説明

熱音響装置

【課題】本発明は、熱音響装置に関し、特にカーボンナノチューブを利用した熱音響装置に関するものである。
【解決手段】本発明の熱音響装置は、少なくとも一つの第一電極と、少なくとも一つの第二電極と、前記第一電極及び第二電極に電気的に接続された音波発生器と、前記第一電極及び第二電極に電気的に接続された増幅回路と、該増幅回路に電気的に接続されたコネクターと、を含む。前記音波発生器は、カーボンナノチューブ構造体及び絶縁性増強体を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱音響装置に関し、特にカーボンナノチューブを利用した熱音響装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、音響装置は信号装置及び音波発生器を含む。前記信号装置は、信号を前記音波発生器(例えばスピーカー)に伝送する。スピーカーは電気音響変換器として、電気信号を音に変換することができる。
【0003】
動作原理により、スピーカーは、ダイナミックスピーカー、マグネティックスピーカー、静電気スピーカー、圧電スピーカーなどの多種に分類される。前記多種のスピーカーは、全て機械的振動によって音波を生じ、即ち、電気―機械力―音の変換を実現する。ここで、ダイナミックスピーカーが広く利用されている。
【0004】
しかし、ダイナミックスピーカーは、重いマグネット及び磁場の作用に依存しているので、ダイナミックスピーカーの構造は複雑である。また、ダイナミックスピーカーのマグネットは、スピーカーの近くに配置された電子装置に、悪い影響を与えるという問題がある。さらに、ダイナミックスピーカーは電気信号の入力の条件により作動するので、電気信号を提供しない場合、ダイナミックスピーカーは作動できないという問題がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】H.D.Arnold、I.B.Crandall, “The thermophone as a precision source of sound”, Phys. 1917年、第10巻, 第22−38頁、
【非特許文献2】Shoushan Fan et al., “Flexible, Stretchable, Transparent Carbon Nanotube Thin Film Loudspeakers”、 Nano Letters、2008年、第8 (12)巻、p.4539−4545
【非特許文献3】Kaili Jiang、Qunqing Li、Shoushan Fan、“Spinning continuous carbon nanotube yarns”、Nature、2002年、第419巻、p.801
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
非特許文献1に、熱音響現象によって製造されたサーモホン(thermophone)が掲載されている。熱音響現象とは、音と熱が関わり合う現象であり、エネルギー変換とエネルギー輸送という2つの側面がある。熱音響装置に信号を転送すると、熱音響装置に熱が生じ、周辺の媒体へ伝播される。伝播された熱によって生じた熱膨張及び圧力波により音波を発生させることができる。ここで、厚さが7×10−5cmの白金片が熱音響部品として利用されている。しかし、厚さが7×10−5cmの白金片に対して、単位面積当たりの熱容量は2×10−4J/cm・Kである。白金片の単位面積当たりの熱容量が非常に高いので、白金片を利用したサーモホンを室外で利用する場合、音が非常に弱いという課題がある。
【0007】
前記課題を解決するために、引用文献2に、カーボンナノチューブフィルムを利用した熱音響装置が開示されている。前記カーボンナノチューブフィルムは、大きな比表面積及び低い単位面積当たりの熱容量を有するので、該カーボンナノチューブフィルムを音波発生器として利用する場合、前記熱音響装置は、広い周波数応答範囲で音波を発生することができる。しかし、カーボンナノチューブフィルムは非常に薄く、柔軟であるので、該カーボンナノチューブフィルムを利用した熱音響装置は損傷しやすいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために、靭性が優れた熱音響装置を提供する。
【0009】
本発明の熱音響装置は、少なくとも一つの第一電極と、少なくとも一つの第二電極と、前記第一電極及び第二電極に電気的に接続された音波発生器と、前記第一電極及び第二電極に電気的に接続された増幅回路と、該増幅回路に電気的に接続されたコネクターと、を含む。前記音波発生器は、カーボンナノチューブ構造体及び絶縁性増強体を含む。
【0010】
前記カーボンナノチューブ構造体は、カーボンナノチューブからなる自立構造を有するものである。
【0011】
前記絶縁性増強体の少なくとも一部は、前記カーボンナノチューブ構造体と複合されている
【発明の効果】
【0012】
従来の技術と比べて、本発明の熱音響装置に絶縁性増強体を設置することにより、熱音響装置の音波発生器の靭性を高め、熱音響装置の損傷を防止し、熱音響装置の使用時間を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例1における熱音響装置の模式図である。
【図2】本発明のドローン構造カーボンナノチューブフィルムのSEM写真である。
【図3】本発明のカーボンナノチューブセグメントの模式図である。
【図4】本発明のプレシッド構造カーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図5】本発明のプレシッド構造カーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図6】本発明の綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの走査型電子顕微鏡写真である。
【図7】本発明の非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
【図8】本発明のねじれ状カーボンナノチューブワイヤのSEM写真である。
【図9】本発明の複数のカーボンナノワイヤを含む非ねじれ状カーボンナノチューブケーブルの模式図である。
【図10】本発明の複数のカーボンナノワイヤを含むねじれ状カーボンナノチューブケーブルの模式図である。
【図11】本発明の実施例2における熱音響装置の模式図である。
【図12】本発明の実施例3における熱音響装置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0015】
(実施例1)
図1を参照すると、本発明の熱音響装置20は、音波発生器202と、少なくとも一つの第一電極204と、少なくとも一つの第二電極206と、増幅回路208と、コネクター212と、を含む。前記音波発生器202は、カーボンナノチューブ構造体2022、及び該カーボンナノチューブ構造体2022と複合された絶縁性増強体2028を含む。
【0016】
前記カーボンナノチューブ構造体2022は、自立構造の薄膜の形状に形成されている。ここで、自立構造とは、支持体材を利用せず、前記カーボンナノチューブ構造体2022を独立して利用することができるという形態のことである。すなわち、前記カーボンナノチューブ構造体2022を対向する両側から支持して、前記カーボンナノチューブ構造体2022の構造を変化させずに、前記カーボンナノチューブ構造体2022を懸架させることができることを意味する。前記カーボンナノチューブ構造体2022は大きな比表面積(例えば、100m/g以上)を有する。該カーボンナノチューブ構造体2022の単位体積当たりの熱容量は、0(0は含まず)〜2×10−4J/cm・Kであるが、好ましくは、0(0は含まず)〜1.7×10−6J/cm・Kであり、本実施例では、1.7×10−6J/cm・Kである。前記カーボンナノチューブ構造体2022の比表面積が小さくなるほど、前記カーボンナノチューブ構造体の単位体積当たりの熱容量が大きくなる。前記カーボンナノチューブ構造体の単位体積当たりの熱容量が大きくなるほど、前記熱音響装置の音圧が低くなる。
【0017】
前記カーボンナノチューブ構造体2022には、複数のカーボンナノチューブが均一に分散されている。該複数のカーボンナノチューブは分子間力で互いに接続されている。前記カーボンナノチューブ構造体に、前記複数のカーボンナノチューブが配向し又は配向せずに配置されている。前記複数のカーボンナノチューブの配列方式により、前記カーボンナノチューブ構造体2022は非配向型のカーボンナノチューブ構造体及び配向型のカーボンナノチューブ構造体の二種に分類される。本実施例における非配向型のカーボンナノチューブ構造体では、カーボンナノチューブが異なる方向に沿って配置され、又は絡み合っている。配向型のカーボンナノチューブ構造体では、前記複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列している。又は、配向型のカーボンナノチューブ構造体において、配向型のカーボンナノチューブ構造体が二つ以上の領域に分割される場合、各々の領域における複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されている。この場合、異なる領域におけるカーボンナノチューブの配列方向は異なる。前記カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ又は多層カーボンナノチューブである。前記カーボンナノチューブが単層カーボンナノチューブである場合、直径は0.5nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが二層カーボンナノチューブである場合、直径は1nm〜50nmに設定され、前記カーボンナノチューブが多層カーボンナノチューブである場合、直径は1.5nm〜50nmに設定される。
【0018】
本実施例において、前記カーボンナノチューブ構造体2022は平板型であり、その厚さは0.5nm〜1mmに設けられている。
【0019】
本発明のカーボンナノチューブ構造体2022としては、以下の(一)〜(四)のものが挙げられる。
【0020】
(一)ドローン構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体2022は、図2に示す、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルム143aを含む。このカーボンナノチューブフィルムはドローン構造カーボンナノチューブフィルム(drawn carbon nanotube film)である。前記カーボンナノチューブフィルム143aは、超配列カーボンナノチューブアレイ(非特許文献3を参照)から引き出して得られたものである。単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aは、分子間力で長さ方向端部同士が接続された複数のカーボンナノチューブを含む。単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブがカーボンナノチューブフィルムの表面に平行し、該複数のカーボンナノチューブが同じ方向に沿って、端と端が接続されている。ここで、極少のカーボンナノチューブは、ランダム配列されている。この極少のカーボンナノチューブにより、隣接する平行なカーボンナノチューブを連通させて、前記カーボンナノチューブフィルム143aをネット状構造に形成させることができる。しかし、図3に示されるように、前記極少のカーボンナノチューブは、前記カーボンナノチューブフィルム143aの構造に対して影響を与えない。前記カーボンナノチューブフィルム143aの幅は100μm〜10cmに設けられ、厚さは0.5nm〜100μmに設けられる。
【0021】
前記カーボンナノチューブ構造体は、積層された複数の前記カーボンナノチューブフィルムを含むことができる。この場合、隣接する前記カーボンナノチューブフィルムは、分子間力で結合されている。隣接する前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブは、それぞれ0°〜90°の角度で交差している。隣接する前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが0°以上の角度で交差する場合、前記カーボンナノチューブ構造体に複数の微孔が形成される。又は、前記複数のカーボンナノチューブフィルムは、隙間なく並列されることもできる。
【0022】
前記カーボンナノチューブフィルムの製造方法は次のステップを含む。
【0023】
第一ステップでは、カーボンナノチューブアレイを提供する。該カーボンナノチューブアレイは、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献3を参照)であり、該超配列カーボンナノチューブアレイの製造方法は、化学気相堆積法を採用する。該製造方法は、次のステップを含む。ステップ(a)では、平らなベースを提供し、該ベースはP型のシリコンベース、N型のシリコンベース及び酸化層が形成されたシリコンベースのいずれか一種である。本実施例において、4インチのシリコンベースを選択することが好ましい。ステップ(b)では、前記ベースの表面に、均一的に触媒層を形成する。該触媒層の材料は鉄、コバルト、ニッケル及びその2種以上の合金のいずれか一種である。ステップ(c)では、前記触媒層が形成されたベースを700℃〜900℃の空気で30分〜90分間アニーリングする。ステップ(d)では、アニーリングされたベースを反応炉に置き、保護ガスで500℃〜740℃の温度で加熱した後で、カーボンを含むガスを導入して、5分〜30分間反応を行って、超配列カーボンナノチューブアレイ(Superaligned array of carbon nanotubes,非特許文献3)を生長させることができる。該カーボンナノチューブアレイの高さは100マイクロメートル以上である。該カーボンナノチューブアレイは、互いに平行し、ベースに垂直に生長する複数のカーボンナノチューブからなる。該カーボンナノチューブは、長さが長いため、部分的にカーボンナノチューブが互いに絡み合っている。生長の条件を制御することによって、前記カーボンナノチューブアレイは、例えば、アモルファスカーボン及び残存する触媒である金属粒子などの不純物を含まなくなる。
【0024】
本実施例において、前記カーボンを含むガスとしては例えば、アセチレン、エチレン、メタンなどの活性な炭化水素が選択され、エチレンを選択することが好ましい。保護ガスは窒素ガスまたは不活性ガスであり、アルゴンガスが好ましい。
【0025】
本実施例から提供されたカーボンナノチューブアレイは、前記の製造方法により製造することに制限されず、アーク放電法またはレーザー蒸発法で製造してもよい。
【0026】
第二ステップでは、前記カーボンナノチューブアレイから、少なくとも、一枚のカーボンナノチューブフィルムを引き伸ばす。まず、ピンセットなどの工具を利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。例えば、一定の幅を有するテープを利用して複数のカーボンナノチューブの端部を持つ。次に、所定の速度で前記複数のカーボンナノチューブを引き出し、複数のカーボンナノチューブセグメントからなる連続のカーボンナノチューブフィルムを形成する。
【0027】
前記複数のカーボンナノチューブを引き出す工程において、前記複数のカーボンナノチューブがそれぞれ前記ベースから脱離すると、分子間力で前記カーボンナノチューブセグメントが端と端で接合され、連続のカーボンナノチューブフィルムが形成される。図2及び図3を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルム143aは、複数のカーボンナノチューブセグメント143bを含む。前記複数のカーボンナノチューブセグメント143bは、長さ方向に沿って分子間力で端と端が接続されている。それぞれのカーボンナノチューブセグメント143bは、相互に平行に、分子間力で結合された複数のカーボンナノチューブ145を含む。単一の前記カーボンナノチューブセグメント143bにおいて、前記複数のカーボンナノチューブ145の長さが同じである。前記カーボンナノチューブフィルム143aを有機溶剤に浸漬させることにより、前記カーボンナノチューブフィルム143aの靭性及び機械強度を高めることができる。有機溶剤に浸漬された前記カーボンナノチューブフィルムの単位体積当たりの熱容量が小さくなるので、その熱音響効果を高めることができる。
【0028】
(二)プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体2022は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。このカーボンナノチューブフィルムは、プレシッド構造カーボンナノチューブフィルム(pressed carbon nanotube film)である。図4及び5を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおける複数のカーボンナノチューブは、等方的に配列されているか、所定の方向に沿って配列されているか、または、異なる複数の方向に沿って配列されている。前記カーボンナノチューブフィルムは、押し器具を利用することにより、所定の圧力をかけて前記カーボンナノチューブアレイを押し、該カーボンナノチューブアレイを圧力で倒すことにより形成された、シート状の自立構造を有するものである。前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの配列方向は、前記押し器具の形状及び前記カーボンナノチューブアレイを押す方向により決められている。
【0029】
図4を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが配向して配列されることができる。該カーボンナノチューブフィルムは、同じ方向に沿って配列された複数のカーボンナノチューブを含む。ローラー形状を有する押し器具を利用して、同じ方向に沿って前記カーボンナノチューブアレイを同時に押す場合、基本的に同じ方向に配列されるカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブフィルムが形成される。また、ローラー形状を有する押し器具を利用して、異なる方向に沿って、前記カーボンナノチューブアレイを同時に押す場合、前記異なる方向に沿って、選択的な方向に配列されるカーボンナノチューブを含むカーボンナノチューブフィルムが形成される。
【0030】
図5を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが配向せずに配置されることができる。該カーボンナノチューブフィルムは、等方的に配列されている複数のカーボンナノチューブを含む。隣接するカーボンナノチューブが分子間力で相互に引き合い、接続する。該カーボンナノチューブ構造体が平面等方性を有する。該カーボンナノチューブフィルムは、平面を有する押し器具を利用して、カーボンナノチューブアレイが成長された基板に垂直な方向に沿って前記カーボンナノチューブアレイを押すことにより形成される。
【0031】
前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの傾斜の程度は、前記カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブと該カーボンナノチューブフィルムの表面とは、角度αを成し、該角度αは0°以上15°以下である。好ましくは、前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブが該カーボンナノチューブフィルムの表面に平行する。前記圧力が大きくなるほど、前記傾斜の程度が大きくなる。前記カーボンナノチューブフィルムの厚さは、前記カーボンナノチューブアレイの高さ及び該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力に関係する。即ち、前記カーボンナノチューブアレイの高さが大きくなるほど、また、該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力が小さくなるほど、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さが大きくなる。これとは逆に、カーボンナノチューブアレイの高さが小さくなるほど、また、該カーボンナノチューブアレイにかけた圧力が大きくなるほど、前記カーボンナノチューブフィルムの厚さが小さくなる。
【0032】
(三)綿毛構造カーボンナノチューブフィルム
前記カーボンナノチューブ構造体2022は、少なくとも一枚のカーボンナノチューブフィルムを含む。このカーボンナノチューブフィルムは綿毛構造カーボンナノチューブフィルム(flocculated carbon nanotube film)である。図6を参照すると、単一の前記カーボンナノチューブフィルムにおいて、複数のカーボンナノチューブは、絡み合い、等方的に配列されている。前記カーボンナノチューブ構造体においては、前記複数のカーボンナノチューブが均一に分布されている。複数のカーボンナノチューブは配向せずに配置されている。単一の前記カーボンナノチューブの長さは、100nm以上であり、100nm〜10cmであることが好ましい。前記複数のカーボンナノチューブは、分子間力で接近して、相互に絡み合って、カーボンナノチューブネット状に形成されている。前記複数のカーボンナノチューブは配向せずに配置されて、多くの微小な孔が形成されている。ここで、単一の前記微小な孔の直径が10μm以下になる。前記カーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブは、相互に絡み合って配置されるので、該カーボンナノチューブ構造体は柔軟性に優れ、任意の形状に湾曲して形成させることができる。用途に応じて、前記カーボンナノチューブ構造体の長さ及び幅を調整することができる。前記カーボンナノチューブ構造体2022の厚さは、0.5nm〜1mmである。
【0033】
前記カーボンナノチューブフィルムの製造方法は、下記のステップを含む。
【0034】
第一ステップでは、カーボンナノチューブ原料(綿毛構造カーボンナノチューブフィルムの素になるカーボンナノチューブ)を提供する。
【0035】
ナイフのような工具で前記カーボンナノチューブを前記ベースから剥離し、カーボンナノチューブ原料が形成される。前記カーボンナノチューブは、ある程度互いに絡み合っている。前記カーボンナノチューブの原料においては、該カーボンナノチューブの長さは、10マイクロメートル以上であり、100マイクロメートル以上であることが好ましい。
【0036】
第二ステップでは、前記カーボンナノチューブ原料を溶剤に浸漬し、該カーボンナノチューブ原料を処理して、綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を形成する。
【0037】
前記カーボンナノチューブ原料を前記溶剤に浸漬した後、超音波式分散、又は高強度撹拌又は振動などの方法により、前記カーボンナノチューブを綿毛構造に形成させる。前記溶剤は水または揮発性有機溶剤である。超音波式分散方法により、カーボンナノチューブを含む溶剤に対して10〜30分間処理する。カーボンナノチューブは大きな比表面積を有し、カーボンナノチューブの間に大きな分子間力が生じるので、前記カーボンナノチューブはそれぞれもつれて、綿毛構造に形成されている。
【0038】
第三ステップでは、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶液をろ過して、最終的な綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を取り出す。
【0039】
まず、濾紙が置かれたファネルを提供する。前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶剤を濾紙が置かれたファネルにつぎ、しばらく放置して、乾燥させると、綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体が分離される。図6を参照すると、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体におけるカーボンナノチューブが互いに絡み合って、不規則的な綿毛構造となる。
【0040】
分離された前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を容器に置き、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を所定の形状に展開し、展開された前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体に所定の圧力を加え、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体に残留した溶剤を加熱するか、或いは、該溶剤が自然に蒸発すると、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。
【0041】
前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体が展開される面積によって、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの厚さと面密度を制御できる。即ち、一定の体積を有する前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体は、展開される面積が大きくなるほど、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムの厚さと面密度が小さくなる。
【0042】
また、微多孔膜とエアーポンプファネル(Air−pumping Funnel)を利用して綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。具体的には、微多孔膜とエアーポンプファネルを提供し、前記綿毛構造のカーボンナノチューブ構造体を含む溶剤を、前記微多孔膜を通して前記エアーポンプファネルにつぎ、該エアーポンプファネルに抽気し、乾燥させると、綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムが形成される。前記微多孔膜は、平滑な表面を有する。該微多孔膜において、単一の微小孔の直径は、0.22マイクロメートルにされている。前記微多孔膜は平滑な表面を有するので、前記カーボンナノチューブフィルムは容易に前記微多孔膜から剥落することができる。さらに、前記エアーポンプを利用することにより、前記綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムに空気圧をかけるので、均一な綿毛構造のカーボンナノチューブフィルムを形成させることができる。
【0043】
(四)カーボンナノチューブワイヤ
前記カーボンナノチューブ構造体2022は少なくとも一本のカーボンナノチューブワイヤを含む。一本の前記カーボンナノチューブワイヤの熱容量は、0(0は含まず)〜2×10−4J/cm・Kであり、5×10−5J/cm・Kであることが好ましい。一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は4.5nm〜1cmである。図7を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤは、分子間力で接続された複数のカーボンナノチューブからなる。この場合、一本のカーボンナノチューブワイヤ(非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ)は、端と端とが接続された複数のカーボンナノチューブセグメント(図示せず)を含む。前記カーボンナノチューブセグメントは、同じ長さ及び幅を有する。さらに、各々の前記カーボンナノチューブセグメントに、同じ長さの複数のカーボンナノチューブが平行に配列されている。前記複数のカーボンナノチューブはカーボンナノチューブワイヤの中心軸に平行に配列されている。この場合、一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は、1μm〜1cmである。図8を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤをねじり、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤを形成することができる。ここで、前記複数のカーボンナノチューブは前記カーボンナノチューブワイヤの中心軸を軸に、螺旋状に配列されている。この場合、一本の前記カーボンナノチューブワイヤの直径は、1μm〜1cmである。前記カーボンナノチューブ構造体は、前記非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤ又はそれらの組み合わせのいずれか一種からなる。
【0044】
前記カーボンナノチューブワイヤを形成する方法は、カーボンナノチューブアレイから引き出すことにより形成されるカーボンナノチューブフィルムを利用する。前記カーボンナノチューブワイヤを形成する方法は、次の三種がある。第一種では、前記カーボンナノチューブフィルムにおけるカーボンナノチューブの長手方向に沿って、前記カーボンナノチューブフィルムを所定の幅で切断し、カーボンナノチューブワイヤを形成する。第二種では、前記カーボンナノチューブフィルムを有機溶剤に浸漬させて、前記カーボンナノチューブフィルムを収縮させてカーボンナノチューブワイヤを形成することができる。第三種では、前記カーボンナノチューブフィルムを機械加工(例えば、紡糸工程)してねじれたカーボンナノチューブワイヤを形成する。詳しく説明すれば、まず、前記カーボンナノチューブフィルムを紡糸装置に固定させる。次に、前記紡糸装置を動作させて前記カーボンナノチューブフィルムを回転させ、ねじれたカーボンナノチューブワイヤを形成する。
【0045】
前記カーボンナノチューブ構造体が複数のカーボンナノチューブワイヤを含む場合、前記複数のカーボンナノチューブワイヤは平行に並列され、又は交叉して織られ、又はねじれ状とされることができる。
【0046】
図9を参照すると、複数の前記カーボンナノチューブワイヤ2026を平行して配列して、非ねじれ状カーボンナノチューブケーブル2020を形成することができる。前記カーボンナノチューブワイヤ2026は、ねじれ状カーボンナノチューブワイヤでも、非ねじれ状カーボンナノチューブワイヤでもよい。図10を参照すると、前記カーボンナノチューブワイヤ2026をねじって、ねじれ状カーボンナノチューブケーブル2024を形成することができる。
【0047】
本実施例の音波発生器202のカーボンナノチューブ構造体2022はカーボンナノチューブフィルムを含む。該カーボンナノチューブフィルムにおいて、カーボンナノチューブが同じ方向に沿って配列されている。前記音波発生器202の長さは3cmであり、その幅は3cmであり、その厚さは50nmである。
【0048】
前記音波発生器202の増強体2028は、ガラス、金属酸化物、樹脂又はセラミックである。前記カーボンナノチューブ構造体2022は複数の微孔を有するので、前記増強体2028は前記カーボンナノチューブ構造体2022と複合させた場合、前記増強体2028における粒子は、前記カーボンナノチューブ構造体2022の微孔内に嵌り込んでいる。これにより、前記増強体2028は、前記カーボンナノチューブ構造体2022と緊密に複合されている。前記増強体2028における粒子の直径は、1nm〜500nmであり、50nm〜100nmであることが好ましい。前記増強体2028は、蒸着方法又はスパッタ方法により前記カーボンナノチューブ構造体2022に形成することができる。前記増強体2028は、前記カーボンナノチューブ構造体2022の靭性を増加させることができる。
【0049】
前記熱音響装置20に複数の前記第一電極204及び第二電極206を設置する場合、前記複数の第一電極204及び第二電極206は、所定の距離で離れて、交互に、並んで配列されている。前記複数の第一電極204は、直列に接続されており、前記複数の第二電極206は、直列に接続されている。また、直列に接続された前記複数の第一電極204及び前記複数の第二電極206は、それぞれ信号装置(図示せず)と電気的に接続されている。これにより、前記信号装置からの信号は、前記複数の第一電極204及び第二電極206により、前記音波発生器202へ転送される。前記音波発生器202と、前記複数の第一電極204及び複数の第二電極206とは、三次元空間を形成することができる。即ち、前記音波発生器202は、前記複数の第一電極204及び複数の第二電極206と接触するように、前記複数の第一電極204及び複数の第二電極206を囲んでいる。前記第一電極204及び第二電極206は金属、導電接着剤、カーボンナノチューブ、ITOのいずれかの導電材料からなる。前記第一電極204及び第二電極206の高さは、それぞれ100μmより大きい。
【0050】
図1を参照すると、本実施例において、前記熱音響装置20は、一つの第一電極204及び一つの第二電極206を含む。前記第一電極204及び第二電極206は、前記音波発生器202の一つの表面に設置されている。前記第一電極204及び第二電極206は所定の距離で離れるように、それぞれ前記音波発生器202に電気的に接続されている。本実施例において、前記第一電極204及び第二電極206は棒状の金属電極である。前記音波発生器202の、前記第一電極204及び第二電極206と接続する領域に、それぞれ絶縁層(図示せず)を設置することができる。
【0051】
前記音波発生器202に利用したカーボンナノチューブ構造体は接着性を有するので、前記音波発生器202を直接前記第一電極204及び第二電極206に接着させることができる。さらに、前記第一電極204及び第二電極206は、導電線(図示せず)によってそれぞれ前記信号装置の両端に接続されている。前記第一電極204又は第二電極206と前記音波発生器202とを良好に電気的に接続させるために、前記第一電極204又は第二電極206と前記音波発生器202との間に導電性接着層(図示せず)を設置することもできる。前記導電性接着層は、前記音波発生器202の表面に設置されることができる。前記導電性接着層は銀ペーストからなる。
【0052】
前記第一電極204及び前記複数の第二電極206に電気的に接続された信号装置は、電気信号装置、直流電流パルス信号装置、交流電流装置、電磁波信号装置(例えば、光学信号装置、レーザー)のいずれかの一種である。前記信号装置から前記音波発生器202へ転送された信号は、例えば、電磁波(例えば、光学信号)、電気信号(例えば、交流電流、直流電流パルス信号、オーディオ電気信号)又はそれらの混合信号である。前記信号は前記音波発生器202に受信されて熱として放射される。熱の放射によって周辺媒体(空気)の圧力強度が変化するので、検出可能な信号を発生させることができる。前記熱音響装置20をイヤホンに利用した場合、前記入力信号はAC電気信号又はオーディオ電気信号である。前記熱音響装置20を光音響スペクトルデバイスに利用した場合、前記入力信号は光学信号である。
【0053】
前記増幅回路208は、それぞれ前記コネクター212、前記第一電極204及び第二電極206に電気的に接続され、前記コネクター212から転送されたオーディオ信号を増幅させることができる。前記増幅回路208は、集積回路である。前記コネクター212は、プラグ、ソケット又は弾性接触子である。本実施例において、前記コネクター212は、ソケットである。
【0054】
前記増幅回路208を電源(図示せず)に接続させ、前記コネクター212をオーディオ信号装置(図示せず)に接続させると、前記オーディオ信号装置からの信号は、前記コネクター212から前記増幅回路208に転送され、前記増幅回路208で増幅されてから前記音波発生器202に転送される。前記音波発生器202の前記カーボンナノチューブ構造体2022は複数のカーボンナノチューブを含み、単位面積の熱容量が小さいので、前記音波発生器202で生じた温度波により周辺の媒体に圧力振動を発生させることができる。前記音波発生器202のカーボンナノチューブ構造体2022に信号(例えば、電気信号)を転送すると、信号強度及び/又は信号によって前記カーボンナノチューブ構造体2022に熱が生じる。温度波の拡散により、周辺の空気が熱膨張されて音が生じる。この音を発生させる原理は、従来のスピーカーにおいて振動板の機械振動によって生じた圧力波により音を発生させる原理と大きく異なる。前記入力信号が電気信号である場合、前記熱音響装置20は、電気―熱―音の変換方式によって作動するが、前記入力信号は光学信号である場合、前記熱音響装置20は、光―熱―音の変換方式によって作動する。前記光学信号のエネルギーは前記音波発生器202で吸収されて、熱として放射される。熱の放射によって周辺媒体(空気)の圧力強度が変化するので、検出可能な信号が発生することができる。
【0055】
(実施例2)
図11を参照すると、本発明の熱音響装置30は、音波発生器302と、一つの第一電極304と、一つの第二電極306と、増幅回路308と、コネクター312と、を含む。前記音波発生器302は、カーボンナノチューブ構造体3022及び絶縁性増強体3028を含む。本実施例の熱音響装置30は、実施例1の熱音響装置20と比べて次の異なる点がある。本実施例の音波発生器302において、前記カーボンナノチューブ構造体3022は、前記増強体3028の中に埋め込まれている。さらに、前記カーボンナノチューブ構造体3022は、前記増強体3028で浸透されている。
【0056】
本実施例において、前記カーボンナノチューブ構造体3022、前記第一電極304及び第二電極306は、全て前記増強体3028の中に埋め込まれている。前記増幅回路308及びコネクター312は、前記増強体3028の外部に設置され、又は前記増強体3028の中に埋め込まれる。前記コネクター312が、前記増強体3028の中に埋め込まれている場合、前記コネクター312の入力端部(図示せず)が露出することが必要である。前記第一電極304及び第二電極306は、二本のリードワイヤ(図示せず)により前記増幅回路308に接続されている。
【0057】
本実施例において、前記増強体3028は平板型であり、その厚さは10nm〜200μmであり、50nm〜200nmであることが好ましい。前記増強体3028のシート抵抗は、1000〜2000(Ω/□)である。前記増強体3028は融点が100℃以上の耐高温樹脂からなる。
【0058】
本実施例において、前記カーボンナノチューブ構造体3022は、厚さが30nmのドローン構造カーボンナノチューブフィルムである。前記第一電極304及び第二電極306は、厚さが20nmのパラジウムフィルムである。前記増強体3028は厚さが100nmのエポキシ樹脂層である。
【0059】
前記増強体3028の製造方法は次の二種がある。第一種は、一つの前記カーボンナノチューブ構造体3022を二つのエポキシ樹脂フィルムの間に挟ませて、該二つのエポキシ樹脂フィルムをホットプレスすることである。第二種は、前記カーボンナノチューブ構造体3022を液体のエポキシ樹脂の中に浸漬させて、前記エポキシ樹脂を固化させることである。
【0060】
(実施例3)
図12を参照すると、本発明の熱音響装置40は、音波発生器402と、第一電極404と、第二電極406と、増幅回路408と、コネクター412と、を含む。前記音波発生器402は、カーボンナノチューブ構造体4022及び絶縁性増強体4028を含む。本実施例の熱音響装置40は、実施例2の熱音響装置30と比べて次の異なる点がある。本実施例の音波発生器402において、前記増強体4028は、複数の孔414を有する。前記増強体4028の複数の孔414は、ブラインドホール又はスルーホールである。前記複数の孔414がブラインドホールである場合、前記孔414は、前記増強体4028の一つ表面から前記カーボンナノチューブ構造体4022の一つ表面まで貫通する。前記複数の孔414がスルーホールである場合、前記孔414は、前記増強体4028の一つ表面から前記増強体4028の前記表面とは反対側の表面まで貫通する。前記孔414の直径は10μm〜1cmである。前記複数の孔414を形成することにより、前記カーボンナノチューブ構造体4022の一部を露出させるので、前記カーボンナノチューブ構造体4022に生じた熱の一部は前記孔414から周辺の空気に伝送され、前記熱音響装置40の放熱性が高くなる。前記孔414は所定の深さを有するので、前記カーボンナノチューブ構造体4022の損傷を防止することができる。
【符号の説明】
【0061】
143a カーボンナノチューブフィルム
143b カーボンナノチューブセグメント
145 カーボンナノチューブ
20、30、40 熱音響装置
202、302、402 音波発生器
2020 非ねじれ状カーボンナノチューブケーブル
2022 カーボンナノチューブ構造体
2024 ねじれ状カーボンナノチューブケーブル
2026 カーボンナノチューブワイヤ
2028、3028、4028 絶縁性増強体
204、304、404 第一電極
206、306、406 第二電極
208、308、408 増幅回路
212、312、412 コネクター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第一電極と、
少なくとも一つの第二電極と、
前記第一電極及び第二電極に電気的に接続された音波発生器と、
前記第一電極及び第二電極に電気的に接続された増幅回路と、
該増幅回路に電気的に接続されたコネクターと、
を含み、
前記音波発生器は、カーボンナノチューブ構造体及び絶縁性増強体を含むことを特徴とする熱音響装置。
【請求項2】
前記カーボンナノチューブ構造体は、カーボンナノチューブからなる自立構造を有するものであることを特徴とする、請求項1に記載の熱音響装置。
【請求項3】
前記絶縁性増強体の少なくとも一部は、前記カーボンナノチューブ構造体と複合されていることを特徴とする、請求項1に記載の熱音響装置。

【図1】
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【図3】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−101354(P2011−101354A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−230458(P2010−230458)
【出願日】平成22年10月13日(2010.10.13)
【出願人】(598098331)ツィンファ ユニバーシティ (534)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】