 100部
(コニシ(株)製、固形分40%)
・水/イソプロピルアルコール=50/50(質量比) 200部
【0061】
(実施例3)
実施例2の感熱発色層の上に下記組成の接着層用塗工液をワイヤーバーコーティング方式により、乾燥時の塗布量が0.7g/m2になるように塗布、乾燥して(50℃120秒間)、接着層を形成して実施例3の熱転写シートを作製した
【0062】
(接着層用塗工液)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体エマルジョン10%溶液 100部
【0063】
(比較例1)
実施例1の感熱発色層用塗工液の代わりに下記組成の着色層用塗工液をワイヤーバーコーティング方式により、乾燥塗布量が1.0g/m2になるように塗布、乾燥して着色層を形成して、比較例1の熱転写シートを作製した
【0064】
(着色層用塗工液)
・着色剤 17.4部
(カーボンブラックの分散剤で、固形分46%、配合はカーボンブラック40%、分散剤6%、トルエン/酢酸エチル=1/1)
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 33.3部
(商品名ソルバインCL、固形分30%、ガラス転移点75℃、重量平均分子量20000、日信化学工業(株)製)
・アミン変性アクリル樹脂 2.47部
(固形分45%、ガラス転移点90℃、重量平均分子量45000、DIC社製)
・トルエン/メチルエチルケトン=50/50(質量比) 46.83部
【0065】
各実施例及び比較例の熱転写シートを用い、下記の印字条件での印字が可能な評価用プリンタを使用し、22.5℃40%RHの環境下で、下記組成のカード基材からなる被転写体上に、下記の印字条件で、「DNP」の文字パターン(12ポイント)を印字し、各実施例及び比較例の印画物を形成した。
【0066】
(印字条件)
・サーマルヘッド:KGT−217−12MPL20(京セラ(株)製)
・発熱体平均抵抗値:3195(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印加電力:0.13(w/dot)
・1ライン周期:5(msec)
・印字開始温度:40(℃)
【0067】
(カード基材の材料組成)
・ポリ塩化ビニルコンパウンド(重合度800) 100部
(安定化剤等の添加剤を約10%含有)
・白色顔料(酸化チタン) 10部
・可塑剤(DOP) 0.5部
【0068】
(視認性評価)
上記の印字後の熱転写シートを目視で確認し、以下の評価基準に基づいて視認性評価試験を行った。評価結果を表1に示す。
「評価基準」
○:印字後の熱転写シートより文字情報が判読できない。
×:印字後の熱転写シートより文字情報が判読できる。
【0069】
(印字評価)
印画物表面を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて印字評価を行った。評価結果を表1に併せて示す。
「評価基準」
○:ツブレが無く、良好である。
△:部分的にツブレがあるが、判読できる。
×:全体的にツブレがあり、不良である。
【0070】
(剥離試験)
上記と同様の方法によって、各実施例及び比較例の熱転写シートを用いて印画物を形成し、印画物の印字部の密着性をメンディングテープ(3M社製)にてテープ剥離試験にて評価した。評価結果を表1に併せて示す。
「評価基準」
○:テープにより剥離しない。
△:部分的に剥離する。
×:全体的に剥離する。
【0071】
【表1】

【0072】
表1からも明らかなように、実施例では、印字後の熱転写シートから文字情報を判読することができず良好な結果を得ることができた。一方、比較例では、印字後の熱転写シートから文字情報を判読することができた。
【符号の説明】
【0073】
1 熱転写シート
2 基材
3 離型層
4 感熱発色層
6 剥離層
20 加熱手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、基材の一方面上に設けられる感熱発色層とを備える熱転写シートにおいて、
前記感熱発色層は、ロイコ染料と顕色剤を含み、かつ、前記基材の他方面上から加熱手段により画素状の加熱を行ったときに、前記基材から前記画素状に剥離されることを特徴とする熱転写シート。
【請求項2】
被転写体上に画像を形成する画像形成方法であって、
基材と、前記基材の一方面上に設けられ、ロイコ染料と顕色剤を含み、かつ前記基材の他方面上から加熱手段によって画素状の加熱を行ったときに画素状に剥離される感熱発色層を、備える熱転写シートを準備する工程と、
前記熱転写シートの感熱発色層側に、被転写体を重ね合わせる工程と、
前記熱転写シートの基材の他方面上から加熱手段によって画素状の加熱を行い、前記基材から画素状に剥離された感熱発色層を被転写体上に転写させる工程と、
を含むことを特徴とする画像形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−10311(P2013−10311A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−145535(P2011−145535)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】