説明

物品搬送設備

【課題】構成の複雑化及びコストアップを招くことなく、物品をいち早く搬送することができ搬送能力の向上を図ることができる物品搬送設備の提供。
【解決手段】走行経路Sとして、メイン経路20に対して一方側に配設されたサブ経路21に一端部が接続され、メイン経路20に対して他方側に配設されたサブ経路21に他端部が接続され、途中部分がメイン経路20を横断するサブ間連結経路27が連結経路とは別に設けられ、物品搬送車3は、サブ間連結経路27に沿って、メイン経路20に対して一方側に配設されたサブ経路21から、メイン経路20との接続箇所である交差部Kを通過させて、メイン経路20に対して他方側に配設されたサブ経路21に走行自在に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天井側に設置された走行レールにて形成される走行経路に沿って走行自在な物品搬送車が複数設けられ、前記走行経路として、環状のメイン経路と、複数の物品搬送箇所を経由する状態で配設されて前記メイン経路に対して前記物品搬送車が分岐合流自在に接続されたサブ経路とが設けられ、前記サブ経路は、前記メイン経路での前記物品搬送車の走行方向に並ぶ状態で前記メイン経路の外側において前記メイン経路を挟んで一方側と他方側との両側に配設されている物品搬送設備に関する。
【背景技術】
【0002】
このような物品搬送設備では、例えば、メイン経路に存在する物品搬送車に対して搬送先としてあるサブ経路の物品搬送箇所が指令されると、その物品搬送車は、搬送先として指令された物品搬送箇所が存在するサブ経路の分岐箇所までメイン経路を走行したのち、メイン経路からサブ経路に分岐走行し、搬送先として指令された物品搬送箇所に対応する停止位置までサブ経路に沿って走行している。また、あるサブ経路に存在する物品搬送車に対して搬送先として別のサブ経路の物品搬送箇所が指令されると、その物品搬送車は、サブ経路からメイン経路に合流走行したのち、搬送先として指令された物品搬送箇所が存在するサブ経路の分岐箇所までメイン経路を走行し、その後、メイン経路からサブ経路に分岐走行し、指定された物品搬送箇所に対応する停止位置までサブ経路に沿って走行している。このように、物品搬送車は、メイン経路からサブ経路への分岐走行やサブ経路からメイン経路への合流走行を行いながら、搬送先として指令された物品搬送箇所に対応する停止位置まで走行している。
【0003】
ここで、あるサブ経路に存在する物品搬送車に対して、搬送先として、メイン経路を挟んで反対側に配設されているサブ経路に存在する物品搬送箇所が指令されることがある。この場合には、その物品搬送車が、メイン経路に合流走行したのちメイン経路に沿って走行することになるが、メイン経路を挟んで反対側に配設されているサブ経路の分岐箇所まで環状のメイン経路を走行しなければならない。よって、物品搬送車の走行距離が長くなり、物品搬送を効率よく行えず、搬送能力の低下を招いていた。
【0004】
そこで、従来の物品搬送設備では、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路とメイン経路に対して他方側に配設されたサブ経路との間での物品搬送を行う搬送コンベヤが設けられている。あるサブ経路に存在する物品搬送車に対して、搬送先として、メイン経路を挟んで反対側に配設されているサブ経路に存在する物品搬送箇所が指令された場合には、その物品搬送車から搬送コンベヤに物品を移載し、搬送コンベヤにてその物品をメイン経路に対して他方側に配設されたサブ経路まで搬送している。そして、メイン経路に対して他方側に配設されたサブ経路に存在する物品搬送車が、搬送コンベヤにて搬送された物品を受け取り、搬送先として指令された物品搬送箇所に対応する停止位置まで走行している(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−319154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1に記載の設備では、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所からメイン経路に対して他方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所まで物品を搬送するに当たり、物品搬送車が物品を搬送コンベヤに移載する作業や物品搬送車が搬送コンベヤから物品を受け取る作業を行わなければならず、その作業に時間がかかってしまい、物品を早く搬送できないという問題があった。また、物品搬送車の他に、搬送コンベヤを設けなければならず、構成の複雑化及びコストアップを招くものとなっていた。
【0007】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所からメイン経路に対して他方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所まで物品を搬送する場合でも、構成の複雑化及びコストアップを招くことなく、物品をいち早く搬送することができ搬送能力の向上を図ることができる物品搬送設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係る物品搬送設備の第1特徴構成は、天井側に設置された走行レールにて形成される走行経路に沿って走行自在な物品搬送車が複数設けられ、前記走行経路として、環状のメイン経路と、複数の物品搬送箇所を経由する状態で配設されたサブ経路と、前記メイン経路と前記サブ経路とを連結して前記物品搬送車の前記メイン経路から前記サブ経路への分岐走行及び前記サブ経路から前記メイン経路への合流走行を自在とする連結経路とが設けられ、前記サブ経路は、前記メイン経路での前記物品搬送車の走行方向に並ぶ状態で前記メイン経路の外側において前記メイン経路を挟んで一方側と他方側との両側に配設されている物品搬送設備において、
前記走行経路として、前記メイン経路に対して一方側に配設された前記サブ経路に一端部が接続され、前記メイン経路に対して他方側に配設された前記サブ経路に他端部が接続され、途中部分が前記メイン経路を横断するサブ間連結経路が前記連結経路とは別に設けられ、前記物品搬送車は、前記サブ間連結経路によって、前記メイン経路に対して一方側に配設された前記サブ経路から、前記メイン経路との接続箇所である交差部を通過させて、前記メイン経路に対して他方側に配設された前記サブ経路に走行自在に構成されている点にある。
【0009】
本特徴構成によれば、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所からメイン経路に対して他方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所まで物品を搬送する場合には、物品搬送車が、サブ間連結経路に沿って走行することで、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路からメイン経路との接続箇所である交差部を通過してメイン経路に対して他方側に配設されたサブ経路に走行することができる。これにより、物品搬送車は、メイン経路を走行することなく、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路から他方側に配設されたサブ経路に走行することができる。よって、物品搬送車が、他の装置との間での物品の移載を行うことなく、サブ間連結経路に沿って走行するだけで、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所から他方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所まで物品を搬送することができる。そして、単に、サブ間連結経路を設けるだけで、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路から他方側に配設されたサブ経路への走行が可能となる。
よって、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所からメイン経路に対して他方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所まで物品を搬送する場合でも、構成の複雑化及びコストアップを招くことなく、物品をいち早く搬送することができ搬送能力の向上を図ることができる物品搬送設備を実現できる。
【0010】
本発明に係る物品搬送設備の第2特徴構成は、前記メイン経路に対して一方側に配設された前記サブ経路と前記メイン経路に対して他方側に配設された前記サブ経路とが前記メイン経路を挟んで対向する位置に配設され、前記サブ間連結経路が、前記メイン経路を挟んで対向する位置に配設された前記サブ経路同士を連結する直線状の経路にて構成されている点にある。
【0011】
本特徴構成によれば、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路とメイン経路に対して他方側に配設されたサブ経路とをメイン経路を挟んで対向する位置に配設することで、複数のサブ経路をメイン経路に対して対称的に配設することができる。よって、走行経路の全体をシンプルな形状の経路とすることができるので、構成の簡素化を図ることができるとともに、走行経路の配置を容易に行うことができる。しかも、サブ間連結経路は、単純な直線状の経路とすることができるので、この点でも構成の簡素化を図ることができるとともに、サブ間連結経路での物品搬送車の走行速度を上げることができ、サブ間連結経路での物品搬送車の走行をいち早く安定して行うことができる。
【0012】
本発明に係る物品搬送設備の第3特徴構成は、同一の前記サブ経路同士を連結する前記サブ間連結経路が2つ設けられている点にある。
【0013】
本特徴構成によれば、2つのサブ間連結経路の1つを、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路から他方側に配設されたサブ経路に物品搬送車を走行させるための経路とし、もう1つをメイン経路に対して他方側に配設されたサブ経路から一方側に配設されたサブ経路に物品搬送車を走行させるための経路とすることができる。これにより、2つのサブ間連結経路の双方により物品搬送車をすれ違い走行させながら、メイン経路に対して一方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所と他方側に配設されたサブ経路の物品搬送箇所との間での物品搬送を行うことができ、サブ間連結経路を有効に活用して搬送能力の向上を効果的に図ることができる。
【0014】
本発明に係る物品搬送設備の第4特徴構成は、前記交差部には、前記メイン経路に沿って前記物品搬送車を通過させる第1切換状態と前記サブ間連結経路に沿って前記物品搬送車を通過させる第2切換状態とに切換自在な切換レールと、前記切換レールを前記第1切換状態と前記第2切換状態とに切換操作自在な切換操作手段とが設けられている点にある。
【0015】
本特徴構成によれば、物品搬送車がメイン経路に沿って交差部を通過するときには、切換操作手段が切換レールを第1切換状態に切り換えて、物品搬送車が切換レールに沿って走行して交差部を通過することができる。また、物品搬送車がサブ間連結経路に沿って交差部を通過するときには、切換操作手段が切換レールを第2切換状態に切り換えて、物品搬送車が切換レールに沿って走行して交差部を通過することができる。よって、物品搬送車がメイン経路に沿って交差部を通過するときでも、物品搬送車がサブ間連結経路に沿って交差部を通過するときでも、物品搬送車が切換レールに沿って走行することができ、物品搬送車が安定して且つ的確に交差部を通過することができる。
【0016】
本発明に係る物品搬送設備の第5特徴構成は、前記切換操作手段は、前記交差部への前記物品搬送車の進入に伴って前記物品搬送車に備えられた操作部により操作されて前記切換レールを前記第1切換状態から前記第2切換状態に及び前記第2切換状態から前記第1切換状態に切換操作自在に構成されている点にある。
【0017】
本特徴構成によれば、物品搬送車が交差部に進入すると、例えば、物品搬送車に備えられた操作部により切換レールを押圧操作して、切換レールを第1切換状態から第2切換状態に及び第2切換状態から第1切換状態に切り換えることができる。よって、交差部に切換レールを切り換えるための駆動部等を設けなくてもよく、それだけ構成の簡素化を図りながら、物品搬送車が交差部を通過することができる。
【0018】
本発明に係る物品搬送設備の第6特徴構成は、前記切換操作手段は、切換駆動手段の駆動により前記切換レールを前記第1切換状態から前記第2切換状態に及び前記第2切換状態から前記第1切換状態に切換操作自在に構成されている点にある。
【0019】
本特徴構成によれば、物品搬送車が交差部に進入するときには、切換駆動手段の駆動により切換レールを第1切換状態から第2切換状態に及び第2切換状態から第1切換状態に確実に切り換えることができる。よって、切換レールを第1切換状態又は第2切換状態に確実に切り換えて、物品搬送車が交差部を確実に通過することができる。
【0020】
本発明に係る物品搬送設備の第7特徴構成は、前記メイン経路として、環状の第1メイン経路と、前記第1メイン経路の外側において前記第1メイン経路を挟んで一方側と他方側との両側に配設されて前記第1メイン経路に対して前記物品搬送車が分岐合流自在に接続された第2メイン経路とが設けられ、前記サブ経路は、前記第2メイン経路に対して前記物品搬送車が分岐合流自在に接続されている点にある。
【0021】
本特徴構成によれば、物品搬送車が第1メイン経路からサブ経路に走行する場合に、第1メイン経路から第2メイン経路に乗り移り、さらに第2メイン経路からサブ経路に乗り移ることになる。そこで、第1メイン経路と第2メイン経路との間での分岐合流箇所を複数設けることにより、第1メイン経路での物品搬送車の走行距離を短くしながら、物品搬送車が第1メイン経路から第2メイン経路に乗り移ることができる。よって、物品搬送車が第1メイン経路からサブ経路に走行する場合でも、第1メイン経路での走行距離を短くして走行できるので、物品搬送車を効率よく走行させることができ、搬送能力の向上に繋がる。また、メイン経路として、第1メイン経路だけでなく、第2メイン経路も設けているので、物品搬送車が目的箇所に走行するときに複数の経路を選択可能とし易くなるとともに、1つの経路に対して複数の物品搬送車が集中して走行するのを抑制することができ、複数の物品搬送車を効率よく走行させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】物品搬送設備の全体平面図
【図2】物品搬送設備の一部の側面図
【図3】走行方向に沿う方向での物品搬送車の断面図
【図4】分岐部を示す平面図
【図5】交差部を示す平面図
【図6】交差部を示す走行方向に沿う方向での断面図
【図7】物品搬送車が交差部を通過するときの状態を示す図
【図8】物品搬送車が交差部を通過するときの状態を示す図
【図9】別実施形態における交差部を示す図
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明に係る物品搬送設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
この物品搬送設備は、図1に示すように、複数の物品処理部1を経由する状態で走行レール2が天井側に設置されて走行経路Sが形成されており、走行経路Sに沿って一方向に移動自在な天井搬送式の物品搬送車3が複数設けられている。この物品搬送設備では、半導体基板を収納した容器を物品4として、物品搬送車3が複数の物品処理部1の間で物品4を搬送するように構成されている。走行レール2は、走行レール用ブラケット5により天井部に固定状態で設置されている(図2参照)。
【0024】
物品搬送車3は、図2に示すように、物品4を吊り下げ状態で把持する把持部6を昇降自在に備えている。把持部6は、物品搬送車3が停止した状態において、ワイヤ7(ワイヤに限らず、例えばベルトを適応することも可能である)を巻き取り又は繰り出すことにより、物品搬送車3に近接させる上昇位置と物品搬送車3よりも下方側に設置された物品移載用のステーション8(物品搬送箇所に相当する)との間で物品移載を行う下降位置とに昇降自在に設けられている。
ちなみに、図2では、把持部6が上昇位置から下降位置に下降する場合を上方側に示し、把持部6を下降位置から上昇位置に上昇させる場合を下方側に示している。
【0025】
ステーション8は、物品4を載置支持する載置台にて構成されている。そして、ステーション8は、物品処理部1にて所定の処理を行う物品4を物品搬送車3から受け取る又は物品処理部1にて所定の処理を行った物品4を物品搬送車3に受け渡すためのものであり、複数の物品処理部1の夫々に対応して配置されている。
物品搬送車3は、把持部6を上昇位置に位置させた状態で走行レール2に沿って移動し、複数のステーション8のうち、移載対象のステーション8に対応する停止位置に停止した状態で上昇位置と下降位置との間で把持部6を昇降させることにより、ステーション8との間で物品4の授受を行うように構成されている。
【0026】
物品搬送車3は、走行レール2上を走行する走行駆動部9と、走行レール2の下方に位置するように走行駆動部9に吊り下げ支持された物品支持部10とを備えて構成されている。
図3に示すように、走行駆動部9には、駆動モータ11にて回転駆動されて一対の走行レール2夫々の水平面に沿う上面を転動する走行輪12と、一対の走行レール2夫々の対向する上下方向に沿う側面に接当する回転自在な走行案内輪13とが設けられている。そして、走行輪12が駆動モータ11にて物品搬送車3の横幅方向に沿う軸心周りで回転駆動し、上下軸心周りで回転自在な走行案内輪13が一対の走行レール2にて当接案内されることにより、物品搬送車3が走行レール2に案内されて走行するように構成されている。
【0027】
ここで、図4に示すように、走行輪12は、物品搬送車3の横幅方向の両端部に一対配設されており、その一対の走行輪12が、物品搬送車3の前後方向に間隔を隔てて2つ設けられており、合計4つの走行輪12が設けられている。走行案内輪13は、物品搬送車3の横幅方向の両端部に2つずつ設けられており、それら2つずつの走行案内輪13が、物品搬送車3の前後方向に間隔を隔てて2つ設けられており、合計8つの走行案内輪13が設けられている。
【0028】
図3に示すように、物品支持部10には、ワイヤ7を巻回して昇降用モータ14にて回転駆動される回転ドラム15と、ワイヤ7にて吊り下げ支持された把持部6とが設けられている。把持部6は、物品4を把持する把持姿勢と把持を解除する把持解除姿勢とに把持用モータ16により切換操作自在な把持具17を備えている。そして、昇降用モータ14にて回転ドラム15を回転駆動させることにより、把持部6及びそれにて把持された物品4が昇降移動し、把持用モータ16にて把持具17を切換操作することにより物品4を把持する又は物品4に対する把持を解除するように構成されている。
【0029】
物品搬送車3には、一対の走行レール2の間に位置するように受電コイル18が設けられており、走行レール2に沿って配設された給電線19に交流電流の通電により磁界を発生させ、この磁界により物品搬送車3側で必要な電力を受電コイル18に発生させて、物品搬送車3に対して無接触状態で給電を行うように構成されている。ちなみに、給電線19は、一対の走行レール2の間に配設されるように走行レール2にて支持されている。
【0030】
本発明に係る物品搬送設備では、物品搬送車3が走行する走行経路Sは走行レール2にて形成されているが、図1に示すように、走行経路Sとして、環状のメイン経路20と、環状のサブ経路21と、メイン経路20とサブ経路21とを連結して物品搬送車3のメイン経路20からサブ経路21への分岐走行及びサブ経路21からメイン経路20への合流走行を自在とする連結経路とが設けられている。
【0031】
〔メイン経路〕
メイン経路20として、対向して配置された一対の直線部分と一対の直線部分の夫々の終端部と始端部とを繋ぐ一対のカーブ部分とを備えた環状の第1メイン経路22と、第1メイン経路22の両外側に第1メイン経路22に対して物品搬送車3が分岐合流自在に接続された第2メイン経路23とが設けられている。
【0032】
第1メイン経路22の内側には、床面上に立設された物品4を保管可能な保管部24が第1メイン経路22の直線部分が延びる方向に間隔を隔てて複数設けられており、第1メイン経路22は複数の保管部24を経由する状態で配設されている。このようにして、第1メイン経路22の内側にも、保管部24が物品搬送箇所として配設されている。
図示は省略するが、保管部24は、物品4を載置支持自在な収納部を上下方向及び左右方向に並ぶ状態で複数備えている。そして、保管部24には、物品搬送車3との間で物品4を移載する入出庫部と、入出庫部と各収納部との間で物品4を搬送自在な物品搬送装置とが備えられている。第1メイン経路22の経路途中には、複数の保管部24の夫々における入出庫部に対して物品搬送車3にて物品4を入出庫するための目標停止位置が設定されており、物品搬送車3は、その目標停止位置に停止した状態で把持部6を昇降させて保管部24との間で物品4を移載している。
【0033】
第1メイン経路22において対向する直線部分同士を繋ぐ第1ショートカット経路25が設けられており、第1ショートカット経路25にて第1メイン経路22の直線部分の途中でも物品搬送車3が対向する直線部分に乗り移り自在に構成されている。
【0034】
第2メイン経路23は、第1メイン経路22の外側において第1メイン経路22を挟んで一方側と他方側との両側に配設されている。第2メイン経路23の夫々は、第1メイン経路22の直線部分と平行に配置された直線部分と、第1メイン経路22の直線部分における始端部付近から第2メイン経路22の直線部分の始端部までを繋ぐ繋ぎ部分と、第2メイン経路22の直線部分の終端部から第1メイン経路22の直線部分における終端部付近までを繋ぐ繋ぎ部分とを備えている。これにより、第2メイン経路23と第1メイン経路22の直線部分とにより環状の経路に形成されている。また、第2メイン経路23の直線部分の途中と第1メイン経路22の直線部分の途中との間でも物品搬送車3を乗り移り自在とする第2ショートカット経路26が設けられている。
【0035】
〔サブ経路〕
サブ経路21は、第2メイン経路23の外側において第2メイン経路23での物品搬送車3の走行方向に並ぶ状態で複数(図1では例えば4つ)設けられており、第2メイン経路23の外側においてメイン経路20を挟んで一方側と他方側との両側に配設されている。サブ経路21は、メイン経路20に対して一方側に配設されたサブ経路21とメイン経路20に対して他方側に配設されたサブ経路21とがメイン経路20を挟んで対向する位置に配設されている。
【0036】
サブ経路21の夫々は、複数のステーション8を経由する状態でメイン経路20から離れる方向に延びる直線部分とメイン経路20に接近する方向に延びる直線部分とを対向する位置に配置している。そして、サブ経路21の夫々は、一対の直線部分と、一対の直線部分の夫々における終端部と始端部とを繋ぐ一対のカーブ部分とを備えた環状に形成されている。サブ経路21の経路途中には、複数のステーション8の夫々と物品搬送車3との間で物品4を移載するための目標停止位置が設定されており、物品搬送車3は、その目標停止位置に停止した状態で把持部6を昇降させてステーション8との間で物品4を移載している。
【0037】
〔連結経路〕
連結経路は、複数のサブ経路21の夫々に対して設けられており、連結経路の夫々は、第2メイン経路23の直線部分から分岐してメイン経路20から離間する方向に延びる直線部分に接続された分岐経路と、メイン経路20に接近する方向に延びる直線部分の終端部から第2メイン経路23に合流する合流経路とから構成されている。そして、第2メイン経路23に対する分岐経路の分岐箇所が合流経路の合流箇所よりも物品搬送車3の走行方向の上流側となっている。物品搬送車3が第2メイン経路23からサブ経路21に分岐走行するときに、第2メイン経路23での走行方向のまま引き続いてサブ経路21に沿って走行するようになっている。また、物品搬送車3がサブ経路21から第2メイン経路23に合流走行するときに、サブ経路21での走行方向のまま引き続いて第2メイン経路23に沿って走行するようになっている。
【0038】
ここで、保管部24、第1ショートカット経路25、及び、第2ショートカット経路26の配設箇所は、第1メイン経路22及び第2メイン経路23の夫々における直線部分での物品搬送車3の走行方向においてサブ経路21の配設箇所の間となっている。保管部24は、サブ経路21の配設箇所の間のすべてに配設されているとともに、サブ経路21の配設箇所よりも外側にも配設されている。第1ショートカット経路25は、サブ経路21の配設箇所の間の1つに配設されている。第2ショートカット経路26は、サブ経路21の配設箇所の間のすべてに配設されている。
【0039】
本発明に係る物品搬送設備では、物品搬送車3が、メイン経路20を走行することなく、メイン経路20を挟んで一方側に配設されたサブ経路21と他方側に配設されたサブ経路21との間で走行できるように、メイン経路20を挟んで一方側に配設されたサブ経路21と他方側に配設されたサブ経路21とを連結するサブ間連結経路27が連結経路とは別に設けられている。
【0040】
〔サブ間連結経路〕
サブ間連結経路27は、その一端部がメイン経路20に対して一方側に配設されたサブ経路21に接続され、その他端部がメイン経路20に対して他方側に配設されたサブ経路21に接続され、その途中部分がメイン経路20を横断している。サブ間連結経路27は、メイン経路20を挟んで対向する位置に配設されたサブ経路21同士を連結する直線状の経路にて構成されている。
【0041】
同一のサブ経路21同士を連結するサブ間連結経路27が2つ設けられている。これにより、2つのサブ間連結経路27の1つを、メイン経路20に対して一方側(例えば図1中左側)のサブ経路21から他方側(例えば図1中右側)のサブ経路21に物品搬送車3を走行させるための経路としており、もう1つをメイン経路20に対して他方側(例えば図1中右側)のサブ経路21から一方側(例えば図1中左側)のサブ経路21に物品搬送車3を走行させるための経路としている。同一のサブ経路21同士を連結する2つのサブ経路21の夫々は、始端側が一方側のサブ経路21においてメイン経路20に接近する方向に延びる直線部分の終端部に接続されており、終端側が他方側のサブ経路21においてメイン経路20から離間する方向に延びる直線部分の始端部に接続されている。これにより、図1中点線矢印にて示すように、サブ間連結経路27に沿って一方側のサブ経路21から他方側のサブ経路21に物品搬送車3が走行するときに、一方側のサブ経路21での走行方向、サブ間連結経路27での走行方向、及び、他方側のサブ経路21での走行方向のすべてが同一方向となっており、サブ間連結経路27に沿って一方側のサブ経路21から他方側のサブ経路21にスムーズに走行することができる。
【0042】
サブ間連結経路27は、第1メイン経路22の直線部分及び第2メイン経路23の直線部分の夫々と直交する状態で横断するように設けられており、サブ間連結経路27と第1メイン経路22の直線部分及び第2メイン経路23の直線部分の夫々との接続箇所が交差部Kとなっている。サブ間連結経路27は、第1メイン経路22との交差部Kが2箇所あるが、2つの交差部Kの近辺にサブ間連結経路27から第1メイン経路22に合流する合流経路が接続されている。これにより、サブ間連結経路27は、第1メイン経路22に対して物品搬送車3を分岐走行及び合流走行を自在としている。よって、サブ間連結経路27は、メイン経路20に対して一方側のサブ経路21から他方側のサブ経路21へ物品搬送車3を走行させるだけでなく、サブ経路21から第2メイン経路23を走行することなく第1メイン経路22に物品搬送車3を走行させることができる。
【0043】
サブ間連結経路27には、第2メイン経路23から分岐する分岐経路が接続されており、物品搬送車3を第2メイン経路23からサブ経路21に分岐させる分岐経路の一部を兼用している。サブ間連結経路27には、第2メイン経路23に合流する合流経路が接続されており、物品搬送車3をサブ経路21から第2メイン経路23に合流させる合流経路の一部を兼用している。これにより、第2メイン経路23とサブ経路21とを繋ぐ経路の一部を共通の経路として形成することができ、構成の簡素化を図ることができる。
【0044】
複数の物品搬送車3の走行については、走行経路Sの全体に亘って複数の移動体3の運行を管理する設備管理用コンピュータが設けられており、物品搬送車3には、設備管理用コンピュータからの運行指令情報に基づいて、物品搬送車3の作動を制御する台車側制御部が設けられている。
【0045】
図示は省略するが、物品搬送車3には、走行レール2の側脇等に設置されて各ステーション8や保管部24に対応する目標停止位置を示す停止板を検出する停止板検出センサ、走行レール2の側脇等に設置された走行経路Sの基準点からの位置(距離)を示す絶対位置板を検出する絶対位置板検出センサ、物品搬送車3の走行距離を検出する走行距離センサ等の各種センサが設けられている。台車側制御部は、絶対位置板検出センサの検出情報、及び、絶対位置検出板検出センサを検出してからの走行距離センサの検出情報に基づいて、物品搬送車3の現在位置が走行経路S上のどの位置であるかを把握しており、その現在位置情報と複数の物品搬送車3のうちどの移動車であるかを識別可能な台車ナンバー等の台車識別情報とを無線通信等により設備管理用コンピュータに送信している。
【0046】
設備管理用コンピュータは、各台車側制御部からの現在位置情報と台車識別情報とから、複数の物品搬送車3の夫々の現在位置を管理しながら、複数の物品搬送車3の運行を管理している。設備管理用コンピュータは、複数の物品搬送車3のうちから1つの搬送対象の物品搬送車3を選択し、その選択した物品搬送車3に対して、複数のステーション8や保管部24のうちから搬送元及び搬送先のステーション8や保管部24を指定した状態で搬送元のステーション8や保管部24から搬送先のステーション8や保管部24に物品4を搬送する搬送指令を運行指令情報として指令するように構成されている。また、設備管理用コンピュータは、搬送元から搬送先に物品搬送車3を走行させるに当たり、例えば、複数の経路から走行距離が最も短い最短経路を選択しており、その選択した最短経路にて物品搬送車3を走行させるための運行指令情報を指令するように構成されている。
【0047】
これにより、搬送指令を受けた物品搬送車3の台車側制御部は、各種センサの検出情報に基づいて、指定された搬送元のステーション8や保管部24まで走行すべく、物品搬送車3の走行を制御し、把持部6の昇降作動や把持部6の切り換え作動を制御することにより、搬送元のステーション8や保管部24から物品4を受け取る。その後、台車側制御部は、各種センサの検出情報に基づいて、指定された搬送元のステーション8や保管部24まで走行すべく、物品搬送車3の走行を制御し、搬送先のステーション8や保管部24に物品4を卸している。
【0048】
図1に示すように、ある経路からある経路に分岐する分岐部B(例えば図中点線で囲んだ部分)、ある経路からある経路に合流する合流部G(例えば図中点線で囲んだ部分)、及び、ある経路とある経路とが直交して交差する交差部K(例えば図中点線で囲んだ部分)の夫々が複数設けられている。上述の如く、走行経路S上における物品搬送車3の運行については、基本的に、設備管理用コンピュータが管理しているが、分岐部B、合流部G及び交差部Kの夫々では、物品搬送車3同士の衝突を防止しながら、物品搬送車3を走行させるように物品搬送車3の運行を管理する運行管理部が、設備管理用コンピュータとは別に設けられている。
【0049】
分岐部Bとしては、例えば、第2メイン経路23からサブ経路21に分岐する分岐部B、第1メイン経路22から第1ショートカット経路25に分岐する分岐部B、及び、第2メイン経路23から第2ショートカット経路26に分岐する分岐部等が設けられている。合流部Gとしては、例えば、サブ経路21から第2メイン経路23に合流する合流部G、サブ間連結経路27から第1メイン経路22に合流する合流部G、第1ショートカット経路25から第1メイン経路22に合流する合流部G、及び、第2ショートカット経路26から第1メイン経路22に合流する合流部G等が設けられている。交差部Kとしては、サブ間連結経路27と第2メイン経路23とが交差する交差部K、及び、サブ間連結経路27と第1メイン経路22とが交差する交差部K等が設けられている。
【0050】
物品搬送車3の台車側制御部は、分岐部B、合流部G及び交差部Kに進入するときに、その手前で運行管理部に対して進入を許可するか否かの問い合わせを行い、進入を許可されたときのみ分岐部B、合流部G及び交差部Kに進入するように、物品搬送車3の走行を制御している。一方、運行管理部は、台車側制御部から進入を許可するか否かの問い合わせがあると、合流部G及び交差部Kにおいては物品搬送車3の1台のみ進入を許可するように、台車側制御部に対して運行指令情報を指令し、分岐部Bにおいては分岐したのちに物品搬送車3が存在しないことを条件に進入を許可するように、台車側制御部に対して運行指令情報を指令する。
【0051】
〔分岐部〕
分岐部Bでは、物品搬送車3の走行経路が2つの経路に分岐しており、2つの経路のうちどちらの経路を走行するかを切り換えている。そこで、2つの経路のうちどちらの経路を走行するかを切り換えるための構成について説明する。例えば、第2メイン経路23からサブ経路21に分岐する分岐部Bを例に挙げて、図4に基づいて説明する。
【0052】
第2メイン経路23からサブ経路21に分岐する分岐部Bでは、第2メイン経路23をそのまま走行するときには直進する経路を走行するように切り換え、第2メイン経路23からサブ経路21に分岐するときには図中右側に分岐する経路を走行するように切り換えている。
分岐部Bには、走行レール2に加えて、物品搬送車3の上部に備えられた上下軸心周りに回転自在な被案内ローラ29を案内する分岐部用案内レール30が設けられている。分岐部用案内レール30は、被案内ローラ29を案内する案内面31として物品搬送車3の横幅方向の一方側に対向する面と他方側に対向する面との2つの案内面を互いに反対側に対向する状態で備えている。そして、案内レール30の2つの案内面の一方側が物品搬送車3を直進する経路に案内する直進用案内面31aにて構成され、且つ、他方側が物品搬送車3を分岐する経路に案内する分岐用案内面31bにて構成されている。
【0053】
一方、物品搬送車3には、物品搬送車3の横幅方向での分岐部用案内レール30に対する被案内ローラ29の位置を変更して、被案内ローラ29が案内される案内面を直線用案内面31aとするか分岐用案内面31bとするかを切換自在な案内面切換手段32が備えられている。被案内ローラ29は、物品搬送車3の前後方向に間隔を隔てて一対設けられており、一対の被案内ローラ29の夫々は、物品搬送車3の前後方向において走行輪12の配設箇所と同一箇所に配設されており、案内面切換手段32は、一対の被案内ローラ29の夫々に対して設けられている。
【0054】
一対の案内面切換手段32の夫々は、モータ等の駆動部33により上下軸心周りに揺動自在な揺動アーム34と、揺動アーム34の先端部に設けられた移動体35と、移動体35を物品搬送車3の横幅方向に案内移動させる案内移動部36とを備えている。そして、被案内ローラ29は、移動体35の先端部に上下軸心周りで回転自在に支持されている。一対の案内面切換手段32の夫々は、駆動部33により揺動アーム34を揺動させることにより被案内ローラ29の位置を物品搬送車3の横幅方向で左側又は右側に変更させて、分岐部用案内レール30において直進用案内面31aにて被案内ローラ29を案内するか分岐部用案内面31bにて被案内ローラ29を案内するかを切換自在に構成されている。図4では、案内面切換手段32が、分岐部用案内レール30において分岐部用案内面31bにて被案内ローラ29を案内する状態に切り換えたときを示している。図4中点線は、被案内ローラ29が分岐部用案内面31bにて案内されて、物品搬送車3が分岐する経路に分岐している状態を示している。
【0055】
〔合流部〕
図示は省略するが、合流部Gには、上述の分岐部Bと同様に、走行レール2に加えて、被案内ローラ29を案内する合流部用案内レールが設けられている。案内面切換手段32が、合流部用案内レールにて被案内ローラ29を案内するように被案内ローラ29の位置を物品搬送車3の横幅方向で左側又は右側に変更させて、合流部用案内レールにて被案内ローラ29を案内することにより、物品搬送車3が合流自在に構成されている。
【0056】
〔交差部〕
交差部Kについて、例えば、サブ間連結経路27と第1メイン経路22との交差部Kを例に挙げて、図5及び図6に基づいて説明する。
【0057】
第1メイン経路22において交差部Kに連続するメイン用入口部分37及び交差部Kから連続するメイン用出口部分38、並びに、サブ間連結経路27において交差部Kに連続するサブ用入口部分39及び交差部Kから連続するサブ用出口部分40の夫々には、一対の走行レール2に加えて、被案内ローラ29を案内する交差部用案内レール41が設けられている。
【0058】
以下、走行レール2について、メイン用入口部分37及びメイン用出口部分38に設けられたものをメイン走行レール2aとし、サブ用入口部分39及びサブ用出口部分40に設けられたものをサブ走行レール2bとする。また、交差部用案内レール41について、メイン用入口部分37及びメイン用出口部分38に設けられたものをメイン交差部用案内レール41aとし、サブ用入口部分39及びサブ用出口部分40に設けられたサブ交差部用案内レール41bとする。
【0059】
交差部Kには、メイン走行レール2aに連続する第1走行位置(図5(b)参照)とサブ走行レール2bに連続する第2走行位置(図5(a)参照)とに上下軸心周りで回転自在な走行用回転レール44(切換レールに相当する)が設けられている。走行用回転レール44は、走行レール2と同様に、水平面に沿う上面にて走行輪12を案内支持し、且つ、上下方向に沿う側面にて走行案内輪13を案内するように構成されている。そして、メイン用入口部分37及びメイン用出口部分38、並びに、サブ用入口部分39及びサブ用出口部分40の夫々では、物品搬送車3に備えられた一対の走行輪12の両方を一対の走行レール2にて各別に案内支持している。それに対して、交差部Kでは、物品搬送車3に備えられた一対の走行輪12の一方側のみを走行用回転レール44にて案内支持している。つまり、走行用回転レール44は、第1走行位置において一対のメイン走行レール2aの一方側にだけ連続するものとなっており、第2走行位置において一対のサブ走行レール2bの一方側にだけ連続するものとなっており、物品搬送車3の横幅方向の一方側のみにしか存在していない。
【0060】
走行用回転レール44は、その一端部がメイン走行レール2aの終端部及びサブ走行レール2bの終端部に連続する位置に配設され、且つ、その一端部を走行用上下軸心45として第1走行位置と第2走行位置とに往復揺動自在に設けられている。これにより、走行用回転レール44を走行用上下軸心45周りで往復揺動させることで、走行用回転レール44を第1走行位置と第2走行位置とに切換自在に構成されている。
【0061】
交差部Kには、走行用回転レール44に加えて、物品搬送車3の上部に備えられた被案内ローラ29を案内するために、メイン交差部用案内レール41aに連続する第1案内位置(図5(b)参照)とサブ交差部用案内レール41bに連続する第2案内位置(図5(a)参照)とに上下軸心周りで回転自在な案内用回転レール42(切換レールに相当する)が設けられている。
ここで、図5(b)は、走行用回転レール44を第1走行位置に切り換えるとともに、案内用回転レール42を第1案内位置に切り換えた状態を示している。図5(a)では、走行用回転レール44を第2走行位置に切り換えるとともに、案内用回転レール42を第2案内位置に切り換えた状態を示している。
【0062】
メイン交差部用案内レール41a、案内用回転レール42、及び、サブ交差部用案内レール41bの夫々は、物品搬送車3の横幅方向の中央部に配設された被案内ローラ29を案内するために、交差部Kを通過する物品搬送車3の横幅方向の中央部に配設されている。メイン交差部用案内レール41a、案内用回転レール42、及び、サブ交差部用案内レール41bの夫々は、被案内ローラ29を案内する案内面43として、交差部Kを通過する物品搬送車3の横幅方向の一方側に対向する第1案内面43aと他方側に対向する第2案内面43bとを備えている。
そして、案内用回転レール42は、その長手方向の中央部を案内用上下軸心46として、第1案内位置と第2案内位置とに往復揺動自在に設けられている。
【0063】
交差部Kでは、走行用回転レール44及び案内用回転レール42の切換について、交差部Kに電動モータ等の駆動部を設けずに、交差部Kへの物品搬送車3の進入に伴って走行用回転レール44及び案内用回転レール42の切換を行うようにしている。
【0064】
物品搬送車3には、交差部Kへの物品搬送車3の進入に伴って案内用回転レール42を第1案内位置から第2案内位置に及び第2案内位置から第1案内位置に押圧操作自在な押圧操作部47が備えられている。押圧操作部47は、例えば、上下軸心周りに回転自在な押圧ローラにて構成されており、物品搬送車3の上方前端部に配設されている。これにより、交差部Kへ物品搬送車3が進入すると、押圧操作部47が案内用回転レール42を押圧操作自在となっており、押圧操作部47による押圧操作により案内用回転レール42を上下軸心周りで揺動させて第1案内位置と第2案内位置とに切り換えている。
【0065】
交差部Kには、案内用回転レール42の回転と走行用回転レール44の回転とを連係させる連係手段48が備えられている。連係手段48は、押圧操作部47による押圧操作により案内用回転レール42が第1案内位置から第2案内位置に回転されると、走行用回転レール44を第1走行位置から第2走行位置に回転させるように、案内用回転レール42の回転と走行用回転レール44の回転とを連係させている。また、連係手段48は、押圧操作部47による押圧操作により案内用回転レール42が第2案内位置から第1案内位置に回転されると、走行用回転レール44を第2走行位置から第1走行位置に回転させるように、案内用回転レール42の回転と走行用回転レール44の回転とを連係させている。
【0066】
このようにして、交差部Kへ物品搬送車3が進入するに伴って押圧操作部47による押圧操作により案内用回転レール42を上下軸心周りで揺動させて第1案内位置と第2案内位置とに切り換える。案内用回転レール42の切換により、連係手段48が、案内用回転レール42の回転と走行用回転レール44の回転とを連係させて、走行用回転レール44を第1走行位置と第2走行位置とに切り換えている。切換操作手段が、押圧操作部47と連係手段48とから構成されている。
【0067】
連係手段48は、図6に示すように、上下軸心周りで案内用回転レール42と一体的に回転自在な第1回転体49と、上下軸心周りで走行用回転レール44と一体的に回転自在な第2回転体50と、第1回転体49の回転を第2回転体50に伝達して第2回転体50を回転させる回転伝達部51とを備えて構成されている。
【0068】
第1回転体49は、案内用回転レール42及び走行用回転レール44を支持するレール支持体52の上部に配設されている。そして、案内用回転レール42の案内用上下軸心46と第1回転体49の回転軸心とが第1連結軸53にて連結されており、案内用回転レール42と第1回転体49とが上下軸心周りで一体的に回転するようになっている。
第2回転体50は、走行用回転レール44の下方に配設されている。そして、走行用回転レール44の走行用上下軸心45と第2回転体50の回転軸心とが第2連結軸54にて連結されており、走行用回転レール44と第2回転体50とが上下軸心周りで一体的に回転するようになっている。
【0069】
回転伝達部51は、レール支持体52の側脇に配設されて中継用連結軸55にて回転軸心同士が連結されて上下軸心周りで一体的に回転自在な一対の中継用回転体56を備えており、第1回転体49の回転を中継用回転体56に伝達して中継用回転体56を回転させるとともに、その中継用回転体56の回転を第2回転体50に伝達して第2回転体50を回転させている。第1回転体49及び中継用回転体56の一方は、タイミングプーリにて構成されており、第1回転体49と中継用回転体56の一方とに巻き掛けられたタイミングベルト57により第1回転体49の回転が中継用回転体56に伝達される。第2回転体50と中継用回転体56の他方とは、互いに噛み合う歯車にて構成されており、中継用回転体56と第2回転体50との噛み合いにより中継用回転体56の回転が第2回転体50に伝達される。ここで、中継用回転体56の回転方向と第2回転体50の回転方向とが逆方向となって伝達されている。
【0070】
案内用回転レール42が回転されると、案内用回転レール42と第1回転体49とが一体的に回転し、タイミングベルト57にて第1回転体49の回転が中継用回転体56の一方に伝達されて回転する。一対の中継用回転体56は一体的に回転するので、中継用回転体56の回転が第2回転体50に伝達されて回転し、第2回転体50と走行用回転レール44とが一体的に回転する。このようにして、案内用回転レール42が第1案内位置から第2案内位置に回転されると、走行用回転レール44を第1走行位置から第2走行位置に回転させる。逆に、案内用回転レール42が第2案内位置から第1案内位置に回転されると、走行用回転レール44を第2走行位置から第1走行位置に回転させる。ここで、中継用回転体56から第2回転体50への伝達において回転方向が逆方向となっている。これにより、連係手段48は、案内用回転レール42の回転方向と走行用回転レール44の回転方向とを逆方向として、案内用回転レール42の回転と走行用回転レール44の回転とを連係させている。
【0071】
〔交差部における物品搬送車の通過〕
物品搬送車3が交差部Kを通過するときの動作について、例えば、サブ間連結経路27と第1メイン経路22との交差部Kを例に挙げて、図7及び図8に基づいて説明する。図7及び図8では、基本的に、第1メイン経路22に沿って物品搬送車3が交差部Kを通過する場合を示しており、サブ間連結経路27に沿って物品搬送車3が交差部Kを通過する場合を図8(b)において点線にて示している。
【0072】
図7(a)及び図7(b)に示すように、物品搬送車3が第1メイン経路22に沿って交差部Kに進入すると、物品搬送車3が交差部Kに進入するに伴って押圧操作部47にて案内用回転レール42を押圧操作し、案内用回転レール42が第2案内位置からメイン交差部用案内レール41aに連続する第1案内位置への揺動を開始する。これにより、連係手段48による案内用回転レール42の回転と走行用案内レール44の回転との連係により、第2走行位置からメイン走行レール2aに連続する第1走行位置への走行用案内レール44の揺動も開始される。ここで、押圧操作部47は、物品搬送車3の前端側に突出する状態で設けられているので、物品搬送車3が交差部Kに到達する以前の第1入口部分39を走行中に押圧操作部47が案内用回転レール42を押圧操作して、案内用回転レール42が第2案内位置からメイン交差部用案内レール41aに連続する第1案内位置への揺動が開始される。
【0073】
図8(a)に示すように、押圧操作部47の押圧操作にて案内用回転レール42が第1案内位置に揺動されると、連係手段48による案内用回転レール42の回転と走行用案内レール44の回転との連係により、走行用回転レール44も第1走行位置に揺動される。上述の如く、物品搬送車3が交差部Kに到達する以前の第1入口部分39を走行中に案内用回転レール42の揺動が開始されているので、物品搬送車3が交差部Kに到達したときには案内用回転レール42が第1案内位置に揺動されることになる。これにより、物品搬送車3は、走行輪12の一方側が走行用回転レール44に案内支持されるとともに、被案内ローラ29が案内用回転レール42にて案内されて交差部Kを走行できる。しかも、物品搬送車3が交差部Kを走行するときには、物品搬送車3の走行案内輪13が走行用回転レール44に案内されるので、走行案内輪13により走行用回転レール44を押し付けることになる。その結果、走行用回転レール44を第1走行位置に維持させることができ、この走行用回転レール44の位置保持により案内用回転レール42の第1案内位置での位置保持を行うことができる。
【0074】
ここで、走行輪12、走行案内輪13、被案内ローラ29は、物品搬送車3の前後方向に間隔を隔てて前後一対設けられているが、走行輪12、走行案内輪13、被案内ローラ29の配設位置は、物品搬送車3の前後方向でほぼ同一位置となっている。これにより、被案内ローラ29と案内用回転レール42とが当接するタイミングと、走行案内輪13と走行用回転レール44とが当接するタイミングがほぼ同じタイミングとなっている。これにより、被案内ローラ29と案内用回転レール42との当接により案内用回転レール42を押し付ける力と、走行案内輪13と走行用回転レール44との当接により走行用回転レール44を押し付ける力とが、ほぼ同じタイミングで作用することになる。そして、このような押し付け力が同じタイミングで作用することに加えて、案内用回転レール42の回転方向と走行用回転レール44の回転方向とが逆方向となっていることから、走行用回転レール44を第1走行位置に確実に維持させることができるとともに、案内用回転レール42も第1案内位置に確実に維持させることができる。
また、例えば、被案内ローラ29の物品搬送車3の前後方向での間隔は、走行用回転レール44の長さよりも短くなっており、前方側に配設された走行案内輪13の夫々が走行用回転レール44から離れると、後方側に配設された走行案内輪13が走行用案内レール44に当接するようになっている。これにより、被案内ローラ29と案内用回転レール42とが当接された状態で物品搬送車3が交差部Kを通過することができる。
このようにして、図8(b)に示すように、物品搬送車3は第1メイン経路22に沿って交差部Kを通過することができる。
【0075】
物品搬送車3が交差部Kに進入するに伴って物品搬送車3に備えられた押圧操作部47にて案内用回転レール42を押圧操作するのであるが、案内用回転レール42は、その長手方向の中央部を案内用上下軸心46として、メイン交差部用案内レール41aに連続する第1案内位置とサブ交差部用案内レール41bに連続する第2案内位置とに往復揺動するようになっている。よって、案内用回転レール42は、第1案内位置から第2案内位置に揺動するときの回転方向と第2案内位置から第1案内位置に揺動するときの回転方向とが逆方向となっている。これにより、物品搬送車3が交差部Kを通過するときには、第1メイン経路22に沿って通過するときとサブ間連結経路27に沿って通過するときとで、押圧操作部47の位置を物品搬送車3の横幅方向で変更させて案内用回転レール42を揺動させるときの回転方向を逆方向とする必要がある。
【0076】
そこで、物品搬送車3には、物品搬送車3の横幅方向で押圧操作部47の位置を第1押圧位置と第2押圧位置とに変更自在な押圧操作部位置変更手段58(図4参照)が備えられている。第1押圧位置は、図7(a)に示すように、物品搬送車3の横幅方向で案内用回転レール42の長手方向の中央部よりも端部側の位置であり且つ案内用回転レール42を第2案内位置から第1案内位置に揺動させるための位置である。第2押圧位置は、図8(b)の点線にて示すように、物品搬送車3の横幅方向で案内用回転レール42の長手方向の中央部よりも端部側の位置であり且つ案内用回転レール42を第1案内位置から第2案内位置に揺動させるための位置である。
【0077】
物品搬送車3が第1メイン経路22に沿って交差部Kを通過する場合には、図7(a)に示すように、押圧操作部位置変更手段58が押圧操作部47の位置を第1押圧位置(図中では物品搬送車3の走行方向の右側)に変更している。また、物品搬送車3がサブ間連結経路27に沿って交差部Kを通過する場合には、図8(b)の点線にて示すように、押圧操作部位置変更手段58が押圧操作部47の位置を第2押圧位置(図中では物品搬送車3の走行方向の左側)に変更している。
【0078】
物品搬送車3が交差部Kを通過するときには、物品搬送車3に備えられた案内面切換手段32(図4参照)が、メイン交差部用案内レール41a、案内用回転レール42、及び、サブ交差部用案内レール41bの夫々に対する被案内ローラ29の位置を物品搬送車3の横幅方向で右側又は左側に変更自在に構成されている。これにより、案内面切換手段32は、物品搬送車3が交差部Kを通過するときに、被案内ローラ29が案内される案内面を第1案内面43aとするか第2案内面43bとするかを切換自在に構成されている。
【0079】
そして、案内面切換手段32は、被案内ローラ29が案内される案内面を走行用回転レールが存在しない側と反対側に対向する面となるように被案内ローラ29の位置を変更させている。つまり、物品搬送車3が第1メイン経路22に沿って交差部Kを通過するときには、図8(a)に示すように、走行用回転レール44はメイン走行レール2aに連続する第1走行位置に切り換えられるので、物品搬送車3の走行方向に対して右側に走行用回転レール44が存在することになる。そこで、案内面切換手段32は、図7(a)に示すように、メイン交差部用案内レール41a、案内用回転レール42、及び、サブ交差部用案内レール41bの夫々に対する被案内ローラ29の位置を右側に変更して、被案内ローラ29が案内される案内面を走行用回転レール44が存在しない側と反対側に対向する第1案内面43aとなるようにしている。また、図8(b)の点線で示すように、サブ間連結経路27に沿って物品搬送車3が交差部Kを通過するときには、案内面切換手段32は、メイン交差部用案内レール41a、案内用回転レール42、及び、サブ交差部用案内レール41bの夫々に対する被案内ローラ29の位置を左側に変更して、被案内ローラ29が案内される案内面を走行用回転レール44が存在しない側と反対側に対向する第2案内面43bとなるようにしている。
【0080】
上述の如く、物品搬送車3の横幅方向での押圧操作部47の位置は押圧操作部位置変更手段58にて変更自在に構成されており、物品搬送車3の横幅方向での被案内ローラ29の位置は案内面切換手段32にて変更自在に構成されている。そこで、押圧操作部47は、連結体59にて被案内ローラ29と連結されて支持されており、物品搬送車3の横幅方向において被案内ローラ29と一体的に移動自在に設けられている。これにより、押圧操作部位置変更手段58は、単独で駆動部等を備えることなく、案内面切換手段32にて構成されている。
【0081】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、物品搬送車3に押圧操作部47を備えるとともに、交差部Kに連係手段48を備えることにより、交差部Kへの物品搬送車3の進入に伴って走行用回転レール44及び案内用回転レール42の切換を行うようにしている。これに代えて、図9に示すように、走行用回転レール44を第1走行位置と第2走行位置とに切換自在な走行用駆動部60(例えば電動モータ等)と、案内用回転レール42を第1案内位置と第2案内位置とに切換自在な案内用駆動部61(例えば電動モータ等)とを備える。そして、走行用駆動部60の駆動により走行用回転レール44を第1走行位置と第2走行位置とに切り換えるとともに、案内用駆動部61の駆動により案内用回転レール42を第1走行位置と第2走行位置とに切り換えることもできる。ここで、走行用駆動部60及び案内用駆動部61が切換駆動手段に相当する。
【0082】
また、例えば、図9における案内用駆動部61のみを備えるとともに、上記実施形態における連係手段48を備えることにより、案内用駆動部61の駆動により案内用回転レール42を第1走行位置と第2走行位置とに切り換え、連係手段48により案内用回転レール42の回転に伴って走行用回転レール44を第1走行位置と第2走行位置とに切り換えることもできる。
【0083】
(2)上記実施形態では、メイン経路20に対して一方側に配設するサブ経路21の数と他方側に配設するサブ経路21の数とを同数としているが、メイン経路20に対して一方側に配設するサブ経路21の数を他方側に配設するサブ経路21の数よりも多くすることもできる。
【0084】
(3)上記実施形態において、一方側のサブ経路21と他方側のサブ経路21の配設位置については、メイン経路20を挟んで対向する位置に限らずに、一方側のサブ経路21の配設位置に対して、他方側のサブ経路21の配設位置を異なる位置にすることもできる。この場合には、例えば、平面視においてサブ間連結経路27を斜めに延びるように配設することができる。
【0085】
(4)上記実施形態において、サブ経路21については、環状の経路を例示しているが、例えば、メイン経路20に対して離間する直線部分とメイン経路20に対して接近する直接部分とを対向して一対配置し、それら一対の直線部分においてメイン経路20から離れる側の端部をカーブ部分にて繋いだ平面視でコ字状の経路にてサブ経路21を形成することができる。この場合、一対の直線部分においてメイン経路20に接近する側の端部が連結経路にてメイン経路20と接続されることになる。このように、サブ経路21の経路形状については適宜変更が可能であり、環状のものに限られない。
【符号の説明】
【0086】
2 走行レール
3 物品搬送車
4 物品
8 物品搬送箇所(ステーション)
20 メイン経路
21 サブ経路
22 第1メイン経路
23 第2メイン経路
27 サブ間連結経路
29 被案内ローラ
42 切換レール(案内用回転レール)
44 切換レール(走行用回転レール)
47 操作部(押圧操作部)
48 切換操作手段(連係手段)
60 切換駆動手段(走行用駆動部)
61 切換駆動手段(案内用駆動部)
K 交差部
S 走行経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井側に設置された走行レールにて形成される走行経路に沿って走行自在な物品搬送車が複数設けられ、前記走行経路として、環状のメイン経路と、複数の物品搬送箇所を経由する状態で配設されたサブ経路と、前記メイン経路と前記サブ経路とを連結して前記物品搬送車の前記メイン経路から前記サブ経路への分岐走行及び前記サブ経路から前記メイン経路への合流走行を自在とする連結経路とが設けられ、前記サブ経路は、前記メイン経路での前記物品搬送車の走行方向に並ぶ状態で前記メイン経路の外側において前記メイン経路を挟んで一方側と他方側との両側に配設されている物品搬送設備であって、
前記走行経路として、前記メイン経路に対して一方側に配設された前記サブ経路に一端部が接続され、前記メイン経路に対して他方側に配設された前記サブ経路に他端部が接続され、途中部分が前記メイン経路を横断するサブ間連結経路が前記連結経路とは別に設けられ、
前記物品搬送車は、前記サブ間連結経路によって、前記メイン経路に対して一方側に配設された前記サブ経路から、前記メイン経路との接続箇所である交差部を通過させて、前記メイン経路に対して他方側に配設された前記サブ経路に走行自在に構成されている物品搬送設備。
【請求項2】
前記メイン経路に対して一方側に配設された前記サブ経路と前記メイン経路に対して他方側に配設された前記サブ経路とが前記メイン経路を挟んで対向する位置に配設され、
前記サブ間連結経路が、前記メイン経路を挟んで対向する位置に配設された前記サブ経路同士を連結する直線状の経路にて構成されている請求項1に記載の物品搬送設備。
【請求項3】
同一の前記サブ経路同士を連結する前記サブ間連結経路が2つ設けられている請求項1又は2に記載の物品搬送設備。
【請求項4】
前記交差部には、前記メイン経路に沿って前記物品搬送車を通過させる第1切換状態と前記サブ間連結経路に沿って前記物品搬送車を通過させる第2切換状態とに切換自在な切換レールと、前記切換レールを前記第1切換状態と前記第2切換状態とに切換操作自在な切換操作手段とが設けられている請求項1〜3の何れか1項に記載の物品搬送設備。
【請求項5】
前記切換操作手段は、前記交差部への前記物品搬送車の進入に伴って前記物品搬送車に備えられた操作部により操作されて前記切換レールを前記第1切換状態から前記第2切換状態に及び前記第2切換状態から前記第1切換状態に切換操作自在に構成されている請求項4に記載の物品搬送設備。
【請求項6】
前記切換操作手段は、切換駆動手段の駆動により前記切換レールを前記第1切換状態から前記第2切換状態に及び前記第2切換状態から前記第1切換状態に切換操作自在に構成されている請求項4に記載の物品搬送設備。
【請求項7】
前記メイン経路として、環状の第1メイン経路と、前記第1メイン経路の外側において前記第1メイン経路を挟んで一方側と他方側との両側に配設されて前記第1メイン経路に対して前記物品搬送車が分岐合流自在に接続された第2メイン経路とが設けられ、
前記サブ経路は、前記第2メイン経路に対して前記物品搬送車が分岐合流自在に接続されている請求項1〜6の何れか1項に記載の物品搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−228673(P2010−228673A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−80332(P2009−80332)
【出願日】平成21年3月27日(2009.3.27)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)