説明

熱転写プリンター

【課題】 記録紙の両面を全部プリンティングし得る熱転写プリンターを提供する。
【解決手段】 本発明の熱転写プリンターは記録紙の一面にプリンティングが完了した後、その記録紙を反転させ記録紙の他面にプリンティングをし得るように、第1,2移送ローラー及び第1,2通路と排紙通路を有する。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は熱転写プリンターに係り、特に記録紙の両面に全部プリンティングし得る熱転写プリンターに関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に熱転写プリンターは図1に示されるように所定の駆動源(図示せず)により回転されるプラテンドラム11と、前記プラテンドラム11の上側に設けられ一方向に巻回されるインクリボン20と、前記プラテンドラム11とインクリボン20の間に記録紙14を給紙する一対の給紙ローラー13と、前記記録紙14を圧搾移送させるキャプスタンローラー15及びピンチローラー16と、前記インクリボン20を加圧及び解除するように乗降可能に設けられる記録ヘッド10とを含む。前記インクリボン20は図2に示されるように通常イエローY、マゼンタM、シアンY及びブラックBのインク染料が面順次に塗布された構造を有する。
【0003】前記のような構成の従来の熱転写プリンターは次のように作動される。まず、給紙カセット12から記録紙14が給紙ローラー13によりプラテンドラム11側に給紙される。給紙される記録紙14がプリンティング位置に置かれると、前記記録ヘッド10が下降されインクリボン20を熱加圧する。この際、インクリボン20のイエロー色相が記録紙14に印刷される。
【0004】イエロー色相の印刷が完了されると、記録紙14はキャプスタンローラー15の反対方向回転により逆に移動され記録ヘッド10は上昇され、インクリボン20はマゼンタ色相の先端がプリンティング位置に置かれるように巻回される。再び記録紙14がプリンティング位置に停止されると、前記のように記録ヘッド10が下降されインクリボン20を熱加圧しながら移動される記録紙14にマゼンタ色相を重畳印刷する。
【0005】このような反復動作で前記シアン及びブラック色相を記録紙14に重畳して印刷する。前記のような従来の熱転写プリンターは通常記録紙14の一面のみに印刷できるようになっている。したがって、他面にも印刷するためには一面に印刷を完了した後、記録紙を再給紙しなければならない。したがって、印刷速度が遅く記録紙を再給紙しなければならないという煩わしい問題点がある。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】本発明は前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、両面プリンティングの可能な熱転写プリンターを提供することにその目的がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するために、本発明の熱転写プリンターは所定の第1駆動源により回転駆動されるプラテンドラムと、前記プラテンドラムの上部に位置され所定のパターンに発熱する発熱体を有しその発熱体が前記プラテンドラムと接触されるように乗降可能に設けられる記録ヘッドと、前記記録ヘッドとプラテンドラムの間を経由するように移送され所定の色相のインク染料が面順次に塗布されたインクリボンと、前記インクリボンとプラテンドラムの間に記録紙を往復移送させる第1移送手段と、前記記録紙の一面のプリンティングが完了した後、前記記録紙を反転させ再び前記プラテンドラムとインクリボンの間に往復移送させる第2移送手段と、前記記録紙を排紙させる排紙手段とを含んでなることを特徴とする。
【0008】前記第1移送手段は、前記プラテンドラムの一側に配置され所定の第2駆動源により回転駆動されるキャプスタンローラーと、前記キャプスタンローラーと摩擦回転されるピンチローラーと、前記プラテンドラムの他側に設けられ所定の第3駆動源により回転駆動される一対の第1移送ローラーと、前記記録紙を前記キャプスタンローラーとピンチローラーの間にガイドする給紙通路と、前記プラテンドラムを経由した記録紙がガイドされその後端に前記第1移送ローラーが設けられる第1通路と、一端が前記キャプスタンローラーと連結され他端が前記第1通路と連結される第2通路とを具備してなる構造を有する。
【0009】前記第2移送手段は、前記キャプスタンローラーとプラテンドラムを順次に経由した記録紙か排紙される排紙通路と、一端が前記排紙通路と連結され他端が前記キャプスタンローラー及びピンチローラーと連結される第2通路と、前記第2通路上に設けられ所定の第4駆動源により回転駆動される一対の第2移送ローラーとを具備してなる構造を有する。
【0010】そして、キャプスタンローラーの前方に設けられ前記記録紙の両端を感知する第1センサーと、前記第1移送ローラーの前方に設けられ記録紙の後端を感知する第2センサーとが具備されている。前記本発明の特徴によると、本発明の熱転写プリンターは前記記録紙が第1,2通路及び排紙通路を経由しながら反転され両面のプリンティングが可能になる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づき本発明をさらに詳細に説明する。図3は本発明による熱転写プリンターを概略的に表す。参照番号40は所定の第1駆動源(図示せず)により回転駆動されるプラテンドラムである。このプラテンドラム40の上部には所定パターンに発熱する発熱体(図示せず)を有する記録ヘッド30が乗降可能に設けられている。この記録ヘッド30は乗降されながらその発熱体が前記プラテンドラム40と接触されるようになっている。
【0012】そして、前記プラテンドラム40の上部には記録ヘッド30とプラテンドラム40との間を経由し移送される図2に示されるようなインクリボン20が配置されている。そして、前記インクリボン20とプラテンドラム40との間に記録紙50を往復移送させる第1移送手段と、前記記録紙50の一面がプリンティング完了された後、前記記録紙50を反転させ再び前記プラテンドラム40とインクリボン20の間に往復移送させる第2移送手段とが配置されている。
【0013】前記第1移送手段は、前記プラテンドラム40の一側(後方)に配置され所定の第2駆動源(図示せず)により回転駆動されるキャプスタンローラー41と、前記キャプスタンローラー41と摩擦回転されるピンチローラー42と、前記プラテンドラム40の他側(前方)に設けられ所定の第3駆動源(図示せず)により回転駆動される一対の第1移送ローラー53,54と、前記記録紙50を前記キャプスタンローラー41とピンチローラー42の間にガイドする給紙通路71と、前記プラテンドラム40を経由した記録紙50がガイドされその後端に前記第1移送ローラー53,54が設けられる第1通路73と、一端が前記キャプスタンローラー41と連結され他端が前記第1通路73と連結される第2通路74とを具備する。
【0014】前記第2移送手段は、前記キャプスタンローラー41とプラテンドラム40を順次に経由した記録紙50が第1通路73及び第1移送ローラー53,54を通って排紙される排紙通路72と、前記第2通路74と、前記第2通路74上に設けられ所定の第4駆動源(図示せず)により回転駆動される一対の第2移送ローラー55,56とを具備する。
【0015】前記給排紙通路71,72及び第1,2通路73,74は第1,2,3,4及び第5ガイドブロック85,84,83,82及び81によりそれぞれ形成される。一方、前記記録紙50の両端を感知する第1センサー61は前記キャプスタンローラー41に隣接して設けられており、記録紙50の後端を感知する第2センサー62は前記第1移送ローラー53,54に隣接して設けられている。未説明符号23はインクリボン20の各色相の位置を感知するセンサーである。
【0016】前記のように構成された本発明による熱転写プリンターは次のように作動する。まず、図3に示すように、記録紙50が給紙通路71の前に設けられた一対の給紙ローラー51,52を通して給紙される。記録紙50の先端が第1センサー61に感知されると、キャプスタローラー41と第1移送ローラー54が逆時計回り方向に回転する。したがって、記録紙50は第1通路73及び排紙通路72に沿って移送されるようになる。ここで前記記録紙50が移送される間、前記記録ヘッド30は上昇されており、インクリボン20は停止されている。
【0017】図4に示されるように、記録紙50の後端が第1センサー61に感知されると、キャプスタンローラー41及び第1移送ローラー54の回転が停止される。次いで、前記インクリボン20が供給リール22から巻取リール21に巻回され、巻回される途中に前記センサー23にイエロー色相の先端が感知されるとインクリボン20の移送が停止される。この後、記録ヘッド30が下降されインクリボン20を熱加圧する。
【0018】前記のような状態で、図5に示すように、キャプスタンローラー41及び移送ローラー55が時計回り方向に回転しながら記録紙50を反対方向に移送させる。この際、記録紙50はキャプスタンローラー41及びピンチローラー42と、第2通路74及び第2移送ローラー55,56を経由し移送される。このように記録紙50にイエロー色相の印刷が完了されると、図6に示すように、記録ヘッド30が上昇されインクリボン20の移送が停止される。次いで、キャプスタンローラー41と第2移送ローラー55が再び逆時計回り方向に回転され記録紙50を時計回り方向に移送させる。この際、記録紙50は第1通路73を経由し排紙通路72に至る。そして記録紙50の後端が再び第1センサー61に感知されるとキャプスタンローラー41が停止されながら記録紙50の移送を停止させる。次いで、インクリボン20が巻回され、マゼンタ色相の先端がセンサー23に感知されるとインクリボン20の移送が停止される。
【0019】この後、記録紙50を前記イエロー色相の印刷と同様の動作で往復移送させながらマゼンタ、シアン及びブラック色相を重畳しプリンティングする。前記のように記録紙50の一面に印刷が完了されると、図7に示すように、記録紙50を排紙通路72側に移送させる。この際、第2移送ローラー53,54及び排紙ローラー57,58の回転により記録紙50はその後端が第2移送ローラー53,54に至る時まで移送される。記録紙50の後端が第2センサー62に感知される時まで移送を停止させる。
【0020】次いで、図8に示すように、前記第1,2移送ローラー53,54,55,56を反対方向に回転させ記録紙50を時計回り方向に移送させる。この際、記録紙50は第2移送ローラー55,56、第2通路74、キャプスタンローラー41及び第1通路73を順次に通りながら反転される。このように移送される途中に反転された記録紙50の後端が第1センサー61に感知されると記録紙50の移送が停止される。
【0021】この後、インクリボン20が巻回され、インクリボン20のイエロー色相の先端がセンサー23に感知されると移送が停止される。次いで、記録ヘッド30が下降されインクリボン20を熱加圧する。次いで、キャプスタンローラー41及び第2移送ローラー55を時計回り方向に回転させながら記録紙50を反対方向に移送させる。この際、記録紙50の後面にはイエロー色相が印刷される。
【0022】前記のようにイエロー色相が印刷完了されると、キャプスタンローラー41を逆時計回り方向に駆動させ記録紙50を図8に示されたように初期プリンティング位置に移送させる。この後、インクリボン20を移送させ、マゼンタ色相の先端がセンサー23に感知されるとインクリボン20の移送を停止させる。次いで、記録ヘッド30を下降させインクリボン20を熱加圧する。
【0023】前記のような状態で、図9に示すように、イエロー色相の印刷と同様に記録紙50を移送させながらマゼンタ色相を記録紙50に重畳印刷させる。この後、シアンとブラック色相の印刷も前記のような順番に記録紙50に重畳印刷される。このように記録紙50の後面に印刷を完了した後、図10に示すように、キャプスタンローラー41と第1移送ローラー53,54及び排紙ローラー57,58を駆動させ記録紙50を排紙させる。
【0024】
【発明の効果】前述したように本発明による熱転写プリンターは記録紙50の両面を全部プリンティングし得る利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の熱転写プリンターを示した概略図である。
【図2】インクリボンを示した概略図である。
【図3】本発明による熱転写プリンターの動作図である。
【図4】本発明による熱転写プリンターの動作図である。
【図5】本発明による熱転写プリンターの動作図である。
【図6】本発明による熱転写プリンターの動作図である。
【図7】本発明による熱転写プリンターの動作図である。
【図8】本発明による熱転写プリンターの動作図である。
【図9】本発明による熱転写プリンターの動作図である。
【図10】本発明による熱転写プリンターの動作図である。
【符号の説明】
20 インクリボン
21 巻取リール
22 供給リール
23 センサー
30 記録ヘッド
40 プラテンドラム
41 キャプスタンローラー
42 ピンチローラー
50 記録紙
51,52 給紙ローラー
53,54 第1移送ローラー
55,56 第2移送ローラー
57,58 排紙ローラー
61 第1センサー
62 第2センサー
71 給紙通路
72 排紙通路
73 第1通路
74 第2通路
81,82,83,84,85 ガイドブロック

【特許請求の範囲】
【請求項1】 所定の第1駆動源により回転駆動されるプラテンドラムと、前記プラテンドラムの上部に位置され所定パターンに発熱する発熱体を有しその発熱体が前記プラテンドラムと接触されるように乗降可能に設けられる記録ヘッドと、前記記録ヘッドとプラテンドラムの間を経由するように移送され所定の色相のインク染料が面順次に塗布されたインクリボンと、前記インクリボンとプラテンドラムの間に記録紙を往復移送させる第1移送手段と、前記記録紙の一面のプリンティングが完了した後、前記記録紙を反転させ再び前記プラテンドラムとインクリボンの間に往復移送させる第2移送手段と、前記記録紙を排紙させる排紙手段とを含んでなることを特徴とする熱転写プリンター。
【請求項2】 前記第1移送手段は前記プラテンドラムの一側に配置され所定の第2駆動源により回転駆動されるキャプスタンローラーと、前記キャプスタンローラーと摩擦回転されるピンチローラーと、前記プラテンドラムの他側に設けられ所定の第3駆動源により回転駆動される一対の第1移送ローラーと、前記記録紙を前記キャプスタンローラーとピンチローラーの間にガイドする給紙通路と、前記プラテンドラムを経由した記録紙がガイドされその後端に前記第1移送ローラーが設けられる第1通路と、一端が前記キャプスタンローラーと連結され他端が前記第1通路と連結される第2通路とを具備してなることを特徴とする請求項1に記載の熱転写プリンター。
【請求項3】 前記第2移送手段は前記キャプスタンローラーとプラテンドラムを順次に経由した記録紙が排紙される排紙通路と、一端が前記排紙通路と連結され他端が前記キャプスタンローラー及びピンチローラーと連結される第2通路と、前記第2通路上に設けられ所定の第4駆動源により回転駆動される一対の第2移送ローラーとを具備してなることを特徴とする請求項1に記載の熱転写プリンター。
【請求項4】 前記第2移送手段は前記キャプスタンローラーとプラテンドラムを順次に経由した記録紙が排紙される排紙通路と、前記第2通路上に設けられ所定の第4駆動源により回転駆動される一対の第2移送ローラーとを具備してなることを特徴とする請求項2に記載の熱転写プリンター。
【請求項5】 前記キャプスタンローラーの前方に設けられ記録紙の両端を感知する第1センサーと、前記第1移送ローラーの前方に設けられ記録紙の後端を感知する第2センサーとが具備されてなることを特徴とする請求項2に記載の熱転写プリンター。
【請求項6】 前記キャプスタンローラーの前方に設けられ記録紙の両端を感知する第1センサーと、前記第1移送ローラーの前方に設けられ記録紙の後端を感知する第2センサーとが具備されてなることを特徴とする請求項3に記載の熱転写プリンター。
【請求項7】 前記キャプスタンローラーの前方に設けられ記録紙の両端を感知する第1センサーと、前記第1移送ローラーの前方に設けられ記録紙の後端を感知する第2センサーとが具備されてなることを特徴とする請求項4に記載の熱転写プリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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