説明

物品収納装置

【課題】板状物品が収納又は取出し容易な物品収納装置を提供する。
【解決手段】物品収納装置10は、複数の略矩形の板状物品を縦置きに配列して収納する。物品収納装置10は、水平方向に並設配置する複数組のL字状の搖動アーム2・2と、搖動アーム2を揺動可能に支持するフレーム1を備える。搖動アーム2は、水平方向に延びて先端部に第1支持部を有する水平アームと、水平アームの基端部から略直角に上方に延びて先端部に第2支持部を有する立設アームと、を備える。板状物品の荷重を利用して、板状物品の底辺を一対の水平アームの先端部で受けると、当該先端部が下降して、一対の立設アームの先端部が互いに近接して、板状物品の両側面を支持できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品収納装置に関する。特に、多数の板状物品を縦置きに収納する物品収納装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車の生産工場では、プレス工程で製造されたルーフ、フードなどの板状物品を車輪付きのラックに収納して溶接工程に搬送している。ところで、上述したような板状物品をラックに多段に横置きに収納すると、収納高さが変化するので、板状物品の収納や取出しの作業性が低下する。板状物品をラックに多列に縦置きに収納すれば、収納高さが変化することなく、板状物品の収納や取出しの作業性を向上できる。又、車体の溶接工程において、ルーフなどをロボットで自動的に連続してピックアップするためには、ルーフなどを縦置きに収納しつつ、多数のルーフなどを収納する必要がある。
【0003】
ここで、本願の出願人は、板状物品の収納効率の向上を図ることができると共に、収納作業の作業効率の向上を図ることができるL形の板状の物品収納装置として、先に特許文献1を出願している。
【0004】
特許文献1による物品収納装置は、一対の側面視略L字形の物品の一方を上下に反転させ、巴状に近接させ、上位に位置する上位物品及び下位に位置する下位物品で側面視略矩形の状態で収納している。
【0005】
特許文献1によるL形物品収納装置は、下位物品を少なくとも下仕切りバーを介してラックの下部に下位物品の側部をラックの背側にして収納している。そして、下位物品の凹コーナ部を収納取出し方向にスイング自在に設けた下位保持部材で支持すると共に、上位物品の側部をラックの前面側にして上仕切りバーで支持し、かつ下位保持部材と同じ方向にスイング自在に設けた支承部材を介して上位物品をラックの上部に収納している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−341812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1による物品収納装置は、固定式アームを回避しながら、板状物品を収納するため、板状物品と固定式アームが接触して板状物品を損傷するという問題がある。したがって、板状物品が損傷しないように、かつロボットにより自動的及び連続的に収納又は取出し容易な物品収納装置が必要とされている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0008】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、板状物品が損傷しないように、かつ収納又は取出し容易な物品収納装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは、上記目的を達成するため、板状物品の荷重を利用して、一対のL字状の搖動アームの一端部を下降させると共に、これらの搖動アームの他端部を互いに近接させて、板状物品の両翼を支持することにより、上記の課題が解決可能なことを見出し、これに基づいて、以下のような新たな物品収納装置を発明するに至った。
【0010】
(1) 物品を収納する物品収納装置であって、搖動アームと、この搖動アームを揺動可能に支持するフレームと、を備え、前記搖動アームは、第1支持部と、第2支持部と、を備え、前記物品が前記第1支持部に載置されると、当該物品の荷重により被支持部を支点として回動し、前記第2支持部が当該物品の側面に当接して、当該物品を挟持する物品収納装置。
【0011】
搖動アームは、水平アームを設けてよく、水平アームは、シーソーのように、支点部の両端を互いに上下できる。一対の水平アームの先端部は、板状物品の底辺の両翼を受けるように離間してよく、板状物品の荷重で一対の水平アームの先端部を下降できる。したがって、一対の立設アームの先端部同士は、互いに閉じるように近接してよく、板状物品の両側面を当接可能に支持することができる。
【0012】
(1)の発明による物品収納装置は、板状物品の荷重を利用して、一対のL字状の搖動アームの一端部を下降させると共に、これらの搖動アームの他端部を互いに近接させて、板状物品の両翼を支持できる。
【0013】
(1)の発明による物品収納装置は、ロボットなどで吊り下げられた板状物品を一対の対向する搖動アームの間に下降すると、一対の対向する搖動アームのリンク構成により、板状物品の略四隅を支持するので、板状物品が容易に移動しないように収納できる。一方、板状物品をロボットなどで吊り上げると、一対の対向する搖動アームがそれらの荷重で開いて、板状物品を取り出すことができる。
【0014】
(1)の発明による物品収納装置は、板状物品を一対の対向する搖動アームの間に多列に縦置きに収納しているので、板状物品を損傷することなく、板状物品の収納や取出しの作業性を向上できる。又、(1)の発明による物品収納装置は、従来のように板状物品の飛び出しを防止する支承部材を開閉する必要がないので、板状物品の収納や取出しが容易であるという利点がある。
【0015】
(2) 前記第1支持部及び前記第2支持部は、緩衝部材で構成される(1)記載の物品収納装置。
【0016】
緩衝部材は、例えば、ゴム体が好ましく、硬質の合成樹脂であってもよく、板状物品の四隅を損傷することなく支持できる。
【0017】
(3) 前記第1支持部及び前記第2支持部は、前記物品の板厚面に当接するV字状に開角するV字溝を有する(1)又は(2)記載の物品収納装置。
【0018】
V字溝は、板状物品の板厚より十分に大きく開角することが好ましく、板状物品の板厚がV字溝の底部に向かうように作用する。
【0019】
(4) 前記フレームは、床面に転動自在な複数の車輪を備える(1)から(3)のいずれかに記載の物品収納装置。
【0020】
例えば、フレームは、その四隅にアジャスタ付きのレベルフットを設けてよく、これらのレベルフットの高さを調整して、底部フレームを床面と略平行に設置できる。又、レベルフットの高さを調整して、複数の車輪が床面に転動するようにしてもよい。なお、床面とは、平坦な地面の意味も含んでいる。
【0021】
(4)の発明による物品収納装置は、フレームが床面に転動自在な複数の車輪を備えているので、牽引車に連結してフレームを移動することができる。又、(4)の発明による物品収納装置は、複数のフレームを連結して移動することもできる。更に、(4)の発明による物品収納装置は、フレームを手押しで移動することもできる。
【0022】
(5) 前記フレームの内部に列方向に伸長して、複数の一対の立設アームが前記物品の両側面を支持する状態を維持する一対のストップバーを更に備える(1)から(4)のいずれかに記載の物品収納装置。
【0023】
(5)の発明による物品収納装置は、一対の立設アームの先端部同士が互いに閉じるように近接した状態を維持でき、例えば、本発明による物品収納装置は、移動中の板状物品の脱落を防止できる。
【0024】
(6) 一組の前記搖動アームは、水平アームの先端部が対向するように配置され、前記水平アームと立設アームとの連結部分を被支持部として、複数組の前記搖動アームの配列方向を回動軸として支持される(1)から(5)のいずれかに記載の物品収納装置。
【発明の効果】
【0025】
本発明による物品収納装置は、板状物品の荷重を利用して、一対のL字状の搖動アームの一端部を下降させると共に、これらの搖動アームの他端部を互いに近接させて、板状物品の両翼を支持できる。ロボットなどで吊り下げられた板状物品を一対の対向する搖動アームの間に下降すると、一対の対向する搖動アームのリンク構成により、板状物品の略四隅を支持するので、板状物品が容易に移動しない。
【0026】
本発明による物品収納装置は、板状物品を一対の対向する搖動アームの間に多列に縦置きに収納しているので、板状物品を損傷することなく、板状物品の収納や取出しの作業性を向上できる。又、本発明による物品収納装置は、従来のように板状物品の飛び出しを防止する支承部材を開閉する必要がないので、板状物品の収納や取出しが容易であるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態による物品収納装置の外観を示す斜視図である。
【図2】前記実施形態による物品収納装置に備わる一対の搖動アームの構成を示す斜視図であり、一対の搖動アームが開いた状態図である。
【図3】前記実施形態による物品収納装置に備わる一対の搖動アームの正面図であり、一対の搖動アームが閉じた状態図である。
【図4】前記実施形態による物品収納装置に備わる搖動アームの一部を拡大した斜視図である。
【図5】前記実施形態による物品収納装置に備わる第1ストップバーの構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0029】
最初に、本発明の実施形態による物品収納装置の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態による物品収納装置の外観を示す斜視図である。
【0030】
[フレームの構成]
図1を参照すると、本発明の実施形態による物品収納装置10は、骨組みとなる複数の部材を結合して組み立てられたフレーム1を備えている。フレーム1は、内部が開口されて矩形に枠組みした底部フレーム11を備えている。
【0031】
図1を参照すると、底部フレーム11は、列方向に略平行に延びる一対の列架11a・11bを有している。又、底部フレーム11は、行方向に略平行に延びる一対の行架11c・11dを有している。そして、底部フレーム11は、内部が開口するように、一対の列架11a・11b及び一対の行架11c・11dで枠組みされている。
【0032】
図1を参照すると、フレーム1は、一対一組の立設架12aを有している。これらの立設架12aは、底部フレーム11の四隅から略平行に起立している。又、これらの立設架12aの下部は、底部フレーム11の隅部を構成している。
【0033】
図1を参照すると、行方向に対向する一対の立設架12a・12aの中間には、一対の立設架12b・12bを設けている。一方の立設架12bは、行架11cから起立している。他方の立設架12bは、行架11dから起立している。一対の立設架12b・12bは、列方向に対向している。又、一対の立設架12b・12bは、一対一組の立設架12aと略平行に上方に延びている。
【0034】
図1を参照すると、連結架12cは、列方向に対向する一対の立設架12a・12aを結合している。一方の連結架12cは、列架11aと略平行に配置されている。他方の連結架12cは、列架11bと略平行に配置されている。一対の連結架12c・12cは、底部フレーム11から略同じ高さに配置されている。
【0035】
図1を参照すると、連結架12dは、列方向に対向する一対の立設架12b・12bの上端部を結合している。連結架12dは、一対の連結架12c・12cと略平行に配置されている。又、連結架12dは、一対の連結架12c・12cと略同じ高さに配置されている。
【0036】
図1を参照すると、底部フレーム11は、複数の角パイプを溶接により相互に結合してよく、内部が開口されて矩形に枠組みしている。一対一組の立設架12aは、角パイプからなることが好ましく、底部フレーム11の四隅から略平行に起立している。列方向に並ぶ一組の立設架12a・12bを連結架12c・12dで結合しており、フレーム1の構造を強化できる。
【0037】
図1を参照すると、一組の対向する搖動アーム2・2は、2列に並設配置されており、板状物品Wbの収納数を増加できる(図2参照)。一対の立設架12a・12aの中間に立設架12bを設けて、立設架を6本で構成している。フレーム1は、上部が開口しており、板状物品Wbをフレーム1の上部から収納、又は取り出すことができる(図2参照)。なお、並設配置とは、近接させて一列に揃え、並べて配置することを意味している。
【0038】
図1を参照すると、フレーム1は、一対一組の立設架12a及び一対の立設架12b・12bは、上方に延びている。又、連結架12cと連結架12dで囲われた空間は、上部が開口されている。そして、フレーム1の上方から板状物品Wbを供給できる(図2参照)。
【0039】
図1を参照すると、底部フレーム11は、床面に転動自在な四つの車輪13を備えている。又、底部フレーム11は、その四隅にアジャスタ付きのレベルフット14を設けている。これらのレベルフット14の高さを調整して、底部フレーム11を床面と略平行に設置できる。これらのレベルフット14の高さを調整して、四つの車輪13が床面と転動するようできる。
【0040】
[搖動アームの構成]
次に、物品収納装置10に備わる搖動アーム2の構成を説明する。図2は、実施形態による物品収納装置に備わる一対の搖動アームの構成を示す斜視図であり、一対の搖動アームが開いた状態図である。図3は、実施形態による物品収納装置に備わる一対の搖動アームの正面図であり、一対の搖動アームが閉じた状態図である。図4は、実施形態による物品収納装置に備わる搖動アームの一部を拡大した斜視図である。
【0041】
図1を参照すると、物品収納装置10は、複数の一対の対向するL字状の搖動アーム2・2を備えている。一対の対向する搖動アーム2・2は、一対一組の立設架12a・12b及び12a・12bの内部に列方向に並設配置している。一対の対向する搖動アーム2・2は、2列に並設配置している。
【0042】
図2又は図3を参照すると、搖動アーム2は、水平アーム21と立設アーム22を有している。水平アーム21は、底部フレーム11と略平行に配置している。立設アーム22は、水平アーム21の基端部から略直角に屈折されて、上方に延びている。
【0043】
図2又は図3を参照すると、水平アーム21は、支点部210と第1支持部211を有している。支点部210は、水平アーム21の中間部に設けられており、底部フレーム11と回動自在に連結している。第1支持部211は、水平アーム21の先端部に設けられており、板状物品Wbの底辺Lbの片翼を受けて上下動可能となっている。
【0044】
図1を参照すると、一方の一対の立設架12a・12bの内部には、一対の軸棒11e・11eが配置されている。同様に、他方の一対の立設架12a・12bの内部には、一対の軸棒11e・11eが配置されている。これらの軸棒11eの両端部は、一対の行架11c・11dの上面に固定されている。そして、水平アーム21は、軸棒11eと回動自在に連結している。したがって、列方向に並ぶ搖動アーム2は、互いに独立して揺動できる。
【0045】
又、図2又は図3を参照すると、立設アーム22は、第2支持部222を有している。第2支持部222は、立設アーム22の先端部に設けられており、水平アーム21の運動に連動して、板状物品Wbの上辺Ubの近傍の片側面を当接可能に支持できる。
【0046】
図2から図4を参照すると、第1支持部211及び第2支持部222は、緩衝部材23を備えている。緩衝部材23は、V字状に開角するV字溝231を有している。そして、V字溝231の底部は、板状物品Wbの板厚面に当接するように配置されている。
【0047】
図4を参照すると、立設アーム22は、第2支持部222を昇降自在に保持している。立設アーム22は、C形チャンネル材からなり、このC形チャンネル材の凹部に帯板22aがスライド自在に嵌合している。
【0048】
図4を参照すると、帯板22aは、複数の取り付け穴22hを設けている。帯板22aは、一組のビス22bを用いて、立設アーム22の先端部に固定できる。そして、取り付け穴22hの位置を変えることにより、任意の高さに緩衝部材23を昇降できる。
【0049】
[第1ストップバーの構成]
次に、物品収納装置10に備わる第1ストップバーの構成を説明する。図5は、実施形態による物品収納装置に備わる第1ストップバーの構成を示す斜視図である。
【0050】
なお、図1を参照すると、第1ストップバー3は、フレーム1の中心に対して、線対称に一対に配置している。図5では、一方の第1ストップバー3の構成を示しているが、他方の第1ストップバー3の構成も同様であるので、以下において、説明を割愛する場合がある。
【0051】
図1又は図5を参照すると、物品収納装置10は、一対の立設架12a・12bの内部に列方向に伸長する棒状の第1ストップバー31を備えている。第1ストップバー31の両端には、一対の揺動バー32・32を設けている。
【0052】
図5を参照すると、一方の揺動バー32の中間部は、ブラケット33と回動自在に連結している。他方の揺動バー32の中間部は、ブラケット33と回動自在に連結している。一対のブラケット33・33の基端部は、一対の行架11c・11dの上面にそれぞれ固定されている(図1参照)。
【0053】
図5において、一対の揺動バー32・32の先端を上方に持ち上げると、第1ストップバー31は、複数の水平アーム21の一方の先端部を底部フレーム11に向かって一斉に下降できる(図1参照)。
【0054】
[第2ストップバーの構成]
次に、物品収納装置10に備わる第2ストップバーの構成を説明する。図1又は図3を参照すると、物品収納装置10は、一対の立設架12a・12aの内部に列方向に伸長する一対の第2ストップバー41を備えている。又、物品収納装置10は、一対の立設架12b・12bの内部に列方向に伸長する一対の第2ストップバー42を備えている。
【0055】
図1を参照すると、第2ストップバー42は、長尺の丸パイプからなる押え棒42aと、基端部が押え棒42aに結合して、一方の方向に延出する一対の支持アーム42b・42bと、を有している。そして、一対の支持アーム42b・42bの先端部は、立設架12bの先端部に配置されたプレート42pと回転可能に結合している。
【0056】
図3を参照すると、第2ストップバー41を一方の方向に傾倒すると、一方の立設アーム22の先端部に当接して、板状物品Wbの上辺Ubの近傍の両側面を支持する状態を維持できる。又、第2ストップバー42を他方の方向に傾倒すると、他方の立設アーム22の先端部に当接して、板状物品Wbの上辺Ubの近傍の両側面を支持する状態を維持できる。
【0057】
最初に、本発明の実施形態による物品収納装置10の作用を説明する。
【0058】
図1又は図3を参照すると、フレーム1は、上部が開口しており、板状物品Wbをフレーム1の上部から収納、又は取り出すことができる。一対の対向する搖動アーム2・2は、フレーム1の内部に2列に並設配置しており、板状物品Wbの収納数を増加できる。
【0059】
図2又は図3を参照すると、水平アーム21は、シーソーのように、支点部210の両端を互いに上下できる。一対の水平アーム21・21の先端部は、板状物品Wbの底辺Lbの両翼を受けるように離間しており、板状物品Wbの荷重で一対の水平アーム21・21の先端部を下降できる。したがって、一対の立設アーム22・22の先端部同士は、互いに閉じるように近接してよく、板状物品Wbの上辺Ubの近傍の両側面を当接可能に支持できる。
【0060】
図2又は図3を参照すると、本発明の実施形態による物品収納装置10は、板状物品Wbの荷重を利用して、一対のL字状の搖動アーム2・2の一端部を下降させると共に、これらの搖動アーム2・2の他端部を互いに近接させて、板状物品Wbの両翼を支持することができる。
【0061】
図2又は図3を参照すると、本発明の実施形態による物品収納装置10は、ロボット(図示せず)などで吊り下げられた板状物品Wbを一対の対向する搖動アーム2・2の間に下降すると、一対の対向する搖動アーム2・2のリンク構成により、板状物品Wbの略四隅を支持するので、板状物品Wbが容易に移動しないように収納できる。
【0062】
一方、図2又は図3を参照すると、本発明の実施形態による物品収納装置10は、板状物品Wbをロボット(図示せず)などで吊り上げると、一対の対向する搖動アーム2・2がそれらの荷重で開いて、板状物品Wbをフレーム1から取り出すことができる。
【0063】
本発明の実施形態による物品収納装置10は、板状物品Wbを一対の対向する搖動アーム2・2の間に多列に縦置きに収納しているので、板状物品Wbを損傷することなく、板状物品Wbの収納や取出しの作業性を向上できる。又、本発明の実施形態による物品収納装置10は、支承部材を開閉する必要がないので、板状物品Wbの収納や取出しが容易であるという利点がある。
【0064】
又、図2から図4を参照すると、本発明の実施形態による物品収納装置10は、一対の対向する搖動アーム2・2が板状物品Wbの略四隅を支持する緩衝部材23を備えているので、板状物品Wbを損傷なく支持できる。又、これらの緩衝部材23は、V字状に開角するV字溝231を有し、V字溝231の底部が板状物品Wbの板厚面に当接するので、板状物品Wbの板厚がV字溝231の底部に向かうように作用する。
【0065】
図1を参照すると、本発明の実施形態による物品収納装置10は、床面に転動自在な複数の車輪13を備えているので、牽引車(図示せず)に連結して、例えば、プレス工程から溶接工程に移動することができる。又、物品収納装置10は、複数台を連結して移動することもできる。更に、物品収納装置10は、作業者が手押しで移動することもできる。
【0066】
図1又は図5を参照すると、本発明の実施形態による物品収納装置10は、複数の水平アーム21の一方の先端部を底部フレーム11に向かって一斉に下降可能な第1ストップバー3を更に備えるので、水平アーム21の一方の先端部が傾斜した状態を維持することができる。
【0067】
図1又は図3を参照すると、本発明の実施形態による物品収納装置10は、複数の一対の立設アーム22・22が板状物品Wbの上辺Ubの近傍の両側面を支持する状態を維持する一対の第2ストップバー41・42を備えるので、一対の立設アーム22・22の先端部同士が互いに閉じるように近接した状態を維持でき、例えば、物品収納装置10は、移動中の板状物品Wbの脱落を防止できる。
【符号の説明】
【0068】
1 フレーム
2・2 一組の搖動アーム
10 物品収納装置
21 水平アーム
22 立設アーム
210 支点部
211 第1支持部
222 第2支持部
Wb 板状物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する物品収納装置であって、
搖動アームと、
この搖動アームを揺動可能に支持するフレームと、を備え、
前記搖動アームは、第1支持部と、第2支持部と、を備え、
前記物品が前記第1支持部に載置されると、当該物品の荷重により被支持部を支点として回動し、前記第2支持部が当該物品の側面に当接して、当該物品を挟持する物品収納装置。
【請求項2】
前記第1支持部及び前記第2支持部は、緩衝部材で構成される請求項1記載の物品収納装置。
【請求項3】
前記第1支持部及び前記第2支持部は、前記物品の板厚面に当接するV字状に開角するV字溝を有する請求項1又は2記載の物品収納装置。
【請求項4】
前記フレームは、床面に転動自在な複数の車輪を備える請求項1から3のいずれかに記載の物品収納装置。
【請求項5】
前記フレームの内部に列方向に伸長して、複数の一対の立設アームが前記物品の両側面を支持する状態を維持する一対のストップバーを更に備える請求項1から4のいずれかに記載の物品収納装置。
【請求項6】
一組の前記搖動アームは、水平アームの先端部が対向するように配置され、前記水平アームと立設アームとの連結部分を被支持部として、複数組の前記搖動アームの配列方向を回動軸として支持される請求項1から5のいずれかに記載の物品収納装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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