燃料電池
【課題】特に積層数が増加しても、燃料電池全体の軽量化及びコンパクト化を良好に図ることを可能にする。
【解決手段】燃料電池10は、単位セル12a、12bを交互に積層する。単位セル12aは、第1電解質膜・電極構造体20aを第1金属セパレータ22及び第2金属セパレータ24で挟持する。第2金属セパレータ24は、第1金属セパレータ22よりも大きな外形寸法に設定されるとともに、この第2金属セパレータ24にのみ、酸化剤ガス入口連通孔46a、酸化剤ガス出口連通孔46b、冷却媒体入口連通孔48a、冷却媒体出口連通孔48b、燃料ガス入口連通孔50a及び燃料ガス出口連通孔50bが積層方向に貫通して設けられる。
【解決手段】燃料電池10は、単位セル12a、12bを交互に積層する。単位セル12aは、第1電解質膜・電極構造体20aを第1金属セパレータ22及び第2金属セパレータ24で挟持する。第2金属セパレータ24は、第1金属セパレータ22よりも大きな外形寸法に設定されるとともに、この第2金属セパレータ24にのみ、酸化剤ガス入口連通孔46a、酸化剤ガス出口連通孔46b、冷却媒体入口連通孔48a、冷却媒体出口連通孔48b、燃料ガス入口連通孔50a及び燃料ガス出口連通孔50bが積層方向に貫通して設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質の両側に電極を配設した電解質・電極構造体を備え、前記電解質・電極構造体を第1及び第2セパレータで挟持する燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池では、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒層と多孔質カーボンからなるアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持することにより単位セルが構成されている。通常、この単位セルを所定数だけ積層した燃料電池スタックが使用されている。
【0003】
一般的に、燃料電池は、セパレータの積層方向に貫通する入口連通孔及び出口連通孔が設けた、所謂、内部マニホールドを構成している。そして、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体は、それぞれの入口連通孔から燃料ガス流路、酸化剤ガス流路及び冷却媒体流路に供給された後、それぞれの出口連通孔に排出されている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている燃料電池は、図26に示すように、電極構造体1が、一対のセパレータ2、3により挟持されるとともに、前記電極構造体1の外周を取り囲む位置で、前記セパレータ2、3間にシール部材4が配置されている。セパレータ2、3の長手方向一端縁部には、燃料ガス供給口5a、酸化剤ガス供給口6a及び冷却媒体供給口7aが形成されるとともに、前記セパレータ2、3の長手方向他端縁部には、燃料ガス排出口5b、酸化剤ガス排出口6b及び冷却媒体排出口7bが形成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−270202号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の燃料電池では、セパレータ2、3が、電極構造体1の外形寸法に比べて比較的大きな寸法に設定されている。このため、特に車載用燃料電池スタックとして使用される際のように、燃料電池の積層枚数が数百枚になる構造では、燃料電池スタック全体が大型で且つ重量物となるおそれがある。
【0007】
本発明はこの種の燃料電池に関連してなされたものであり、特に積層数が増加しても、燃料電池全体の軽量化及びコンパクト化を良好に図ることが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電解質の両側に電極を配設した電解質・電極構造体を備え、前記電解質・電極構造体を第1及び第2セパレータで挟持する燃料電池に関するものである。
【0009】
第1セパレータは、第2セパレータよりも大きな外形寸法を有するとともに、前記第1セパレータの外周縁部には、前記第2セパレータの外形端部より外方に突出する位置に、少なくとも燃料ガス入口連通孔、燃料ガス出口連通孔、酸化剤ガス入口連通孔及び酸化剤ガス出口連通孔を含む流体連通孔が積層方向に貫通して形成されている。
【0010】
また、第1セパレータには、燃料ガス又は酸化剤ガスである一方の反応ガスを一方の電極面に沿って流動させる第1反応ガス流路が形成されるとともに、第2セパレータには、前記酸化剤ガス又は前記燃料ガスである他方の反応ガスを他方の電極面に沿って流動させる第2反応ガス流路が形成され、前記第2セパレータには、所定の流体連通孔から前記第1反応ガス流路に前記一方の反応ガスを供給するための通路部が形成されることが好ましい。
【0011】
さらに、通路部は、第1セパレータの外周端部に形成された溝部を介して所定の流体連通孔と第1反応ガス流路と連通させることが好ましい。
【0012】
さらにまた、通路部は、所定の流体連通孔に連通して第2セパレータを積層方向に貫通する貫通孔を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、第1セパレータが第2セパレータより小さな外形寸法に設定されており、前記第2セパレータにのみ流体連通孔が積層方向に貫通して形成されている。このため、第1セパレータは、可及的に小型化が可能であるとともに、軽量化が容易に図られる。従って、特に多数の燃料電池が積層されて燃料電池スタックを構成する際に、前記燃料電池スタック全体を一挙に小型化且つ軽量化することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10の概略斜視説明図であり、図2は、前記燃料電池10の断面説明図である。
【0015】
燃料電池10は、単位セル12a、12bを交互に矢印A方向(水平方向)に積層する積層体14を備えるとともに、前記積層体14の積層方向両端には、エンドプレート16a、16bが配設される。なお、エンドプレート16a、16b間は、図示しないタイロッドにより締め付けられているが、例えば、積層体14全体をケーシング(図示せず)内に収容して構成してもよい。
【0016】
単位セル12aは、第1電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)20aを第1金属セパレータ22及び第2金属セパレータ24で挟持するとともに、単位セル12bは、第2電解質膜・電極構造体20bを第3金属セパレータ26及び第4金属セパレータ28で挟持する。単位セル12bは、単位セル12aを面方向に180°回転させることにより構成されている。実際上、第2電解質膜・電極構造体20bは、第1電解質膜・電極構造体20aと同一であり、第3金属セパレータ26は、第1金属セパレータ22と同一であり、第4金属セパレータ28は、第2金属セパレータ24と同一である。
【0017】
図3に示すように、第1電解質膜・電極構造体20aは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜(電解質)30aと、該固体高分子電解質膜30aを挟持するカソード側電極32a及びアノード側電極34aとを備える。カソード側電極32aは、アノード側電極34aよりも大きな表面積に設定されるとともに、前記カソード側電極32aは、固体高分子電解質膜30aの全面を覆って設けられる(所謂、段差MEA)。
【0018】
カソード側電極32a及びアノード側電極34aは、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布して形成された電極触媒層(図示せず)とを有し、触媒塗布範囲36aが設けられる。第1電解質膜・電極構造体20aは、全体として略四角形状に構成されるとともに、所定の凹凸形状を有する外形形状部38aを有する。
【0019】
第1金属セパレータ22は、第2金属セパレータ24よりも小さな外形寸法に設定される。図3及び図4に示すように、第1金属セパレータ22の第1電解質膜・電極構造体20aに向かう面22aには、前記第1電解質膜・電極構造体20aの触媒塗布範囲36aに対応して第1酸化剤ガス流路(第1反応ガス流路)40が形成される。この第1酸化剤ガス流路40は、面22a側に突出する凸部40aと凹部40bとを設けることにより、矢印B方向に直線状に延在して形成されるとともに、前記第1酸化剤ガス流路40の両側には、エンボス部40cが形成される。
【0020】
第1酸化剤ガス流路40の矢印B方向一端側には、波状に成形された入口部41aが設けられるとともに、矢印B方向他端側には、同様に波状に成形された出口部41bが設けられる。図4に示すように、入口部41a及び出口部41bは、第1電解質膜・電極構造体20aの外形形状の外方に突出している。
【0021】
第1金属セパレータ22は、所望の凹凸形状を有する外形形状部42を有するとともに、この外形形状部42は、第1電解質膜・電極構造体20aの外形形状部38aよりも大きな寸法に設定される。第1金属セパレータ22の面22b側には、第1酸化剤ガス流路40を形成することにより、凹凸形状を反転させた第1冷却媒体流路44が形成される。
【0022】
図3に示すように、第2金属セパレータ24は、横長な長方形状を有している。この第2金属セパレータ24及び第4金属セパレータ28の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス(一方の反応ガス)、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔46a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔48a、及び燃料ガス(他方の反応ガス)、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔50bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
【0023】
第2金属セパレータ24及び第4金属セパレータ28の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔50a、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔48b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔46bが、矢印C方向に配列して設けられる。
【0024】
図5に示すように、第2金属セパレータ24の第1電解質膜・電極構造体20aに向かう面24aには、触媒塗布範囲36aに対応して第1燃料ガス流路(第2反応ガス流路)52が形成される。第1燃料ガス流路52は、面24a側に突出する凸部52a及び凹部52bが交互に設けられることによって、矢印B方向に延在して形成される。この第1燃料ガス流路52の両側には、エンボス部52cが形成される。
【0025】
図6に示すように、第2金属セパレータ24の面24bには、面24a側に第1燃料ガス流路52を形成することによって、第2冷却媒体流路54が形成される。第2冷却媒体流路54の矢印B方向一端側には、波状に成形された入口部56aが設けられるとともに、矢印B方向他端側には、同様に波状に成形された出口部56bが設けられる。
【0026】
入口部56a及び出口部56bは、第2金属セパレータ24に第3金属セパレータ26が重ね合わされた際に、この第3金属セパレータ26の切り欠き形状部に対応している。冷却媒体入口連通孔48aは、入口部56aを介して第2冷却媒体流路54に連通する一方、冷却媒体出口連通孔48bは、出口部56bを介して第2冷却媒体流路54に連通する。
【0027】
第2金属セパレータ24には、燃料ガス入口連通孔50aに近接して2つの燃料ガス用入口孔部58aが設けられるとともに、燃料ガス出口連通孔50bに近接して2つの燃料ガス用出口孔部58bが設けられる。酸化剤ガス入口連通孔46a近傍には、3つの酸化剤ガス用入口孔部60aが形成される一方、酸化剤ガス出口連通孔46bの近傍には、3つの酸化剤ガス用出口孔部60bが形成される。
【0028】
図5に示すように、面24aには、第1燃料ガス流路52を周回して第1シール部材62a、第2シール部材62b及び第3シール部材62cが、順次、外方に向かって一体成形される。第1シール部材62aは、第1電解質膜・電極構造体20aの周縁部、すなわち、固体高分子電解質膜30aの周縁部に接触し、第2シール部材62bは、第1金属セパレータ22の周縁部に接触し、第3シール部材62cは、隣り合う単位セル12bを構成する第2金属セパレータに相当する第4金属セパレータ28に接触する。
【0029】
第1シール部材62aは、燃料ガスの漏れを防止するための内側シール部材を構成し、第2シール部材62bは、酸化剤ガスの漏れを防止するための中間シール部材を構成し、第3シール部材62cは、冷却媒体の漏れを阻止するための外側シール部材を構成している。
【0030】
第2電解質膜・電極構造体20bは、上記の第1電解質膜・電極構造体20aと同様に構成されており、同一の構成要素には同一の参照数字に符号bを付して、その詳細な説明は省略する。
【0031】
第3金属セパレータ26は、第2電解質膜・電極構造体20b側の面26bに、第2酸化剤ガス流路64が形成される。第2酸化剤ガス流路64の矢印B方向一端側には、波状に成形された入口部63aが設けられるとともに、矢印B方向他端側には、同様に波状に成形された出口部63bが設けられる。入口部63a及び出口部63bは、第2電解質膜・電極構造体20bの外形形状の外方に突出している。第3金属セパレータ26の面26bは、第2金属セパレータ24の面24bに重なり合うことにより、第2冷却媒体流路54を一体的に形成する第3金属セパレータ26が所定の凹凸形状を有する外形形状部65を設ける。
【0032】
図7に示すように、第4金属セパレータ28の第2電解質膜・電極構造体20bに向かう面28aには、第2燃料ガス流路66が形成される。第2燃料ガス流路66は、凸部66aと凹部66bとによって矢印B方向に延在して形成されるとともに、両端側にはエンボス部66cが形成される。
【0033】
図8に示すように、第4金属セパレータ28の面28bには、面28aに第2燃料ガス流路66を形成することによって、第1冷却媒体流路44が形成される。この第1冷却媒体流路44は、第4金属セパレータ28と第1金属セパレータ22とが重なり合うことによって一体的に形成される。第1冷却媒体流路44の矢印B方向両端には、それぞれ外方に延在して波形状の入口部68aと出口部68bとが設けられる。
【0034】
入口部68aと出口部68bとは、第1金属セパレータ22の切り欠き形状部を介して第1冷却媒体流路44を冷却媒体入口連通孔48a及び冷却媒体出口連通孔48bに連通する。
【0035】
第4金属セパレータ28には、第2金属セパレータ24に設けられている入口孔部58a及び出口孔部58bに対して積層方向の位置をずらして2つの入口孔部70a及び2つの出口孔部70bが形成される。第4金属セパレータ28には、第2金属セパレータ24の3つの入口孔部60a及び3つの出口孔部60bに対して積層方向の位置をずらして3つの入口孔部72a及び3つの出口孔部72bが形成される。
【0036】
図7に示すように、面28aには、第2燃料ガス流路66を周回して第1シール部材74a、第2シール部材74b及び第3シール部材74cが、順次、外方に沿って設けられている。燃料ガスシール用の内側シール部材である第1シール部材74aは、第2電解質膜・電極構造体20bを構成する固体高分子電解質膜30bの周端部に接触し、酸化剤ガスシール用の中間シール部材である第2シール部材74bは、第3金属セパレータ26の周端部に接触し、冷却媒体シール用の外側シール部材である第3シール部材74cは、単位セル12aを構成する第2金属セパレータ24の周縁部に接触する。
【0037】
図9及び図10に示すように、第2金属セパレータ24及び第4金属セパレータ28には、第3シール部材62c、74cによって酸化剤ガス入口連通孔46aを第1酸化剤ガス流路40及び第2酸化剤ガス流路64に連通する通路部76が形成される。この通路部76は、酸化剤ガス用の入口孔部(貫通孔)60a、72aを有する。同様に、図11及び図12に示すように、第2金属セパレータ24及び第4金属セパレータ28には、第3シール部材62c、74cによって燃料ガス入口連通孔50aを第1燃料ガス流路52及び第2燃料ガス流路66に連通する通路部78が形成される。この通路部78は、燃料ガス用の入口孔部(貫通孔)58a、70aを有する。
【0038】
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
【0039】
図1に示すように、エンドプレート16aの酸化剤ガス入口連通孔46aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔50aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔48aには、純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。
【0040】
ここで、単位セル12aを構成する第2金属セパレータ24には、図6に示すように、酸化剤ガス入口連通孔46aに面24b側から連通する3つの入口孔部60aが形成される。一方、単位セル12bを構成する第4金属セパレータ28には、図8に示すように、酸化剤ガス入口連通孔46aに面28b側から連通する3つの入口孔部72aが形成されている。
【0041】
このため、図9に示すように、酸化剤ガス入口連通孔46aに供給された酸化剤ガスの一部は、第2金属セパレータ24の入口孔部60aを通って面24a側に導入され、第1金属セパレータ22に設けられている入口部41aから第1酸化剤ガス流路40に供給される。
【0042】
一方、図10に示すように、単位セル12bでは、酸化剤ガス入口連通孔46aに供給された酸化剤ガスの一部が、第4金属セパレータ28に設けられている入口孔部72aから面28a側に導入され、第3金属セパレータ26の入口部63aから第2酸化剤ガス流路64に供給される。
【0043】
また、第2金属セパレータ24には、図6に示すように、面24b側で燃料ガス入口連通孔50aに連通する2つの入口孔部58aが形成されている。第4金属セパレータ28には、図8に示すように、面28b側で燃料ガス入口連通孔50aに連通する2つの入口孔部70aが形成されている。
【0044】
従って、図11に示すように、燃料ガス入口連通孔50aに供給された燃料ガスの一部は、第2金属セパレータ24の入口孔部58aを通って面24a側に導入され、この面24aに形成された第1燃料ガス流路52に供給される。
【0045】
さらに、図12に示すように、燃料ガス入口連通孔50aに供給された燃料ガスの一部は、第4金属セパレータ28の入口孔部70aから面28a側に導入され、この面28aに形成された第2燃料ガス流路66に供給される。
【0046】
これにより、図3に示すように、第1電解質膜・電極構造体20aでは、カソード側電極32aに供給される酸化剤ガスと、アノード側電極34aに供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。同様に、第2電解質膜・電極構造体20bでは、カソード側電極32bに供給される酸化剤ガスと、アノード側電極34bに供給される燃料ガスとにより発電が行われる。
【0047】
単位セル12aの第1酸化剤ガス流路40を流れた酸化剤ガスは、出口部41bから第2金属セパレータ24に設けられた出口孔部60bを通って面24b側に移動し、酸化剤ガス出口連通孔46bに排出される。同様に、単位セル12bの第2酸化剤ガス流路64を流れた酸化剤ガスは、出口部63bから第4金属セパレータ28に設けられた出口孔部72bを通って酸化剤ガス出口連通孔46bに排出される。
【0048】
また、第2金属セパレータ24の第1燃料ガス流路52を流れた燃料ガスは、出口孔部58bを通って面24b側に移動した後、燃料ガス出口連通孔50bに排出される。同様に、第4金属セパレータ28の第2燃料ガス流路66を流れた燃料ガスは、出口孔部70bから面28b側に移動した後、燃料ガス出口連通孔50bに排出される。
【0049】
さらにまた、図8に示すように、第4金属セパレータ28の面28bには、第1冷却媒体流路44に連通する入口部68a及び出口部68bが設けられるとともに、前記入口部68a及び前記出口部68bは、第1金属セパレータ22の切り欠き形状部に対応している。
【0050】
このため、冷却媒体入口連通孔48aに供給された冷却媒体は、図13に示すように、第4金属セパレータ28の面28b側から入口部68aを通って前記第4金属セパレータ28と第1金属セパレータ22との間に形成された第1冷却媒体流路44に導入される。この第1冷却媒体流路44を通って冷却処理を施した冷却媒体は、出口部68bを通って面28b側から冷却媒体出口連通孔48bに排出される(図3参照)。
【0051】
一方、図6に示すように、第2金属セパレータ24の面24bには、第2冷却媒体流路54に連通するとともに、第3金属セパレータ26の切り欠き形状部に対応して入口部56a及び出口部56bが形成されている。
【0052】
従って、冷却媒体入口連通孔48aに供給された冷却媒体は、図14に示すように、面24b側から入口部56aを通って第2金属セパレータ24と第3金属セパレータ26との間に形成された第2冷却媒体流路54に供給される。この第2冷却媒体流路54を流れた冷却媒体は、出口部56bから面24b側に流動し、冷却媒体出口連通孔48bに排出される(図3参照)。
【0053】
この場合、第1の実施形態では、単位セル12aを構成する第1金属セパレータ22は、第2金属セパレータ24よりも外形寸法が小さく設定されるとともに、前記第1金属セパレータ22は、酸化剤ガス入口連通孔46a、冷却媒体入口連通孔48a、燃料ガス出口連通孔50b、燃料ガス入口連通孔50a、冷却媒体出口連通孔48b及び酸化剤ガス出口連通孔46bを設けることがない。
【0054】
このため、単位セル12aの積層剛性及び組み立て時のハンドリング性に必要な電極面の剛性を確保するとともに、前記単位セル12aの軽量化が図られる。一方、単位セル12bにおいても、上記の単位セル12aと同様の効果が得られる。
【0055】
これにより、燃料電池10全体の軽量化及びコンパクト化が容易に遂行可能になるとともに、特に、多数の単位セル12a、12bが積層されて車載用の燃料電池10が構成される際、前記燃料電池10全体が大幅に軽量化され、燃費の向上が確実に図られる。
【0056】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池80の一部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3〜第6の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
【0057】
燃料電池80は、単位セル82a、82bを交互に矢印A方向に積層する。単位セル82aは、第1電解質膜・電極構造体20aを第1金属セパレータ83及び第2金属セパレータ84で挟持する一方、単位セル82bは、第2電解質膜・電極構造体20bを第3金属セパレータ86及び第4金属セパレータ88で挟持する。
【0058】
第1金属セパレータ83は、第2金属セパレータ84よりも大きな外形寸法に設定されるとともに、前記第1金属セパレータ83には、冷却媒体シール用の内側シール部材90aと、燃料ガスシール用の中間シール部材90bと、酸化剤ガスシール用の外側シール部材90cとが、外方に向かって、順次、形成される。
【0059】
第3金属セパレータ86は、第4金属セパレータ88よりも大きな外形寸法に設定されるとともに、前記第3金属セパレータ86には、冷却媒体シール用の内側シール部材92aと、燃料ガスシール用の中間シール部材92bと、酸化剤ガスシール用の外側シール部材92cとが、外方に向かって、順次、形成される。
【0060】
この第3金属セパレータ86は、実質的に第1金属セパレータ83を180°反転させて使用する一方、第4金属セパレータ88は、実質的に第2金属セパレータ84を180°反転させて使用している。
【0061】
内側シール部材90a、92aは、それぞれ第4金属セパレータ88及び第2金属セパレータ84の周縁部に当接し、中間シール部材90b、92bは、それぞれ第2電解質膜・電極構造体20bの固体高分子電解質膜30bの周縁部、及び第1電解質膜・電極構造体20aの固体高分子電解質膜30aの周縁部に当接し、外側シール部材90c、92cは、互いに隣接する第3金属セパレータ86及び第1金属セパレータ83の周縁部に当接する。
【0062】
このように構成される第2の実施形態では、燃料電池80全体の軽量化及びコンパクト化が容易に遂行可能になる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0063】
図16は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池100の断面説明図である。
【0064】
燃料電池100は、複数の単位セル102を矢印A方向に積層するとともに、前記単位セル102は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極接合体)104を第1金属セパレータ106及び第2金属セパレータ108で挟持する(図16及び図17参照)。電解質膜・電極構造体104は、固体高分子電解質膜30とカソード側電極32及びアノード側電極34とを備える。固体高分子電解質膜30、カソード側電極32及びアノード側電極34は、同一の外形寸法(表面積)に設定される。
【0065】
第1金属セパレータ106は、第2金属セパレータ108よりも小さな外形寸法に設定されており、この第1金属セパレータ106は、実質的に第1の実施形態の第1金属セパレータ22と同様に構成される。
【0066】
第2金属セパレータ108は、図16及び図18に示すように、面24aに第1燃料ガス流路52を周回して第1シール部材110a及び第2シール部材110bが一体成形される。
【0067】
第1シール部材110aは、固体高分子電解質膜30の周縁部に接触し、第2シール部材110bは、隣り合う単位セル102を構成する第2金属セパレータ108に接触する(図16参照)。
【0068】
このように構成される第3の実施形態では、第1の実施形態の、いわゆる、段差MEAを構成する第1電解質膜・電極構造体20a及び第2電解質膜・電極構造体20bに代えて、いわゆる、全面電極型の電解質膜・電極構造体104を用いており、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
図19は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池120の断面説明図である。
【0070】
燃料電池120は、複数の単位セル122を矢印A方向に積層するとともに、前記単位セル122は、電解質膜・電極構造体104と第1金属セパレータ124及び第2金属セパレータ126とを備える。第1金属セパレータ124は、第2金属セパレータ126よりも小さな外形寸法に設定される。
【0071】
図20及び図21に示すように、第1金属セパレータ124の長手方向(矢印B方向)両端部略中央には、それぞれ第2金属セパレータ126の冷却媒体入口連通孔48a及び冷却媒体出口連通孔48b側に突出して突片部128a、128bが設けられる。
【0072】
第1金属セパレータ124の面22a側には、それぞれ酸化剤ガス流路40の入口側及び出口側を外部に開放する複数の溝部132a、132bが設けられる。第1金属セパレータ124の面22aには、図21に示すように、酸化剤ガス流路40の外方を覆って屈曲するシール部材134が設けられるとともに、このシール部材134の一部が、それぞれ溝部132a、132bを構成する。
【0073】
図22に示すように、第1金属セパレータ124の面22bには、冷却媒体流路44が形成されるとともに、突片部128a、128bには、前記冷却媒体流路44を第2金属セパレータ126の冷却媒体入口連通孔48a及び冷却媒体出口連通孔48bに連通する溝部136a、136bが形成される。
【0074】
図23に示すように、第2金属セパレータ126の面24aには、燃料ガス流路52を周回して第1シール部材138と第2シール部材140とが一体成形される。
【0075】
第1シール部材138は、第1金属セパレータ124のシール部材134と対向して電解質膜・電極構造体104を挟持する一方、第2シール部材140は、隣り合う単位セル122を構成する第2金属セパレータ126に接触する(図19参照)。
【0076】
第1シール部材138は、図23に示すように、燃料ガス入口連通孔50a及び燃料ガス出口連通孔50bを燃料ガス流路52に連通するとともに、酸化剤ガス入口連通孔46a、酸化剤ガス出口連通孔46b、冷却媒体入口連通孔48a及び冷却媒体出口連通孔48bを閉塞する。
【0077】
燃料ガス入口連通孔50aと燃料ガス流路52との間には、第1シール部材138によって溝部142aが形成される一方、燃料ガス出口連通孔50bと前記燃料ガス流路52との間には、前記第1シール部材138によって溝部142bが形成される。
【0078】
図23に示すように、第2金属セパレータ126には、燃料ガス入口連通孔50a及び燃料ガス出口連通孔50bと燃料ガス流路52とを連通する通路部143a、143bが設けられる。通路部143a、143bは、溝部142a、142bを有する。
【0079】
第1シール部材138と第2シール部材140との間には、酸化剤ガス入口連通孔46aから第1金属セパレータ124の溝部132aに連通する溝部144aが形成されるとともに、酸化剤ガス出口連通孔46bと溝部132bとを連通する溝部144bが形成される。
【0080】
図21及び図23に示すように、第2金属セパレータ126には、酸化剤ガス入口連通孔46a及び酸化剤ガス出口連通孔46bと第1金属セパレータ124の酸化剤ガス流路40とを連通する通路部146a、146bが設けられる。通路部146a、146bは、溝部144a、114bを有し、前記溝部144a、114bを介して溝部132a、132bから酸化剤ガス流路40に連通する。
【0081】
このように構成される燃料電池120では、互いに隣接する第2金属セパレータ126間には、一方の第2金属セパレータ126に設けられる第1シール部材138及び第2シール部材140が、他方の第2金属セパレータ126に密着している。
【0082】
このため、各単位セル122の酸化剤ガス入口連通孔46aに供給された酸化剤ガスは、通路部146aに導入され(図23参照)、第2金属セパレータ126の溝部144aから第1金属セパレータ124の溝部132aを通って酸化剤ガス流路40に供給される(図21参照)。この酸化剤ガス流路40で反応に使用された酸化剤ガスは、溝部132bから通路部146bに排出されて溝部144bを通って酸化剤ガス出口連通孔46bに送られる。
【0083】
一方、各単位セル122の燃料ガス入口連通孔50aに供給された燃料ガスは、図23に示すように、通路部143aに導入され、溝部142aを通って燃料ガス流路52に供給される。この燃料ガス流路52で使用された燃料ガスは、通路部143bの溝部142bから燃料ガス出口連通孔50bに排出される。
【0084】
さらに、冷却媒体入口連通孔48aに供給された冷却媒体は、第1金属セパレータ124の突片部128aに形成されている溝部136aを通って冷却媒体流路44に供給される(図22参照)。そして、各単位セル122の冷却を行った冷却媒体は、他方の突片部128bに形成された溝部136bを通って冷却媒体出口連通孔48bに排出される。
【0085】
このように構成される第4の実施形態では、第1金属セパレータ124の外形寸法が一挙に短尺化され、各単位セル122の軽量化及び小型化が容易に図られる等、上記の第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。
【0086】
図24は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池150の断面説明図である。
【0087】
燃料電池150は、第4の実施形態に係る燃料電池120に対して冷却媒体流路54を複数、例えば、2つの電解質膜・電極構造体104毎に形成する、いわゆる、間引き冷却構造を採用する。
【0088】
この燃料電池150は、第1金属セパレータ124、電解質膜・電極構造体104、第2金属セパレータ152、電解質膜・電極構造体104、第3金属セパレータ126、第1金属セパレータ124、電解質膜・電極構造体104、第2金属セパレータ152、電解質膜・電極構造体104及び第3金属セパレータ126を矢印A方向に積層して構成される。
【0089】
第2金属セパレータ152は、一方の面側に、すなわち、電解質膜・電極構造体104を挟んで第1金属セパレータ124に対向する面側に、燃料ガス流路52が形成される一方、他の電解質膜・電極構造体104を挟んで第3金属セパレータ126に対向する面側に、酸化剤ガス流路40が形成される。
【0090】
これにより、第5の実施形態では、冷却媒体流路54が有効に削減(半減)される。このため、燃料電池150全体として、積層方向の寸法が一挙に短尺化されるという効果が得られる。
【0091】
図25は、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池160の断面図である。
【0092】
燃料電池160は、単位セル162を矢印A方向に積層するとともに、前記単位セル162は、電解質膜・電極構造体104を第1カーボンセパレータ164及び第2カーボンセパレータ166で挟持して構成される。
【0093】
燃料電池160は、実質的に第4の実施形態に係る燃料電池120と同様に構成されており、第1カーボンセパレータ164は、第2カーボンセパレータ166よりも小さな外形寸法に設定される。この第1カーボンセパレータ164には、シール部材134に相当するシール部材168が設けられる一方、第2カーボンセパレータ166には、第1シール部材138及び第2シール部材140に相当する第1シール部170及び第2シール部172が設けられる。第1シール部170及び第2シール部172は、成形後に第2カーボンセパレータ166に取り付けられている。
【0094】
このように構成される第6の実施形態では、第1カーボンセパレータ164の寸法を可及的に小さく設定することができ、燃料電池160全体の軽量化及びコンパクト化が図られる等、上記の第1〜第5の実施形態と同様の効果が得られる。
【0095】
なお、第6の実施形態では、第4の実施形態に係る燃料電池120と同様に構成されるとともに、第1カーボンセパレータ164及び第2カーボンセパレータ166を用いているが、例えば、第1〜第3の実施形態及び第5の実施形態にも同様に、カーボンセパレータを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の概略斜視説明図である。
【図2】前記燃料電池の断面説明図である。
【図3】前記燃料電池を構成する単位セルの分解斜視説明図である。
【図4】第1金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図5】第2金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図6】前記第2金属セパレータの他方の面の説明図である。
【図7】第4金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図8】前記第4金属セパレータの他方の面の説明図である。
【図9】燃料電池スタック内での酸化剤ガスの流れ説明図である。
【図10】前記燃料電池スタック内での前記酸化剤ガスの別の流れ説明図である。
【図11】前記燃料電池スタック内での燃料ガスの流れ説明図である。
【図12】前記燃料電池スタック内での前記燃料ガスの別の流れ説明図である。
【図13】前記燃料電池スタック内での冷却媒体の流れ説明図である。
【図14】前記燃料電池スタック内での前記冷却媒体の別の流れ説明図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の一部断面説明図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の断面説明図である。
【図17】前記燃料電池の分解斜視説明図である。
【図18】前記燃料電池を構成する第2金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の断面説明図である。
【図20】前記燃料電池の分解斜視説明図である。
【図21】前記燃料電池を構成する第1金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図22】前記第1金属セパレータの他方の面の説明図である。
【図23】前記燃料電池を構成する第2金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図24】本発明の第5の実施形態に係る燃料電池の断面説明図である。
【図25】本発明の第6の実施形態に係る燃料電池の断面説明図である。
【図26】特許文献1の燃料電池スタックの説明図である。
【符号の説明】
【0097】
10、80、100、120、150、160…燃料電池
12a、12b、82a、82b、102、122、162…単位セル
14…積層体
20a、20b、104…電解質膜・電極構造体
22、24、26、28、83、84、86、88、106、108、124、126、152…金属セパレータ
30、30a、30b…固体高分子電解質膜
32、32a、32b…カソード側電極
34、34a、34b…アノード側電極
40、64…酸化剤ガス流路 44、54…冷却媒体流路
46a…酸化剤ガス入口連通孔 46b…酸化剤ガス出口連通孔
48a…冷却媒体入口連通孔 48b…冷却媒体出口連通孔
50a…燃料ガス入口連通孔 50b…燃料ガス出口連通孔
52、66…燃料ガス流路
58a、60a、70a、72a…入口孔部
58b、60b、70b、72b…出口孔部
62a〜62c、74a〜74c、110a、110b、134、138、140…シール部材
76、78、143a、143b、146a、146b…通路部
90a、92a…内側シール部材 90b、92b…中間シール部材
90c、92c…外側シール部材
132a、132b、136a、136b、142a、142b、144a、144b…溝部
164、166…カーボンセパレータ
【技術分野】
【0001】
本発明は、電解質の両側に電極を配設した電解質・電極構造体を備え、前記電解質・電極構造体を第1及び第2セパレータで挟持する燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、固体高分子型燃料電池は、高分子イオン交換膜からなる固体高分子電解質膜を採用している。この燃料電池では、固体高分子電解質膜の両側に、それぞれ電極触媒層と多孔質カーボンからなるアノード側電極及びカソード側電極を配設した電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)を、セパレータ(バイポーラ板)によって挟持することにより単位セルが構成されている。通常、この単位セルを所定数だけ積層した燃料電池スタックが使用されている。
【0003】
一般的に、燃料電池は、セパレータの積層方向に貫通する入口連通孔及び出口連通孔が設けた、所謂、内部マニホールドを構成している。そして、燃料ガス、酸化剤ガス及び冷却媒体は、それぞれの入口連通孔から燃料ガス流路、酸化剤ガス流路及び冷却媒体流路に供給された後、それぞれの出口連通孔に排出されている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている燃料電池は、図26に示すように、電極構造体1が、一対のセパレータ2、3により挟持されるとともに、前記電極構造体1の外周を取り囲む位置で、前記セパレータ2、3間にシール部材4が配置されている。セパレータ2、3の長手方向一端縁部には、燃料ガス供給口5a、酸化剤ガス供給口6a及び冷却媒体供給口7aが形成されるとともに、前記セパレータ2、3の長手方向他端縁部には、燃料ガス排出口5b、酸化剤ガス排出口6b及び冷却媒体排出口7bが形成されている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−270202号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の燃料電池では、セパレータ2、3が、電極構造体1の外形寸法に比べて比較的大きな寸法に設定されている。このため、特に車載用燃料電池スタックとして使用される際のように、燃料電池の積層枚数が数百枚になる構造では、燃料電池スタック全体が大型で且つ重量物となるおそれがある。
【0007】
本発明はこの種の燃料電池に関連してなされたものであり、特に積層数が増加しても、燃料電池全体の軽量化及びコンパクト化を良好に図ることが可能な燃料電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、電解質の両側に電極を配設した電解質・電極構造体を備え、前記電解質・電極構造体を第1及び第2セパレータで挟持する燃料電池に関するものである。
【0009】
第1セパレータは、第2セパレータよりも大きな外形寸法を有するとともに、前記第1セパレータの外周縁部には、前記第2セパレータの外形端部より外方に突出する位置に、少なくとも燃料ガス入口連通孔、燃料ガス出口連通孔、酸化剤ガス入口連通孔及び酸化剤ガス出口連通孔を含む流体連通孔が積層方向に貫通して形成されている。
【0010】
また、第1セパレータには、燃料ガス又は酸化剤ガスである一方の反応ガスを一方の電極面に沿って流動させる第1反応ガス流路が形成されるとともに、第2セパレータには、前記酸化剤ガス又は前記燃料ガスである他方の反応ガスを他方の電極面に沿って流動させる第2反応ガス流路が形成され、前記第2セパレータには、所定の流体連通孔から前記第1反応ガス流路に前記一方の反応ガスを供給するための通路部が形成されることが好ましい。
【0011】
さらに、通路部は、第1セパレータの外周端部に形成された溝部を介して所定の流体連通孔と第1反応ガス流路と連通させることが好ましい。
【0012】
さらにまた、通路部は、所定の流体連通孔に連通して第2セパレータを積層方向に貫通する貫通孔を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、第1セパレータが第2セパレータより小さな外形寸法に設定されており、前記第2セパレータにのみ流体連通孔が積層方向に貫通して形成されている。このため、第1セパレータは、可及的に小型化が可能であるとともに、軽量化が容易に図られる。従って、特に多数の燃料電池が積層されて燃料電池スタックを構成する際に、前記燃料電池スタック全体を一挙に小型化且つ軽量化することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池10の概略斜視説明図であり、図2は、前記燃料電池10の断面説明図である。
【0015】
燃料電池10は、単位セル12a、12bを交互に矢印A方向(水平方向)に積層する積層体14を備えるとともに、前記積層体14の積層方向両端には、エンドプレート16a、16bが配設される。なお、エンドプレート16a、16b間は、図示しないタイロッドにより締め付けられているが、例えば、積層体14全体をケーシング(図示せず)内に収容して構成してもよい。
【0016】
単位セル12aは、第1電解質膜・電極構造体(電解質・電極構造体)20aを第1金属セパレータ22及び第2金属セパレータ24で挟持するとともに、単位セル12bは、第2電解質膜・電極構造体20bを第3金属セパレータ26及び第4金属セパレータ28で挟持する。単位セル12bは、単位セル12aを面方向に180°回転させることにより構成されている。実際上、第2電解質膜・電極構造体20bは、第1電解質膜・電極構造体20aと同一であり、第3金属セパレータ26は、第1金属セパレータ22と同一であり、第4金属セパレータ28は、第2金属セパレータ24と同一である。
【0017】
図3に示すように、第1電解質膜・電極構造体20aは、例えば、パーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された固体高分子電解質膜(電解質)30aと、該固体高分子電解質膜30aを挟持するカソード側電極32a及びアノード側電極34aとを備える。カソード側電極32aは、アノード側電極34aよりも大きな表面積に設定されるとともに、前記カソード側電極32aは、固体高分子電解質膜30aの全面を覆って設けられる(所謂、段差MEA)。
【0018】
カソード側電極32a及びアノード側電極34aは、カーボンペーパ等からなるガス拡散層(図示せず)と、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子を前記ガス拡散層の表面に一様に塗布して形成された電極触媒層(図示せず)とを有し、触媒塗布範囲36aが設けられる。第1電解質膜・電極構造体20aは、全体として略四角形状に構成されるとともに、所定の凹凸形状を有する外形形状部38aを有する。
【0019】
第1金属セパレータ22は、第2金属セパレータ24よりも小さな外形寸法に設定される。図3及び図4に示すように、第1金属セパレータ22の第1電解質膜・電極構造体20aに向かう面22aには、前記第1電解質膜・電極構造体20aの触媒塗布範囲36aに対応して第1酸化剤ガス流路(第1反応ガス流路)40が形成される。この第1酸化剤ガス流路40は、面22a側に突出する凸部40aと凹部40bとを設けることにより、矢印B方向に直線状に延在して形成されるとともに、前記第1酸化剤ガス流路40の両側には、エンボス部40cが形成される。
【0020】
第1酸化剤ガス流路40の矢印B方向一端側には、波状に成形された入口部41aが設けられるとともに、矢印B方向他端側には、同様に波状に成形された出口部41bが設けられる。図4に示すように、入口部41a及び出口部41bは、第1電解質膜・電極構造体20aの外形形状の外方に突出している。
【0021】
第1金属セパレータ22は、所望の凹凸形状を有する外形形状部42を有するとともに、この外形形状部42は、第1電解質膜・電極構造体20aの外形形状部38aよりも大きな寸法に設定される。第1金属セパレータ22の面22b側には、第1酸化剤ガス流路40を形成することにより、凹凸形状を反転させた第1冷却媒体流路44が形成される。
【0022】
図3に示すように、第2金属セパレータ24は、横長な長方形状を有している。この第2金属セパレータ24及び第4金属セパレータ28の矢印B方向の一端縁部には、積層方向である矢印A方向に互いに連通して、酸化剤ガス(一方の反応ガス)、例えば、酸素含有ガスを供給するための酸化剤ガス入口連通孔46a、冷却媒体を供給するための冷却媒体入口連通孔48a、及び燃料ガス(他方の反応ガス)、例えば、水素含有ガスを排出するための燃料ガス出口連通孔50bが、矢印C方向(鉛直方向)に配列して設けられる。
【0023】
第2金属セパレータ24及び第4金属セパレータ28の矢印B方向の他端縁部には、矢印A方向に互いに連通して、燃料ガスを供給するための燃料ガス入口連通孔50a、冷却媒体を排出するための冷却媒体出口連通孔48b、及び酸化剤ガスを排出するための酸化剤ガス出口連通孔46bが、矢印C方向に配列して設けられる。
【0024】
図5に示すように、第2金属セパレータ24の第1電解質膜・電極構造体20aに向かう面24aには、触媒塗布範囲36aに対応して第1燃料ガス流路(第2反応ガス流路)52が形成される。第1燃料ガス流路52は、面24a側に突出する凸部52a及び凹部52bが交互に設けられることによって、矢印B方向に延在して形成される。この第1燃料ガス流路52の両側には、エンボス部52cが形成される。
【0025】
図6に示すように、第2金属セパレータ24の面24bには、面24a側に第1燃料ガス流路52を形成することによって、第2冷却媒体流路54が形成される。第2冷却媒体流路54の矢印B方向一端側には、波状に成形された入口部56aが設けられるとともに、矢印B方向他端側には、同様に波状に成形された出口部56bが設けられる。
【0026】
入口部56a及び出口部56bは、第2金属セパレータ24に第3金属セパレータ26が重ね合わされた際に、この第3金属セパレータ26の切り欠き形状部に対応している。冷却媒体入口連通孔48aは、入口部56aを介して第2冷却媒体流路54に連通する一方、冷却媒体出口連通孔48bは、出口部56bを介して第2冷却媒体流路54に連通する。
【0027】
第2金属セパレータ24には、燃料ガス入口連通孔50aに近接して2つの燃料ガス用入口孔部58aが設けられるとともに、燃料ガス出口連通孔50bに近接して2つの燃料ガス用出口孔部58bが設けられる。酸化剤ガス入口連通孔46a近傍には、3つの酸化剤ガス用入口孔部60aが形成される一方、酸化剤ガス出口連通孔46bの近傍には、3つの酸化剤ガス用出口孔部60bが形成される。
【0028】
図5に示すように、面24aには、第1燃料ガス流路52を周回して第1シール部材62a、第2シール部材62b及び第3シール部材62cが、順次、外方に向かって一体成形される。第1シール部材62aは、第1電解質膜・電極構造体20aの周縁部、すなわち、固体高分子電解質膜30aの周縁部に接触し、第2シール部材62bは、第1金属セパレータ22の周縁部に接触し、第3シール部材62cは、隣り合う単位セル12bを構成する第2金属セパレータに相当する第4金属セパレータ28に接触する。
【0029】
第1シール部材62aは、燃料ガスの漏れを防止するための内側シール部材を構成し、第2シール部材62bは、酸化剤ガスの漏れを防止するための中間シール部材を構成し、第3シール部材62cは、冷却媒体の漏れを阻止するための外側シール部材を構成している。
【0030】
第2電解質膜・電極構造体20bは、上記の第1電解質膜・電極構造体20aと同様に構成されており、同一の構成要素には同一の参照数字に符号bを付して、その詳細な説明は省略する。
【0031】
第3金属セパレータ26は、第2電解質膜・電極構造体20b側の面26bに、第2酸化剤ガス流路64が形成される。第2酸化剤ガス流路64の矢印B方向一端側には、波状に成形された入口部63aが設けられるとともに、矢印B方向他端側には、同様に波状に成形された出口部63bが設けられる。入口部63a及び出口部63bは、第2電解質膜・電極構造体20bの外形形状の外方に突出している。第3金属セパレータ26の面26bは、第2金属セパレータ24の面24bに重なり合うことにより、第2冷却媒体流路54を一体的に形成する第3金属セパレータ26が所定の凹凸形状を有する外形形状部65を設ける。
【0032】
図7に示すように、第4金属セパレータ28の第2電解質膜・電極構造体20bに向かう面28aには、第2燃料ガス流路66が形成される。第2燃料ガス流路66は、凸部66aと凹部66bとによって矢印B方向に延在して形成されるとともに、両端側にはエンボス部66cが形成される。
【0033】
図8に示すように、第4金属セパレータ28の面28bには、面28aに第2燃料ガス流路66を形成することによって、第1冷却媒体流路44が形成される。この第1冷却媒体流路44は、第4金属セパレータ28と第1金属セパレータ22とが重なり合うことによって一体的に形成される。第1冷却媒体流路44の矢印B方向両端には、それぞれ外方に延在して波形状の入口部68aと出口部68bとが設けられる。
【0034】
入口部68aと出口部68bとは、第1金属セパレータ22の切り欠き形状部を介して第1冷却媒体流路44を冷却媒体入口連通孔48a及び冷却媒体出口連通孔48bに連通する。
【0035】
第4金属セパレータ28には、第2金属セパレータ24に設けられている入口孔部58a及び出口孔部58bに対して積層方向の位置をずらして2つの入口孔部70a及び2つの出口孔部70bが形成される。第4金属セパレータ28には、第2金属セパレータ24の3つの入口孔部60a及び3つの出口孔部60bに対して積層方向の位置をずらして3つの入口孔部72a及び3つの出口孔部72bが形成される。
【0036】
図7に示すように、面28aには、第2燃料ガス流路66を周回して第1シール部材74a、第2シール部材74b及び第3シール部材74cが、順次、外方に沿って設けられている。燃料ガスシール用の内側シール部材である第1シール部材74aは、第2電解質膜・電極構造体20bを構成する固体高分子電解質膜30bの周端部に接触し、酸化剤ガスシール用の中間シール部材である第2シール部材74bは、第3金属セパレータ26の周端部に接触し、冷却媒体シール用の外側シール部材である第3シール部材74cは、単位セル12aを構成する第2金属セパレータ24の周縁部に接触する。
【0037】
図9及び図10に示すように、第2金属セパレータ24及び第4金属セパレータ28には、第3シール部材62c、74cによって酸化剤ガス入口連通孔46aを第1酸化剤ガス流路40及び第2酸化剤ガス流路64に連通する通路部76が形成される。この通路部76は、酸化剤ガス用の入口孔部(貫通孔)60a、72aを有する。同様に、図11及び図12に示すように、第2金属セパレータ24及び第4金属セパレータ28には、第3シール部材62c、74cによって燃料ガス入口連通孔50aを第1燃料ガス流路52及び第2燃料ガス流路66に連通する通路部78が形成される。この通路部78は、燃料ガス用の入口孔部(貫通孔)58a、70aを有する。
【0038】
このように構成される燃料電池10の動作について、以下に説明する。
【0039】
図1に示すように、エンドプレート16aの酸化剤ガス入口連通孔46aには、酸素含有ガス等の酸化剤ガスが供給されるとともに、燃料ガス入口連通孔50aには、水素含有ガス等の燃料ガスが供給される。さらに、冷却媒体入口連通孔48aには、純水やエチレングリコール等の冷却媒体が供給される。
【0040】
ここで、単位セル12aを構成する第2金属セパレータ24には、図6に示すように、酸化剤ガス入口連通孔46aに面24b側から連通する3つの入口孔部60aが形成される。一方、単位セル12bを構成する第4金属セパレータ28には、図8に示すように、酸化剤ガス入口連通孔46aに面28b側から連通する3つの入口孔部72aが形成されている。
【0041】
このため、図9に示すように、酸化剤ガス入口連通孔46aに供給された酸化剤ガスの一部は、第2金属セパレータ24の入口孔部60aを通って面24a側に導入され、第1金属セパレータ22に設けられている入口部41aから第1酸化剤ガス流路40に供給される。
【0042】
一方、図10に示すように、単位セル12bでは、酸化剤ガス入口連通孔46aに供給された酸化剤ガスの一部が、第4金属セパレータ28に設けられている入口孔部72aから面28a側に導入され、第3金属セパレータ26の入口部63aから第2酸化剤ガス流路64に供給される。
【0043】
また、第2金属セパレータ24には、図6に示すように、面24b側で燃料ガス入口連通孔50aに連通する2つの入口孔部58aが形成されている。第4金属セパレータ28には、図8に示すように、面28b側で燃料ガス入口連通孔50aに連通する2つの入口孔部70aが形成されている。
【0044】
従って、図11に示すように、燃料ガス入口連通孔50aに供給された燃料ガスの一部は、第2金属セパレータ24の入口孔部58aを通って面24a側に導入され、この面24aに形成された第1燃料ガス流路52に供給される。
【0045】
さらに、図12に示すように、燃料ガス入口連通孔50aに供給された燃料ガスの一部は、第4金属セパレータ28の入口孔部70aから面28a側に導入され、この面28aに形成された第2燃料ガス流路66に供給される。
【0046】
これにより、図3に示すように、第1電解質膜・電極構造体20aでは、カソード側電極32aに供給される酸化剤ガスと、アノード側電極34aに供給される燃料ガスとが、電極触媒層内で電気化学反応により消費され、発電が行われる。同様に、第2電解質膜・電極構造体20bでは、カソード側電極32bに供給される酸化剤ガスと、アノード側電極34bに供給される燃料ガスとにより発電が行われる。
【0047】
単位セル12aの第1酸化剤ガス流路40を流れた酸化剤ガスは、出口部41bから第2金属セパレータ24に設けられた出口孔部60bを通って面24b側に移動し、酸化剤ガス出口連通孔46bに排出される。同様に、単位セル12bの第2酸化剤ガス流路64を流れた酸化剤ガスは、出口部63bから第4金属セパレータ28に設けられた出口孔部72bを通って酸化剤ガス出口連通孔46bに排出される。
【0048】
また、第2金属セパレータ24の第1燃料ガス流路52を流れた燃料ガスは、出口孔部58bを通って面24b側に移動した後、燃料ガス出口連通孔50bに排出される。同様に、第4金属セパレータ28の第2燃料ガス流路66を流れた燃料ガスは、出口孔部70bから面28b側に移動した後、燃料ガス出口連通孔50bに排出される。
【0049】
さらにまた、図8に示すように、第4金属セパレータ28の面28bには、第1冷却媒体流路44に連通する入口部68a及び出口部68bが設けられるとともに、前記入口部68a及び前記出口部68bは、第1金属セパレータ22の切り欠き形状部に対応している。
【0050】
このため、冷却媒体入口連通孔48aに供給された冷却媒体は、図13に示すように、第4金属セパレータ28の面28b側から入口部68aを通って前記第4金属セパレータ28と第1金属セパレータ22との間に形成された第1冷却媒体流路44に導入される。この第1冷却媒体流路44を通って冷却処理を施した冷却媒体は、出口部68bを通って面28b側から冷却媒体出口連通孔48bに排出される(図3参照)。
【0051】
一方、図6に示すように、第2金属セパレータ24の面24bには、第2冷却媒体流路54に連通するとともに、第3金属セパレータ26の切り欠き形状部に対応して入口部56a及び出口部56bが形成されている。
【0052】
従って、冷却媒体入口連通孔48aに供給された冷却媒体は、図14に示すように、面24b側から入口部56aを通って第2金属セパレータ24と第3金属セパレータ26との間に形成された第2冷却媒体流路54に供給される。この第2冷却媒体流路54を流れた冷却媒体は、出口部56bから面24b側に流動し、冷却媒体出口連通孔48bに排出される(図3参照)。
【0053】
この場合、第1の実施形態では、単位セル12aを構成する第1金属セパレータ22は、第2金属セパレータ24よりも外形寸法が小さく設定されるとともに、前記第1金属セパレータ22は、酸化剤ガス入口連通孔46a、冷却媒体入口連通孔48a、燃料ガス出口連通孔50b、燃料ガス入口連通孔50a、冷却媒体出口連通孔48b及び酸化剤ガス出口連通孔46bを設けることがない。
【0054】
このため、単位セル12aの積層剛性及び組み立て時のハンドリング性に必要な電極面の剛性を確保するとともに、前記単位セル12aの軽量化が図られる。一方、単位セル12bにおいても、上記の単位セル12aと同様の効果が得られる。
【0055】
これにより、燃料電池10全体の軽量化及びコンパクト化が容易に遂行可能になるとともに、特に、多数の単位セル12a、12bが積層されて車載用の燃料電池10が構成される際、前記燃料電池10全体が大幅に軽量化され、燃費の向上が確実に図られる。
【0056】
図15は、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池80の一部断面説明図である。なお、第1の実施形態に係る燃料電池10と同一の構成要素には同一の参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。また、以下に説明する第3〜第6の実施形態においても同様に、その詳細な説明は省略する。
【0057】
燃料電池80は、単位セル82a、82bを交互に矢印A方向に積層する。単位セル82aは、第1電解質膜・電極構造体20aを第1金属セパレータ83及び第2金属セパレータ84で挟持する一方、単位セル82bは、第2電解質膜・電極構造体20bを第3金属セパレータ86及び第4金属セパレータ88で挟持する。
【0058】
第1金属セパレータ83は、第2金属セパレータ84よりも大きな外形寸法に設定されるとともに、前記第1金属セパレータ83には、冷却媒体シール用の内側シール部材90aと、燃料ガスシール用の中間シール部材90bと、酸化剤ガスシール用の外側シール部材90cとが、外方に向かって、順次、形成される。
【0059】
第3金属セパレータ86は、第4金属セパレータ88よりも大きな外形寸法に設定されるとともに、前記第3金属セパレータ86には、冷却媒体シール用の内側シール部材92aと、燃料ガスシール用の中間シール部材92bと、酸化剤ガスシール用の外側シール部材92cとが、外方に向かって、順次、形成される。
【0060】
この第3金属セパレータ86は、実質的に第1金属セパレータ83を180°反転させて使用する一方、第4金属セパレータ88は、実質的に第2金属セパレータ84を180°反転させて使用している。
【0061】
内側シール部材90a、92aは、それぞれ第4金属セパレータ88及び第2金属セパレータ84の周縁部に当接し、中間シール部材90b、92bは、それぞれ第2電解質膜・電極構造体20bの固体高分子電解質膜30bの周縁部、及び第1電解質膜・電極構造体20aの固体高分子電解質膜30aの周縁部に当接し、外側シール部材90c、92cは、互いに隣接する第3金属セパレータ86及び第1金属セパレータ83の周縁部に当接する。
【0062】
このように構成される第2の実施形態では、燃料電池80全体の軽量化及びコンパクト化が容易に遂行可能になる等、上記の第1の実施形態と同様の効果が得られる。
【0063】
図16は、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池100の断面説明図である。
【0064】
燃料電池100は、複数の単位セル102を矢印A方向に積層するとともに、前記単位セル102は、電解質膜・電極構造体(電解質・電極接合体)104を第1金属セパレータ106及び第2金属セパレータ108で挟持する(図16及び図17参照)。電解質膜・電極構造体104は、固体高分子電解質膜30とカソード側電極32及びアノード側電極34とを備える。固体高分子電解質膜30、カソード側電極32及びアノード側電極34は、同一の外形寸法(表面積)に設定される。
【0065】
第1金属セパレータ106は、第2金属セパレータ108よりも小さな外形寸法に設定されており、この第1金属セパレータ106は、実質的に第1の実施形態の第1金属セパレータ22と同様に構成される。
【0066】
第2金属セパレータ108は、図16及び図18に示すように、面24aに第1燃料ガス流路52を周回して第1シール部材110a及び第2シール部材110bが一体成形される。
【0067】
第1シール部材110aは、固体高分子電解質膜30の周縁部に接触し、第2シール部材110bは、隣り合う単位セル102を構成する第2金属セパレータ108に接触する(図16参照)。
【0068】
このように構成される第3の実施形態では、第1の実施形態の、いわゆる、段差MEAを構成する第1電解質膜・電極構造体20a及び第2電解質膜・電極構造体20bに代えて、いわゆる、全面電極型の電解質膜・電極構造体104を用いており、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0069】
図19は、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池120の断面説明図である。
【0070】
燃料電池120は、複数の単位セル122を矢印A方向に積層するとともに、前記単位セル122は、電解質膜・電極構造体104と第1金属セパレータ124及び第2金属セパレータ126とを備える。第1金属セパレータ124は、第2金属セパレータ126よりも小さな外形寸法に設定される。
【0071】
図20及び図21に示すように、第1金属セパレータ124の長手方向(矢印B方向)両端部略中央には、それぞれ第2金属セパレータ126の冷却媒体入口連通孔48a及び冷却媒体出口連通孔48b側に突出して突片部128a、128bが設けられる。
【0072】
第1金属セパレータ124の面22a側には、それぞれ酸化剤ガス流路40の入口側及び出口側を外部に開放する複数の溝部132a、132bが設けられる。第1金属セパレータ124の面22aには、図21に示すように、酸化剤ガス流路40の外方を覆って屈曲するシール部材134が設けられるとともに、このシール部材134の一部が、それぞれ溝部132a、132bを構成する。
【0073】
図22に示すように、第1金属セパレータ124の面22bには、冷却媒体流路44が形成されるとともに、突片部128a、128bには、前記冷却媒体流路44を第2金属セパレータ126の冷却媒体入口連通孔48a及び冷却媒体出口連通孔48bに連通する溝部136a、136bが形成される。
【0074】
図23に示すように、第2金属セパレータ126の面24aには、燃料ガス流路52を周回して第1シール部材138と第2シール部材140とが一体成形される。
【0075】
第1シール部材138は、第1金属セパレータ124のシール部材134と対向して電解質膜・電極構造体104を挟持する一方、第2シール部材140は、隣り合う単位セル122を構成する第2金属セパレータ126に接触する(図19参照)。
【0076】
第1シール部材138は、図23に示すように、燃料ガス入口連通孔50a及び燃料ガス出口連通孔50bを燃料ガス流路52に連通するとともに、酸化剤ガス入口連通孔46a、酸化剤ガス出口連通孔46b、冷却媒体入口連通孔48a及び冷却媒体出口連通孔48bを閉塞する。
【0077】
燃料ガス入口連通孔50aと燃料ガス流路52との間には、第1シール部材138によって溝部142aが形成される一方、燃料ガス出口連通孔50bと前記燃料ガス流路52との間には、前記第1シール部材138によって溝部142bが形成される。
【0078】
図23に示すように、第2金属セパレータ126には、燃料ガス入口連通孔50a及び燃料ガス出口連通孔50bと燃料ガス流路52とを連通する通路部143a、143bが設けられる。通路部143a、143bは、溝部142a、142bを有する。
【0079】
第1シール部材138と第2シール部材140との間には、酸化剤ガス入口連通孔46aから第1金属セパレータ124の溝部132aに連通する溝部144aが形成されるとともに、酸化剤ガス出口連通孔46bと溝部132bとを連通する溝部144bが形成される。
【0080】
図21及び図23に示すように、第2金属セパレータ126には、酸化剤ガス入口連通孔46a及び酸化剤ガス出口連通孔46bと第1金属セパレータ124の酸化剤ガス流路40とを連通する通路部146a、146bが設けられる。通路部146a、146bは、溝部144a、114bを有し、前記溝部144a、114bを介して溝部132a、132bから酸化剤ガス流路40に連通する。
【0081】
このように構成される燃料電池120では、互いに隣接する第2金属セパレータ126間には、一方の第2金属セパレータ126に設けられる第1シール部材138及び第2シール部材140が、他方の第2金属セパレータ126に密着している。
【0082】
このため、各単位セル122の酸化剤ガス入口連通孔46aに供給された酸化剤ガスは、通路部146aに導入され(図23参照)、第2金属セパレータ126の溝部144aから第1金属セパレータ124の溝部132aを通って酸化剤ガス流路40に供給される(図21参照)。この酸化剤ガス流路40で反応に使用された酸化剤ガスは、溝部132bから通路部146bに排出されて溝部144bを通って酸化剤ガス出口連通孔46bに送られる。
【0083】
一方、各単位セル122の燃料ガス入口連通孔50aに供給された燃料ガスは、図23に示すように、通路部143aに導入され、溝部142aを通って燃料ガス流路52に供給される。この燃料ガス流路52で使用された燃料ガスは、通路部143bの溝部142bから燃料ガス出口連通孔50bに排出される。
【0084】
さらに、冷却媒体入口連通孔48aに供給された冷却媒体は、第1金属セパレータ124の突片部128aに形成されている溝部136aを通って冷却媒体流路44に供給される(図22参照)。そして、各単位セル122の冷却を行った冷却媒体は、他方の突片部128bに形成された溝部136bを通って冷却媒体出口連通孔48bに排出される。
【0085】
このように構成される第4の実施形態では、第1金属セパレータ124の外形寸法が一挙に短尺化され、各単位セル122の軽量化及び小型化が容易に図られる等、上記の第1〜第3の実施形態と同様の効果が得られる。
【0086】
図24は、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池150の断面説明図である。
【0087】
燃料電池150は、第4の実施形態に係る燃料電池120に対して冷却媒体流路54を複数、例えば、2つの電解質膜・電極構造体104毎に形成する、いわゆる、間引き冷却構造を採用する。
【0088】
この燃料電池150は、第1金属セパレータ124、電解質膜・電極構造体104、第2金属セパレータ152、電解質膜・電極構造体104、第3金属セパレータ126、第1金属セパレータ124、電解質膜・電極構造体104、第2金属セパレータ152、電解質膜・電極構造体104及び第3金属セパレータ126を矢印A方向に積層して構成される。
【0089】
第2金属セパレータ152は、一方の面側に、すなわち、電解質膜・電極構造体104を挟んで第1金属セパレータ124に対向する面側に、燃料ガス流路52が形成される一方、他の電解質膜・電極構造体104を挟んで第3金属セパレータ126に対向する面側に、酸化剤ガス流路40が形成される。
【0090】
これにより、第5の実施形態では、冷却媒体流路54が有効に削減(半減)される。このため、燃料電池150全体として、積層方向の寸法が一挙に短尺化されるという効果が得られる。
【0091】
図25は、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池160の断面図である。
【0092】
燃料電池160は、単位セル162を矢印A方向に積層するとともに、前記単位セル162は、電解質膜・電極構造体104を第1カーボンセパレータ164及び第2カーボンセパレータ166で挟持して構成される。
【0093】
燃料電池160は、実質的に第4の実施形態に係る燃料電池120と同様に構成されており、第1カーボンセパレータ164は、第2カーボンセパレータ166よりも小さな外形寸法に設定される。この第1カーボンセパレータ164には、シール部材134に相当するシール部材168が設けられる一方、第2カーボンセパレータ166には、第1シール部材138及び第2シール部材140に相当する第1シール部170及び第2シール部172が設けられる。第1シール部170及び第2シール部172は、成形後に第2カーボンセパレータ166に取り付けられている。
【0094】
このように構成される第6の実施形態では、第1カーボンセパレータ164の寸法を可及的に小さく設定することができ、燃料電池160全体の軽量化及びコンパクト化が図られる等、上記の第1〜第5の実施形態と同様の効果が得られる。
【0095】
なお、第6の実施形態では、第4の実施形態に係る燃料電池120と同様に構成されるとともに、第1カーボンセパレータ164及び第2カーボンセパレータ166を用いているが、例えば、第1〜第3の実施形態及び第5の実施形態にも同様に、カーボンセパレータを用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る燃料電池の概略斜視説明図である。
【図2】前記燃料電池の断面説明図である。
【図3】前記燃料電池を構成する単位セルの分解斜視説明図である。
【図4】第1金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図5】第2金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図6】前記第2金属セパレータの他方の面の説明図である。
【図7】第4金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図8】前記第4金属セパレータの他方の面の説明図である。
【図9】燃料電池スタック内での酸化剤ガスの流れ説明図である。
【図10】前記燃料電池スタック内での前記酸化剤ガスの別の流れ説明図である。
【図11】前記燃料電池スタック内での燃料ガスの流れ説明図である。
【図12】前記燃料電池スタック内での前記燃料ガスの別の流れ説明図である。
【図13】前記燃料電池スタック内での冷却媒体の流れ説明図である。
【図14】前記燃料電池スタック内での前記冷却媒体の別の流れ説明図である。
【図15】本発明の第2の実施形態に係る燃料電池の一部断面説明図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係る燃料電池の断面説明図である。
【図17】前記燃料電池の分解斜視説明図である。
【図18】前記燃料電池を構成する第2金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図19】本発明の第4の実施形態に係る燃料電池の断面説明図である。
【図20】前記燃料電池の分解斜視説明図である。
【図21】前記燃料電池を構成する第1金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図22】前記第1金属セパレータの他方の面の説明図である。
【図23】前記燃料電池を構成する第2金属セパレータの一方の面の説明図である。
【図24】本発明の第5の実施形態に係る燃料電池の断面説明図である。
【図25】本発明の第6の実施形態に係る燃料電池の断面説明図である。
【図26】特許文献1の燃料電池スタックの説明図である。
【符号の説明】
【0097】
10、80、100、120、150、160…燃料電池
12a、12b、82a、82b、102、122、162…単位セル
14…積層体
20a、20b、104…電解質膜・電極構造体
22、24、26、28、83、84、86、88、106、108、124、126、152…金属セパレータ
30、30a、30b…固体高分子電解質膜
32、32a、32b…カソード側電極
34、34a、34b…アノード側電極
40、64…酸化剤ガス流路 44、54…冷却媒体流路
46a…酸化剤ガス入口連通孔 46b…酸化剤ガス出口連通孔
48a…冷却媒体入口連通孔 48b…冷却媒体出口連通孔
50a…燃料ガス入口連通孔 50b…燃料ガス出口連通孔
52、66…燃料ガス流路
58a、60a、70a、72a…入口孔部
58b、60b、70b、72b…出口孔部
62a〜62c、74a〜74c、110a、110b、134、138、140…シール部材
76、78、143a、143b、146a、146b…通路部
90a、92a…内側シール部材 90b、92b…中間シール部材
90c、92c…外側シール部材
132a、132b、136a、136b、142a、142b、144a、144b…溝部
164、166…カーボンセパレータ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電解質の両側に電極を配設した電解質・電極構造体を備え、前記電解質・電極構造体を第1及び第2セパレータで挟持する燃料電池であって、
前記第1セパレータは、前記第2セパレータよりも小さな外形寸法を有するとともに、
前記第2セパレータの外周縁部には、前記第1セパレータの外形端部より外方に突出する位置に、少なくとも燃料ガス入口連通孔、燃料ガス出口連通孔、酸化剤ガス入口連通孔及び酸化剤ガス出口連通孔を含む流体連通孔が積層方向に貫通して形成されることを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池において、前記第1セパレータには、燃料ガス又は酸化剤ガスである一方の反応ガスを一方の電極面に沿って流動させる第1反応ガス流路が形成されるとともに、
前記第2セパレータには、前記酸化剤ガス又は前記燃料ガスである他方の反応ガスを他方の電極面に沿って流動させる第2反応ガス流路が形成され、
前記第1セパレータには、所定の流体連通孔から前記第1反応ガス流路に前記一方の反応ガスを供給するための通路部が形成されることを特徴とする燃料電池。
【請求項3】
請求項2記載の燃料電池において、前記通路部は、前記第1セパレータの外周端部に形成された溝部を介して前記所定の流体連通孔と前記第1反応ガス流路と連通させることを特徴とする燃料電池。
【請求項4】
請求項2又は3記載の燃料電池において、前記通路部は、前記所定の流体連通孔に連通して前記第2セパレータを前記積層方向に貫通する貫通孔を有することを特徴とする燃料電池。
【請求項1】
電解質の両側に電極を配設した電解質・電極構造体を備え、前記電解質・電極構造体を第1及び第2セパレータで挟持する燃料電池であって、
前記第1セパレータは、前記第2セパレータよりも小さな外形寸法を有するとともに、
前記第2セパレータの外周縁部には、前記第1セパレータの外形端部より外方に突出する位置に、少なくとも燃料ガス入口連通孔、燃料ガス出口連通孔、酸化剤ガス入口連通孔及び酸化剤ガス出口連通孔を含む流体連通孔が積層方向に貫通して形成されることを特徴とする燃料電池。
【請求項2】
請求項1記載の燃料電池において、前記第1セパレータには、燃料ガス又は酸化剤ガスである一方の反応ガスを一方の電極面に沿って流動させる第1反応ガス流路が形成されるとともに、
前記第2セパレータには、前記酸化剤ガス又は前記燃料ガスである他方の反応ガスを他方の電極面に沿って流動させる第2反応ガス流路が形成され、
前記第1セパレータには、所定の流体連通孔から前記第1反応ガス流路に前記一方の反応ガスを供給するための通路部が形成されることを特徴とする燃料電池。
【請求項3】
請求項2記載の燃料電池において、前記通路部は、前記第1セパレータの外周端部に形成された溝部を介して前記所定の流体連通孔と前記第1反応ガス流路と連通させることを特徴とする燃料電池。
【請求項4】
請求項2又は3記載の燃料電池において、前記通路部は、前記所定の流体連通孔に連通して前記第2セパレータを前記積層方向に貫通する貫通孔を有することを特徴とする燃料電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公開番号】特開2007−324108(P2007−324108A)
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−274165(P2006−274165)
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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