説明

燃料電池装置

【課題】燃料電池スタック端部におけるエンドプレートと配管との間の接続の信頼性を高める。
【解決手段】燃料電池装置は、セル積層体の両端にエンドプレートを配置して成る燃料電池スタックと、燃料電池スタックに対してボルト締結されて流体を供給・排出する配管と、を備える。セル積層体内部には、セル積層体を貫通して延出する積層体内マニホールドが形成される。エンドプレート内部には、積層体内マニホールドが延出する方向に対して傾斜した角度に延出するエンドプレート内マニホールドが形成される。配管内には、配管内流路が形成される。配管内流路におけるエンドプレートとの接続部を含む部分の延出方向は、エンドプレートの面に垂直な方向に対してエンドプレート内マニホールドが傾斜する方向と同じ方向に傾斜している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
燃料電池は、一般に、単セルを複数積層した単セル積層体の両端に、集電板(ターミナル)、絶縁板(インシュレータ)、およびエンドプレートが配置された燃料電池スタックを備える。このような燃料電池スタックでは、単セル積層体を貫通して、単セル内のガス流路や燃料電池内に形成される冷媒流路に対してガスや冷媒を供給・排出するマニホールドが形成される。
【0003】
また、単セル積層体の両端の内の少なくとも一方に配置されたエンドプレートには、上記したマニホールドの開口部が形成される。エンドプレートに設けられたマニホールドの開口部には、燃料電池スタックの外部から流体を供給・排出するための配管が接続される。このような、マニホールドと配管との接続部に係る構造として、エンドプレート内に形成されるマニホールド部分を、単セル積層体内に形成されるマニホールド部分に対して、傾斜して設ける構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−343406号公報
【特許文献2】特開2002−343410号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、エンドプレート内のマニホールド部分を、単セル積層体内のマニホールド部分に対して傾斜させる場合には、エンドプレート内のマニホールド部分や、エンドプレートに形成されるボルト穴等の位置関係によって、ボルト締結強度の確保を充分に行ない難い場合が生じ得た。そのため、エンドプレートに対する配管のボルト締結に係る構成について、更なる適正化が望まれていた。
【0006】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、燃料電池スタック端部におけるエンドプレートと配管との間の接続の信頼性を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実施することが可能である。
【0008】
[適用例1]
燃料電池装置であって、
積層された複数の単セルを備えるセル積層体の両端に、エンドプレートを配置して成る燃料電池スタックと、
ボルト締結によって前記燃料電池スタックの前記エンドプレートに接続され、前記燃料電池スタックに対して流体を供給・排出する配管と、
を備え、
前記セル積層体内部には、該セル積層体を貫通して延出するように設けられた前記流体の流路である積層体内マニホールドが形成され、
前記エンドプレート内部には、前記積層体内マニホールドに連通し、前記積層体内マニホールドが延出する方向に対して傾斜した角度に延出するエンドプレート内マニホールドが形成され、
前記配管内には、前記エンドプレート内マニホールドに対して接続される配管内流路が形成され、
前記配管内流路における前記エンドプレートとの接続部を含む部分は、当該部分における延出方向が、前記エンドプレートの面に垂直な方向に対して、前記エンドプレート内マニホールドが傾斜する方向と同じ方向に傾斜している
燃料電池装置。
【0009】
適用例1に記載の燃料電池装置によれば、エンドプレート内において、配管をエンドプレートに接続するためのボルトとエンドプレート内マニホールドとの干渉を抑制することができる。そのため、ボルトの長さを確保して、エンドプレートに対する配管の締結強度を高めることができる。また、エンドプレート内マニホールドを積層方向に対して傾斜させることに起因する圧力損失の上昇を抑制することができる。
【0010】
[適用例2]
適用例1記載の燃料電池装置であって、前記配管内流路における前記接続部を含む部分は、当該部分における延出方向が、前記エンドプレートの面に垂直な方向に対して、前記エンドプレート内マニホールドが傾斜する角度以下の角度で傾斜している燃料電池装置。適用例2に記載の燃料電池装置によれば、配管流路における接続部を含む部分の延出方向が傾斜する構成を、容易に実現可能となる。
【0011】
[適用例3]
適用例1または2記載の燃料電池装置であって、前記配管内流路における前記接続部を含む部分は、当該部分における延出方向が、前記エンドプレート内マニホールドの延出方向と平行になるように形成されている燃料電池装置。適用例3に記載の燃料電池装置によれば、エンドプレート内におけるボルトとエンドプレート内マニホールドとの干渉を抑制する効果を高めることができる。また、配管内流路とエンドプレート内マニホールドとを流体が流れる際の圧力損失を、より低くすることができる。
【0012】
[適用例4]
適用例1ないし3いずれか記載の燃料電池装置であって、前記配管は、前記エンドプレートに対して前記配管をボルト締結するためのフランジを端部に備え、前記エンドプレートは、前記エンドプレートの表面の内、前記フランジが固着される領域が、前記エンドプレートの面に対して傾斜した面として形成されている燃料電池装置。適用例4に記載の燃料電池装置によれば、エンドプレート表面に傾斜面が形成される領域を設けることにより、配管内流路の延出方向を、所望の方向にすることができる。
【0013】
[適用例5]
適用例1ないし4いずれか記載の燃料電池装置であって、前記エンドプレート内マニホールドの延出方向は、前記エンドプレート内マニホールドにおける前記セル積層体内側の開口部よりも、前記エンドプレート内マニホールドにおける前記接続部側の開口部の方が、前記エンドプレートの外周から離間するように傾斜している燃料電池装置。適用例5に記載の燃料電池装置によれば、エンドプレートにおける配管との接続部側の表面において、エンドプレート内マニホールドとエンドプレート外周との間の距離を、より長く確保することができる。そのため、配管との接続部側のエンドプレート表面において、ボルトを締結するためのスペースを、より大きく確保することができる。その結果、燃料電池スタックを大型化することなく、ボルト締結の強度に対する信頼性を高めることができる。
【0014】
[適用例6]
適用例1ないし5いずれか記載の燃料電池装置であって、前記流体は、水素を含有してアノードに供給される燃料ガス、酸素を含有してカソードに供給される酸化ガス、燃料電池を冷却する冷媒、から選択される流体である燃料電池装置。適用例6に記載の燃料電池装置によれば、燃料ガス、酸化ガス、冷媒から選択される流体の流路をエンドプレートに接続する際に、燃料電池スタックの大型化を抑えつつ、接続強度を充分に確保することが可能になる。
【0015】
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、燃料電池用エンドプレートや、燃料電池に対する配管の接続方法などの形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】単セル10の構成の概略を表わす分解斜視図である。
【図2】燃料電池スタック15の外観を表わす斜視図である。
【図3】孔部41の近傍領域および冷媒供給配管51の先端部分を拡大して示す説明図である。
【図4】エンドプレート36に冷媒供給配管51を接続した様子を示す断面模式図である。
【図5】各々の流路の延出方向が成す角度を示す説明図である。
【図6】傾斜領域を設けないエンドプレート136を用いた構成を表わす断面模式図である。
【図7】燃料電池スタック215の外観を表わす斜視図である。
【図8】エンドプレート336の構成を表わす説明図である。
【図9】ボルト穴47の配置を例示する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.燃料電池スタック15の構成:
図1は、本発明の好適な一実施例としての燃料電池を構成する単セル10の構成の概略を表わす分解斜視図である。また、図2は、単セル10を積層して成る燃料電池スタック15の外観を表わす斜視図である。本実施例の燃料電池装置は、燃料電池スタック15と、燃料電池スタック15に対して流体を供給・排出する装置とを備えている。最初に、燃料電池スタック15の構成について説明する。
【0018】
単セル10は、MEA(膜−電極接合体、Membrane Electrode Assembly)20と、ガス拡散層23,24と、ガスセパレータ25,26と、を備えている。ここで、MEA20は、電解質膜と、電解質膜の各々の面に形成された電極であるアノードおよびカソードと、によって構成される。このMEA20は、ガス拡散層23,24によって挟持されており、MEA20およびガス拡散層23,24から成るサンドイッチ構造は、さらに両側からガスセパレータ25,26によって挟持されている(ただし、ガス拡散層23は、ガス拡散層24が形成される面の裏面に配置されるため、図1では図示せず)。
【0019】
MEA20を構成する電解質膜は、固体高分子材料、例えばフッ素系樹脂により形成されたプロトン伝導性のイオン交換膜であり、湿潤状態で良好な電子伝導性を示す。カソードおよびアノードは、電解質膜上に形成された層であり、電気化学反応を進行する触媒金属(例えば白金)を担持するカーボン粒子と、プロトン伝導性を有する高分子電解質と、を備えている。ガス拡散層23,24は、ガス透過性および電子伝導性を有する部材によって構成されており、例えば、発泡金属や金属メッシュなどの金属製部材や、カーボンクロスやカーボンペーパなどのカーボン製部材により形成することができる。このようなガス拡散層23,24は、電気化学反応に供されるガスの流路になると共に、集電を行なう。
【0020】
ガスセパレータ25,26は、ガス不透過な導電性部材、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンや、焼成カーボン、あるいはステンレス鋼などの金属材料により形成されている。ガスセパレータ25,26は、MEA20との間に形成される反応ガス(水素を含有する燃料ガスあるいは酸素を含有する酸化ガス)の流路の壁面を成す部材であって、その表面には、ガス流路を形成するための凹凸形状が形成されている。表面に溝88が形成されたガスセパレータ25とMEA20との間には、酸化ガスの流路であるセル内酸化ガス流路が形成される。また、表面に溝89が形成されたガスセパレータ26とMEA20との間には、燃料ガスの流路であるセル内燃料ガス流路が形成される。単セル10を組み立てる際には、MEA20の外周にシール部(図示せず)を配置して、単セル10内のガス流路のシール性を確保しつつ、ガスセパレータ25、26間を接合する。
【0021】
ここで、ガスセパレータ25において、セル内酸化ガス流路を形成するための溝88が設けられた面の裏面には、凹部87が形成されている(ただし、ガスセパレータ25の裏面に形成されるため図1では図示せず)。同様に、ガスセパレータ26において、セル内燃料ガス流路を形成するための溝89が設けられた面の裏面には、凹部87が形成されている。これらの凹部87は、ガスセパレータ25,26上にガス拡散層23,24が配置される領域全体と重なる範囲にわたって形成されており、隣り合う単セル10間で、冷媒の流路を形成する。すなわち、複数の単セル10を積層して燃料電池を組み立てたときには、隣り合う一方の単セル10のガスセパレータ25に形成された凹部87と、隣り合う他方の単セル10のガスセパレータ26に形成された凹部87とが、丁度重なり合って、冷媒流路を形成する。なお、セル間冷媒流路は、隣り合う単セル10間の全てに設けるのではなく、例えば、単セル10を所定数積層する毎に設けることとしても良い。
【0022】
ガスセパレータ25,26は、その外周近くの互いに対応する位置に、複数の孔部を備えている。単セル10を複数積層して燃料電池を組み立てると、各ガスセパレータの対応する位置に設けられた孔部は、互いに重なり合って、ガスセパレータの積層方向に燃料電池内部を貫通する流路を形成する。具体的には、孔部83は、各セル内酸化ガス流路に酸化ガスを分配する酸化ガス供給マニホールドを形成し、孔部84は、各セル内酸化ガス流路から酸化ガスが集合する酸化ガス排出マニホールドを形成する。また、孔部85は、各セル内燃料ガス流路に燃料ガスを分配する燃料ガス供給マニホールドを形成し、孔部86は、各セル内燃料ガス流路から燃料ガスが集合する燃料ガス排出マニホールドを形成する。また、孔部81は、各セル間冷媒流路に冷媒を分配する冷媒供給マニホールドを形成し、孔部82は、各セル間冷媒流路から冷媒が集合する冷媒排出マニホールドを形成する。
【0023】
図2に示すように、本実施例の燃料電池スタック15は、複数の単セル10を積層した積層体の両端に、出力端子32,33を備える集電板(ターミナル)30,31、絶縁板(インシュレータ)34,35、エンドプレート36,37を順次配置することによって形成される。上記集電板30、絶縁板34およびエンドプレート36には、ガスセパレータに設けた孔部83〜86に対応する位置に、孔部41〜46が設けられている。これらの孔部を介して、既述したマニホールドに対して、ガスあるいは冷媒の供給・排出が行なわれる。なお、燃料電池スタック15は、単セル10の積層方向に締結圧がかかった状態で保持される。本実施例では、エンドプレート36,37にボルト39で結合されたテンションプレート38を、保持部材として用いている。
【0024】
なお、図2に示すように、マニホールドが開口するエンドプレート36は、全体として平坦な板状部材として形成されているが、部分的に傾斜面を成す傾斜領域が形成されている。すなわち、孔部41,42,43,44を含む領域は、傾斜領域となっている。エンドプレート36表面に形成される傾斜領域については、後に詳しく説明する。
【0025】
また、図2に示すように、本実施例では、燃料電池スタック15の一方の端部側(エンドプレート36側)において、全てのマニホールドが開口しているが、異なる構成としても良い。燃料ガスと酸化ガスと冷媒の内の少なくともいずれかの流体では、供給マニホールドと排出マニホールドが、異なるエンドプレートで開口することとしても良い。また、燃料電池スタック15内において、一方の端部側(例えば、図2では、マニホールド開口部を有しないエンドプレート37側)に、板バネなどの、締結圧の変動を吸収する部材を、さらに設けても良い。
【0026】
B.配管との接続部の構成:
既述したように、燃料電池スタック15では、エンドプレート36に形成された孔部41〜46を介して、ガスあるいは冷媒の供給・排出が行なわれる。燃料ガス、酸化ガス、冷媒を供給・排出する装置は、各々、各流体を供給・排出するための配管を備え、各配管の先端部には、エンドプレート36に接続するための構造であるフランジが設けられている。図3は、図2に示す燃料電池スタック15における孔部41の近傍領域を拡大して示すと共に、孔部41に接続される冷媒供給装置が備える冷媒供給配管51の先端部分の構造を拡大して示す説明図である。
【0027】
図3に示すように、孔部41の周囲には、複数の(本実施例では4つの)ボルト穴47が形成されている。また、冷媒供給装置が備える冷媒供給配管51内に形成される冷媒流路は、冷媒供給配管51の先端部に設けられたフランジ50に設けられた開口部52において開口している。開口部52は、エンドプレート36に形成された孔部41と丁度重なり合う形状である。フランジ50において、開口部52の周囲には、エンドプレート36に設けた各ボルト穴47と対応する位置に、複数のボルト穴53が形成されている。また、フランジ50には、ボルト穴53よりも開口部52に近い位置に、開口部52を囲むように、Oリング溝54が形成されている。燃料電池スタック15と冷媒供給装置とを接続する際には、孔部41と開口部52,および、各ボルト穴が重なり合うように、エンドプレート36に対してフランジ50を接触させ、各ボルト穴にボルトを嵌め込んで固着する。
【0028】
なお、図3では、孔部41の近傍の構造を示したが、他の孔部42〜46も、同様に、周囲にボルト穴が形成されている。また、他の各孔部42〜46に接続される流体の供給・排出装置が備える配管の先端部にも、フランジ50と同様の構造のフランジが設けられており、ボルトを用いた締結が行なわれる。
【0029】
図4は、エンドプレート36に対して、フランジ50を介して冷媒供給配管51が接続する様子を、図2に4−4断面として示す断面について示す断面模式図である。燃料電池スタック15の内部には、各ガスセパレータ25,26に設けられた孔部81、および、集電板30、絶縁板34、エンドプレート36に設けられた孔部41によって形成される冷媒供給マニホールドが設けられている。以下の説明では、冷媒供給マニホールドの内、ガスセパレータ25,26に設けられた孔部81と、集電板30および絶縁板34に設けられた孔部41と、によって形成される部分を、積層体内マニホールド60と呼ぶ。また、冷媒供給マニホールドの内、エンドプレート36に設けられた孔部41によって形成される部分を、エンドプレート内マニホールド61と呼ぶ。なお、冷媒供給配管51内に形成される冷媒流路は、配管内流路62と呼ぶ。
【0030】
図4に示すように、フランジ50は、エンドプレート36に対して、エンドプレート36のボルト穴47およびフランジ50のボルト穴53に嵌め込んだボルト55によって固定される。このとき、ボルト55は、フランジ50が配置されるエンドプレート36の表面に対して、垂直に嵌め込まれる。また、フランジ50に設けられたOリング溝54には、エンドプレートとフランジとの接続部、すなわち、燃料電池スタック15内の冷媒供給マニホールドと冷媒供給配管51内の流路との接続部における、シール性を確保するためのOリングが配置される。
【0031】
ここで、積層体内マニホールド60を形成する孔部81は、各ガスセパレータ25,26の同じ位置で同じ形状に形成されている。また、積層体内マニホールド60を形成する孔部41も、集電板30および絶縁板34において、孔部81と同じ位置で同じ形状に形成されている。そのため、積層体内マニホールド60の延出方向(積層体内マニホールド60の流路壁の延出方向であり、冷媒の流れ方向)は、単セル10の積層方向に平行になる。
【0032】
これに対して、エンドプレート内マニホールド61は、その延出方向(エンドプレート内マニホールド61の流路壁の延出方向であり、冷媒の流れ方向)が、積層体内マニホールド60の延出方向に対して、傾斜した角度となっている。具体的には、エンドプレート内マニホールド61は、絶縁板34と接する面側の開口部に比べて、フランジ50と接する面側の開口部がエンドプレート36の外周から離れる方向へと、単セル10の積層方向に対して傾斜している。なお、エンドプレート36の孔部41は、エンドプレート内マニホールド61の流路断面が、全体で均一な形状になるように形成されている。
【0033】
また、配管内流路62は、エンドプレート36との接続部を含む部分において、その延出方向(配管内流路62の流路壁の延出方向であり、冷媒の流れ方向)が、エンドプレート内マニホールド61の延出方向に対して平行になっている。すなわち、エンドプレート内マニホールド61から配管内流路62へと冷媒が流れる際には、冷媒は、一直線状に流れる。
【0034】
図5は、積層体内マニホールド60と、エンドプレート内マニホールド61と、配管内流路62と、の各々の延出方向が成す角度を示す説明図である。図5では、エンドプレート内マニホールド61および配管内流路62の延出方向が、積層体内マニホールド60に対して成す角度を、角度θとして示している。なお、本実施例では、流路断面の中心を結んだ線を各流路の流路軸とするならば、各流路の延出方向は、各流路の流路軸の方向ということができる。
【0035】
既述したように、エンドプレート36の表面では、孔部41を含む領域が、傾斜領域36aとなっている。図4に示すように、この傾斜領域36aが、エンドプレート36の面(エンドプレート36において平坦面を成している他の平坦領域)との間に成す角度は、エンドプレート内マニホールド61および配管内流路62の延出方向が積層方向との間に成す角度と同じ角度θとなっている。ここで、フランジ50におけるエンドプレート36との接触面は、エンドプレート36との接続部近傍における配管内流路62に対して、垂直になるように形成されている。そのため、上記角度で傾斜した傾斜領域36aに対して、フランジ50を固着させることによって、エンドプレート内マニホールド61と配管内流路62の延出方向を、一直線上に重ねることができる。
【0036】
なお、図3〜5では、孔部41に係る流路の接続構造について説明したが、他の孔部42〜44においても、同様である。本実施例のエンドプレート36の表面には、3つの孔部41〜43を含むように、傾斜領域36aが形成されている。また、孔部44を含むように、傾斜領域36bが形成されている。このようなエンドプレート36では、孔部42,43,44に対応するエンドプレート内マニホールドについても、流体の供給・排出装置との接続部側の面に近づくほどエンドプレート36の外周から離間するように、延出方向が積層方向に対して傾斜して設けられている。そして、上記傾斜領域36a、36bにおいて、孔部42〜44に対してフランジ50と同様のフランジを介して配管と接続することにより、エンドプレート内マニホールドと配管内流路の延出方向を、一直線上に重ねることができる。
【0037】
エンドプレート36において、孔部45,46は、既述した平坦領域に設けられ得いる。このような平坦領域に設けられた孔部45,46に対応するエンドプレート内マニホールドは、積層方向に対して傾斜することなく、積層体内マニホールドと一直線上に重なるように設けられている。
【0038】
なお、図3では、フランジ50は、冷媒供給マニホールドに対して冷媒供給配管を接続するのみであったが、異なる構成としても良い。例えば、流体供給・排出装置と燃料電池スタック15内のマニホールドとの接続を行なうフランジとして、複数の接続箇所に対応するフランジを一体で形成しても良い。具体的には、冷媒供給装置の配管に加えて、酸化ガス供給装置の配管と、冷媒排出装置の配管とが開口すると共に、孔部41に加えて孔部42,43に対応するボルト穴およびOリング溝が形成されて、孔部41〜43に対する配管接続を1度に行なうことができるフランジを用いても良い。
【0039】
あるいは、孔部41〜43全体を含む領域として傾斜領域36aを設けるのではなく、孔部44に対応して設けた傾斜領域36bと同様に、孔部41,42,43の各々に対応して、傾斜領域を互いに離間して設けても良い。この場合には、各々の孔部に対して、対応する単一の配管が開口するフランジを接続することとしても良い。
【0040】
以上のように形成された本実施例の燃料電池装置によれば、エンドプレート内マニホールド61を、積層体内マニホールド60に対して、エンドプレート36の外周から離れる方向に内側に傾斜させることで、エンドプレート内マニホールド61のフランジ側開口部において、エンドプレート外周から、より長い距離を確保することができる。そのため、積層体内マニホールド60の配置を変更することなく、燃料電池スタック15の大型化を抑制することができる。さらに、本実施例によれば、エンドプレート内マニホールドと配管内流路の延出方向が一直線上に重なるように、エンドプレート36に傾斜領域を設けているため、ボルト55による締結の強度を高めることができる。以下、本実施例の効果について、さらに詳しく説明する。
【0041】
燃料電池においては、一般に、燃料電池の発電性能を高めるために、発電が行なわれる領域、すなわち、MEA20上にセル内ガス流路が形成される領域を、より広く確保することが望ましい。そのためには、流体を供給・排出するために燃料電池スタック内部に設けるマニホールドは、できるだけスタック側面に近い位置に配置することが望ましい。すなわち、マニホールドを形成するための孔部81〜86を設けた箇所の近傍におけるガスセパレータ25,26の強度等を考慮して、孔部81〜86は、できるだけガスセパレータ25,26の外周近くに形成することが望ましい。
【0042】
一方、フランジを介して流体供給・排出配管を、上記マニホールドに接続する際には、エンドプレート36に設けるボルト穴47の深さが深いほど、また、ボルト穴47の径が大きく、太いボルトを用いるほど、接続強度を高めることができる。さらに、フランジの取り付け部におけるシール性を確保するためには、充分な大きさのOリングを用いる必要がある。そのため、エンドプレート36とフランジ50との間の接続の信頼性を高めるには、充分な大きさのボルトおよびOリングを配置するスペースを確保するために、孔部41〜46と、エンドプレートおよびフランジの外周との距離を、より大きく確保することが望ましい。
【0043】
そのために、例えば、エンドプレート36を、ガスセパレータ25,26よりも一回り大きく形成する方策が考えられる。このような構成とすれば、エンドプレート36において、孔部41〜46とエンドプレート36の外周との距離を大きくすることができ、ボルトによる接続強度の確保が容易になる。しかしながら、このような構成は、燃料電池スタック全体の大型化を引き起こすため、採用し難い場合がある。
【0044】
図6は、エンドプレート内マニホールド61を、実施例と同様に傾斜して設けるものの、表面に傾斜領域を設けないエンドプレート136を用いた構成を表わす断面模式図である。図6では、単セル10の積層体内に形成された積層体内マニホールド60と、積層体の側面との間の距離を、距離Cとして表わしている。図6に示すように、フランジ側の開口部がエンドプレートの外周から離間するように、エンドプレート内マニホールド61を傾斜させて設けることにより、エンドプレート内マニホールド61のフランジ側開口部では、エンドプレート136の外周との距離は、距離Cよりも長い距離Dとなる。このように、エンドプレート内マニホールド61のフランジ側開口部と、エンドプレート136の外周との距離を長くすることで、エンドプレート136およびフランジ50を大型化することなく、ボルト55およびOリングの配置スペースをより広く確保することが可能になる。
【0045】
しかしながら、上記のようにエンドプレート内マニホールド61を積層方向に対して傾斜させることにより、エンドプレート136の外周近傍に設けたボルト55においては、その先端近くほど、エンドプレート内マニホールド61との距離が近くなる。ボルト55の先端ほどエンドプレート内マニホールド61との距離が近くなるのは、一般的に、ボルトが、取り付け面に対して垂直に打ち込まれることによる。そのため、ボルト55とエンドプレート内マニホールド61との干渉を避けるためには、ボルト穴を短くする必要が生じる場合がある。しかしながら、ボルト穴を短くすると、かかり代が不足することにより、接続強度が不足する可能性があるため、採用し難い場合がある。
【0046】
本実施例では、図4に示したように、エンドプレート内マニホールド61を積層方向に対して傾斜させると共に、エンドプレート36の表面に傾斜領域36a,36bを設けている。そのため、エンドプレート内マニホールド61のフランジ側開口部において、エンドプレート36の外周との距離を長くする効果に加えて、エンドプレート内マニホールド61とボルト穴47との間の角度を、平行に近づけることができる。そのため、ボルト55の先端部がエンドプレート内マニホールド61に近づくことを抑え、ボルトの長さ(かかり代)を充分に確保して、接続強度を高めることができる。
【0047】
さらに、本実施例の燃料電池装置によれば、エンドプレート内マニホールド61の延出方向が、配管内流路62の延出方向と一直線上に重なるため、エンドプレート内マニホールド61と配管内流路62の接続部において、流路が折れ曲がらない。そのため、エンドプレート内マニホールド61を積層方向に対して傾斜させても、流路の折れ曲がりポイントの増加を抑制することができる。その結果、流路の折れ曲がりに起因する圧力損失の上昇を抑制することができる。
【0048】
なお、第1実施例では、エンドプレート36において、傾斜領域36aと傾斜領域36bの両方を設けたが、一方だけを設けることとしても良い。いずれか一方だけであっても、燃料電池スタックの大型化を抑制する効果を得ることができる。
【0049】
C.エンドプレートに係る他の実施例:
図2では、垂直方向をA方向、水平方向をB方向として表わしている。エンドプレート36において、孔部41,45あるいは孔部42,46の近傍の辺は、垂直方向の辺であり、孔部41〜43あるいは孔部44の近傍の辺は、水平方向の辺である。既述した第1実施例では、エンドプレート36において、孔部41〜43に対応するエンドプレート内マニホールド61を、積層体内マニホールド60に対して垂直方向下向きに傾斜させている。また、エンドプレート36において、孔部44に対応するエンドプレート内マニホールド61を、積層体内マニホールド60に対して垂直方向上向きに傾斜させている。これにより、燃料電池スタック15において、垂直方向の大型化を抑制している。
【0050】
これに対して、燃料電池スタックにおける水平方向の大型化を抑制することも可能である。図7は、第2実施例の燃料電池スタック215の外観を表わす斜視図である。燃料電池スタック215は、エンドプレート36に代えてエンドプレート236を備えること以外は、燃料電池スタック15と同様の構成を有しており、共通する構成要素には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
【0051】
エンドプレート236は、傾斜領域36a,36bに代えて、傾斜領域36c,36dを備えている。すなわち、孔部41,45を含む領域は、傾斜領域36cとなっており、孔部42,46を含む領域は、傾斜領域36dとなっている。また、孔部41,45に対応してエンドプレート236内に形成されるエンドプレート内マニホールドは、フランジ側開口部がエンドプレート236の外周から離間する方向に(積層体内マニホールドに対して図7における水平方向右向きに)傾斜して設けられている。孔部42,46に対応してエンドプレート236内に形成されるエンドプレート内マニホールドは、フランジ側開口部がエンドプレート236の外周から離間する方向に(積層体内マニホールドに対して図7における水平方向左向きに)傾斜して設けられている。上記した傾斜領域36c,36dにおいて、各孔部41,42,45,46に対して、フランジ50を介して対応する流体の供給・排出配管を接続することにより、エンドプレート内マニホールドと配管内流路の延出方向を、一直線状にすることができる。このような構成とすることで、第2実施例では、燃料電池スタック215における水平方向の大型化を抑制することができる。
【0052】
あるいは、燃料電池スタックにおいて、垂直方向と水平方向の両方について大型化を抑制することも可能である。このような構成を、第3実施例として以下に説明する。図8は、第3実施例の燃料電池スタックにおいて、エンドプレート36に代えて用いられるエンドプレート336の構成を表わす説明図である。第3実施例において、第1実施例と共通する構成要素には、同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
【0053】
図8では、孔部42の近傍の構成のみを、拡大して示している。第3実施例では、孔部42が設けられる領域は、傾斜領域36eとなっている。そして、エンドプレート336内では、エンドプレート内マニホールドのフランジ側開口部が、積層体側開口部に比べて、孔部42の近傍のエンドプレート角部を成す2つの辺のいずれからも離間するように、エンドプレート内マニホールドが形成されている。すなわち、エンドプレート内マニホールドの延出方向は、積層体内マニホールドに対して、エンドプレート336の中心部よりに傾斜している。上記傾斜領域36eの傾斜角度は、フランジ50を介して冷媒排出装置の配管を接続したときに、エンドプレート内マニホールドと配管内流路の延出方向を、一直線上に重ねることができる角度となっている。
【0054】
なお、このような第3実施例のエンドプレート336では、エンドプレートの他の角部に設けられる孔部41を含む領域についても、傾斜領域36eと同様の傾斜面を設けると共に、エンドプレート内マニホールドの延出方向が、エンドプレートの中心部よりに傾斜するように、エンドプレート内マニホールドを形成すればよい。また、孔部44のように、エンドプレートの外周を成す辺の中ほどに設けられる孔部については、図2に示した傾斜領域36bと同様の傾斜領域を設ければよい、そして、エンドプレート内マニホールドは、フランジ側開口部がエンドプレートの外周から離間する方向に、積層体内マニホールドに対して傾斜させればよい。このような構成とすることで、燃料電池スタックにおいて、垂直方向と水平方向の両方について大型化を抑制することが可能となる。
【0055】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0056】
D1.変形例1:
エンドプレートに設けるボルト穴47の配置を、既述した第1ないし第3実施例とは異ならせても、同様の効果が得られる。図9(A)は、ボルト穴47を、第1ないし第3実施例と同様に配置した様子を表わす説明図である。また図9(B)は、ボルト穴47を、第1ないし第3実施例とは異なる配置とした様子を表わす説明図である。既述したように、傾斜領域を設けると共に、エンドプレート内マニホールドを傾斜させることによって、孔部(図9では孔部41)とエンドプレート外周(図9では辺Eと示す)との間の距離(図9では距離Gと示す)を確保して、ボルト穴47を設けるスペースを確保することができる。第1ないし第3実施例では、辺Eに近いボルト穴の中心を通る垂直方向の線(図9では線Fと示す)が、孔部41の中心を通っており、上記した距離Gを確保することによる効果が顕著に得られる。しかしながら、図9(B)のように、辺Eに近いボルト穴の中心を通る垂直方向の線(図9では線Fと示す)が、孔部41の中心を通っていなくても良い。ボルト穴47が、辺Eから距離Gの範囲内にあれば、同様の効果が得られる。
【0057】
D2.変形例2:
第1ないし第3実施例では、燃料電池スタックの一方の端部に配置されたエンドプレートにおいて、流体の供給・排出装置との間の接続を全て行なったが、異なる構成としても良い。燃料電池スタック内のマニホールドの内の少なくとも一部は、他方のエンドプレート側で開口することとしても良い。その場合には、双方のエンドプレートにおいて、エンドプレート外周からの距離を確保するように、エンドプレート内マニホールおよび傾斜領域を形成すればよい。
【0058】
D3.変形例3:
第1ないし第3実施例では、エンドプレート内マニホールド61と配管内流路62とは、一直線上に重なることとしたが、異なる構成としても良い。接続部近傍における配管内流路62の延出方向と積層体内マニホールド60の延出方向が成す角が、エンドプレート内マニホールド61の延出方向と積層体内マニホールド60の延出方向がなす角に近づくように、エンドプレートに傾斜面が設けられていればよい。例えば、接続部近傍における配管内流路62の延出方向を、積層方向に対して、エンドプレート内マニホールドの延出方向が傾斜する方向と同じ方向に傾斜させると共に、接続部近傍における配管内流路62の延出方向が積層方向との間に成す角度を、エンドプレート内マニホールドの延出方向が積層方向との間に成す角度以下とすれば良い。このような構成とすれば、ボルト55とエンドプレート内マニホールド61との干渉を避けることによりボルトの締結強度を高める同様の効果を得ることができる。
【0059】
D4.変形例4:
第1ないし第3実施例では、集電板30、絶縁板34、エンドプレート36に設けた孔部41〜46と、流体供給・排出装置の配管内の流路とは、断面の大きさが同じであって、互いに重なり合う形状としたが、異なる構成としても良い。流路の延出方向が、実施例と同様に傾斜するように各流路を形成するならば、同様の効果が得られる。ただし、流路内での圧力損失の上昇を抑えるためには、流路断面積を一様に形成することが望ましい。
【0060】
D5.変形例5:
第1ないし第3実施例では、ボルト締結の強度を確保するために、エンドプレート内マニホールドを、セル面の中心部よりに傾斜させることとしたが、異なる構成としても良い。いずれかの方向にエンドプレート内マニホールドを傾斜させる必要があるときに、配管との接続部において本願発明を適用し、エンドプレートに傾斜領域を設けるならば、エンドプレート内マニホールドとボルト穴との干渉を抑えることによる同様の効果が得られる。また、流路が折れ曲がることに起因する流体の圧損を抑える同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0061】
10…単セル
15,215…燃料電池スタック
20…MEA
23,24…ガス拡散層
25,26…ガスセパレータ
30,31…集電板
32,33…出力端子
34,35…絶縁板
36,37,136,236,336…エンドプレート
36a,36b,36c,36d,36e…傾斜領域
38…テンションプレート
39…ボルト
41〜46…孔部
47…ボルト穴
50…フランジ
51…冷媒供給配管
52…開口部
53…ボルト穴
54…Oリング溝
55…ボルト
60…積層体内マニホールド
61…エンドプレート内マニホールド
62…配管内流路
81〜86…孔部
87…凹部
88,89…溝

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池装置であって、
積層された複数の単セルを備えるセル積層体の両端に、エンドプレートを配置して成る燃料電池スタックと、
ボルト締結によって前記燃料電池スタックの前記エンドプレートに接続され、前記燃料電池スタックに対して流体を供給・排出する配管と、
を備え、
前記セル積層体内部には、該セル積層体を貫通して延出するように設けられた前記流体の流路である積層体内マニホールドが形成され、
前記エンドプレート内部には、前記積層体内マニホールドに連通し、前記積層体内マニホールドが延出する方向に対して傾斜した角度に延出するエンドプレート内マニホールドが形成され、
前記配管内には、前記エンドプレート内マニホールドに対して接続される配管内流路が形成され、
前記配管内流路における前記エンドプレートとの接続部を含む部分は、当該部分における延出方向が、前記エンドプレートの面に垂直な方向に対して、前記エンドプレート内マニホールドが傾斜する方向と同じ方向に傾斜している
燃料電池装置。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池装置であって、
前記配管内流路における前記接続部を含む部分は、当該部分における延出方向が、前記エンドプレートの面に垂直な方向に対して、前記エンドプレート内マニホールドが傾斜する角度以下の角度で傾斜している
燃料電池装置。
【請求項3】
請求項1または2記載の燃料電池装置であって、
前記配管内流路における前記接続部を含む部分は、当該部分における延出方向が、前記エンドプレート内マニホールドの延出方向と平行になるように形成されている
燃料電池装置。
【請求項4】
請求項1ないし3いずれか記載の燃料電池装置であって、
前記配管は、前記エンドプレートに対して前記配管をボルト締結するためのフランジを端部に備え、
前記エンドプレートは、前記エンドプレートの表面の内、前記フランジが固着される領域が、前記エンドプレートの面に対して傾斜した面として形成されている
燃料電池装置。
【請求項5】
請求項1ないし4いずれか記載の燃料電池装置であって、
前記エンドプレート内マニホールドの延出方向は、前記エンドプレート内マニホールドにおける前記セル積層体内側の開口部よりも、前記エンドプレート内マニホールドにおける前記接続部側の開口部の方が、前記エンドプレートの外周から離間するように傾斜している
燃料電池装置。
【請求項6】
請求項1ないし5いずれか記載の燃料電池装置であって、
前記流体は、水素を含有してアノードに供給される燃料ガス、酸素を含有してカソードに供給される酸化ガス、燃料電池を冷却する冷媒、から選択される流体である
燃料電池装置。
【請求項7】
積層された複数の単セルを備えるセル積層体の両端に配置される燃料電池用エンドプレートであって、
前記エンドプレートの内部に、前記エンドプレートを貫通すると共に、前記エンドプレートの面に垂直な方向に対して傾斜するエンドプレート内マニホールドが形成され、
前記エンドプレートにおける前記セル積層体と接する側とは異なる側の表面における、前記エンドプレート内マニホールドの開口部を含む領域に、前記エンドプレートの面に対して傾斜した傾斜面であって、該傾斜面に垂直な方向が、前記エンドプレートの面に対して、前記エンドプレート内マニホールドと同じ方向に傾斜している傾斜面が形成されている
エンドプレート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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