説明

物品払出機および物品払出システム

【課題】1円玉貸し用パチンコ機と4円玉貸し用パチンコ機とが混在して設置された場合においても、物品(景品)を払い出すまでの時間を短縮することができ、物品交換を行う際の時間の短縮を図ることができる物品払出機および物品払出システムを提供する。
【解決手段】景品払出機10は、景品収納部100と、景品払出情報を入力する入力手段と、景品払出情報に基づいて選択された景品収納部100に収納された景品を外部に払い出し可能な払出位置に移動する払出セット機構と、選択された景品収納部100から物品を払い出す景品払出手段と、景品収納部100に同一の種類の景品を収納する場合に対応して設定される第1の動作モードと、景品収納部100に異なる種類の景品を収納する場合に対応して設定される第2の動作モードに基づいて動作を制御する動作制御手段とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ機などの遊技機器が設置される遊技ホール等に設置され特殊景品等の物品(景品)を払い出す物品払出機および物品払出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年における低貸し玉営業の一般化に伴い、従来の営業形態である4円玉貸し用パチンコ機が設置されたフロアから、1円玉貸し用パチンコ機と4円玉貸し用パチンコ機とが混在して設置されたフロアへの営業施策転換が容易であることが要望されている。また、警察から、例えば4円玉貸し用、1円玉貸し用、20円メダル貸し用のそれぞれ別種の物品(景品)を遊技客に渡すよう指導があった。これにより、例えば、余分な設置スペースを有する遊技ホールでないと、1円玉貸し用景品を払い出すための景品払出機と、4円玉貸し用景品を払い出すための景品払出機を別個に設置することもできない。
【0003】
従来の景品払出機として、例えば、昇降台を上昇させ、その昇降台上に積層して載置された特殊景品の最上部と接触したことを接触スイッチが検知すると、昇降台を停止させ、最上部の特殊景品から順に一枚ずつ一旦スタッカ部(複数枚の特殊景品を一時貯留し、まとめて移動させる部分)に高速で排出し、その後、所定の特殊景品をそのスタッカ部よりまとめて外部に払い出す構成を備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2631450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の景品払出機では、3連のカセットにそれぞれ別種(例えば、4円玉貸し用、1円玉貸し用、20円メダル貸し用)の景品を詰めることで、1レーンにつき異なる貸出レートに対応する景品を払い出すことができる。しかしながら、貸出レートが異なる景品交換処理を続けて行う場合、景品を払い出し可能にセットするための景品カートリッジや昇降台等の移動動作を遊技客の景品交換毎に行う必要が生じ、実際に景品が払い出されるまでの時間が長くなるという問題が発生する。
【0006】
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、4円玉貸し用パチンコ機が設置されたフロアから、1円玉貸し用パチンコ機と4円玉貸し用パチンコ機とが混在して設置されたフロアへの営業施策転換を容易に行うことができ、1円玉貸し用パチンコ機と4円玉貸し用パチンコ機とが混在して設置された場合においても、物品(景品)を払い出すまでの時間を短縮することができ、物品交換を行う際の時間の短縮を図ることができる物品払出機および物品払出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、物品を収納する複数の物品収納部と、払い出すべき物品に関する物品払出情報を入力する入力手段と、前記物品払出情報に基づいて、前記複数の物品収納部の中から1つの物品収納部を選択し、選択された物品収納部に収納された物品を外部に払い出し可能な払出位置に移動する払出セット機構と、前記選択された物品収納部から前記物品払出情報に基づいて物品を払い出す物品払出手段と、前記払出セット機構が選択可能な複数の物品収納部に同一の種類の物品を収納する場合に対応して設定される第1の動作モード、および前記払出セット機構が選択可能な複数の物品収納部に異なる種類の物品を収納する場合に対応して設定される第2の動作モードを切り換え可能な動作モード切換手段と、前記第1の動作モードに設定された場合には、前記物品払出手段が1つの前記物品払出情報に基づいて払い出すべき物品を全て払い出した後、前記払出セット機構を前記払出位置から動作しないように制御し、前記第2の動作モードに設定された場合には、前記物品払出手段における物品の払い出し動作の完了後に、前記払出セット機構が移動される所定位置から、前記物品払出情報に基づいて選択された物品収納部における前記払出位置または前記所定位置よりも前記払出位置側の位置に前記払出セット機構を移動させるように制御する動作制御手段とを具備することを特徴とする物品払出機が提供される。
【0008】
この物品払出機によれば、複数の物品収納部に同一の種類の物品を収納する場合に対応して設定される第1の動作モードと、複数の物品収納部に異なる種類の物品を収納する場合に対応して設定される第2の動作モードを備えるので、双方の動作モードを切り替えながら動作させることができる。また、物品払出機の複数のレーンのうちの、いくつかのレーンを第1の動作モード、他のレーンを第2の動作モードとすることができる。
【0009】
また、第1の動作モードによれば、複数の物品収納部に同一の種類の物品を収納する場合、次に払い出す物品が決まっているため、払出位置から動作しない方が、次の払い出し動作を直に行うことができる。
【0010】
また、第2の動作モードによれば、複数の物品収納部に異なる種類の物品を収納する場合、入力された物品払出情報に基づいて選択された物品収納部を所定位置から、選択された物品収納部における払出位置または所定位置よりも払出位置側の位置に払出セット機構を移動することで、その物品を払い出し可能な払出位置に移動する時間を短縮することができる。そのため、物品交換を行う際の時間の短縮することができる。
【0011】
このように、第1の動作モードおよび第2の動作モードを備えることで、物品に対応して、物品を払い出し可能な払出位置に移動する時間を短縮することができる。
【0012】
また、物品収納部としては、例えば、ほぼ同一形状の換金用景品である特殊景品を積層して収納可能であり、かつ特殊景品を外部に取り出し可能なカートリッジなどが例示できる。さらに、物品収納部としては、例えば、物品払出機の筺体内で物品を収容し、少なくとも物品の下方を支持可能な支持部を備え、必要に応じて周囲が覆われた収容空間などが例示できる。
【0013】
また、物品払出機が払い出し可能な物品としては、例えば、4円玉貸し用に対応する換金用の特殊景品、1円玉貸し用に対応する換金用の特殊景品、20円メダル貸し用に対応する換金用の特殊景品などの特殊景品、煙草、商品の入ったカプセルまたは箱、貴金属で形成されたメダル、個々に形状の異なる人形などが挙げられる。物品は、物品払出機から物品収納部を一旦取り出してセットされてもよいし、物品払出機から物品収納部を取り出さずにセットされてもよい。
【0014】
また、入力手段としては、例えばスイッチ、タッチパネル、キーボード、電線、通信規格に合致する通信ケーブル(LAN、RS−232C、USB)等を介して入力する形態が例示できる。
【0015】
また、物品払出情報としては、例えば、スイッチ情報、ON信号、通信による物品種別情報および/または物品数量情報、物品収納部の特定が可能な情報などが挙げられる。
【0016】
また、本発明の一態様によれば、前記払出位置は、前記払出セット機構が前記物品収納部に収納された物品に当接する位置であることを特徴とする物品払出機が提供される。
【0017】
また、本発明の一態様によれば、前記払出位置は、前記物品収納部に収納された物品を外部に搬送するための搬送部に突設された物品を外部に押し出すための突起部が、払い出すべき物品に近接する位置であることを特徴とする物品払出機が提供される。
【0018】
なお、他の払出位置として、例えば、物品収納部を選択してカム機構を用いて払出可能にした位置などが挙げられる。
【0019】
さらに、本発明の一態様によれば、前記第2の動作モードに設定された場合、前記払出セット機構は、前記物品払出情報を受けて、前記所定位置から移動し、選択された前記物品収納部に収納された物品と当接し、当該物品を前記払出位置または前記所定位置より前記払出位置側の位置に移動することを特徴とする物品払出機が提供される。
【0020】
また、本発明の一態様によれば、前記払出セット機構は、前記物品収納部に収納された物品を収納する方向に移動することを特徴とする物品払出機が提供される。
【0021】
例えば、物品収納部に物品が上下方向(重力方向)に積層されている場合には、物品を移動する景品支持部などの払出セット機構を上下方向(重力方向)に移動させる。また、物品収納部に物品が水平方向に積層されている場合には、物品を移動する景品支持部などの払出セット機構を水平方向に移動させる。
【0022】
また、本発明の一態様によれば、前記第2の動作モードに設定された場合、前記払出セット機構は、各払い出し動作の完了毎に、前記払出位置から前記物品収納部の内部を通って前記物品収納部の外部に移動し、前記所定位置に移動することを特徴とする物品払出機が提供される。
【0023】
これらの物品払出機によれば、払出セット機構を移動することで、次の払出動作における、物品を払い出し可能な払出位置に移動する時間を短縮することができる。そのため、物品交換を行う際の時間の短縮することができる。
【0024】
さらに、本発明の一態様によれば、物品が前記物品収納部に内在された状態、または前記物品収納部から取り出された後の状態において、搬送すべき物品と当接して物品を搬送する搬送部をさらに備え、前記第2の動作モードに設定された場合、前記払出セット機構は、前記入力手段が入力した前記物品払出情報に基づいて選択された物品収納部を、前記所定位置から、前記払出位置または前記所定位置よりも前記払出位置側の位置に移動することを特徴とする物品払出機が提供される。
【0025】
また、本発明の一態様によれば、物品が前記物品収納部に内在された状態、または前記物品収納部から取り出された後の状態において、搬送すべき物品と当接して物品を搬送する搬送部をさらに備え、前記第2の動作モードに設定された場合、前記払出セット機構は、前記入力手段が入力した前記物品払出情報に基づいて、前記複数の物品収納部の中から1つの物品収納部を選択し、前記搬送部を前記所定位置から、前記払出位置または前記所定位置よりも前記払出位置側の位置に移動することを特徴とする物品払出機が提供される。
【0026】
これらの物品払出機において、第2の動作モードに設定された場合、物品収納部や搬送部を、所定位置から、所定位置よりも払出位置側の位置に移動することが好適な場合として、例えば、払い出す物品は特定できたものの、例えば、すべてその物品と交換するか否かが不明な場合などが挙げられる。すなわち、物品収納部や搬送部を、上記した位置に位置させることで、その後の物品払出情報で、すべてその物品と交換すると判定した場合であっても、その物品を払い出し可能な払出位置に移動する時間を短縮することができる。
【0027】
また、本発明の一態様によれば、前記第2の動作モードに設定された場合において、払い出す頻度の高い物品を特定する払出頻度特定手段を備え、前記所定位置は、前記払出頻度特定手段により特定された払い出す頻度の高い物品が収納された物品収納部とは異なる物品収納部よりも、前記払出頻度特定手段により特定された物品収納部に近い位置であることを特徴とする物品払出機が提供される。
【0028】
また、本発明の一態様によれば、前記払出頻度特定手段により特定された物品収納部に近い位置が、前記払出セット機構が前記払出頻度特定手段により特定された物品収納部に収納された物品に当接する位置であることを特徴とする物品払出機が提供される。
【0029】
さらに、本発明の一態様によれば、前記所定位置は、前記払出セット機構が移動可能な範囲の中間位置を中心として、移動方向の一方の方向および他方の方向に一定範囲を含んで構成される移動領域内のいずれかの位置であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の物品払出機が提供される。
【0030】
これらの物品払出機によれば、上記したように所定位置を設定することで、物品を払い出し可能な払出位置に移動する時間を短縮することができる。そのため、物品交換を行う際の時間の短縮することができる。
【0031】
また、本発明の一態様によれば、物品払出機と、前記物品払出機と交信可能に接続された物品管理装置とを備える物品払出システムであって、前記物品払出機が、上記したいずれかの物品払出機で構成され、前記物品管理装置が、物品と交換すべく遊技媒体数に対応する遊技媒体数情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された遊技媒体数情報に基づいて、交換すべき物品の種別および/または個数を特定可能な物品払出情報を算出し、算出した物品払出情報を前記物品払出機の入力手段に出力する出力手段とを備えることを特徴とする物品払出システムが提供される。
【0032】
また、本発明の一態様によれば、物品払出機と、物品管理装置と、遊技媒体数管理装置とを備え、それぞれが交信可能に接続された物品払出システムであって、前記物品払出機が、上記したいずれかの物品払出機で構成され、前記遊技媒体数管理装置が、少なくとも、遊技媒体数を特定するための遊技媒体数特定情報に基づいて遊技媒体数を管理する遊技媒体数管理手段を備え、前記物品管理装置が、物品と交換すべく遊技媒体数を特定するための遊技媒体数特定情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された遊技媒体数特定情報に基づいて、前記遊技媒体数管理装置から物品と交換可能な遊技媒体数に関する情報を入力し、当該入力された遊技媒体数に基づいて、交換すべき物品の種別および/または個数を特定可能な物品払出情報を算出し、算出した物品払出情報を前記物品払出機の入力手段に出力する出力手段とを備えることを特徴とする物品払出システムが提供される。
【0033】
これらの物品払出システムによれば、上記した物品払出機の作用効果を得ることができる。さらに、物品払出機に物品管理装置を併設しシステム化することで、物品の払い出しを物品管理装置からの情報に基づいて、一貫して自動的に行うことができる。また、物品払出システムに管理装置を備えることで、管理装置における情報の管理を一貫して自動的に行うことができる。
【0034】
なお、物品払出情報は、例えば、遊技客が持参したレシートや会員カードから情報を読み出し、読み出した物品払出情報に基づいて払い出す物品の種類を特定可能な種類特定情報(物品払出情報)を最初に物品管理装置から物品払出装置に出力し、次いで遊技客が交換すべき物品を選定後に、払い出すべき物品の数量を特定可能な数量特定情報(物品払出情報)を物品管理装置から物品払出装置に出力するために用いられる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の物品払出機および物品払出システムによれば、物品(景品)を払い出すまでの時間を短縮することができ、物品交換を行う際の時間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の一実施形態における景品払出機の正面から(遊技客側から)の斜視図である。
【図2】背面扉が閉じられた状態の景品払出機の背面から(カートリッジ挿入側から)の斜視図である。
【図3】背面扉が開かれた状態の景品払出機の背面から(カートリッジ挿入側から)の斜視図である。
【図4】景品カートリッジの斜視図である。
【図5】景品カートリッジの一方の側面の一部を示す斜視図である。
【図6】景品カートリッジを景品カートリッジ挿入口に挿入する様子を示す斜視図である。
【図7】景品払出機の一部の内部の構成の一例を示した斜視図である。
【図8】景品カートリッジがカートリッジ設置板に載置された状態を示す平面図である。
【図9】リフト機構の構成の一例を示す側面図である。
【図10】上部ユニットおよび景品払出ユニットの側面図である。
【図11】上部ユニットにおいて特殊景品が当接する当接部を特殊景品が当接する方向(景品カートリッジ側から上方をみた方向)からみたときの平面図である。
【図12】特殊景品が当接する当接部の側面からの平面図である。
【図13】リフト機構の構成を1つのレーンに2つ備えた場合における上部ユニットおよび景品払出ユニットの断面を示す図である。
【図14】支持部材が払出位置から景品収納部の外部に移動される様子を示す斜視図である。
【図15】景品払出機における支持部材の初期位置について説明するための図である。
【図16】景品カートリッジの各景品収納部に収納された特殊景品の種類(特殊景品W1、W2、W3)および配置と、各景品収納部に収納された特殊景品W1、W2、W3の払出率との関係を示す図である。
【図17】景品収納部に収納された特殊景品を景品支持部で支持し、上部に移動する状態を示す側面図である。
【図18】上部ユニットの動作を示す側面図である。
【図19】上部ユニットの動作を示す側面図である。
【図20】上部ユニットの動作を示す側面図である。
【図21】景品払出ユニットの動作を示す側面図である。
【図22】景品払出ユニットの動作を示す側面図である。
【図23】本発明の一実施の形態の他の一例の景品払出機の正面から(遊技客側から)の斜視図である。
【図24】景品払出機の内部構成を示す斜視図である。
【図25】景品カートリッジの斜視図である。
【図26】景品カートリッジの内部構成を示した斜視図である。
【図27】1つの景品払出口に対する景品払出機の断面を示した図である。
【図28】景品カートリッジ移動手段の一例を示す図である。
【図29】景品カートリッジから特殊景品Wを取り出すための他の構成の一例を示す図である。
【図30】景品カートリッジ移動手段、無端ベルトなどの払出セット機構の初期位置を説明するための景品払出機の断面を示した図である。
【図31】本発明の一実施の形態の景品払出機を有する景品払出システムを備えた遊技データ収集システムの概要図である。
【図32】前述した景品払出機に配線を介して景品管理機(POS)が接続された景品払出システムの一例を示す図である。
【図33】景品管理機(POS)の構成部を示す図である。
【図34】景品管理機(POS)における動作の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の一実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態における景品払出機10の正面から(遊技客側から)の斜視図である。図2は、背面扉31が閉じられた状態の景品払出機10の背面から(カートリッジ挿入側から)の斜視図である。また、図3は、背面扉31が開かれた状態の景品払出機10の背面から(カートリッジ挿入側から)の斜視図である。
【0039】
図1に示すように、物品払出機として機能する景品払出機10の最上部には、景品払出ユニット34が設けられている。この景品払出ユニット34には、特殊景品Wを排出するための景品払出口35が、景品払出ユニット34の長手方向に6箇所設けられている。この景品払出口35は、特殊景品Wの排出時以外は、景品押出部36の押出面によって閉鎖されている。
【0040】
ここで、物品払出機として機能する景品払出機10が払い出し可能な物品としては、例えば、4円玉貸し用に対応する換金用の特殊景品、1円玉貸し用に対応する換金用の特殊景品、20円メダル貸し用に対応する換金用の特殊景品などの特殊景品、煙草、商品の入ったカプセルまたは箱、貴金属で形成されたメダル、個々に形状の異なる人形などが挙げられる。なお、以下では、物品として、特殊景品Wを使用した場合を例示する。また、他の物品を使用した場合においても、以下に示す特殊景品Wを使用した場合と同様の作用効果が得られる。
【0041】
景品払出口35から景品押出部36によって特殊景品Wが排出される排出天板37には、各景品払出口35に対応して、凹部が設けられ、その凹部に、例えばLEDランプなどで構成される払出口指示点灯部38が配置されている。そして、払出口指示点灯部38を配置した凹部は、排出天板37と凹凸なく平面になるように、例えば透明なアクリル板などで封鎖されている。そして、特殊景品Wが排出される景品払出口35に対応した払出口指示点灯部38が点灯し、遊技客に特殊景品Wが排出される景品払出口35を示している。
【0042】
ここで示した景品払出機10は、6箇所の景品払出口35が設けられているので、最大6種類の特殊景品Wを同時に排出することができる。また、景品払出機10に設けられる景品払出口35は、6箇所に限られるものではなく、例えば、払い出される特殊景品Wの種類によって、景品払出口35の数を増減してもよい。
【0043】
また、景品払出ユニット34の右上面には、払い出される特殊景品Wの種類および数量を表示するための表示部39が設置されている。この表示部39は、例えば液晶モニタなどで構成される。
【0044】
さらに、景品払出ユニット34の上面の両端には、スピーカ40が設けられ、例えば遊技客に対して「いらっしゃいませ」、「景品が出るまでしばらくお待ち下さい」などの音声情報が発せられる。
【0045】
また、景品払出機10には、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などから主に構成される主制御手段48が設けられている。また、後述する各景品搬送ユニット44には、各景品搬送ユニット44を制御するための、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)などから主に構成されるレーン制御手段50が設けられている。ここで、主制御手段48およびレーン制御手段50におけるCPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。また、各レーン制御手段50は、主制御手段48と通信可能に接続されており、例えば、主制御手段48からの情報に基づいて、各景品搬送ユニット44の動作などを制御する。また、レーン制御手段50を備えずに、主制御手段48がレーン制御手段50の機能を有するように構成してもよい。
【0046】
図2および図3に示すように、景品払出機10の背面側には、施錠機構31aを備えた背面扉31が設けられている。また、この背面扉31には、把持部31bが設置され、その把持部31bを握って背面扉31の開閉を行う。
【0047】
施錠機構31aは、例えば、鍵などによって施錠または開錠が可能な構造で構成され、各レーン制御手段50と回線を介して接続されている。また、施錠機構31aは、この構成に限るものではなく、外部からの入力信号などで電気的に施錠または開錠が可能な構造で構成してもよい。
【0048】
また、図3に示されているように、一方の背面扉31の側面に、背面扉31が閉じられたことを検知する背面扉開扉検知手段31cを配設してもよい。この背面扉開扉検知手段31cは、例えば、接点スイッチなどで構成され、一方の背面扉31の側面に配設された背面扉開扉検知手段31cに、対向する背面扉31の側面が接触したことを検知し、背面扉31が閉じられたことを検知する。ここで、背面扉開扉検知手段31cは、主制御手段48と回線を介して接続されている。
【0049】
また、各レーンには、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から着脱可能に収容し、上部に上部ユニット42、下部に下部ユニット43が設けられた景品搬送ユニット44、および景品払出口35が備えられている。この構成を有するレーンが景品払出機10の長手側横方向に6個並べられている。
【0050】
また、景品搬送ユニット44には、景品カートリッジ挿入口32を閉鎖可能な開閉扉として機能するカートリッジ挿入口扉45が設置され、その一端側は、例えば、蝶番などの回動支持部材45bで景品搬送ユニット44に固定されている。この回動支持部材45bを設けることによって、回動支持部材45bを軸としてカートリッジ挿入口扉45を開閉することができる。
【0051】
また、カートリッジ挿入口扉45の固定側とは反対側の縁部には、係止開口部45aが設けられている。この係止開口部45aは、カートリッジ挿入口扉45を閉めたときに、この係止開口部45aに対応して景品搬送ユニット44に設置されたロック機能部49を係止し、カートリッジ挿入口扉45を施錠するものである。ここで、ロック機能部49は、各レーン制御手段50と回線を介して接続されている。さらに、カートリッジ挿入口扉45には、カートリッジ挿入口扉把持部45cが設置されている。
【0052】
また、ロック機能部49が設置された景品搬送ユニット44の下方に、カートリッジ挿入口扉45の開閉を検知する接点スイッチ47を設置してもよい。この接点スイッチ47は、各レーン制御手段50と回線を介して接続されている。
【0053】
ここで示された実施の形態では、6個の景品搬送ユニット44が積層されて構成されているが、景品搬送ユニット44は6個に限られるものではない。なお、上述した特殊景品Wが排出される景品払出口35の数は、この景品搬送ユニット44の数に対応している。
【0054】
また、図2および図3に示すように、景品払出機10の背面側には、景品払出ユニット34の上部に、景品払出機10の背面側に向いて操作表示パネル41が設けられている。この操作表示パネル41には、払い出される特殊景品Wの種類および数量を表示するための、例えば液晶モニタなどで構成される表示部41a、操作表示パネル41の左右の端部には、特殊景品Wの補充要求や搬送不良などのエラー発生に点灯するエラー発生点灯部41bが設けられている。
【0055】
また、景品払出機10は、1台または複数の景品管理装置(POS)と通信回線によって接続することができ、操作表示パネル41には、何台の景品管理装置(POS)と接続されているかを示す併設景品管理装置数点灯部41cが設けられている。この併設景品管理装置数点灯部41cは、例えばLEDランプなどで構成され、例えば、景品管理装置(POS)が1台併設されている場合には、併設景品管理装置数点灯部41cが1つ点灯し、景品管理装置(POS)が2台併設されている場合には、併設景品管理装置数点灯部41cが2つ点灯する。また、併設景品管理装置数点灯部41cに近接して、景品払出機10のレディ状態を示すレディ点灯部41dが設けられている。このレディ点灯部41dも、例えばLEDランプなどで構成されている。
【0056】
また、操作表示パネル41には、リセットボタン41g、モード切替ボタン41hが設けられ、さらに開閉可能なパネル41eの内部にテンキー41fが設けられている。設定モードは、モード切替ボタン41hとテンキー41fによって設定され、テンキー41fでは、例えば取り扱う特殊景品Wの種類の数、各景品カートリッジ33に収納された特殊景品Wの種類などの設定を行う。また、モード切替ボタン41hによって、動作モードなどが設定される。
【0057】
(景品カートリッジ33の構成)
次に、図4および図5を参照して、景品カートリッジ33の構成について説明する。
【0058】
図4は、景品カートリッジ33の斜視図である。図5は、景品カートリッジ33の一方の側面の一部を示す斜視図である。
【0059】
景品カートリッジ33は、全体として直方体からなり、複数の一列に並べられた直方体空間からなる各景品収納部100から構成される。この実施の形態では、景品カートリッジ33は、3個の景品収納部100から構成されているが、これに限られるものではなく、景品収納部100の数を増減してもよい。
【0060】
景品収納部100の底面には、中央部および前部の一部が切欠され、ほぼC字型に形成された景品ストッパ101が固着され、景品収納部100内に積層される特殊景品Wを支持する。この景品ストッパ101の切欠の形状は、景品収納部100内に収納される特殊景品Wを昇降させる支持部材および支持部材を支持しリフト機構によって押し上げられる昇降台が移動可能であり、かつ景品収納部100内に収納される特殊景品Wを支持できるものであれば、C字型に限られるものではない。
【0061】
景品収納部100の背面および両側面は壁面で形成され、隣接する景品収納部100の側面は共有している。景品収納部100の前面および天井面は開口されている。景品収納部100の側面前部には、板状のガイド102が景品収納部100に沿って設けられている。
【0062】
また、景品カートリッジ33の一方の外側面には、挿入用把持部103が配置されている。景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32に挿入する際に、従業員などがこの挿入用把持部103を握って挿入を行う。なお、この景品カートリッジ33の上部には、複数の景品収納部100の天井面を被覆する大きさで構成されたカートリッジカバー(図示しない)を装着することができる。このカートリッジカバーは、景品カートリッジ33を持ち運ぶ際に、景品カートリッジ33に装着して使用するもので、例えば従業員などがカートリッジカバーに設けられた持運び用把持部(図示しない)を握って持ち運ぶ。なお、このカートリッジカバーは、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32に挿入する際には外される。
【0063】
また、図5に示すように、景品カートリッジ33の挿入用把持部103の設置された外側面とは反対側の外側面に、金属板からなるマグネット用プレート106を配設してもよい。この実施の形態では、景品カートリッジ33の外側面に、2個のマグネット用プレート106が所定の位置に配設されているが、これに限るものではない。
【0064】
このマグネット用プレート106は、後述するキャッチ手段110に、マグネット用プレート106と対応して配設されたマグネット111と磁気的に接続される。また、キャッチ手段110にホール素子を設置して、景品カートリッジ挿入口32に挿入された景品カートリッジ33が適切なものであるかを判定するように構成してもよい。
【0065】
また、景品カートリッジ33は、後述する図6に示すように、景品カートリッジ挿入口32から景品払出機10内に挿入され、設置される。
【0066】
ここで、景品カートリッジ33の各景品収納部100には、それぞれ異なる種類の特殊景品Wを収納した構成が挙げられる。例えば、3つの景品収納部100のそれぞれに4円玉貸し用に対応する特殊景品W、1円玉貸し用に対応する特殊景品W、20円メダル貸し用に対応する特殊景品Wを収納することができる。また、図3に示すように、景品カートリッジ33を装着するレーンが6レーンある場合、例えば、すべてのレーンに、上記した異なる種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を装着することもできる。
【0067】
また、例えば3つのレーンには、従来の景品払出機と同様に、同じ種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を装着し、残りの3つのレーンには、上記した異なる種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を装着するようにしてもよい。このレーン構成とすることで、例えば、従来主として行われていた4円玉貸し用に対応する特殊景品Wを払い出す動作モードと、4円玉貸し用に対応する特殊景品W、1円玉貸し用に対応する特殊景品W、20円メダル貸し用に対応する特殊景品Wを条件に応じて払い出す動作モードの双方を1つの景品払出機10で行うことができる。
【0068】
(景品払出機10の内部の構成)
次に、景品払出機10の内部の構成の一例について、図6〜図8を参照して説明する。
【0069】
図6は、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32に挿入する様子を示す斜視図である。図7は、景品払出機10の一部の内部の構成の一例を示した斜視図である。なお、図7は、景品払出機10の1つの景品搬送ユニット44、景品払出ユニット34について示したものであり、操作表示パネル41などの記載は省略している。また、図8は、景品カートリッジ33がカートリッジ設置板134に載置された状態を示す平面図である。
【0070】
図7に示されているように、景品払出機10は、下部ユニット43、景品カートリッジ挿入口32、上部ユニット42から構成される景品搬送ユニット44と、この景品搬送ユニット44と排出天板37を介して積層配置された景品払出ユニット34とから主に構成されている。ここで、下部ユニット43は、排出セット機構の一部として機能する。また、上部ユニット42および景品払出ユニット34は、物品排出手段の一部として機能する。
【0071】
景品カートリッジ挿入口32の下端位置の両側には、景品カートリッジ挿入口32から奥部まで、カートリッジガイドレール130が帯状に設置されている。このカートリッジガイドレール130の一部は、特殊景品Wを昇降させる支持部材131および支持部材131を支持する昇降台132が移動可能に切欠されている。また、支持部材131および昇降台132は、排出セット機構の一部として機能する。
【0072】
また、両側のカートリッジガイドレール130間に渡って複数本のガイドローラ133が設置される。このガイドローラ133上には、景品カートリッジ33を支持するカートリッジ設置板134が載置されている。
【0073】
このカートリッジ設置板134の景品カートリッジ挿入口32の奥側の端部には、図5に示すように、キャッチ手段110を立設してもよい。カートリッジ設置板134上に景品カートリッジ33が載置されると、キャッチ手段110に配設されたマグネット111と、景品カートリッジ33の外側面に配設されたマグネット用プレート106とが磁気的に接続される。そして、キャッチ手段110にホール素子が設置されている場合には、このホール素子を用いて、景品カートリッジ挿入口32に挿入された景品カートリッジ33が適切なものであるかを判定することができる。そして、景品カートリッジ33が適切でない場合には、例えば、ブザーなどで知らせることができる。このホール素子は、レーン制御手段50または主制御手段48に回線を介して接続されている。
【0074】
また、カートリッジ設置板134には、カートリッジ設置板134に載置する景品カートリッジ33の景品ストッパ101の各切欠に対応して切欠部135が設けられている。この切欠部135は、特殊景品Wを昇降させる支持部材131および支持部材131を支持する昇降台132が移動可能に切欠されている。
【0075】
さらに、カートリッジ設置板134の下部端面には、下部ユニット43の底部に設置されたステッピング駆動モータ136からの動力を伝達するタイミングベルト137のギヤ部と係合するギヤ部(図示しない)が設けられている。そして、ステッピング駆動モータ136を駆動することで、カートリッジ設置板134は、ガイドローラ133上を移動する。なお、ステッピング駆動モータ136は、接続されるレーン制御手段50の指示により正逆回転される。なお、レーン制御手段50は、主制御手段48からの情報に基づいて、ステッピング駆動モータ136などの制御を行っている。
【0076】
ここで、レーン制御手段50は、カートリッジ設置板134上に設置された景品カートリッジ33の移動位置を検知することもできる。この検知は、例えば、ステッピング駆動モータ136の回転軸の回転数を検知するエンコーダ部をステッピング駆動モータ136の回転軸に設けて行うことができる。例えば、特殊景品Wの払い出しを可能とするために、景品カートリッジ33が移動しているときの、景品カートリッジ33の移動段階を検知することで、最適な払い出し制御の選択を可能とする。
【0077】
さらに、例えば、景品支持部170上の特殊景品Wが無くなり、特殊景品Wを有する景品収納部100からの特殊景品Wの払い出しを可能とするための移動動作において、レーン制御手段50は、移動経過時間などを計測することもできる。この特殊景品Wの払い出しを可能とするための移動経過時間の情報を得ることで、最適な払い出し制御の選択を可能とする。
【0078】
図6〜図8に示すように、景品カートリッジ挿入口32から挿入され、カートリッジ設置板134上に載置された景品カートリッジ33は、所定の位置まで挿入されることで、カートリッジ設置板134の外側面に配設されたマグネット用プレート106とキャッチ手段110に配設されたマグネット111とが接続する。これによって、景品カートリッジ33のカートリッジ設置板134上への載置が完了する。景品カートリッジ33のカートリッジ設置板134上への載置が完了した状態では、各景品カートリッジ33の下部の景品ストッパ101の切欠は、それぞれに対応して設けられたカートリッジ設置板134の切欠部135に対向する位置に設置されている。
【0079】
また、図6に示すように、景品カートリッジ挿入口32に、カートリッジ挿入口扉45を設け、景品カートリッジ33挿入後には閉じるように構成してもよい。また、カートリッジ挿入口扉45の開閉する側の景品搬送ユニット44の正面に、カートリッジ挿入口扉45をロックするロック機能部49を設けてもよい。さらに、景品搬送ユニット44に接点スイッチ47を設け、カートリッジ挿入口扉45の開閉を検知するように構成してもよい。なお、ロック機能部49や接点スイッチ47は、例えば、レーン制御手段50と回線を介して接続されている。
【0080】
また、図8に示すように、キャッチ手段110側の景品カートリッジ33の景品収納部100における背面を形成する壁部の外面には、鉄板などで形成された光を反射する光反射板107が設置されている。また、図7に示すように、景品カートリッジ33が挿入される景品搬送ユニット44の内壁面には、光反射板107の移動に対応して、3箇所の位置に位置検知センサ108が設けられている。この3個の位置検知センサ108は、景品カートリッジ33の各景品収納部100の間隔に対応した間隔で、景品搬送ユニット44の内壁面に設置されている。
【0081】
位置検知センサ108から発せられた光は、光反射板107で反射し、その反射光を位置検知センサ108で検知することで、キャッチ手段110側の景品収納部100の位置を検知することができる。そして、その検知情報に基づいてステッピング駆動モータ136を制御することで、景品カートリッジ33の移動を制御することができる。なお、位置検知センサ108は、レーン制御手段50に配線を介して接続されている。
【0082】
ここで、上記した景品カートリッジ33を移動させるための構成物品や、景品カートリッジ33の位置を検知するための構成物品なども排出セット機構の一部として機能する。
【0083】
(リフト機構の構成)
次に、昇降台132上の景品支持部170上に設置された特殊景品Wを昇降させるリフト機構の構成の一例について、図7および図9を参照して説明する。
【0084】
図9は、リフト機構の構成の一例を示す側面図である。
【0085】
リフト機構は、ステッピング駆動モータ151と、ステッピング駆動モータ151の動力を伝達するギヤ部152と、ギヤ部152によってステッピング駆動モータ151の動力が伝達され、回転可能に設置されたスパイラルシャフト153と、スパイラルシャフト153と所定の間隔をあけて平行に設置されたリニアシャフト154と、スパイラルシャフト153およびリニアシャフト154にそれぞれ設けられたリニアガイド155a、155bに載置された昇降台132とから主に構成されている。
【0086】
昇降台132は、凸形状を有する平板で構成され、凸状部がカートリッジガイドレール130の切欠された部分を通過できる位置に設置される。また、昇降台132の幅広部分の一端側には、スパイラルシャフト153と係合する溝が内筒壁に螺刻されたリニアガイド155aの小径筒部を貫通させる貫通孔が開口されている。また、昇降台132の幅広部分の他端側には、リニアシャフト154と内筒壁が摺接するリニアガイド155bの小径筒部を貫通させる貫通孔が開口されている。
【0087】
そして、それぞれの貫通孔に対応したリニアガイドの小径筒部を貫通させ、昇降台132は、リニアガイド155a、155bの大径筒部の上端面上に載置され固定される。そして、スパイラルシャフト153がステッピング駆動モータ151によって回転され、リニアガイド155aが移動して、昇降台132を上昇または下降させる。
【0088】
スパイラルシャフト153およびリニアシャフト154は、下部ユニット43の底部から上部ユニット42の天井面に至って設置されている。また、景品カートリッジ挿入口32の天井面は、昇降台132上に設置される景品支持部170が移動できるように開口部158が開口されている。
【0089】
また、昇降台132とリニアガイド155bとの間には、昇降台132が所定の最下部に位置することを検知するための位置検知板156が挟持されている。そして、この位置検知板156を検知する位置検知センサ157が、位置検知板156に対応させて下部ユニット43の底面に設置されている。この位置検知センサ157として、例えば、光センサなどが用いられ、位置検知センサ157は、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。
【0090】
上部ユニット42の天井面の下端近傍には、景品支持部170上に残存する特殊景品Wの枚数を予測する景品載置検知センサ159が設置されている。この景品載置検知センサ159は、接点スイッチセンサ、光学センサなどで構成され、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。例えば、景品支持部170上に残存する特殊景品Wの積層高さを、エンコーダ部160からの情報や景品載置検知センサ159の検知信号に基づいて算出し、その積層高さを、1枚の特殊景品Wの厚さで除して、残存する特殊景品Wの枚数を予測することができる。また、例えば、景品カートリッジ33の景品収納部100に特殊景品Wが満杯に満たされている場合には、その景品収納部100に残存している特殊景品Wの情報を、操作表示パネル41のテンキー41fなどによって入力することで、初期値を設定することができる。
【0091】
また、上部ユニット42の天井面の下端近傍には、景品支持部170上に特殊景品Wが載置されているか否かを検知する空センサ(図示しない)も設置されている。この空センサは、接点スイッチセンサ、光学センサなどで構成され、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。
【0092】
下部ユニット43の底面には、スパイラルシャフト153にギヤ部152を介して動力を伝達し、スパイラルシャフト153を回転させるステッピング駆動モータ151が設置されている。また、このステッピング駆動モータ151は、正逆回転可能であり、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。
【0093】
ステッピング駆動モータ151に接続されたギヤ部152とステッピング駆動モータ151との間の回転軸に、ステッピング駆動モータ151の回転軸の回転数を検知するエンコーダ部160が設けられている。また、エンコーダ部160は、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。このエンコーダ部160からの情報に基づいて、景品支持部170上の特殊景品Wの数量を検知することができる。
【0094】
また、エンコーダ部160からの情報に基づいて、景品支持部170の移動位置を検知することもできる。例えば、特殊景品Wの払い出しを可能とするために、景品支持部170が移動しているときの、景品支持部170の移動段階を検知することで、最適な払い出し制御の選択を可能とする。
【0095】
さらに、レーン制御手段50および主制御手段48は、例えば、景品支持部170上の特殊景品Wが無くなり、例えば、同種の特殊景品Wを有する景品収納部100や他のレーンに装着された景品カートリッジ33の景品収納部100からの同種の特殊景品Wの払い出しを可能とする。
【0096】
ここで、上記した、昇降台132、景品支持部170、ステッピング駆動モータ151、ギヤ部152などのリフト機構の構成する構成物品は、排出セット機構の一部として機能する。
【0097】
なお、ここでは、上記したリフト機構の構成を1つのレーンに1つ備えた一例を示したが、例えば、リフト機構の構成を1つのレーンに2つ備えてもよい。この構成を有することで、例えば、複数の景品収納部100を有する景品カートリッジ33において、景品収納部100のうちの2つの景品収納部100に収納された特殊景品Wを同時に払い出し可能な払出位置に移動することができる。
【0098】
また、ここでは、上下方向、すなわち重力方向に特殊景品Wを積層し、特殊景品Wが積層された方向である上下方向に特殊景品Wを移動可能な景品カートリッジ33およびリフト機構の構成を示したが、この構成に限られるものではない。景品カートリッジ33の構成を、例えば、重力方向に垂直な方向、すなわち水平方向に特殊景品Wを積層して収納可能な構成としてもよい。この場合には、リフト機構は、特殊景品Wが積層された方向、すなわち水平方向に、特殊景品Wを押し出すように移動可能に構成される。
【0099】
(上部ユニット42および景品払出ユニット34の構成)
次に、上部ユニット42および景品払出ユニット34の構成の一例について、図10〜図12を参照して説明する。
【0100】
図10は、上部ユニット42および景品払出ユニット34の側面図である。図11は、上部ユニット42において特殊景品Wが当接する当接部180を特殊景品Wが当接する方向(景品カートリッジ33側から上方をみた方向)からみたときの平面図である。また、図12は、特殊景品Wが当接する当接部180の側面からの平面図である。
【0101】
上部ユニット42の当接部180は、支持部材131に支持された特殊景品Wが当接し、水平2列に設置される6個の回転自在の景品受ローラ181と、景品受ローラ181に当接した特殊景品Wを景品押出爪182によって景品スタッカ部183に押し出す回転ベルト184とから主に構成されている。この構成では、排出手段と当接部が一体的に構成されているが、この構成に限るものではない。
【0102】
なお、回転ベルト184は、レーン制御手段50に配線を介して接続された駆動モータ(図示しない)によって回転される。そして、特殊景品Wを1枚毎に景品スタッカ部183へ排出する景品押出爪182が所定の位置に達したことを、ロータリエンコーダ(図示しない)で検知し、景品スタッカ部183へ排出された特殊景品Wの枚数を計数する。ここで、ロータリエンコーダ(図示しない)には、回転ベルト184の位置を検知可能なようにその回転駆動が所定ギヤ比で伝達されている。このロータリエンコーダは、レーン制御手段50に配線を介して接続されている。また、空センサ(図示しない)が特殊景品Wを検知しない場合には、回転ベルト184は駆動されない。
【0103】
また、図11および図12に示すように、当接部180の側面の長手方向の中央部には、例えば、両端面にバネが設けられた弾性部材185の一端が接続され、弾性部材185の他端は、上部ユニット42の底面部材に接続される。なお、弾性部材185の他端が接続されるのは、上部ユニット42の底面部材に限られるものではなく、例えば、景品カートリッジ挿入口32の天井板上面や、景品払出機本体で払い出し中に不動な部分であればよい。
【0104】
この弾性部材185は、当接部180の両側面に少なくとも1個ずつ設けられている。この弾性部材185は、バネに限られるものではなく、所定の力に対して一定の割合で変化する弾性部材ならばよい。この弾性部材185を設けることで、当接部180が、所定の範囲で上下に移動可能となる。また、当接部180の自重および弾性部材185による一定の力を当接部180と接触する特殊景品Wに付加することができ、安定してスムーズに特殊景品Wを景品スタッカ部183に排出することができる。
【0105】
また、当接部180の側面には、上部ユニット42の底面部材または景品カートリッジ挿入口32の天井板などに立接された軌道レール186に沿って摺動する摺動部材187を設けてもよい。この摺動部材187を設ける場合、当接部180の両側面に少なくとも1個ずつ摺動部材187を設けることが好ましい。この軌道レール186および摺動部材187を設けることによって、当接部180は、所定の軌道上を移動することができる。
【0106】
さらに、当接部180の側面には、当接部180の上限位置および下限位置を検知するための位置検知板188が設置されている。この位置検知板188は、鉄板などで形成され、上部に上限位置を検知するための横方向に長い凸部188aと、その凸部188aの下部に、凸部188aよりも横方向に短く、下限位置を検知するための凸部188bとが形成されている。そして、位置検知板188が設置された当接部180の側面に対向する上部ユニット42の内壁面には、当接部180の上限位置および下限位置のそれぞれに対応させて、2つの位置検知センサ189(上限位置検知センサ、下限位置検知センサ)が設置されている。
【0107】
この位置検知センサ189として、例えば、光を出射し、その出射光の位置検知板188からの反射光を検知する光センサなどが用いられ、この位置検知センサ189は、レーン制御手段50に回線を介して接続されている。
【0108】
また、上部ユニット42は、景品スタッカ部183に押し出された特殊景品Wを支持し、上下に昇降可能なスタッカ部昇降台190と、このスタッカ部昇降台190の背面に設けられたギヤ部190aと係合するギヤ部191を介して動力を与え、スタッカ部昇降台190を上下に移動するステッピング駆動モータ192とを備えている。さらに、スタッカ部昇降台190が通過できる程度に、上部ユニット42の天井部および景品払出ユニット34が設置される排出天板37には、開口部195が形成されている。
【0109】
また、当接部180に当接した特殊景品Wを景品スタッカ部183に排出する際に通過する前ゲート193と、特殊景品Wの排出側と反対側に後ゲート194が壁状に設けられている。
【0110】
この前ゲート193は、当接部180に当接した特殊景品Wを景品スタッカ部183に排出する際に、複数の特殊景品Wが景品スタッカ部183に排出されるのを防止するものである。したがって、当接部180と前ゲート193との高さ方向の隙間は、特殊景品Wの規格厚さよりも若干大きい程度であり、特殊景品Wの規格厚さの2倍以上となることは無い。一方、後ゲート194と当接部180との隙間は、回転ベルト184の景品押出爪182が通過できる程度となっている。
【0111】
次に、景品払出ユニット34は、景品払出ユニット34の筐体内に設けられ、スタッカ部昇降台190によって景品払出ユニット34内に搬送された特殊景品Wを排出天板37上に押し出して払い出す景品押出部36から主に構成されている。
【0112】
この景品押出部36は、一端側に特殊景品Wを押し出す押出板201と、この押出板201に垂直に接続され、駆動モータ(図示しない)に接続されたギヤ部と係合するギヤ部が設けられた押出板接合部材202とから構成されている。なお、駆動モータ(図示しない)は、主制御手段48またはレーン制御手段50に回線を介して接続されている。
【0113】
図10に示すように、景品押出部36の押出板201は、特殊景品Wの払出動作を行わない場合には、景品払出ユニット34の景品払出口35を閉鎖する閉鎖板として機能している。
【0114】
また、景品押出部36の押出板201は、特殊景品Wの払出動作を行う場合には、スタッカ部昇降台190に支持された特殊景品Wが景品払出ユニット34内に搬送される前に、右側(図10中の景品押出部36が点線で示された位置)に移動される。そして、スタッカ部昇降台190に支持され、景品払出ユニット34内に搬送された特殊景品Wを排出天板37上に押し出す。
【0115】
そして、景品払出ユニット34は、スタッカ部昇降台190の少なくとも上方が固定されたカバーで覆われているため、稼動部であるスタッカ部昇降台190、景品押出部36の押出板201が剥き出しにならないので安全である。
【0116】
なお、この実施例の景品払出機10における各レーンには、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から着脱可能に収容し、上部に上部ユニット42、下部に下部ユニット43が設けられた景品搬送ユニット44、および景品払出口35が備えられている。この構成を有するレーンが景品払出機10の長手側横方向に6個並べられている。また、1つのレーンとしての景品払出機能としては、積層景品列である3つの景品収納部100からなる景品カートリッジ33を下記の如くに動作させ、3つの景品収納部100のうち1つを景品支持部170の上方に位置させ、景品支持部170が下記の如くに昇降の動作を行い、景品スタッカ部183に1枚ずつ指示枚数分、特殊景品Wを排出し、スタッカ部昇降台190を上昇させた後、景品押出部36を駆動して、景品払出口35に指示枚数の特殊景品Wを払い出すまでを含む。
【0117】
ここで、上記した上部ユニット42および景品払出ユニット34の構成物品は、物品払出手段の一部として機能する。
【0118】
次に、前述した、リフト機構の構成を1つのレーンに2つ備え、景品収納部100のうちの2つの景品収納部100に収納された特殊景品Wを同時に払い出し可能なリフト機構を備える場合の上部ユニット42について説明する。
【0119】
図13は、リフト機構の構成を1つのレーンに2つ備えた場合における上部ユニット42および景品払出ユニット34の断面を示す図である。
【0120】
図13に示すように、各リフト機構に対して、上記した上部ユニット42における景品カートリッジ33から特殊景品Wを取り出す機構をそれぞれ備えている。
【0121】
このように、構成することで、複数の景品収納部100を有する景品カートリッジ33において、景品収納部100のうちの2つの景品収納部100に収納された特殊景品Wを同時に払い出し可能な払出位置に移動することができる。さらに、上部ユニット42において、スタッカ部昇降台190上に2種類の特殊景品Wを、交互に排出することができる。これによって、景品を払い出すまでの時間を短縮することができ、景品交換を行う際の時間の短縮を図ることができる。
【0122】
(払出セット機構における初期位置および払出位置)
ここでは、上記した構成を備える景品払出機10における、景品カートリッジ33、支持部材131などの払出セット機構の初期位置および払出位置について説明する。
【0123】
図14は、支持部材131が払出位置から景品収納部100の外部に移動される様子を示す斜視図である。図15は、景品払出機10における支持部材131の初期位置について説明するための図である。
【0124】
なお、図14および図15では、支持部材131の位置を明確に説明するため、便宜上支持部材131を支持する昇降台132等の構成を削除している。
【0125】
異なる種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を使用する場合、払い出すべき景品に関する景品払出情報に基づいて、選択された景品収納部100に収納された特殊景品Wを外部に払い出した後、支持部材131は、図14に示すように、特殊景品Wを即座に払い出し可能な払出位置Xから景品収納部100の内部を通って景品収納部100の外部(下方)に移動される。そして、景品カートリッジ33が移動して、支持部材131は、景品カートリッジ33の下方側の、払出位置Xとは異なる所定の位置、すなわち初期位置に位置される。また、この初期位置は、景品カートリッジ33の支持部材131に対する所定の位置とみることもできる。すなわち、景品カートリッジ33、支持部材131などの払出セット機構における初期位置を意味する。
【0126】
そして、次の景品払出情報に基づいて、選択された景品収納部100に収納された特殊景品Wを即座に払い出し可能な払出位置に移動するため、初期位置から、選択された景品収納部100が支持部材131上になるように景品カートリッジ33を移動し、支持部材131をリフト機構によって払出位置Xまで移動する。
【0127】
なお、次の景品払出情報に基づいて、支持部材131を払出位置Xまで移動することが好ましいが、景品カートリッジ33を移動して、支持部材131が、少なくとも、初期位置よりも払出位置X側の位置となればよい。この動作は、例えば、景品管理装置(POS)からの景品払出情報に基づいて、払い出す特殊景品Wの種類は特定できたものの、例えば、すべて特殊景品Wと交換するか否かが不明な場合に好適である。すなわち、支持部材131が、少なくとも、初期位置よりも払出位置X側の位置にあれば、その後の景品払出情報で、すべて特殊景品Wと交換すると判定した場合であっても、その特殊景品Wを払い出し可能な払出位置に移動する時間を短縮することができる。
【0128】
ここで、初期位置は、例えば、景品カートリッジ33が移動可能な範囲(図15中のL)の中間位置に対応する景品カートリッジ33における位置を中心Oとして、移動方向の一方の方向および他方の方向に一定範囲を含んで構成される移動領域内のいずれかの位置に対応する位置であることが好ましい。この移動方向の一方の方向および他方の方向に一定範囲を含んだ範囲Mは、図15に示すように、支持部材131を水平方向に2等分する中心Pが位置する範囲である。また、この範囲Mが、初期位置に対応する範囲である。また、範囲Mは、中心Oを中心として、移動方向の一方の方向および他方の方向に、それぞれ景品収納部100の幅N(図15において右側景品収納部に幅Nが記載されているが、中央および左側の景品収納部も同じ幅Nとする)の1/2の長さ(N/2)を有する範囲である。
【0129】
このように、景品カートリッジ33が移動可能な範囲(図15中のL)の中間位置に対応する景品カートリッジ33における位置(中心O)から、移動方向の一方の方向および他方の方向に、それぞれM/2の範囲内に支持部材131の中心Pが位置するように、初期位置を設定することで、いずれの景品収納部100が選択されても、景品カートリッジ33を移動して、その選択された景品収納部100に収容された特殊景品Wを、迅速に払出位置に移動することができる。また、支持部材131を水平方向に移動させないで上下方向にのみ移動させる構成においては、支持部材131の代わりに景品収納部100を水平移動させて、支持部材131が景品収納部100内に進入可能な構成としてもよい。この場合、初期位置としては、景品収納部100の水平方向の移動距離の中心Oとしてもよいし、上記同様の範囲M内としてもよい。
【0130】
また、初期位置を次のように設定することもできる。なお、初期位置の次のような設定は、例えば払出頻度特定手段などによって行われる。
【0131】
図16は、景品カートリッジ33の各景品収納部100に収納された特殊景品の種類(特殊景品W1、W2、W3)および配置と、各景品収納部100に収納された特殊景品W1、W2、W3の払出率との関係を示す図である。
【0132】
ここでは、3種類の特殊景品W1、W2、W3を用いたときの一例を示している。また、横軸は、各景品収納部100に収納されている特殊景品W1、W2、W3の位置関係を示すとともに、横軸の特殊景品W1、W2、W3の指示位置は、各景品収納部100の幅方向の中心位置を示すものでもある。換言すると、横軸の特殊景品W1と、特殊景品W3の指示位置との間は、特殊景品W1が収納されている景品収納部100の幅方向の中心位置と、特殊景品W3が収納されている景品収納部100の幅方向の中心位置との間を示している。そして、横軸の特殊景品W1と、特殊景品W3の指示位置との間は、景品カートリッジ33が移動可能な範囲(図15中のL)に対応している。
【0133】
また、特殊景品W1、W2、W3の払出率とは、各特殊景品W1、W2、W3が払い出される割合である。特殊景品W1の払出率が30%、特殊景品W2の払出率が60%、特殊景品W3の払出率が10%である場合を示している。
【0134】
図16において、プロットされた各点Q1〜点Q3、原点、横軸の特殊景品W3の指示位置を結んで形成される多角形(ここでは、五角形)の重心Rを求める。そして、その求めた重心Rに対応する横軸の位置Sに相当する景品カートリッジ33の幅方向の位置に対応する位置を初期位置としてもよい。図16では、この位置Sは、特殊景品W2が収納されている景品収納部100の幅方向の中心位置から、特殊景品W1が収納されている景品収納部100の方向に距離Tだけ移動した位置である。この位置Sに対応する位置に、支持部材131を水平方向に2等分する中心Pが位置するように、初期位置を設定することが好ましい。
【0135】
なお、初期位置は、この位置Sに対応する位置に設定されることが好ましいが、この位置Sに対応する位置から所定の範囲を有して初期位置としてもよい。この場合、所定の範囲を、上記した場合と同様に、位置Sに対応する位置を中心として、移動方向の一方の方向および他方の方向に、それぞれ景品収納部100の幅Nの1/2の長さ(N/2)を有する範囲としてもよい。
【0136】
なお、同じ種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を使用する場合には、上記した初期位置に支持部材131を戻さずに、景品払出情報に基づいて払い出すべき景品を全て払い出した後も、支持部材131を払出位置から動作しないようにしてもよい。
【0137】
また、景品払出機10にいて、景品払出情報に基づいて払い出すべき景品を全て払い出した後も、支持部材131を払出位置から動作しないようにする動作モードと、払い出すべき特殊景品Wを外部に払い出した後、支持部材131を初期位置に位置させる動作モードとを切り替え可能としてもよい。この動作モードの切り替えは、例えば、操作表示パネル41におけるモード切替ボタン41hによって設定できるようにしてもよい。
【0138】
特殊景品Wを払い出し可能な払出位置Xとは、支持部材131が少なくとも景品収納部100に収納された特殊景品Wに当接する位置をいう。また、例えば、特殊景品Wを払い出し可能な払出位置を、景品収納部100に収納された特殊景品Wを下方から支持してリフト機構によって移動し、上部ユニット42において、特殊景品Wを景品スタッカ部183に排出可能な位置としてもよい。
【0139】
上記したように、異なる種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を使用する場合、各払い出し動作後、景品カートリッジ33、支持部材131などの払出セット機構を初期位置に位置させることで、特殊景品Wを払い出し可能な払出位置に移動する時間を短縮することができ、景品交換を行う際の時間の短縮することができる。
【0140】
(景品払出機10の動作の一例)
次に、上記した景品払出機10における、景品カートリッジ33の景品払出機10への装填動作、特殊景品Wを払出位置Xまで移動する動作、景品カートリッジ33、支持部材131などの払出セット機構を初期位置に位置させる動作、上部ユニット42および景品払出ユニット34の各動作の一例について、図を参照して説明する。
【0141】
まず、景品払出機10の各動作について説明する。
【0142】
(景品カートリッジ33の景品払出機10への装填動作)
まず、景品カートリッジ33の景品払出機10への装填動作について、図5、図6および図8を参照して説明する。
【0143】
ここで、景品払出機10には、図3に示す如く6か所に設けられたカートリッジ挿入口扉45を開き、それぞれの景品カートリッジ挿入口32に景品カートリッジ33を装填することが可能であるが、ここでは、6個の景品カートリッジ33内の1個の景品カートリッジ33の装填動作について説明する。なお、他の景品カートリッジ33の装填動作も以下に示す装填動作と同様である。
【0144】
また、各景品カートリッジ33の景品収納部100に、用途に応じて、それぞれ異なる種類の特殊景品W(例えば、挿入用把持部103側にパチンコ1円貸し用1000円景品、中央にパチンコ4円貸し用1000円景品、挿入用把持部103と反対の奥側にメダル40円貸し用1000円景品)を収納してもよいし、同じ種類の特殊景品Wを収納してもよい。
【0145】
また、例えば、景品払出機10の景品カートリッジ33を装着する部分が6つのレーンある場合には、例えば、3つのレーンには、異なる種類の特殊景品Wが収納された景品カートリッジ33を装着し、残りの3つのレーンには、同じ種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を装着してもよい。
【0146】
3つのレーンに異なる種類の特殊景品Wが収納された景品カートリッジ33を装着する場合、例えば、第1レーンに挿入する景品カートリッジ33には100円景品を収納し、かつその景品カートリッジ33の3つの景品収納部100の内の1つには1円貸玉用の景品、他の2つには20円メダル貸用の景品を収納し、第2レーンに挿入する景品カートリッジ33には1000円景品を収納し、かつその景品カートリッジ33の3つの景品収納部100の内の1つには1円貸玉用の景品、他の2つには20円メダル貸用の景品を収納し、第3レーンに挿入する景品カートリッジ33には5000円景品を収納し、かつその景品カートリッジ33の3つの景品収納部100の内の1つには1円貸玉用の景品、他の2つには20円メダル貸用の景品を収納することが例示できる。また、残りの3つのレーンに同じ種類の特殊景品Wが収納された景品カートリッジ33を装着する場合、例えば、第4レーンに挿入する景品カートリッジ33には4円貸玉用100円景品を収納し、第5レーンに挿入する景品カートリッジ33には4円貸玉用1000円景品を収納し、第6レーンに挿入する景品カートリッジ33には4円貸玉用5000円景品を収納することが例示できる。なお、1円、4円、20円の各遊技媒体に対応する景品が収納された景品収納部100をそれぞれいくつ備えるかは、遊技ホールにおける対応する遊技機の設置割合と稼働によって適宜に選択すればよい。
【0147】
このようなレーン構成とすることで、例えば、従来主として行われていた4円玉貸し用に対応する特殊景品Wを払い出す動作モードと、4円玉貸し用に対応する特殊景品W、1円玉貸し用に対応する特殊景品W、20円メダル貸し用に対応する特殊景品Wを条件に応じて払い出す動作モードの双方を1つの景品払出機10で行うことができる。
【0148】
図6に示すように、特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を、一端を先端にして景品カートリッジ挿入口32から景品払出機10に挿入する。また、図5に示すように、景品カートリッジ挿入口32から挿入され、カートリッジ設置板134上に載置された景品カートリッジ33は、所定の位置まで挿入されることで、カートリッジ設置板134の外側面に配設されたマグネット用プレート106とキャッチ手段110に配設されたマグネット111とが接続する。
【0149】
なお、ここでは、キャッチ手段110に、挿入された景品カートリッジ33を識別するためのホール素子が備えられているものとする。そして、レーン制御手段50は、キャッチ手段110に設置されたホール素子からに情報に基づいて、景品カートリッジ挿入口32に挿入された景品カートリッジ33が適切なものであるかを判定する。この判定で、挿入された景品カートリッジ33が適切でない場合には、例えば、ブザーなどで知らせる。
【0150】
続いて、主制御手段48からの情報に基づいて、レーン制御手段50は、ステッピング駆動モータ136を駆動させ、タイミングベルト137を回転させ、カートリッジ設置板134を景品カートリッジ挿入口32からみて奥側に移動させる。
【0151】
なお、カートリッジ設置板134を移動する際、カートリッジ設置板134の暴走により、限界位置に達したことを検知するリミットスイッチを設けてもよい。このリミットスイッチを設けた場合には、レーン制御手段50は、リミットスイッチからの情報により、ステッピング駆動モータ136の駆動を停止させる。
【0152】
続いて、カートリッジ設置板134の移動中に、キャッチ手段110側の景品収納部100の背面を形成する壁部の外面に設けられた光反射板107からの反射光に基づいて、支持部材131が初期位置となる位置に景品カートリッジ33が位置することを位置検知センサ108が検知すると、レーン制御手段50は、ステッピング駆動モータ136の駆動を停止させる。
【0153】
(特殊景品Wを払出位置Xまで移動する動作)
次に、図7〜図10および図17を参照して、払い出すべき景品に関する景品払出情報に基づいて、景品カートリッジ33、支持部材131などの払出セット機構が初期位置から、選択された景品収納部100に収納された特殊景品Wを払出位置Xまで移動する動作の一例を説明する。
【0154】
図17は、景品収納部100に収納された特殊景品Wを景品支持部170で支持し、上部に移動する状態を示す側面図である。
【0155】
動作前において、景品カートリッジ33、支持部材131などの払出セット機構は、初期位置に位置する。払い出すべき景品に関する景品払出情報が入力されると、景品払出情報に基づいて、レーン制御手段50は、ステッピング駆動モータ136を駆動し、タイミングベルト137を回転させる。そして、景品カートリッジ33は、位置検知センサ108からの情報に基づいて、選択された景品収納部100が支持部材131上に位置する位置に移動される。
【0156】
続いて、レーン制御手段50からの指示に基づいて、リフト機能におけるステッピング駆動モータ151が駆動されると、ギヤ部152がスパイラルシャフト153にその動力を伝達し、スパイラルシャフト153を回転させる。スパイラルシャフト153が回転すると、昇降台132が上昇し、景品支持部170が上昇し始める。
【0157】
景品支持部170が上昇し、景品支持部170の支持部材131の上面が景品収納部100に収納された最下部の特殊景品Wの下面に接する。
【0158】
そして、積層された特殊景品Wは、支持部材131によって支持されて景品収納部100内を上方に移動される。
【0159】
続いて、積層された特殊景品Wの上部は、景品カートリッジ挿入口32の天井面に開口された開口部158を通過し、上部ユニット42内に搬送される。
【0160】
そして、図10に示すように、支持部材131に支持された特殊景品Wが、当接部180の景品受ローラ181に当接する状態に設置される。
【0161】
ここで、レーン制御手段50は、当接部180の位置が払出位置にあるか否かを位置検知センサ189からの情報に基づいて判断し、当接部180の位置の設定を行う。
【0162】
また、上部ユニット42の天井面の下端近傍に設置された空センサ(図示しない)によって、景品カートリッジ挿入口32側の景品収納部100に収納された特殊景品Wがなくなったことが検知された場合には、主制御手段48はレーン制御手段50を介して、景品支持部170を下降させる方向にステッピング駆動モータ151を回転させる情報を出力する。そして、景品支持部170の支持部材131の上面がカートリッジ設置板134より下方に位置するまで景品支持部170を下降させる。これによって、その景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な状態となる。
【0163】
ここで、この場合、例えば、異なる種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を使用する場合、すなわち、例えば、4円玉貸し用に対応する特殊景品W、1円玉貸し用に対応する特殊景品W、20円メダル貸し用に対応する特殊景品Wを条件に応じて払い出す動作モードが設定されている場合には、上記したように、特殊景品Wを有しない景品収納部100から景品支持部170を移動させている際にも、他のレーンから払い出すべき特殊景品Wは払い出されている。
【0164】
一方、同じ種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を使用する場合、すなわち、例えば、4円玉貸し用に対応する特殊景品Wを払い出す動作モードが設定されている場合には、主制御手段48はレーン制御手段50を介して、ステッピング駆動モータ136を駆動させ、カートリッジ設置板134を移動して、他の景品収納部100を支持部材131上に移動し、上記した動作と同様の動作によって、他の景品収納部100に収納される特殊景品Wを当接部180の景品受ローラ181に当接させる。そして、上述した当接部180の位置の設定動作を行う。
【0165】
また、4円玉貸し用に対応する特殊景品Wを払い出す動作モードが設定されている場合においても、空センサ(図示しない)によって、1つの景品収納部100内の特殊景品Wが無くなったことが検知された場合には、隣接する特殊景品Wを有する景品収納部100から払い出しができるように移動される。また、3列ある景品収納部100内の特殊景品Wが全て無くなったことが検知された場合には、主制御手段48はレーン制御手段50を介して、景品支持部170を下降させる方向にステッピング駆動モータ151を回転させ、景品支持部170の支持部材131の上面がカートリッジ設置板134より下方に位置するまで景品支持部170を下降させる。そして、その景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な状態にする。なお、上記したように、特殊景品Wを有しない景品収納部100から景品支持部170を移動させている際にも、他のレーンから払い出すべき特殊景品Wを払い出されている。
【0166】
また、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な状態になったときに、例えば、主制御手段48は、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能であることを報知するための情報を景品払出ユニット34の上面の両端に設置されたスピーカ40に出力してもよい。その情報を入力したスピーカ40からは、例えば、「景品カートリッジを取り出し可能です」などの音声情報が発せられる。
【0167】
また、主制御手段48は、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能であることを報知するための情報を操作表示パネル41に設けられた表示部41aに出力してもよい。その情報を入力した表示部41aでは、例えば、「景品カートリッジを取り出し可能です」などの表示がされる。
【0168】
なお、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な状態にする動作は、空センサ(図示しない)からの出力に基づいて、払い出すべき特殊景品Wが全て無くなったことが検知された場合以外に、例えば、景品払出機10の操作表示パネル41に設けられたテンキー41fなどによって、景品カートリッジ33を取り出す指示をすることもできる。さらに、景品払出機10の背面扉31が開けられたことを背面扉開扉検知手段31cで検知した場合に、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な状態にする動作を行わせてもよい。
【0169】
(払出セット機構を初期位置に位置させる動作)
次に、後述する上部ユニット42および景品払出ユニット34の動作において、特殊景品Wの払い出し動作が終了した後、または、上部ユニット42における動作において、景品カートリッジ33からスタッカ部昇降台190上に特殊景品Wが載置された後における払出セット機構の動作について説明する。
【0170】
まず、例えば、4円玉貸し用に対応する特殊景品W、1円玉貸し用に対応する特殊景品W、20円メダル貸し用に対応する特殊景品Wを条件に応じて払い出す動作モードが設定されている場合について説明する。
【0171】
払い出すべき特殊景品Wを外部に払い出した後、レーン制御手段50からの指示に基づいて、リフト機能におけるステッピング駆動モータ151が駆動されると、ギヤ部152がスパイラルシャフト153にその動力を伝達し、スパイラルシャフト153を回転させる。スパイラルシャフト153が回転すると、昇降台132が下降し、景品支持部170が下降し始める。なお、この下降の際、支持部材131は、図14に示すように、特殊景品Wを払い出し可能な払出位置Xから景品収納部100の内部を通って景品収納部100の外部(下方)に移動される。
【0172】
支持部材131が景品収納部100の外部(下方)に移動されると、レーン制御手段50は、ステッピング駆動モータ136を駆動し、タイミングベルト137を回転させる。そして、レーン制御手段50は、位置検知センサ108からの情報に基づいて、図15に示すように、景品カートリッジ33、支持部材131などの払出セット機構を初期位置に位置させる。
【0173】
なお、次の景品払出情報が入力された場合には、この初期位置から、前述した払い出し動作を行う。
【0174】
次に、例えば、4円玉貸し用(例えば、1フロア全体が1円玉貸し用なら1円玉貸し用の特殊景品を用いる)に対応する特殊景品Wを払い出す動作モードが設定されている場合について説明する。
【0175】
払い出すべき特殊景品Wを外部に払い出した後、払出セット機構を初期位置に位置させず、支持部材131を払出位置から動作しない。同じ種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を使用する場合には、次に払い出す特殊景品Wが決まっているため、支持部材131を払出位置から動作しない方が、次の払い出し動作を直に行うことができる。
【0176】
(上部ユニット42および景品払出ユニット34の動作)
次に、上部ユニット42および景品払出ユニット34における動作について、図18〜図22を参照して説明する。
【0177】
図18〜図20は、上部ユニット42の動作を示す側面図である。また、図21および図22は、景品払出ユニット34の動作を示す側面図である。
【0178】
レーン制御手段50は、主制御手段48からの特殊景品Wの払い出しに関する情報に基づいて、回転ベルト184を駆動する駆動モータ(図示しない)を駆動し、回転ベルト184を回転させる。そして、回転ベルト184が回転し、回転ベルト184の景品押出爪182が、景品受ローラ181に当接した最上部の特殊景品Wを押し出す(図18)。
【0179】
景品押出爪182によって特殊景品Wの積層部から押し出された特殊景品Wは、当接部180と前ゲート193との間の隙間を通って、景品スタッカ部183に排出され、スタッカ部昇降台190上に載置される(図19)。
【0180】
上記した動作(図18および図19)を繰り返し、景品管理機(POS)から送信された情報に基づき特定される所定数の特殊景品Wをスタッカ部昇降台190上に載置する(図20)。
【0181】
レーン制御手段50は、所定数の特殊景品Wがスタッカ部昇降台190上に載置されたことを検知する(図示しない光センサが前ゲート193の上部に設けられている)と、スタッカ部昇降台190を上昇させる前に、景品押出部36を駆動する駆動モータ(図示しない)を駆動させる。そして、景品押出部36を景品払出口35側とは反対側(図20では右側)に移動し、景品払出口35側の押出板201の面を景品払出口35側とは反対側の開口部195の端辺上またはそれより奥に位置させる(図21)。
【0182】
続いて、レーン制御手段50は、ステッピング駆動モータ192を駆動し、スタッカ部昇降台190を上昇させる。スタッカ部昇降台190の上面が、景品払出ユニット34の下面(排出天板37の上面)と水平になる位置で景品払出ユニット34の上昇が停止する(図21)。
【0183】
続いて、レーン制御手段50は、景品押出部36を駆動する駆動モータ(図示しない)を駆動させ、景品押出部36を景品払出口35側に移動し、特殊景品Wを景品払出口35から排出する(図22)。
【0184】
ここで、1つの景品払出口35から1回に払い出される特殊景品Wの最大数が、例えば10個の場合には、払い出される特殊景品Wの数が11〜20個のときには、異なるレーンの景品カートリッジ33を用いて、2つの景品払出口35から特殊景品Wが払い出される。また、払い出される特殊景品Wの数が21個以上の場合には、複数回の払出動作によって、景品払出口35から特殊景品Wが払い出される。
【0185】
なお、1つの景品払出口35から1回に払い出される特殊景品Wの最大数は、特殊景品Wの厚さによって異なる。
【0186】
また、各レーンの景品カートリッジ33に収納される特殊景品Wの在庫枚数が、そのレーンから払い出すべき枚数に満たない場合は、在庫分を全てそのレーンから払い出し、残りを同じ特殊景品Wが収納されている他のレーンの景品カートリッジ33から払い出すことができる。
【0187】
(他の景品払出機の構成)
次に、本発明の一実施の形態の物品払出機として機能する景品払出機10の他の構成について、図を参照して説明する。
【0188】
上述した一実施の形態の景品払出機10では、景品カートリッジ33の景品収納部100に収納された特殊景品Wを上方に搬送し、景品払出口35から特殊景品Wを払い出す景品払出機10の一例を示したが、ここでは、各景品カートリッジの景品収納部に収納された特殊景品Wを下方から景品払出口に搬送して、払い出す景品払出機の一例を示す。
【0189】
図23は、本発明の一実施の形態の他の一例の景品払出機300の正面から(遊技客側から)の斜視図である。図24は、景品払出機300の内部構成を示す斜視図である。図25は、景品カートリッジの斜視図である。図26は、景品カートリッジの内部構成を示した斜視図である。
【0190】
図23に示すように、景品払出機300は、ほぼ直方体に形成された筐体302で形成され、その内部に特殊景品Wが収納された景品カートリッジ301を複数収容可能な構成となっている。筐体302の一側面には、筐体302の内部から平板状の特殊景品Wが払い出される景品払出口303が形成されている。景品払出口303の下方には、払い出された特殊景品Wを受ける受け皿304が形成される。
【0191】
また、それぞれの景品払出口303の近傍には、特殊景品Wが払い出されることを遊技客に示す払出通知手段として、発光体305が設けられる。発光体305は、対応する景品払出口303から特殊景品Wが払い出される際に、点灯または点滅するなどして、景品払出口303から特殊景品Wが払い出されることを遊技客に通知する。
【0192】
景品払出口303の上方には、言葉や記号や図などを表示可能な表示部306が設けられる。表示部306には、例えば、景品払出口303から特殊景品Wが払い出される際に「景品が払い出されます」と表示したり、払い出される特殊景品Wの個数を表示することができる。なお、例えば、音声によって通知するよう構成することもできる。
【0193】
図24に示すように、筐体302の上面302aは、ヒンジ(図示しない)によって開閉可能に設けられる。なお、上面302aは、ロック機構(図示しない)によって閉じた状態でロックすることができ、また、所定の鍵によって開けることが可能である。上面302aを開けると、特殊景品Wを収容可能な複数(12個)の景品カートリッジ301を筐体302の内部に出し入れ可能となる。
【0194】
景品カートリッジ301は、それぞれの景品払出口303に対して、それぞれの景品払出口303に向けて一列に並べて収容される。即ち、筐体302内には、景品払出口303の数分の列に景品カートリッジ301が並べられる。ここでは、4つの景品払出口303に対して、景品カートリッジ301が4列に並べられる一例を示しているが、前述した実施の形態の景品払出機10にように、景品払出口303を6個有し、それぞれの景品払出口303に対して、景品カートリッジ301を並べてもよい。なお、景品カートリッジ301の上面には、景品カートリッジ301の筐体302への出し入れや運搬を容易とする挿入用把持部301aが設けられる。
【0195】
図25に示すように、筐体302内に収容される景品カートリッジ301は、中空状のほぼ直方体形に形成される。また、景品カートリッジ301には、その長手方向の一端面が開口して、開口部310が形成される。平板状の特殊景品Wは、景品カートリッジ301内に積層されて収納される。景品カートリッジ301内で、最も下端に収納された特殊景品Wは、開口部310から外に露出される。
【0196】
開口部310の対向する縁部には、特殊景品Wの積層方向に突出すると共に、中途部において開口部310の内側に向かって直角に折り曲げられて突出した、一対の景品保持部311が設けられる。景品カートリッジ301内で最も下端に収納された特殊景品Wは、景品保持部311によって、特殊景品Wの積層方向に支持されると共に積層方向に垂直な方向すなわち水平方向に移動可能に案内される。また、図25に示すように、開口部310の、景品保持部311が設けられた縁部と直交する縁部には、景品カートリッジ301の長手方向に突出する突出部312が形成され、露出された特殊景品Wの水平方向の一方向への移動を規制している。
【0197】
また、開口部310の突出部312が設けられた縁部に対向する側面には、最も下端に収納された特殊景品Wの水平方向の移動を規制可能な板状の景品移動規制部材313が設けられる。景品移動規制部材313は、付勢部材(図示しない)によって下方に付勢され、特殊景品Wの水平方向の移動を規制する。また、景品移動規制部材313を、付勢部材の付勢力に抗して上方に押し上げることで、その規制を解除することができる。景品移動規制部材313を上方に押し上げるには、景品移動規制部材313に形成された開口部314に、所定の爪部材を引っ掛けて、上方に押し上げる。なお、景品カートリッジ301の側面には、景品移動規制部材313を開口部314を介して移動させるための、切欠き部315が設けられている。景品カートリッジ301内の最も下端に収納された特殊景品Wは、景品移動規制部材313を上方に押し上げた状態で、景品保持部311に沿って移動されることで、水平方向(特殊景品の積層方向に垂直な方向)に移動し、景品カートリッジ301から取り出される。
【0198】
また、図26に示すように、景品カートリッジ301は、その一側面が取り外し可能な景品カートリッジカバー316に形成され、その景品カートリッジカバー316を取り外すことで、その一側面が開口し、内部に特殊景品Wを入れることが可能となっている。ここでは、景品移動規制部材313が設けられた側面が景品カートリッジカバー316として構成されている。景品カートリッジカバー316は、水平断面がコ字状に形成される。
【0199】
また、景品カートリッジ301内には、景品カートリッジ301内に積層されて収納された特殊景品Wを、景品カートリッジ301内から開口部310の方向に押圧する錘317が設けられる。錘317は、景品カートリッジ301の側面に、特殊景品Wの積層方向に沿って開口部として設けられたレール部318に案内されて、特殊景品Wの積層方向即ち鉛直方向に上下動可能に設けられる。錘317は、積層された特殊景品Wの上に置かれる様に配置され、その自重によって特殊景品Wを積層方向に押すことによって、特殊景品Wを景品が取り出される開口部310の方向に押して特殊景品Wが次々にスムーズに取り出されるようにするとともに、特殊景品Wが景品カートリッジ301内で暴れ動くのを防ぐ役割を果たす。なお、錘317の下面に設けられた開口部からは、回転自在に設けられた円板状部材319の周縁部の一部が露出しており、最後の特殊景品Wが景品カートリッジ301から取り出される際に、錘317と特殊景品Wとの間の摩擦力を減じて、最後の特殊景品Wをスムーズに取り出すことが可能となっている。
【0200】
また、図25に示すように、景品カートリッジ301の側面には、収容された特殊景品Wの種類を識別するための識別部としての磁石を着脱することができる磁石ホルダー320が設けられる。磁石ホルダー320は、景品カートリッジ301の2つの水平方向長手面上に2個ずつ、全部で4つ設けられ、それぞれに一つずつの磁石を取り付けることができる。
【0201】
一方、景品払出機300は、筐体302内に収容された景品カートリッジ301に収納された特殊景品Wの種類を区別するための景品識別手段を備えてもよい。景品識別手段は、筐体302内に取り付けられた図示しないホール素子センサと、マイコン等の制御部とによって、各景品カートリッジ301の各磁石ホルダー320に磁石が取り付けられているか否かを検出し、磁石が取り付けられている磁石ホルダー320の位置の組み合わせによって、その景品カートリッジ301内に収納されている特殊景品Wの種類を識別するものである。景品識別手段によって区別された景品種類は、景品払出機300の制御部に設けられた景品選択手段によって、種類毎に異なる所定の数値として認識される。例えば、景品カートリッジ301の4つの磁石ホルダー320のうち、所定の磁石ホルダー320にのみ磁石が取り付けられている場合には、その景品カートリッジ301には所定の特殊景品Wが収納されていると認識するよう、景品識別手段を構成する。このように、景品カートリッジ301に設けられた識別部を、筐体302内に設けられた景品識別手段によって識別することによって、景品払出機300は、収容された各景品カートリッジ301に収納されている特殊景品Wの種類を識別することが可能となる。
【0202】
また、景品払出機300に、一実施の形態で述べた景品払出機10と同様に、景品載置検知センサを設け、その景品載置検知センサからの検知信号に基づいて、景品カートリッジ301内に残存する特殊景品Wの枚数を予測してもよい。例えば、景品保持部311上に残存する特殊景品Wの積層高さを、景品載置検知センサの検知信号に基づいて算出し、その積層高さを、1枚の特殊景品Wの厚さで除して、残存する特殊景品Wの枚数を予測することができる。また、例えば、景品カートリッジ301に特殊景品Wが満杯に満たされている場合には、その景品カートリッジ301に残存している特殊景品Wの情報を、景品払出機300の制御部に入力することで、初期値を設定することができる。
【0203】
ここで、景品払出機300において、全体を制御する主制御部と、景品払出口303に対して設置された同種の特殊景品Wを収納する各景品カートリッジ301を制御するレーン制御手段とを別個に設けてもよい。この場合には、各景品カートリッジ301を制御するレーン制御手段は、全体を制御する主制御部と通信可能に接続される。
【0204】
なお、この実施例の景品払出機300におけるレーンとしては、景品払出機300の内部に、景品カートリッジ301を景品払出機300の上方より着脱可能に、景品払出口303側から無端ベルト333に沿って縦方向に1列に並べて収容したものである。そしてこのレーンが景品払出機300の横方向に4個並べて構成される。
【0205】
さらに、上記した景品払出機300における特殊景品Wの払出動作について、図27を参照して詳細に説明する。
【0206】
図27は、1つの景品払出口303に対する景品払出機300の断面を示した図である。
【0207】
図27に示すように、3つの景品カートリッジ301は、景品払出口303に向けて一列に並べて筐体302内に収容されている。
【0208】
ここでは、1つのレーンに装着される、3つの各景品カートリッジ301には、用途に応じて、それぞれ異なる種類の特殊景品Wを収納してもよいし、同じ種類の特殊景品Wを収納してもよい。
【0209】
例えば、景品払出機300においては4つのレーンある場合が例示されているので、例えば、2つのレーンには、3つの各景品カートリッジ301に、それぞれ異なる種類の特殊景品Wを収納し、残りの2レーンには、それぞれ同じ種類の特殊景品Wを収納してもよい。このレーン構成とすることで、例えば、従来主として行われていた4円玉貸し用に対応する特殊景品Wを払い出す動作モードと、4円玉貸し用に対応する特殊景品W、1円玉貸し用に対応する特殊景品W、20円メダル貸し用に対応する特殊景品Wを条件に応じて払い出す動作モードの双方を1つの景品払出機300で行うことができる。
【0210】
景品搬送手段330は、水平方向に対向して配設された2つのプーリ331、332間に掛け渡された無端ベルト333と、無端ベルト333の外周面に突設されて無端ベルト333の駆動に伴って駆動する押動体334を備える。無端ベルト333は、プーリ331と同軸に固定されたプーリ337と、モータ335の回転軸に固定されたプーリ336と、プーリ337とプーリ336とに掛け渡された無端ベルト337とを介して、モータ335によって回転駆動される。
【0211】
無端ベルト333は、回転駆動されることで、その上半部が、水平方向(特殊景品の積層方向に垂直な方向)かつ景品カートリッジ301の並び方向かつ景品払出口303の方向に移動する。また、無端ベルト333に設けられた押動体334も、無端ベルト333の駆動に伴って、同じように、水平方向(景品の積層方向に垂直な方向)かつ景品カートリッジ301の並び方向に移動する。
【0212】
それぞれの景品カートリッジ301は、景品カートリッジ移動手段(図示しない)によって、所定の景品カートリッジ301内の、最も下端に積層された特殊景品Wを、開口部310を介して景品搬送手段330に選択的に接離するように移動される。ここでは、各景品搬送手段330は、景品カートリッジ移動手段(図示しない)によって上下動されることで、景品カートリッジ301内の最も端に積層された特殊景品Wが、押動体334に当接可能な位置と、当接不能な位置とに渡って移動する。
【0213】
ここで、景品カートリッジ移動手段、無端ベルト333などは、払出セット機構の一部として機能する。
【0214】
なお、初期状態として、景品カートリッジ移動手段によって、景品カートリッジ301のすべてが上方に上げられた状態、すなわち、押動体334に当接不能な位置に移動されている。この際、押動体334は、所定位置(初期位置)に位置している。なお、押動体334が複数形成されている場合には、そのうちのいずれか1つの押動体334が所定位置(初期位置)に位置している。この所定位置については、後に詳細に説明する。
【0215】
払い出すべき景品に関する景品払出情報が入力されると、景品払出情報に基づいて、レーン制御手段50は、モータ335を回転駆動させて無端ベルト333を回転させ、払い出すべき特殊景品Wが収納された景品カートリッジ301から特殊景品Wを取り出すための位置に押動体334を移動する。
【0216】
続いて、レーン制御手段50は、景品カートリッジ移動手段を駆動し、払い出すべき特殊景品Wが収納された景品カートリッジ301を、押動体334が景品カートリッジ301の最も下端の特殊景品Wに当接可能な位置に下降させる。
【0217】
図27では、左端(景品払出口303側)の景品カートリッジ301が、無端ベルト333に接近するよう下方に移動され、中央および右端に配置された景品カートリッジ301は、無端ベルト333から離間するよう、上方に移動された一例を示している。ここで、左端の景品カートリッジ301は、無端ベルト333の上面から下端の特殊景品Wとの距離が、押動体334の高さよりも短くなるように、無端ベルト333に接近している。また、他の景品カートリッジ301は、無端ベルト333の上面から下端の特殊景品Wとの距離が、押動体334の高さよりも長くなるように、無端ベルト333から離間される。
【0218】
なお、景品カートリッジ301を筐体302内に収容した際、景品移動規制部材313の開口部314には、筐体302内に設けられた爪部材(図示しない)が挿入される。この爪部材は、景品カートリッジ301が上方に移動された状態では、景品移動規制部材313を、下端の特殊景品Wの側面に当接して特殊景品Wの移動を規制する状態に保持する。また、景品カートリッジ301が下方に移動された状態では、景品移動規制部材313は、景品カートリッジ301に対して相対的に上方に移動され、下端の特殊景品Wが景品保持部311に沿って移動可能な状態となっている。
【0219】
図27に示す状態から、モータ335によって無端ベルト333が回転駆動されると、無端ベルト333の押動体334は、景品カートリッジ301の突出部312の間を通って下端の特殊景品Wに当接し、特殊景品Wを景品保持部311に沿って移動させ、特殊景品Wを景品カートリッジ301から取り出す。そして、その特殊景品Wを無端ベルト333と押動体334とによって運搬して、景品払出口303から払い出す。ここで、無端ベルト333などは、物品払出手段の一部としても機能する。また、無端ベルト333の押動体334が、景品カートリッジ301の突出部312の間を通って下端の特殊景品Wに当接または近接した位置が、払出位置として機能する。
【0220】
なお、搬送体は、無端ベルトに限定されるものではなく、搬送体として複数のチェーン、リング、紐などの所定の軌道を移動可能なものを用いることができる。
【0221】
また、景品カートリッジ移動手段からの情報に基づいて、景品カートリッジ301の移動位置を検知することもできる。例えば、特殊景品Wの払い出しを可能とするために、景品カートリッジ301が移動しているときの、景品カートリッジ301の移動段階を検知することで、最適な払い出し制御の選択を可能とする。
【0222】
ここで、景品カートリッジ301内の特殊景品Wが無くなったことを検知したときには、次の動作を行う。
【0223】
例えば、3つの各景品カートリッジ301に、それぞれ異なる種類の特殊景品Wを収納した場合には、レーン制御手段50は、特殊景品Wを有しない景品カートリッジ301を景品カートリッジ移動手段によって初期状態の位置に上昇させる。なお、この移動の際にも、他のレーンから払い出すべき特殊景品Wは払い出されている。
【0224】
一方、レーン制御手段50は、3つの各景品カートリッジ301に、同じ種類の特殊景品Wを収納した場合には、特殊景品Wを有しない景品カートリッジ301を景品カートリッジ移動手段によって初期状態の位置に上昇させるとともに、隣接する特殊景品Wを有する景品カートリッジ301を景品カートリッジ移動手段によって、押動体334が景品カートリッジ301の最も下端の特殊景品Wに当接可能な位置に下降させる。なお、この際、レーン制御手段50は、モータ335を回転駆動させて無端ベルト333を回転させ、押動体334を、隣接する特殊景品Wを有する景品カートリッジ301の突出部312の近傍に移動させる。なお、この移動の際にも、他のレーンから払い出すべき特殊景品Wを払い出してもよい。
【0225】
次に、特殊景品Wの払い出し動作が終了した後における払出セット機構の動作について説明する。
【0226】
まず、3つの各景品カートリッジ301に、それぞれ異なる種類の特殊景品Wを収納した場合に対応する動作モードが設定されているときについて説明する。
【0227】
払い出すべき特殊景品Wを外部に払い出した後、レーン制御手段50は、払い出された特殊景品Wを収納する景品カートリッジ301を景品カートリッジ移動手段によって初期状態の位置に上昇させる。続いて、レーン制御手段50は、モータ335を回転駆動させて無端ベルト333を回転させ、押動体334を、所定位置(初期位置)に位置させる。
【0228】
なお、次の景品払出情報が入力された場合には、この初期位置から、前述した払い出し動作を行う。
【0229】
次に、同じ種類の特殊景品Wを収納した場合に対応する動作モードが設定されているときについて説明する。
【0230】
払い出すべき特殊景品Wを外部に払い出した後、払い出された特殊景品Wを収納する景品カートリッジ301をそのままの位置に維持し、押動体334を、払い出された特殊景品Wを収納する景品カートリッジ301の突出部312の近傍に移動させる。同じ種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ301を使用する場合には、次に払い出す特殊景品Wが決まっているため、払い出された特殊景品Wを収納する景品カートリッジ301をそのままの位置に維持した方が次の払い出し動作を直に行うことができる。さらに、押動体334を、払い出された特殊景品Wを収納する景品カートリッジ301の突出部312の近傍に移動させることで、次の払い出し動作を直に行うことができる。
【0231】
ここで、景品カートリッジ移動手段は、景品カートリッジ301を上下動されることで、景品カートリッジ301内の最も端に積層された特殊景品Wが、押動体334に当接可能な位置と、当接不能な位置とに渡って移動することができるものであればよい。
【0232】
図28は、景品カートリッジ移動手段の一例を示す図である。図28に示された景品払出機は、上記した景品払出機300にカム接触部材350を備えたものである。なお、景品払出機300と同一の構成部分には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0233】
図28に示すように、各景品カートリッジ301の底部にカム接触部材350を設け、カム接触部材350をカム340a、340b、340cに押接させて支持し、カム340a、340b、340cを回転させることで、景品カートリッジ301を上下動させてもよい。このように構成することで、カム340a、340b、340cの凸部の形状によって、景品カートリッジ301内の最も端に積層された特殊景品Wに、押動体334が当接可能な位置または当接不能な位置に景品カートリッジ301を移動させることができる。なお、各カム340a、340b、340cは、例えば、駆動モータなどによって回転される。
【0234】
図29は、景品カートリッジから特殊景品Wを取り出すための他の構成の一例を示す図である。図28に示された景品払出機は、上記した景品払出機300と搬送部の構成を変えたものである。なお、景品払出機300と同一の構成部分には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0235】
図29に示すように、無端ベルト333の内周側から無端ベルト333を景品カートリッジ301内の特殊景品Wの方向に押圧する押圧手段360を備えてもよい。これによって、景品カートリッジ301を上下動することなく、無端ベルト333の押動体334が、所定の景品カートリッジ301の突出部312の間を通って下端の特殊景品Wに当接し、景品カートリッジ301から特殊景品Wを取り出すことができる。
【0236】
(払出セット機構における初期位置(所定位置))
ここでは、上記した構成を備える景品払出機300における、景品カートリッジ移動手段、無端ベルト333などの払出セット機構の初期位置(所定位置)について説明する。
【0237】
図30は、景品カートリッジ移動手段、無端ベルト333などの払出セット機構の初期位置を説明するための景品払出機300の断面を示した図である。
【0238】
3つの各景品カートリッジ301に、それぞれ異なる種類の特殊景品Wを収納した場合、払い出すべき景品に関する景品払出情報に基づいて、選択された景品カートリッジ301に収納された特殊景品Wを外部に払い出した後、払い出された特殊景品Wを収納する景品カートリッジ301は、初期状態の位置に上昇され、無端ベルト333の押動体334は、図30に示すように、所定位置(初期位置)に位置させる。すなわち、払出セット機構が初期位置にあるとは、図30に示すように、すべての景品カートリッジ301が初期状態の位置に上昇され、無端ベルト333の押動体334が所定位置(初期位置)にあることをいう。
【0239】
そして、次の景品払出情報に基づいて、無端ベルト333を回転させ、押動体334を選択された景品カートリッジ301の突出部312の近傍に対応する位置に移動し、選択された景品カートリッジ301を降下させる(図29の例では、選択された景品カートリッジ301に対応する押圧手段360を上昇させる)。そして、押動体334を特殊景品Wに当接させ(払出位置)、景品カートリッジ301から特殊景品Wを取り出す。
【0240】
なお、次の景品払出情報に基づいて、払出セット機構を、上記した払出位置に移動することが好ましいが、少なくとも、押動体334が、選択された景品カートリッジ301の突出部312の近傍に対応する位置に位置すればよい。
【0241】
この動作は、例えば、景品管理装置(POS)からの景品払出情報に基づいて、払い出す特殊景品Wは特定できたものの、例えば、すべて特殊景品Wと交換するか否かが不明な場合に好適である。すなわち、少なくとも、押動体334が、選択された景品カートリッジ301の突出部312の近傍に対応する位置にあれば、その後の景品払出情報で、すべて特殊景品Wと交換すると判定した場合であっても、その特殊景品Wを払い出し可能な払出位置に移動する時間を短縮することができる。
【0242】
次に、押動体334の所定位置(初期位置)(以下、押動体334の初期位置という)について説明する。
【0243】
ここで、初期位置は、例えば、3つの景品カートリッジ301の幅(図30中のL)の中間位置に対応する位置を中心Oとして、押動体334の移動方向の一方の方向および他方の方向に一定範囲を含んで構成される移動領域内のいずれかの位置に対応する位置であることが好ましい。この移動方向の一方の方向および他方の方向に一定範囲を含んだ範囲Mは、押動体334を水平方向に2等分する中心Pが位置する範囲である。また、この範囲Mが、初期位置に対応する範囲である。また、範囲Mは、中心Oを中心として、移動方向の一方の方向および他方の方向に、それぞれ景品カートリッジ301の幅Nの1/2の長さ(N/2)を有する範囲である。
【0244】
このように、3つの景品カートリッジ301の幅(図30中のL)の中間位置に対応する位置(中心O)から、移動方向の一方の方向および他方の方向に、それぞれM/2の範囲内に支持部材131の中心Pが位置するように、押動体334の初期位置を設定することで、いずれの景品収納部100が選択されても、押動体334を移動して、その選択された景品カートリッジ301に収容された特殊景品Wを、迅速に払出位置に移動することができる。すなわち、図30における左の景品カートリッジ301が選択された場合には、押動体334は初期位置から左方向に移動し、また、図30における右の景品カートリッジ301が選択された場合には、押動体334は右側に反転して移動する。
【0245】
また、押動体334の初期位置は、前述した図16に示した方法で設定されてもよい。すなわち、前述した図16に示した方法で設定された位置または範囲に、押動体334の中心Pが位置すればよい。
【0246】
なお、同じ種類の特殊景品Wを収納した景品カートリッジ33を使用する場合には、払出セット機構を初期位置に戻さずに、景品払出情報に基づいて払い出すべき景品を全て払い出した後も、払出セット機構を払出位置の状態に維持してもよい。
【0247】
また、景品払出機300にいて、景品払出情報に基づいて払い出すべき景品を全て払い出した後も、払出セット機構を払出位置の状態に維持する動作モードと、払い出すべき特殊景品Wを外部に払い出した後、払出セット機構を初期位置に位置させる動作モードとを切り替え可能としてもよい。この動作モードの切り替えは、例えば、モード切替ボタン(図示しない)などによって設定できるようにしてもよい。
【0248】
上記したように、3つの各景品カートリッジ301に、それぞれ異なる種類の特殊景品Wを収納した場合に、各払い出し動作後、払出セット機構を初期位置に位置させることで、特殊景品Wを払い出し可能な払出位置に移動する時間を短縮することができ、景品交換を行う際の時間の短縮することができる。
【0249】
(景品払出システム400)
次に、景品払出システム400について、図31〜図34を参照して説明する。
【0250】
図31は、本発明の一実施の形態の物品払出機として機能する景品払出機10を有する景品払出システム400を備えた遊技データ収集システムの概要図である。
【0251】
この遊技データ収集システムでは、複数のパチンコ機2および複数のパチンコ機2のそれぞれに接続された台間機3、4、複数のスロットマシン5およびメダル払出用の台間機6間に接続された台間機6が島コンピュータ7を介してネットワーク8に接続されている。
【0252】
また、ネットワーク8には、例えば、遊技媒体であるパチンコ玉やメダルの数量を計数して貯玉数とする計数機9、受け入れた会員用ICカードまたは非会員用ICカードの度数(有価価値)残高を現金で返却する精算機18、受け入れた会員用ICカードや貯玉数の情報が記録されたレシートから貯玉数を参照し、貯玉数とその貯玉数により交換される景品種別と数量の表示を行い、景品払出機10が併設される場合、景品払出機10へ払い出す景品の種別と数量を指示する景品管理機(POS)11などが接続されている。
【0253】
さらに、会員用ICカードに記憶されたIDに基づいて管理装置13の記憶部に記憶された貯玉数があれば再プレー用貯玉数の情報を書き換える旨の要求信号を、ネットワーク8を介して管理装置13に送信し、再プレーを行える状態にする再プレー受付機12、受け入れた紙幣額に対して購入度数ボタンで選択された金額に対応する度数を、会員用ICカードに更新したり、その金額に対応する度数が記憶された非会員用ICカードの発行を行う発券機20、各遊技機の上部に取り付けられ、各遊技機における、例えば、スランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報を表示するデータ表示機21、各遊技機の、例えば、スランプグラフ、スタート回数、大当たり回数などの情報を検索可能であり、その検索情報を表示部に表示して遊技客に提供するデータ公開機22などが接続されている。
【0254】
ここで、会員の遊技客とは、住所、氏名、年齢、性別、好きな台、連絡先、暗証番号などの属性情報が会員の遊技客を互いに識別するIDに基づいて管理装置に登録され、会員用ICカードを有する遊技客をいう。また、非会員の遊技客とは、会員登録されていない一般の遊技客をいう。
【0255】
また、会員用ICカードや非会員用ICカードには、例えば、ICチップと、そのICチップを取り巻くアンテナ部とを有し、アンテナ部を介してICチップに情報の読み書きをすることができる非接触型の記憶媒体などが使用される。
【0256】
上記した各機器からの情報は、ネットワーク8を介して管理装置13に出力され、さらに、プロトコルコンバータ14、モデム15を介して外部の統括情報センタ24の統括管理装置25に送信される。この統括管理装置25には、例えば、他の遊技ホールからの情報も送信され、統括管理装置25では、各遊技ホール毎の集計やグループ遊技ホール全体における集計などを行うこともできる。また、統括管理装置25において集計された情報を各遊技ホールの管理装置13に備えられたパーソナルコンピュータ17などで見ることができる。一方、管理装置13からの情報は、ネットワーク8を介して各機器に出力することもできる。
【0257】
また、上記した遊技データ収集システムにおいて、島コンピュータ7を除いた遊技機端末装置27から直接管理装置13に伝送する構成としてもよいし、島コンピュータ7を管理装置13に内蔵させてもよい。
【0258】
管理装置13および島コンピュータ7などの少なくとも1つを遊技データ収集装置として機能させることも可能である。管理装置13は、少なくとも、遊技媒体を管理する遊技媒体数管理装置として機能し、少なくとも、遊技媒体数を特定するための、例えばカードID情報などの遊技媒体数特定情報に基づいて、遊技媒体数を管理することができる。また、管理装置13は、上記した台間機3、4、6、計数機9、精算機18、景品管理機(POS)11、再プレー受付機12、発券機20、データ表示機21、データ公開機22などの機器からの情報を管理する機能も備えている。
【0259】
なお、勿論、島コンピュータ7を遊技データ収集装置として機能させた場合においても、管理装置13を遊技データ収集装置として機能させた場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0260】
図32は、前述した景品払出機10に配線を介して景品管理機(POS)11が接続された景品払出システム400の一例を示す図である。
【0261】
なお、ここには、景品払出機10に配線を介して景品管理機(POS)11が接続された景品払出システム400の一例を示しているが、前述したように、景品払出システム400は、ネットワークを介して管理装置13に接続されている。なお、景品管理機(POS)11に、例えば管理装置13としての機能、特に景品交換に係る情報を有する管理装置13としての機能を備えてもよい。
【0262】
また、図33は、景品管理機(POS)11の構成部を示す図、図34は、景品管理機(POS)11における動作の流れを示す図である。
【0263】
まず、図32を参照して、景品払出機10に接続された景品管理機(POS)11の構成について説明する。なお、ここでは、上述した景品払出機10を備えた景品払出システム400の一例について説明するが、景品払出システム400に、上述した景品払出機300を備えることもできる。
【0264】
景品管理機(POS)11は、ICカード挿入口401、入力用テンキーボード402、バーコードリーダ403、表示部404、特殊景品ボタン405、一般景品選択部406で主に構成されている。
【0265】
景品管理機(POS)11は、ICカード挿入口401より挿入されたICカードより貯玉数を参照し、貯玉数とその貯玉数により交換される景品種別と数量の表示を行い、払い出す景品の種別と数量の情報を景品払出機10に出力するものである。ここで、ICカードは、カード形状を有し、従来から遊技システムで使用されていたICチップおよびアンテナを有する記憶媒体である。ICカードとして、例えば、会員用ICカードや非会員用ICカードがある。
【0266】
また、景品管理機(POS)11において、獲得した遊技媒体数を計数する計数機9で発券されたレシートを用いる場合には、バーコードリーダ403でレシートに記録されたバーコード情報を読み取り、その情報に基づく貯玉数の範囲で、景品の種類と数量の情報を景品払出機10に出力するものである。
【0267】
入力用テンキーボード402は、例えば、ICカードの暗証番号の入力、景品払出機10への動作指示などを行う際の入力手段として用いられる。
【0268】
特殊景品ボタン405は、例えば、4円玉貸し用に対応する特殊景品W、1円玉貸し用に対応する特殊景品W、20円メダル貸し用に対応する特殊景品Wなどの特殊景品Wを景品払出機10から払い出す際に押されるボタンである。特殊景品ボタン405が押された場合には、景品管理機(POS)11は、貯玉数より端玉(景品と交換後の残り玉)を最小にするよう計算し、払い出す特殊景品Wの種類、数量を決定し、その情報を景品払出機10に出力する。
【0269】
一般景品選択部406は、例えば、タバコ、ジュースなどの一般景品と交換する場合に、交換したい景品や個数を選択する入力手段である。一般景品と交換する場合には、店員などが景品を払い出すことが多いが、景品払出機などで自動的に景品を払い出すこともできる。
【0270】
図33に示すように、景品管理機(POS)11は、制御部410、ICカード処理部411、記録媒体処理部412、選択ボタン検知部413、景品払出処理部414から主に構成されている。
【0271】
制御部410は、演算装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)から主に構成され、CPUでは、ROMやRAMに格納されたプログラムやデータなどを用いて各種の演算処理を実行する。この制御部410では、ICカード処理部411、記録媒体処理部412、選択ボタン検知部413、景品払出処理部414の各機部間の信号の出入力を制御している。
【0272】
ICカード処理部411は、ICカード挿入口401から挿入されたICカードに記憶された、例えば、景品と交換すべく遊技媒体数に対応する遊技媒体数情報などの読み取り、その読み取った情報の制御部410への出力、制御部410からの更新された遊技媒体数情報などのICカードへの書き込みなどを行うもので、例えば、リーダライタなどで構成される。ここで、遊技媒体数情報とは、貯玉数または貯メダル数の情報である。なお、例えば、貯玉数または貯メダル数の情報をID情報に基づいて管理している場合には、遊技媒体数情報として、そのID情報を含んでもよい。
【0273】
記録媒体処理部412は、バーコードリーダ403などによって、レシートに記録されたバーコード情報から、例えば遊技媒体数情報を読み取り、その読み取った情報を制御部410に出力するものである。
【0274】
ICカード処理部411や記録媒体処理部412で読み取られた、例えば、遊技媒体数情報は、表示部404に表示される。また、表示部404には、景品交換される景品の種類や個数なども表示することができる。なお、例えば、景品管理機(POS)11が管理装置13と交信可能に接続されている場合には、ICカード処理部411や記録媒体処理部412において、景品と交換すべく遊技媒体数を特定するための遊技媒体数特定情報なども読み取られる。遊技媒体数特定情報は、例えばID情報などの遊技媒体数を特定するための情報であればよい。また、遊技媒体数特定情報として、貯玉数または貯メダル数などの遊技媒体数を含んでもよい。
【0275】
選択ボタン検知部413は、入力用テンキーボード402、特殊景品ボタン405、一般景品選択部406などの選択ボタンが押されたことを検知し、その押された信号に基づいて、制御部410に信号を出力するものである。
【0276】
景品払出処理部414は、選択ボタン検知部413で検知された信号に基づいて、例えば、景品払出機10に払い出される特殊景品Wの種類や個数などの景品払出情報を出力するものである。また、景品払出処理部414は、景品払出機10の主制御手段48と回線を介して接続され、信号の入出力が可能である。すなわち、景品払出機10は、景品払出機10の入力手段を介して景品管理機(POS)11からの情報を入力することができる。また、景品払出機10は、景品払出機10の出力手段を介して景品管理機(POS)11に情報を出力することができる。なお、景品払出機10における入出力手段の機能を、主制御手段48に備えても、その他の手段に備えてもよい。
【0277】
そして、制御部410によって制御される、ICカード処理部411、記録媒体処理部412、選択ボタン検知部413、景品払出処理部414の各機器部は、次のように動作する(図34)。
【0278】
以下に、図34を参照して景品管理機(POS)11の動作を中心に管理装置13、景品払出機10の動作を含めて説明する。
【0279】
制御部410は、ICカード処理部411からの情報に基づいてICカードが挿入されているか否かを判定する(ステップS420)。
【0280】
ステップS420の判定で、ICカードが挿入されていないと判定した場合(ステップS420のNo)には、バーコードリーダによって、レシートに記録された、ID情報や貯玉数などの遊技媒体数情報や遊技媒体数特定情報を読み取る(ステップS421)。なお、ICカード処理部411において読み取られた遊技媒体数情報や遊技媒体数特定情報は、制御部410に出力される。
【0281】
制御部410は、遊技媒体数情報や遊技媒体数特定情報に基づいて、管理装置13にレシートから読み取ったID情報を出力する(ステップS422)。
【0282】
制御部410は、出力したID情報が管理装置13において登録されているか否かを判定する(ステップS423)。
【0283】
なお、景品管理機(POS)11が管理装置13と交信可能に接続されていない場合には、景品管理機(POS)11にID情報を登録し、シートから読み取ったID情報が、景品管理機(POS)11にID情報として登録されているか否かを判定してもよい。
【0284】
ステップS423の判定で、出力したID情報が管理装置13において登録されていないと判定した場合(ステップS423のNo)には、制御部410は、表示部404に、例えば、「このレシートは使用できません」などのエラー表示を行う(ステップS424)。そして、ステップS424の処理を実行後、ステップS420の処理に戻る。
【0285】
一方、ステップS423の判定で、出力したID情報が管理装置13において登録されていると判定した場合(ステップS423のYes)には、ステップS430の処理を実行する。
【0286】
ステップS420の判定で、ICカードが挿入されていると判定した場合(ステップS420のYes)には、ICカード処理部411は、ICカードに記憶された暗証番号を読み取り、読み取った暗証番号を制御部410に出力する(ステップS425)。
【0287】
また、選択ボタン検知部413は、入力用テンキーボード402で入力された暗証番号を検知し、その検知信号を制御部410に出力する(ステップS426)。
【0288】
制御部410は、ICカードから読み取られた暗証番号と入力用テンキーボード402で入力された暗証番号とを比較判定する(ステップS427)。
【0289】
ステップS427の判定で、双方の番号が一致しないと判定した場合(ステップS427の「NG」)には、ICカード処理部411によって、ICカードがカード挿入口401から返却される(ステップS428)。そして、ステップS428の処理を実行後、ステップS420の処理に戻る。
【0290】
ただし、ここで、ICカードを返却せずに、店員に暗証番号が一致しない旨を報知し、店員がそのICカードを利用した遊技客に、例えば、生年月日や電話番号などを質問し、遊技客による回答が、実際に登録されているものと一致すれば、忘れた暗証番号の変更手続きを取れるようにしてもよい。
【0291】
一方、ステップS427の判定で、双方の番号が一致すると判定した場合(ステップS427の「OK」)には、ICカード処理部411は、遊技媒体数情報や遊技媒体数特定情報を読み取り、制御部410にその情報を出力する(ステップS429)。
【0292】
続いて、制御部410は、選択ボタン検知部413からの情報に基づいて、特殊景品ボタン405が押されたが否かを判定する(ステップS430)。
【0293】
ステップS430の判定で、特殊景品ボタン405が押されていないと判定した場合(ステップS430のNo)には、景品交換が要求されているものが、一般景品の、例えば、タバコやジュースなどであるため、選択ボタン検知部413からの情報に基づいて、一般景品選択部406で選択された景品および数量の情報を入力する(ステップS431)。
【0294】
選択ボタン検知部413で判定された検知信号は、制御部410を介して景品払出処理部414に出力される。選択された一般景品は、その種別と数量が表示部404に表示される(ステップS432)。
【0295】
続いて、制御部410において、払出景品在庫数から払い出された景品の数量を差し引き、その情報を景品払出処理部414に出力し、景品払出処理部414では払出景品在庫数の情報を更新する(ステップS433)。
【0296】
ステップS430の判定で、特殊景品ボタン405が押されたと判定した場合(ステップS430のYes)には、制御部410は、景品払出処理部414からの情報に基づいて、景品払出機10が併設されているか否かを判定する(ステップS434)。
【0297】
ステップS434の判定で、景品払出機10が併設されていると判定した場合(ステップS434のYes)には、制御部410は、遊技媒体数情報や遊技媒体数特定情報から払い出される特殊景品Wの種類およびその個数などを算出し、その算出した情報を景品払出処理部414および表示部404に出力する。そして、景品払出処理部414は、その算出した特殊景品Wの払い出しに関する情報を景品払出機10に出力し、景品払出機10から特殊景品Wを払い出させる(ステップS435)。また、表示部404は、その算出した特殊景品Wの払い出しに関する情報に基づいて、払い出される特殊景品Wの種類および数量などを表示する。
【0298】
ここで、景品管理機(POS)11から特殊景品Wの払い出しに関する情報を入力した景品払出機10は、その情報に基づいて、前述した景品払出機10の動作により特殊景品Wを払い出す。
【0299】
ステップS434の判定で、景品払出機10が併設されていないと判定した場合(ステップS434のNo)には、制御部410は、遊技媒体数情報や遊技媒体数特定情報から払い出される特殊景品Wの種類およびその個数などを算出し、その算出した情報を表示部404に出力する。そして、表示部404は、その算出した特殊景品Wの払い出しに関する情報に基づいて、払い出される特殊景品Wの種類および数量などを表示する。この場合には、店員などによって、その表示部404の表示に基づいて、特殊景品Wが払い出される(ステップS436)。
【0300】
続いて、制御部410において、特殊景品在庫数から払い出された特殊景品の数量を差し引き、その情報を景品払出処理部414に出力し、景品払出処理部414では特殊景品在庫数の情報を更新する(ステップS437)。
【0301】
続いて、再度、制御部410は、ICカード処理部411からの情報に基づいて、ICカードが挿入されているか否かを判定する(ステップS438)。
【0302】
ステップS438の判定で、ICカードが挿入されていないと判定した場合(ステップS438のNo)には、景品払出処理部414は、景品と交換された貯玉数などの遊技媒体数情報および払い出された景品の種類や個数を記憶する(ステップS439)。
【0303】
なお、景品払出処理部414に記憶されたこれらの情報は、所定期間記憶されている。また、景品管理機(POS)11が管理装置13と交信可能に接続されている場合には、景品払出処理部414に記憶されたこれらの情報を、管理装置13に出力し、管理装置13において、ID情報などの遊技媒体数情報や遊技媒体数特定情報に基づいて管理してもよい。
【0304】
ステップS438の判定で、ICカードが挿入されていると判定した場合(ステップS438のYes)には、景品払出処理部414は、景品と交換された貯玉数などの遊技媒体数情報および払い出された景品の種類や個数を記憶する(ステップS440)。また、制御部410は、この景品と交換された貯玉数などの遊技媒体数情報に基づいて、遊技媒体数情報を更新し、更新した遊技媒体数情報をICカード処理部411に出力する。ICカード処理部411は、その更新した有価情報に基づいてICカードの遊技媒体数情報や遊技媒体数特定情報を更新し、ICカード挿入口401からICカードを返却する(ステップS440)。
【0305】
なお、景品管理機(POS)11が管理装置13と交信可能に接続されている場合には、更新された情報は、管理装置13に出力され、管理装置13において、ID情報などの遊技媒体数情報や遊技媒体数特定情報に基づいて管理される。
【0306】
続いて、制御部410は、選択ボタン検知部413からの情報に基づいて、入力用テンキーボード402に設けられた景品カートリッジ取出ボタンが押されたか否かを判定する(ステップS441)。
【0307】
ここで、景品カートリッジ取出ボタンは、景品払出機10内に装填されている景品カートリッジ33を景品払出機10から取り出す際に押されるボタンであり、景品管理機(POS)11からも、取り出しに関する指示を景品払出機10に出すことができる。また、景品カートリッジ33の取り出しに関する指示は、景品管理機(POS)11から以外にも、例えば、景品払出機10の操作表示パネル41に設けられたテンキー41fなどによって行うこともできる。
【0308】
ステップS441の判定で、景品カートリッジ取出ボタンが押されていないと判定した場合(ステップS441のNo)には、ステップS420の処理に戻る。
【0309】
一方、ステップS441の判定で、景品カートリッジ取出ボタンが押されたと判定した場合(ステップS441のYes)には、景品払出処理部414は、景品払出機10に接続解除移送指示情報を出力する(ステップS442)。この接続解除移送指示情報とは、景品払出機10において、支持部材131の上面がカートリッジ設置板134より下方に位置するまで景品支持部170を下降させ、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な位置に移動するための情報である。なお、ここでは、景品払出機10を例示して説明しているが、前述した景品払出機300を使用した場合においても、接続解除移送指示情報の意味するところは同じである。すなわち、接続解除移送指示情報は、景品カートリッジ301を取り出し可能な状態にするための情報である。
【0310】
この接続解除移送指示情報を入力した景品払出機10では、景品支持部170を下降させる方向にステッピング駆動モータ151を回転し、景品支持部170の支持部材131の上面がカートリッジ設置板134より下方に位置するまで景品支持部170を下降させる。続いて、下部ユニット43の底部に設置されたステッピング駆動モータ136を回転させ、景品カートリッジ33を景品カートリッジ挿入口32から取り出し可能な位置に移動する。
【0311】
続いて、制御部410は、暗証番号入力要求情報を表示部404に出力し、表示部404は、その情報に基づいて、例えば「暗証番号を入力して下さい」などを表示する(ステップS443)。
【0312】
制御部410は、選択ボタン検知部413からの情報に基づいて、入力用テンキーボード402から入力された暗証番号と、予め記録された暗証番号が一致するか否かを判定する(ステップS444)。
【0313】
ステップS444の判定で、入力された暗証番号と、予め記録された暗証番号が一致しないと判定した場合(ステップS444のNo)には、制御部410は、暗証番号が異なることを表示する情報を表示部404に出力し、表示部404は、その情報に基づいて、例えば「暗証番号が違います」などを表示する(ステップS445)。
【0314】
一方、ステップS444の判定で、入力された暗証番号と、予め記録された暗証番号が一致すると判定した場合(ステップS444のYes)には、制御部410は、景品払出処理部414に、背面扉31の施錠機構31aを解除し、かつ景品払出機10のカートリッジ挿入口扉45のロック機能部49の係合を解除する情報を出力する(ステップS446)。景品払出処理部414は、その情報を景品払出機10に出力し、景品払出機10の主制御手段48は、その情報に基づいて、背面扉31の施錠機構31aを解除し、かつ景品払出機10のカートリッジ挿入口扉45のロック機能部49の係合を解除して、カートリッジ挿入口扉45を開閉可能な状態にする。
【0315】
さらに、制御部410は、カートリッジ挿入口扉45が開閉可能となったことを表示する情報を表示部404に出力し、表示部404は、その情報に基づいて、例えば「カートリッジ挿入口扉を開くことができます」などを表示する(ステップS447)。なお、この表示は、景品払出機10の表示部41aに表示させることもできる。
【0316】
上記した景品払出システム400によれば、上述した景品払出機10の特徴に加え、景品払出機10に景品管理機(POS)11を併設しシステム化することで、特殊景品Wの払い出しを景品管理機(POS)11からの情報に基づいて、一貫して自動的に行うことができる。
【0317】
また、景品払出機10に装填された景品カートリッジ33の取り出しを指示する景品カートリッジ取出ボタンが景品管理機(POS)11に設けられているので、景品管理機(POS)11からの指示により、景品払出機10に装填された景品カートリッジ33を自動的に取り出し可能な位置に移動させることができる。また、通常、従業員が入力操作などを行う景品管理機(POS)11から景品払出機10に装填された景品カートリッジ33の取り出しを指示することができるので、従業員がわざわざ景品払出機10までいって取り出しを指示する手間を省くことができ、作業効率の向上を図ることができる。
【0318】
以上、本発明を一実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【符号の説明】
【0319】
2…パチンコ機、3、4、6…台間機、5…スロットマシン、7…島コンピュータ、8…ネットワーク、9…計数機、10…景品払出機、12…再プレー受付機、13…管理装置、14…プロトコルコンバータ、15…モデム、17…パーソナルコンピュータ、18…精算機、20…発券機、21…データ表示機、22…データ公開機、24…統括情報センタ、25…統括管理装置、27…遊技機端末装置、31…背面扉、31a…施錠機構
31b…把持部、31c…背面扉開扉検知手段、32…景品カートリッジ挿入口、33…景品カートリッジ、34…景品払出ユニット、35…景品払出口、36…景品押出部、37…排出天板、38…払出口指示点灯部、39…表示部、40…スピーカ、41…操作表示パネル、41a…表示部、41b…エラー発生点灯部、41c…併設景品管理装置数点灯部、41d…レディ点灯部、41e…パネル、41f…テンキー、41g…リセットボタン、41h…モード切替ボタン、42…上部ユニット、43…下部ユニット、44…景品搬送ユニット、45…カートリッジ挿入口扉、45a…係止開口部、45b…回動支持部材、45c…カートリッジ挿入口扉把持部、47…接点スイッチ、48…主制御手段、49…ロック機能部、50…レーン制御手段、100…景品収納部、101…景品ストッパ、102…ガイド、103…挿入用把持部、106…マグネット用プレート、107…光反射板、108…位置検知センサ、110…キャッチ手段、111…マグネット、130…カートリッジガイドレール、131…支持部材、132…昇降台、133…ガイドローラ、134…カートリッジ設置板、135…切欠部、136…ステッピング駆動モータ、137…タイミングベルト、151…ステッピング駆動モータ、152、190a、191…ギヤ部、153…スパイラルシャフト、154…リニアシャフト、155a、155b…リニアガイド、156…位置検知板、157…位置検知センサ、158…開口部
159…景品載置検知センサ、160…エンコーダ部、170…景品支持部、180…当接部、181…景品受ローラ、182…景品押出爪、183…景品スタッカ部、184…回転ベルト、185…弾性部材、186…軌道レール、187…摺動部材、188…位置検知板、188a、188b…凸部、189…位置検知センサ、190…スタッカ部昇降台、192…ステッピング駆動モータ、193…前ゲート、194…後ゲート、195…開口部、201…押出板、202…押出板接合部材、W…特殊景品。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する複数の物品収納部と、
払い出すべき物品に関する物品払出情報を入力する入力手段と、
前記物品払出情報に基づいて、前記複数の物品収納部の中から1つの物品収納部を選択し、選択された物品収納部に収納された物品を外部に払い出し可能な払出位置に移動する払出セット機構と、
前記選択された物品収納部から前記物品払出情報に基づいて物品を払い出す物品払出手段と、
前記払出セット機構が選択可能な複数の物品収納部に同一の種類の物品を収納する場合に対応して設定される第1の動作モード、および前記払出セット機構が選択可能な複数の物品収納部に異なる種類の物品を収納する場合に対応して設定される第2の動作モードを切り換え可能な動作モード切換手段と、
前記第1の動作モードに設定された場合には、前記物品払出手段が1つの前記物品払出情報に基づいて払い出すべき物品を全て払い出した後、前記払出セット機構を前記払出位置から動作しないように制御し、前記第2の動作モードに設定された場合には、前記物品払出手段における物品の払い出し動作の完了後に、前記払出セット機構が移動される所定位置から、前記物品払出情報に基づいて選択された物品収納部における前記払出位置または前記所定位置よりも前記払出位置側の位置に前記払出セット機構を移動させるように制御する動作制御手段と
を具備することを特徴とする物品払出機。
【請求項2】
前記払出位置は、前記払出セット機構が前記物品収納部に収納された物品に当接する位置であることを特徴とする請求項1記載の物品払出機。
【請求項3】
前記払出位置は、前記物品収納部に収納された物品を外部に搬送するための搬送部に突設された物品を外部に押し出すための突起部が、払い出すべき物品に近接する位置であることを特徴とする請求項1記載の物品払出機。
【請求項4】
前記第2の動作モードに設定された場合、前記払出セット機構は、前記物品払出情報を受けて、前記所定位置から移動し、選択された前記物品収納部に収納された物品と当接し、当該物品を前記払出位置または前記所定位置より前記払出位置側の位置に移動することを特徴とする請求項1記載の物品払出機。
【請求項5】
前記払出セット機構は、前記物品収納部に収納された物品を収納する方向に移動することを特徴とする請求項4記載の物品払出機。
【請求項6】
前記第2の動作モードに設定された場合、前記払出セット機構は、各払い出し動作の完了毎に、前記払出位置から前記物品収納部の内部を通って前記物品収納部の外部に移動し、前記所定位置に移動することを特徴とする請求項5記載の物品払出機。
【請求項7】
物品が前記物品収納部に内在された状態、または前記物品収納部から取り出された後の状態において、搬送すべき物品と当接して物品を搬送する搬送部をさらに備え、
前記第2の動作モードに設定された場合、前記払出セット機構は、前記入力手段が入力した前記物品払出情報に基づいて選択された物品収納部を、前記所定位置から、前記払出位置または前記所定位置よりも前記払出位置側の位置に移動することを特徴とする請求項1記載の物品払出機。
【請求項8】
物品が前記物品収納部に内在された状態、または前記物品収納部から取り出された後の状態において、搬送すべき物品と当接して物品を搬送する搬送部をさらに備え、
前記第2の動作モードに設定された場合、前記払出セット機構は、前記入力手段が入力した前記物品払出情報に基づいて、前記複数の物品収納部の中から1つの物品収納部を選択し、前記搬送部を前記所定位置から、前記払出位置または前記所定位置よりも前記払出位置側の位置に移動することを特徴とする請求項1記載の物品払出機。
【請求項9】
前記第2の動作モードに設定された場合において、払い出す頻度の高い物品を特定する払出頻度特定手段を備え、
前記所定位置は、前記払出頻度特定手段により特定された払い出す頻度の高い物品が収納された物品収納部とは異なる物品収納部よりも、前記払出頻度特定手段により特定された物品収納部に近い位置であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の物品払出機。
【請求項10】
前記払出頻度特定手段により特定された物品収納部に近い位置が、前記払出セット機構が前記払出頻度特定手段により特定された物品収納部に収納された物品に当接する位置であることを特徴とする請求項9記載の物品払出機。
【請求項11】
前記所定位置は、前記払出セット機構が移動可能な範囲の中間位置を中心として、移動方向の一方の方向および他方の方向に一定範囲を含んで構成される移動領域内のいずれかの位置であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の物品払出機。
【請求項12】
物品払出機と、前記物品払出機と交信可能に接続された物品管理装置とを備える物品払出システムであって、
前記物品払出機が、
請求項1乃至11のいずれか1項記載の物品払出機で構成され、
前記物品管理装置が、
物品と交換すべく遊技媒体数に対応する遊技媒体数情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された遊技媒体数情報に基づいて、交換すべき物品の種別および/または個数を特定可能な物品払出情報を算出し、算出した物品払出情報を前記物品払出機の入力手段に出力する出力手段と
を備えることを特徴とする物品払出システム。
【請求項13】
物品払出機と、物品管理装置と、遊技媒体数管理装置とを備え、それぞれが交信可能に接続された物品払出システムであって、
前記物品払出機が、
請求項1乃至11のいずれか1項記載の物品払出機で構成され、
前記遊技媒体数管理装置が、
少なくとも、遊技媒体数を特定するための遊技媒体数特定情報に基づいて遊技媒体数を管理する遊技媒体数管理手段を備え、
前記物品管理装置が、
物品と交換すべく遊技媒体数を特定するための遊技媒体数特定情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された遊技媒体数特定情報に基づいて、前記遊技媒体数管理装置から物品と交換可能な遊技媒体数に関する情報を入力し、当該入力された遊技媒体数に基づいて、交換すべき物品の種別および/または個数を特定可能な物品払出情報を算出し、算出した物品払出情報を前記物品払出機の入力手段に出力する出力手段と
を備えることを特徴とする物品払出システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【公開番号】特開2010−220735(P2010−220735A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−69778(P2009−69778)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(000137203)株式会社マースエンジニアリング (218)
【Fターム(参考)】