説明

燃料供給装置

【課題】汎用性の向上と異音の低減とを両立させる燃料供給装置を提供すること。
【解決手段】燃料タンク2に装着されるフランジ10と、燃料タンク2内に配置されて燃料タンク2外へ向かって燃料を吐出するポンプユニット50とが、支柱41を介して連結されてなる燃料供給装置1であって、筒状の支柱41に収容され、支柱41に対して軸方向に相対移動可能なポンプユニット50を燃料タンク2の底部2cへ向かって押圧するように、当該軸方向の復原力を発生する弾性部材43を、備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料タンク内の燃料を燃料タンク外へ供給する燃料供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料タンクに装着されるフランジと、燃料タンク内に配置されて燃料タンク外へ向かって燃料を吐出するポンプユニットとを、支柱を介して連結してなる燃料供給装置が、知られている。
【0003】
このような燃料供給装置の一種として特許文献1には、支柱に対して軸方向に相対移動可能なポンプユニットを燃料タンクの底部へ向かって押圧するように、当該軸方向に復原力を発生する弾性部材を備えた装置が、開示されている。こうした弾性部材の採用によれば、支柱に対してポンプユニットが復原力の作用側に相対移動することで、燃料タンクの底部に対するポンプユニットの配置位置が燃料タンクの仕様や製造公差、変形等によらず安定するので、汎用性が向上するのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−248801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、特許文献1に開示の燃料供給装置では、ポンプユニットを押圧するための弾性部材が、燃料タンク内において露出している。そのため、例えば燃料タンクの変形によりポンプユニットが支柱に対して相対移動する場合には、燃料タンク内において弾性部材が燃料供給装置の他の要素(例えばポンプユニットに電力を供給する配線、ポンプユニットからの吐出燃料を燃料タンク外へ搬送するチューブ等)と干渉するおそれがある。こうした干渉は、弾性部材と他要素との衝突による異音の発生を惹起するので、好ましくない。
【0006】
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、汎用性の向上と異音の低減とを両立させる燃料供給装置を、提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、燃料タンクに装着されるフランジと、燃料タンク内に配置されて燃料タンク外へ向かって燃料を吐出するポンプユニットとが、支柱を介して連結されてなる燃料供給装置であって、筒状の支柱に収容され、支柱に対して軸方向に相対移動可能なポンプユニットを燃料タンクの底部へ向かって押圧するように、当該軸方向の復原力を発生する弾性部材を、備える。
【0008】
このような燃料供給装置において、支柱軸方向の復原力を弾性部材が発生することによれば、支柱に対してポンプユニットが、当該復原力の作用側となる燃料タンクの底部側へ移動し得る。こうした移動により、燃料タンクの底部に対するポンプユニットの配置位置が燃料タンクの仕様や製造公差、変形等によらず安定するので、汎用性が向上する。しかも弾性部材は、筒状の支柱に収容されて覆われることにより燃料タンク内での露出を規制されるので、弾性部材と燃料供給装置の他要素とが干渉することにより発生する異音の低減を、汎用性の向上と両立して達成可能となる。
【0009】
請求項2に記載の発明によると、支柱と一体に設けられ、弾性部材としてのコイルスプリングよりも上方箇所から突出して当該コイルスプリングを軸方向に沿って支持する支持部を、有する。
【0010】
このような燃料供給装置において弾性部材としてのコイルスプリングは、それの上方箇所から突出する支持部により軸方向に沿って支持されるので、当該支持部と一体の支柱に対してポンプユニットが相対移動することによる弾性変形時には、座屈し難い。これによれば、支柱が弾性部材として収容するコイルスプリングとの干渉に起因した異音についても、低減可能となる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、ポンプユニットを保持する保持部材を、さらに備え、保持部材は、支柱を同軸方向にスライド移動可能に収容する筒状の収容部を、有し、支柱に収容される弾性部材の復原力が、収容部に作用する。
【0012】
このような燃料供給装置では、ポンプユニットを保持する保持部材は、支柱を収容する収容部において弾性部材からの復原力作用を受けることで、当該ポンプユニットを燃料タンクの底部へ向かって押圧できる。これによれば、弾性部材を収容する支柱を収容部により覆って燃料タンク内での弾性部材の露出を確実に規制しつつ、収容部に対する支柱の同軸方向のスライド移動によって燃料タンク底部に対するポンプユニットの配置位置を安定させ得る。したがって、異音の低減と汎用性の向上との双方に貢献可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明によると、支柱において下端部よりも上方に設けられ、有底筒状の収容部の底部と対向して当該底部との間に弾性部材が配置される対向部を、有する。
【0014】
このような燃料供給装置の支柱において下端部よりも上方に一体に設けられる対向部は、それと対向した有底筒状収容部の底部との間に弾性部材を配置されるので、支柱への弾性部材の収容と、弾性部材の復原力によるポンプユニットの押圧とを確実に実現し得る。これによれば、弾性部材の露出が規制されることによる異音の低減と、燃料タンク底部に対するポンプユニットの配置位置が安定することによる汎用性の向上とを、両立して達成可能となる。
【0015】
請求項5に記載の発明によると、保持部材は、支柱を収容部からの脱出方向の移動端において係止する係止部を、有する。
【0016】
このような燃料供給装置の支柱は、収容部からの脱出方向の移動端において保持部材の係止部により係止されるので、支柱及び収容部においては、弾性部材の収容状態もスライド移動可能な状態も維持され得る。これによれば、燃料タンク内での弾性部材の露出規制作用と、燃料タンク底部に対するポンプユニットの配置位置の安定作用とを永きに亘って発揮できるので、異音の低減と汎用性の向上との双方に貢献可能となる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、燃料タンクの上部開口に装着されるフランジに上記支柱として固定される上側支柱と、収容部に収容されて上側支柱との間に弾性部材を挟持し、収容部及び上側支柱に対して同軸方向にスライド移動可能に連係し、収容部への進入方向の移動端において収容部に係止される下側支柱とを、備える。
【0018】
このような燃料供給装置では、ポンプユニットを保持する保持部材の収容部に対して、フランジに固定の上側支柱に連係する下側支柱を同軸方向にスライド移動させることで、フランジからポンプユニットを離間させ得る。さらに、上側支柱に対しても下側支柱を同軸方向にスライド移動させることで、フランジからのポンプユニットの離間距離を増大させ得る。以上によれば、フランジからの離間距離を最大にして燃料タンク内に上部開口から挿入したポンプユニットを横方向に位置調整し、さらに収容部及び上側支柱に対する下側支柱のスライド移動によって当該離間距離を縮めることで、上部開口にフランジを装着可能となる。しかも、かかる装着状態において下側支柱は、上側支柱との間に挟持した弾性部材から復原力を受けることで、収容部への進入方向の移動端にて収容部に係止されるので、ポンプユニットを燃料タンクの底部へ向かって押圧し得る。これによれば、弾性部材を収容する上側支柱が収容部に対してスライド移動することで、燃料タンク内での弾性部材の露出を確実に規制しつつ、燃料タンク底部に対するポンプユニットの配置位置を安定させることができる。したがって、異音の低減と汎用性の向上との双方に貢献可能となる。
【0019】
ここで、請求項6に記載の発明では特に、請求項7に記載の発明のように、上側支柱において下端部よりも上方に一体に設けられ、対向する下側支柱との間に弾性部材が配置される対向部を、有することが好ましい。
【0020】
このように上側支柱の下端部よりも上方に一体に設けられる対向部は、それと対向した下側支柱との間に弾性部材を配置されるので、上側支柱への弾性部材の収容と、弾性部材の復原力によるポンプユニットの押圧とを確実に実現し得る。これによれば、弾性部材の露出が規制されることによる異音の低減と、燃料タンク底部に対するポンプユニットの配置位置が安定することによる汎用性の向上とを、両立して達成可能となる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、燃料タンクの上部開口に装着されるフランジに固定される上側支柱と、上記支柱として収容部に収容されて収容部との間に弾性部材を挟持し、収容部及び上側支柱に対して同軸方向にスライド移動可能に連係する下側支柱とを、備える。
【0022】
このような燃料供給装置では、ポンプユニットを保持する保持部材の収容部に対して、フランジに固定の上側支柱に連係する下側支柱を同軸方向にスライド移動させることで、フランジからポンプユニットを離間させ得る。さらに、上側支柱に対しても下側支柱を同軸方向にスライド移動させることで、フランジからのポンプユニットの離間距離を増大させ得る。以上によれば、フランジからの離間距離を最大にして燃料タンク内に上部開口から挿入したポンプユニットを横方向に位置調整し、さらに上側支柱及び収容部に対する下側支柱のスライド移動によって当該離間距離を縮めることで、上部開口にフランジを装着可能となる。しかも、かかる装着状態において収容部は、収容した下側支柱との間に挟持する弾性部材の復原力を受けることで、ポンプユニットを燃料タンクの底部へ向かって押圧し得る。これによれば、弾性部材を収容する下側支柱が収容部に対してスライド移動することで、燃料タンク内での弾性部材の露出を確実に規制しつつ、燃料タンク底部に対するポンプユニットの配置位置を安定させることができる。したがって、異音の低減と汎用性の向上との双方に貢献可能となる。
【0023】
ここで、請求項8に記載の発明では特に、請求項9に記載の発明のように、下側支柱において下端部よりも上方に一体に設けられ、有底筒状の収容部の底部と対向して当該底部との間に弾性部材が配置される対向部を、有することが好ましい。
【0024】
このように下側支柱の下端部よりも上方に一体に設けられる対向部は、それと対向した有底筒状収容部の底部との間に弾性部材を配置されるので、下側支柱への弾性部材の収容と、弾性部材の復原力によるポンプユニットの押圧とを確実に実現し得る。これによれば、弾性部材の露出が規制されることによる異音の低減と、燃料タンク底部に対するポンプユニットの配置位置が安定することによる汎用性の向上とを、両立して達成可能となる。
【0025】
請求項10に記載の発明によると、保持部材は、下側支柱を収容部からの脱出方向の移動端において係止する係止部を、有し、上側支柱を収容する下側支柱は、上側支柱を下側支柱からの脱出方向の移動端において係止する係止部を、有する。
【0026】
このような燃料供給装置の下側支柱は、収容部からの脱出方向の移動端において保持部材の係止部により係止されるので、スライド移動可能な連係状態が下側支柱と収容部との間で維持され得る。それと共に下側支柱は、収容した上側支柱を脱出方向の移動端において係止部により係止するので、スライド移動可能な連係状態が下側支柱と上側支柱との間でも維持され得る。これらによれば、燃料タンク底部に対するポンプユニットの配置位置の安定作用を永きに亘って発揮できるので、汎用性の向上に貢献可能となる。
【0027】
請求項11に記載の発明によると、保持部材は、下側支柱を収容部からの脱出方向の移動端において係止する係止部を、有し、下側支柱を収容する上側支柱は、下側支柱を上側支柱からの脱出方向の移動端において係止する係止部を、有する。
【0028】
このような燃料供給装置の下側支柱は、収容部からの脱出方向の移動端において保持部材の係止部により係止されるので、スライド移動可能な連係状態が下側支柱と収容部との間で維持され得る。それと共に上側支柱は、収容した下側支柱を脱出方向の移動端において係止部により係止するので、スライド移動可能な連係状態が下側支柱と上側支柱との間でも維持され得る。これらによれば、燃料タンク底部に対するポンプユニットの配置位置の安定作用を永きに亘って発揮できるので、汎用性の向上に貢献可能となる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、フランジに保持され、燃料タンク内の燃料蒸気を脱離可能に吸着するキャニスタを、さらに備え、ポンプユニットは、フランジの下方から横方向にはみ出し、キャニスタは、フランジの下方に収められる。
【0030】
このような燃料供給装置では、燃料タンク内に上部開口から挿入したポンプユニットを横方向に位置調整し、さらに収容部や上側支柱に対して下側支柱をスライド移動させることで、上部開口にフランジを装着可能となる。その際、フランジからの離間距離を最大にしたポンプユニットの位置を、横方向のうちフランジ下方からのはみ出し方向へずらすことで、フランジ下方のキャニスタは、下側支柱のスライド移動に伴って上部開口を通過し得る。また、こうして上部開口から燃料タンク内に挿入されてフランジ下方に収められるキャニスタは、フランジ下方から横方向にはみ出すポンプユニットの周囲に位置することとなるので、当該ポンプユニットの作動熱により燃料蒸気の脱離性能が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第一実施形態による燃料供給装置を示す図であって、図3のI−I線断面図である。
【図2】本発明の第一実施形態による燃料供給装置を示す図であって、図3のII−II線断面図である。
【図3】本発明の第一実施形態による燃料供給装置を示す斜視図である。
【図4】本発明の第一実施形態による燃料供給装置のポンプユニットを示す部分断面側面図である。
【図5】本発明の第一実施形態による燃料供給装置の調整機構を示す図であって、図1の拡大断面図である。
【図6】本発明の第一実施形態による燃料供給装置の調整機構を示す図であって、図2の拡大断面図である。
【図7】本発明の第一実施形態による燃料供給装置の調整機構を示す斜視図である。
【図8】本発明の第一実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図5とは別の状態を示す断面図である。
【図9】本発明の第二実施形態による燃料供給装置を示す断面模式図である。
【図10】本発明の第二実施形態による燃料供給装置の調整機構を示す断面図である。
【図11】本発明の第二実施形態による燃料供給装置について、図9とは別の状態を示す断面模式図である。
【図12】本発明の第二実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図10とは別の状態を示す断面図である。
【図13】本発明の第二実施形態による燃料供給装置について、図9,11とは別の状態を示す断面模式図である。
【図14】本発明の第二実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図10,12とは別の状態を示す断面図である。
【図15】本発明の第三実施形態による燃料供給装置の調整機構を示す断面図である。
【図16】本発明の第三実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図15とは別の状態を示す断面図である。
【図17】本発明の第三実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図15,16とは別の状態を示す断面図である。
【図18】本発明の第四実施形態による燃料供給装置の調整機構を示す断面図である。
【図19】本発明の第四実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図18とは別の状態を示す断面図である。
【図20】本発明の第四実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図18,19とは別の状態を示す断面図である。
【図21】本発明の第五実施形態による燃料供給装置の調整機構を示す断面図である。
【図22】本発明の第五実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図21とは別の状態を示す断面図である。
【図23】本発明の第五実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図21,22とは別の状態を示す断面図である。
【図24】本発明の第六実施形態による燃料供給装置の調整機構を示す断面図である。
【図25】本発明の第六実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図24とは別の状態を示す断面図である。
【図26】本発明の第六実施形態による燃料供給装置の調整機構について、図24,25とは別の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
【0033】
(第一実施形態)
図1,2は、本発明の第一実施形態による燃料供給装置1を示している。燃料供給装置1は車両の燃料タンク2に搭載され、この燃料タンク2の内部から外部の内燃機関へ燃料を供給する。尚、燃料タンク2への燃料供給装置1の搭載状態を示す図1,2の上下方向は、水平面上における車両の鉛直方向と実質的に一致している。
【0034】
(基本構成)
まず、燃料供給装置1の基本構成につき、説明する。燃料供給装置1は、フランジ10、サブタンク20、蓋部材30、調整機構40、ポンプユニット50、並びに残量検出器60を備えている。ここで、燃料供給装置1のフランジ10以外の要素20,30,40,50,60は、燃料タンク2内の所定位置に配置される。
【0035】
フランジ10は、樹脂により円盤状に形成されている。フランジ10は、燃料タンク2の天板部2aを貫通する貫通孔2bに嵌合装着され、当該貫通孔2bを閉塞している。フランジ10は、下方に向かって筒状に突出する固定筒部100を、有している。さらに、図1〜3に示すようにフランジ10は、燃料供給管11及び電気コネクタ12を有している。燃料供給管11は、ポンプユニット50から吐出される燃料を、燃料タンク2外へ供給する。電気コネクタ12は、ポンプユニット50及び残量検出器60を外部と電気接続するためのターミナル(図示なし)を内包している。これにより、電気コネクタ12を通じてポンプユニット50の燃料ポンプ52が外部から電力供給を受けて駆動制御されるようになっていると共に、同電気コネクタ12を通じて残量検出器60の残量検出信号が外部へ出力されるようになっている。
【0036】
サブタンク20は、樹脂により有底円筒状に形成されている。サブタンク20は燃料タンク2内に収容されて、当該燃料タンク2の底部2c上に設置されている。サブタンク20の底部20aには、ジェットポンプ21が設けられている。ジェットポンプ21は、導入通路22及びジェットノズル23を有している。導入通路22は、燃料タンク2内とサブタンク20内とを連通している。ジェットノズル23は、ポンプユニット50のプレッシャレギュレータ54から排出される余剰燃料を、導入通路22内へ向かって噴出させる。この燃料の噴出に応じて、大気圧よりも低い負圧が導入通路22内に発生することで、燃料タンク2内の燃料が当該導入通路22内へと吸入されて、サブタンク20内に移送される。サブタンク20は、こうして移送された燃料を貯留する。
【0037】
蓋部材30は樹脂により形成され、逆有底円筒状に配置されている。蓋部材30の開口縁部は、サブタンク20の開口縁部に同軸上に嵌合装着されている。これにより蓋部材30は、燃料タンク2内に収容されてサブタンク20の開口を閉塞する形となっている。蓋部材30は、ポンプユニット50及び残量検出器60をそれぞれ燃料タンク2内にて保持する保持部301,302と、調整機構40の支柱41を収容する有底円筒状の収容部300とを、有している。
【0038】
図1,2に示すように調整機構40は、支柱41、一対の中間部材42,48並びに弾性部材43を有している。支柱41は、金属により長手円筒状に形成されている。支柱41は蓋部材30の収容部300に挿入され、当該収容部300に対して同軸方向にスライド移動可能となっている。
【0039】
第一中間部材42は、樹脂により二重円筒状に形成されている。第一中間部材42は、内筒部420及び外筒部421間に支柱41が挿入された状態で、収容部300に同軸上に収容されている。第一中間部材42は、内筒部420から突出する係合爪420aにて支柱41と係合することで、当該支柱41の下端部41bに対して固定されている。また、第一中間部材42は、収容部300の内周面300aに設けられて軸方向に延伸する二条の縦溝300bとスライド嵌合することで、当該収容部300に対して周方向の相対回転を規制され、且つ軸方向の相対位置変化を許容されている。ここまでの構成により、本実施形態において互いに一体に結合される要素20,30,50,60(以下では、これらの要素を単に「一体要素20,30,50,60」と表記する。)は、支柱41の周方向に回転不能且つ支柱41に対して軸方向に相対移動可能となっている。
【0040】
第二中間部材48は、樹脂により二重円筒状に形成されている。第二中間部材48は、内筒部480及び外筒部481間に支柱41が挿入された状態で、フランジ10の固定筒部100に対してスナップフィットにより固定されている。第二中間部材48は、内筒部480から突出する係合爪480aにて支柱41と係合することで、当該支柱41の上端部41aに対して固定されている(図5,6も参照)。以上の構成により、フランジ10と一体要素20,30,50,60とは単独の支柱41を介して連結されている。
【0041】
弾性部材43は、本実施形態ではコイルスプリングからなり、第一中間部材42と収容部300の底部300cとの間に介装されている。弾性部材43は、収容部300を含む一体要素20,30,50,60を燃料タンク2の底部2c側へ向かって押圧するように、復原力を支柱41の軸方向に沿って発生する。これにより、一体要素20,30,50,60のうちサブタンク20の底部20aは、燃料タンク2の仕様や製造公差、変形等によらず底部2cへと押し付けられる。このような弾性部材43の機能と上述の中間部材42,48の機能とにより燃料タンク2内では、底部2cに対する一体要素20,30,50,60の配置位置が安定する。
【0042】
ポンプユニット50は、その下部をサブタンク20内に収容されていると共に、上部において蓋部材30から突出している。図1,2,4に示すようにポンプユニット50は、サクションフィルタ51、燃料ポンプ52、フレキシブル配線57、燃料フィルタ53、フレキシブルチューブ58、並びにプレッシャレギュレータ54を有している。
【0043】
サクションフィルタ51は、ポンプユニット50の最下部に設けられている。燃料ポンプ52の吸入口52aと接続されるサクションフィルタ51は、当該燃料ポンプ52がサブタンク20内から吸入する燃料中の大きな異物を除去する。
【0044】
燃料ポンプ52は、ポンプユニット50においてサクションフィルタ51の上方に設けられ、吸入口52a及び吐出口52bをそれぞれ下方及び上方に向けている。図2に示すように燃料ポンプ52は、電動モータ52eにより駆動される回転部材52dを、吸入口52a及び吐出口52bと連通するポンプ室52g内に収容している。本実施形態の回転部材52dは、複数の羽根溝が周方向に並んでなる円盤状のインペラであり、軸方向が上下方向と実質的に一致する状態でポンプ室52gに内包されている。電動モータ52eは、湾曲自在なフレキシブル配線57を介して電気コネクタ12のターミナルと電気接続されており、当該ターミナルを通じた電力供給により回転部材52dを回転駆動する。かかる回転駆動によりサブタンク20内の燃料は、サクションフィルタ51を通じて吸入口52aに吸入され、回転部材52dの各羽根溝の働きによりポンプ室52g内で加圧されて、吐出口52bから吐出される。
【0045】
図1,2,4に示すように燃料フィルタ53は、ポンプユニット50において燃料ポンプ52を外周側と上方とから覆うように、設けられている。燃料フィルタ53を構成するフィルタケース55は、樹脂により形成されて内外二重の筒部55a,55bを有しており、それらのうち内筒部55aの内周側に燃料ポンプ52が同軸上に配置されている。また、燃料フィルタ53を構成するフィルタエレメント56は、例えばハニカム状濾材等からなり、内筒部55aと外筒部55bとの間に収容されている。
【0046】
ここで筒部55a,55b間の空間は、フィルタエレメント56を挟む燃料上流側と燃料下流側とにて、それぞれ燃料ポンプ52の吐出口52bと燃料フィルタ53の燃料出口59とに連通している。また、燃料出口59は、湾曲自在なフレキシブルチューブ58を介して燃料供給管11と接続されている。これらの構成により、吐出口52bから筒部55a,55b間へ吐出された燃料は、フィルタエレメント56により微細な異物を除去された状態で、燃料出口59から燃料供給管11へと向かって供給される。
【0047】
図4に示すようにプレッシャレギュレータ54は、ポンプユニット50において燃料フィルタ53の側方に、隣接して設けられている。燃料フィルタ53の燃料出口59と接続されるプレッシャレギュレータ54には、タンク20,2外に配置された燃料供給管11へと供給する燃料の一部が流入する。これによりプレッシャレギュレータ54は、燃料供給管11に向かう燃料の圧力を調整しつつ、当該調圧時の余剰燃料をジェットポンプ21のジェットノズル23へ排出する。
【0048】
図1に示すように残量検出器60は、保持部302により蓋部材30上に保持されることで、サブタンク20外に配置されている。残量検出器60は、本実施形態ではセンダゲージであり、湾曲自在なフレキシブル配線67を介して電気コネクタ12のターミナルと電気接続されている。このターミナルを通じた電力供給により残量検出器60は、燃料タンク2内の燃料に浮かぶフロート(図示なし)と一体に設けられたアーム62の回転角に基づき、当該タンク2内の燃料残量を検出する。
【0049】
(調整機構の詳細構成)
次に、燃料供給装置1の特徴部分である調整機構40及び蓋部材30の構成につき、詳細に説明する。図5,6に示す調整機構40において、支柱41と一体に設けられる第一中間部材42の内筒部420は、当該支柱41の内部に逆有底円筒状に配置されている。内筒部420の底部420cは、ポンプユニット50を保持する保持部材としての蓋部材30において収容部300の底部300c(以下、「収容底部300c」とも表記する。)と対向する対向部420cを、形成している。
【0050】
ここで図5〜8に示すように、第一中間部材42において内外筒部420,421の下端部420b,421bを径方向に接続する接続部422は、それら内外筒部420,421間に挟持される支柱41の下端部41bに下方から係合している。このような第一中間部材42において、下端部41bよりも上方に位置することとなる対向部420cは、収容底部300cとの間に弾性部材43を挟持している。これにより、コイルスプリングからなる弾性部材43は、支柱41及び収容部300に同軸上に収容された状態で、それら要素41,300間での圧縮弾性変形により復原力を発生する。したがって、対向部420cとの間に配置される弾性部材43は、収容部300の底部300cに復原力を作用させることで、当該底部300cを含む一体要素20,30,50,60を、燃料タンク2の底部2c(以下、「燃料タンク底部2c」とも表記する。)へ向かって押圧する。
【0051】
第一中間部材42はさらに、弾性部材43よりも上方箇所の対向部420cから下方へ向かって円筒状に突出する支持部420dを、一体に有している。また一方、収容部300は、弾性部材43よりも下方箇所の収容底部300cから上方へ向かって円筒状に突出する支持部300dを、一体に有している。これらの支持部420d,300dは、弾性部材43であるコイルスプリングの内周側に突入することで、当該コイルスプリングを軸方向に沿って支持している。
【0052】
蓋部材30の一部として収容部300に固定される柱ストッパ303は、樹脂により円筒状に形成されている。柱ストッパ303には、支柱41が同軸方向にスライド移動可能に挿入されている。柱ストッパ303の下端部303aは、支柱41と一体に移動する第一中間部材42のうち外筒部421の上端部421aに対して、対向している。これにより、下端部303aは係止部303aとして、図8の如く支柱41を、収容部300からの脱出方向の移動端において係止可能となっている。
【0053】
以上説明した第一実施形態において弾性部材43は、支柱41に一体の対向部420cと、蓋部材30の収容底部300cとの間で復原力を発生することで、燃料タンク底部2cに対する一体要素20,30,50,60の配置位置を常に安定させ得る。しかも支柱41は、図8の如く係止部303aに係止されて収容部300からの脱出を規制されるので、それら要素41,300間のスライド移動可能な連係状態を維持して、一体要素20,30,50,60の配置位置の安定作用を永きに亘って発揮し得る。これらのことから、燃料タンク2の仕様や製造公差、変形等によらず、燃料供給装置1の汎用性を向上させることができる。
【0054】
また、このように配置位置の安定に寄与する弾性部材43は、支柱41内だけでなく、当該支柱41が挿入される収容部300に収容されることで、それら要素41,300に完全に覆われて、燃料タンク2内での露出を規制されている。しかも支柱41は、係止部303aの係止作用により収容部300との連係状態を維持可能となっているので、それら要素41,300による弾性部材43の露出規制作用は、永きに亘って発揮され得る。故に、例えば燃料タンク2の変形により一体要素20,30,50,60が支柱41に対して相対移動する際には、湾曲する配線57,67乃至はチューブ58等に対して、弾性部材43は干渉することがない。したがって、弾性部材43が燃料供給装置1の他の要素と干渉することにより発生する異音を、低減できるのである。
【0055】
さらに、コイルスプリングからなる弾性部材43は、その上方箇所及び下方箇所からそれぞれ突出する支持部420d,300dにより軸方向に沿って支持されるので、支柱41に対するポンプユニット50の相対移動に応じて弾性変形する際には、座屈し難い。これによれば、支柱41及び収容部300が収容する弾性部材43との干渉に起因した異音についても、低減可能となるのである。
【0056】
(第二実施形態)
本発明の第二実施形態は、第一実施形態の変形例である。図9に示すように、第二実施形態の燃料タンク2における天板部2aは、車両においてメンテナンスホール1004aを形成するフロア1004から下方に離間し、上部開口としての貫通孔2bを当該メンテナンスホール1004aと同軸上に有している。そして、このような燃料タンク2に搭載される第二実施形態の燃料供給装置1001では、フランジ10にキャニスタ1070が固定されている。
【0057】
キャニスタ1070は、ケーシング1071内に吸着材1072を充填することにより、構成されている。ケーシング1071は、樹脂により中空状に形成されている。ケーシング1071は、フランジ10の下方への投影範囲内に収められるようにして、当該フランジ10に固定されている。ケーシング1071の内部は、燃料タンク2の外部に配置される蒸気導入管1005及び蒸気パージ管1006に、フランジ10を通じて連通している。ここで、貫通孔2bとは異なる箇所から燃料タンク2内にも連通する蒸気導入管1005は、当該タンク2内にて発生した燃料蒸気をケーシング1071内へ導入する。また、内燃機関の吸気通路(図示なし)にも連通する蒸気パージ管1006は、ケーシング1071内から当該吸気通路へと燃料蒸気をパージする。
【0058】
吸着材1072は、例えば活性炭等からなり、蒸気導入管1005からケーシング1071内へと導入された燃料蒸気を、脱離可能に吸着する。こうして吸着材1072に吸着された燃料蒸気は、吸気通路から蒸気パージ管1006を通じて負圧の作用を受けることで脱離して、当該吸気通路に吸引される。
【0059】
図9,10に示すように、第二実施形態の燃料供給装置1001において調整機構1040は、中間部材1048及び弾性部材1043と共に、互いに連係する一対の支柱1044,1041を有している。中間部材1048及び弾性部材1043は、それぞれ第一実施形態の第一中間部材48及び弾性部材43と実質同一の構成を有している。
【0060】
図10,12,14に示すように下側支柱1044は、下側本体柱1047及び下側キャップ1049を一体に組み合わせて構成されている。下側本体柱1047は、金属により長手円筒状に形成されている。下側本体柱1047は収容部300に挿入され、当該収容部300に対して同軸方向にスライド移動可能となっている。下側キャップ1049は樹脂により形成され、収容部300に挿入されている。下側キャップ1049において円板状の固定板部1049aは、下側本体柱1047の下端部1047aに対して、圧入又は溶着により同軸上に固定されている。こうして下端部1047aが固定板部1049aに覆われてなる下側支柱1044は、当該固定板部1049aを底部とする有底円筒状を、全体として呈している。
【0061】
以上の構成から下側支柱1044は、収容部300に対してスライド移動可能に収容されている。また、下側支柱1044において収容底部300cと対向する固定板部1049aについては、図10,14の如く当該収容底部300cにより、収容部300への進入方向の移動端において係止可能となっている。
【0062】
図10,12,14に示すように上側支柱1041は、上側本体柱1045及び上側キャップ1046を一体に組み合わせて構成されている。上側本体柱1045は、下側支柱1044の下側本体柱1047に挿入される点を除き、第一実施形態の支柱41と実質同一の構成を有している。上側キャップ1046は樹脂により形成され、下側本体柱1047に逆有底円筒状に挿入されている。この上側キャップ1046における底部1046aは、下側キャップ1049の固定板部1049aと対向する対向部1046aを、形成している。また、上側キャップ1046において底部1046aから上方へ円柱状に突出する突出部1046cは、上側本体柱1045の下端部41bに対して、圧入又は溶着により同軸上に固定されている。
【0063】
以上の構成から上側支柱1041は、下側支柱1044に対して同軸方向にスライド移動可能に収容されている。また、特に下側支柱1044が図10,14の移動端に達して収容底部300cに係止された状態では、上側支柱1041が下側支柱1044を介して収容部300に収容されて、当該収容部300に対しても同軸方向にスライド移動可能となる。ここで、下側支柱1044が図10,14の移動端に達した状態は、一体要素20,30,50,60が図9,13の如くフランジ10の下方から横方向にはみ出して燃料タンク2内に配置されることにより、実現される。したがって、下側支柱1044が収容底部300cに係止された状態で燃料タンク2内に配置される一体要素20,30,50,60については、それらの要素とフランジ10との間を連結する上側支柱1041に対して、軸方向に相対移動可能となっている。
【0064】
図10,12,14に示すように、上側支柱1041の上側キャップ1046において下端部1046d(本実施形態では、上側支柱1041の下端部と一致する。)よりも上方に位置する対向部1046aは、下側支柱1044の固定板部1049aとの間に弾性部材1043を挟持している。これにより、コイルスプリングからなる弾性部材1043は、支柱1041,1044に同軸上に収容された状態で、それら支柱1041,1044間での圧縮弾性変形により復原力を発生する。したがって、下側支柱1044が図100の如く移動端に達した状態において弾性部材1043は、固定板部1049aを係止する収容底部300cに復原力を作用させることで、当該底部300cを含む一体要素20,30,50,60を、燃料タンク底部2cへ向かって押圧する。
【0065】
さらに、図10,12,14に示すように上側支柱1041の上側キャップ1046は、弾性部材1043よりも上方箇所の対向部1046aから下方へ向かって円筒状に突出する筒部1046bにより、支持部1046bを形成している。また一方、下側支柱1044の下側キャップ1049は、弾性部材1043よりも下方箇所の固定板部1049aから上方へ向かって円柱状に突出する支持部1049bを、一体に有している。これらの支持部1046b,1049bは、弾性部材1043であるコイルスプリングの外周側及び内周側をそれぞれ延伸することで、当該コイルスプリングを軸方向に沿って支持している。
【0066】
蓋部材30の一部として、圧入又は溶着により収容部300に同軸上に固定される柱ストッパ303には、本実施形態では、下側支柱1044の下側本体柱1047が軸方向にスライド移動可能に挿入されている。また、本実施形態において柱ストッパ303の下端部303aは、下側支柱1044の下側キャップ1049のうち固定板部1049aの外周縁部と対向している。これにより、下端部303aは係止部303aとして、図12の如く下側支柱1044を、収容部300からの脱出方向の移動端において係止可能となっている。また、下側支柱1044の下側本体柱1047において内周側へ突出する上端部1047bは、上側支柱1041の上側キャップ1046のうち対向部1046aと対向している。これにより、上端部1047bは係止部1047bとして、図12,14の如く上側支柱1041を、下側支柱1044からの脱出方向の移動端において係止可能となっている。
【0067】
以上説明した第二実施形態において、燃料供給装置1001を燃料タンク2に搭載するには、まず図11,12に示すように、収容部300に対して下側支柱1044を脱離方向の移動端までスライド移動させると共に、当該下側支柱1044に対して上側支柱1041を脱離方向の移動端までスライド移動させる。これにより一体要素20,30,50,60のフランジ10からの離間距離が最大となった状態で、それら一体要素20,30,50,60を貫通孔2bから燃料タンク2内に挿入する。
【0068】
続いて、図13に示すように一体要素20,30,50,60がフランジ10の下方からはみ出す横方向へ、それら要素20,30,50,60の位置をずらし、さらに図13,14に示すように下側支柱1044を、下方へのスライド移動によって収容部300に進入させる。これにより、フランジ10の下方に収められるキャニスタ1070が貫通孔2bを通過すると共に、下側支柱1044及びサブタンク20がそれぞれ収容底部300c及び燃料タンク底部2cに係止される。
【0069】
さらに図9,10に示すように上側支柱1041を、下方へのスライド移動によって下側支柱1044に進入させ、フランジ10を貫通孔2bに装着させる。その結果、燃料タンク2内に配置されるキャニスタ1070は、フランジ10の下方から横方向にはみ出す一体要素20,30,50,60の周囲に位置するので、ポンプユニット50を構成する燃料ポンプ52の作動熱によって燃料蒸気の脱離性能が向上する。
【0070】
また、こうして一体要素20,30,50,60が燃料タンク2内に配置された状態では、上側支柱1041との間の弾性部材1043から復原力を受ける下側支柱1044は、収容部300の底部300cに係止される。その結果、弾性部材1043の復原力が下側支柱1044を介して収容部300に作用するので、当該収容部300を含む一体要素20,30,50,60の配置位置が燃料タンク底部2cに対して常に安定し得る。しかも、図12の如く下側支柱1044が係止部303aに係止されて収容部300からの脱出を規制されるのみならず、図12,14の如く上側支柱1041が係止部1047bに係止されて下側支柱1044からの脱出を規制されるようになっている。これらの規制によれば、収容部300及び上側支柱1041の各々と下側支柱1044との間のスライド移動可能な連係状態を維持して、一体要素20,30,50,60の配置位置の安定作用を永きに亘って発揮し得る。したがって、このような第二実施形態によっても、燃料供給装置1001の汎用性を向上させることができる。
【0071】
さらに弾性部材1043は、収容部300に進入した支柱1041,1044の内部に収容されることで、それら支柱1041,1044に完全に覆われて、燃料タンク2内での露出を規制されている。またさらに上側支柱1041は、下側本体柱1047の係止部1047bに係止されることにより下側支柱1044からの脱出を規制されるので、それら支柱1041,1044による弾性部材1043の露出規制作用は、永きに亘って発揮され得る。したがって、このような第二実施形態によっても、弾性部材1043が燃料供給装置1001の他の要素(配線57,67やチューブ58等)と干渉することにより発生する異音を、低減できるのである。
【0072】
しかも、コイルスプリングからなる弾性部材1043は、その上方箇所及び下方箇所からそれぞれ突出する支持部1046b,1049bにより軸方向に沿って支持されるので、弾性変形する際に座屈し難い。これによれば、支柱1041,1044が内部の弾性部材1043と干渉することに起因した異音についても、低減可能となるのである。
【0073】
(第三実施形態)
本発明の第三実施形態は、第二実施形態の変形例である。図15〜17に示すように、第三実施形態の燃料供給装置2001における収容部2300は、収容底部300cを形成せずに上下に貫通する無底円筒状に、設けられている。それと共に収容部2300は、係止部303aを有する柱ストッパ303を、上端部2300eにより形成している。尚、こうした柱ストッパ303は、無底円筒状の収容部2300と一体樹脂成形できるので、部品点数の削減、ひいてはコストの低減に貢献可能となっている。
【0074】
さらに、燃料供給装置2001の調整機構2040に設けられる下側支柱2044については、下側本体柱2047の上端部1047bから外周側に突出する鍔部2047bが、収容部2300の上端部2300eと対向している。これにより上端部2300eは、図15,17の如く鍔部2047bを、収容部2300への進入方向の移動端において係止可能となっている。
【0075】
以上の第三実施形態では、一体要素20,30,50,60の燃料タンク2内での配置状態下、上側支柱1041との間の弾性部材1043から復原力を受ける下側支柱2044は、図15の如く収容部2300の上端部2300eに係止される。その結果、弾性部材1043の復原力が下側支柱2044を介して収容部2300に作用するので、当該収容部2300を含む一体要素20,30,50,60の配置位置が燃料タンク底部2cに対して常に安定し得る。しかも、図16の如く下側支柱2044が係止部303aに係止されて収容部2300からの脱出を規制されるのみならず、図16,17の如く上側支柱1041が係止部1047bに係止されて同下側支柱2044からの脱出を規制されるようになっている。これらの規制によれば、収容部2300及び上側支柱1041の各々と下側支柱2044との間のスライド移動可能な連係状態を維持して、一体要素20,30,50,60の配置位置の安定作用を永きに亘って発揮し得る。したがって、このような第三実施形態によっても、燃料供給装置2001の汎用性を向上させることができるのである。
【0076】
(第四実施形態)
本発明の第四実施形態は、第二実施形態の変形例である。図18〜20に示すように、第四実施形態の燃料供給装置3001において調整機構3040に設けられる上側支柱3041については、有底円筒状に配置される上側キャップ3046のうち支持部1046bとして機能する筒部1046bが、上側本体柱1045に同軸上に固定されている。これにより、上側キャップ3046が底部1046aにより形成する対向部1046aは、当該上側キャップ3046の下端部3046d(本実施形態では、上側支柱3041の下端部と一致する。)に対してだけでなく、上側本体柱1045の下端部41bに対しても、さらに上方に位置している。
【0077】
以上の第四実施形態では、上側キャップ3046の対向部1046aと下側キャップ1049の固定板部1049aとの間に挟持される弾性部材1043は、図18〜20の如く上側支柱3041の内部に大きく入り込んだ状態となる。これによれば、フランジ10からの一体要素20,30,50,60の最小離間距離を、図18の如く可及的に縮めることができるので、扁平な浅底の燃料タンク2にも燃料供給装置3001を確実に適応させて、汎用性の向上を図ることが可能となる。
【0078】
(第五実施形態)
本発明の第五実施形態は、第二実施形態の変形例である。図21〜23に示すように、第五実施形態の燃料供給装置4001において調整機構4040に設けられる下側支柱4044は、樹脂により長手円柱状に形成されている。下側支柱4044は収容部300に収容され、当該収容部300に対して同軸方向にスライド移動可能となっている。この下側支柱4044において、外周側へ突出する鍔状に形成されて収容底部300cと対向する下端部4044aは、図21,23の如く当該収容底部300cにより、収容部300への進入方向の移動端にて係止可能となっている。また、下側支柱4044の下端部4044aについては、図22の如く上下に対向する柱ストッパ303の係止部303aにより、収容部300からの脱出方向の移動端にて係止可能となっている。さらに、下側支柱4044の軸方向中間部には、外周側へ突出する鍔部4044bが設けられている。
【0079】
図21〜23に示すように燃料供給装置4001の上側支柱4041では、逆有底円筒状に配置される上側キャップ4046の筒部4046bが上側本体柱1045に同軸上に固定され、さらに当該筒部4046bに対して下側支柱4044が下方から挿入されている。これにより上側支柱4041の内部には、下側支柱4044が同軸方向にスライド移動可能に収容されている。また、特に下側支柱4044が図21,23の移動端に達して収容底部300cに係止された状態では、上側支柱4041が下側支柱4044を介して収容部300に収容されて、当該収容部300に対しても同軸方向にスライド移動可能となる。したがって、燃料タンク2内に配置された一体要素20,30,50,60については、それらの要素とフランジ10との間を連結する上側支柱4041に対して、軸方向に相対移動可能となっている。
【0080】
図21〜23に示すように、上側支柱4041の上側キャップ4046において内周側へ突出する下端部4046d(製造の都合上、下端部4046dは、底部4046a及び筒部4046bと別体に形成されている。)は、当該上側キャップ4046内に収容される下側支柱4044の鍔部4044bと、対向している。これにより、下端部4046dは係止部4046dとして、図22,23の如く鍔部4044bを、上側支柱4041からの脱出方向の移動端において係止可能となっている。また、上側支柱4041の上側キャップ4046において下端部4046d(本実施形態では、上側支柱4041の下端部と一致する。)よりも上方に位置する底部4046aは、下側支柱4044の鍔部4044bと対向する対向部4046aを、形成している。そして、これら対向部4046aと鍔部4044bとの間に、弾性部材1043が挟持されている。
【0081】
以上の構成により、コイルスプリングからなる弾性部材1043は、下側支柱4044の外周側で上側支柱4041に同軸上に収容された状態にて、支柱4041,4044間での圧縮弾性変形により復原力を発生する。したがって、下側支柱4044が図21の移動端に達した状態で弾性部材1043は、下端部4044aを係止する収容底部300cに復原力を作用させることで、当該底部300cを含む一体要素20,30,50,60を、燃料タンク底部2cへ向かって押圧する。
【0082】
さらに、図21〜23に示すように上側支柱4041の上側キャップ4046は、弾性部材1043よりも上方箇所の対向部4046aから下方へ向かって円柱状に突出する支持部4046cを、一体に有している。また一方、下側支柱4044は、弾性部材1043よりも下方箇所の鍔部4044bから上方へ円柱状に突出している部分4044cによって、支持部4044cを形成している。これらの支持部4046c,4044cは、弾性部材1043であるコイルスプリングの内周側に突入することで、当該コイルスプリングを軸方向に沿って支持している。
【0083】
以上の第五実施形態では、一体要素20,30,50,60の燃料タンク2内での配置状態下、図21に示すように、上側支柱4041との間の弾性部材1043から復原力を受ける下側支柱4044は、収容底部300cに係止される。その結果、弾性部材1043の復原力が下側支柱4044を介して収容部300に作用するので、当該収容部300を含む一体要素20,30,50,60の配置位置が燃料タンク底部2cに対して常に安定し得る。しかも下側支柱4044は、図22の如く係止部303aに係止されて収容部300からの脱出を規制されるのみならず、図22,23の如く係止部4046dに係止されて上側支柱4041からの脱出を規制されるようになっている。これらの規制によれば、収容部300及び上側支柱4041の各々と下側支柱4044との間のスライド移動可能な連係状態を維持して、一体要素20,30,50,60の配置位置の安定作用を永きに亘って発揮し得る。したがって、このような第五実施形態によっても、燃料供給装置4001の汎用性を向上させることができる。
【0084】
また、弾性部材1043は、収容部300に進入した上側支柱4041の内部に下側支柱4044と共に収容されることで、それら支柱4041,4044に完全に覆われて、燃料タンク2内での露出を規制されている。さらに上側支柱4041は、係止部4046dの係止作用により下側支柱4044との連係状態を維持可能となっているので、それら支柱4041,4044による弾性部材1043の露出規制作用は、永きに亘って発揮され得る。したがって、このような第五実施形態によっても、弾性部材1043が燃料供給装置4001の他の要素と干渉することにより発生する異音を、低減できるのである。
【0085】
しかも、コイルスプリングからなる弾性部材1043は、その上方箇所及び下方箇所からそれぞれ突出する支持部4046c,4044cにより軸方向に沿って支持されるので、弾性変形する際に座屈し難い。これによれば、支柱4041,4044が内部の弾性部材1043と干渉することに起因した異音についても、低減可能となるのである。
【0086】
(第六実施形態)
本発明の第六実施形態は、第二実施形態の変形例である。図24〜26に示すように、第六実施形態の燃料供給装置5001において収容部5300は、軸方向に延伸するスリット5300fを周方向の複数個所に有している。また、燃料供給装置5001において調整機構5040の上側支柱5041は、軸方向に延伸するスリット5041cを周方向の複数個所に有し且つ収容部5300の外周面5300gに対して同軸方向にスライド摺動可能な点を除き、第一実施形態で説明した支柱41と実質同一の構成を有している。
【0087】
さらに、燃料供給装置5001において調整機構5040の下側支柱5044は、樹脂により長手円筒状に形成されている。下側支柱5044は収容部5300に収容され、当該収容部5300に対して同軸方向にスライド移動可能となっている。下側支柱5044の下部には、収容部5300の各スリット5300fにそれぞれスライド嵌合する複数の弾性爪5044dが、弾性変形可能に設けられている。これにより各スリット5300fでは、各弾性爪5044dに上方から対向する上内端部5300hが係止部5300hとして、図25,26の如く各弾性爪5044dを、収容部5300からの脱出方向の移動端にて係止可能となっている。尚、弾性爪5044dについては、弾性変形を利用したスナップフィットにより、対応するスリット5300fに容易に組み付け可能である。
【0088】
図24〜26に示すように下側支柱5044の上部には、上側支柱5041の各スリット5041cとそれぞれスライド嵌合する複数の弾性爪5044eが、弾性変形可能に設けられている。これにより各スリット5041cでは、各弾性爪5044eに下方から対向する下内端部5041dが係止部5041dとして、図25の如く各弾性爪5044eを、上側支柱5041からの脱出方向の移動端にて係止可能となっている。
【0089】
また一方、各スリット5041cにおいて各弾性爪5044eに上方から対向する上内端部5041eは、図24,26の如く各弾性爪5044eを、上側支柱5041への進入方向の移動端において係止可能となっている。ここで、上側支柱5041が図24,26の移動端に達した状態は、一体要素20,30,50,60が燃料タンク2内に配置されることにより、実現される。したがって、各弾性爪5044eが各スリット5041cの上内端部5041eに係止された状態で燃料タンク2内に配置される一体要素20,30,50,60については、それらの要素とフランジ10との間を連結する下側支柱5044に対して、軸方向に相対移動可能となっている。尚、弾性爪5044eについては、弾性変形を利用したスナップフィットにより、対応するスリット5041cに容易に組み付け可能である。
【0090】
図24〜26に示すように、下側支柱5044において下端部5044aよりも上方に位置して内部を塞ぐ隔壁部5044fは、収容部5300の収容底部300cと対向する対向部5044fを、形成している。そして、これら対向部5044fと収容底部300cとの間には、弾性部材1043が挟持されている。このような構成により、コイルスプリングからなる弾性部材1043は、下側支柱5044及び収容部5300に同軸上に収容された状態で、それら要素5044,5300間での圧縮弾性変形により復原力を発生する。したがって、上側支柱5041が図24の如く移動端に達した状態において弾性部材1043は、収容部5300の底部300cに復原力を作用させることで、当該底部300cを含む一体要素20,30,50,60を、燃料タンク底部2cへ向かって押圧する。
【0091】
さらに、図24〜26に示すように下側支柱5044は、弾性部材1043よりも上方箇所の対向部5044fから下方へ向かって円柱状に突出する支持部5044gを、一体に有している。また一方、収容部5300は、第一実施形態で説明の如き支持部300dを、一体に有している。これらの支持部5044g,300dは、弾性部材1043であるコイルスプリングの内周側に突入することで、当該コイルスプリングを軸方向に沿って支持している。
【0092】
以上説明した第六実施形態において、燃料供給装置5001を燃料タンク2に搭載するには、まず図25に示すように、収容部5300に対して下側支柱5044を脱離方向の移動端までスライド移動させると共に、当該下側支柱5044に対して上側支柱5041を脱離方向の移動端までスライド移動させる。これにより一体要素20,30,50,60のフランジ10からの離間距離が最大となった状態で、それら一体要素20,30,50,60を貫通孔2bから燃料タンク2内に挿入する。
【0093】
続いて、一体要素20,30,50,60がフランジ10の下方からはみ出す横方向へ、それら要素20,30,50,60の位置をずらし、さらに図26に示すように下側支柱5044を、スライド移動によって上側支柱5041の内部に進入させる。これにより、フランジ10の下方に収められるキャニスタ1070が貫通孔2bを通過すると共に、弾性爪5044e及びサブタンク20がそれぞれスリット5041c及び燃料タンク底部2cに係止される。
【0094】
さらに図24に示すように下側支柱5044を、下方へのスライド移動によって収容部5300に進入させ、フランジ10を貫通孔2bに装着させる。これにより燃料タンク2内では、一体要素20,30,50,60の周囲にキャニスタ1070が配置された状態となる。
【0095】
かかる配置状態下、収容部5300の底部300cが下側支柱5044との間の弾性部材1043から復原力の作用を受けるので、当該収容部5300を含む一体要素20,30,50,60の配置位置は燃料タンク底部2cに対して常に安定し得る。しかも下側支柱5044は、図25,26の如く係止部5300hに係止されて収容部5300からの脱出を規制されるのみならず、図25の如く係止部5041dに係止されて上側支柱5041からの脱出を規制されるようになっている。これらの規制によれば、収容部5300及び上側支柱5041の各々と下側支柱5044との間のスライド移動可能な連係状態を維持して、一体要素20,30,50,60の配置位置の安定作用を永きに亘って発揮し得る。したがって、このような第六実施形態によっても、燃料供給装置5001の汎用性を向上させることができるのである。
【0096】
また、弾性部材1043は、下側支柱5044内だけでなく、当該支柱5044が挿入される収容部5300にも収容されることで、それら要素5044,5300に完全に覆われて、燃料タンク2内での露出を規制されている。さらに下側支柱5044は、係止部5300hの係止作用により収容部5300との連係状態を維持可能となっているので、それら要素5044,5300による弾性部材1043の露出規制作用は、永きに亘って発揮され得る。したがって、このような第六実施形態によっても、弾性部材1043が燃料供給装置5001の他の要素と干渉することにより発生する異音を、低減できるのである。
【0097】
しかも、コイルスプリングからなる弾性部材1043は、その上方箇所及び下方箇所からそれぞれ突出する5044g,300dにより軸方向に沿って支持されるので、弾性変形する際に座屈し難い。これによれば、支柱5041,5044が内部の弾性部材1043と干渉することに起因した異音についても、低減可能となるのである。
【0098】
以上、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
【符号の説明】
【0099】
1,1001,2001,3001,4001,5001 燃料供給装置、2a 天板部、2b 貫通孔、2c 底部・燃料タンク底部、10 フランジ、20 サブタンク、30 蓋部材(保持部材)、40,1040,2040,3040,4040,5040 調整機構、41 支柱、41a 上端部、41b 下端部、42 第一中間部材、43,1043 弾性部材、48 第二中間部材、50 ポンプユニット、52 燃料ポンプ、57,67 フレキシブル配線、58 フレキシブルチューブ、60 残量検出器、100 固定筒部、300,2300,5300 収容部、300c 底部・収容底部、300d,420d,1049b,4044c,4046c,5044g 支持部、301,302 保持部、303 柱ストッパ、303a 下端部・係止部、420 内筒部、420c 底部・対向部、1004 フロア、1004a メンテナンスホール、1041,3041,4041,5041 上側支柱、1044,2044,4044,5044 下側支柱、1045 上側本体柱、1046,3046,4046 上側キャップ、1046a,4046a 底部・対向部、1046b 筒部・支持部、1046d,3046d 下端部、1047,2047 下側本体柱、1047b 上端部・係止部、1048 中間部材、1049 下側キャップ、1049a 固定板部、1070 キャニスタ、1071 ケーシング、1072 吸着材、2047b,4044b 鍔部、2300e 上端部、4044a,5044a 下端部、4046b 筒部、4066d 下端部・係止部、5041c,5300f スリット、5041d 下内端部・係止部、5041e 上内端部、5044d,5044e 弾性爪、5044f 隔壁部・対向部、5300g 外周面、5300h 上内端部・係止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料タンクに装着されるフランジと、前記燃料タンク内に配置されて前記燃料タンク外へ向かって燃料を吐出するポンプユニットとが、支柱を介して連結されてなる燃料供給装置であって、
筒状の前記支柱に収容され、前記支柱に対して軸方向に相対移動可能な前記ポンプユニットを前記燃料タンクの底部へ向かって押圧するように、当該軸方向の復原力を発生する弾性部材とを、備えることを特徴とする燃料供給装置。
【請求項2】
前記支柱と一体に設けられ、前記弾性部材としてのコイルスプリングよりも上方箇所から突出して当該コイルスプリングを軸方向に沿って支持する支持部を、有することを特徴とする請求項1に記載の燃料供給装置。
【請求項3】
前記ポンプユニットを保持する保持部材を、さらに備え、
前記保持部材は、前記支柱を同軸方向にスライド移動可能に収容する筒状の収容部を、有し、前記支柱に収容される前記弾性部材の復原力が、前記収容部に作用することを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料供給装置。
【請求項4】
前記支柱において下端部よりも上方に一体に設けられ、有底筒状の前記収容部の底部と対向して当該底部との間に前記弾性部材が配置される対向部を、有することを特徴とする請求項3に記載の燃料供給装置。
【請求項5】
前記保持部材は、前記支柱を前記収容部からの脱出方向の移動端において係止する係止部を、有することを特徴とする請求項3又は4に記載の燃料供給装置。
【請求項6】
前記燃料タンクの上部開口に装着される前記フランジに前記支柱として固定される上側支柱と、
前記収容部に収容されて前記上側支柱との間に前記弾性部材を挟持し、前記収容部及び前記上側支柱に対して同軸方向にスライド移動可能に連係し、前記収容部への進入方向の移動端において前記収容部に係止される下側支柱とを、備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料供給装置。
【請求項7】
前記上側支柱において下端部よりも上方に一体に設けられ、対向する前記下側支柱との間に前記弾性部材が配置される対向部を、有することを特徴とする請求項6に記載の燃料供給装置。
【請求項8】
前記燃料タンクの上部開口に装着される前記フランジに固定される上側支柱と、
前記支柱として前記収容部に収容されて当該収容部との間に前記弾性部材を挟持し、前記収容部及び前記上側支柱に対して同軸方向にスライド移動可能に連係する下側支柱とを、備えることを特徴とする請求項3に記載の燃料供給装置。
【請求項9】
前記下側支柱において下端部よりも上方に一体に設けられ、有底筒状の前記収容部の底部と対向して当該底部との間に前記弾性部材が配置される対向部を、有することを特徴とする請求項8に記載の燃料供給装置。
【請求項10】
前記保持部材は、前記下側支柱を前記収容部からの脱出方向の移動端において係止する係止部を、有し、
前記上側支柱を収容する前記下側支柱は、前記上側支柱を前記下側支柱からの脱出方向の移動端において係止する係止部を、有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
【請求項11】
前記保持部材は、前記下側支柱を前記収容部からの脱出方向の移動端において係止する係止部を、有し、
前記下側支柱を収容する前記上側支柱は、前記下側支柱を前記上側支柱からの脱出方向の移動端において係止する係止部を、有することを特徴とする請求項6〜9のいずれか一項に記載の燃料供給装置。
【請求項12】
前記フランジに保持され、前記燃料タンク内の燃料蒸気を脱離可能に吸着するキャニスタを、さらに備え、
前記ポンプユニットは、前記フランジの下方から横方向にはみ出し、
前記キャニスタは、前記フランジの下方に収められることを特徴とする請求項6〜11のいずれか一項に記載の燃料供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2012−202231(P2012−202231A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64730(P2011−64730)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000161840)京三電機株式会社 (99)