説明

物品移動装置

【課題】 物品移動空間を移動する管理対象物品に設けられている電子タグに記録されている情報を、リーダアンテナ装置のリーダアンテナでもって、安定して状態で読み取ることができるコンベア装置などの物品移動装置を提供する。
【解決手段】 物品移動空間を移動する管理対象物品の上記電子タグと無線通信し得るリーダアンテナ7が、ほぼループ形状のアンテナパターンをそれぞれ備えている第1および第2のリーダアンテナ部分A、Bから成っている。これら第1および第2のリーダアンテナ部分A、Bのそれぞれは、複数個のベースライン部と、少なくとも1個の屈曲部とをそれぞれ備えている。上記屈曲部のそれぞれは、第1および第2の立上り部と、これら第1および第2の立上り部のそれぞれの先端部を連結している連結部とをそれぞれ備えている凸形状から成っている。そして、第1および第2のリーダアンテナ部分A、Bのそれぞれの屈曲部は、互いに突き合された状態で配設されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子タグが設けられている管理対象物品が、物品移動空間を移動するように構成され、上記物品移動空間を移動する上記管理対象物品の上記電子タグと無線通信し得るリーダアンテナを有するリーダアンテナ装置を備えている、コンベア装置などの物品移動装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
固有の識別番号、商品情報などの情報を記録した電子タグを管理対象物品に貼り付け、この電子タグと非接触で交信を行うリーダライタ装置を用いて物品を管理するようにした物品流通システムが、例えば特許文献1に開示されているように、従来から知られている。この特許文献1に開示されている、物品流通システムとしてのコンベア装置の場合には、リーダライタ装置のリーダアンテナは、互いに直交するXY面、YZ面およびZX面にそれぞれ配設された3個のループアンテナから構成されている。そして、これら3個のループアンテナに順次切換えて通電するようにしている。また、上記コンベア装置のタグ情報読み取り装置においては、電子タグ付きの物品が、これら3つの面によって囲まれるほぼ直方体形状の空間を所定の方向に通過するときに、電子タグがこれら3個のリーダアンテナのうちの少なくとも1個のリーダアンテナと交信することによって、リーダアンテナによる電子タグの情報に対する読み飛ばしの率を低減させるようにしている。
【特許文献1】特開2002−74279号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1に開示されているような、従来のコンベア装置のタグ情報読み取り装置には、つぎの(A)項〜(E)項に記載のような問題点があった。これらの問題点が生じる理由は、これらの(A)項〜(E)項のそれぞれの記載のつぎに順次記載する(a)項〜(e)項に記載のとおりである。
(A)コンベア装置によって運ばれて流通する管理対象物品に貼り付けられている任意の向きの電子タグの情報が、3個のリーダアンテナのうちのいずれか1個のリーダアンテナによって、必ず読み取られることは可能であるが、このためには、管理対象物品がこれら3個のリーダアンテナによって囲まれるほぼ直方体形状の空間を必ず通過しなければならない。
(a)電子タグが3個のリーダアンテナのうちの2個のリーダアンテナに対してほぼ垂直な状態でもって通過する際には、3個のリーダアンテナのうちの残り1個のリーダアンテナしか、電子タグの情報を読み取ることができない。したがって、電子タグ付き物品が3個のリーダアンテナによって囲まれるほぼ直方体形状の空間を必ず通過しなければ、リーダアンテナによる電子タグの情報に対する読み飛ばしが発生する。
(B)大きな管理対象物品には、対応できない。
(b)電子タグが3個のリーダアンテナで囲まれるほぼ直方体形状の空間を通過しなければならないために、リーダアンテナが基本的にはトンネル型のアンテナ形状(換言すれば、中央開口を有するほぼ長方形状などの単純なループ形状)になってしまうから、このトンネル型のリーダアンテナの中央開口(換言すれば、リーダアンテナの中央部分)を通過することができる比較的小さな管理対象物品にしか対応することができない。
(C)管理対象物品が金属体の場合や電子タグの取り付け箇所の周辺が金属体の場合には、リーダアンテナによる電子タグの情報の読み取りの性能が低下する。
(c)管理対象物品が金属体の場合や管理対象物品における電子タグの取り付け箇所の周辺が金属体の場合には、リーダアンテナからの磁界によって上記金属体から反対方向の磁界が生じるので、電子タグとのリーダアンテナの通信可能な距離が低下して、リーダアンテナが電子タグの情報を読み取ることができない場合がある。
(D)管理対象物品が薄い場合(例えば、厚みが10mm以下の場合)や、電子タグを貼り付ける場所が少ない場合には、電子タグの貼り付け場所が限られるから、複数個の管理対象物品にそれぞれ貼り付けられた複数個の電子タグが狭い間隔でもって互いに重ね合せられるように配置されると、リーダアンテナによって電子タグの情報を読み取る性能が低下する。
(d)電子タグ同士が狭い間隔でもって互いに重ね合せられるように配置されると、リーダアンテナが電子タグの情報を読み取る性能が電子タグの共振周波数のずれによって低下するので、リーダライタから強い磁界が放出されていないと、上記読み取りができない。なお、上述のような電子タグの共振周波数のずれは、複数個の電子タグが互いに接近しているときに、複数個の電子タグの間で互いに電磁的に干渉しあうことによって生じる。
(E)コンベア装置などの高速の物品流通ラインにおいては、リーダアンテナによる電子タグの情報の読み取り性能が低下する。
(e)高速の物品流通ラインにおいては、電子タグがリーダアンテナに接近している時間が短いから、リーダアンテナによる電子タグの情報の読み取りが不安定となって両者の交信ができにくくなり、このために、上記読み取りの性能が低下する。
【特許文献1】特開2002−74279号公報
【0004】
本発明は、上述のような問題点に着目して、このような問題点を解決するために発明されたものであって、コンベア装置などの物品移動装置の物品移動空間を移動する管理対象物品に設けられている電子タグに記録されている情報を、リーダアンテナ装置のリーダアンテナでもって、安定した状態で読み取ることができるようにすることを主目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、電子タグが設けられている管理対象物品が、物品移動空間を移動するように構成され、上記物品移動空間を移動する上記管理対象物品の上記電子タグと無線通信し得るリーダアンテナを有するリーダアンテナ装置を備えている物品移動装置において、上記リーダアンテナが、アンテナ形成対象部材にそれぞれ設けられている第1および第2のループアンテナ部分から成り、上記第1および第2のループアンテナ部分のそれぞれが、ほぼループ形状のアンテナパターンを備え、上記第1のループアンテナ部分の上記ほぼループ形状のアンテナパターンと、上記第2のループアンテナ部分の上記ほぼループ形状のアンテナパターンとのそれぞれが、上記管理対象物品の上記物品移動空間における移動方向をx軸方向としかつこのx軸方向とほぼ直交する方向をy軸方向としたときに、ほぼ上記x軸方向に延在する上記y軸方向の第1の側に設けられた第1のパターン部分と、ほぼ上記y軸方向に延在する上記x軸方向の第1の側に設けられた第2のパターン部分と、ほぼ上記x軸方向に延在する上記y軸方向の上記第1の側とは反対側の第2の側に設けられた第3のパターン部分と、ほぼ上記y軸方向に延在する上記x軸方向の上記第1の側とは反対側の第2の側に設けられた第4のパターン部分とを備え、上記第1のループアンテナ部分の上記第1のパターン部分と、上記第2のループアンテナ部分の上記第3のパターン部分とのそれぞれが、互いに間欠的に配置されている複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられている少なくとも1個の屈曲部とをそれぞれ備え、上記屈曲部のそれぞれが、第1の立上り部および第2の立上り部をそれぞれ備えるほぼ凸形状に構成され、上記第1のループアンテナ部分の上記第1の立上り部または上記第2の立上り部が上記第2のループアンテナ部分のこれと対応する第1の立上り部とこれと対応する第2の立上り部との間に配置されるように、上記第1のループアンテナが上記第2のループアンテナ部分に対して上記第x軸方向にずれていることを特徴とする物品移動装置に係るものである。この場合、上記物品移動装置は、ベルトコンベア装置などのコンベア装置であってよい。また、上記物品移動空間は、上記コンベア装置の物品移送空間であってよい。
【0006】
そして、本発明においては、上記第1のループアンテナ部分と上記第2のループアンテナ部分とが、いずれも個別のループアンテナを構成していることができる。また、上記第1のループアンテナ部分と上記第2のループアンテナ部分とが、互いに接続されている接続点を有することによって、全体として単一のループアンテナを構成していることもできる。
【0007】
また、本発明においては、上記リーダアンテナが、上記物品移動空間の周囲の互いに異なる角度から、上記物品移動空間にそれぞれ対向している2つの面を備えていてもよい。そして、上記リーダアンテナが、上記物品移動空間の周囲の互いに異なる角度から、上記物品移動空間にそれぞれ対向している3つの面を備えていてもよい。さらに、上記リーダアンテナがリーダライタアンテナとして構成されていてもよい。
【0008】
本発明においては、上記第1のループアンテナ部分が上記第2のループアンテナ部分に対して上記x軸方向にずれているずれの大きさが、上記屈曲部の1個を共同で構成している上記第1および第2の立上り部の間隔の0.6〜0.75の範囲であるのが好ましく、上記間隔の0.65〜0.70の範囲であるのがさらに好ましい。そして、上記屈曲部のそれぞれが、上記第1および第2の立上り部のそれぞれの先端部を連結するために、上記x軸方向に延在している連結部をさらに備え、上記第1のループアンテナ部分の上記連結部と、上記第2のループアンテナ部分の上記ベースライン部とによって、長手状重複部位および/または長手状近接部位が構成され、上記第1のループアンテナ部分の上記ベースライン部と、上記第2のループアンテナ部分の上記連結部とによって、長手状重複部位および/または長手状近接部位が構成されているのが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、コンベア装置などの物品移動装置の物品移動空間を移動する管理対象物品に設けられている電子タグに記録されている情報を、リーダアンテナ装置のリーダアンテナでもって、安定した状態で読み取ることができる。特に、本発明によれば、管理対象物品が或る程度大きい場合でも、また、多数個の比較的薄い管理対象物品が互いに重ね合せられていて多数個の電子タグ同士が狭い間隔でもって互いに重ね合せられるように配置されている場合でも、電子タグの向きが不規則な場合でも、電子タグに記録されている情報を比較的安定した状態で読み取ることができる。
【0010】
また、請求項5および6に係る発明によれば、電子タグに記録されている情報をさらに安定した状態で読み取ることができる。
【0011】
さらに、請求項8および9に係る発明によれば、リーダアンテナをそれぞれ構成している第1および第2のリーダアンテナ部分のうちの一方のリーダアンテナ部分への給電によって他方のリーダアンテナ部分に生じる誘導電流が、上記他方のリーダアンテナ部分において相殺されるのを実質的に回避することができるから、第1および第2のリーダアンテナ部分が発生する磁界を互いに強め合うことができる。このために、比較的少ないリーダアンテナ部分の数(すなわち、2個)でかつ比較的小さい駆動電力でもって、電子タグの向きには実質的に無関係に、上記電子タグとの交信が可能であるリーダアンテナを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
つぎに、本発明をコンベア装置に適用した実施例を、「1、コンベア装置の概略的な構成」「2、リーダアンテナのパターン形状」および「3、リーダアンテナの動作実験」に項分けして、図面を参照しつつ説明する。
【0013】
1、コンベア装置の概略的な構成
図1には、コンベア装置1の第1の実施例が示されている。このコンベア装置1は、駆動源としての電動モータ(図示せず)によって駆動されるエンドレスベルト2を備えていてよい。したがって、エンドレスベルト2は、周知のように、複数個のプーリまたは複数個の歯車(何れも図示せず)にそれぞれ巻き掛けられることによって支持されていてよい。そして、これら複数個のプーリまたは複数個の歯車のうちの少なくとも1個が上記電動モータにより駆動力伝達機構(図示せず)を介して駆動されることによって、エンドレスベルト2がその上に載置されている各種の管理対象物品3を所定の移送方向にほぼ一定の速度で順次移送することができる。また、管理対象物品3には、電子タグ4が貼り付けなどによって取り付けられている。さらに、リーダアンテナ装置5が管理対象物品3の物品移送空間(換言すれば、エンドレスベルト2上における物品移動空間)の左右両側のうちの一方の側に沿ってほぼ垂直な状態で配設されている。このリーダアンテナ装置6は、図6に示すように、ほぼ長方形状などの横長の基板(換言すれば、アンテナ形成対象部材)6に、リーダアンテナ7が形成されたものであってよい。
【0014】
図1に示すコンベア装置1は、物品移送手段としてエンドレスベルト2を用いている。しかし、この物品移送手段としては、周知のように、物品移送空間に沿って多数個が敷きつめられたローラ(図示せず)によって構成することもできる。この場合、これらのローラのそれぞれは、物品の移送方向に対してほぼ直交するように延在することができる。さらに、上記物品移送手段としては、エンドレスベルト2に代えて配設された左右一対のエンドレスチェーン(図示せず)に物品載置用または物品収納用のパレット(図示せず)が取り付けられたものであってもよい。
【0015】
図2には、コンベア装置1の第2の実施例が示されている。この第2の実施例におけるコンベア装置1が上記第1の実施例におけるコンベア装置1と相違している点は、エンドレスベルト2の左右両側にそれぞれ沿って左右1対のリーダアンテナ装置5a、5bがそれぞれほぼ垂直な状態で配設されていることである。そして、図3には、コンベア装置1の第3の実施例が示されている。この第3の実施例におけるコンベア装置1が上記第1の実施例におけるコンベア装置1と相違している点は、エンドレスベルト2の左右両側のうちの一方の側に沿ってほぼ垂直な状態で配設されているリーダアンテナ装置5に加えて、エンドレスベルト2の下側にもリーダアンテナ装置8がほぼ水平な状態で配設されていることである。この場合、リーダアンテナ装置5の基板6とリーダアンテナ装置8の基板6とが、全体としてほぼL字状の断面を有するように、互いに一体に形成されていてもよい。さらに、図4には、コンベア装置1の第4の実施例が示されている。この第4の実施例におけるコンベア装置1が上記第2の実施例におけるコンベア装置1と相違している点は、エンドレスベルト2の左右両側にそれぞれ沿って配設されている左右一対のリーダアンテナ装置5a、5bに加えて、エンドレスベルト2の下側にもリーダアンテナ装置8が配設されていることである。この場合、左右一対のリーダアンテナ装置5a、5bのそれぞれの基板6とリーダアンテナ装置8の基板6とが、全体としてほぼU字状の断面を有するように、互いに一体に形成されていてもよい。なお、図2〜図4において、図1と共通の部分には、同一の符号を付するとともに、その説明を必要に応じて省略している。
【0016】
図1〜図4に示すリーダアンテナ装置5、5a、5b、8(ひいては、これらのリーダアンテナ装置5、5a、5b、8にそれぞれ形成されているリーダアンテナ7)は、コンベア装置1の物品移送空間を所定の移送方向に移送される管理対象物品3(ひいては、これらの管理対象物品3に取り付けられている電子タグ4)と直接またはエンドレスベルト2などを介して間接的に対向することができる。また、図1〜図4に示すように、管理対象物品3に取り付けられている電子タグ4は、ほぼ直方体形状の管理対象物品3の6面のうちのいずれの面に貼り付けられていてよい。そして、電子タグ4は、コンベア装置1の物品移送空間の移送方向に対して特定の位置や特定の向きである必要は特にない。このような電子タグ4は、図5に示すように、この電子タグ4の中心とその中心がほぼ一致している1回巻きまたは複数回巻きのほぼループ形状の小型アンテナ11と、情報が記録されるメモリ(図示せず)が組み込まれかつほぼループ形状の小型アンテナ11の中央開口に配されたICチップ12とを含む通信回路を備えていてよい。
【0017】
2、リーダアンテナのパターン形状
つぎに、本発明の第1〜第4の実施例において用いられることができるリーダアンテナ7のパターン形状を、「(1)第1の具体例」、「(2)第2の具体例」、「(3)第3の具体例」、「(4)第4の具体例」、「(5)第5の具体例」および「(6)第6の具体例」に項分けして、図6〜図12を参照しつつ説明する。なお、図6〜図10に示す第1〜第4の具体例のリーダアンテナ7が形成されているリーダアンテナ装置5は、図1に示す第1の実施例のリーダアンテナ装置5、図2に示す第2の実施例のリーダアンテナ装置5a、5b、図3に示す第3の実施例のリーダアンテナ装置5、8および図4に示す第4の実施例のリーダアンテナ装置5a、5b、8のいずれにも、そのままの状態(換言すれば、平板形状)で用いられることができる。そして、図11に示す第5の具体例のリーダアンテナ7が形成されているリーダアンテナ装置16は、断面がほぼL字状になるように1箇所でほぼ直角に折り曲げることによって、図3に示す第3の実施例のリーダアンテナ装置5、8として(換言すれば、1個のリーダアンテナ装置16のリーダアンテナ7でありながら、2個分のリーダアンテナ装置5、8のリーダアンテナ7として)用いられることができる。また、図12に示す第6の具体例のリーダアンテナ7が形成されているリーダアンテナ装置17は、断面がほぼU字状になるように互いにほぼ平行な2箇所でそれぞれほぼ直角に折り曲げることによって、図4に示す第4の実施例のリーダアンテナ装置として(換言すれば、1個のリーダアンテナ装置17のリーダアンテナ7でありながら、3個分のリーダアンテナ装置5a、5b、8のリーダアンテナ7として)用いられることができる。さらに、図11に示す第5の具体例のリーダアンテナ7が形成されているリーダアンテナ装置16は、図6〜図10に示す第1〜第4の具体例のリーダアンテナ7が形成されているリーダアンテナ装置5と全体として断面がほぼU字状になるように組み合せることによって、図4に示す第4の実施例のリーダアンテナ装置5a、5b、8として(換言すれば、2個のリーダアンテナ装置5、16のリーダアンテナ7でありながら、3個分のリーダアンテナ7として)用いられることができる。
【0018】
(1)第1の具体例
図1に示す第1の実施例などのコンベア装置1に用いられているリーダアンテナ装置5は、管理対象物品3に設けられている電子タグ4と無線通信によって交信するためのリーダアンテナ7の第1の具体例として、図6(ただし、投影図−図7〜図12の場合も同じ)に示されている。そして、このリーダアンテナ7は、図7Aに示す第1のループアンテナ部分Aと、図7Bに示す第2のループアンテナ部分Bとから成っている。なお、図6〜図8、図11および図12において、図示の都合上、第1のループアンテナ部分Aを実線で示し、第2のループアンテナ部分Bを破線で示している。また、第1および第2のループアンテナ部分A、Bのアンテナパターン13の各パターン部分の幅も、図示の都合上、実際よりは太く示している。さらに、第1および第2のループアンテナ部分A、Bのアンテナパターン13の各パターン部分の実際の幅は、実質的に互いに同一であってよい。
【0019】
第1および第2のループアンテナ部分A、Bは、いずれも、図7Aおよび図7Bに示すように、ワンループなどのループ型のものであってよく、電磁結合方式の電子タグ4に対応したパターン形状を有している。そして、第1および第2のループアンテナ部分A、Bは、いずれも、図7Aおよび図7Bに示すように、ほぼループ形状のアンテナパターン13と、このほぼループ形状のアンテナパターン13の両端部にそれぞれ連設されて互いに近接している一対の端子部14a、14bとから成っている。これら一対の端子部14a、14bの間には、隙間15が設けられているので、ほぼループ形状のアンテナパターン13の両端部の間にも、隙間15が同様に存在している。これら一対の端子部14a、14bは、適当なリード線などによって、リーダライタ装置(図示せず)の切替器(図示せず)に電気的に接続されていてよい。第1および第2のループアンテナ部分A、Bのそれぞれのほぼループ形状のアンテナパターン13は、ほぼ等幅に形成されることができる。また、一対の端子部14a、14bも、必要に応じて、これらのほぼループ形状のアンテナパターン13とほぼ等幅(例えば、約20mmの幅)に形成されることができる。
【0020】
第1のアンテナ部分Aのほぼループ形状のアンテナパターン13は、図7Aに示すように、基板6の長さ方向xに延在する一方の側(図7Aにおける後縁側)に位置する第1のパターン部分21と、基板6の幅方向yに延在する一方の側(図7Aにおける左縁側)に位置する第2のパターン部分22と、端子部14aが連設されかつ基板6の長さ方向xに延在する他方の側(図7Aにおける前縁側)に位置する第3のパターン23と、端子部14bが連設されかつ基板6の幅方向yに延在する他方の側(図7Aにおける右縁側)に位置する第4のパターン部分24とが順次連設されたものであってよい。そして、第1のアンテナ部分Aのほぼループ形状のアンテナパターン13は、全体として、隙間15を除いてループ形状に構成されていてよい。なお、第1のアンテナ部分Aのほぼループ形状のアンテナパターン13は、その一部分と別の一部分とが交差する交差部位を有していないワンループのものである。本文において、「交差」とは、電気的には接続交差していないが、基板6を上面から見た投影図において(換言すれば、平面的に見て)交差していることを意味している。
【0021】
図7Aに示すように、第1のアンテナ部分Aの第1のパターン部分21は、ミアンダ形状(換言すれば、蛇行形状)に構成されている。この第1のパターン部分21は、具体的には、基板6の長さ方向xに延在する上記一方の側の縁部25から多少離れかつこの縁部25にほぼ平行な状態(換言すれば、基板6の長さ方向xにほぼ延在する状態)でもって、相互の間に間欠部分26が生じるように間欠的に延在している複数本のベースライン部27と、これら間欠的に延在しているベースライン部27の間(換言すれば、間欠部分26)にそれぞれ存在している好ましくは複数個の屈曲部28とから成っている。各ベースライン部27は、基板6の幅方向yにおけるほぼループ形状のアンテナパターン13の中心に沿って基板6の長さ方向xに延在するアンテナパターン13の仮想の中心線Cよりも、上記一方の側の縁部25側を延在している。そして、第1のパターン部分21は、基板6の長さ方向xのほぼ全長にわたって延在している。
【0022】
図7Aに示すように、第1のアンテナ部分Aの第2のパターン部分22は、基板6の幅方向yに延在する上記一方の側の縁部31から多少離れかつこの縁部31に対してほぼ平行な状態(換言すれば、基板6の幅方向yに対してほぼ平行な状態であって、ほぼ直線的)でもって、基板6の幅方向yのほぼ全長にわたって延在している。そして、第1のアンテナ部分Aの第3のパターン部分23は、基板6の長さ方向xに延在する上記他方の側の縁部32に近接しかつこの縁部32にほぼ平行な状態(換言すれば、基板6の長さ方向xにほぼ平行な状態であって、ほぼ直線的)でもって、基板6の長さ方向xのほぼ全長にわたって延在している。また、第1のアンテナ部分Aの第4のパターン部分24は、基板6の幅方向yに延在する上記他方の側の縁部33に近接しかつこの縁部33に対してほぼ平行な状態(換言すれば、基板6の幅方向yに対してほぼ平行な状態であって、ほぼ直線的)でもって、基板6の幅方向yのほぼ全長にわたって延在している。
【0023】
第1のパターン部分21の各屈曲部28は、縁部31側のベースライン部27の縁部33側の端部にその縁部25側の端部を連設されかつ縁部32にほぼ向って立上っている第1の立上り部34と、縁部33側のベースライン部27の縁部31側の端部にその縁部25側の端部を連設されかつ縁部32にほぼ向って立上っている第2の立上り部35と、これら第1および第2の立上り部34、35の縁部32側のそれぞれの端部(換言すれば、先端部)を連設するように、基板6の長さ方向xにほぼ延在している連結部36とから成っている。そして、各屈曲部28は、全体として、ほぼ長方形の凸形状部分となっている。この場合、連結部36は、中心線Cよりも縁部32側を基板6の長さ方向xにほぼ延在しているのが好ましい。したがって第1および第2の立上り部34、35は、中心線Cによって2つに区分される基板6の一方の側(具体的には、縁部25側の部分)から他方の側(具体的には、縁部32側の部分)まで、中心線Cにほぼ直交するように交差して延在しているのが好ましい。また、各屈曲部28の第1および第2の立上り部34、35の、基板6の長さ方向xにおける間隔L(換言すれば、各連結部36の長さ)は、互いに隣接する一対の屈曲部28の、基板6の長さ方向xにおける間隔L(換言すれば、各ベースライン部27の長さ)とほぼ同一であってよい。
【0024】
図6を観察すれば明らかなように、図7Bに示す第2のアンテナ部分Bのほぼループ状のアンテナパターン13は、図7Aに示す第1のアンテナ部分Aのほぼループ形状のアンテナパターン13とは、中心線Cを対称軸として、実質的に線対称に構成されている。換言すれば、第2のアンテナ部分Bのアンテナパターン13は、第1のアンテナ部分Aのアンテナパターン13とは、中心線Cの長さ方向xにおけるほぼ中間点(換言すれば、第1のアンテナ部分Aのアンテナパターン13のほぼ中心点)を対称点として、実質的に180°回転した点対称に構成されている。ただし、第2のアンテナ部分Bのアンテナパターン13は、図6から明らかなように、第1のアンテナ部分Aのアンテナパターン13とは間隔L(換言すれば、間隔L)のほぼ2/3(図示の実施例においては、約100mm)だけ縁部31側(換言すれば、長さ方向x)にずれた状態でもって、基板6に形成されている。したがって、第1のアンテナ部分Aのアンテナパターン13についての以上の説明は、上述のように縁部31側にずれていることと、上述のように線対称または点対称であることとによって生じる変更事項を除いて、第2のアンテナ部分Bのアンテナパターン13についても同様に当てはまる。
【0025】
第2のアンテナ部分Bのアンテナパターン13について図7Bを参照して説明を多少追加すると、第2のパターン部分22は、縁部31に近接しかつこの縁部31にほぼ平行な状態(換言すれば、基板6の幅方向yにほぼ平行な状態)でもって延在している。第2のアンテナ部分Bの第4のパターン部分24は、縁部33から多少離れかつこの縁部33にほぼ平行な状態(換言すれば、基板6の幅方向yにほぼ平行な状態)でもって延在している。図6から明らかなように、第1のアンテナ部分Aの各ベースライン部27は、平面的に見て、第2のアンテナ部分Bの各連結部36とは基板6の幅方向yにおけるほぼ同一の位置に存在しているので、平面的に見て、上記各連結部36とはほぼ2/3ずつ重なっている。そして、第1のアンテナ部分Aの各連結部36は、平面的に見て、第2のアンテナ部分Bの各ベースライン部27とは基板6の幅方向yにおけるほぼ同一の位置に存在しているので、平面的に見て、上記各ベースライン部27とはほぼ2/3ずつ重なっている。これは、ほぼ長方形状の凸形状部分によってそれぞれ構成されている第1および第2のアンテナ部分A、Bの各屈曲部28の、基板6の幅方向yにおける中心線が、中心線Cとほぼ一致しているためである。本発明においては、一方のアンテナ部分A、Bのベースライン部27と他方のアンテナ部分B、Aの連結部36とは、上述のように互いに重なり合う必要は特になく、基板6の幅方向yに互いに或る程度ずれていてもよいが、両者は近接しているのが好ましい。
【0026】
本発明においては、図6に示す第2のアンテナ部分Bのアンテナパターン13が第1のアンテナ部分Aのアンテナパターン13に対して長さ方向xにずれている大きさは、実用性の観点から見て一般的に、間隔L(換言すれば、間隔L)の0.6〜0.75の範囲であるのが好ましく、0.65〜0.7の範囲であるのがさらに好ましい。したがって、後述の長手状近接部位51〜59における第1のアンテナ部分Aの立上り部34、35と第2のアンテナ部分Bの立上り部35、34との相互の間隔(換言すれば、長さ方向xにおけるずれの大きさ)は、図示の実施例においては、間隔L(換言すれば、間隔L)のほぼ1/3であるが、実用性の観点から見て一般的に、間隔L(換言すれば、間隔L)の0.25〜0.4の範囲であるのが好ましく、0.3〜0.35の範囲であるのがさらに好ましい。また、一方のアンテナ部分A、Bのベースライン部27が他方のアンテナ部分B、Aの連結部36に対して幅方向yにずれている場合のこのずれの大きさは、実用性の観点から見て一般的に、第1のアンテナ部分Aの連結部36と第1のアンテナ部分Aの第3のパターン部分23との間隔L(換言すれば、第2のアンテナ部分Bの連結部分36と第2のアンテナ部分Bの第1のパターン部分21との間隔L)の0.35以内であるのが好ましく、0.3以内であるのがさらに好ましい。また、上記ずれの大きさは、観点を変えれば、間隔L(換言すれば、間隔L)の0.4以内であるのが好ましく、0.35以内であるのがさらに好ましい。さらに、上記ずれが0(すなわち、一方のアンテナ部分A、Bのベースライン部27が他方のアンテナ部分B、Aの連結部36とほぼ完全に重複していること)であるのが最も好ましい。
【0027】
図6に示すように、リーダアンテナ7の第1および第2のアンテナ部分A、Bが共通の基板6に形成された状態においては、第1のアンテナ部分Aの第3のパターン部23は、基板6の縁部32に近接しかつこの縁部32にほぼ平行な状態でもって基板6の長さ方向xのほぼ全長にわたって延在している。また、第2のアンテナ部分Bの第1のパターン部分21は、縁部25に近接しかつこの縁部25にほぼ平行な状態でもって基板6の長さ方向xのほぼ全長にわたって延在している。また、第1のアンテナ部分Aの第2のパターン部分22は、縁部31から多少離れかつこの縁部31にほぼ平行な状態でもって基板6の幅方向yのほぼ全長にわたって延在している。また、第2のアンテナ部分Bの第4のパターン部分24は、縁部33から多少離れかつこの縁部33にほぼ平行な状態でもって基板6の幅方向yのほぼ全長にわたって延在している。また、第1のアンテナ部分Aのベースライン部27と第2のアンテナ部分Bの連結部36とは、中心線Cと縁部25との間にそれぞれ位置している。さらに、第1のアンテナ部分Aの連結部36と第2のアンテナ部分Bのベースライン部27とは、中心線Cと縁部32との間にそれぞれ位置している。
【0028】
図6に示すように、第2のアンテナ部分Bの第2のパターン部分22と第1のアンテナ部分Aの第4のパターン部分24との間には、第1のアンテナ部分Aのパターン部分22、第2のアンテナ部分Bの屈曲部28の第1の立上り部34、第1のアンテナ部分Aの屈曲部28の第1の立上り部34、第2のアンテナ部分Bの屈曲部28の第2の立上り部35、第1のアンテナ部分Aの屈曲部28の第2の立上り部35が、それぞれほぼ1/3L(換言すれば、ほぼ1/3L)の間隔またはほぼ2/3L(換言すれば、ほぼ2/3L)の間隔でもって、縁部31側から縁部33側にかけて順次配置されている。
【0029】
図6および図7に示す第1の具体例のリーダアンテナ7の場合には、第1および第2のアンテナ部分A、Bに交互に給電を行うことによって、リーダアンテナ7を安定した状態で良好に通信させることができる。しかし、この第1の具体例のリーダアンテナ7の場合には、第1および第2のアンテナ部分A、Bのうちの一方のアンテナ部分に給電した際に、他方のアンテナ部分に発生する誘導電流が一方向(換言すれば、共通の電流方向)のみに流れ易いように、第1および第2のアンテナ部分A、Bを組み合わせて配置しているので、一方のアンテナ部分のみに給電するだけでリーダアンテナ7を電子タグ4と良好に交信させることもできる。例えば、図6に示すリーダアンテナ7の場合には、第1のアンテナ部分Aに図6における実線の向き(またはその逆の向き)に給電したときに、第1および第2のアンテナ部分A、Bの長手状重複部位41〜48において第2のアンテナ部分Bに発生する誘導電流は、図6における上記実線の矢印の向き(またはその逆の向き)とは逆の破線の矢印の向き(またはその逆の向き)になる。また、図6に示すリーダアンテナ7の場合には、第1のアンテナ部分Aにおける実線の向き(またはその逆の向き)に給電したときに、第1および第2のアンテナ部分A、Bの長手状近接部位51〜59において第2のアンテナ部分Bに発生する誘導電流は、図6における上記実線の矢印の向き(またはその逆の向き)とは逆の破線の矢印の向き(またはその逆の向き)になる。
【0030】
上述のように一方のアンテナ部分のみに連続的に給電すれば、第1および第2のアンテナ部分A、Bによって空間的にも時間的にも連続した磁界を形成することができる。したがって、電子タグ4が高速(例えば、1.5m/秒程度)で移動する場合や、薄い物品3に貼り付けられた電子タグ4がほぼ積層された状態で多数個並べられている場合や、多数個の電子タグ4が連続的に流れている場合などのように、電子タグ4の読み取りが難しいと思われる状態においても、コンベア装置1の物品移送空間を移動する電子タグ4を安定した状態で読み取ることができる。
【0031】
つぎに、物品3に電子タグ4を貼り付けることによって生じる効果について説明すると、つぎのとおりである。すなわち、電子タグ4の利用方法は、多種多様であるが、電子タグ4自体の価格は、従来のバーコード方式に比べて高価である。したがって、物品3に貼り付けられる電子タグ4の価格の上昇分は、物品3の生産、物流、販売などの工程で発生するコスト(人件費、管理費など)の低減に寄与しなければ、消費者側への負担につながる。電子タグ4の価格を実質的に減らすためには、このようなコストの低減効果を期待することができる工程が多いほど、電子タグ4の利点が大きくなるので、物品3の実質的な価格低下につなげることが可能になる。すなわち、製造段階から電子タグ4の貼り付けを行い、高速のコンベア装置1などで短時間での一括管理を行えるようにすることによって、物流コストを大きく削減することができれば、物品3に電子タグ4を貼り付ける利点が大きくなる。このような電子タグ4は、店舗などで物品3を販売するときにも利用することができるとともに、店舗での在庫管理や、盗難防止、偽造防止などにも利用することができるから、電子タグ4を物品3に貼り付ける利点を最大限、活かすことができる。
【0032】
上述のような利点を音楽用CDや映像用DVDを例にとってつぎに説明すると、製造工程でCDやDVDのケース3に電子タグ4を貼り付けることによって、つぎの(ア)項〜(ウ)項に記載の利点が得られる。
(ア)物流拠点
→瞬時の一括読み取りによる商品管理の効率化および適正化によって、人件費の削減および効率の上昇を達成することができること、
(イ)店舗
→瞬時の一括読み取りによる入庫、出庫などの在庫管理、棚卸時の人件費の削減および効率の上昇を達成すること、
→視聴可能な情報端末などとの組み合せによって、顧客に対して購買を喚起し得ること、
→ゲートアンテナを併設することによって、万引きを防止し得ること、
(ウ)不正流通防止
→偽造防止によって、著作権を保護し得ること。
【0033】
(2)第2の具体例
図8には、第2の具体例のリーダアンテナ7が形成されているリーダアンテナ装置5が示されている。この図8に示すリーダアンテナ7が図6に示すリーダアンテナ7と相違している点は、第1のアンテナ部分Aの第2のパターン部分22、第2のアンテナ部分Bの第4のパターン部分24ならびに第1および第2のアンテナ部分A、Bの第1および第2の立上り部34、35のそれぞれが基板6の幅方向yに対して傾斜角度θだけ傾斜していることである。換言すれば、第1のアンテナ部分Aの第2のパターン部分22、第2のアンテナ部分Bの第4のパターン部分24ならびに第1および第2のアンテナ部分A、Bの第1および第2の立上り部34、35が互いにほぼ平行になるようにそれぞれ傾斜していることである。したがって、上記第1の具体例において記述した事項は、特に矛盾を生じない限り、この第2の具体例についても同様に当てはまる。なお、傾斜角度θは、基板6の幅方向yに対していずれの方向に傾斜していてもよいが、図示の実施例においては、縁部32側から縁部25側に向うにしたがって、縁部31側から縁部33側へと約20°傾斜している。上記傾斜角度θは、実用性の観点から見て一般的に、30°以内であるのが好ましく、25°以内であるのがさらに好ましい。
【0034】
上述のように構成された第2の具体例のリーダアンテナ7の場合にも、第1の具体例のリーダアンテナ7の場合とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0035】
(3)第3の具体例
図9には、第3の具体例のリーダアンテナ7が形成されているリーダアンテナ装置5が示されている。この図9に示すリーダアンテナ7が図6に示すリーダアンテナ7と相違している点は、図6に示すリーダアンテナ7の第1のアンテナ部分Aに相当している第1のアンテナ部分Dと、図6に示すリーダアンテナ7の第2のアンテナ部分Bに相当している第2のアンテナ部分Eとが接続点Fにおいて互いに接続されているために、図9に示すリーダアンテナ7が全体として1本の一連のアンテナによって構成されていることである。したがって、上記第1および第2の具体例において記述した事項は、特に矛盾を生じない限り、この第3の具体例についても同様に当てはまる。なお、図9および図10において、図示の都合上、第1のアンテナ部分Dを実線で示し、第2のアンテナ部分Eを破線で示している。また、第1および第2のアンテナ部分D、Eのアンテナパターン13の各パターン部分の幅も、図示の都合上、実際よりも太く示している。さらに、第1および第2のアンテナ部分D、Eのアンテナパターン13の各パターン部分の実際の幅は、実質的に互いに同一であってよい。
【0036】
具体的には、図9に示す第1のアンテナ部分Dは、図7Aに示す第1のアンテナ部分Aの場合のような一対の端子部14a、14bおよび間隙15を有しておらず、これら一対の端子部14a、14bにおいて間隙15がなくなるように一連に接続されている。また、第1のアンテナ部分Dにおいては、第3のパターン部分23の縁部31側の端部が、第2のパターン部分22の縁部32側の端部と切り離されていて、両者の間に間隙61が形成されるとともに、図7Bの第2のアンテナ部分Bの端子部14bに相当している端子部14bに接続されている。そして、この端子部14bと第2のアンテナ部分Eの端子部14aとの間に間隙15が形成されているので、これらの端子部14a、14bがリーダアンテナ7に全体として一対だけ形成されている。さらに、第1のアンテナ部分Dの第2のパターン部分22の縁部32側の端部と、第2のアンテナ部分Eの最も縁部31側のベースライン部27の縁部31側の端部とは、接続点Fにおいて互いに接続されている。
【0037】
上述のように構成された第3の具体例のリーダアンテナ7の場合にも、第1の具体例のリーダアンテナ7の場合とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0038】
(4)第4の具体例
図10には、第4の具体例のリーダアンテナ7が形成されているリーダアンテナ装置5が示されている。この図10に示すリーダアンテナ7が図9に示すリーダアンテナ7と相違している点は、第1のアンテナ部分Dの第2のパターン部分22、第2のアンテナ部分Eの第4のパターン部分24ならびに第1および第2のアンテナ部分D、Eの第1および第2の立上り部34、35のそれぞれが図8に示す第2の具体例の場合と同様に基板6の幅方向yに対して傾斜角度θだけ傾斜していることである。したがって、上記第1〜第3の具体例において記述した事項は、特に矛盾を生じない限り、この第4の具体例にも、同様に当てはまる。
【0039】
上述のように構成された第4の具体例のリーダアンテナ7の場合にも、第1〜第3の具体例のリーダアンテナ7の場合とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0040】
(5)第5の具体例
図11には、第5の具体例のリーダアンテナ7が形成されているリーダアンテナ装置16が示されている。この図11に示すリーダアンテナ7が図6に示すリーダアンテナ7と相違している点は、基板6と第1および第2のアンテナ部分A、Bの第2および第4のパターン部分22、24ならびに第1および第2の立上り部34、35との幅方向yにおけるそれぞれの長さがほぼ2倍になっている点である。したがって、上記第1〜第4の具体例において記述した事項は、特に矛盾を生じない限り、この第5の具体例についても同様に当てはまる。なお、図11においては、アンテナパターン13の仮想の中心線Cは、基板6(換言すれば、リーダアンテナ装置16)の折り曲げ予定線Gを兼用することができる。そして、既述のように、リーダアンテナ装置16をこの折り曲げ予定線Gにおいて2つ折りして断面がほぼL字状になるように構成することによって、図3に示す第3の実施例などのリーダアンテナ装置5、8の組合せ体として用いることができる。
【0041】
上述のように構成された第5の具体例のリーダアンテナ7の場合にも、リーダアンテナ装置5、8にそれぞれ形成されたリーダアンテナ部分が第1の具体例のリーダアンテナ7の場合とほぼ同様の作用効果をそれぞれ奏することができる。
【0042】
(6)第6の具体例
図12には、第6の具体例のリーダアンテナ7が形成されているリーダアンテナ装置17が示されている。この図12に示すリーダアンテナ7が図6に示すリーダアンテナ7と相違している点は、基板6と第1および第2のアンテナ部分A、Bの第2および第4のパターン部分22、24ならびに第1および第2の立上り部34、35との幅方向yにおけるそれぞれの長さがほぼ3倍になっている点である。したがって、上記第1〜第5の具体例において記述した事項は、特に矛盾を生じない限り、この第6の具体例についても同様に当てはまる。なお、図12においては、基板6(換言すれば、リーダアンテナ装置16)の2本の折り曲げ予定線G、Gが幅方向yにおいてずれて存在している。そして、既述のように、リーダアンテナ装置17をこれら2本の折り曲げ予定線G、Gにおいて3つ折りして断面がほぼU字状になるように構成することによって、図4に示す第4の実施例のリーダアンテナ装置5a、5b、8の組み合せ体として用いることができる。
【0043】
上述のように構成された第6の具体例のリーダアンテナ7の場合にも、リーダアンテナ装置5a、5b、8にそれぞれ形成されたリーダアンテナ部分が第1および第5の具体例のリーダアンテナ7の場合とほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0044】
3、リーダアンテナの動作実験
図14には、特許文献1に開示されているような、従来の物品流通システムを例示するコンベア装置1が示されている。そして、この図14に示すコンベア装置1においては、リーダアンテナ装置63の、互いに直交する状態で配設されたリーダアンテナ7a、7b、7cが、エンドレスベルト2上の物品移送空間(換言すれば、ほぼ立方体形状の空間)を下側、側面および前面からそれぞれ取り囲むように、配設されている。また、上記物品移送空間を通過する3個の管理対象物品(図示せず)には、電子タグ4a、4b、4cがそれぞれ貼り付けられている。この場合、電子タグ4aは、リーダアンテナ7cに対してはほぼ平行な状態でリーダアンテナ7a、7bに対してはほぼ垂直な状態になっている。そして、電子タグ4bは、リーダアンテナ7aに対してはほぼ平行な状態でリーダアンテナ7b、7cに対してはほぼ垂直な状態になっている。また、電子タグ4cは、リーダアンテナ7bに対してはほぼ平行な状態でリーダアンテナ7a、7cに対してはほぼ垂直な状態になっている。
【特許文献1】特開2002−74279号公報
【0045】
図15においては、3個のリーダアンテナ7a、7b、7cが3個の電子タグ4a、4b、4cと交信し得る通信可能領域62が、平行斜線領域として示されている。この図15から明らかなように、図14に示すリーダアンテナ付きコンベア装置1において電子タグ4aがリーダアンテナ7a、7bと交信し得る通信可能領域62は、図15(a)および図15(b)に示すように、ほぼ長方形状のリーダアンテナ7a、7bの左右両側のアンテナ部分付近のみである。これに対し、電子タグ4aがリーダアンテナ7cと交信し得る通信可能領域62は、図15(c)に示すように、ほぼ長方形状のリーダアンテナ7cおよびその外周部分の全体である。しかし、この場合でも、図15(c)のI−I線における矢視図である図15(d)に示すように、上記通信可能領域62は、前後方向の幅が比較的狭くなっている。さらに、電子タグ4b、4cについても、図15(e)〜図15(g)および図15(h)〜図15(j)に示すように、電子タグ4aについての上述の場合とほぼ同様な結果になっている。
【0046】
一方、本発明の図1に示す第1の実施例(特に、図6に示す第1の具体例)の場合には、図13(a)〜図13(c)に示すように、3個の電子タグ4a、4b、4cのいずれについても、基板6のほぼ全面が通信可能領域62になっている。
【0047】
図16には、多数個の電子タグ4が、図14に示すコンベア装置1の物品移送空間を移送される場合(従来例a、b)と、図1に示すコンベア装置1の物品移送空間を移送される場合(第1の実施例)とにおける電子タグ4(換言すれば、管理対象物品3)の移動速度(換言すれば、エンドレスベルト2の移動速度)に対する電子タグ4の情報の読み取り率を示している。そして、図16における符号(A)、(B)、(C)は、図17Aにおける従来例aのグラフ部分(A)、(B)、(C)をそれぞれ示している。また、図16における符号(D)、(E)、(F)は、図17Bにおける従来例bのグラフ部分(D)、(E)、(F)をそれぞれ示している。さらに、図16における符号(G)、(H)、(I)は、図17Cにおける第1の実施例のグラフ部分(G)、(H)、(I)をそれぞれ示している。なお、図16における従来例aとは、図14に示すリーダアンテナ装置63においてリーダアンテナ7cのみに通電した場合を意味している。そして、図16における従来例bとは、図14に示すリーダアンテナ装置63においてリーダアンテナ7bのみに通電した場合を意味している。
【0048】
図16におけるグラフ部分(A)、(D)、(G)は、10mmピッチで前後方向に配列された25枚の電子タグ4がエンドレスベルト2上の物品移送空間を移動する第1の場合を示している。また、図16におけるグラフ部分(B)、(E)、(H)は、5mmピッチで前後方向に配列された25枚の電子タグ4がエンドレスベルト2上の物品移送空間を移動する第2の場合を示している。さらに、図16におけるグラフ部分(C)、(F)、(I)は、5mmピッチで前後方向に配列された50枚の電子タグ4がエンドレスベルト2上の物品移送空間を移動する第3の場合を示している。これら第1〜第3の場合は、内容物が収容されていなくて空っぽである比較的薄い(例えば、約10mm厚または約5mm厚の)25個または50個のプラスチックケース(図示せず)と、これらのプラスチックケースにそれぞれ貼り付けられた25枚または50枚の電子タグ4とから成る多数個の電子タグ付きプラスチックケースを用いて実現することができる。この場合、多数個の電子タグ付きプラスチックケースは、単一の大きな紙箱や単一の大きなプラスチック容器(いずれも図示せず)に互いに重ね合せられた状態で収納されるか、あるいは、互いに重ね合せられた状態で紐で縛られるかすればよい。
【0049】
これらの図16および図17A〜図17Cから、つぎの(ア)項〜(ウ)項に記載の事項が判る。
(ア)従来例a(電子タグ4が、通電されるリーダアンテナ7cに対して平行な状態)では、電子タグ4の移動速度が大きくなると、読み取り率が急激に低下すること、
(イ)従来例b(電子タグ4が、通電されるリーダアンテナ7bに対して垂直な状態)では、電子タグ4の移動速度が大きくなると、読み取り率がかなり急激に低下すること、および
(ウ)第1の実施例では、10mmピッチで配列された25枚の電子タグ4に対しては、電子タグ4の移動速度とは無関係に、ほぼ100%の読み取り率が得られるとともに、それ以外の場合でも、電子タグ4の移動速度が或る程度大きくなっても、読み取り率がそれ程急激には低下しないこと。
【0050】
以上において、本発明の第1〜第4の実施例について説明したが、本発明は、これら第1〜第4の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に基づいて、各種の変更および修正が可能である。
【0051】
例えば、既述の第1〜第4の実施例においては、リーダアンテナ17の第1および第2のアンテナ部分A、Bの各アンテナパターン要素21〜24、27、34〜36などの相互の間のつながり部位の大部分をあまり丸みのないほぼ尖った形状に構成した。しかし、これらのつながり部位の一箇所または複数箇所もしくは全部の箇所が、さらに丸みを帯びた形状に構成されていてもよい。
【0052】
また、既述の第1〜第4の実施例においては、リーダアンテナ17の第1および第2のアンテナ部分A、Bのそれぞれの屈曲部28の個数をそれぞれ4個にした。しかし、上記屈曲部28の個数は、4個である必要は必ずしもなくて、それよりも多いかあるいは少ないかの任意の個数であってよく、2個以上であるのが好ましいが、場合によっては、1個であってもよい。
【0053】
また、既述の第1〜第4の実施例におけるリーダアンテナ17が、ライタアンテナを兼用し得るように、リーダライタアンテナであってもよい。
【0054】
さらに、既述の第1〜第4の実施例においては、リーダアンテナ17が1つまたは複数のほぼ平らな平面形状に構成されている。しかし、リーダアンテナ17は、コンベア装置1の物品移送空間の周囲からこの物品移送空間にほぼ対向する湾曲面形状(例えば、物品3の移送方向にほぼ延在する軸線を有するほぼ半円筒面形状)に構成されることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明をコンベア装置に適用した第1の実施例におけるコンベア装置の一部分の概略的な斜視図である。(実施例1)
【図2】本発明をコンベア装置に適用した第2の実施例におけるコンベア装置の一部分の概略的な斜視図である。(実施例2)
【図3】本発明をコンベア装置に適用した第3の実施例におけるコンベア装置の一部分の概略的な斜視図である。(実施例3)
【図4】本発明をコンベア装置に適用した第4の実施例におけるコンベア装置の一部分の概略的な斜視図である。(実施例4)
【図5】図1〜図4に示す電子タグの拡大平面図である。(実施例1〜4)
【図6】図1〜図4に示す第1の具体例のリーダアンテナ装置の平面図である。(実施例1〜4)
【図7A】図6に示すリーダアンテナ装置の、リーダアンテナを構成する2個のアンテナ部分のうちの第1のアンテナ部分のみを示す平面図である。(実施例1〜4)
【図7B】図6に示すリーダアンテナ装置の、リーダアンテナを構成する2個のアンテナ部分のうちの第2のアンテナ部分のみを示す平面図である。(実施例1〜4)
【図8】図1〜図4に示す第2の具体例のリーダアンテナ装置の平面図である。(実施例1〜4)
【図9】図1〜図4に示す第3の具体例のリーダアンテナ装置の平面図である。(実施例1〜4)
【図10】図1〜図4に示す第4の具体例のリーダアンテナ装置の平面図である。(実施例1〜4)
【図11】図3および図4に示す第5の具体例のリーダアンテナ装置の平面図である。(実施例3および4)
【図12】図4に示す第6の具体例のリーダアンテナ装置の平面図である。(実施例4)
【図13】図1に示すリーダアンテナ装置の、各種の状態における通信可能領域をそれぞれ書き加えた平面図である。(実施例1)
【図14】従来のコンベア装置の一部分の概略的な斜視図である。(従来例1)
【図15】図14に示すリーダアンテナ装置の、各種の状態における通信可能領域をそれぞれ書き加えた平面図である。(従来例1)
【図16】図14に示すコンベア装置および図1に示すコンベア装置の各種の状態における電子タグの移動速度に対する電子タグの情報の読み取り率をそれぞれ示すグラフである。(従来例1および実施例1)
【図17A】図16に示すグラフのうちの従来例aのグラフ部分である。(従来例1)
【図17B】図16に示すグラフのうちの従来例bのグラフ部分である(従来例1)
【図17C】図16に示すグラフのうちの第1の実施例のグラフ部分である(実施例1)
【符号の説明】
【0056】
3 管理対象物品
4、4a、4b、4c 電子タグ
5、5a、5b、8、16、17 リーダアンテナ装置
6 基板(アンテナ形成対象部材)
7、7a、7b、7c リーダアンテナ
13 ほぼループ形状のアンテナパターン
21 第1のパターン部分
22 第2のパターン部分
23 第3のパターン部分
24 第4のパターン部分
27 ベースライン部
28 屈曲部
34 第1の立上り部
35 第2の立上り部
36 連結部
41〜48 長手状重複部位
51〜59 長手状近接部位
A、D 第1のループアンテナ部分
B、E 第2のループアンテナ部分
、L 間隔
x 長さ方向(x軸方向)
y 幅方向(y軸方向)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子タグが設けられている管理対象物品が、物品移動空間を移動するように構成され、
上記物品移動空間を移動する上記管理対象物品の上記電子タグと無線通信し得るリーダアンテナを有するリーダアンテナ装置を備えている物品移動装置において、
上記リーダアンテナが、アンテナ形成対象部材にそれぞれ設けられている第1および第2のループアンテナ部分から成り、
上記第1および第2のループアンテナ部分のそれぞれが、ほぼループ形状のアンテナパターンを備え、
上記第1のループアンテナ部分の上記ほぼループ形状のアンテナパターンと、上記第2のループアンテナ部分の上記ほぼループ形状のアンテナパターンとのそれぞれが、上記管理対象物品の上記物品移動空間における移動方向をx軸方向としかつこのx軸方向とほぼ直交する方向をy軸方向としたときに、ほぼ上記x軸方向に延在する上記y軸方向の第1の側に設けられた第1のパターン部分と、ほぼ上記y軸方向に延在する上記x軸方向の第1の側に設けられた第2のパターン部分と、ほぼ上記x軸方向に延在する上記y軸方向の上記第1の側とは反対側の第2の側に設けられた第3のパターン部分と、ほぼ上記y軸方向に延在する上記x軸方向の上記第1の側とは反対側の第2の側に設けられた第4のパターン部分とを備え、
上記第1のループアンテナ部分の上記第1のパターン部分と、上記第2のループアンテナ部分の上記第3のパターン部分とのそれぞれが、互いに間欠的に配置されている複数本のベースライン部と、これら複数本のベースライン部の間に設けられている少なくとも1個の屈曲部とをそれぞれ備え、
上記屈曲部のそれぞれが、第1の立上り部および第2の立上り部をそれぞれ備えるほぼ凸形状に構成され、
上記第1のループアンテナ部分の上記第1の立上り部または上記第2の立上り部が上記第2のループアンテナ部分のこれと対応する第1の立上り部とこれと対応する第2の立上り部との間に配置されるように、上記第1のループアンテナ部分が上記第2のループアンテナ部分に対してほぼ上記x軸方向にずれていることを特徴とする物品移動装置。
【請求項2】
上記物品移動装置が、コンベア装置であり、
上記物品移動空間が、上記コンベア装置の物品移送空間であることを特徴とする請求項1に記載の物品移動装置。
【請求項3】
上記第1のループアンテナ部分と上記第2のループアンテナ部分とが、いずれも個別のループアンテナを構成していることを特徴とする請求項1または2に記載の物品移動装置。
【請求項4】
上記第1のループアンテナ部分と上記第2のループアンテナ部分とが、互いに接続されている接続点を有することによって、全体として単一のループアンテナを構成していることを特徴とする請求項1または2に記載の物品移動装置。
【請求項5】
上記リーダアンテナが、上記物品移動空間の周囲の互いに異なる角度から、上記物品移動空間にそれぞれ対向している2つの面を備えていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の物品移動装置。
【請求項6】
上記リーダアンテナが、上記物品移動空間の周囲の互いに異なる角度から、上記物品移動空間にそれぞれ対向している3つの面を備えていることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか1つに記載の物品移動装置。
【請求項7】
上記リーダアンテナがリーダライタアンテナとして構成されていることを特徴とする請求項1〜6のうちのいずれか1つに記載の物品移動装置。
【請求項8】
上記第1のループアンテナ部分が上記第2のループアンテナ部分に対してほぼ上記x軸方向にずれているずれの大きさが、上記屈曲部の1個を共同で構成している上記第1および第2の立上り部の間隔の0.6〜0.75の範囲であることを特徴とする請求項1〜7のうちのいずれか1つに記載の物品移動装置。
【請求項9】
上記屈曲部のそれぞれが、上記第1および第2の立上り部のそれぞれの先端部を連結するために、ほぼ上記x軸方向に延在している連結部をさらに備え、
上記第1のループアンテナ部分の上記連結部と、上記第2のループアンテナ部分の上記ベースライン部とによって、長手状重複部位および/または長手状近接部位が構成され、
上記第1のループアンテナ部分の上記ベースライン部と、上記第2のループアンテナ部分の上記連結部とによって、長手状重複部位および/または長手状近接部位が構成されていることを特徴とする請求項1〜8のうちのいずれか1つに記載の物品移動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図17C】
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