説明

燃料供給装置、燃料カートリッジ、及びジョイント

【課題】燃料電池を有する機器に、簡易に燃料を供給し得る、燃料供給装置、それを構成する燃料カートリッジ、並びに機器と燃料カートリッジとを接続するジョイントを提供する。
【解決手段】燃料供給装置1は、燃料電池を有する機器に液体燃料Fを供給する装置であり、液体燃料Fがあらかじめ充填されるとともに、機器に着脱可能である燃料タンク2と、燃料タンク2と機器とを接続するジョイント6と、を備えている。ジョイント6は、重力により燃料タンク2内の液体燃料Fを機器に流入させる外管と、燃料タンク2に、液体燃料Fと代替させる流体を自発的に流入させる内管とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池を含む機器に液体燃料を供給する燃料供給装置、それの構成要素である燃料カートリッジ、及び燃料カートリッジと機器とを接続するジョイントに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器のポータブル化、及びコードレス化が急速に進んでいる。このため、これらの電子機器の駆動用電源として、小型かつ軽量で、高エネルギ密度を有する二次電池の開発が望まれている。しかしながら、二次電池をそれらの機器の電源として使用する場合には、充電が必要であり、1回の充電で機器を使用できる時間も容量により制約される。そこで、燃料を供給することにより長時間安定して機器に電力を供給することができる燃料電池が、その電源として注目されている。
【0003】
燃料電池の中でも直接酸化型燃料電池(DOFC)は、常温で液体の燃料を改質することなく直接的に酸化して発電するために、改質装置が不要であり、小型化が容易である。さらに、燃料としてメタノールを使用する直接メタノール型燃料電池(DMFC)は、エネルギ効率及び発電出力が他の直接酸化型燃料電池よりも優れており、DOFCの中で最も有望視されている。
【0004】
ところが、メタノールは人体に有害である。このため、燃料電池を含む機器に燃料であるメタノールを供給する際には、燃料がこぼれたり、空気中に多量に蒸散したりすることを防止するための配慮が必要となる。そこで、例えば、燃料をあらかじめ充填した燃料カートリッジを機器に装着し、燃料カートリッジから機器内蔵の燃料タンク等に燃料を注入するような態様で燃料を供給することが望ましい。
【0005】
さらに、燃料カートリッジと、機器とを接続するジョイントは、できるだけ燃料が外部に漏れないような構造とするのが望ましい。特許文献1及び特許文献2に、そのようなジョイントの一例が、それぞれ提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−017269号公報
【特許文献2】特開2007−073464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、携帯型の電子機器では特に、上記ジョイントの径を十分に大きくすることは困難である。このため、特許文献1及び特許文献2のジョイントは、燃料を自発的に機器側のタンクに流入させる構造とはなっておらず、例えば燃料カートリッジの容器を手や指で押圧することで、燃料を機器側のタンクに注入する構造となっている。
【0008】
ところが、可燃性の高いメタノール等の燃料を収容する容器は、耐圧性及び耐衝撃性を高くする必要性があるために、柔らかい樹脂ではなく、固くて頑丈な樹脂を材料として使用するのが一般的である。その結果、子供や高齢者が、そのような容器を指で押圧するのは困難な場合がある。また、頑丈な樹脂製の容器を指で押圧して供給できる一回あたりの燃料量は僅かである。このため、電力の消費量が比較的に大きく、燃料消費量が多い機器では、燃料供給操作が非常に煩雑となる。
【0009】
そこで、本発明は、燃料電池を有する機器に、簡易に液体燃料を供給し得る、燃料供給装置、それを構成する燃料カートリッジ、並びに機器と燃料カートリッジとを接続するジョイントを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一局面は、液体燃料を使用する燃料電池を有する機器に前記液体燃料を供給する燃料供給装置であって、
前記液体燃料があらかじめ充填されるとともに、前記機器に着脱可能に構成された燃料タンクと、
前記燃料タンクと前記機器とを接続するジョイントと、を備え、
前記ジョイントが、
外管及び内管を含む二重構造の管路を有し、
前記外管及び前記内管の一方が、重力により前記燃料タンク内の前記液体燃料を前記機器に流入させる流路を形成し、他方が、前記燃料タンクに、前記液体燃料と代替させる流体を自発的に流入させる流路を形成する、燃料供給装置に関する。
【0011】
本発明の他の局面は、液体燃料を使用する燃料電池を有する機器に着脱可能に構成された燃料カートリッジであって、
前記液体燃料を収容するタンクと、
前記タンクを前記機器と接続する第1コネクタ及び第2コネクタを含むジョイント用の第1コネクタとを具備し、
前記ジョイントが、
外管及び内管を含む二重構造の管路を有し、
前記外管及び前記内管の一方が、重力により前記燃料カートリッジ内の前記液体燃料を前記機器に流入させる流路を形成し、他方が、前記燃料カートリッジに、前記液体燃料と代替させる流体を自発的に流入させる流路を形成する、燃料カートリッジに関する。
【0012】
本発明のさらに他の局面は、液体燃料を使用する燃料電池を有する機器と、前記液体燃料があらかじめ充填される燃料カートリッジとを接続するジョイントであって、
外管及び内管を含む二重構造の管路を有し、
前記外管及び前記内管の一方が、重力により前記燃料カートリッジ内の前記液体燃料を前記機器に流入させる流路を形成し、他方が、前記燃料カートリッジに、前記液体燃料と代替させる流体を自発的に流入させる流路を形成する、ジョイントに関する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、燃料電池を使用した発電装置に、簡易に液体燃料を供給することができる。
【0014】
本発明の新規な特徴を添付の請求の範囲に記述するが、本発明は、構成及び内容の両方に関し、本発明の他の目的及び特徴と併せ、図面を照合した以下の詳細な説明によりさらによく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態に係る燃料供給装置の概略断面図である。
【図2】燃料供給装置に含まれるジョイントの一方のコネクタの概略断面図である。
【図3】ジョイントの他方のコネクタの概略断面図である。
【図4】一対のコネクタを結合した状態の概略断面図である。
【図5】燃料電池の一例の単セルの構造を概念的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、液体燃料を使用する燃料電池を有する機器に、液体燃料を供給する燃料供給装置に関する。この燃料供給装置は、液体燃料があらかじめ充填されるとともに、上記機器に着脱可能な燃料タンクと、燃料タンクと機器とを接続するジョイントとを備える。ジョイントは、外管及び内管を含む二重構造の管路を有する。
【0017】
外管及び内管の一方は、重力により燃料タンク内の液体燃料を機器に流入させる流路を形成する。他方は、燃料タンクに、液体燃料と代替させる流体を自発的に流入させる流路を形成する。
【0018】
特に小型機器では、燃料タンク(例えば燃料カートリッジ)と機器側の内蔵タンク等とを接続するジョイントは、燃料タンクからの燃料の漏出を抑えるためにも、径が小さくなる傾向がある。ジョイントの径が小さくなると、燃料の流路の径も小さくなるために、その流路が燃料だけで占有される。その結果、燃料タンク内の燃料と機器の内蔵タンク内の空気とを入れ替えながら、燃料を、燃料タンクから内蔵タンクに注入することは困難である。このため、従来、この種の燃料タンクは、その容器を指で挟んで押圧するような態様で、機器側の内蔵タンクに燃料を注入している。
【0019】
本装置では、上記ジョイントに、外管及び内管を含む二重構造の管路を設けることで、燃料の流路とは独立した代替流体の流路をジョイントに設けている。これにより、例えジョイントのサイズが小さい場合にも、燃料タンク内の液体燃料と空気等とを入れ替えながら、燃料をスムーズに供給することが可能となる。よって、燃料タンクを、燃料電池を含む機器に上記ジョイントで接続するだけで、燃料を重力により連続的に上記機器に供給することが可能となる。
【0020】
その結果、燃料供給操作を簡易にすることができ、ユーザーにとっての利便性が向上する。特に、電力消費量が比較的に大きく、その結果、燃料消費量が多くなる機器ではユーザーにとっての利便性は顕著に向上する。さらに、燃料を自発的に機器側に流入させるためにジョイントのサイズを大きくする必要性がないので、ジョイント、燃料タンク(例えば燃料カートリッジ)、及び燃料供給装置の小型化が容易となる。よって、それを有する機器の小型化が容易となる。
【0021】
なお、中型または大型の機器であっても、ジョイントに、燃料流路とは独立した代替流体流路を設けることで、燃料の供給をスムーズにすることができる。よって、本発明は、中型機器及び大型機器の燃料供給装置にも好適に適用することができる。中型機器及び大型機器の例としては、ホームユースの発電装置、またはそれ以上の能力を有する発電装置、工事用発電機、電動スクーター及び電動シニアカーを挙げることができる。一方、小型機器の例としては、ノートパソコン、及びワイヤレススピーカーを挙げることができる。
【0022】
ここで、液体燃料の流路は外管と内管との間の空間とし、代替流体の流路は内管内の空間とするのが好ましい。これにより、空気等の代替流体よりも粘性が高い液体燃料の流路の流路面積を容易に大きくすることができる。よって、燃料の供給をスムーズにすることができる。
【0023】
このとき、外管の最小の内径は5〜15mmとするのが好ましい。外管の最小の内径を15mm以下とすることで、ジョイントが大型化するのを防止することができる。よって、燃料供給装置を小型化することが容易となり、それを含む機器を小型化することも容易となる。一方、外管の最小の内径を5mm以上とすることで、燃料のスムーズな供給が確保される。また、内管の最小の内径は2〜4mmであるのが好ましい。
【0024】
外管の最小の内径のより好ましい範囲は、5〜10mmである。外管の最小の内径がこのような範囲であれば、ジョイントに二重構造の管路を特に設けない限り、重力だけで燃料をスムーズに機器に供給することは困難である。よって、外管の内径が上記範囲であるときに本発明の効果はより顕著となる。
【0025】
さらに、本装置は、上記ジョイントが、燃料タンク側の第1コネクタと、機器側の第2コネクタとを有している。そして、第1コネクタと第2コネクタとを結合することで、燃料タンクと機器とが接続される。
【0026】
さらに、燃料管路及び代替流体管路は、第1コネクタと第2コネクタとの間で分割可能である。換言すれば、第1コネクタ及び第2コネクタは、それぞれが、燃料管路及び代替流体管路を有している。そして、第1コネクタ側の燃料管路及び代替流体管路と、第2コネクタ側の燃料管路及び代替流体管路とをそれぞれ繋ぎ合わせることで、燃料管路及び代替流体管路が完成される。
【0027】
ここで、代替流体管路の外径と燃料管路の内径との最小の差異は、1〜5mmであるのが好ましい。上記最小の差異を5mm以下とすることで、ジョイントを小型化することが容易となり、燃料供給装置及び機器の小型化も容易となる。一方、上記差異を1mm以上とすることで、燃料のスムーズな供給を確保することができる。
【0028】
ここで、燃料タンク側の第1コネクタと、機器側の第2コネクタとを結合していないときに、燃料タンク内の燃料が第1コネクタから漏れることを防止する機構等が必要となる。そのような機構として、第1コネクタの内管の管壁を、外管の管壁に対して軸方向に移動可能に設けるとともに、その管壁の移動により第1コネクタの外管を開閉する第1弁機構を備えさせるのが好ましい。
【0029】
そのような第1弁機構は、より具体的には、外管の一方の先端部に弁孔を設け、内管の管壁に弁孔を塞ぐ弁体を設け、弁体を上記弁孔の開口に向けて付勢する付勢手段(弾性体)を設けることで実現することができる。第1コネクタと第2コネクタとが結合されていない状態では、付勢手段の付勢力により弁体が弁孔の開口に押し付けられて弁孔が閉塞される。これにより、外管が閉塞される。一方、第1コネクタと第2コネクタとが結合された状態では、内管の管壁が第2コネクタ側の所定部材(例えば第2コネクタ側の内管の管壁)と当接することにより、付勢手段の付勢力に抗して、弁体が弁孔の開口から離れるように内管の管壁を移動させる。これにより、外管が開通される。
【0030】
以上のことに対応して、第2コネクタの内管の管壁を、外管の管壁に対して軸方向に移動可能に設けるとともに、その管壁の移動により第2コネクタの外管を開閉する第2弁機構を備えさせるのも好ましい。
【0031】
さらに、本装置では、液体燃料の流路が外管と内管との間の空間であり、代替流体の流路が内管内の空間であり、第1コネクタと第2コネクタとを結合したときに、第2コネクタで、内管の入口部が外管の出口部から突出しているのが好ましい。機器側のコネクタである第2コネクタの内管の入口部の位置は、燃料タンクへの押圧力によらずに燃料が注入される、機器側の内蔵タンク等の燃料の最高液位と等しくなる。よって、第2コネクタの内管の入口部の位置を第2コネクタの外管の出口部から突出させることにより、内蔵タンクに空気孔を設けたような場合に、その空気孔から燃料が漏れないように液位を設定することが容易となる。
【0032】
さらに、本発明は、液体燃料を使用する燃料電池を有する機器に着脱可能に構成された燃料カートリッジに関する。本燃料カートリッジは、液体燃料を収容するタンクと、そのタンクを上記機器と接続する第1コネクタ及び第2コネクタを含むジョイント用の第1コネクタとを具備する。ジョイントは、外管及び内管を含む二重構造の流路を有する。外管及び内管の一方は、重力により燃料カートリッジ内の液体燃料を機器に流入させる流路を形成する。他方は、燃料カートリッジに、液体燃料と代替させる流体を自発的に流入させる流路を形成する。
【0033】
さらに、本発明は、液体燃料を使用する燃料電池を有する機器と、前記液体燃料があらかじめ充填される燃料カートリッジとを接続するジョイントに関する。本ジョイントは、外管及び内管を含む二重構造の流路を有する。外管及び内管の一方は、重力により燃料カートリッジ内の液体燃料を機器に流入させる流路を形成する。他方は、燃料カートリッジに、液体燃料と代替させる流体を自発的に流入させる流路を形成する。
【0034】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料供給装置の概略断面図である。図2は、その燃料供給装置に含まれる、一対のコネクタを有するジョイントの一方のコネクタの概略断面図である。図3は、他方のコネクタの概略断面図である。図4は、一対のコネクタを結合した状態のジョイントの概略断面図である。図5は、燃料電池を構成する単セルの構造を抽象化した断面図である。
【0035】
図1に示すように、燃料供給装置1は、液体燃料があらかじめ充填される燃料カートリッジ2と、機器側の内蔵タンク4とを接続するためのジョイント6とを具備する。ジョイント6は、燃料カートリッジ2側のコネクタ8と、機器側のコネクタ10とを含む。内蔵タンク4の下部には、図示しない燃料ポンプと接続された、燃料電池に燃料を供給するための燃料供給管4aが開口している。
【0036】
図2に示すように、燃料カートリッジ2側のコネクタ8は、燃料カートリッジ2内の液体燃料を重力により内蔵タンク4に流入させる外管12と、代替流体としての空気を内蔵タンク4から燃料カートリッジ2に自発的に流入させる内管14とを有する。外管12及び内管14は、円筒状であり、互いに同軸に配置されている。そして、内管14は、外管12の軸方向に移動可能な状態で、下端部を含めた一部分が外管12の内部に挿入されている。
【0037】
外管12及び内管14の管壁には樹脂成形品を使用するのが軽量化のために好ましい。特に、液体燃料に対する耐薬品性が優れた樹脂材料が望ましい。燃料がメタノールであれば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)等が好ましい。
【0038】
外管12は、弁収納部12a、バネ止め部12b、及び弁孔部12cを含む。弁収納部12aは、外管12を開閉するための弁機構16を収納する大径部である。バネ止め部12bは、弁収納部12aと隣接して、その燃料カートリッジ2側(図の上側)に配置された小径部である。弁孔部12cは、弁収納部12aと隣接して、バネ止め部12bとは反対側(コネクタ8の先端側)に配置された小径部である。例えば弁孔部12cの内径が、外管12の最小の内径である。弁収納部12aと、バネ止め部12b及び弁孔部12cとの境界には、それぞれ、管壁の内周面に段差があり、それらの境界には、外管12の軸方向に垂直な、環状の端面12d及び12eが形成されている。
【0039】
さらに、外管12の管壁の外周には、断面が角形で環状の突部12fが形成されている。コネクタ8は、その先端部を機器側のコネクタ10に差し込むことによりコネクタ10と結合される。突部12fは、コネクタ8のコネクタ10への差し込み深さを規定するものであり、外管12の先端から所定距離の位置に設けられている。
【0040】
弁機構16は、内管14の外周に環状に形成された、断面が角形の突部14aと、Oリング(オーリング)等からなるパッキン18と、弦巻バネ等からなる弾性体20とを含む。パッキン18は、突部14aの弁孔部12c側の面と接触するように、内管14の外周に嵌められている。
【0041】
弾性体20は、内管14を、コネクタ8の先端側に向かって付勢するように、弁収納部12aの内部に配設されている。より具体的には、弾性体20の伸縮方向の一端部は、突部14aのパッキン18が接触する面とは反対側の面と当接し、弾性体20の他端部は、バネ止め部12bと弁収納部12aとの境界の端面12dと当接している。
【0042】
内管14が弾性体20によりコネクタ8の先端部に向かって付勢されることで、パッキン18が、弁孔部12cと弁収納部12aとの境界の端面12eと当接する。これにより外管12の先端が閉じられる。一方、内管14の先端部(弁孔部14d)は、コネクタ8がコネクタ10と結合されたときに、後掲のコネクタ10の内管32の先端部と当接する。これにより、内管14は、弾性体20の付勢力に抗して、パッキン18が端面12eから離れるように移動する。その結果、外管12が開通する。
【0043】
次に、図2を参照して、内管14を説明する。内管14もまた、弁収納部14b、バネ止め部14c、及び弁孔部14dを含む。弁収納部14bは、内管14を開閉するための弁機構22を収納する大径部である。バネ止め部14cは、弁収納部14bと隣接して、その燃料カートリッジ2側に配置された小径部である。弁孔部14dは、弁収納部14bと隣接して、コネクタ8の先端側に配置された小径部である。
【0044】
例えば弁孔部14dの内径が、内管14の最小の内径である。弁孔部12cの内径と弁孔部14dの外径との差異が外管の内径と内管の外径との最小の差異である。弁収納部14bと、バネ止め部14c及び弁孔部14dとの境界には、それぞれ、管壁の内周面に段差があり、それらの境界には、コネクタ8の軸方向に垂直な、環状の端面14e及び14fが形成されている。
【0045】
さらに、バネ止め部14cからは、代替流体を燃料カートリッジ2内の燃料液位よりも上の部分に導く導管14gが延設されている(図1参照)。導管14gの開口端部は気液分離膜14iで覆うことができる。気液分離膜14iには撥水性材料が好ましく用いられる。
【0046】
このような膜には、気体を通過させ、かつ液体を通過させない性質があるために、液体燃料Fが導管14gの内部に侵入してしまい、導管14gが液体燃料Fにより閉塞されるのを防止することができる。これにより、内蔵タンク4内の代替流体(例えば空気)を燃料カートリッジ2の内部にスムーズに導入することができる。気液分離膜14iには、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の粒子を溶着によりシート状に形成した材料を使用することができる。
【0047】
さらに、内蔵タンク4の上部に代替流体導入孔(空気孔)5を設けるとともに、その孔5を気液分離膜7で覆うことで、空気孔5から燃料Fが漏れるのを防止しつつ、内蔵タンク4の内圧を常に大気圧に保持することができる。よって、重力による液体燃料Fの供給をスムーズに行わせることができる。なお、気液分離膜7には、気液分離膜14iと同様の材料を使用することができる。
【0048】
弁機構22は、外管12と軸方向が一致するように外管12の内部に配置された弁棒24と、例えばOリングであるパッキン26と、例えば弦巻バネである弾性体28とを含む。弁棒24は、バネ止め部14cに挿入される小径部24a、弁孔部14dに挿入される小径部24b、及び小径部24aと小径部24bとの間の大径部24cを含む。大径部24cの小径部24b側の端部の外周には、断面が角形で環状の突部24dが形成されている。パッキン26は、突部24dと接触するように、小径部24bの外周に嵌められている。
【0049】
弾性体28は、弁棒24をコネクタ8の先端側に向かって付勢するように、弁収納部14bの内部に配置されている。より具体的には、弾性体28の伸縮方向の一端部は、突部24dのパッキン26と接触する面とは反対側の面と当接し、他端部は、弁収納部14bとバネ止め部14cとの境界の端面14eと当接している。
【0050】
弁棒24が弾性体28により弁孔部14dに向かって付勢されることで、パッキン26が、弁孔部14dと弁収納部14bとの境界の端面14fと当接し、弁孔部14dを閉塞する。これにより内管14が閉じられる。一方、弁棒24の小径部24bは、コネクタ8がコネクタ10と結合されたときに、コネクタ10の弁棒46の先端部(小径部46a)と当接する。これにより、弁棒24は、弾性体28の付勢力に抗して、パッキン26が端面14fから離れるように移動する。その結果、内管14が開通する。
【0051】
次に、図3を参照して、機器側のコネクタ10を説明する。コネクタ10も、コネクタ8と同様に、燃料カートリッジ2内の液体燃料を内蔵タンク4に流入させる外管30と、代替流体としての空気を内蔵タンク4から燃料カートリッジ2に流入させる内管32とを有する。外管30及び内管32は、円筒状であり、互いに同軸に配置されている。そして、内管32は、外管30の軸方向に移動可能な状態で外管30の内部に挿入されている。
【0052】
さらに、コネクタ10は、コネクタ8の先端部と嵌合する嵌合部3を有する。嵌合部3は外管30と連続的に形成された、内径の大きい筒状部である。嵌合部3の先端部3aが、コネクタ8の突部12fと当接することにより、コネクタ8の嵌合部3への差し込み深さが規定される。
【0053】
外管30は、弁収納部30a、バネ止め部30b、弁孔部30c、及びガスケット収納部30dを含む。弁収納部30aは、外管30を開閉するための弁機構34を収納する大径部である。バネ止め部30bは、弁収納部30aと隣接して、機器側(図の下側)に配置された小径部である。弁孔部30cは、弁収納部30aと隣接して、バネ止め部30bとは反対側(図の上側、コネクタ10の先端側)に配置された小径部である。ガスケット収納部30dは、弁孔部30cと隣接してコネクタ10の先端側に配置された大径部である。
【0054】
弁収納部30aと、バネ止め部30b及び弁孔部30cとの境界には、それぞれ、管壁の内周面に段差があり、それらの境界には、コネクタ10の軸方向に垂直な、環状の端面30e及び30fが形成されている。さらに、弁孔部30cとガスケット収納部30dとの境界には管壁の内周面に段差があり、その境界には、コネクタ10の軸方向に垂直な、環状の端面30gが形成されている。
【0055】
ガスケット収納部30dには、蛇腹状(アコーディオン状)に伸縮する円筒状のガスケット36が配置されている。ガスケット36は、その軸方向が外管30の軸方向と略平行となるように配置される。そして、その一端部は、弁孔部30cとガスケット収納部30dとの境界の端面30gと当接している。ガスケット36の内部には、内管32の一部分が挿入されている。
【0056】
弁機構34は、内管32の外周に環状に形成された、断面が角形の突部32aと、パッキン38と、弾性体40とを含む。パッキン38は、突部32aの弁孔部30c側の面と接触するように、内管32の外周に嵌められている。
【0057】
弾性体40は、内管32を、コネクタ10の先端側に向かって付勢するように、弁収納部30aの内部に配設されている。より具体的には、弾性体40の伸縮方向の一端部は、突部32aのパッキン38が接触する面とは反対側の面と当接し、弾性体40の他端部は、バネ止め部30bと弁収納部30aとの境界の端面30fと当接している。
【0058】
内管32が弾性体40により弁孔部30cに向かって付勢されることで、パッキン38が、弁孔部30cと弁収納部30aとの境界の端面30eと当接し、弁孔部30cを閉塞する。これにより外管30が閉じられる。一方、内管32が、弾性体40の付勢力に抗して、パッキン38が端面30eと離れるように移動することで、外管30が開通する。
【0059】
さらに、弁収納部30aとバネ止め部30bとの境界の端面30fは、内管32が弾性体40の付勢力に抗して移動したときに内管32の管壁と当接して、内管32のそれ以上の移動を阻止するストッパーとしての機能も有している。内管32が端面30fと当接した状態では外管30が閉塞される(図4参照)。このため、バネ止め部30bの管壁には、その管壁を外管30の軸方向と平行に貫通する複数の貫通孔30hが穿設されている。液体燃料Fは、これらの貫通孔30hを通して流れる。
【0060】
なお、弁収納部30aの管壁の内周部の適宜位置に、パッキン38が端面30eから離れる方向に内管32が移動したときに突部32aと当接する図示しない当接部を突設することで、内管32の管壁が端面30fと当接しないように構成することも可能である。この場合には、外管30に貫通孔30hを形成することなく、バネ止め部30bを通して液体燃料Fを流通させることができる。
【0061】
次に、内管32を説明する。内管32は、弁収納部32b、バネ止め部32c、弁孔部32d、及びガスケット収納部32eを含む。弁収納部32bは、内管32を開閉するための弁機構42を収納する大径部である。バネ止め部32cは、弁収納部32bと隣接して、機器側(図の下側)に配置された小径部である。弁孔部32dは、弁収納部32bと隣接して、バネ止め部32cとは反対側(図の上側、コネクタ10の先端側)に配置された小径部である。ガスケット収納部32eは、弁孔部32dと隣接してコネクタ10の先端側に配置された大径部である。
【0062】
弁収納部32bと、バネ止め部32c及び弁孔部32dとの境界には、それぞれ、管壁の内周面に段差があり、それらの境界には、コネクタ10の軸方向に垂直な、環状の端面32f及び32gが形成されている。さらに、弁孔部32dとガスケット収納部32eとの境界には管壁の内周面に段差があり、その境界には、コネクタ10の軸方向に垂直な、環状の端面32iが形成されている。
【0063】
ガスケット収納部32eには、蛇腹状(アコーディオン状)に伸縮する円筒状のガスケット44が配置されている。ガスケット44は、その軸方向が内管32の軸方向と略平行であり、その一端部は、弁孔部32dとガスケット収納部32eとの境界の端面32iと当接している。
【0064】
弁機構42は、内管32と軸方向が一致するように内管32の内部に配置された弁棒46と、パッキン48と、弾性体50とを含む。弁棒46は、バネ止め部32cに挿入される小径部46a、弁孔部32dに挿入される小径部46b、並びに小径部46aと小径部46bとの間の大径部46cを含む。大径部46cの小径部46b側の端部の外周には、断面が角形で環状の突部46dが形成されている。パッキン48は、突部46dと接触するように、小径部46bの外周に嵌められている。
【0065】
弾性体50は、弁棒46をコネクタ10の先端側に向かって付勢するように、弁収納部32bの内部に配設されている。より具体的には、弾性体50の伸縮方向の一端部は、突部46dのパッキン48と接触する面とは反対側の面と当接し、他端部は、弁収納部32bとバネ止め部32cとの境界の端面32fと当接している。
【0066】
弁棒46が弾性体50により弁孔部32dに向かって付勢されることで、パッキン50が、弁孔部32dと弁収納部32bとの境界の端面32gと当接し、弁孔部32dを閉塞する。これにより内管32が閉じられる。一方、弁棒46の小径部46bは、コネクタ10がコネクタ8と結合されたときに、コネクタ8の弁棒24の先端部(小径部24b)と当接する。これにより、弁棒46は、弾性体50の付勢力に抗して、パッキン48が端面32gから離れるように移動する。その結果、内管32が開通する。
【0067】
以上の弾性体20、28、40及び50の弾性力は、弾性体20が弾性体40よりも大きく、弾性体28が弾性体50よりも大きくするのが好ましい。このように、各弾性体の弾性力を設定することにより、コネクタを結合したときに最初に機器側の弁機構(34及び42)が開となり、続いて、燃料カートリッジ2側の弁機構(16及び22)が開となる。これにより、燃料カートリッジ2を機器に装着するときに、燃料が外部に漏出するのを防止することができる。一方、燃料カートリッジ2を機器から取り外すときにも最初に燃料カートリッジ2側の弁機構(16及び22)が閉じられるので、これにより燃料の漏出が防止される。
【0068】
なお、パッキン及びガスケットには、各種ゴムやエラストマー等の弾性材料を好適に使用することができる。弁棒及び弾性体(弦巻バネ)には金属材料を好適に使用することができる。しかしながら、いずれの材料も燃料(メタノール)に対する耐薬品性が良好で、残渣や金属カチオンなどが燃料との接触により溶出しない材料を選定するのが望ましい。
【0069】
図4に、各コネクタを互いに結合した状態を示す。この状態では、コネクタ8の先端部が、コネクタ10の嵌合部3と嵌合している。このとき、内管14及び32が互いに当接し、これにより、内管14及び32が、それぞれ、弾性体20及び40の付勢力に抗して軸方向に移動している。その結果、外管12と外管30とが連通した状態となっている。
【0070】
一方、弁棒24及び46が互いに当接し、それぞれ、弾性体28及び50の付勢力に抗して軸方向に移動している。その結果、内管14と内管32とが連通した状態となっている。
【0071】
このとき、ガスケット36の端部が外管12の先端部と当接し、燃料が外部に漏れるのを防止している。また、ガスケット44の端部が内管14の先端部と当接し、代替流体が外部に漏れるのを防止している。
【0072】
燃料カートリッジ2から内蔵タンク4への液体燃料Fの供給が進み、内蔵タンク4内の燃料液位FL(図1参照)が内管32のバネ止め部32c(図3参照)の端部に達すると、内管32が塞がれ、代替流体の内蔵タンク4から燃料カートリッジ2への流入が止まる。その結果、重力による液体燃料Fの供給が自動的にストップする。
【0073】
内蔵タンク4内の液体燃料Fは、燃料供給管4aと接続された、図示しない燃料ポンプにより内蔵タンク4から吸引され、燃料電池の発電のために消費される。燃料の消費により燃料液位FLが下がると、内管32が再び開通し、代替流体の燃料カートリッジ2の内部への流入が再開されて、重力による液体燃料の供給が自動的に再開される。
【0074】
次に、図5を参照して、燃料電池の一例を説明する。直接メタノール型燃料電池等の直接酸化型燃料電池は、通常、板状ないしはシート状の単セルを積層した構造を有している。単セルを積層したものをセルスタックという。なお、単セルは、それ自体が1つの燃料電池である。そして、燃料電池を1つの単セルだけから構成することも可能である。
【0075】
単セル52は、起電部である膜−電極接合体(MEA)54を含む。MEA54は、電解質膜56の一方の面にシート状のアノード58を接合し、電解質膜56の他方の面にシート状のカソード60を接合した層状構造を有している。
【0076】
アノード58は、アノード拡散層62、アノード微多孔層(MPL)64、及びアノード触媒層66を含む。アノード触媒層66が、電解質膜56と接触しており、アノードMPL64は、アノード触媒層66の上に積層されている。アノード拡散層62は、アノードMPL64の上に積層されている。
【0077】
同様に、カソード60は、カソード拡散層68、カソード微多孔層(MPL)70、及びカソード触媒層72を含む。カソード触媒層72が、電解質膜56と接触しており、カソードMPL70は、カソード触媒層72の上に積層されている。カソード拡散層68は、カソードMPL70の上に積層されている。
【0078】
燃料電池が複数の単セル52を積層したセルスタックである場合には、各単セル52のMEA54は、導体からなる板状のセパレータ74を間に挟んで積み重ねられる。セパレータ74のアノード拡散層62と接触する面には、アノード58に燃料を供給するための燃料供給路76が形成されている。一方、セパレータ74のカソード拡散層68と接触する面には、カソード60に酸化剤を供給するための酸化剤供給路78が形成されている。各供給路76及び78は、例えば、セパレータ74のそれぞれの面に溝を設けて形成することができる。
【0079】
さらに、セルスタックにおける単セル52の積層方向の両端部のうち、アノード58が積層方向の外側に位置している端部には、燃料供給路76だけが1つの面に形成されたセパレータ74を、その面をアノード58と接触させるように配置することができる。燃料電池の負極端子は、そのセパレータ74と電気的に接続される。
【0080】
一方、カソード60が積層方向の外側に位置している端部には、酸化剤供給路78だけが1つの面に形成されたセパレータ74を、その面をカソード60と接触させるように配置することができる。燃料電池の正極端子は、そのセパレータ74と電気的に接続される。セルスタックにおける単セル52の積層方向の両端部の各セパレータ74のさらに外側には、図示しないエンドプレートを配置することができる。
【0081】
さらに、燃料電池が1つの単セル52だけを含む場合には、燃料供給路76だけが1つの面に形成されたセパレータ74を、その面をアノード58と接触させるように配置することができる。同様に、酸化剤供給路78だけが1つの面に形成されたセパレータ74を、その面をカソード60と接触させるように配置することができる。それらのセパレータ74のさらに外側には、図示しないエンドプレートを配置することができる。
【0082】
アノード58には、燃料供給路76により燃料であるメタノールを含む水溶液が供給され、カソード60には、酸化剤供給路78により酸化剤である酸素を含む空気が供給される。アノード58に供給されたメタノール水溶液に由来するメタノール及び水蒸気はアノード拡散層62で、その面方向に拡散され、アノードMPL64を通してアノード触媒層66に供給される。同様に、カソード60に供給された、酸素を含む空気は、カソード拡散層68で、その面方向に拡散され、カソードMPL70を通してカソード触媒層72に供給される。
【0083】
以上、説明したとおり、本実施形態の燃料供給装置によれば、燃料カートリッジを機器側の内蔵タンクに接続するだけで、重力により連続的に燃料供給がなされる。そして、機器側の内蔵タンクの燃料液位が所定の位置まで上昇すれば自動的に燃料供給がストップされる。そして、燃料消費に伴い燃料液位が下がれば自動的に燃料供給が再開される。このため、燃料カートリッジを手で押圧することなく、連続的な燃料供給ができる。よって、ユーザーにとっての利便性が飛躍的に向上する。
【産業上の利用可能性】
【0084】
本発明にかかる、燃料供給装置は燃料カートリッジへの手での押圧が不要で、重力による連続的な燃料供給ができるのでユーザーにとっての利便性が良好である。よって、燃料電池の燃料消費量が比較的多くなる機器であっても、長時間連続して運転することが可能となる。
【0085】
本発明を現時点での好ましい実施態様に関して説明したが、そのような開示を限定的に解釈してはならない。種々の変形及び改変は、上記開示を読むことによって本発明に属する技術分野における当業者には間違いなく明らかになるであろう。したがって、添付の請求の範囲は、本発明の真の精神及び範囲から逸脱することなく、すべての変形及び改変を包含する、と解釈されるべきものである。
【符号の説明】
【0086】
1…燃料供給装置、
2…燃料カートリッジ、
4…内蔵タンク、
6…ジョイント、
8、10…コネクタ、
12、30…外管、
14、32…内管、
16、22、34、42…弁機構、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体燃料を使用する燃料電池を有する機器に前記液体燃料を供給する燃料供給装置であって、
前記液体燃料があらかじめ充填されるとともに、前記機器に着脱可能に構成された燃料タンクと、
前記燃料タンクと前記機器とを接続するジョイントと、を備え、
前記ジョイントが、
外管及び内管を含む二重構造の管路を有し、
前記外管及び前記内管の一方が、重力により前記燃料タンク内の前記液体燃料を前記機器に流入させる流路を形成し、他方が、前記燃料タンクに、前記液体燃料と代替させる流体を自発的に流入させる流路を形成する、燃料供給装置。
【請求項2】
前記外管が前記液体燃料の流路を形成し、前記内管が、前記代替流体の流路を形成する、請求項1記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記外管の最小の内径が5〜15mmであり、
前記内管の最小の内径が2〜4mmである、請求項1または2記載の燃料供給装置。
【請求項4】
前記ジョイントが、前記燃料タンク側の第1コネクタと、前記機器側の第2コネクタとを有し、
前記外管及び前記内管が、それぞれ、前記第1コネクタと前記第2コネクタとの間で分割可能である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項5】
前記外管の内径と前記内管の外径との最小の差異が、1〜5mmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項6】
前記内管の管壁が、前記第1コネクタで、前記外管の管壁に対して軸方向に移動可能に設けられるとともに、
前記第1コネクタでの前記内管の管壁の移動により前記第1コネクタで前記外管の流路を開閉する第1弁機構を備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項7】
前記内管の管壁が、前記第2コネクタで、前記外管の管壁に対して軸方向に移動可能に設けられるとともに、
前記第2コネクタでの前記内管の管壁の移動により前記第2コネクタで前記外管の流路を開閉する第2弁機構を備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項8】
前記第1コネクタと第2コネクタとを結合したときに、前記第2コネクタで、前記内管の入口部が前記外管の出口部から突出している、請求項2〜7のいずれか1項に記載の燃料供給装置。
【請求項9】
液体燃料を使用する燃料電池を有する機器に着脱可能に構成された燃料カートリッジであって、
前記液体燃料を収容するタンクと、
前記タンクを前記機器と接続する第1コネクタ及び第2コネクタを含むジョイント用の第1コネクタとを具備し、
前記ジョイントが、
外管及び内管を含む二重構造の管路を有し、
前記外管及び前記内管の一方が、重力により前記燃料カートリッジ内の前記液体燃料を前記機器に流入させる流路を形成し、他方が、前記燃料カートリッジに、前記液体燃料と代替させる流体を自発的に流入させる流路を形成する、燃料カートリッジ。
【請求項10】
液体燃料を使用する燃料電池を有する機器と、前記液体燃料があらかじめ充填される燃料カートリッジとを接続するジョイントであって、
外管及び内管を含む二重構造の管路を有し、
前記外管及び前記内管の一方が、重力により前記燃料カートリッジ内の前記液体燃料を前記機器に流入させる流路を形成し、他方が、前記燃料カートリッジに、前記液体燃料と代替させる流体を自発的に流入させる流路を形成する、ジョイント。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−119279(P2012−119279A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−270817(P2010−270817)
【出願日】平成22年12月3日(2010.12.3)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】