説明

燐酸塩処理前の活性化剤を用いる金属表面の被覆法

本発明は、金属表面の燐酸塩処理法に関するが、その際金属表面を燐酸塩処理前に燐酸塩及びチタンをベースとする水性コロイド状活性化剤で処理し、その際活性化剤は少なくとも1個の有機基を有する少なくとも1種の水溶性珪素化合物を含有する。本発明は、相応する活性化剤にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属表面を燐酸塩処理前に燐酸チタンをベースとする水性コロイド状活性化剤で処理する金属表面の燐酸塩処理法並びに相応する活性化剤に関する。
【0002】
燐酸塩処理は、時間的に限られたか又は持続的な腐蝕防止用に、また次のプライマー層又は塗料層の接着を改善するためにも金属表面で何十年来しばしば使用されてきた前処理法である。いわゆる層形成性(即ちはっきりと見える晶状層を形成する)燐酸塩処理法と称される亜鉛を含有する燐酸塩処理法は、優れた品質であり、今日まで同価値の層特性を有する前処理で代用できるものはごく限られている。特に亜鉛ニッケル−又は亜鉛マンガンニッケル−ホスフェートは非常に優れた品質であり、通常はアルミニウム−、鉄−又は亜鉛−濃度の高い金属表面で有機塗料の下で腐蝕防止及び塗膜接着性のために必要不可欠である。
【0003】
特に亜鉛を含有する燐酸塩処理法は、高品質の塗膜の形成用に前以て活性化する必要があり、その際清潔であるか又は洗浄した金属表面を燐酸塩コロイド及び/又は燐酸塩粒子をベースとする種並びにその他の物質で覆う。
【0004】
良好な活性化によって晶状亜鉛含有燐酸塩の層を完全に密閉するまで十分に形成させることができる。更に多くの実施態様で、晶状層が比較的微粒子であるか又は/及び本質的に均質に形成された結晶から成る場合が有利である。例えば亜鉛マンガンニッケルホスフェートから成る塗膜は、良好な活性化によって通常は1.0〜3.5g/mの範囲の層質量及び走査型電子顕微鏡で観察して屡12μmより僅かな平均結晶の大きさの燐酸塩結晶を有する。しかし活性化をこのような燐酸塩処理法の前に省略する場合には、生じた燐酸塩層は、例えば5〜8g/mの範囲の層質量及び走査型電子顕微鏡で観察して、屡30μmより大きな平均結晶の大きさの燐酸塩結晶を有する。後者の場合には、次のプライマー又は塗料層に対する塗膜密着性のためには層質量が余りにも高すぎる。それは厚すぎる燐酸塩層では塗膜密着性が僅かすぎると予期されるからである。大きな燐酸塩結晶の結果は、僅かな塗膜密着性、僅かな腐蝕安定性、燐酸塩層の僅かな機械的強度、平滑でない塗膜面及び著しく高い薬品使用量となる。これらの特性の質は厳密に比例する場合が多い。
【0005】
今日市販されている活性化剤は大量生産ではほぼ1日の使用時間しか有さない場合が多く、極端な場合には更に良好な作業能力を維持又は発揮するために補充溶液を新たに添加する必要があるかないしはこれを新しいバッチ溶液と交換することとなる。大量生産で有機ポリマーを添加することによって4日又は5日程までの使用時間を有する活性化剤が僅かに二三市販されているが、しかしその場合に5日の作業日以内の作業に限って適するにすぎない。制限のある使用時間は第一に、作業労働週中に活性化剤が変化することによって燐酸亜鉛処理で生成される燐酸塩層の層質量が、例えば約1.3g/mから例えば4.5g/mの層質量に増加し、それによって層厚も増加することに現れる。それによって更に腐蝕安定性及び塗膜密着性が悪くなる。原則的には大抵の自動車生産では、約1.0〜約3.5g/mの層質量が許容される。しかしこれより高い層質量を用いると、塗膜密着性が減少し、薬品使用量が高くなる。
【0006】
従って、活性化剤の浴組成並びに層質量の変化及びその他の層の特性が製造時間中にあまり強く変動しないことが有利である。ここで用語"浴"とは処理浴を表す。
【0007】
従って、少なくとも5日間(=1労働週)以上使用することができ、この期間中ごく僅かな特性変動しか示さない(=耐久安定性)活性化剤を開発し、提供することが切望されている。使用時間中にその後で製造された燐酸塩層の層質量及び平均燐酸塩結晶の大きさの変動が使用時間中にごく僅かである場合には、活性の品質も良好と見なされるかないしは非常に良好であるとさえ見なされる。
【0008】
本発明による方法では、実験室の一連の実験又は各施設により、1週間で±0.3から最高±1.0g/mの範囲の層質量の変化及び変動の値が検出されたが、その際層質量は常に1.0〜3.5g/mの範囲に留まっていた。活性化剤が使用時間中に燐酸塩処理で製造された燐酸塩層の僅かな特性変動及び特性変化しか生じないのが有利である。
【0009】
更に、活性化剤がより長い時間に亘ってより高い温度で使用することができ、従って高い熱安定性を有する、即ち30〜60℃の範囲又は場合により30〜80℃の範囲でさえ持続的に使用することができるのが有利である。このような高い温度安定性に基づき、全工程で不安定性がより僅かである。従って特に高い温度範囲での温度変動は相殺され、燐酸塩層の均質な品質が保たれる。温度安定性が僅かな活性化剤をその温度安定性限度より上で長時間使用する場合には、コロイドの凝集が促進され、従って活性作用が著しく速く減衰する。
【0010】
EP0454211B1には、燐酸チタンをベースとする活性化剤を用いて活性化し、次いで燐酸亜鉛処理することによって金属表面に燐酸塩被覆を設ける方法が記載されているが、その際金属表面を、Ti0.001〜0.060g/L、Pとして計算してオルトホスフェート0.02〜1.2g/L、Cu0.001〜0.1g/L及びアルカリ化合物を含有する活性化剤浴を用いて活性化させる。
【0011】
従って、使用時間がより長く持続する安定性及び/又はより高い耐熱性に基づいて大量生産用により良好に適する、活性化剤を提案することが課題であった。
【0012】
この課題は、金属表面の燐酸塩処理用の方法を用いて解決されるが、その際金属表面を燐酸塩処理する前に燐酸塩及びチタンをベースとする水性コロイド状活性化剤を用いて処理し、その際活性化剤は少なくとも1個の有機基を有する少なくとも1種の水溶性珪素化合物を含有する。
【0013】
有利には本発明による水性コロイド状活性化剤は、燐酸チタン、オルトホスフェート、アルカリ金属並びに場合により少なくとも1種の安定化剤又は/及び少なくとも1種のその他の添加剤を含有する。これは有利には少なくとも1種の加水分解されたか又は/及び縮合されたシラン/シラノール/シロキサン/ポリシロキサンを含有する。
【0014】
本発明による方法で、活性化剤は有利にはコロイド溶液又はコロイド分散液又は粉末状活性化剤であってよく、その際後者は被覆法で使用するために溶解させ、分散させる。粉末状活性化剤は特に場合により結晶水も含めて0〜約15質量%の間の残含水量を有してよい。その際、有利には少なくとも1種の水溶性珪素化合物が粉末状活性化剤中に既に含まれていてよく又は/及び粉末状活性化剤を水に溶解させ及び分散させる場合に初めて添加することができる。
【0015】
水性及び屡コロイド状の活性化剤、例えば活性化剤Aは最初に有利には水5〜90質量%の範囲の含水量を有してよい。粉末状の活性化剤、例えば活性化剤Bを例えば活性化剤Aから製造するために、5〜30質量%の初期含水量が有利であり、水性活性化剤、例えば活性化剤Dを例えば活性化剤Aから製造するためには、20〜90質量%の初期含水量が有利である。
【0016】
水性及び通常はコロイド状の活性化剤Aは水性混合物であるが、これは例えば各々の成分を混合し、場合により混練し、場合により部分的乾燥下で製造するか又は/及び製造したものである。従って水性コロイド状活性化剤Aは製造の終わりには場合により粉末として存在してもよい。
【0017】
水性又は粉末状活性化剤、例えば特に活性化剤A又は/及びFに所望によりなお少なくとも1種のその他の物質、例えば燐酸二カリウム、燐酸二ナトリウム、ピロ燐酸カリウム、ピロ燐酸ナトリウム、カリウムトリポリホスフェート、ナトリウムトリポリホスフェート、少なくとも1種のその他の安定化剤又は/及び少なくとも1種の、例えばpH値調節用の薬剤、例えば少なくとも1種のカーボネート又は/及び少なくとも1種の硼酸塩を、溶解させたか又は/及び粉末状の状態で、添加することができる。
【0018】
水性コロイド状の活性化剤を製造するために原則として種々の方法が可能である。最も重要な方法をここに挙げる。
【0019】
本発明による方法で方法(1)では、水性から湿潤した(="水性")活性化剤、例えば活性化剤Aを有利には使用し、これから先ず特に貯蔵可能な粉末状の活性化剤、例えば活性化剤Bを例えば更に乾燥させ、混合し、混練し又は/及び造粒することによって製造し及び次いで所望により活性化剤Cの金属表面への塗布前に粉末状活性化剤Bを水に溶解させ及び分散させ(特に攪拌下で)、次いで金属表面に塗布することができる。粉末状活性化剤Bは、通常コロイド状燐酸チタンを乾燥させた状態で含有する。更に場合により少なくとも1種の物質、例えば各々少なくとも1種の殺生剤、界面活性剤、安定化剤又は/及びpH調節用の添加剤を特に溶解及び分散する際に添加することができる。
【0020】
本発明による方法で方法(2)では、本発明による水性コロイド活性化剤、例えば活性化剤Dは、例えば水性活性化剤、例えば活性化剤Aから、有利には例えば少なくとも1種の安定化剤の添加によって製造するか又は製造したものであってよい。特に貯蔵可能な水性コロイド状活性化剤、例えば活性化剤Dを所望により水で希釈することができ、その際本発明による水性コロイド状活性化剤Eにすることができ、これを次いで金属表面に塗布することができる。希釈は有利には攪拌下で行う。更に場合により少なくとも1種の物質、例えば各々少なくとも1種の殺生剤、界面活性剤、安定化剤又は/及びpH調節用の添加剤を特に希釈する際に添加することができる。
【0021】
本発明による方法で方法(3)では、粉末状活性化剤Fは例えば個々の成分の混合によって製造することができ、特に貯蔵可能である。有利には0〜8質量%の間の含水量を有する。次いでこれから所望により本発明による水性コロイド状の活性化剤、例えば活性化剤Gを例えば水に溶解させ、及び分散させることによって製造(特に攪拌下で)し、次いで金属表面に塗布することができる。その際、コロイドを本質的に又は完全に先ず溶解及び分散の際に生成するのが有利である。更に場合により少なくとも1種の物質、例えば各々少なくとも1種の殺生剤、界面活性剤、安定化剤又は/及びpH調節用の添加剤を特に溶解及び分散の際に添加することができる。
【0022】
本発明による方法では、本発明による水性コロイド状活性化剤は、水性コロイド状活性化剤(前駆物質A)から粉末状活性化剤(前駆物質B)を経て製造し、その後金属表面に塗布する前に水に溶解させ、分散させることができるか(活性化剤C)又は水性コロイド状活性化剤(前駆物質A)から水性コロイド状活性化剤(前駆物質D)を経て製造し、その後金属表面に塗布する前に水に希釈することができる(活性化剤E)。その代わりに本発明による水性コロイド状活性化剤を粉末状化性剤(前駆物質F)から金属表面に塗布する前に水に溶解させ、分散させることができる(活性化剤G)。
【0023】
活性化剤は有利には少なくとも1種の安定化剤を含有することができる。このような安定化剤は、特に燐酸チタン−コロイドを安定化する。水性コロイド状活性化剤が全く又は余りに少ししか安定化剤を含有しない場合には、燐酸チタン−コロイドは多くの水性コロイド活性化剤又は/及び多くの活性化剤浴の状態で、より容易に又は/及びより迅速に凝集し、特に短時間後に活性化剤品質が損なわれる恐れがある。従って安定性及び使用時間が制限される。多くの水性コロイド状活性化剤又は/及び活性化剤浴の多くの状態で、活性化剤浴のより長い安定性のために安定化剤の添加又は含有が有利であるかないしは必要である。このことは4時間より多い活性化剤浴の持続時間及び安定性に多くの場合に当てはまる。
【0024】
第1表:種々の活性化剤、その前駆物質、その含量及びその状態:
【表1】

【0025】
その際、本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば活性化剤C、E及びGは、少なくとも1個の有機基を有する少なくとも1種の水溶性珪素化合物を含有し、一方活性化剤、例えば活性化剤A、B、D及びFは、多くの修正方法で少なくとも1個の有機基を有する少なくとも1種の水溶性珪素化合物を含有する。
【0026】
用語"コロイド"及び"コロイド状"は、本明細書では燐酸チタン−コロイド又は相応する内容物のみを称する。それはこれらのコロイドだけが次の燐酸塩処理のために有意な活性作用を有するからである。活性化剤Fは、通常燐酸チタン−コロイドを含有しない。それは粉末状活性化剤がコロイドを生成するためには少なすぎる水しか含有しないからである。従って用語"コロイド"は通常十分な量の少なくとも1種の液相、例えば水の存在を前提とする。
【0027】
水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びGは、例えば溶解した、多くの場合にコロイド状でもある成分を含有する。それらの粒子は、例えば部分的にか又は完全にその他は慣用の用語"コロイド状"(例えば1〜100nm又は1〜例えば300nmの粒度を有する微細な粒子)の粒度である。しかしその際時々僅かな割合で1μmより上の大きさの粒度を有してもよい。活性化剤の粒度は、Malvern Instruments Ltd.社のZetasizer Nano ZSを用いて測定した。その際測定すべき活性化剤のpH値及び条件を選択して、0.1g/Lの固体及び作用物質をその他の添加剤なしに浴溶液の状態で使用するように選択した。多くの実施態様で活性化剤の粒度分布は多分散性、即ちバイモード又はマルチモードの粒度分散で存在する。
【0028】
すぐ使用できる本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば活性化剤C、E及びGは、通常活性化剤浴の処理浴の濃度で存在し、活性化剤の濃度を水で希釈することによって調節する前には、時折一時的に若干高い濃度でもある。専門家の世界では活性化剤C及びGを"粉末活性化(Pulveraktivierung)"と呼び、活性化剤Eは通常"液体活性化(Fluessigaktivierung)"と称する。活性化剤の製法の前駆物質中の活性化剤、例えば活性化剤A、B、D及びFは、通常活性化剤浴の処理浴より高い濃度で存在する。これらは有利には高度に濃縮されている。これらは通常本発明による水性コロイド状活性化剤の前駆物質であり、活性化剤浴の処理浴の濃度で使用する。
【0029】
有利には、本発明による粉末状活性化剤、例えば活性化剤Bは、粉末、場合のより顆粒状の粉末として存在する。原則的には噴霧乾燥によって製造することもできる。これは十分に又は完全に乾燥している。粉末状活性化剤は、十分に乾燥した状態で約500〜約25μmの範囲のメッシュの大きさの篩を用いる篩分析によって測定して、有利には本質的に1〜1000μmの範囲、特に有利には10〜500μmの範囲の粉末粒度分布を有する。有利には25〜150μmの範囲の、特に有利には40〜80μmの範囲の平均粉末粒度を有する。有利には粉末状活性化剤は易流動性の形で存在する。その際、粉末の湿分が高すぎないように注意するのが有利である。更に、水中での攪拌、溶解又は/及び分散の際によく分散させ、よく溶解させるのが有利である。粉末状活性化剤、例えば活性化剤Bでは、コロイドは有利には乾燥状態で存在する。粉末状活性化剤、例えば活性化剤Bの溶解では、コロイドは高い品質で、通常は十分な量で存在する。
【0030】
本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば活性化剤C、E又は/及びGは、例えばコロイド溶液又は/及びコロイド懸濁液で存在する。その燐酸チタン粒子は例えば部分的に又は完全にコロイド状である。
【0031】
水性コロイド状活性化剤Aは、水性コロイド状活性化剤Cとは濃度又は/及び相状態において並びに場合により化学的全組成においても相違する。水性コロイド状活性化剤Aは、実質的な含量の安定化剤を含有しない場合も多く、燐酸塩は本質的に又は完全に少なくとも1種のオルトホスフェート及び燐酸チタンのみである。これは屡高度に濃縮された状態で存在する。
【0032】
意外にも、水性の、場合によりコロイド状の活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びGに少なくとも1種の安定化剤を添加することによって、部分的に活性化剤の安定性及び寿命の部分的に非常に著しい上昇が起こることが判明した。
【0033】
本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば特に活性化剤C、E又は/及びGが不安定である場合には、安定化剤を添加するのが有利であるか又はむしろ必要である。安定性は、コロイドの僅かな又は強力な凝集傾向又は欠陥のあるコロイドに関与している。凝集したか又は欠陥のあるコロイドは活性作用が悪いか又は活性作用がない。
【0034】
本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば安定化剤を含有しない活性化剤Cは、前駆物質の活性化剤、例えば活性化剤Aとは有利には希釈度によって異なり、コロイドの凝集がより少ないので、有利にはほぼ安定な状態である。本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば少なくとも1種の安定化剤を有する活性化剤Cは、前駆物質の活性化剤、例えば活性化剤Aとは特に著しく高められた安定性、それによって被覆法及び燐酸塩被覆の総じて著しく改善された特性で異なっている。
【0035】
水性コロイド状活性化剤Dは濃縮物である場合が多い。これはコロイドを水相中で含有する。その安定性は通常含有される少なくとも1種の安定化剤によって保証される。
【0036】
本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば活性化剤Eは、前駆物質の水性の高度に濃縮されたコロイド状活性化剤、例えば活性化剤Dから、水で希釈し、場合により少なくとも1種の物質、例えば各々少なくとも1種の殺生剤、界面活性剤、安定化剤又は/及びpH値調節用の添加剤を添加することによって製造することができる。
【0037】
粉末状活性化剤Fは、個々の添加される物質及び混合物から乾燥したか又は十分に乾燥した状態(通常最高8又は最高15質量%までの含水量)で例えばミキサー中で混合することができる。その際、有利に混合、混和又は/及び造粒を行うことができる。含水量は有利には結晶水として又は/及び残湿分としてだけか又は殆どそれだけとして含有される。この場合にコロイドは通常殆ど又は全く存在しない。
【0038】
本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば活性化剤Gは、前駆物質の粉末状活性化剤、例えば活性化剤Fから、例えば攪拌下で水に溶解させ、分散させることによって及び場合により少なくとも1種の物質、例えば各々少なくとも1種の殺生剤、界面活性剤、安定化剤又は/及びpH値調節用の添加剤の添加によって製造することができる。
【0039】
コロイドは含有される燐酸チタン含有物質から水との接触で生成される。部分的に水性活性化剤Gの活性の質は活性化剤C及びEより若干よくない。もちろん製造費用は水性活性化剤Gでは僅かである場合が多く、簡単な適用のためには活性化剤Gの活性化剤品質は通常十分である。
【0040】
本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば活性化剤C、E及びGの濃縮物及び浴は相互に屡全く同様又は同じ特性を有する。本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば水性活性化剤C、E又はGで前以て活性化後の燐酸塩層の特性は、相互に屡全く同様又は同じである。活性化剤浴の適性及び品質は、特に層質量、燐酸亜鉛層の目視で認められる均質性、燐酸亜鉛層を用いる被覆度、腐蝕試験結果又は/及び塗膜密着試験結果により決めることができる。
【0041】
有利には活性化剤、例えば活性化剤A、B、C、D、E、F又は/及びGは、主成分として又は主要な成分として少なくとも1種の燐酸塩、例えば少なくとも1種のナトリウム−、カリウム−又は/及びチタン含有の燐酸塩、特に主成分としてはナトリウム−又はカリウムオルトホスフェート並びに少なくとも1種のチタン含有燐酸塩を含有する。
【0042】
有利には燐酸塩は水性コロイド状活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びGは、燐酸チタン、燐酸チタニル、燐酸二ナトリウム又は/及び燐酸二カリウムの形で存在する。更に水性コロイド状活性化剤、例えば特に活性化剤A、C、D、E又は/及びGは、場合により少なくとも1種の安定化剤、例えばピロホスフェート又は/及びトリポリホスフェートの含量も有してもよい。
【0043】
本発明による方法では、水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びGの燐酸塩の含量は、燐酸塩化合物として計算して、有利には0.05〜400g/Lの範囲及び特に0.01〜280又は0.20〜200g/Lの範囲の範囲内であってよく、粉末状活性化剤、例えば活性化剤B又は/及びFでは、0.5〜98質量%の範囲、特に3〜90又は10〜80質量%の範囲であってよい(各々濃縮物及び浴に関して)。
【0044】
本発明による方法で、水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びGの燐酸塩の含量は、POとして有利には0.005〜300g/Lの範囲、特に0.010〜200又は0.020〜100g/Lの範囲であってよく、粉末状活性化剤、例えば活性化剤B又は/及びFは、0.1〜80質量%の範囲、特に1〜65又は10〜50質量%の範囲であってよい(各々濃縮物及び浴に関して)。
【0045】
それ以前に存在する浴から成る珪酸塩含量を有する洗浄剤を入れる場合には、この珪酸塩の含量及びこの珪酸塩は、本出願では用語"珪酸化合物"に属さない。
【0046】
場合により多くの実施態様では、少なくとも1種のシラン/シラノール/シロキサン/ポリシロキサンは水性又は粉末状活性化剤前駆物質、例えば活性化剤A、B、D又はF中にまだ含有されておらず、その場合には本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば活性化剤C、E又はGの製造の際に初めて添加する。
【0047】
本発明による方法で、少なくとも1個の有機基を有する水溶性珪素化合物の全含量は、活性化剤前駆物質中、例えば活性化剤A、B、D又はF中でほぼ0であるか又は水性活性化剤中、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びG中で有利には0.0001〜50g/L、特に0.001〜20g/Lであってよく、特に金属表面の被覆用には0.001〜0.2g/Lであってよく又は粉末状活性化剤中、例えば活性化剤B又は/及びF中でほぼ0又は0.001〜25質量%、特に0.01〜5質量%であってよく、その際シラン又は/及び相応する本質的に存在する珪素を含有する出発化合物として計算する(各々濃縮物及び浴に関して)。
【0048】
用語"シラン"又は"シラン/シラノール/シロキサン/ポリシロキサン"は、本出願ではシラン、シラノール、シロキサン、ポリシロキサン及びその反応生成物又は誘導体に使用し、これは屡"シラン"−混合物である。ポリシロキサンを添加することもできる。少なくとも1個の有機基を有する少なくとも1種のシランの添加が特に有利であり、その際通常"シラン"と称するが、それは多くの場合に市販の"シラン"は少なくとも1種のシラン、少なくとも1種のシラノール、少なくとも1種のシロキサン、少なくとも1種のポリシロキサン又はこれら物質の混合物であるか否か分からない場合が多いからである。自体変化した"シラン"の場合でも、どの物質が特定の製造段階で又は貯蔵後又は溶液又は懸濁液に添加後に存在するのかを確定することは多くの場合にできないか又は非常に高い費用を用いてのみ可能であるにすぎない。
【0049】
その際起こるしばしば複雑な化学反応及び費用のかかる分析及び操作によって、各々その他のシラン又はその他の反応生成物を詳述することは大抵の場合できない。
【0050】
水溶性珪素化合物の少なくとも1個の有機基は、例えば各々相互に無関係に少なくとも1個の脂肪族、脂環式、複素環式又は/及び芳香族基であってよく、これらは各々相互に無関係に飽和又は不飽和であり、各々相互に無関係に少なくとも1個の官能基を有するか又は官能基をなにも有さない。少なくとも1個の官能基は特に、アルデヒド基、アミド基、アミノ基、カルボニル基、エステル基、エーテル基、尿素基、ヒドロキシド基、イミド基、イミノ基、二トロ基又は/及びオキシラン基から選択してよい。少なくとも1種の水溶性珪素化合物は、分子中に珪素原子1個、2個又は2個以上を有することができる。分子は場合により枝分かれしていてよく又は/及び二次元又は三次元の形をとってもよい。
【0051】
本発明による方法で、珪素化合物として活性化剤中に、例えば活性化剤A、B、D、E、F又は/及びG中に、有利には少なくとも1種の加水分解可能なシラン又は/及び少なくとも部分的に加水分解されたシランが含有されていてよい。有利には少なくとも1種のモノ−シリル−シラン、少なくとも1種のビス−シリル−シラン又は/及び少なくとも1種のトリス−シリル−シランが含有されていてよい。有利には各々少なくとも1種のアリルシラン、アルコキシシラン、アミノシラン、無水コハク酸シラン、シクロアルキルシラン、シクロアルコキシシラン、エポキシシラン、フェニルシラン又は/及びビニルシランが含有されていてよい。特に、C原子2〜5個の範囲の鎖長及び官能基を有するようなシラン/シラノール/シロキサンが有利であるが、その際後者はポリマーと反応させるために好適であろう。特に本発明による活性化剤は、少なくとも2種のシラン、例えば(1)少なくとも2種のアミノ−シラン、例えば少なくとも1種のモノ−アミノ−シラン及び少なくとも1種のビス−アミノ−シラン、例えば(2)少なくとも1種のビス−シリル−シラン、例えば少なくとも1種のビス−アミノ−シラン及び少なくとも1種のアルコキシ−シラン、例えば少なくとも1種のトリアルコキシ−シリル−プロピル−テトラスルファン又は例えば(3)少なくとも1種のビニルシラン及び少なくとも1種のビス−シリル−シラン、例えば少なくとも1種のビス−アミノ−シランから成る混合物を含有してよい。
【0052】
有利には水性配合物は、グリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、メタクリルオキシアルキルトリアルコキシシラン、(トリアルコキシシリル)アルキル琥珀酸シラン、アミノアルキルアミノアルキルアルキルジアルコキシシラン、(エポキシシクロアルキル)アルキルトリアルコキシシラン、α−アミノアルキルイミノアルキルトリアルコキシシラン、ビス−(トリアルコキシシリルアルキル)アミン、ビス−(トリアルコキシシリル)エタン、(エポキシアルキル)トリアルコキシシラン、アミノアルキルトリアルコキシシラン、ウレイドアルキルトリアルコキシシラン、N−(トリアルコキシシリルアルキル)アルキレンジアミン、N−(アミノアルキル)アミノアルキルトリアルコキシシラン、N−(トリアルコキシシリルアルキル)ジアルキレントリアミン、ポリ(アミノアルキル)アルキルジアルコキシシラン、トリス(トリアルコキシシリル)アルキルイソシアヌレート、ウレイドアルキルトリアルコキシシラン及びアセトキシシランの群から選択した少なくとも1種のシランを含有する。
【0053】
有利には水溶性配合物は、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピル琥珀酸シラン、α−アミノエチルイミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジエトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、γ−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、(3,4−エポキシブチル)トリエトキシシラン、(3,4−エポキシブチル)トリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリアルコキシシラン、N−(3−(トリメトキシシリル)プロピル)エチレンジアミン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(γ−トリエトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、N−(γ−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミン、N−(γ−トリエトキシシリルプロピル)ジメチレントリアミン、N−(γ−トリメトキシシリルプロピル)ジメチレントリアミン、ポリ(アミノアルキル)エチルジアルコキシシラン、ポリ(アミノアルキル)メチルジアルコキシシラン、トリス(3−トリエトキシシリル)プロピル)イソシアヌレート、トリス(3−(トリメトキシシリル)プロピル)イソシアヌレート及びビニルトリアセトキシシランの群から選択した少なくとも1種のシランを含有する。
【0054】
特に有利な珪素化合物は、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)アミン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビス−(トリエトキシシリル)エタン、フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸アンヒドリド、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン及びトリアミノ官能性シランである。
【0055】
本発明による方法で、活性化剤中に珪素化合物として有利には少なくとも1種の部分的に又は完全に加水分解されたシラン/シラノール/シロキサン又は/及び場合により縮合されたシラン/シラノール/シロキサン/ポリシロキサンが含有されている。
【0056】
本発明による方法で、チタンの含量は、水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びG中で、有利には0.0001〜10g/Lの範囲、特に0.001〜5又は0.005〜1g/Lの範囲であってよく又は粉末状活性化剤、例えば活性化剤B又は/及びF中で、有利にはほぼゼロであるか又は0.001〜10質量%の範囲、特に0.005〜2又は0.01〜1質量%の範囲であってよい(各々濃縮物及び浴に関して)。
【0057】
本発明による方法で、コバルト、銅又は/及びニッケルの全含量は、水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びG中で、有利にはほぼゼロであるか又は0.00001〜0.1g/Lの範囲、特に0.0005〜0.05又は0.01〜0.02g/Lの範囲であってよく又は粉末状活性化剤、例えば活性化剤B又は/及びF中では、有利にはほぼゼロであるか又は0.0001〜2質量%の範囲、特に0.001〜0.8又は0.01〜0.4質量%の範囲であってよい(各々濃縮物及び浴に関して)。コバルト、銅又は/及びニッケルは、燐酸塩層の改良に役立ち、殺生物作用を生じる。
【0058】
本発明による方法で、チタンの含量対少なくとも1個の有機基を有する水溶性珪素化合物の含量(各々シラン又は/及び相応する珪素含有出発化合物として計算して)の質量比は、(0.3−2.6):1の範囲が良好であると実証され、(0.2−3.0):1の範囲が少なくとも十分であると実証された。
【0059】
本発明のよる方法で、ナトリウム又は/及びカリウムの全含量は、水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びG中で、有利には0.005〜300g/Lの範囲、特に0.01〜200又は0.02〜100g/Lの範囲であってよく又は粉末状活性化剤、例えば活性化剤B又は/及びF中では、有利には0.1〜70質量%の範囲、特に1〜60又は10〜50質量%の範囲であってよい(各々濃縮物及び浴に関して)。
【0060】
本発明による方法で活性化剤は有利には、各々少なくとも1種の殺生剤、湿潤剤、軟化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤、安定化剤又は/及びマーカーの含量を有してもよい。
【0061】
本発明による方法で、例えばリチウム、ランタン、イットリウム又は/及びタングステンをベースとする、少なくとも1種のマーキングイオン又は/及び少なくとも1種のマーキング化合物(その色、蛍光又は/及び化学的又は/及び物理的分析能によるマーカー)の全含量は、着色剤マーカー又は/及び蛍光マーカーとして、水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びG中で、有利にはほぼゼロであるか又は0.0001〜100g/Lの範囲、特に0.001〜10又は0.01〜1g/Lの範囲であってよく又は粉末状活性化剤、例えば活性化剤B又は/及びF中で、有利にはほぼゼロであるか又は0.001〜20質量%の範囲、特に0.01〜10又は0.1〜1質量%の範囲であってよい(各々濃縮物及び浴に関して)。
【0062】
更に活性化剤、例えば活性化剤A、B、C、D、E、F又は/及びG中で、場合により各々少なくとも1種の軟化剤(=水硬度結合剤)、例えば各々少なくとも1種のジカルボン酸、トリカルボン酸、高級カルボン酸、ポリカルボン酸、オキシジカルボン酸、オキシトリカルボン酸、高級オキシカルボン酸、ポリオキシカルボン酸、ホスホン酸、ジホスホン酸、トリホスホン酸、ポリホスホン酸、ホスホン酸エステル又は/及びその誘導体、例えばヒドロキシホスホン酸又は/及びその誘導体を添加するか又は/及び含有することができる。ホスホン酸としては、例えばHEDP=(1−ヒドロキシエチリデン)−ジホスホン酸が特に有利である。このような化合物は特に錯化剤又は/及び金属イオン封鎖剤として働く。本発明による方法で、軟化剤の含量は、水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びG中で、有利にはゼロであるか又は0.0001〜50g/Lの範囲、特に0.001〜20g/Lの範囲であってよく又は粉末状活性化剤、例えば活性化剤B又は/及びF中では、有利にはほぼゼロであるか又は0.001〜25質量%の範囲、特に0.01〜5質量%の範囲であってよい(各々濃縮物及び浴に関して)。
【0063】
更に活性化剤、例えば活性化剤A、B、C、D、E、F又は/及びGは、場合により各々少なくとも1種の安定化剤の少なくとも1種の添加剤を含有してもよい。このような安定化剤は、燐酸チタン−コロイドを安定化する。安定化剤は、少なくとも1種の物質、例えば各々少なくとも1種の有機ポリマー、有機コポリマー、ピロホスフェート、トリポリホスフェート又は/及びホスホネートをベースとする少なくとも1種の物質を含有するか又は含有していてよい。有利には活性化剤は安定化剤として特に各々少なくとも1種のアニオン変性多糖類、水溶性有機コポリマー、例えば特にアクリレート、エチレン又は/及び高分子電解質、カルボン酸、ホスホン酸、ジホスホン酸、トリホスホン酸、ポリホスホン酸、高分子電解質又は/及びその誘導体、例えばカルボン酸エステル、ホスホン酸エステル又は/及びその誘導体を含有する。その際、安定化は静電的又は/及び立体的安定化によって行われる。オルトホスフェートも屡一定ではあるが高くはない安定化作用を示すが、本出願では安定化剤とは称さない。
【0064】
本発明による方法で安定化剤の含量は、水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びG中で、有利にはほぼゼロであるか又は0.0001〜300g/Lの範囲、特に1〜200g/Lの範囲であってよく又は粉末状活性化剤、例えば活性化剤B又は/及びF中で、有利にはほぼゼロであるか又は0.001〜80質量%の範囲、特に1〜60質量%の範囲であってよい(各々濃縮物及び浴に関して)。
【0065】
本発明による方法で、水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びGは、有利には少なくとも1種の界面活性剤又は/及び少なくとも1種のハイドロトロープ、例えば少なくとも1種のアルカンスルフェート、アルカンスルホネート又は/及びグリコールの含量を含有してよいか又は活性化剤に添加することができる。界面活性剤としては原則として全ての両性、非イオン性、アニオン性及びカチオン性界面活性剤が挙げられる。本発明による方法で、各々少なくとも1種の洗浄剤混合物、界面活性剤又は/及びハイドロトロープの含量は、活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びG中で、有利にはほぼゼロであるか又は0.001〜100g/Lの範囲、特に0.005〜50又は0.01〜10g/Lの範囲であってよく又は粉末状活性化剤、例えば活性化剤B又は/及びF中では、有利にはほぼゼロであるか又は0.01〜99質量%の範囲、特に0.05〜90又は0.1〜80質量%の範囲であってよい(各々濃縮物、浴及び活性作用を有する清浄剤に関して)。
【0066】
更にpH値調節又は/及び化学系の緩衝用の種々の物質、有利には少なくとも1種の硼酸塩又は/及び少なくとも1種の炭酸塩を使用することができる。アルカリ金属化合物、例えば少なくとも1種のアルカリ金属硼酸塩又は/及び少なくとも1種のアルカリ金属炭酸塩が特に有利である。その際これらの化合物の含量は広い範囲で変動してよい。有利には水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びG中で、ほぼゼロであるか又は屡0.1〜200g/L又は有利には1〜100g/Lであるか又は粉末状活性化剤、例えば活性化剤B又は/及びF中では、有利にはほぼゼロであるか又は0.01〜95質量%、特に0.1〜90又は1〜80質量%である(各々濃縮物、浴及び活性作用を有する清浄剤に関して)。
【0067】
本発明による方法で、活性化剤は有利には少なくとも1種の殺生剤の含量を有することができる。本発明による方法で、殺生剤の含量は、活性化剤、例えば活性化剤A、B、C、D、E、F又は/及びG中で、有利にはほぼゼロであるか又は0.0001〜2g/Lの範囲、特に0.005〜0.3又は0.01〜0.05g/Lの範囲であってよく又は活性化剤、例えば活性化剤B中では、有利にはほぼゼロであるか又は0.01〜10質量%の範囲、特に0.05〜2又は0.1〜1.5質量%の範囲であってよい(各々濃縮物及び浴に関して)。
【0068】
水性活性化剤、例えば活性化剤A、C、D、E又は/及びG中のpH値は、有利には7〜13の範囲、特に有利には8〜12又は8.5〜11の範囲である。多くの実施態様では、活性化剤浴中で妨害となる沈澱が起こらない場合にはpH値は7より小さくともよく又はこの浴が装置部分にさほど強い損傷を与えない場合には、13より大きくともよい。
【0069】
本発明による方法で、本発明による水性コロイド状活性化剤、例えば活性化剤C、E又は/及びGは、有利には10〜80℃の範囲、特に有利には15〜60℃又は20〜50℃の範囲の温度で、金属表面に塗布することができる。
【0070】
本発明による方法で、本発明による活性化剤は有利には、流し塗布、流し法、吹付け、浸漬又は/及びロール塗布及び場合により絞り出しによって金属表面に塗布することができる。多くの実施態様で活性化剤は吹付け又は浸漬によって塗布する。
【0071】
本発明による方法で、金属表面は有利には活性化する前に清浄にし、脱脂し又は/及び腐蝕し、引き続き又は/及びその間に場合により水で洗浄することができる。多くの実施態様で、清浄にし、脱脂し又は/及び腐蝕した後に引き続き水で洗浄する必要がある。
【0072】
本発明による方法で、金属表面を有利には活性化後かつ燐酸塩処理前に水で洗浄することができる。多くの実施態様でこの洗浄は選択的である。
【0073】
本発明による方法で、金属表面を有利には活性化後に燐酸塩処理し、後洗浄し又は/及び少なくとも1種の有機塗料、例えば少なくとも1種のプライマー、少なくとも1種の塗料、少なくとも1種の接着剤キャリアー又は/及び少なくとも1種の接着剤を添加することができる。その際、各々必要に応じて塗料塗布後に乾燥させ、洗浄し又は洗浄し、その後に乾燥させることができる。
【0074】
生成した燐酸亜鉛層の層質量は、実験で1.5〜3g/mの値が良好であり、>3〜<4g/mの値が十分であり、約1〜1.5並びに4〜4.5g/mの値が通常十分であると実証された。しかし層質量は、活性化剤浴の品質を評価するための唯一の基準ではない。むしろその際燐酸亜鉛層の目視検査可能な均質性、燐酸亜鉛層を用いる被覆度、腐蝕試験結果又は/及び塗膜密着性試験結果を用いることもできる。更に本発明による活性化剤は、その活性化作用が少なくとも120時間以上良好又は非常に良好であると判定される場合(これは特に層質量で測定可能である)に、良好であると実証された。それどころか本発明による活性化剤浴では、良好ないし十分な活性化作用が300時間以上に亘って達成できた。活性化作用が減少する場合には、特に燐酸亜鉛層の層質量の3.5g/m以上の値までの上昇及び顕微鏡により検出可能な燐酸亜鉛層の被覆度又は金属光沢部分又は錆付着部分で示される。
【0075】
表面として原則的には、全ての種類の材料の表面(場合により隣接又は/及び順次進行する多数の異なる種類の材料)に使用することができ、特に全ての種類の金属材料に使用することができる。金属材料とは、原則として全ての金属材料、特にアルミニウム、鉄、銅、チタン、亜鉛、錫又は/及びアルミニウム、鉄、鋼、銅、マグネシウム、ニッケル、チタン、亜鉛又は/及び錫の含量を有する合金から成るようなものが可能であり、その際それらの使用は隣接して又は/及び順次行うこともできる。材料表面は場合により、例えば亜鉛又はアルミニウム又は/及び亜鉛含有合金で前以て被覆してもよく又は/及び被覆されていてもよい。
【0076】
課題は更に、燐酸塩処理前に金属表面を処理するために燐酸チタン及び少なくとも1種のその他のチタンを含有しない燐酸塩をベースとする水性コロイド状活性化剤を用いて解決されるが、その際活性化剤は少なくとも1個の有機基を有する少なくとも1種の水溶性珪素化合物を含有する。
【0077】
課題は更に、活性化剤A(これは本質的に成分の混合、混練又は/及び造粒により製造した)、又は水性コロイド状活性化剤C(これは水性コロイド状活性化剤Aから粉末状活性化剤Bを経て製造し、その際粉末状活性化剤Bを次いで塗布するために水に溶解させ、分散させた)又は水性コロイド状活性化剤E(水性コロイド状活性化剤Aから水性コロイド状活性化剤Dを経て製造したが、その際水性活性化剤Eは水で希釈することによって製造した)、又は水性コロイド状活性化剤G(これは粉末状活性化剤Fから製造したが、その際粉末状活性化剤Fは本質的に成分の混合、混練又は/及び造粒によって製造し、その際水性コロイド状活性化剤Gは水に溶解させ、分散させることによって製造した)を用いて解決されるが、その際用語"コロイド状"は燐酸チタン−コロイドだけに適用され、その際コロイド状活性化剤は燐酸チタン及び少なくとも1種のその他のチタンを含有しない燐酸塩を含有し、燐酸塩処理前に金属表面の処理の処理浴用の濃度で使用され、その際コロイド状活性化剤は少なくとも1個の有機基を有する少なくとも1種の水溶性珪素化合物も含有する。
【0078】
活性化剤はその他有利には特許請求の範囲による配合物、特に少なくとも1種の安定化剤を有することができる。
【0079】
本発明による水性又は粉末状活性化剤を用いて本出願人の知識によれば意外にも濃縮物又は/及び補充剤の添加なしにか又は殆ど添加なしに120時間以上にわたって良好に使用可能である浴持続時間を達成することが初めて可能である。その際、濃縮物又は/及び補充剤の添加なしにか又は浴使用時間にわたって僅かな到達浴容量の高さまでだけ添加し、その際例えば1.0〜3.5g/mの範囲のほぼ一定の低い層質量が得られる。
【0080】
更に本発明による活性化剤は有利には洗浄剤に添加し、洗浄剤中で使用することができる。それによって一つの工程で洗浄及び活性化することができ、少なくとも一つの浴が使用不要となる。これは特に、非常に高い品質要求のない簡単な製造工程にとって有利である。
【0081】
本発明による方法によって活性化され、燐酸塩処理され並びに場合によりなおさらに被覆された金属性品物は、特に自動車工業、自動車下請け産業及び鉄鋼産業並びに土木及び器械装置で使用することができる。本発明による方法によって被覆した支持体は特に、ワイヤ、編み込みワイヤ、ベルト、金属板、異形材、ライニング、乗物又は飛行物体の部品、家庭用器具用部材、建築部材、フレーム、ガードレール−、ヒーター−又は柵部材、複雑な形状の成形品又は小部品、例えばネジ、ナット、フレンジ又はスプリングとして使用することができる。
【0082】
本発明による方法を用いて、浴持続時間、浴安定性、結晶の大きさ、高い使用温度での安定性及び腐蝕防止性をなお更に改善することができた。
【0083】
活性化剤の使用時間を非常に少量の少なくとも1種の珪素化合物の添加によって部分的にほぼ5〜10倍だけ活性化剤の補充なしに上昇させることができたことは意外であった。
【0084】
熱安定性(50℃より上の活性化剤の使用温度における安定性)を著しく改善することができたことも意外であった。
【0085】
更に、層質量に関して安定性作用だけでなく、粒度水準が走査型電子顕微鏡で観察して3〜10μmの範囲の平均結晶大きさに調節されるので、燐酸塩結晶の大きさの改善された作用が長時間起こったことは意外であった。
【0086】
更に、本発明による手段を導入することによって、分離した燐酸塩層の品質が悪化せず、長時間均質な品質で保つことができたことは意外であった。更に燐酸塩層の層質量は全製造時間にわたって十分一定に保たれた。というのは、層質量変動が実験室試験で5作業日中で慣用の活性化剤浴における最初+/−0.1〜+/−3.0g/mまでであるのが、本発明による活性化剤浴においては+/−0.1〜+/−1.0g/mまで低下するからである。
【0087】
実施例及び比較例
本発明の目的を実施態様につき詳説する。実施例は下記に記載の支持体、方法工程、物質及び混合物を使用して実施した:
試験金属板は、厚さ1.2mmを有する冷間圧延鋼又は各側で各々約7μmの厚さを有する、溶融浸漬亜鉛めっき(HDG)から成る塗膜又は静電亜鉛めっき(EG)から成る塗膜を有する両側を亜鉛めっきした鋼から成るものであった。支持体の面積は両表面積で測定して約400cmであった。
(a)支持体表面をアルカリ性洗浄剤の2.5%溶液中で60℃で10分間洗浄し、その際徹底的に脱脂した。
(b)次いで水道水で室温で0.5分間洗浄した。
(c)次いで表面をコロイド状燐酸チタンを含有するコロイド状活性化剤中に室温で0.5分間浸漬することによって活性化した。活性化剤は第2表に記載する。活性化剤Aは、高めた温度で、混合し、水を加え、場合により混練することによって製造した。活性化剤Bは、活性化剤Aから多数の添加剤の添加下で固体状態で混合することによって製造した。活性化剤Cは、活性化剤Bから水、安定化剤、シラン及び場合によりpH値調節用添加剤の添加によって並びに攪拌することによって製造した。その際、水中に分散させ、溶解させた。活性化剤Dは、付加的にすでに第一安定化剤を含有している増やした水を含有する活性化剤Aから、水、安定化剤、場合によりシラン及び少なくとも1種の添加剤を攪拌下で添加することによって製造した。活性化剤Eは、活性化剤Dから水、安定化剤及び場合によりシランの添加によって並びに攪拌によって製造した。シランを既に活性化剤Dを添加するか又は活性化剤Eに添加した場合には、活性化剤Eの特性に相違は生じなかった。
(d)その後表面を55℃で3分間燐酸塩処理溶液中に浸漬することによって燐酸亜鉛処理した。次いで使用した燐酸塩処理溶液の特性を調べる。
(e)引き続き先ず水道水で、次いで完全脱塩水で洗浄した。
(f)次いで被覆した支持体を乾燥炉中で100℃で10分間乾燥させた。
(g)最後に乾燥した試験金属板に陰極浸漬ワニスを塗布し、自動車工業で車体用に常用の塗料構造のその他の層で被覆した(層構造及び塗料はDaimler AG in Mondsilberによる)。
【0088】
各々の活性化剤の組成又は試験結果は第2表又は第3表に記載してある。
【0089】
活性化剤に添加した各シランは、前以て部分的に又は完全に加水分解又は/及び縮合した。その際、場合により水溶液のpH値を調節した。
【0090】
各々少なくとも1個の有機基を有するシランのタイプ:1.アルコキシシランA、2.アルコキシシランB、3.アルコキシシランC、4.アルコキシシランD、5.フェニルシラン、6.コハク酸シラン、7.トリアミノ官能性シラン、8.エポキシシラン。
【0091】
安定化剤として、活性化剤中でピロホスフェート、トリポリホスフェート、増粘剤又は/及び番号9〜11の少なくとも1種の添加剤を使用した。
【0092】
添加剤番号:9.1−ヒドロキシエチレン(1,1−ジホスホン酸)、10.非晶質珪酸、11.カルボン酸コポリマー。
【0093】
表中で温度安定性は、製造した燐酸亜鉛層の層質量の値が例えば40℃の活性化剤浴温度の試験で1.5〜3g/mの値範囲を超えなかったことを表すが、その際各々の浴持続時間を評価に入れた。層質量は、 社のGardometer Typ を用いて の測定原理により で測定した。
【0094】
更に、なお水を殆ど含有しない活性化剤Aの試料でレントゲン写真によって、結晶物質として第一にNaHPO、NaHPO・2HO及び少量のTiOSOが存在することが確認された。その際燐酸チタンは粉体回析により検出されなかった。
【0095】
平均粒度は、走査型電子顕微鏡(REM)下で観察するか又は適切に拡大したREM写真により評価した。
【0096】
第2表:使用した活性化剤
【表2】

【0097】
【表3】

【0098】
【表4】

【0099】
【表5】

【0100】
【表6】

【0101】
【表7】

【0102】
【表8】

【0103】
本発明による例B1からB27はいわゆる粉末活性化剤であり、B28からB31はいわゆる液体活性化剤である。燐酸塩被覆の実験用に、燐酸塩処理溶液IからVを浸漬で使用した。これらは促進剤として硝酸塩の他に亜硝酸塩、ニトログアニジン又は過酸化水素を含有した。カチオンとしてこれらはアルカリ金属イオンの他に鉄イオン及び金属表面から腐蝕して出るカチオン、本質的に亜鉛、マンガン及びニッケルを例えば典型的な低−亜鉛−燐酸処理溶液中に含有した。これらはアニオンとして部分的に六弗化珪素及び少量の遊離弗化物を含有した。燐酸塩処理剤IからVの塗布は浸漬によって行った。遊離酸FSのその値は、ほぼ1.4〜1.7の範囲であり、全酸GSのその値はほぼ22〜28の範囲であり、全酸FischerGSFのその値はほぼ15〜20の範囲であり、FS対GSFの比としてのそのS値はほぼ0.07〜0.10の範囲であった。層質量は、比重計により燐酸塩層の溶解前及びその後に重量を測ることによって測定したが、その際溶解はアルミニウム合金では硝酸を用い、鋼鉄及び亜鉛を多く含んだ表面では重クロム酸アンモニウム溶液を用いて行った。種々の燐酸塩処理溶液は全て同じにかつ同じく良好に作用したが、その際燐酸塩結晶の結晶形及び結晶の大きさは著しく異なっていた。常に良好又は非常に良好な燐酸塩層が得られた。
【0104】
第3表:被覆及び各々5日間にわたる活性化及び燐酸塩処理の際の燐酸塩処理溶液の使用下における被覆に対する試験結果
【表9】

【0105】
【表10】

【0106】
【表11】

【0107】
【表12】

【0108】
【表13】

【0109】
【表14】

【0110】
【表15】

【0111】
腐蝕試験及び塗膜密着試験で値が小さければそれだけ、結果は良好である。これらの試験で、公知技術による活性の代わりに本発明による活性を使用した場合に、腐蝕結果及び塗膜密着結果が部分的にさほど良くはないがが、どの場合でも決して悪くはならなかったことが示された。
【0112】
燐酸亜鉛結晶の大きさは、本発明による実施例では比較例より部分的に若干小さいか又はむしろ著しく小さかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属表面の燐酸塩処理法であって、金属表面を燐酸塩処理前に燐酸塩及びチタンをベースとする水性コロイド状活性化剤で処理する前記方法において、活性化剤が少なくとも1個の有機基を有する少なくとも1種の水溶性珪素化合物を含有することを特徴とする、金属表面の燐酸塩処理法。
【請求項2】
水性コロイド状活性化剤を水性コロイド状活性化剤(前駆物質A)から粉末状活性化剤(前駆物質B)を経て製造し、その後金属表面に塗布する前に水に溶解させ、分散させる(活性化剤C)か又は水性コロイド状活性化剤(前駆物質A)から水性コロイド状活性化剤(前駆物質D)を経て製造し、その後金属表面に塗布する前に水に希釈する(活性化剤E)ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
水性コロイド状活性化剤を金属表面に塗布する前に粉末状活性化剤(前駆物質F)から水に溶解させ、分散させる(活性化剤G)ことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1種の物質、例えば各々少なくとも1種の殺生剤、界面活性剤、安定化剤又は/及びpH値調節用添加剤を特に溶解及び分散又は希釈の際に添加することを特徴とする、請求項2又は3に記載の方法。
【請求項5】
活性化剤が、少なくとも1種の加水分解された又は/及び縮合されたシラン/シラノール/シロキサン/ポリシロキサンを含有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
水性活性化剤中の少なくとも1個の有機基を有する水溶性珪素化合物の全含量が、各々シランとして又は/及び相応する主として存在する珪素含有出発化合物として計算して、0.0001〜50g/Lの範囲であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
水性コロイド状活性化剤が、燐酸チタン、オルトホスフェート、アルカリ金属並びに場合により少なくとも1種の安定化剤又は/及び少なくとも1種のその他の添加剤を含有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
水性活性化剤のチタンの含量が0.0001〜10g/Lの範囲であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
水性活性化剤の燐酸塩の含量がPOとして計算して0.005〜300g/Lの範囲であることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
水性コロイド状活性化剤中の燐酸塩が、燐酸チタン、燐酸チタニル、燐酸二ナトリウム又は/及び燐酸二カリウムの形で存在することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
水性活性化剤のコバルト、銅又は/及びニッケルの全含量が0.00001〜0.1g/Lの範囲であることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
活性化剤が各々少なくとも1種のアニオン変性多糖類、水溶性有機コポリマー、カルボン酸、ホスホン酸、ジホスホン酸、トリホスホン酸、ポリホスホン酸、高分子電解質又は/及びその誘導体を含有することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
活性化剤が洗浄剤混合物、少なくとも1種の界面活性剤又は/及び少なくとも1種のハイドロトロープをも含有することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
活性化剤が各々少なくとも1種の殺生剤、湿潤剤、軟化剤、錯化剤、金属イオン封鎖剤又は/及びマーカーの含量をも含有することを特徴とする、請求項1から13までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
活性化剤がコロイド溶液又はコロイド分散液又は粉末状活性化剤であり、その際後者を被覆法で使用するため溶解させ、分散させることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
活性化剤を10〜80℃の範囲の温度で金属表面に塗布することを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
活性化剤を流し塗布、流し法、吹付け、浸漬又は/及びロール塗布及び場合により絞り出しによって金属表面に塗布することを特徴とする、請求項1から16までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
金属表面を活性化前に清浄にし、脱脂し又は/及び腐蝕し又は/及び活性化後かつ燐酸塩処理前に水で洗浄することを特徴とする、請求項1から17までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
金属表面を活性化後に燐酸塩処理し、後洗浄し又は/及び少なくとも1種の有機被覆を施すことを特徴とする、請求項1から18までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
燐酸塩処理前に金属表面を処理するための燐酸チタン及び少なくとも1種のその他のチタンを含有しない燐酸塩をベースとする水性コロイド状活性化剤において、該活性化剤が少なくとも1個の有機基を有する少なくとも1種の水溶性珪素化合物を含有することを特徴とする水性コロイド状活性化剤。
【請求項21】
水性コロイド状活性化剤A(これは本質的に成分の混合、混練又は/及び造粒により製造した)又は水性コロイド状活性化剤C(これは水性コロイド状活性化剤Aから粉末状活性化剤Bを経て製造し、その際粉末状活性化剤Bを次いで塗布するために水に溶解させ、分散させた)又は水性コロイド状活性化剤E(これは水性コロイド状活性化剤Aから水性コロイド状活性化剤Dを経て製造したが、その際水性活性化剤Eは水で希釈することによって製造した)又は水性コロイド状活性化剤G(これは粉末状活性化剤Fから製造したが、その際粉末状活性化剤Fは本質的に成分の混合、混練又は/及び造粒によって製造し、その際水性コロイド状活性化剤Gはここから水に溶解させ、分散させることによって製造した)であって、その際用語"コロイド状"は燐酸チタン−コロイドだけに適用され、その際コロイド状活性化剤は燐酸チタン及び少なくとも1種のその他のチタンを含有しない燐酸塩を含有し、燐酸塩処理前に金属表面の処理の処理浴用の濃度で使用され、その際コロイド状活性化剤は少なくとも1個の有機基を有する少なくとも1種の水溶性珪素化合物をも含有するものである、前記水性コロイド状活性化剤。
【請求項22】
請求項1から19までのいずれか1項に記載の組成を有することを特徴とする、請求項20又は21に記載の活性化剤。
【請求項23】
請求項20から22までのいずれか1項に記載の活性化剤を洗浄剤中において用いる使用。
【請求項24】
請求項1から19までのいずれか1項に記載の方法により被覆した支持体を、ワイヤ、編み込みワイヤ、ベルト、金属板、異形材、ライニング、乗物又は飛行物体の部品、家庭用器具用部材、建築部材、フレーム、ガードレール、ヒーター又は柵部材、複雑な形状の成形品又は小部品として用いる使用。

【公表番号】特表2012−511631(P2012−511631A)
【公表日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−540064(P2011−540064)
【出願日】平成21年12月9日(2009.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2009/066680
【国際公開番号】WO2010/066765
【国際公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【出願人】(500399116)ヒェメタル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (32)
【氏名又は名称原語表記】Chemetall GmbH
【住所又は居所原語表記】Trakehner Str. 3, D−60487 Frankfurt am Main,Germany
【Fターム(参考)】