説明

熱転写式カラープリンター

【課題】熱転写式カラープリンターにおいて、用紙の未印字領域と既印字領域とにおいてインクの転写条件が異なることによって生じるインクの転写不良を防止する。
【解決手段】このプリンターは、用紙の搬送方向に沿って配置された複数のサーマルヘッドであって、各々のサーマルヘッドが複数の発熱体を含み、複数の異なる色のインクリボンのインクを加熱して用紙に転写することにより、用紙に印字を行う複数のサーマルヘッドと、入力されるカラー印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドが印字する領域を、搬送方向上流側の他のサーマルヘッドによって印字されない第1のサブ領域と、搬送方向上流側の他のサーマルヘッドによって印字される第2のサブ領域とに分割し、第1のサブ領域と第2のサブ領域とにおいて少なくとも1つのサーマルヘッドの発熱体に異なるエネルギーを印加する制御部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の異なる色のインクリボンを用いて被印字媒体に印字を行う熱転写式カラープリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等の被印字媒体(以下、「用紙」ともいう)に印字を行うプリンターとして、サーマルヘッドを用いてインクリボンのインクを用紙に転写することにより印字を行う熱転写式プリンターが用いられている。熱転写式プリンターにおいては、用紙とインクリボンとを同一方向に同一速度で搬送しながら、サーマルヘッドの発熱体が発生する熱によってインクリボンのインクを用紙に転写することにより印字が行われる。
【0003】
さらに、熱転写式カラープリンターにおいては、複数の異なる色のインクリボンに対応して複数のサーマルヘッドが用いられ、必要に応じて複数の異なる色を重ねて印字が行われる。そのような熱転写式カラープリンターにおいては、複数のサーマルヘッドの発熱体にエネルギーを印加してそれぞれのインクリボンを用いて印字を行う場合に、インクリボンの種類や用紙の種類に応じて最適なエネルギーが設定される。
【0004】
従来は、用紙上の未だ印字されていない領域に印字を行う場合と、既に印字されて他の色のインクが付着している領域に重ねて印字を行う場合とにおいて、同一のエネルギーがサーマルヘッドの発熱体に印加されていた。しかしながら、同じ用紙であっても、未だ印字されていない領域と、既に印字されて他の色のインクが付着している領域とにおいては、インクの転写条件が異なるので、既に印字されている領域に重ねて印字を行う場合に、用紙に付着しているインク層が剥がれて逆転写が生じたり、逆に、エネルギーを低く設定すると、未だ印字されていない領域に印字を行う場合にカスレが生じたりして、インクの転写不良が発生するという問題があった。
【0005】
関連する技術として、特許文献1には、熱転写式カラープリンターにおいて、例えば、イエローの転写層の上にマゼンタのインク層を熱転写するときに、サーマルヘッドの発熱素子の発熱がサーマルヘッドの基板側に放熱されて、少なくとも最初の1ドット目を熱転写するときの発熱素子の発熱が一時的に降下することを防止できる熱転写記録方法が開示されている。
【0006】
この熱転写記録方法は、サーマルヘッドの複数の発熱素子に発熱エネルギーを加えて、第1の色からなるインク層を記録用紙に熱転写して第1転写層を形成し、この第1転写層の上に少なくとも第2の色からなるインク層を重ね印刷して第2転写層を形成する際に、重ね印刷開始時に加える発熱エネルギーを、重ね印刷開始時以降に加える発熱エネルギーより大きくして、第1転写層の上に第2転写層を重ね印刷することを特徴とする。
【0007】
特許文献1の熱転写記録方法は、サーマルヘッドの発熱素子からサーマルヘッドの基板側への放熱量が大きい場合に、重ね印刷開始時に発生する印刷不良を防止することができるが、用紙の未印字領域と既印字領域とにおけるインクの転写条件の相違に対応するものではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−47654号公報(段落0005、0010)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、熱転写式カラープリンターにおいて、被印字媒体の未印字領域と既印字領域とにおいてインクの転写条件が異なることによって生じるインクの転写不良を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
以上の課題を解決するため、本発明の1つの観点に係る熱転写式カラープリンターは、複数の異なる色のインクリボンを用いて被印字媒体に印字を行う熱転写式カラープリンターであって、複数の異なる色のインクリボンがそれぞれ装填された複数のインクリボンカセットが装着される筐体と、筐体内において被印字媒体の搬送方向に沿って配置され、被印字媒体及びそれぞれのインクリボンを搬送する複数のプラテンローラーと、複数のプラテンローラーにそれぞれ対向して配置された複数のサーマルヘッドであって、各々のサーマルヘッドが複数の発熱体を含み、インクリボンのインクを加熱して被印字媒体に転写することにより、被印字媒体に印字を行う複数のサーマルヘッドと、入力されるカラー印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドが印字する領域を、搬送方向上流側の他のサーマルヘッドによって印字されない第1のサブ領域と、搬送方向上流側の他のサーマルヘッドによって印字される第2のサブ領域とに分割し、第1のサブ領域と第2のサブ領域とにおいて少なくとも1つのサーマルヘッドの発熱体に異なるエネルギーを印加する制御部であって、入力されるカラー印字データに基づいて、複数の異なる色の印字情報をそれぞれ表す複数の印字データを生成するデータ処理部と、データ処理部によって生成された印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体が印字する画素が第1のサブ領域に位置するか第2のサブ領域に位置するかを判定し、判定結果に基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定するエネルギー設定部と、エネルギー設定部によって設定されたエネルギーを少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体に印加するヘッド制御部とを含む制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の1つの観点によれば、少なくとも1つのサーマルヘッドが印字する領域を、搬送方向上流側の他のサーマルヘッドによって印字されない第1のサブ領域と、搬送方向上流側の他のサーマルヘッドによって印字される第2のサブ領域とに分割し、第1のサブ領域と第2のサブ領域とにおいて少なくとも1つのサーマルヘッドの発熱体に異なるエネルギーを印加することにより、被印字媒体の未印字領域と既印字領域とにおいてインクの転写条件が異なることによって生じるインクの転写不良を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の各実施形態に係る熱転写式カラープリンターを示す断面図である。
【図2】図1に示す熱転写式カラープリンターによって印字されたラベルの例を示す平面図である。
【図3】図2に示すラベルのIII−IIIにおける断面図である。
【図4】下層の数と発熱体に印加されるエネルギーとの関係の例を示す表である。
【図5】図1に示す制御部の構成例をその周辺部と共に示すブロック図である。
【図6】図5に示すデータ処理部及びエネルギー設定部の構成例をその周辺部と共に示すブロック図である。
【図7】データ処理部の各データバッファに格納される印字データによって表される印字情報を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の各実施形態に係る熱転写式カラープリンターを示す断面図である。プリンター10は、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等の被印字媒体(用紙)に印字を行うための熱転写式カラープリンターであって、複数の異なる色のインクリボンを用いて、インクリボンのインクを用紙に転写することにより印字を行う。以下においては、イエロー(黄色)、マゼンタ、シアン、ブラック(黒色)の4色のインクリボンを用いて用紙に印字を行う場合を例にとって説明する。
【0014】
図1に示すように、用紙1が、ロール状に巻回されたロール紙2として、プリンター10の筐体14に設けられた用紙供給軸11に回転可能に支持されている。用紙供給軸11から引き出された用紙1は、筐体14内に設けられたモーターによって駆動されて回転する駆動ローラー12と、駆動ローラー12の回転に伴って回転する従動ローラー13との間に供給され、駆動ローラー12と従動ローラー13とによって挟持搬送される。
【0015】
また、筐体14には、用紙の搬送方向上流側(図中右側)から搬送方向下流側(図中左側)に向けて、4種類のインクリボンカセット20a〜20dが装着されている。例えば、インクリボンカセット20aには、イエロー(Y)のインクリボンが装填されており、インクリボンカセット20bには、マゼンタ(M)のインクリボンが装填されており、インクリボンカセット20cには、シアン(C)のインクリボンが装填されており、インクリボンカセット20dには、ブラック(B)のインクリボンが装填されている。
【0016】
プリンター10の筐体14内においては、4種類のインクリボンカセット20a〜20dに対応して、用紙の搬送方向に沿って、4つのプラテンローラー15a〜15dと、4つのサーマルヘッド16a〜16dとが配置されている。サーマルヘッド16a〜16dは、インクリボンカセット20a〜20dの内部にそれぞれ挿入され、プラテンローラー15a〜15dにそれぞれ対向して配置される。また、プリンター10は、入力部30と、制御部40と、表示部50と、電源部60とを有している。
【0017】
4種類のインクリボンカセット20a〜20dの各々において、インクリボン23が、インクリボン供給軸21とインクリボン巻取り軸22との間に架け渡されている。インクリボン巻取り軸22は、筐体内に設けられたモーターによって駆動されて回転する。
【0018】
イエローのインクリボンカセット20aのインクリボン供給軸21にロール状に巻回された状態で支持された未使用のインクリボン23は、プラテンローラー15aとサーマルヘッド16aとの間に用紙1と共に供給され、転写後のインクリボン23は、インクリボン巻取り軸22によって巻き取られる。
【0019】
プラテンローラー15aは、筐体内に設けられたモーターによって駆動されて回転することにより、用紙1及びインクリボン23を同一方向に同一速度で搬送する。サーマルヘッド16aは、エネルギーが印加されることによって発熱する複数の微細な発熱体を幅方向に有している。発熱体にエネルギーを印加して発熱体を発熱させ、インクリボン23のインクを加熱して用紙1に転写することにより、インクリボンカセット20aに装填されたイエローのインクリボンを用いた印字が行われる。なお、発熱体にエネルギー(電力)を印加するためには、電圧源から発熱体に電圧を印加するようにしても良いし、電流源から発熱体に電流を流すようにしても良い。
【0020】
プラテンローラー15b〜15dもプラテンローラー15aと同様に構成され、サーマルヘッド16b〜16dもサーマルヘッド16aと同様に構成されている。プラテンローラー15aの位置を通過した用紙1は、プラテンローラー15b〜15dの位置を順次通過し、サーマルヘッド16b〜16dによって、インクリボンカセット20b〜20dにそれぞれ装填されたマゼンタ、シアン、ブラックのインクリボンを用いた印字が順次行われる。印字が完了した用紙1は、用紙排出口から排出される。
【0021】
入力部30は、複数の操作キーを含んでおり、プリンター10を操作したり、プリンター10にカラー印字データを入力するために用いられる。制御部40は、プリンター10の各部の動作を制御する。表示部50は、エラーメッセージ等を表示するためのLCD(液晶表示)パネル又は複数のLED(発光ダイオード)を含んでおり、制御部40から供給される信号に基づいて各種の表示を行う。電源部60は、プリンター10の各部に電力を供給する。
【0022】
このように複数の異なる色のインクリボンを用いて用紙に印字を行う熱転写式カラープリンターにおいては、例えば、イエローのインクで印字された領域に、マゼンタのインクで重ねて印字を行うことにより、赤い色を表現する場合がある。また、イエロー又はマゼンタのインクで印字された領域に、シアンのインクで重ねて印字を行う場合もある。
【0023】
しかしながら、用紙の未だ印字されていない領域と、既に印字されて他の色のインクが付着している領域とにおいては、熱伝導性や表面におけるインクの付着性等のインクの転写条件が異なる。従って、一定のエネルギー及び圧力で印字を行うと、既に印字されている領域に重ねて印字を行う場合に、用紙に付着しているインク層が、重ねて印字を行うためのインクリボンによって剥がされて逆転写が生じることがあった。一方、エネルギーを低く設定すると、インクを加熱する際の熱量が不足して、用紙に付着しているインク層上には印字できるが、用紙面にはインクが十分に付着しないので、カスレが生じることがあった。
【0024】
図2は、図1に示す熱転写式カラープリンターによって印字されたラベルの例を示す平面図である。また、図3は、図2に示すラベルのIII−IIIにおける断面図である。この例においては、指定されたイエローの印字領域にイエローのインク層5が転写され、その後に、指定されたマゼンタの印字領域にマゼンタのインク層6A及び6Bが転写され、さらに、指定されたブラックの印字領域にブラックのインク層7が転写される。
【0025】
ここで、イエローのインク層5は、イエローの印字領域においてラベル3の基材4に直接転写される。また、マゼンタのインク層6Aも、マゼンタの印字領域の内の第1のサブ領域(図中左側の領域)において基材4に直接転写される。一方、マゼンタのインク層6Bは、マゼンタの印字領域の内の第2のサブ領域(図中右側の領域)においてイエローのインク層5を介して基材4に転写され、それによって赤い色が表現される。
【0026】
第1の実施形態においては、いずれのサブ領域においてもインクの転写を適切に行うために、例えば、制御部40が、入力されるカラー印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッド(例えば、図1に示すサーマルヘッド16b)が印字する領域を、搬送方向上流側の他のサーマルヘッド(例えば、図1に示すサーマルヘッド16a)によって印字されない第1のサブ領域と、搬送方向上流側の他のサーマルヘッドによって印字される第2のサブ領域とに分割し、第1のサブ領域と第2のサブ領域とにおいて上記少なくとも1つのサーマルヘッドの発熱体に異なるエネルギーを印加する。
【0027】
さらに、第2の実施形態においては、制御部40が、入力されるカラー印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッド(例えば、図1に示すサーマルヘッド16c)が印字する領域を、搬送方向上流側の他の1つ又は複数のサーマルヘッド(例えば、図1に示すサーマルヘッド16a又は16b)によって印字される回数(下層の数)に応じて複数のサブ領域に分割し、サブ領域毎に上記少なくとも1つのサーマルヘッドの発熱体に異なるエネルギーを印加する。
【0028】
図4は、下層の数と発熱体に印加されるエネルギーとの関係の例を示す表である。この例においては、下層を保護しながらインクを適切に熱転写させるために、下層の数が多いほど発熱体に印加されるエネルギーを小さくしている。
【0029】
図4に示す例によれば、下層の数が「0」である場合に、各サーマルヘッドに印加されるエネルギーが100%とされる。例えば、イエローのインクを、図3に示す基材4に直接転写する場合には、図1に示すサーマルヘッド16aに印加される電圧がVa×100%に設定される。同様に、マゼンタのインクを基材4に直接転写する場合には、サーマルヘッド16bに印加される電圧がVb×100%に設定され、シアンのインクを基材4に直接転写する場合には、サーマルヘッド16cに印加される電圧がVc×100%に設定される。ここで、電圧Va、Vb、Vcは、インクリボンの種類や用紙の種類に応じて決定される定数である。
【0030】
また、下層の数が「1」である場合には、各サーマルヘッドに印加されるエネルギーが80%とされる。例えば、マゼンタのインクを、イエローのインク層を介して基材4に転写する場合には、サーマルヘッド16bに印加される電圧がVb×(0.8)1/2に設定され、シアンのインクを、イエロー又はマゼンタのインク層を介して基材4に転写する場合には、サーマルヘッド16cに印加される電圧がVc×(0.8)1/2に設定される。
【0031】
さらに、下層の数が「2」である場合には、各サーマルヘッドに印加されるエネルギーが70%とされる。例えば、シアンのインクを、マゼンタのインク層及びイエローのインク層を介して基材4に転写する場合には、サーマルヘッド16cに印加される電圧がVc×(0.7)1/2に設定される。
【0032】
図5は、図1に示す制御部の構成例をその周辺部と共に示すブロック図である。図5に示すように、制御部40は、CPU41と、ROM(read only memory)42と、RAM(random access memory)43と、モーター制御部44と、ヘッド制御部45と、センサー制御部46と、内部インターフェース47と、ルックアップテーブル(LUT)48と、データ処理部49と、エネルギー設定部51と、外部インターフェース52とを含んでいる。これらは、バスラインを介して互いに接続されている。また、内部インターフェース47には、入力部30及び表示部50が接続されており、外部インターフェース52には、ホストコンピュータ70が接続される。
【0033】
ROM42には、プリンターの各部を制御するための制御プログラムが格納されている。一方、RAM43には、入力部30やホストコンピュータ70から入力されるカラー印字データが一時的に格納される。CPU41は、ROM42に格納されている制御プログラムに従ってプリンターの各部を制御する。
【0034】
CPU41の制御の下で、モーター制御部44は、図1に示すプラテンローラー15a〜15dを駆動するモーターやその他のモーターを制御し、ヘッド制御部45は、図1に示すサーマルヘッド16a〜16dを制御する。また、センサー制御部46は、台紙に仮着されたラベルの位置を検出するラベルセンサーを制御する。
【0035】
第1の実施形態においては、制御部40が、入力されるカラー印字データに基づいて、サーマルヘッド16bが印字する領域を、搬送方向上流側のサーマルヘッド16aによって印字されない第1のサブ領域と、サーマルヘッド16aによって印字される第2のサブ領域とに分割し、第1のサブ領域と第2のサブ領域とにおいてサーマルヘッド16bの発熱体に異なるエネルギーを印加する。
【0036】
また、制御部40は、入力されるカラー印字データに基づいて、サーマルヘッド16cが印字する領域を、搬送方向上流側のサーマルヘッド16a又は16bによって印字されない第1のサブ領域と、サーマルヘッド16a又は16bによって印字される第2のサブ領域とに分割し、第1のサブ領域と第2のサブ領域とにおいてサーマルヘッド16cの発熱体に異なるエネルギーを印加する。
【0037】
一方、サーマルヘッド16aに対しては、搬送方向上流側のサーマルヘッドが存在しないので、サーマルヘッド16aが印字する領域を分割する必要はない。また、本実施形態においては、イエロー又はマゼンタ又はシアンのインクで印字された領域に、ブラックのインクで重ねて印字を行うことは想定していないので、サーマルヘッド16dが印字する領域を分割する必要もない。
【0038】
ルックアップテーブル48には、用紙の種類に応じて、サーマルヘッド16a〜16dの発熱体に印加すべきエネルギーに関する情報が予め格納されている。さらに、ルックアップテーブル48には、少なくとも第2のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16b又は16cの発熱体に印加すべきエネルギーの補正量に関する情報が予め格納されている。
【0039】
例えば、第1のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16b又は16cの発熱体に印加すべきエネルギーが、サーマルヘッド16b又は16cの発熱体に通常印加すべきエネルギーの100%であるのに対し、第2のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16b又は16cの発熱体に印加すべきエネルギーは、サーマルヘッド16b又は16cの発熱体に通常印加すべきエネルギーの80%とされる。
【0040】
図6は、図5に示すデータ処理部及びエネルギー設定部の構成例をその周辺部と共に示すブロック図である。データ処理部49は、データ展開部49eと、Yデータバッファ49aと、Mデータバッファ49bと、Cデータバッファ49cと、Bデータバッファ49dとを含んでいる。また、エネルギー設定部51は、Yエネルギー設定部51aと、Mエネルギー設定部51bと、Cエネルギー設定部51cと、Bエネルギー設定部51dとを含んでいる。
【0041】
データ展開部49eは、入力されるカラー印字データに基づいて、複数の異なる色の印字情報をそれぞれ表す複数の印字データ(イエローの印字情報を表すイエローの印字データ、マゼンタの印字情報を表すマゼンタの印字データ、シアンの印字情報を表すシアンの印字データ、ブラックの印字情報を表すブラックの印字データ)を生成し、それらの印字データを、対応するデータバッファ49a〜49dに一時的に格納する。
【0042】
図7は、データ処理部の各データバッファに格納される印字データによって表される印字情報を示す図である。図2に示すような印字情報(画像)を表すカラー印字データが入力された場合に、データバッファ49a〜49dに格納された印字データによって表される印字情報(画像)は、図7に示すものとなる。
【0043】
再び図6を参照すると、エネルギー設定部51は、データ処理部49によって生成された印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体が印字する画素が第1のサブ領域に位置するか第2のサブ領域に位置するかを判定し、判定結果に基づいて、上記少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定する。その際に、エネルギー設定部51は、図5に示す入力部30又はホストコンピュータ70を用いて入力された用紙の種類を参酌することができる。
【0044】
Yエネルギー設定部51aは、ルックアップテーブル48を参照することにより、サーマルヘッド16aの発熱体に印加すべきエネルギーを読み出しておく。次に、Yエネルギー設定部51aは、Yデータバッファ49aに格納されているイエローの印字データに従って、サーマルヘッド16aの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定する。
【0045】
Mエネルギー設定部51bは、ルックアップテーブル48を参照することにより、サーマルヘッド16bの発熱体に印加すべきエネルギーと、第2のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16bの発熱体に印加すべきエネルギーの補正量とを読み出しておく。次に、Mエネルギー設定部51bは、Mデータバッファ49bに格納されているマゼンタの印字データを、Yデータバッファ49aに格納されているイエローの印字データと比較することにより、サーマルヘッド16bの各発熱体が印字する画素が第1のサブ領域に位置するか第2のサブ領域に位置するかを判定し、判定結果に基づいて、サーマルヘッド16bの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定する。
【0046】
Cエネルギー設定部51cは、ルックアップテーブル48を参照することにより、サーマルヘッド16cの発熱体に印加すべきエネルギーと、第2のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16cの発熱体に印加すべきエネルギーの補正量とを読み出しておく。次に、Cエネルギー設定部51cは、Cデータバッファ49cに格納されているシアンの印字データを、Yデータバッファ49aに格納されているイエローの印字データ及びMデータバッファ49bに格納されているマゼンタの印字データと比較することにより、サーマルヘッド16cの各発熱体が印字する画素が第1のサブ領域に位置するか第2のサブ領域に位置するかを判定し、判定結果に基づいて、サーマルヘッド16cの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定する。
【0047】
Bエネルギー設定部51dは、ルックアップテーブル48を参照することにより、サーマルヘッド16dの発熱体に印加すべきエネルギーを読み出しておく。次に、Bエネルギー設定部51dは、Bデータバッファ49dに格納されているブラックの印字データに従って、サーマルヘッド16dの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定する。
【0048】
ヘッド制御部45は、イエローの印字を行う際に、Yエネルギー設定部51aによって設定されたエネルギーを、サーマルヘッド16aの各発熱体に供給する。次に、ヘッド制御部45は、マゼンタの印字を行う際に、Mエネルギー設定部51bによって設定されたエネルギーを、サーマルヘッド16bの各発熱体に供給する。さらに、ヘッド制御部45は、シアンの印字を行う際に、Cエネルギー設定部51cによって設定されたエネルギーを、サーマルヘッド16cの各発熱体に供給する。最後に、ヘッド制御部45は、ブラックの印字を行う際に、Bエネルギー設定部51dによって設定されたエネルギーを、サーマルヘッド16dの各発熱体に供給する。
【0049】
このように、第1の実施形態によれば、用紙の未印字領域と既印字領域とにおいてサーマルヘッドの発熱体に異なるエネルギーを印加することにより、未印字領域と既印字領域とにおいてインクの転写条件が異なることによって生じるインクの転写不良を防止することができる。
【0050】
一方、第2の実施形態においては、図5に示す制御部40が、入力されるカラー印字データに基づいて、サーマルヘッド16bが印字する領域を、搬送方向上流側のサーマルヘッド16aによって印字される回数(下層の数)に応じて複数のサブ領域に分割し、サーマルヘッド16cが印字する領域を、搬送方向上流側のサーマルヘッド16a又は16bによって印字される回数(下層の数)に応じて複数のサブ領域に分割し、サブ領域毎にサーマルヘッド16b及び16cの発熱体に異なるエネルギーを印加する。
【0051】
例えば、下層の数が「0」であるサブ領域が第1のサブ領域と定義され、下層の数が「1」であるサブ領域が第2のサブ領域と定義され、下層の数が「2」であるサブ領域が第3のサブ領域と定義される。
【0052】
ルックアップテーブル48には、用紙の種類に応じて、サーマルヘッド16a〜16dの発熱体に印加すべきエネルギーに関する情報が予め格納されている。さらに、ルックアップテーブル48には、複数のサブ領域(少なくとも第2及び第3のサブ領域)毎にサーマルヘッド16b又は16cの発熱体に印加すべきエネルギーの補正量に関する情報が予め格納されている。
【0053】
例えば、第1のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16b又は16cの発熱体に印加すべきエネルギーが、サーマルヘッド16b又は16cの発熱体に通常印加すべきエネルギーの100%であるのに対し、第2のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16b又は16cの発熱体に印加すべきエネルギーは、サーマルヘッド16b又は16cの発熱体に通常印加すべきエネルギーの80%とされ、第3のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16cの発熱体に印加すべきエネルギーは、サーマルヘッド16cの発熱体に通常印加すべきエネルギーの70%とされる。
【0054】
再び図6を参照すると、エネルギー設定部51は、データ処理部49によって生成された印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体が印字する画素が複数のサブ領域のいずれに位置するかを判定し、判定結果に基づいて、上記少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定する。その際に、エネルギー設定部51は、図5に示す入力部30又はホストコンピュータ70を用いて入力された用紙の種類を参酌することができる。
【0055】
例えば、Mエネルギー設定部51bは、ルックアップテーブル48を参照することにより、サーマルヘッド16bの発熱体に印加すべきエネルギーと、第2のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16bの発熱体に印加すべきエネルギーの補正量とを読み出しておく。次に、Mエネルギー設定部51bは、Mデータバッファ49bに格納されているマゼンタの印字データを、Yデータバッファ49aに格納されているイエローの印字データと比較することにより、サーマルヘッド16bの各発熱体が印字する画素がいずれのサブ領域に位置するかを判定し、判定結果に基づいて、サーマルヘッド16bの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定する。
【0056】
また、Cエネルギー設定部51cは、ルックアップテーブル48を参照することにより、サーマルヘッド16cの発熱体に印加すべきエネルギーと、複数のサブ領域(少なくとも第2及び第3のサブ領域)毎にサーマルヘッド16cの発熱体に印加すべきエネルギーの補正量とを読み出しておく。次に、Cエネルギー設定部51cは、Cデータバッファ49cに格納されているシアンの印字データを、Yデータバッファ49aに格納されているイエローの印字データ及びMデータバッファ49bに格納されているマゼンタの印字データと比較することにより、サーマルヘッド16cの各発熱体が印字する画素がいずれのサブ領域に位置するかを判定し、判定結果に基づいて、サーマルヘッド16cの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定する。
【0057】
その他の点に関しては、第1の実施形態におけるのと同様である。第2の実施形態によれば、用紙の未印字領域と既印字領域とにおいて転写エネルギーを変更することに加えて、下層の数に応じて転写エネルギーを変更することが可能となる。
【0058】
第2の実施形態において、印字データがバイナリー値「0(印字しない)」又は「1(印字する)」を有する場合には、各画素について、搬送方向上流側の複数のサーマルヘッドによって印字される色の印字データの値を加算することによって、下層の数を求めることができる。例えば、ある画素においてシアンの印字データが「1」であり、サーマルヘッド16cによって印字される画素の下層の数を求める場合に、その画素のイエローの印字データが「1」であり、その画素のマゼンタの印字データが「1」であれば、それらを加算することにより、下層の数「2」が求められる。あるいは、下層の色に応じて印字データに重み付けをして、下層の印字程度を求めても良い。
【0059】
一方、第2の実施形態の変形において、印字データが多値(3値以上)の階調(印字データの値が大きいほど色が濃い)を表す場合には、各画素について、搬送方向上流側の複数のサーマルヘッドによって印字される色の印字データの値を加算することによって、下層の印字程度(インク層の累積厚さ)を求めることができる。例えば、印字データが8ビットであり、ある画素においてシアンの印字データが「00010000」であり、サーマルヘッド16cによって印字される画素の下層の印字程度を求める場合に、その画素のイエローの印字データが「01000000」であり、その画素のマゼンタの印字データが「00100000」であれば、それらを加算することにより、下層の印字程度を表す9ビットの下層データ「001100000」が求められる。なお、下層の色に応じて印字データに重み付けをして、下層データを求めても良い。さらに、求められた下層データに基づいて、印字すべき領域が複数のサブ領域に分割される。
【0060】
図5に示す制御部40は、入力されるカラー印字データに基づいて下層データを求め、サーマルヘッド16bが印字する領域を、搬送方向上流側のサーマルヘッド16aによって印字される程度(下層の印字程度)に応じて複数のサブ領域に分割し、サーマルヘッド16cが印字する領域を、搬送方向上流側のサーマルヘッド16a又は16bによって印字される程度(下層の印字程度)に応じて複数のサブ領域に分割し、サブ領域毎にサーマルヘッド16b及び16cの発熱体に異なるエネルギーを印加する。
【0061】
例えば、下層データが「000000000」〜「010110010」であるサブ領域が第1のサブ領域と定義され、下層データが「010110011」〜「101100100」であるサブ領域が第2のサブ領域と定義され、下層データが「101100101」〜「111111110」であるサブ領域が第3のサブ領域と定義される。
【0062】
ルックアップテーブル48には、用紙の種類に応じて、サーマルヘッド16a〜16dの発熱体に印加すべきエネルギーに関する情報が予め格納されている。さらに、ルックアップテーブル48には、複数のサブ領域(少なくとも第2及び第3のサブ領域)毎にサーマルヘッド16b又は16cの発熱体に印加すべきエネルギーの補正量に関する情報が予め格納されている。
【0063】
再び図6を参照すると、エネルギー設定部51は、データ処理部49によって生成された印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体が印字する画素が複数のサブ領域のいずれに位置するかを判定し、判定結果に基づいて、上記少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定する。その際に、エネルギー設定部51は、図5に示す入力部30又はホストコンピュータ70を用いて入力された用紙の種類を参酌することができる。
【0064】
例えば、第1のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16b又は16cの発熱体に印加すべきエネルギーが、サーマルヘッド16b又は16cの発熱体に通常印加すべきエネルギーの100%であるのに対し、第2のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16b又は16cの発熱体に印加すべきエネルギーは、サーマルヘッド16b又は16cの発熱体に通常印加すべきエネルギーの80%とされ、第3のサブ領域における画素を印字する際にサーマルヘッド16cの発熱体に印加すべきエネルギーは、サーマルヘッド16cの発熱体に通常印加すべきエネルギーの70%とされる。
【0065】
第2の実施形態の変形によれば、用紙の未印字領域と既印字領域とにおいて転写エネルギーを変更することに加えて、下層の印字程度に応じて転写エネルギーを変更することが可能となる。
【符号の説明】
【0066】
1…用紙、
2…ロール紙、
3…ラベル、
4…基材、
5…イエローのインク層、
6A、6B…マゼンタのインク層、
7…ブラックのインク層、
10…プリンター、
15a〜15d…プラテンローラー、
16a〜16d…サーマルヘッド、
20a〜20d…インクリボンカセット、
21…インクリボン供給軸、
23…インクリボン、
40…制御部、
44…モーター制御部、
45…ヘッド制御部、
46…センサー制御部、
47…内部インターフェース、
48…ルックアップテーブル、
49…データ処理部、
49a…Yデータバッファ、
49b…Mデータバッファ、
49c…Cデータバッファ、
49d…Bデータバッファ、
49e…データ展開部、
50…表示部、
51…エネルギー設定部、
51a…Yエネルギー設定部、
51b…Mエネルギー設定部、
51c…Cエネルギー設定部、
51d…Bエネルギー設定部、
52…外部インターフェース、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる色のインクリボンを用いて被印字媒体に印字を行う熱転写式カラープリンターであって、
複数の異なる色のインクリボンがそれぞれ装填された複数のインクリボンカセットが装着される筐体と、
前記筐体内において被印字媒体の搬送方向に沿って配置され、被印字媒体及びそれぞれのインクリボンを搬送する複数のプラテンローラーと、
前記複数のプラテンローラーにそれぞれ対向して配置された複数のサーマルヘッドであって、各々のサーマルヘッドが複数の発熱体を含み、インクリボンのインクを加熱して被印字媒体に転写することにより、被印字媒体に印字を行う前記複数のサーマルヘッドと、
入力されるカラー印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドが印字する領域を、搬送方向上流側の他のサーマルヘッドによって印字されない第1のサブ領域と、搬送方向上流側の他のサーマルヘッドによって印字される第2のサブ領域とに分割し、第1のサブ領域と第2のサブ領域とにおいて前記少なくとも1つのサーマルヘッドの発熱体に異なるエネルギーを印加する制御部であって、入力されるカラー印字データに基づいて、前記複数の異なる色の印字情報をそれぞれ表す複数の印字データを生成するデータ処理部と、前記データ処理部によって生成された印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体が印字する画素が第1のサブ領域に位置するか第2のサブ領域に位置するかを判定し、判定結果に基づいて、前記少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定するエネルギー設定部と、前記エネルギー設定部によって設定されたエネルギーを前記少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体に印加するヘッド制御部とを含む前記制御部と、
を具備する熱転写式カラープリンター。
【請求項2】
複数の異なる色のインクリボンを用いて被印字媒体に印字を行う熱転写式カラープリンターであって、
複数の異なる色のインクリボンがそれぞれ装填された複数のインクリボンカセットが装着される筐体と、
前記筐体内において被印字媒体の搬送方向に沿って配置され、被印字媒体及びそれぞれのインクリボンを搬送する複数のプラテンローラーと、
前記複数のプラテンローラーにそれぞれ対向して配置された複数のサーマルヘッドであって、各々のサーマルヘッドが複数の発熱体を含み、インクリボンのインクを加熱して被印字媒体に転写することにより、被印字媒体に印字を行う前記複数のサーマルヘッドと、
入力されるカラー印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドが印字する領域を、搬送方向上流側の他の1つ又は複数のサーマルヘッドによって印字される回数又は程度に応じて複数のサブ領域に分割し、サブ領域毎に前記少なくとも1つのサーマルヘッドの発熱体に異なるエネルギーを印加する制御部と、
を具備する熱転写式カラープリンター。
【請求項3】
前記制御部が、
入力されるカラー印字データに基づいて、前記複数の異なる色の印字情報をそれぞれ表す複数の印字データを生成するデータ処理部と、
前記データ処理部によって生成された印字データに基づいて、少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体が印字する画素が複数のサブ領域のいずれに位置するかを判定し、判定結果に基づいて、前記少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体に印加すべきエネルギーを設定するエネルギー設定部と、
前記エネルギー設定部によって設定されたエネルギーを前記少なくとも1つのサーマルヘッドの各発熱体に印加するヘッド制御部と、
を含む、請求項2記載の熱転写式カラープリンター。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−200874(P2012−200874A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64420(P2011−64420)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)サトーホールディングス株式会社 (1,153)
【Fターム(参考)】