説明

熱電コージェネレーションシステム

【課題】太陽エネルギーを電気エネルギーに安定させて変換することができ、電力消費部の負荷に応じて効率良く太陽エネルギーを利用することができるようにする。
【解決手段】集光部と、集熱部と、吸熱反応を起こして反応媒体を生成し、反応媒体が供給されて発熱反応を起こす反応器と、該反応器において発生させられた熱を受けて発電を行う発電装置と、反応媒体を反応器から排出し、排出した反応媒体を反応器に供給するための反応媒体給排装置と、日射量及び電力需要を予測する電力需要予測処理手段と、発電可能電力量を算出する発電可能電力量算出処理手段と、必要電力量を算出する必要電力量算出処理手段と、発電可能電力量及び必要電力量に基づいて蓄熱及び発電を行うモードを選択するモード選択処理手段とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱電コージェネレーションシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽エネルギーを電気エネルギーに変換して利用することができるようにした発電ユニットが提供されている。
【0003】
該発電ユニットにおいては、熱電変換モジュールに隣接させて蓄熱器が配設され、太陽光が熱電変換モジュールに照射されている間は、太陽エネルギーが熱電変換モジュールによって電気エネルギーに変換されるとともに、蓄熱器において太陽エネルギーの熱が蓄えられ、太陽光が熱電変換モジュールに照射されていないときに、蓄熱器において蓄えられた熱の熱エネルギーが熱電変換モジュールによって電気エネルギーに変換され、電力消費部としての電気機器において電気エネルギーが利用されるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−7976号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の発電ユニットにおいては、蓄熱器の温度を調整することができないので、太陽エネルギーを電気エネルギーに安定させて変換することができない。
【0006】
また、電気機器の負荷に応じて効率良く太陽エネルギーを利用することができない。
【0007】
本発明は、前記従来の発電ユニットの問題点を解決して、太陽エネルギーを電気エネルギーに安定させて変換することができ、電力消費部の負荷に応じて効率良く太陽エネルギーを利用することができる熱電コージェネレーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのために、本発明の熱電コージェネレーションシステムにおいては、太陽光を集める集光部と、該集光部によって集められた太陽光を熱に変換し、変換した熱を集める集熱部と、該集熱部によって集められた熱を受けて吸熱反応を起こし、反応媒体を生成し、反応媒体が供給されて発熱反応を起こし、熱を発生させる反応器と、該反応器において発生させられた熱を受けて発電を行い、電力を電力消費部に送る発電装置と、前記反応器において生成された反応媒体を反応器から排出し、排出した反応媒体を反応器に供給するための反応媒体給排装置と、太陽光の日射量を予測する日射量予測処理手段と、前記発電装置に対する電力需要を予測する電力需要予測処理手段と、前記日射量に基づいて発電可能電力量を算出する発電可能電力量算出処理手段と、前記電力需要に基づいて、電力消費部において必要となる必要電力量を算出する必要電力量算出処理手段と、前記発電可能電力量及び必要電力量に基づいて、反応器における蓄熱及び発電装置における発電を行うモードを選択するモード選択処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、熱電コージェネレーションシステムにおいては、太陽光を集める集光部と、該集光部によって集められた太陽光を熱に変換し、変換した熱を集める集熱部と、該集熱部によって集められた熱を受けて吸熱反応を起こし、反応媒体を生成し、反応媒体が供給されて発熱反応を起こし、熱を発生させる反応器と、該反応器において発生させられた熱を受けて発電を行い、電力を電力消費部に送る発電装置と、前記反応器において生成された反応媒体を反応器から排出し、排出した反応媒体を反応器に供給するための反応媒体給排装置と、太陽光の日射量を予測する日射量予測処理手段と、前記発電装置に対する電力需要を予測する電力需要予測処理手段と、前記日射量に基づいて発電可能電力量を算出する発電可能電力量算出処理手段と、前記電力需要に基づいて、電力消費部において必要となる必要電力量を算出する必要電力量算出処理手段と、前記発電可能電力量及び必要電力量に基づいて、反応器における蓄熱及び発電装置における発電を行うモードを選択するモード選択処理手段とを有する。
【0010】
この場合、日射量に基づいて発電可能電力量が算出され、電力需要に基づいて必要電力量が算出され、発電可能電力量及び必要電力量に基づいて、反応器における蓄熱及び発電装置における発電を行うモードが選択されるので、太陽エネルギーを電気エネルギーに安定させて変換することができ、電力消費部の負荷に応じて効率良く太陽エネルギーを利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施の形態における熱電コージェネレーションシステムの制御ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態における熱電コージェネレーションシステムの概念図である。
【図3】本発明の実施の形態における熱電コージェネレーションシステムの動作を示す第1のフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態における熱電コージェネレーションシステムの動作を示す第2のフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態における蓄熱処理のサブルーチンを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態における蓄熱発電処理のサブルーチンを示す図である。
【図7】本発明の実施の形態における直接発電処理のサブルーチンを示す図である。
【図8】本発明の実施の形態における蓄熱エネルギー算出処理のサブルーチンを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態における直接放熱発電処理のサブルーチンを示す図である。
【図10】本発明の実施の形態における放熱発電処理のサブルーチンを示す図である。
【図11】本発明の実施の形態における協調制御処理のサブルーチンを示す第1の図である。
【図12】本発明の実施の形態における協調制御処理のサブルーチンを示す第2の図である。
【図13】本発明の実施の形態における予測される日射量の推移を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態における予測される電力需要の推移を示す図である。
【図15】本発明の実施の形態における蓄熱モード時の熱電コージェネレーションシステムの動作を説明するための図である。
【図16】本発明の実施の形態における蓄熱発電モード時の熱電コージェネレーションシステムの動作を説明するための図である。
【図17】本発明の実施の形態における直接発電モード時の熱電コージェネレーションシステムの動作を説明するための図である。
【図18】本発明の実施の形態における蓄熱エネルギーと反応器温度との関係図である。
【図19】本発明の実施の形態における最大蓄熱エネルギーマップを示す図である。
【図20】本発明の実施の形態における直接放熱発電モード時の熱電コージェネレーションシステムの動作を説明するための図である。
【図21】本発明の実施の形態における放熱発電モード時の熱電コージェネレーションシステムの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図2は本発明の実施の形態における熱電コージェネレーションシステムの概念図である。
【0014】
図において、11は熱電コージェネレーションシステムであり、該熱電コージェネレーションシステム11は、太陽光のエネルギー、すなわち、太陽エネルギーを吸収し、熱を蓄える太陽エネルギー吸収・蓄熱部12、該太陽エネルギー吸収・蓄熱部12からの熱を受け、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、発電を行う発電装置としての熱電変換部13、該熱電変換部13において発生させられた電流が送られ、電力が供給される電力消費部としての電気機器Ld、前記熱電変換部13において熱を回収する熱回収装置14、断熱材料によって形成され、反応媒体としての水を収容し、蓄えるための反応媒体収容部としての水タンク15、該水タンク15において熱を回収する熱回収装置16等を備え、太陽エネルギー吸収・蓄熱部12と熱電変換部13とが第1の配管系21を介して、熱電変換部13と熱回収装置14とが第2の配管系22を介して、太陽エネルギー吸収・蓄熱部12と水タンク15とが第3の配管系23を介して、水タンク15と熱回収装置16とが第4の配管系24を介して接続される。前記水タンク15及び第3の配管系23によって反応媒体給排装置が構成される。なお、図においては、熱電変換部13に一つの電気機器Ldが接続されているが、実際は複数の電気機器が接続される。
【0015】
前記太陽エネルギー吸収・蓄熱部12は、太陽光を集める集光部31、該集光部31によって集められた太陽光が照射され、太陽光を熱に変換し、変換した熱を集める集熱部32、該集熱部32によって集められた熱を蓄熱し、放熱する蓄熱部としての反応器33等を備える。前記集光部31は透明な材料、本実施の形態においては、ガラスから成る密閉された筐(きょう)体41外に、前記集熱部32は筐体41内に配設され、集熱部32及び筐体41によって包囲された空間に前記反応器33が形成される。前記筐体41は外壁及び内壁から成る二重壁構造を有し、外壁と内壁との間の空間が真空にされるか、又は希ガスが充填(てん)されることによって、筐体41による断熱が行われる。また、筐体41の前記内壁の内周面には長波長の赤外線を反射する膜が被覆される。筐体41にガラス以外の断熱材料を使用することができるが、集光部31と対向する部分には、断熱材料として、透明な材料、例えば、ガラスを使用するのが好ましい。そして、前記外壁と内壁との間の空間に所定の放熱防止用のガスを注入することができるようになっていて、注入されたガスに電圧を印加すると、それに伴ってガスの色が変化し、放熱が防止される。
【0016】
なお、前記筐体41の所定の箇所には、反応器33内の反応器圧力を調整するための圧力調整部としての圧力調整弁43が配設される。該圧力調整弁43を操作することによって、反応器33内の反応器圧力を調整し、一定にすると、反応器33の温度(以下「反応器温度」という。)Tを太陽光の日射量に対応する250〔℃〕以上、かつ、300〔℃〕以下の所定の温度(以下「蓄熱温度」という。)T1〔℃〕、例えば、250〔℃〕に維持することができる。
【0017】
前記集光部31は複数のレンズ35をマトリックス状に並べることによって形成され、各レンズ35の表面には、太陽光が反射されないように反射防止膜が被覆される。なお、本実施の形態においては、集光部31及び集熱部32を配設するようになっているが、集熱部32だけを配設することができる。
【0018】
また、集熱部32の表面には、太陽光の赤外線成分の吸収効率を高くするとともに、放射による熱の損失を少なくするために、選択吸収膜、例えば、赤外線反射防止層及び吸収・蓄熱層から成る膜が被覆される。前記吸着・蓄熱層は、材料の表面を粗く加工することによって形成したり、ナノチューブ黒体、金属黒体等の膜を被覆することによって形成したりすることができる。
【0019】
そして、前記反応器33は、多孔質構造を有し、無機材料である酸化マグネシウム/水(MgO/H2 O)、塩化カルシウム/メチルアミン(CaCl2 /CH3 NH2 )、酸化カルシウム/水(CaO/H2 O)、酸化カルシウム/酸化鉛/二酸化炭素(CaO/PbO/CO2 )等の蓄熱材(化学蓄熱材)、本実施の形態においては、酸化マグネシウム/水を筐体41内に充填することによって形成される。
【0020】
なお、蓄熱材として酸化マグネシウム/水、酸化カルシウム/水等を使用する場合、水が、塩化カルシウム/メチルアミンを使用する場合、メチルアミンが、酸化カルシウム/酸化鉛/二酸化炭素(CaO/PbO/CO2 )を使用する場合、二酸化炭素がそれぞれ反応媒体とされ、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、塩化カルシウム、酸化カルシウム/酸化鉛がそれぞれ反応材とされる。
【0021】
酸化マグネシウム/水は、水酸化マグネシウムと酸化マグネシウムとの可逆反応、
Mg(OH)2 ⇔MgO+H2
によって蓄熱及び放熱を行う。そこで、反応器33において、集熱部32によって集められた熱によって水酸化マグネシウムを加熱すると、
Mg(OH)2 →MgO+H2
の反応、すなわち、吸熱反応が起こり、酸化マグネシウム及び水が生成され、これに伴って蓄熱が行われる。なお、吸熱反応において水は気化して反応媒体蒸気、本実施の形態においては、水蒸気の状態で生成される。
【0022】
また、酸化マグネシウムに水を加えると、
MgO+H2 O→Mg(OH)2
の反応、すなわち、発熱反応が起こり、水酸化マグネシウムが生成され、熱が発生し、これに伴って放熱が行われる。なお、発熱反応において水蒸気は液化して反応媒体液、本実施の形態においては、水の状態で生成される。
【0023】
なお、無機材料のほかに、吸着材、水素吸蔵合金、有機材料等から成る蓄熱材を使用することができる。
【0024】
そして、本実施の形態においては、前記熱電変換部13にビスマス・テルル(Bi2 Te3 )系の熱電モジュールが使用される。該熱電モジュールは、金属板から成る高温部Hp、n型半導体、p型半導体、及び金属板から成る低温部Lpを備え、高温部Hpを加熱し、低温部Lpを冷却することによって、低温部Lpの金属板、n型半導体、高温部Hpの金属板、p型半導体及び低温部Lpの金属板の順に電流が流れる。本実施の形態においては、例えば、高温部Hpを、250〔℃〕に、低温部Lpを30〔℃〕にしたときの発電効率が6〔%〕にされる。
【0025】
また、前記第1の配管系21は、反応器33に埋設させて配設された熱交換器he1、前記高温部Hpに接触させて配設された熱交換器he2、及び前記熱交換器he1、he2間に配設された第1、第2の弁としての開閉弁vb1、vb2を備える。
【0026】
そして、前記第2の配管系22は、前記低温部Lpに配設された熱交換器he3、前記熱回収装置14、及び熱交換器he3と熱回収装置14との間に配設された第3、第4の弁としての開閉弁vb3、vb4を備える。
【0027】
また、前記第3の配管系23は、前記反応器33において吸熱反応によって生成された水蒸気を収集し、水タンク15に排出するための反応媒体排出管としての水蒸気排出管45、水タンク15に収容され、蓄えられた水を反応器33に供給するための反応媒体供給管としての水供給管46、前記水蒸気排出管45における所定の位置に配設され、逆止弁構造を有する第5の弁としての圧力弁vb5、前記水供給管46における所定の位置に配設された第6の弁としての開閉弁vb6等を有する。
【0028】
前記水蒸気排出管45においては、圧力弁vb5より上流側、すなわち、反応器33側の圧力と、圧力弁vb5より下流側、すなわち、水タンク15側の圧力との圧力差によって圧力弁vb5が開かれ、水蒸気が水タンク15に流れるようになっているが、水蒸気排出管45に、圧力弁vb5に代えて開閉弁を配設し、該開閉弁をソレノイド等によって開くことにより水蒸気を流すことができる。また、前記水供給管46においては、水タンク15内の水が自重で反応器33に供給されるようになっているが、ポンプを配設し、該ポンプによって反応器33に供給することができる。本実施の形態においては、筐体41に配設された図示されない圧力開放弁を開くことによって、反応器33内の圧力を低くし、自重による水の反応器33への供給を促進させるようにしている。
【0029】
そして、前記水蒸気排出管45の筐体41内の部分に排出部45aが形成され、該排出部45aに、水蒸気を排出部45a内に収集し、排出するための図示されない複数の穴が形成され、前記水供給管46の筐体41内の部分に供給部46aが形成され、該供給部46aに、水を前記反応器33内に供給し、噴出させるための図示されない複数の穴が形成される。供給部46aの前記各穴に噴霧ノズルが配設され、該噴霧ノズルによって反応器33内に水が噴射される。
【0030】
また、前記第4の配管系24は、水タンク15内に配設され、水タンク15に排出された水蒸気を凝縮させて水にするための熱交換器he4、該熱交換器he4と前記熱回収装置16との間に配設された第7、第8の弁としての開閉弁vb7、vb8を備える。
【0031】
次に、前記構成の熱電コージェネレーションシステム11の制御装置について説明する。
【0032】
図1は本発明の実施の形態における熱電コージェネレーションシステムの制御ブロック図である。
【0033】
図において、50は熱電コージェネレーションシステム11の全体の制御を行う制御部、51は図示されないキー、ボタン等の操作要素を備えた操作部、52は図示されないLED画面等の表示要素を備えた表示部、65は所定の情報を記録するための第1の記憶装置としての記憶部である。
【0034】
なお、前記制御部50は、コンピュータとして機能する図示されない演算部としてのCPU、図示されない第1の記憶装置としてのRAM、第3の記憶装置としてのROM等のメモリを備える。また、前記操作部51は、タッチパネルによって形成することもでき、その場合、表示部としても機能する。
【0035】
そして、53は前記集光部31に配設され、日射量を検出する日射量検出部としての日射量センサ、54は集光部31に配設され、集光部31の温度を検出する集光用の温度検出部としての集光部温度センサ、55は前記反応器33に配設され、前記反応器温度Tを検出する蓄熱・放熱用の温度検出部としての反応器温度センサ、56は反応器33に配設され、反応器33内の反応器圧力を検出する蓄熱・放熱用の圧力検出部としての反応器圧力センサ、58は前記高温部Hpに配設され、高温部Hpの温度を検出する第1の熱電用の温度検出部としての高温部温度センサ、59は前記低温部Lpに配設され、低温部Lpの温度を検出する第2の熱電用の温度検出部としての低温部温度センサ、43は圧力調整弁、60は前記電気機器Ldで消費される電力を検出する電力検出部としての電力計、61は前記水蒸気排出管45の所定の箇所に配設され、水蒸気の流量を検出する第1の流量検出部としての水蒸気流量計、62は前記水供給管46の所定の箇所に配設され、水の流量を検出する第2の流量検出部としての水流量計、63は前記水タンク15内に配設され、水タンク15内の温度Twを検出する反応媒体用の温度検出部としてのタンク温度センサ、64は前記水タンク15内に配設され、水タンク15内の圧力Pwを検出する反応媒体用の圧力検出部としてのタンク圧力センサ、vb1〜vb4、vb6〜vb8は開閉弁であり、vb5は圧力弁である。なお、本実施の形態において、前記日射量センサ53は日射量を検出するようになっているが、日射の有無を検出することができる。
【0036】
本実施の形態においては、電気機器Ldに供給される電力で表される負荷に応じて、制御部50によって、第1のモードとしての蓄熱モード、第2のモードとしての蓄熱発電モード、第3のモードとしての直接発電モード、第4のモードとしての直接放熱発電モード及び第5のモードとしての放熱発電モードの各モードのうちの所定のモードが選択され、圧力調整弁43、開閉弁vb1〜vb4、vb6が開閉され、熱電コージェネレーションシステム11が選択されたモードで運転される。なお、操作者が、操作部51を操作し、圧力調整弁43、開閉弁vb1〜vb4、vb6を手動で開閉することによって、熱電コージェネレーションシステム11を各モードで運転することもできる。
【0037】
次に、熱電コージェネレーションシステム11の動作について説明する。
【0038】
図3は本発明の実施の形態における熱電コージェネレーションシステムの動作を示す第1のフローチャート、図4は本発明の実施の形態における熱電コージェネレーションシステムの動作を示す第2のフローチャート、図5は本発明の実施の形態における蓄熱処理のサブルーチンを示す図、図6は本発明の実施の形態における蓄熱発電処理のサブルーチンを示す図、図7は本発明の実施の形態における直接発電処理のサブルーチンを示す図、図8は本発明の実施の形態における蓄熱エネルギー算出処理のサブルーチンを示す図、図9は本発明の実施の形態における直接放熱発電処理のサブルーチンを示す図、図10は本発明の実施の形態における放熱発電処理のサブルーチンを示す図、図11は本発明の実施の形態における協調制御処理のサブルーチンを示す第1の図、図12は本発明の実施の形態における協調制御処理のサブルーチンを示す第2の図、図13は本発明の実施の形態における予測される日射量の推移を示す図、図14は本発明の実施の形態における予測される電力需要の推移を示す図、図15は本発明の実施の形態における蓄熱モード時の熱電コージェネレーションシステムの動作を説明するための図、図16は本発明の実施の形態における蓄熱発電モード時の熱電コージェネレーションシステムの動作を説明するための図、図17は本発明の実施の形態における直接発電モード時の熱電コージェネレーションシステムの動作を説明するための図、図18は本発明の実施の形態における蓄熱エネルギーと反応器温度との関係図、図19は本発明の実施の形態における最大蓄熱エネルギーマップを示す図、図20は本発明の実施の形態における直接放熱発電モード時の熱電コージェネレーションシステムの動作を説明するための図、図21は本発明の実施の形態における放熱発電モード時の熱電コージェネレーションシステムの動作を説明するための図である。なお、図13において横軸に時刻を、縦軸に日射量Psun〔kW〕を、図14において横軸に時刻を、縦軸に電力需要Pe〔kW〕を、図18において横軸に反応器の蓄熱エネルギーE〔kWh〕を、縦軸に反応器温度T〔℃〕を採ってある。
【0039】
まず、制御部50の図示されない日射量予測処理手段は、日射量予測処理を行い、熱電コージェネレーションシステム11が配設された箇所における日射量の観測値、気象衛生画像データ等を取得し、集光部31の傾斜角度、面積等に基づいて日射量Psun〔kW〕を予測する(ステップS1)。この場合、図13に示されるように、所定の日数、本実施の形態においては、本日及び翌日にわたる所定の時刻ごとの日射量Psun〔kW〕の経時的な推移が予測され、前記記憶部65に形成された日射量マップに、日射量Psun〔kW〕と時刻とが対応させて記録される。
【0040】
また、制御部50の図示されない電力需要予測処理手段は、電力需要予測処理を行い、熱電コージェネレーションシステム11の前記熱電変換部13に対する電力需要Pe〔kW〕を予測する(ステップS2)。この場合、図14に示されるように、所定の日数、本実施の形態においては、本日及び翌日にわたる所定の時刻ごとの電力需要Pe〔kW〕の経時的な推移が予測され、記憶部65に形成された電力需要マップに、電力需要Pe〔kW〕と時刻とが対応させて記録される。
【0041】
なお、前記記憶部65には、例えば、家庭で使用された実際の電力、すなわち、実電力と時刻とが対応させられ、更にその日の天候(外気温、室温、湿度、天気等)が対応させられて、実績電力需要データとして記録される。そして、前記電力需要予測処理手段は、前記実績電力需要データを参照し、本日及び翌日の天気予報を参照し、電力需要データ及び天気予報に基づいて電力需要Pe〔kW〕を算出する。
【0042】
続いて、制御部50の図示されない第1の発電可能電力量算出処理手段は、第1の発電可能電力量算出処理を行い、所定の時間帯の日射量Psun〔kW〕に基づいて発電可能電力量Wc〔kWh〕を算出する(ステップS3)。そのために、前記第1の発電可能電力量算出処理手段は、前記高温部温度センサ58によって検出された高温部Hpの温度TH〔℃〕及び低温部温度センサ59によって検出された低温部Lpの温度TL〔℃〕を取得するとともに、及び前記日射量マップから前記所定の時間帯の日射量Psun〔kW〕を取得する。続いて、前記第1の発電可能電力量算出処理手段は、前記記憶部65に形成された発電可能電力量マップを参照し、温度TH〔℃〕、TL〔℃〕、及び所定の時間帯の日射量Psun〔kW〕に対応する発電可能電力量Wc〔kWh〕を算出する。すなわち、発電可能電力量Wc〔kWh〕は、発電モジュールの仕様、温度TH〔℃〕、TL〔℃〕及び入力熱流によって決まる。
【0043】
なお、前記発電可能電力量マップには、温度TH〔℃〕、TL〔℃〕及び日射量Psun〔kW〕と発電可能電力量Wc〔kWh〕とが対応させて記録される。また、本実施の形態においては、前記温度TH〔℃〕、TL〔℃〕が定常状態になるまでデフォルト値が使用される。この場合、前記温度TH〔℃〕のデフォルト値は反応器温度及び熱交換器he2の熱交換能力によって決められ、前記温度TL〔℃〕のデフォルト値は室温付近の温度に設定するのが好ましい。本実施の形態において、温度TH〔℃〕、TL〔℃〕のデフォルト値はそれぞれ250〔℃〕及び30〔℃〕にされる。
【0044】
続いて、前記制御部50の図示されない必要電力量算出処理手段は、必要電力量算出処理を行い、前記電力需要マップから前記所定の時間帯の電力需要Pe〔kW〕を取得し、該電力需要Pe〔kW〕に基づいて、電気機器Ld等において必要となる必要電力量We〔kWh〕を算出する。
【0045】
そして、前記制御部50の図示されない第1の電力量判断処理手段は、第1の電力量判断処理を行い、必要電力量We〔kWh〕が閾値Weth1〔kWh〕より小さいかどうかを判断する(ステップS4)。
【0046】
必要電力量We〔kWh〕が閾値Weth1〔kWh〕より小さい場合、前記制御部50の図示されない電力購入処理手段は、電力購入処理を行い、商用電力提供者から電力を所定の電力量だけ購入する(ステップS5)。
【0047】
ところで、電力の消費が少ない場合に熱電変換部13によって発電を行うと、発電効率が低くなるので、電力の消費が多い日中に熱電変換部13による発電を行い、電力の消費が少ない夜間には熱電変換部13による発電を行わないのが望ましい。そこで、本実施の形態において、電力購入処理手段は、熱電変換部13の使用されない夜間に商用電力提供者から電力を購入する。
【0048】
続いて、制御部50の図示されない蓄熱要否判断処理手段は、蓄熱要否判断処理を行い、蓄熱を行う必要があるかどうかを判断する(ステップS6)。そして、反応器33に蓄えられる熱量、すなわち、蓄熱熱量をQi〔kWh〕とし、反応器33から外に逃げる熱量、すなわち、放熱熱量をQo〔kWh〕としたとき、蓄熱熱量Qi〔kWh〕に対する放熱熱量Qo〔kWh〕の比ρ
ρ=Qo/Qi
が閾値ρth1以下である場合に、蓄熱を行う必要があると判断し、比ρが閾値ρth1より大きい場合に、蓄熱を行う必要がないと判断する。
【0049】
例えば、天気が晴れで日射量Psun〔kW〕が多く、比ρが閾値ρth1以下である場合、蓄熱を行う必要があると判断され、天気が曇り、雨、雪等で日射量Psun〔kW〕が少なく、比ρが閾値ρth1より大きい場合、蓄熱を行う必要がないと判断される。
【0050】
そして、蓄熱を行う必要がある場合、制御部50の図示されない第1のモード選択処理手段としての蓄熱処理手段は、第1のモード選択処理としての蓄熱処理を行い、反応器33において蓄熱を行う(ステップS7)。
【0051】
そのために、蓄熱処理手段の蓄熱温度設定処理手段は、蓄熱温度設定処理を行い、日射量Psun〔kW〕に応じて蓄熱温度T1〔℃〕を設定する(ステップS7−1)。すなわち、前記蓄熱処理手段は、日射量マップから日射量Psun〔kW〕を取得し、1日の全日射量ΣPsun〔kWh〕を算出し、記憶部65に形成された蓄熱温度マップを参照し、全日射量ΣPsun〔kWh〕に対応する蓄熱温度T1〔℃〕を読み出す。
【0052】
なお、前記蓄熱温度マップには全日射量ΣPsun〔kWh〕と蓄熱温度T1〔℃〕とが対応させて記録される。
【0053】
続いて、前記蓄熱処理手段のモード設定処理手段としての蓄熱設定処理手段は、モード設定処理としての蓄熱設定処理を行う(ステップS7−2)。そのために、蓄熱設定処理手段は、前記圧力調整弁43の開度を調整し、開閉弁vb1〜vb4、vb6を閉じ、開閉弁vb7、vb8を開き、熱電コージェネレーションシステム11を蓄熱モードで運転する。該蓄熱モードにおいて、集光部31によって集められた太陽光が集熱部32に照射され(図15における矢印A)、集熱部32に照射された太陽光が熱に変換され、変換された熱が反応器33に伝達され、反応器33が加熱される。その結果、反応器温度T〔℃〕は前記蓄熱温度T1〔℃〕に維持される。
【0054】
そして、反応器33は蓄熱装置として機能させられ、反応器33において、水酸化マグネシウムが加熱され、
Mg(OH)2 →MgO+H2
の吸熱反応が起こり、酸化マグネシウム及び高温の水が水蒸気の状態で生成される。これにより、反応器33において蓄熱が行われる。
【0055】
生成された水蒸気は排出部45aによって収集され、水タンク15に排出される(図15における矢印B)。このとき、水蒸気の圧力で圧力弁vb5が開放される。なお、反応器33は多孔質構造を有するので、水蒸気は反応器33内を循環させられ、円滑に排出部45aに収集される。
【0056】
水タンク15に排出された水蒸気は、前記熱交換器he4によって熱回収媒体としての水(冷却水)によって冷却されて凝縮させられ、反応器33内の反応器圧力が1気圧である場合に、100〔℃〕の水になる。前記冷却水は、水蒸気の凝縮に伴って加熱され、熱回収装置16に送られ、熱回収装置16において熱が回収される。なお、熱回収装置16において回収された熱を、必要に応じて建物躯体、床等に蓄え、暖房用として利用することができる。また、熱回収装置16において、熱回収媒体として冷媒を使用することができる。
【0057】
この場合、前記蓄熱処理手段は、圧力調整弁43の開度を調整することによって、反応器33内の反応器圧力を一定の値に維持する。これにより、水蒸気の圧力が一定になり、水タンク15における凝縮熱が一定になるので、熱回収装置16において一定の温度で熱を回収することができる。
【0058】
そして、前記蓄熱処理手段の温度判断処理手段は、温度判断処理を行い、前記反応器温度センサ55によって検出された反応器温度T〔℃〕を取得し、反応器温度T〔℃〕が、反応器33の仕様で決まる最高温度、すなわち、システム設計許容温度Tmax〔℃〕より高いかどうかを判断する(ステップS7−3)。反応器温度T〔℃〕がシステム設計許容温度Tmax〔℃〕より高い場合、前記蓄熱処理手段の遮断処理手段は、遮断処理を行い、筐体41の外壁と内壁との間に放熱防止用のガスを注入し、ガスに電圧を印加する(ステップS7−4)。これにより、反応器33の放熱が防止される。なお、反応器33の放熱を防止するために、筐体41の外壁と内壁との間へのガスの注入に代えて、集光部31の外側に開閉窓を配設し、該開閉窓を閉じることによって反応器33の放熱を防止することができる。
【0059】
また、前記第1の電力量判断処理において、必要電力量We〔kWh〕が閾値Weth1〔kWh〕以上であると判断された場合、制御部50の図示されない第2の電力量判断処理手段は、第2の電力量判断処理を行い、発電可能電力量Wc〔kWh〕が必要電力量We〔kWh〕より大きいかどうかを判断する(ステップS9)。
【0060】
発電可能電力量Wc〔kWh〕が必要電力量We〔kWh〕より大きい場合、制御部50の図示されない第2のモード選択処理手段としての蓄熱発電処理手段は、第2のモード選択処理としての蓄熱発電処理を行い、反応器33において蓄熱を行い、熱電変換部13において発電を行う(ステップS10)。
【0061】
そのために、蓄熱発電処理手段のモード設定処理手段としての蓄熱発電設定処理手段は、モード設定処理としての蓄熱発電設定処理を行い、開閉弁vb1〜vb4、vb7、vb8を開き、熱電コージェネレーションシステム11を蓄熱発電モードで運転する(ステップS10−1)。蓄熱発電モードにおいて、集光部31は集めた太陽光を集熱部32に照射し(図16における矢印C)、集熱部32は照射された太陽光を熱に変換し、変換した熱を前記反応器33に伝達する。
【0062】
この場合、蓄熱材によって形成された反応器33は、熱伝達部材として機能させられ、反応器33において、集熱部32から伝達された熱のうちの所定の割合、本実施の形態においては、50〔%〕によって水酸化マグネシウムが加熱され、
Mg(OH)2 →MgO+H2
の吸熱反応が起こり、酸化マグネシウム及び高温の水が水蒸気の状態で生成される。これにより、反応器33において蓄熱が行われる。
【0063】
生成された水蒸気は排出部45aに収集され、水タンク15に排出される(図16における矢印D)。このとき、水蒸気の圧力で圧力弁vb5が開放される。
【0064】
そして、水タンク15に排出された水蒸気は、熱交換器he4によって熱回収媒体としての冷却水によって冷却されて凝縮し、100〔℃〕の水になる。前記冷却水は、水蒸気の凝縮に伴って加熱され、熱回収装置16に送られ、熱回収装置16において熱が回収される。
【0065】
また、前記反応器33は、熱伝達部材としても機能させられるので、集熱部32から伝達された熱の残り、すなわち、50〔%〕をそのまま熱交換器he1(図2)に伝達する(図16における矢印E)。
【0066】
そして、熱交換器he1に伝達された熱は、熱伝達媒体としての水に伝達され、熱交換器he2によって高温部Hpに伝達され、高温部Hpを加熱する。また、低温部Lpは、熱交換器he3によって熱回収媒体としての冷却水によって冷却される。該冷却水は、低温部Lpによって加熱され、熱回収装置14に送られ、熱回収装置14において熱が回収される。
【0067】
そして、前記蓄熱発電設定処理手段は、発電可能電力量マップを参照し、必要電力量We〔kWh〕、前記温度TL〔℃〕及び所定時間帯の日射量Psun〔kWh〕に対応する温度TH〔℃〕を算出し、設定する。そして、高温部Hpが加熱され、低温部Lpが冷却されると、前記蓄熱発電処理手段の発電処理手段は、発電処理を行い、熱電変換部13において発電を行い、高温部Hpの温度と低温部Lpの温度との温度差に応じた電流を発生させる(ステップS10−2)。したがって、該電流を前記電気機器Ld等に送り、電気機器Ld等において電力を利用することができる。
【0068】
この場合、前記蓄熱発電処理手段は、開閉弁vb1、vb2の開度を調整し、熱交換器he1、he2を流れる水の量を設定することによって、集熱部32から伝達された熱における、水酸化マグネシウムを加熱するのに使用される熱の割合を調整する。
【0069】
そして、前記蓄熱発電処理手段の温度判断処理手段は、温度判断処理を行い、反応器温度センサ55によって検出された反応器温度T〔℃〕を取得し、反応器温度T〔℃〕が、反応器33の仕様で決まる最高温度、すなわち、システム設計許容温度Tmax〔℃〕より高いかどうかを判断する(ステップS10−3)。反応器温度T〔℃〕がシステム設計許容温度Tmax〔℃〕より高い場合、前記蓄熱処理手段の遮断処理手段は、遮断処理を行い、筐体41の外壁と内壁との間に放熱防止用のガスを注入し、ガスに電圧を印加する(ステップS10−4)。
【0070】
また、前記第2の電力量判断処理において、発電可能電力量Wc〔kWh〕が必要電力量We〔kWh〕以下であると判断された場合、前記第2の電力量判断処理手段は、発電可能電力量Wc〔kWh〕と必要電力量We〔kWh〕とが等しいかどうかを判断する(ステップS11)。
【0071】
そして、発電可能電力量Wc〔kWh〕と必要電力量We〔kWh〕とが等しい場合、制御部50の図示されない第3のモード選択処理手段としての直接発電処理手段は、第3のモード選択処理としての直接発電処理を行い、反応器33において蓄熱を行うことなく、熱を高温部Hpに伝達し、熱電変換部13において発電を行う(ステップS12)。
【0072】
そのために、直接発電処理手段のモード設定処理手段としての直接発電設定処理手段は、モード設定処理としての直接発電設定処理を行い開閉弁vb1〜vb4を開き、開閉弁vb6〜vb8を閉じ、熱電コージェネレーションシステム11を直接発電モードで運転する(ステップS12−1)。該直接発電モードにおいて、集光部31によって集められた太陽光は集熱部32に照射され、集熱部32に照射された太陽光が熱に変換され、変換された熱が反応器33に伝達されるが、該反応器33は熱伝達部材として機能させられ、吸熱反応及び発熱反応はいずれも起こらず、伝達された熱がそのまま熱交換器he1に伝達される(図17における矢印F)。
【0073】
そして、熱交換器he1に伝達された熱は、熱伝達媒体としての水に伝達され、熱交換器he2によって高温部Hpに伝達され、高温部Hpを加熱する。このとき、高温部Hpの温度TH〔℃〕はデフォルト値に設定される。また、低温部Lpは、熱交換器he3によって熱回収媒体としての冷却水によって冷却される。該冷却水は、低温部Lpによって加熱され、熱回収装置14に送られ、熱回収装置14において熱が回収される。
【0074】
そして、高温部Hpが加熱され、低温部Lpが冷却されると、前記直接発電処理手段の発電処理手段は、発電処理を行い、熱電変換部13において発電を行って高温部Hpの温度と低温部Lpの温度との温度差に応じた電流を発生させる(ステップS12−2)。したがって、該電流を前記電気機器Ld等に送り、電気機器Ld等において電力を利用することができる。
【0075】
この場合、反応器33は多孔質構造を有するので、水蒸気は反応器33内を循環させられ、円滑に熱を伝達する。
【0076】
ところで、発電可能電力量Wc〔kWh〕が必要電力量We〔kWh〕より小さいと、電気機器Ld等において利用することができる電力量が不足してしまう。
【0077】
そこで、本実施の形態においては、反応器33に蓄えられた熱量を利用して熱電変換部13によって発電を行うようにしている。
【0078】
そのために、前記第2の電力量判断処理において、発電可能電力量Wc〔kWh〕が必要電力量We〔kWh〕より小さいと判断された場合、制御部50の図示されない蓄熱エネルギー算出処理手段は、蓄熱エネルギー算出処理を行い、反応器33に蓄えられた熱量、すなわち、蓄熱エネルギーを算出する(ステップS13)。
【0079】
ここで、反応器33の特性、すなわち、反応器33の蓄熱エネルギーE〔kWh〕と反応器温度T〔℃〕との関係について説明する。
【0080】
図18において、T1〔℃〕は蓄熱温度、Tmin〔℃〕は反応器33を使用することができる最低温度、Tmax〔℃〕はシステム設計許容温度である。
【0081】
また、Lは蓄熱材の状態を示すラインであり、蓄熱材は、反応器温度T〔℃〕が最低温度Tmin〔℃〕以上、かつ、蓄熱温度T1〔℃〕より低い第1の領域に収まる点a、b間で水酸化マグネシウムMg(OH)の状態に置かれ、反応器温度T〔℃〕が蓄熱温度T1〔℃〕と等しい第2の領域に収まる点b、c間で水酸化マグネシウムMg(OH)と酸化マグネシウムMgOとが混合した状態に置かれ、反応器温度T〔℃〕が蓄熱温度T1〔℃〕より高く、かつ、システム設計許容温度Tmax〔℃〕以下の第3の領域に収まる点c、d間で酸化マグネシウムMgOの状態に置かれる。なお、点b、c間で、点bに近いほど水酸化マグネシウムMg(OH)の量が多く、点cに近いほど酸化マグネシウムMgOの量が多い。
【0082】
そして、反応器33の点aにおける蓄熱エネルギーをE1〔kWh〕とし、点bにおける蓄熱エネルギーをE2〔kWh〕とし、点cにおける蓄熱エネルギーをE3〔kWh〕とし、点dにおける蓄熱エネルギーをE4〔kWh〕としたとき、反応器温度T〔℃〕を蓄熱温度T1〔℃〕以上、かつ、システム設計許容温度Tmax〔℃〕以下に維持して反応器33を使用すると、蓄熱エネルギーE〔kWh〕は、
E2≦E≦E4
の範囲の値Esを採り、反応器温度T〔℃〕を最低温度Tmin〔℃〕以上、かつ、システム設計許容温度Tmax〔℃〕以下に維持して反応器33を使用すると、蓄熱エネルギーE〔kWh〕は、
E1≦E≦E4
の範囲の値Es’を採る。
【0083】
そこで、反応器33の蓄熱エネルギーE〔kWh〕を算出するために、前記蓄熱エネルギー算出処理手段の最大蓄熱エネルギー算出処理手段は、最大蓄熱エネルギー算出処理を行い、蓄熱温度T1〔℃〕を読み込み、蓄熱温度T1〔℃〕における最大の蓄熱エネルギー、すなわち、最大蓄熱エネルギーEmax(=E3)〔kWh〕を算出する(ステップS13−1)。
【0084】
そのために、前記最大蓄熱エネルギー算出処理手段は、図19の最大蓄熱エネルギーマップを参照し、蓄熱温度T1〔℃〕及び反応器33内の反応器圧力pc〔Pa〕に対応する最大蓄熱エネルギーEmax〔kWh〕を算出する。最大蓄熱エネルギーマップには、蓄熱温度T1〔℃〕及び反応器圧力pc〔Pa〕と最大蓄熱エネルギーEmax〔kWh〕とが対応させて記録されている。
【0085】
続いて、前記蓄熱エネルギー算出処理手段の反応器温度取得処理手段は、反応器温度取得処理を行い、反応器温度T〔℃〕を取得し(ステップS13−2)、反応器温度T〔℃〕が前記第1〜第3の領域のうちのどの領域に収まるかを判断する(ステップS13−3〜S13−5)。
【0086】
そして、反応器温度T〔℃〕が前記第1の領域に収まる場合、前記蓄熱エネルギー算出処理手段の計算処理手段は、計算処理を行い、蓄熱エネルギーEs、Es’〔kWh〕
Es=0
Es’=Ch・|T1−Tmin|
を算出する(ステップS13−6)。なお、Chは水酸化マグネシウムMg(OH)の比熱である。
【0087】
また、反応器温度T〔℃〕が前記第3の領域に収まる場合、前記蓄熱エネルギー算出処理手段の計算処理手段は、蓄熱エネルギーEs、Es’〔kWh〕
Es=Emax+Co・|T−T1|
Es’=Es+Co・|T−T1|
を算出する(ステップS13−7、S13−8)。なお、Coは酸化マグネシウムMOの比熱である。
【0088】
そして、反応器温度T〔℃〕が前記第2の領域に収まる場合、前記蓄熱エネルギー算出処理手段の計算処理手段は、水酸化マグネシウムMg(OH)と酸化マグネシウムMgOとの混合体における水酸化マグネシウムMg(OH)の割合(モル数)αを算出する(ステップS13−9)。なお、該割合αは、前記水流量計62によって検出され、水供給管46を流れる水の流量に基づいて算出することができる。
【0089】
続いて、前記計算処理手段は、蓄熱エネルギーEs、Es’〔kWh〕
Es=Emax・(1−α)
Es’=Es+Co・|T−T1|
を算出する(ステップS13−10、S13−8)。
【0090】
このようにして、蓄熱エネルギーE(Es,Es’)が算出されると、制御部50の図示されない第2の発電可能電力量算出処理手段は、第2の発電可能電力量算出処理を行い、前記所定の時間帯の日射量Psun〔kW〕による発電可能電力量Wc〔kWh〕に蓄熱エネルギーE(Es,Es’)を加算して発電可能電力量Wt〔kWh〕を算出する(ステップS14)。なお、この場合、蓄熱エネルギーE(Es,Es’)は発電可能電力量として機能する。
【0091】
続いて、前記制御部50の図示されない第3の発電可能電力量判断処理手段は、第3の発電可能電力量判断処理を行い、発電可能電力量Wt〔kWh〕が必要電力量We〔kWh〕以上であるかどうかを判断する(ステップS15)。
【0092】
発電可能電力量Wt〔kWh〕が必要電力量We〔kWh〕以上である場合、制御部50の図示されない日射量判断処理手段は、日射量判断処理を行い、発電可能電力量Wc〔kWh〕を取得し、
Wc>0
であるかどうかによって、日射があるかどうかを判断する(ステップS16)。
【0093】
そして、日射がある場合、制御部50の図示されない第4のモード選択処理手段としての直接放熱発電処理手段は、第4のモード選択処理としての直接放熱発電処理を行い、反応器33において蓄熱を行うことなく、熱を高温部Hpに伝達し、かつ、放熱を行い、熱電変換部13において発電を行う(ステップS17)。
【0094】
そのために、直接放熱発電処理手段のモード設定処理手段としての直接放熱発電設定処理手段は、モード設定処理としての直接放熱発電設定処理を行い、開閉弁vb1〜vb4、vb6を開き、熱電コージェネレーションシステム11を直接放熱発電モードで運転する(ステップS17−1)。該直接放熱発電モードにおいて、集光部31によって集められた太陽光が集熱部32に照射され(図20における矢印G)、集熱部32に照射された太陽光が熱に変換され、変換された熱が反応器33に伝達されるが、該反応器33は蓄熱材及び熱伝達部材として機能させられ、吸熱反応は起こらず、伝達された熱はそのまま熱交換器he1に伝達される。
【0095】
また、水タンク15内の水は、水供給管46を介して反応器33内に供給され、(図20における矢印H)噴出される。
【0096】
反応器33は蓄熱材によって形成されるので、反応器33において、酸化マグネシウムに水が加えられ、
MgO+H2 O→Mg(OH)2
の発熱反応が起こり、水酸化マグネシウムが生成され、熱が発生する。
【0097】
集熱部32から反応器33に伝達された熱及び反応器33において発生した熱は、熱交換器he1によって熱伝達媒体としての水に伝達され、熱交換器he2によって高温部Hpに伝達され、高温部Hpを加熱する。このとき、高温部Hpの温度TH〔℃〕はデフォルト値に設定される。また、低温部Lpは、熱交換器he3によって熱回収媒体としての冷却水によって冷却される。該冷却水は、低温部Lpによって加熱され、熱回収装置14に送られ(図20における矢印J)、熱回収装置14において熱が回収される。
【0098】
そして、高温部Hpが加熱され、低温部Lpが冷却されると、前記直接放熱発電処理手段の発電処理手段は、発電処理を行い、熱電変換部13において発電を行って高温部Hpの温度と低温部Lpの温度との温度差に応じた電流を発生させる(ステップS17−2)。したがって、該電流を前記電気機器Ld等に送り、電気機器Ld等において電力を利用することができる。
【0099】
この場合、前記直接放熱発電処理手段が、開閉弁vb6の開度を調整することによって、日射量に応じて、反応器33に供給される水の量又は流速を設定すると、反応器33内の前記反応器圧力〔Pa〕(水蒸気分圧)が一定になる。したがって、反応器温度Tが前記蓄熱温度T1に維持されるので、高温部Hpと低温部Lpとの温度差を維持することができる。その結果、効率の高い温度領域で熱電変換部13による発電を行うことができる。なお、開閉弁vb6の開度を調整するのに併せて圧力調整弁43の開度を調整することができる。
【0100】
また、前記直接放熱発電処理手段は、開閉弁vb6の開度を調整することによって、高温部Hpに伝達される熱の所定の量、本実施の形態においては、50〔%〕を集熱部32からの熱とし、残りの熱を反応器33において発生させた熱とする。
【0101】
そして、前記日射量判断処理において日射がないと判断された場合、制御部50の図示されない第5のモード選択処理手段としての放熱発電処理手段は、第5のモード選択処理としての放熱発電処理を行い、反応器33において放熱を行い、熱電変換部13において発電を行う(ステップS18)。
【0102】
そのために、放熱発電処理手段のモード設定処理手段としての放熱発電設定処理手段は、モード設定処理としての放熱発電設定処理を行い、開閉弁vb1〜vb4、b6を開き、開閉弁vb7、vb8を閉じ、熱電コージェネレーションシステム11を放熱発電モードで運転する(ステップS18−1)。該放熱発電モードにおいて、水タンク15内の水は、供給管46を介して反応器33内に供給され(図21における矢印K)、噴出される。
【0103】
該反応器33は蓄熱材によって形成されるので、反応器33において、酸化マグネシウムに水が加えられ、
MgO+H2 O→Mg(OH)2
の発熱反応が起こり、水酸化マグネシウムが生成され、熱が発生する。
【0104】
反応器33において発生した熱は、熱交換器he1によって熱伝達媒体としての水に伝達され、熱交換器he2によって高温部Hpに伝達され、高温部Hpを加熱する。また、低温部Lpは、熱交換器he3によって熱回収媒体としての冷却水によって冷却される。そして、該冷却水は、低温部Lpによって加熱され、熱回収装置14に送られ(図21における矢印L)、熱回収装置14において熱が回収される。なお、熱回収装置14において回収された熱を、熱回収装置16と同様に、必要に応じて建物躯体、床等に蓄え、暖房用として利用することができる。また、熱回収装置16において、熱回収媒体として冷媒を使用したり、地熱で所定の温度に加熱された水を使用したりすることができる。
【0105】
そして、高温部Hpが加熱され、低温部Lpが冷却されると、前記放熱発電処理手段の発電処理手段は、発電処理を行い、熱電変換部13において発電を行い、高温部Hpの温度と低温部Lpの温度との温度差に応じた電流を発生させる(ステップS18−2)。したがって、該電流を前記電気機器Ld等に送り、電気機器Ld等において電力を利用することができる。
【0106】
この場合、前記放熱発電処理手段が、開閉弁vb6の開度を調整することによって、反応器33に供給される水の量又は流速を一定にすると、反応器33内の反応器圧力〔Pa〕(水蒸気分圧)が一定になる。したがって、反応器温度Tが前記蓄熱温度T1に維持されるので、高温部Hpの温度と低温部Lpの温度との温度差を一定に維持することができる。その結果、効率の高い温度領域で熱電変換部13による発電を行うことができる。なお、放熱発電処理手段は、開閉弁vb6の開度を調整するのに併せて圧力調整弁43の開度を調整することができる。
【0107】
また、前記第3の発電可能電力量判断処理において、発電可能電力量Wt〔kWh〕が必要電力量We〔kWh〕より小さいと判断された場合、制御部50の図示されない協調制御処理手段は、協調制御処理を行い、前記所定の時間帯の日射量Psun〔kW〕及び蓄熱エネルギーE(Es,Es’)に基づいて算出された発電可能電力量Wt〔kWh〕では不足する電力量を、商用電力提供者から購入する電力量で補足する(ステップS19)。
【0108】
そのために、協調制御処理手段の電力量判断処理手段は、電力量判断処処理を行い、日射量Psun〔kW〕による発電可能電力量Wc〔kWh〕及び蓄熱エネルギーE〔kWh〕を利用することができるかどうかを判断する(ステップS19−1〜S19−3)。
【0109】
発電可能電力量Wc〔kWh〕及び蓄熱エネルギーE〔kWh〕を利用することができる場合、協調制御処理手段の直接放熱発電処理手段は、直接放熱発電処理を行い、熱電コージェネレーションシステム11を直接放熱発電モードで運転する(ステップS19−4)。
【0110】
そして、協調制御処理手段の反応器温度判断処理手段は、反応器温度判断処理を行い、反応器温度T〔℃〕が最低温度Tmin〔℃〕より高いかどうかを判断し(ステップS19−5)、反応器温度T〔℃〕が最低温度Tmin〔℃〕以下になると、協調制御処理手段の電力購入処理手段は、電力購入処理を行い、商用電力提供者から不足する電力量の電力を購入する(ステップS19−6)。
【0111】
また、発電可能電力量Wc〔kWh〕を利用することができ、蓄熱エネルギーE〔kWh〕を利用することができない場合、協調制御処理手段の直接発電処理手段は、熱電コージェネレーションシステム11を直接発電モードで運転する(ステップS19−7)。
【0112】
そして、前記反応器温度判断処理手段は、反応器温度T〔℃〕が最低温度Tmin〔℃〕より高いかどうかを判断し(ステップS19−8)、反応器温度T〔℃〕が最低温度Tmin〔℃〕以下になると、前記電力購入処理手段は、商用電力提供者から不足する電力量の電力を購入する(ステップS19−6)。
【0113】
また、発電可能電力量Wc〔kWh〕を利用することができず、蓄熱エネルギーE〔kWh〕を利用することができる場合、協調制御処理手段の放熱発電処理手段は、熱電コージェネレーションシステム11を放熱発電モードで運転する(ステップS19−9)。
【0114】
そして、前記反応器温度判断処理手段は、反応器温度T〔℃〕が最低温度Tmin〔℃〕より高いかどうかを判断し(ステップS19−10)、反応器温度T〔℃〕が最低温度Tmin〔℃〕以下になると、前記電力購入処理手段は、商用電力提供者から所定の電力量の電力を購入する(ステップS19−6)。
【0115】
また、発電可能電力量Wc〔kWh〕及び蓄熱エネルギーE〔kWh〕を利用することができない場合、前記電力購入処理手段は、商用電力提供者から不足する電力量の電力を購入する(ステップS19−6)。
【0116】
そして、前記反応器温度判断処理手段の日射判断処理手段は、日射判断処理を行い、日射量センサ53によって、太陽が沈んだかどうかを判断し、太陽が沈むと、前記反応器温度判断処理手段の蓄熱設定処理手段は、蓄熱設定処理を行い、予測される翌日の全日射量ΣPsun〔kWh〕を取得し、該翌日の全日射量ΣPsun〔kWh〕に対応させて反応器33において蓄熱設定を行う。
【0117】
そのために、前記蓄熱設定処理手段は、予測される翌日の全日射量ΣPsun〔kWh〕が十分に多い場合、及び翌日の全日射量ΣPsun〔kWh〕がほとんどない場合は、反応器33において蓄熱設定を行わない。予測される翌日の全日射量ΣPsun〔kWh〕が少ない場合は、記憶部65に形成された蓄熱温度マップを参照し、全日射量ΣPsun〔kWh〕に対応する蓄熱温度T1〔℃〕を読み出し、反応器温度Tを蓄熱温度T1〔℃〕にすることができるように商用電力提供者から電力を所定の電力量だけ購入する。
【0118】
このようにして、協調制御処理が終了すると、制御部50の図示されない時間経過判断処理手段は、時間経過判断処理を行い、第1の発電可能電力量算出処理が開始されてから、日射量Psun〔kWh〕、電力需要Pe〔kW〕等の変動に応じてあらかじめ設定された設定時間が経過するのを待機し、設定時間が経過すると、第1の発電可能電力量算出処理を再び行う(ステップS20)。なお、時間経過判断処理手段は、電力需要Pe〔kW〕、日射量Psun〔kW〕等の変動が小さい場合、設定時間を長くし、変動が大きい場合、設定時間を短くする。したがって、電力需要Pe〔kW〕、日射量Psun〔kW〕等の変動が小さい場合に無用に制御が繰り返されることがないので、制御部50に加わる制御負荷を小さくすることができる。また、電力需要Pe〔kW〕、日射量Psun〔kW〕等の変動が大きい場合に設定時間が短くされるので、熱電コージェネレーションシステム11による制御を精度良く行うことができる。
【0119】
このように、本実施の形態においては、日射量Psun〔kW〕に基づいて発電可能電力量Wc〔kWh〕が算出され、電力需要Pe〔kW〕に基づいて必要電力量We〔kWh〕が算出され、発電可能電力量Wc〔kWh〕及び必要電力量We〔kWh〕に基づいて、反応器33における蓄熱及び熱電変換部13における発電を行うモードが選択されるので、太陽エネルギーを電気エネルギーに安定させて変換することができ、電気機器Ldの負荷に応じて効率良く太陽エネルギーを利用することができる。
【0120】
また、前記日射量Psun〔kW〕及び反応器33における蓄熱エネルギーE〔kWh〕に基づいて発電可能電力量Wt〔kWh〕が算出され、発電可能電力量Wt〔kWh〕及び必要電力量We〔kWh〕に基づいて、反応器33における蓄熱及び放熱、並びに熱電変換部13における発電を行うモードが選択されるので、電気機器Ldの負荷に応じて一層効率良く太陽エネルギーを利用することができる。
【0121】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0122】
11 熱電コージェネレーションシステム
13 熱電変換部
15 水タンク
23 第3の配管系
31 集光部
32 集熱部
33 反応器
50 制御部
Ld 電気機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光を集める集光部と、
該集光部によって集められた太陽光を熱に変換し、変換した熱を集める集熱部と、
該集熱部によって集められた熱を受けて吸熱反応を起こし、反応媒体を生成し、反応媒体が供給されて発熱反応を起こし、熱を発生させる反応器と、
該反応器において発生させられた熱を受けて発電を行い、電力を電力消費部に送る発電装置と、
前記反応器において生成された反応媒体を反応器から排出し、排出した反応媒体を反応器に供給するための反応媒体給排装置と、
太陽光の日射量を予測する日射量予測処理手段と、
前記発電装置に対する電力需要を予測する電力需要予測処理手段と、
前記日射量に基づいて発電可能電力量を算出する発電可能電力量算出処理手段と、
前記電力需要に基づいて、電力消費部において必要となる必要電力量を算出する必要電力量算出処理手段と、
前記発電可能電力量及び必要電力量に基づいて、反応器における蓄熱及び発電装置における発電を行うモードを選択するモード選択処理手段とを有することを特徴とする熱電コージェネレーションシステム。
【請求項2】
前記発電可能電力量算出処理手段は、前記日射量、及び前記反応器における蓄熱エネルギーに基づいて発電可能電力量を算出し、
前記モード選択処理手段は、前記発電可能電力量及び必要電力量に基づいて、反応器における蓄熱及び放熱、並びに発電装置による発電を行うモードを選択する請求項1に記載の熱電コージェネレーションシステム。
【請求項3】
前記発電可能電力量が閾値より小さいかどうかを判断する電力量判断処理手段と、
前記発電可能電力量が閾値より小さい場合に、商用電力提供者から所定の電力量の電力を購入する電力購入処理手段とを有する請求項1又は2に記載の熱電コージェネレーションシステム。
【請求項4】
商用電力提供者から電力が購入された場合に、蓄熱を行う必要があるかどうかを判断する蓄熱要否判断処理手段を有するとともに、
蓄熱を行う必要がある場合に、前記モード選択処理手段は、反応器における蓄熱を行うモードを選択する請求項1に記載の熱電コージェネレーションシステム。
【請求項5】
前記日射量、及び前記反応器における蓄熱エネルギーに基づいて算出された前記発電可能電力量が必要電力量より小さい場合に、不足する電力量の電力を商用電力提供者から購入する協調制御処理手段を有する請求項1又は2に記載の熱電コージェネレーションシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate


【公開番号】特開2013−78174(P2013−78174A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215438(P2011−215438)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(591261509)株式会社エクォス・リサーチ (1,360)
【Fターム(参考)】