説明

燃料電池冷却システム

【課題】燃料電池冷却システムにおいて、バイパス内の急激な圧力低下を抑制してバイパスのホースの閉塞を抑制する。
【解決手段】燃料電池冷却システム1において、ラジエータ10と、ラジエータ10から燃料電池11に冷媒を送り、燃料電池11からラジエータ10に冷媒を戻す循環路12と、循環路12における燃料電池11とラジエータ10との間のラジエータ10の上流側とラジエータ10の下流側とを接続する、ホースからなるバイパス13と、ラジエータ10の下流側のバイパス13と循環路12との接続部に設けられ、ラジエータ10から燃料電池11に送られる冷媒の量とバイパス13から燃料電池11に送られる冷媒の量とを相対的に調整可能な三方弁21と、三方弁21と燃料電池11との間に設けられたポンプ22と、ポンプ22と燃料電池11の間の循環路12とバイパス13を連通するサブバイパス23とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池を搭載した燃料電池自動車が注目されている。燃料電池自動車は、燃料電池により燃料ガスと酸化ガスを電気化学反応させて発電して動力を得るものである。このときの電気化学反応は、発熱を伴い、また所定の温度範囲で良好に行われるため、燃料電池自動車には、燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムが搭載されている。
【0003】
上述の燃料電池冷却システムは、例えば図7に示すようにラジエータ100で冷やされた冷媒を燃料電池101に送り、その後燃料電池101からラジエータ100に冷媒を戻す循環路102を有している。循環路102には、ホースからなるバイパス103が形成されており、燃料電池101から排出された冷媒をラジエータ100を通さずに燃料電池101に戻すこともできる。循環路102には、例えばサブラジエータ104がラジエータ100と並列的に接続されている。また、バイパス103と循環路102の合流点には、三方弁105が設けられており、ラジエータ100から燃料電池101への冷媒の流量とバイパス103から燃料電池101への冷媒の流量を適宜調整できる。これにより、最終的に燃料電池101に送られる冷媒の温度を適宜調整できる。また、三方弁105と燃料電池101の間には、冷媒を圧送するポンプ106が設けられている。
【0004】
ところで、燃料電池自動車の低温起動時や、起動直後のアクセル全開時等には、上記燃料電池冷却システムではラジエータ100を通さずに多量の冷媒を燃料電池101に供給する必要があるため、三方弁105によりラジエータ100側からの流路が閉鎖され、バイパス103側からの流路のみが開放された状態で、ポンプ106の回転数が急激に上げられることがある。このときバイパス103内が急激に負圧になり、バイパス103のホースが閉塞する恐れがある。ホースが閉塞すると、燃料電池101に所望の量の冷媒が供給されなくなる。なお、単に管内の負圧を抑制する技術は、特許文献1に記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2007−198164号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、バイパス内の急激な圧力低下を抑制してバイパスのホースの閉塞を抑制することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための本発明は、燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムであって、冷却器と、前記冷却器から前記燃料電池に冷媒を送り、前記燃料電池から前記冷却器に前記冷媒を戻す循環路と、前記循環路における前記燃料電池と前記冷却器との間の前記冷却器の上流側と前記冷却器の下流側とを接続し、前記燃料電池から排出された冷媒を前記冷却器を通さずに前記燃料電池に送るための、ホースからなるバイパスと、前記冷却器の下流側の前記バイパスと前記循環路との接続部に設けられ、前記冷却器から前記燃料電池に送られる冷媒の量と前記バイパスから前記燃料電池に送られる冷媒の量を調整可能な弁と、前記循環路の前記弁と前記燃料電池との間に設けられ、前記冷媒を圧送するポンプと、前記ポンプと前記燃料電池の間の前記循環路と前記バイパスを連通するサブバイパスと、を有することを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、サブバイパスにより、ポンプと燃料電池の間の循環路とバイパスが連通しているので、ポンプの急激な出力上昇によるバイパス内の急激な圧力低下を抑制でき、この結果バイパスのホースの閉塞を抑制できる。
【0009】
別の観点による本発明は、燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムであって、冷却器と、前記冷却器から前記燃料電池に冷媒を送り、前記燃料電池から前記冷却器に前記冷媒を戻す循環路と、前記循環路における前記燃料電池と前記冷却器との間の前記冷却器の上流側と前記冷却器の下流側とを接続し、前記燃料電池から排出された冷媒を前記冷却器を通さずに前記燃料電池に送るための、ホースからなるバイパスと、前記冷却器の下流側の前記バイパスと前記循環路との接続部に設けられ、前記冷却器から前記燃料電池に送られる冷媒の量と前記バイパスから前記燃料電池に送られる冷媒の量とを相対的に調整可能な弁と、前記循環路の前記弁と前記燃料電池との間に設けられ、前記冷媒を圧送するポンプと、前記弁により前記冷却器から前記燃料電池に通じる冷媒の流路が閉鎖され、前記バイパスから前記燃料電池に通じる冷媒の流路のみが開放されている場合であって、前記ポンプの出力を上げる場合に、当該ポンプの出力を段階的に上げるように前記ポンプを制御する制御装置と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、制御装置によりポンプの出力が段階的に上げられるので、ポンプの急激な出力上昇によるバイパス内の急激な圧力低下を抑制でき、この結果バイパスのホースの閉塞を抑制できる。
【0011】
別の観点による本発明は、燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムであって、冷却器と、前記冷却器から前記燃料電池に冷媒を送り、前記燃料電池から前記冷却器に前記冷媒を戻す循環路と、前記循環路における前記燃料電池と前記冷却器との間の前記冷却器の上流側と前記冷却器の下流側とを接続し、前記燃料電池から排出された冷媒を前記冷却器を通さずに前記燃料電池に送るための、ホースからなるバイパスと、前記冷却器の下流側の前記バイパスと前記循環路との接続部に設けられ、前記冷却器から前記燃料電池に送られる冷媒の量と前記バイパスから前記燃料電池に送られる冷媒の量とを相対的に調整可能な弁と、前記循環路の前記弁と前記燃料電池との間に設けられ、前記冷媒を圧送するポンプと、前記ポンプの駆動による前記パイパス内の圧力変動を抑制する圧力変動抑制装置と、を有することを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、圧力変動抑制装置により、ポンプの急激な出力上昇によるバイパス内の急激な圧力低下を抑制でき、この結果バイパスのホースの閉塞を抑制できる。
【0013】
前記圧力変動抑制装置は、エアオペレートバルブであってもよい。
【0014】
別の観点による本発明は、燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムであって、冷却器と、前記冷却器から前記燃料電池に冷媒を送り、前記燃料電池から前記冷却器に前記冷媒を戻す循環路と、前記循環路における前記燃料電池と前記冷却器との間の前記冷却器の上流側と前記冷却器の下流側とを接続し、前記燃料電池から排出された冷媒を前記冷却器を通さずに前記燃料電池に送るための、ホースからなるバイパスと、前記冷却器の下流側の前記バイパスと前記循環路との接続部に設けられ、前記冷却器から前記燃料電池に送られる冷媒の量と前記バイパスから前記燃料電池に送られる冷媒の量とを相対的に調整可能な弁と、前記循環路の前記弁と前記燃料電池との間に設けられ、前記冷媒を圧送するポンプと、前記弁が有する弁体には、閉弁時に冷媒を通す穴が形成されていることを特徴とする。
【0015】
本発明によれば、弁の弁体に閉弁時に冷媒を通す穴が形成されているので、例えば弁により冷却器側からの流路を閉弁し、バイパス側からの流路のみを開放するときであっても、弁体の穴により冷却器側の流路と通じている。これにより、ポンプの急激な出力上昇によるバイパス内の急激な圧力低下を抑制でき、バイパスのホースの閉塞を抑制できる。
【0016】
以上の燃料電池冷却システムにおいて、前記バイパスには、冷媒の温度を変更可能な温度変更装置が設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、燃料電池冷却システムにおいて、バイパス内の急激な圧力低下を抑制してバイパスのホースの閉塞を抑制できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態に係る燃料電池冷却システム1の構成の概略を示す説明図である。
【0019】
例えば燃料電池冷却システム1は、冷却器としてのラジエータ10と、ラジエータ10から燃料電池11に冷媒を供給し、燃料電池11を通過した冷媒をラジエータ10に戻す循環路12と、循環路12における燃料電池11とラジエータ10との間のラジエータ10の上流側と下流側とを接続し、燃料電池11を通過した冷媒をラジエータ10を通さずに燃料電池11側に送るためのバイパス13を有している。
【0020】
バイパス13は、ゴムホースにより形成されている。バイパス13には、例えば温度変更装置としてのサブラジエータ20が設けられている。バイパス13と循環路12の合流部(ラジエータ10の下流側の接続部)には、三方弁21が設けられている。三方弁21は、例えばボールバルブであり、弁体の開放度を変えることにより、ラジエータ10側から燃料電池11に送られる冷媒の量とバイパス13側から燃料電池11に送られる冷媒の量を相対的に調整できる。
【0021】
三方弁21と燃料電池11との間の循環路12には、冷媒を圧送するポンプ22が設けられている。また、燃料電池冷却システム1には、サブラジエータ20と三方弁21との間のバイパス13と、ポンプ22と燃料電池11との間の循環路12とを連通するサブバイパス23が設けられている。このサブバイパス23は、燃料電池冷却システム1の稼働状況にかかわらず常にバイパス13と循環路12とを連通している。
【0022】
燃料電池冷却システム1には、システム全体を統合制御する制御装置30が設けられている。制御装置30は、内部にCPU,ROM,RAMを備えたマイクロコンピュータとして構成される。制御装置30は、制御プログラムに従って所望の演算を実行して、ラジエータ10、サブラジエータ20の出力、三方弁21の開放度、ポンプ22の出力(回転数)など、種々の処理や制御を行うことができる。
【0023】
以上のように構成された燃料電池冷却システム1の稼働時には、ポンプ22が駆動し、冷媒が循環路12やバイパス13を通じて循環する。例えばラジエータ10で所定温度に冷却された冷媒が循環路12を通じて燃料電池11に送られ、燃料電池11を冷却した後、循環路12を通じてラジエータ10に戻される。ラジエータ10に戻された冷媒は再び冷却され、燃料電池11に送られる。また、燃料電池11の発電状況に応じて、三方弁21によりバイパス13側の流路が開放され、燃料電池11を通過した冷媒がバイパス13に流れ込み、サブラジエータ20で冷却される。そして、バイパス13の冷媒は、三方弁21においてラジエータ10側からの冷媒と合流し或いは単独で、所定の温度に調整されて燃料電池11に送られる。
【0024】
例えば低温起動時や起動直後のアクセル全開時などには、三方弁21によりラジエータ10側の流路が閉鎖され、バイパス13側の流路のみが開放され、ポンプ22の回転数が例えば0rpmから5000rpm程度に急激に上げられる。このとき、バイパス13とポンプ22の下流側の循環路12とを連通するサブバイパス23により、バイパス13内の急激な圧力低下が抑制される。
【0025】
以上の実施の形態によれば、燃料電池冷却システム1にサブバイパス23が形成され、ポンプ22と燃料電池11の間の循環路12とバイパス13が連通しているので、ポンプ22の急激な出力上昇によるバイパス13内の急激な圧力低下を抑制できる。この結果、バイパス13のホースの閉塞を抑制できる。
【0026】
以上の実施の形態では、サブバイパス23によりバイパス13内の急激な圧力低下を抑制していたが、三方弁21によりラジエータ10から燃料電池11に通じる冷媒の流路が閉鎖され、バイパス13から燃料電池11に通じる冷媒の流路のみが開放されている場合であって、ポンプ22の出力を上げる場合に、制御装置30が、ポンプ22の出力を段階的に上げるようにポンプ22を制御するようにしてもよい。図2は、かかる場合のポンプ22の回転数の経時的変動の一例を示すものであり、ポンプ22の回転数を零から目標回転数Aに上げる場合にステップ状に回転数を上げる。こうすることにより、ポンプ22の急激な出力上昇によるバイパス13内の急激な圧力低下を抑制でき、この結果バイパス13のホースの閉塞を抑制できる。
【0027】
上記実施の形態では、例えばサブバイパス23によりバイパス13内の急激な圧力低下を抑制していたが、サブパイパス23に代えて、燃料電池冷却システム1に、ポンプ22の駆動によるパイパス13内の圧力変動を抑制する圧力変動抑制装置を設けるようにしてもよい。
【0028】
図3は、かかる場合の燃料電池冷却システム1の構成の概略を示すものであり、サブラジエータ20と三方弁21の間のバイパス13に圧力変動抑制装置であるエアオペレートバルブ40が設けられる。エアオペレートバルブ40は、例えば図4に示すようにバイパス13上の流入路50と流出路51との間に直方体状の内部空間52が形成されている。内部空間52内には、内部空間52を上下の2つの空間に仕切りながら、空気圧により上下動する弁体53が設けられている。弁体53が上下動することにより、弁体53の側壁面で流入路50と流出路51を開閉できる。弁体53の上下動は、内部空間53の上面に通じる吸気ポート54と排気ポート55により弁体53の上側空間の圧力を変動することにより行うことができる。そして、ポンプ22の出力が上昇し、バイパス13内に圧力変動が生じる際には、エアオペレートバルブ40の弁体53が上下動し、その圧力変動が吸収される。この結果、バイパス13のホースの脈動や閉塞が抑えられる。
【0029】
なお、この例では、バイパス13にエアオペレートバルブ40が設けられていたが、ポンプ22と燃料電池11との間の循環路12にエアオペレートバルブ40が設けられていてもよい。またこの例では、圧力変動抑制装置がエアオペレートバルブであったが、他の構造の装置であってもよい。
【0030】
上記実施の形態では、例えば例えばサブバイパス23によりバイパス13内の急激な圧力低下を抑制していたが、サブパイパス23を設ける代わりに、三方弁21の弁体に閉弁時に冷媒を通す穴を形成するようにしてもよい。図5は、かかる場合の一例を示すものであり、半球状の弁体60の中央に小径の貫通穴60aが形成される。こうすることにより、例えば図6に示すように三方弁21によりラジエータ10から燃料電池11に通じる冷媒の流路が閉弁され、バイパス13から燃料電池11に通じる冷媒の流路が開放されている場合であっても、弁体60の貫通穴60aによりラジエータ10側に通じている。この結果、ポンプ22の出力を急激に上げた場合でも、バイパス13内が急激な圧力低下が抑制され、バイパス13のホースの閉塞を抑制できる。
【0031】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0032】
例えば以上の実施の形態では、バイパス13にサブラジエータ20が設けられていたが、バイパス13にヒータなどの他の温度変更装置が設けられている場合も、本発明は適用できる。また、バイパス13にサブラジエータ20などの温度変更装置が設けられていない場合も、本発明は適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】燃料電池冷却システムの構成の概略を示す説明図である。
【図2】ポンプの回転数の経時的変動を示すグラフである。
【図3】エアオペレートバルブを備えた燃料電池冷却システムの構成の概略を示す説明図である。
【図4】エアオペレートバルブの構成の概略を示す説明図である。
【図5】弁体に穴を形成した場合の三方弁の構成を示す説明図である。
【図6】ラジエータ側を閉弁した場合の三方弁の構成を示す説明図である。
【図7】改良前の燃料電池冷却システムの構成の概略を示す説明図である。
【符号の説明】
【0034】
1 燃料電池冷却システム
10 ラジエータ
11 燃料電池
12 循環路
13 バイパス
20 サブラジエータ
21 三方弁
22 ポンプ
23 サブバイパス
30 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムであって、
冷却器と、
前記冷却器から前記燃料電池に冷媒を送り、前記燃料電池から前記冷却器に前記冷媒を戻す循環路と、
前記循環路における前記燃料電池と前記冷却器との間の前記冷却器の上流側と前記冷却器の下流側とを接続し、前記燃料電池から排出された冷媒を前記冷却器を通さずに前記燃料電池に送るための、ホースからなるバイパスと、
前記冷却器の下流側の前記バイパスと前記循環路との接続部に設けられ、前記冷却器から前記燃料電池に送られる冷媒の量と前記バイパスから前記燃料電池に送られる冷媒の量とを相対的に調整可能な弁と、
前記循環路の前記弁と前記燃料電池との間に設けられ、前記冷媒を圧送するポンプと、
前記ポンプと前記燃料電池の間の前記循環路と前記バイパスを連通するサブバイパスと、を有することを特徴とする、燃料電池冷却システム。
【請求項2】
燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムであって、
冷却器と、
前記冷却器から前記燃料電池に冷媒を送り、前記燃料電池から前記冷却器に前記冷媒を戻す循環路と、
前記循環路における前記燃料電池と前記冷却器との間の前記冷却器の上流側と前記冷却器の下流側とを接続し、前記燃料電池から排出された冷媒を前記冷却器を通さずに前記燃料電池に送るための、ホースからなるバイパスと、
前記冷却器の下流側の前記バイパスと前記循環路との接続部に設けられ、前記冷却器から前記燃料電池に送られる冷媒の量と前記バイパスから前記燃料電池に送られる冷媒の量とを相対的に調整可能な弁と、
前記循環路の前記弁と前記燃料電池との間に設けられ、前記冷媒を圧送するポンプと、
前記弁により前記冷却器から前記燃料電池に通じる冷媒の流路が閉鎖され、前記バイパスから前記燃料電池に通じる冷媒の流路のみが開放されている場合であって、前記ポンプの出力を上げる場合に、当該ポンプの出力を段階的に上げるように前記ポンプを制御する制御装置と、を有することを特徴とする、燃料電池冷却システム。
【請求項3】
燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムであって、
冷却器と、
前記冷却器から前記燃料電池に冷媒を送り、前記燃料電池から前記冷却器に前記冷媒を戻す循環路と、
前記循環路における前記燃料電池と前記冷却器との間の前記冷却器の上流側と前記冷却器の下流側とを接続し、前記燃料電池から排出された冷媒を前記冷却器を通さずに前記燃料電池に送るための、ホースからなるバイパスと、
前記冷却器の下流側の前記バイパスと前記循環路との接続部に設けられ、前記冷却器から前記燃料電池に送られる冷媒の量と前記バイパスから前記燃料電池に送られる冷媒の量とを相対的に調整可能な弁と、
前記循環路の前記弁と前記燃料電池との間に設けられ、前記冷媒を圧送するポンプと、
前記ポンプの駆動による前記パイパス内の圧力変動を抑制する圧力変動抑制装置と、を有することを特徴とする、燃料電池冷却システム。
【請求項4】
前記圧力変動抑制装置は、エアオペレートバルブであることを特徴とする、請求項3に記載の燃料電池冷却システム。
【請求項5】
燃料電池を冷却する燃料電池冷却システムであって、
冷却器と、
前記冷却器から前記燃料電池に冷媒を送り、前記燃料電池から前記冷却器に前記冷媒を戻す循環路と、
前記循環路における前記燃料電池と前記冷却器との間の前記冷却器の上流側と前記冷却器の下流側とを接続し、前記燃料電池から排出された冷媒を前記冷却器を通さずに前記燃料電池に送るための、ホースからなるバイパスと、
前記冷却器の下流側の前記バイパスと前記循環路との接続部に設けられ、前記冷却器から前記燃料電池に送られる冷媒の量と前記バイパスから前記燃料電池に送られる冷媒の量とを相対的に調整可能な弁と、
前記循環路の前記弁と前記燃料電池との間に設けられ、前記冷媒を圧送するポンプと、
前記弁が有する弁体には、閉弁時に冷媒を通す穴が形成されていることを特徴とする、燃料電池冷却システム。
【請求項6】
前記バイパスには、冷媒の温度を変更可能な温度変更装置が設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の燃料電池冷却システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−62031(P2010−62031A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−227357(P2008−227357)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】