説明

物流管理装置、物流管理パレット、及び物流管理システム

【課題】
詳細な物流管理が手間をかけずに低コストで行える物流管理装置及び物流管理システムを提供する。
【解決手段】
物流管理装置を、非接触ICタグと非接触で通信する非接触通信手段と、置かれている状況に関する情報を取得する情報取得手段と、該情報取得手段で取得した情報を所定の記憶手段に書き込む制御手段と、上記各手段に電力を供給する可搬型電源手段とで構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば物品に対応付けた非接触ICタグにより物流を管理するような物流管理装置、物流管理パレット又は物流管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
物流の自動化を進めるためには,個々の物品等に貼付される伝票等の内容を、機械にて読み取り可能とすることが重要となる。
【0003】
従来、この目的のためには、個々の伝票にその内容に対応したバーコードラベルを貼付することが行われている。
【0004】
しかしながら,いわゆるバーコードリーダを用いてバーコードラベルを読みとるためには、両者間に一定の距離的並びに方向的な関係付けを高精度に行わなければならないために手間がかかり、物流の円滑化の障害となっていた。さらに、バーコードに入力できる情報量が少ないため、物流の管理範囲も狭い区域に限られていた。
【0005】
近年では、電磁波等を用いて非接触で読み取りが可能な非接触ICタグが使用されてきている。この非接触ICタグは、読み取り媒体として電磁波を用いていることから、読みとりに際して距離的並びに方向的な制約をさほど受けることがなく、その内容を確実に読みとることが容易である。
【0006】
また、この非接触ICタグ内のICには、管理対象物品の個体情報を大容量で記憶することができる。従って、この個体情報の記憶機能を個体を特定するためのセキュリティ情報として用いることも可能となる。
【0007】
通常、このような非接触ICタグを物流管理システムで用いる場合、該非接触ICタグ内の情報は、図16に示すようなコンベア型リーダ装置、あるいは図17に示すようなゲート型リーダ装置等を用いて読み取られる。
【0008】
詳述すると、非接触ICタグ101、201を貼付した物品100,200等は、コンベア120、あるいはフォークリフト220等により運び、リーダ装置110,111(図16)や、リーダ装置210,211(図17)の間を通過させる。
【0009】
このとき、非接触ICタグ101、201内のデータが上記リーダ装置210,211によって読み込まれ、該データが接続線112、212を通して、コンピュータ130、230に伝送される。
【0010】
コンピュータ130、230は、図18のシステム構成図に示すような形態でネットワークに接続されて物流管理システムを構成しているため、リーダ装置210,211で読み取られてコンピュータに伝送されたデータは、物流工程全体の管理に用いられる。
【0011】
しかし、前記コンベア型リーダ110,111、あるいはゲート型リーダ210,211は、該リーダ装置の交信領域を通過した時点での物品の状況を確認するものであり、リーダ装置通過後、次のリーダ装置を通過するまでの間の物品の状態を管理することはできない。
【0012】
すなわち、物品の出入りは把握できても、在庫時の物品の所在、保管状況の管理や、輸送時の搬送ルート追跡、物品の取り違え、誤配送等の防止には効果がないという問題がある。
【0013】
この課題を対策するための方法として、物品に取り付けた非接触ICタグ内のデータを、該物品を積んだパレット等の荷物台に搭載された無線通信装置にゲート型リーダ装置等を通過する際に貨物情報として記憶させる物流管理システムが提案されている(特許文献1参照)。
【0014】
この物流管理システムは、無線通信装置内のパレット毎の貨物情報を物流管理に用いることで、複数の異なる物品がパレットという単位で管理している。無線通信装置にBlueToothを用いることで数mの交信距離を可能とし、物品の所在管理と搬送ルート追跡を行うように構成されている。
【0015】
しかし、ゲート型リーダ装置等の通過後に物品を固体単位で抜き取る、あるいは他の物品を加える等、パレット上の貨物の保管状況に関する管理情報は把握できない問題があった。
【0016】
また、輸送に際して物品を混載する、あるいは輸送途上で一時保管する場合等の保管管理や、屋外、広大な倉庫内での所在管理等も困難であった。
【0017】
さらには、搬入、搬出に際して物品をコンベア型リーダ、あるいはゲート型リーダを通過させる必要があるため、搬入、搬出の経路が制限され、各リーダ装置前で貨物が停滞するといった問題があった。
【0018】
一方、一般的な非接触ICタグの利用方法として、各物流拠点で非接触ICタグ内のメモリにデータを書き込み、このデータを物品の物流経過管理に用いることが可能である。
【0019】
しかし、コンベア型リーダ、あるいはゲート型リーダを用いる従来の方法では、各拠点で入力するデータを自由に変更することが可能であり、管理データとしての信頼性に乏しい問題がある。
【0020】
さらに、前記したような従来の物流管理システムにおいては、各工程に関係する全ての業者がリーダ装置を投資し、全ての業者のデータが図18に示すようなネートワークで結び付かないと、完全な物流管理システムの構築ができないという問題がある。
【0021】
従って、非接触ICタグを用いた物流システムの導入による大きな効果を期待できなければ、業者のコスト負担が過大となるため、非接触ICタグよる物流システムの導入を遅らせるという問題があった。
【0022】
【特許文献1】特開2002ー154618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0023】
この発明は、上述の問題に鑑み、詳細な物流管理が手間をかけずに低コストで行える物流管理装置、物流管理パレット、及び物流管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0024】
この発明は、非接触ICタグと非接触で通信する非接触通信手段と、置かれている状況に関する情報を取得する情報取得手段と、該情報取得手段で取得した情報を所定の記憶手段に書き込む制御手段と、上記各手段に電力を供給する可搬型電源手段とを備えた物流管理装置であることを特徴とする。
【0025】
前記所定の記憶手段は、前記非接触ICタグが有している記憶手段、物流管理装置に備えさせた記憶手段、又はその他の記憶手段で構成することを含む。
前記可搬型電源手段は、バッテリ又は乾電池等、可搬型の電源で構成することを含む。なお、バッテリや充電式乾電池など充電可能な電源であることが望ましいが、充電不可能な乾電池等の電源で使い捨てにすることも可能である。
【0026】
前記構成により、置かれている状況に関する情報、例えば位置、温度、湿度、衝撃等の情報を、非接触ICタグや物流管理装置等に書き込むことができ、物流管理を行うことができる。
【0027】
従って、非接触ICタグが置かれていた状況、若しくは該費接触ICタグに対応付けられている物品が置かれていた状況を、後にトレースする又は証明するといったことが可能となる。
【0028】
さらに、この物流管理装置は可搬型電源手段で可動するため、場所を選ばずに上記書き込みを実行できる。従って、例えば搬送用のパレットやコンテナを物流管理装置とする、あるいはパレットやコンテナに物品を載置した状態で物流管理装置を安置するといった利用ができる。
【0029】
また、非接触ICタグを貼り付けた物品と共に物流管理装置を流通させることが可能となって、この物流管理装置で非接触ICタグと通信できるため、物品をゲート型リーダ装置に通過させるといったことが不要となる。従って、手間をかけずに非接触ICタグ内のデータを読み取ることが可能となる。
【0030】
なお、非接触ICタグと通信する非接触通信タイミング、情報取得手段で情報を取得する情報取得タイミング、又は情報取得手段で取得した情報の書き込みタイミング等、制御手段が所定の処理を実行するタイミングは、後述の外部装置通信手段にて外部装置から実行指示を受けたとき、時刻認識手段で所定の時刻若しくは時間経過を認識したとき、環境情報取得手段で所定の環境情報を取得したとき、位置情報取得手段で所定距離の移動を検知したとき、押しボタンやタッチパネル等の入力手段により実行指示を受けたとき等、適宜のタイミングで実行することを含む。
【0031】
この発明の態様として、前記情報取得手段として、現在の位置情報を取得する位置情報取得手段を備えることができる。
【0032】
前記位置情報取得手段は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用して緯度及び経度といった位置情報を取得するGPS装置で構成することを含む。また、区画毎に配設されてその区画の位置情報を格納している非接触ICタグから、非接触で位置情報を取得する非接触ICタグリーダで構成することを含む。
【0033】
前記構成により、物流管理装置の所在位置を特定することができ、これを記憶手段に書き込むことができる。
従って、記憶手段から上記位置情報を読み取れば、非接触ICタグ若しくは該非接触ICタグに対応付けられている物品がどこに所在するか、あるいはどこに所在していたかを判別することができる。これにより、例えば物品の流通過程を後にトレース又は証明するといった利用が可能となる。
【0034】
またこの発明の態様として、前記情報取得手段として、現在の環境情報を取得する環境情報取得手段を備えることができる。
【0035】
前記環境情報取得手段は、自己が存在している存在場所の温度情報を取得する温度情報取得手段、自己が存在している存在場所の湿度情報を取得する湿度情報取得手段、又は、自己が存在している存在場所で受けた衝撃情報を取得する衝撃情報取得手段の1以上で構成することを含む。
【0036】
これにより、非接触ICタグ若しくは該非接触ICタグに対応付けられている物品が置かれている環境に関する環境情報(温度、湿度、衝撃)を、記憶手段に書き込むことができる。
【0037】
またこの発明の態様として、前記制御手段を、前記非接触ICタグに前記情報取得手段で取得した情報を書き込むと共に、自己に備えた記憶手段に前記非接触ICタグに関する情報と前記情報取得手段で取得した情報とを書き込む構成とすることができる。
【0038】
これにより、非接触ICタグに書き込んだ情報と同一の一部又は全部の情報を物流管理装置の記憶手段にも記憶することができる。従って、非接触ICタグに書き込んだ情報が改竄されたような場合に、これを検出するといったことができ、非接触ICタグ内の情報が正しいことを証明することが可能となる。
【0039】
また、非接触ICタグに書き込まれている情報を取得したい場合に、非接触ICタグと通信しなくとも記憶手段から読み取ることが可能となる。従って、物流管理装置の通信範囲内に複数の非接触ICタグが存在し、この非接触ICタグの全ての情報を知りたいような場合でも、記憶手段から短時間で非接触ICタグの情報を取得することが可能となる。
【0040】
またこの発明の態様として、時刻を認識可能な時刻認識手段を備え、前記情報を取得した時刻を前記情報と共に書き込む構成とすることができる。
【0041】
前記時刻認識手段は、時刻を計時するタイマ、あるいは電波時計等にて利用するべく電波送信されている標準電波を受信する標準電波受信装置で構成することを含む。
前記時刻は、年、月、日、時、分、秒の1以上で構成することを含むが、少なくとも日、時、分を有することが望ましい。
【0042】
前記構成により、情報を時刻と共に書き込むことができ、情報取得時刻を記録することが可能となる。従って、ある時刻での位置、温度、湿度、衝撃といった情報を後にトレース又は証明することが可能となる。
【0043】
またこの発明の態様として、時刻を認識可能な時刻認識手段を備え、予め定めた時期設定に従って、前記非接触通信手段による非接触ICタグとの通信を実行する構成とすることができる。
【0044】
これにより、毎日何時と何時といったようにスケジュールした所定時刻に非接触ICタグと通信して管理する、あるいは5分毎など所定間隔で随時通信して非接触ICタグを管理するというように、定期的に通信して管理することができる。
【0045】
管理間隔を短くすれば、非接触ICタグが物品と共に持ち出されたような場合に、持ち出し時刻と持ち出された物品(若しくは非接触ICタグ)とを特定することができる。また逆に、非接触ICタグと対応付けられた物品(若しくは非接触ICタグ)が持ち込まれたような場合に、持ち込み時刻と持ち込まれた物品(若しくは非接触ICタグ)とを特定することができる。
【0046】
またこの発明の態様として、前記非接触通信手段とは別に通信回線を通じて外部装置と通信する外部装置通信手段を備え、外部装置からアクセスがあった場合に、該外部装置から受信した命令信号に基づいて所定の処理を実行し、該処理の実行結果を上記外部装置へ上記外部装置通信手段により送信する構成とすることができる。
【0047】
前記通信回線は、携帯電話やPDA等の移動体の通信に用いられる移動体通信網、インターネット、又はイントラネット等、通信可能な回線で構成することを含む。なお、移動体通信網やインターネットのように広域の通信回線で構成することが望まい。
【0048】
前記外部装置は、携帯電話機、PDA、ノート型パソコン等の携帯情報端末、あるいは、デスクトップ型パソコン等の据置型情報端末で構成することを含む。
【0049】
前記所定の処理は、非接触ICタグに書き込まれている情報を非接触通信手段により読み取るタグ情報読取り処理、非接触ICタグに書き込んだ情報を蓄積している記憶手段から上記情報を読み取る蓄積情報読取り処理、又は、前記取得手段により情報を取得する情報取得処理等、外部装置からの命令信号に従って実行する処理で構成することを含む
前記構成により、外部装置から物流管理装置にアクセスすることができ、例えば遠隔地から物流管理装置にアクセスするといったことが可能となる。また、利用者が非接触ICタグと通信できるリーダライタ装置を保持していなくても、必要に応じて外部装置から物流管理装置にアクセスすることができ、非接触ICタグと通信することができる。
【0050】
またこの発明の態様として、荷受人の所持する非接触ICタグから荷受人のID情報を読み取り、該ID情報を前記記憶手段に書き込む構成とすることができる。
【0051】
これにより、荷受人に関する情報を非接触ICタグに書き込むことができる。従って、流通段階の途中で受け取った荷受人を後にトレース又は証明するといたことが可能となる。
【0052】
この発明の態様として、荷受人のID情報と共に、時刻認識手段で取得した荷受時刻、及び前記情報取得手段で取得した情報を、前記記憶手段又は非接触ICタグに書き込む構成とすることができる。
【0053】
これにより、荷受人、荷受時刻、及び情報取得時刻を書き込むことができる。従って、これを非接触ICタグ付きの物品の流通過程での環境の証明に利用し、物品の品質保証等に用いることも可能となる。
【0054】
またこの発明は、前記物流管理装置を組み込んだ物流搬送資材であって、フォークリフトのフォークを側面から挿入許容するフォーク挿入部を備え、前記各手段を、上記フォーク挿入部を避けて配設した物品搬送資材とすることができる。
【0055】
前記物品搬送資材は、物品を載置するパレット、又は、物品を収納するコンテナ等、物品を搭載して搬送する資材で構成することを含む。
【0056】
前記構成により、物品の搬送によく使われるパレットやコンテナ等の物品搬送資材にて物品に取り付けた非接触ICタグと通信することができる。
【0057】
物流管理装置の各手段はフォーク挿入部を避けて配設しているため、物流過程でフォークリフトによる物品搬送資材の積み込みや積み降ろし、場所の移動が行われても、非接触ICタグとの通信機能を損なわず、故障を防止して耐用年数を長期化することができる。
【0058】
またこの発明は、通信を許容する通信回線と、該通信回線に接続して通信する通信手段を備えた外部装置と、上記通信回線を介して上記外部装置と通信する外部装置通信手段、非接触ICタグと非接触で通信する非接触通信手段、各種制御処理を実行する制御手段、及び上記各手段に電力を供給する可搬型電源手段を有する物流管理装置とを備え、前記物流管理装置を、前記外部装置からアクセスがあった場合に、該外部装置から受信した命令信号に基づいて所定の処理を実行し、該処理の実行結果として前記非接触ICタグに関するタグ情報を上記外部装置へ上記外部装置通信手段により送信する構成とした物流管理システムとすることができる。
【0059】
これにより、外部装置により物流管理装置にアクセスし、該物流管理装置が通信可能な範囲にある非接触ICタグ若しくは該費接触ICタグに対応付けた物品を管理することができる。
【0060】
この発明の態様として、前記物流管理装置に、置かれている状況に関する情報を取得する情報取得手段を備え、タグ情報を前記外部装置へ前記外部装置通信手段により送信する際に、上記情報取得手段で取得した情報も送信する構成とすることができる。
【0061】
これにより、外部装置により物流管理装置にアクセスし、該物流管理装置が通信可能な範囲にある非接触ICタグ若しくは該費接触ICタグに対応付けた物品の置かれている状態、(例えば位置、温度、湿度、衝撃等)を確認することができる。
【0062】
またこの発明の態様として、前記外部装置から前記物流管理装置へのアクセスに対して課金を行う課金手段を備えることができる
前記課金手段は、外部装置からのアクセス回数を計測して課金金額を決定する、あるいは、月単位や年単位等の所定期間毎に一定額の課金をすることを含む。
【0063】
前記構成により、物流管理装置を無料又は有料で貸し出して該物流管理装置の利用を有料化することができる。従って利用者は、物流管理装置を所有しなくとも外部装置を利用して物流管理装置にアクセスし、非接触ICタグ若しくは該非接触ICタグを対応付けた物品を管理することができる。
【発明の効果】
【0064】
この発明により、詳細な物流管理が手間をかけずに低コストで行える物流管理装置及び物流管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
まず、図1に示すシステム構成図と共に、物流管理システム1のシステム構成について説明する。
【0066】
物流管理システム1は、GPS衛星10、蓄積サーバ20、複数の管理用パレット30(30a,30b,…)、移動体通信網60、携帯電話70、及び課金サーバ75により構成する。
【0067】
GPS衛星10は、管理用パレット30に内蔵するGPS装置と通信し、該GPS装置の位置を計測して緯度及び経度等の位置情報をGPS装置に送信する。
【0068】
蓄積サーバ20は、データを蓄積するサーバであり、一連の物流工程を終えた管理用パレット30から物流に関するデータを取得して記録する。また、蓄積サーバ20は移動体通信網60に接続しており、携帯電話70その他の外部端末からアクセス可能に構成している。
【0069】
なお、蓄積サーバ20は移動体通信網60ではなく別途のインターネット等の通信網に接続し、パソコン等の他の外部端末からのアクセスを許容してもよい。また蓄積サーバ20を通信網に一切接続しない構成としても良い。
【0070】
また、蓄積サーバ20は、用途に応じて、物品の製造業者、販売業者等の物流に関与した業者、又は、物流状況を監視する第三者のいずれに設置しても良い。
【0071】
管理用パレット30は、複数の物品を積載してフォークリフト2等によって運搬するためのパレットである。内部には、非接触ICタグ(RF−IDタグ)と非接触で通信するタグリーダライタを備えている。また、温度や湿度や衝撃等の環境データを取得するセンシング装置、移動体通信網60を介して携帯電話70等とパケット通信等の通信を可能にする移動体用アンテナ、及びGPS衛星10から位置情報を取得するGPS装置を備えている。
【0072】
また、図示する状態では、管理用パレット30は倉庫内に安置されており、その安置場所には倉庫内位置送信タグ5を区画毎に備えている。この倉庫内位置送信タグ5は、非接触ICタグであり、区画を示すデータを記憶しており、管理用パレット30に備えているICタグリーダライタにてそのデータを読み取れるよう構成している。
【0073】
移動体通信網60は、移動体である携帯電話70のキャリアが提供する通信網であり、携帯電話70によるWEBページの閲覧や電子メールの送受信を許容する通信網である。
【0074】
該移動体通信網60は、図示省略するインターネット(公衆回線)にも接続しており、携帯電話70と同じ移動体用アンテナを有する装置(携帯電話70、データ通信カード等)だけでなく、インターネットに接続されたパソコン等の情報処理装置との通信も許容する。
【0075】
携帯電話70は、移動体通信網60を介してWEBページの閲覧ができるデータ通信機能を備えた携帯情報端末であり、移動体通信網60を介して管理用パレット30にアクセスすることができる。
【0076】
課金サーバ75は、携帯電話70が移動体通信網60を介して管理用パレット30にアクセスするに際して課金を行うサーバであり、携帯電話70によって利用できるWEBコンテンツへのアクセスに対して課金を行う。
【0077】
管理用パレット30へのアクセスは、この課金サーバ75によって携帯電話用有料ホームページへのアクセスと同様に課金され、月額一定の定額制、又はアクセス回数に応じた従量制のいずれかの課金方式を利用者が選択可能にしている。
【0078】
以上のシステム構成により、管理用パレット30は各種データを取得することができ、携帯電話70によってこのデータにアクセス等することができる。
【0079】
次に、図2に示す斜視図、図3に示す斜視断面図、及び図4に示す非接触通信領域説明図と共に、管理用パレット30の構成について説明する。
【0080】
管理用パレット30は、搬送する物品51を多数積載してフォークリフト2(図1)で搬送できるパレットであり、平面視約1m四方の正方形で所定の厚み(例えば10cm程度)を有した形状に形成している。
【0081】
ここで、1つの物品51には1つの非接触ICタグ55を貼り付けており、物品51と非接触ICタグ55が一対一の関係となるようにしている。従って、物品51の数だけ非接触ICタグ55が存在することとなる。
【0082】
なお、例えば複数個の商品をダース等の所定単位で梱包し、この1梱包を1物品として1つの非接触ICタグ55を貼り付けて利用しても良い。この場合は、非接触ICタグ55内に商品個数のデータも格納するようにすればよい。
【0083】
管理用パレット30の前後左右の各側面には、フォークリフト2(図1)のフォーク2a(図1)を挿入できるように、内部を反対側の側面まで貫通するフォーク孔31を各2つずつ備えている。これにより、四方のどの面からでもフォークリフト2のフォーク2aを挿入して管理用パレット30を持上げて運搬できるようにしている。
【0084】
この管理用パレット30は、硬質の樹脂部材にて形成している。なお、木材で形成する等、載置する物品51を支えることができる他の材料で形成しても良い。
【0085】
管理用パレット30の1つの角部には、バッテリ38を着脱可能に装着している。このように管理用パレット30の周囲部にバッテリ38を着脱可能に備えることで、物品51を多数積載して総重量が重い管理用パレット30からその状態のままバッテリ38を脱着し、バッテリ38の充電を容易に行えるようにしている。
【0086】
また、該バッテリ38を備えている管理用パレット30の正面の中央部には溝を設けており、その溝内に無線で移動体通信網60(図1)の基地局(図示省略)と長距離通信する移動体用アンテナ33を備えている。
【0087】
このように、移動体用アンテナ33の配置を、積載した物品51の影響を受け難い管理用パレット30の周囲部で、さらに機械的応力負荷を受けやすい四隅を避けた位置に設定していることで、通信を安定させ故障も防止している。
【0088】
管理用パレット30の底面は、全面をアルミホイル又は金属繊維で形成した網等の電波遮断素材で構成した電磁シールド材45により被覆している。これにより、物品51を積載した管理用パレット30を多段に積み上げても、上下の管理用パレット30での電波干渉を防止することができる。
【0089】
従って、管理用パレット30は、自己に積載された物品51の非接触ICタグ55と通信し、他の管理用パレット30に積載された物品51の非接触ICタグ55とは通信しないことが可能となる。
【0090】
管理用パレット30の内部には、図3に示すように、コントローラ32、GPS装置34、標準電波受信装置35、センシング装置36(第1センシング装置36a,第2センシング装置36b)、及び非接触ICタグ55と非接触で通信するICタグリーダライタ37(第1ICタグリーダライタ37a,第2ICタグリーダライタ37b)を内装している。
【0091】
コントローラ32は、制御回路を有しているため強い衝撃を避けるべく管理用パレット30の中央部に埋設して備えている。なお、該コントローラ32は管理用パレット30から容易に着脱可能なように、管理用パレット30の平面又は底面に開閉する蓋を備えて収納する構成としても良い。この場合は、コントローラ32を容易に取り出せるため、コントローラ32内のデータの取り出しが容易となる。
【0092】
GPS装置34は、管理用パレット30の背面側部分の中央に備えている。
標準電波受信装置35は、管理用パレット30の正面側部分の中央に備えている。
【0093】
これらGPS装置34及び標準電波受信装置35と前記移動体用アンテナ33は、管理用パレット30の周面部分(この実施形態では正面部分と背面部分)に備えることで、積載した物品51が無線通信の妨げとならないようにすると共に、フォークリフト2での運搬時の応力等による故障を防止している。
【0094】
センシング装置36(36a,36b)は、管理用パレット30の左右両側部の中央にそれぞれ1つずつ配設している。この配置により、フォークリフト2での運搬時の応力等による故障を防止している。
【0095】
ICタグリーダライタ37(37a,37b)は、管理用パレット30の左右両側部の中央にそれぞれ1つずつ配設している。この配置により、フォークリフト2での運搬時の応力等による故障を防止している。
【0096】
ここで、ICタグリーダライタ37は、図4の正面図に示すように、発信角度を約30°に設定し、交信可能距離が管理用パレット30の上方へ向けて高さ約2m程度となるようアンテナ出力を調整して、左右対称に設けている。
これにより、1.1m四方の管理用パレット30の上方で、高さ約2m程度で幅約1.15m四方の範囲で非接触ICタグ55と通信を行うようにしている。
【0097】
以上の構成により、管理用パレット30内に、コントローラ32、移動体用アンテナ33、GPS装置34、標準電波受信装置35、センシング装置36、及びICタグリーダライタ37を内装することができる。
【0098】
内装した各要素は、管理用パレット30のフォーク孔31の上下位置(特に上方)を避けて配設しているため、フォークリフト2のフォーク2aがフォーク孔31に挿入されて、管理用パレット30が載置した物品51と共に持上げられても、各要素が破損することがない。
【0099】
また、管理用パレット30の上方を所定範囲(具体的には上方2m、前後左右は1.15m)で、載置された物品51に貼り付けられた非接触ICタグ55と確実に通信することができる。
【0100】
通信範囲40は、管理用パレット30の側方へは広がらないように設定しているため、複数の管理用パレット30を並置した状態であっても、自己の管理用パレット30上の物品51に貼り付けられた非接触ICタグ55とのみ確実に通信することができる。
【0101】
また、通信範囲40の上方を約2mに設定しているため、管理用パレット30に積載可能な範囲をカバーでき、荷崩れしない程度に積載した全物品51の非接触ICタグ55と通信することができる。
また、管理用パレット30近傍の交信ができない領域を小さく抑えることができる。
【0102】
次に、図5に示すブロック図と共に、管理用パレット30の構成について説明する。
【0103】
管理用パレット30には、コントローラ32に接続して、移動体用アンテナ33、GPS装置34、標準電波受信装置35、第1センシング装置36a、第2センシング装置36b、第1ICタグリーダライタ37a、及び第2ICタグリーダライタ37bを備えており、駆動電源としてバッテリ38を備えている。
【0104】
コントローラ32は、内部に不揮発性メモリを備えており、各構成要素を制御すると共に、不揮発性メモリへのデータの保存を実行する。この不揮発性メモリには、管理用パレット30のシリアルナンバ、所有者、使用者、使用開始日、使用終了予定日などのデータを初期データとして書き込んでいる。使用者に管理用パレット30を渡す際には、これ以外の不要なデータは消去しておく。
【0105】
また、LAN又はUSB等の接続インタフェースも備えており、該接続インタフェースを介して蓄積サーバ20と通信できるように構成している。
【0106】
なお、この接続インタフェースは有線で構成しても無線で構成しても良い。無線で構成する場合は、移動体用アンテナ33の通信周波数やICタグリーダライタ37の交信周波数と異なる周波数に設定することが望ましい。
【0107】
また、コントローラ32はWEBサーバ機能を備えており、携帯電話70にてホームページを閲覧するのと同様に、携帯電話70から移動体用アンテナ33を通じてコントローラ32にアクセスできるように構成している。
【0108】
携帯電話70からのアクセスは、管理用パレット30のコントローラ32に設定した携帯電話番号によって行うが、IDとパスワードでアクセスできるようにしても良い。
【0109】
移動体用アンテナ33は、コントローラ32の制御に従って、通信周波数として800MHz〜2GHz帯を用いて基地局(図示省略)と通信し、移動体通信網60(図1)を介して携帯電話70と通信する。なお、後述するICタグリーダライタ37との混信を防止するため、通信周波数を1GHz以上に設定することが望ましい。
【0110】
GPS装置34は、GPS用アンテナを備えており、コントローラ32の制御に従ってGPS衛星10と通信し、位置情報を取得する。
標準電波受信装置35は、コントローラ32の制御に従って標準電波を受信し、時刻情報を取得する。
【0111】
第1センシング装置36a及び第2センシング装置36bは、いずれも温度センサ、湿度センサ、及び衝撃センサにて構成している。コントローラ32からの制御信号に従って、温度センサにより測定した温度、及び湿度センサにより測定した湿度をコントローラ32へ送信する。
また、管理用パレット30が振動や衝突といった衝撃を受けた場合に、衝撃センサがこの衝撃を検知してコントローラ32に送信する。
【0112】
第1ICタグリーダライタ37a及び第2ICタグリーダライタ37bは、図示省略するIC及びアンテナコイルを備えている。IC内の不揮発性メモリには、最初からタグID(非接触ICタグ55毎にユニークなID)を記録しており、さらに物流工程へ出す前に物品の種類、製造年月日、製造者等のデータを記録している。
【0113】
なお、これらのデータと共に、GPS装置34で取得する位置データと、標準電波受信装置35で取得する時刻データのいずれか一方又は両方を物流工程へ出す前に記録しても良い。この場合は、物流工程へ出す直前の時刻や位置を記録として残すことができる。
【0114】
コントローラ32からの制御信号に従って、850MHz〜960MHzのUHF帯の交信周波数で非接触ICタグ55に対してデータの書き込み及び読み取りを実行し、読み取ったデータをコントローラ32に送信する。また同様に、倉庫内位置送信タグ5に対して区画を示すデータの読取りを実行し、読み取ったデータをコントローラ32に送信する。
【0115】
ここで、交信周波数には、一般的な13.56MHzを使用することも可能である。しかし、物品は通常2m程度の高さまで積載されることが多いため、ICタグリーダライタ37からこの2mの高さの範囲にある非接触ICタグと通信するためには、UHF帯の交信周波数を使用することが好ましい。
【0116】
なお、非接触ICタグ55は、アンテナコイル、該アンテナコイルと共振用のコンデンサで構成する並列の共振回路、整流回路、電圧検知回路、制御回路、定電圧回路を備えている。
【0117】
このように構成した非接触ICタグ55は、アンテナコイルを介してICタグリーダライタ37からコマンドを受信し、制御回路で該コマンドに基づいた処理を行い、再度アンテナコイルを介してICタグリーダライタ37に応答する。
【0118】
バッテリ38は、充電可能な電源装置であり、使用者に管理用パレット30を渡す際には、使用日数間の管理用パレット30の動作に十分な電気量を充電しておく。
【0119】
以上の構成により、コントローラ32の制御に従って、携帯電話70との通信、GPS衛星10との通信、標準電波の受信、非接触ICタグ55との通信、センシング装置36による温度、湿度、衝撃の取得を実行することができ、コントローラ32のメモリへのデータの保存が実行できる。
【0120】
なお、ICタグリーダライタ37により管理用パレット30上の複数の非接触ICタグ55に対してアクセスするためには、一般にアンチコリジョンと呼ばれている複数タグアクセス処理を行うと良い。
【0121】
次に、図6に示す処理フロー図と共に、管理用パレット30のコントローラ32が実行する全体の処理について説明する。
【0122】
管理用パレット30が振動、衝突、落下といった衝撃を受けた場合(ステップn1)、コントローラ32は後述する衝撃記録処理を実行する(ステップn2)。
【0123】
標準電波受信装置35で受信している標準時刻が、予め定めた定期記録時刻になった場合は(ステップn3)、後述する定期記録処理を実行する(ステップn4)。
【0124】
移動体用アンテナ33にて携帯電話70からのアクセスを受けた場合は(ステップn5)、後述する携帯応答処理を実行する(ステップn6)。
【0125】
コントローラ32の接続インタフェースに蓄積サーバ20が接続され、記録を蓄積する蓄積指示を受けた場合は(ステップn7)、後述する記録蓄積処理を実行し(ステップn8)、処理を終了する。
【0126】
なお、上記蓄積指示は、接続した蓄積サーバ20からコマンド信号を受けて実行する、適宜備えたスイッチの押下によって実行する、あるいは移動体用アンテナ33を介して携帯電話70からコマンド信号を受けて実行する等、適宜の構成とすることができる。
【0127】
以上の動作により、衝撃、定期記録時刻、携帯電話70からのアクセス、及び蓄積サーバ20からの蓄積指示の受信といった予め定めた動作条件に達したときに、必要な処理を実行することができる。
【0128】
次に、図7に示す処理フロー図と共に、コントローラ32が実行する衝撃記録処理について説明する。
【0129】
コントローラ32は、センシング装置36の衝撃センサで衝撃を検知した場合に、この衝撃を計測させる(ステップp1)。
【0130】
GPS装置34がGPS衛星10と通信可能であれば(ステップp2:YES)、位置情報として緯度及び経度を取得する(ステップp3)。
【0131】
GPS装置34がGPS衛星10と通信不可能であれば(ステップp2:NO)、ICタグリーダライタ37にて倉庫内位置送信タグ5との通信を試み、通信範囲内に倉庫内アドレス、すなわち区画データが存在するか判定する(ステップp4)。
【0132】
倉庫内アドレスが存在した場合は(ステップp4:YES)、位置情報として倉庫内アドレスを取得し(ステップp5)、ステップp6へ処理を進める。倉庫内アドレスが存在しなかった場合は(ステップp4:NO)、位置情報が取得できない状態でステップp6へ処理を進める。
【0133】
コントローラ32は、測定を実行して、標準電波受信装置35による現在の時刻(日、時、分)の取得、センシング装置36の温度センサによる現在温度の取得と湿度センサによる現在湿度の取得を実行する(ステップp6)。
【0134】
コントローラ32は、自己の管理用パレット30上に積載されている全ての非接触ICタグ55から、タグID(非接触ICタグ55のシリアルナンバ)を取得する(ステップp7)。
コントローラ32は、取得した全てのタグIDと、位置、衝撃、及び時刻を、コントローラ32内のメモリに記録する(ステップp8)。
【0135】
コントローラ32は、位置、衝撃、時刻、温度、湿度、及びパレットナンバを、非接触ICタグ55に記録し(ステップp9)、処理を終了する。なお、上記パレットナンバは、コントローラ32内のメモリに記憶している。
【0136】
以上の動作により、管理用パレット30のセンシング装置36の衝撃センサが衝撃を検知した場合に、この衝撃を非接触ICタグ55及びコントローラ32のメモリに記録することができる。従って、物品51の受取人が非接触ICタグ55からデータを読み取って衝撃の有無を検査することや、衝撃に関するデータの改竄がないかをコントローラ32のメモリ内のデータと照合することができる。
【0137】
次に、図8に示す処理フロー図と共に、コントローラ32が実行する定期記録処理について説明する。
【0138】
定期記録処理では、ステップr7,r8を除いて、前述した衝撃記録処理のステップp2〜p9と同一の処理をステップr1〜r8として実行する。
【0139】
ステップr7では、コントローラ32のメモリに記憶するデータとして、衝撃記録処理の場合に記録したデータのうち衝撃以外のデータ、すなわち位置、時刻、温度、湿度、及びタグIDを記録する。
【0140】
ステップr8では、非接触ICタグ55に記憶するデータとして、衝撃記録処理の場合に記録したデータのうち衝撃以外のデータ、すなわち位置、時刻、温度、湿度、及びパレットナンバを記録する。
【0141】
以上の動作により、非接触ICタグ55及びコントローラ32に、定期的に位置、温度、湿度を時刻付きで記録することができる。従って、管理用パレット30に積載した物品51の搬送状況の経過を記録することができ、正規の物流ルートを通過してきたか、必要な温度管理や湿度管理が適切に行われていたかを、後に確認することができる。
【0142】
非接触ICタグ55に書き込まれたデータを読み取れば、荷受人は物流の管理状況や物流ルートを確認でき、改竄防止のために、コントローラ32と照合することができる。
【0143】
なお、定期記録の間隔は、10分単位、30分単位、1時間単位等、搬送する物品51に必要な管理条件に対応した時間間隔に設定すると良い。
【0144】
次に、図9に示す処理フロー図と共に、コントローラ32が実行する携帯応答処理について説明する。
【0145】
携帯電話70からのアクセス内容が、現時点での現状を要求していない場合は(ステップs1:NO)、コントローラ32は、メモリ内から必要なデータ(携帯電話70に参照要求されたタグID、商品名、個数、位置、衝撃有無、温度状況、湿度状況等)を取得し(ステップs2)、ステップs9に処理を進める。
【0146】
現時点での現状が要求されている場合は(ステップs1:YES)、前述した衝撃記録処理のステップp2〜p6と同一の処理として、ステップs3〜s7を実行する(ステップs3〜s7)。
【0147】
コントローラ32は、非接触ICタグ55から必要なデータ(参照要求されたタグID、商品名、個数等)を読み取る(ステップs8)。
【0148】
必要なデータが取得できると、アクセスしてきた携帯電話70へ取得データを送信し(ステップs9)、課金サーバ75へ課金に必要なデータとして携帯電話70の携帯電話番号を送信し(ステップs10)処理を終了する。
【0149】
以上の動作により、利用者は携帯電話70を用いて管理用パレット30にアクセスし、積載している物品51に関する情報や、現在位置等の情報を取得することができる。
【0150】
一般に、物品を積載して運搬するパレットは、紛失しやすい傾向があり、一度紛失すると物流過程にてどこへ流通してしまっているか全く不明となるが、携帯電話70から管理用パレット30にアクセスして位置情報を取得すれば、現在位置を特定して探し出すことが可能となる。
【0151】
また、利用者は遠隔地から必要なデータを取得することができるため、現在運送中の物品51が、どの地点まで運送されているかや、正しく温度管理されているかといったことを、いつでもどこでも即座に確認することができる。
【0152】
アクセスすると課金サーバ75にて課金が行われるため、管理用パレット30を提供することでの代金回収を行うことができる。
【0153】
次に、図10に示す処理フロー図と共に、コントローラ32が実行する記録蓄積処理について説明する。
【0154】
コントローラ32は、蓄積サーバ20からデータ転送信号による転送指示を受けるまで待機し、転送指示を受ければ(ステップu1)、内部のメモリから全てのデータを読み取る(ステップu2)。
【0155】
コントローラ32は、読み取った全データ(位置、時刻、温度、湿度、衝撃、及びタグID)を蓄積サーバ20へ送信する(ステップu3)。
【0156】
以上の動作により、全てのデータを蓄積サーバ20に転送することができる。複数の管理用パレット30のデータを蓄積サーバ20に転送すれば、物流管理に使用することができる。
【0157】
このデータは、過去の記録を一括管理することができるため、物流管理以外にも、物流状況の保証、物流工程の改善、廃棄物の排出監視、トレーサビリティ等、物流管理以外の目的に有効活用することもできる。
【0158】
なお、蓄積サーバ20に転送したデータは、管理用パレット30にそのまま残しておいても良いが、転送時に削除することが好ましい。これにより、複数回の転送によるデータの重複を防止することができる。
【0159】
以上に説明した全ての動作により、非接触ICタグ55には、図11のデータ説明図に示すように、位置、時刻、温度、湿度、振動、及びパレットナンバの各項目(フィールド)を有するデータを、物流履歴として時系列で追加記録していき、これを保持することができる。
【0160】
従って、物品51の荷受人は、その物品51に貼付られた非接触ICタグ55(若しくは内装や取り付けによって物品51に対応付けられた非接触ICタグ55)のデータを読み取るだけで、現実の流通過程を知ることができる。
【0161】
非接触ICタグ55のデータから解ることを具体的に説明すると、図示の例では、レコードNo.1〜8に示す緯度及び経度の情報から生産者や輸送業者が特定できる。
【0162】
レコードNo.1に示すように最初は常温(+25℃)に置かれていたものが、レコードNo.4〜6の一定期間−10℃の温度で保管されながら輸送されていたことが解る。
【0163】
レコードNo.4〜6の倉庫内アドレスにより、一定時間倉庫内に保管されたことがわかる。このとき、レコードNo.4でパレットナンバが変わっているため、ある管理用パレット30から他の管理用パレット30へ積み替えられたことが解る。
【0164】
レコードNo.6では衝撃を受けたことが解り、このとき温度が+10℃まで上昇していたことも解る。
最後にレコードNo.8で元の管理用パレット30に積み替えられ、常温状態(+30℃)に置かれていたことが解る。
【0165】
また、コントローラ32内のメモリには、図12のデータ説明図に示すように、位置、時刻、温度、湿度、衝撃、及びタグIDの各項目(フィールド)を有するデータを、物流履歴として時系列で追加記録していき、これを保持することができる。
【0166】
従って、非接触ICタグ55に記録しているデータが改竄された場合であっても、コントローラ32内のデータと照合することで改竄を検出することができる。
【0167】
コントローラ32内のデータからわかることを具体的に説明すると、図示の例では、レコードNo.1〜9の緯度及び経度の情報から生産者や輸送業者が特定できる。レコードNo.1にて最初は常温(+25℃)に置かれていたものが、レコードNo.2〜8の一定期間−10℃の温度で保管されながら輸送されていたことが解る。
【0168】
レコードNo.3により、携帯電話からアクセスがあったこと、及びそのアクセス時の位置(緯度及び経度)と時刻が証拠として残っているため、携帯電話からアクセスがあったことが解る。
【0169】
レコードNo.5〜8に示すように、GPSの電波が届き難いところでは、倉庫内アドレスが記録されるため、倉庫内に保管されていたことが解る。このとき、レコードNo.5でタグIDの数が減少しているため、なくなったタグIDの非接触ICタグ55が貼り付けられた物品51が、この管理用パレット30から抜き取り(積み降ろし)されたことが解る。
【0170】
レコードNo.7でタグIDが増加しており、このタグIDはそれまでなかったタグIDであることから、新たな物品51が積載されたことが解る。これにより混載があっても適切に管理できる。
【0171】
レコードNo.9で再度緯度及び経度が記録されていることから、倉庫を出て常温状態に置かれたことが解る。このとき、記録しているタグIDのうちの1つが「AB−CDE」に変っていることから、積載品である物品51がこの時点で再積み替えされたことが解る。
【0172】
このようにデータを各時点で記録することで、図13に示す物流工程の説明図のA〜Hに示すように、管理用パレット30上への物品51の積み上げ、積み降ろしを監視でき、最後にHに示すように蓄積サーバ20へデータを送信することができる。
【0173】
このようなコントローラ32内のデータは、携帯電話70によって移動体通信網60を介して管理用パレット30にアクセスすれば取得できる。このため、管理用パレット30内にデータが残っている限り、物品51が積み降ろされて既に管理用パレット30が他の場所へ移動していても、非接触ICタグ55に記録しているデータの改竄を検出するための照合が可能となる。
【0174】
仮に蓄積サーバ20へデータ転送が行われて管理用パレット30にデータが残っていない場合には、インターネット網等の通信回線を介して適宜の端末から蓄積サーバ20にアクセスすれば、非接触ICタグ55に記録しているデータの改竄を検出するための照合が可能となる。
【0175】
このようにして、管理用パレット30上の全ての物品51について、該物品51に貼り付けた非接触ICタグ55と通信できるため、物流工程内での管理用パレット30上の物品51の抜き取りや混載といった保管状態を詳細に把握できる。
【0176】
管理用パレット30上の物品51の抜き取りや追加がコントローラ32内のメモリに自動で記録されるため、人手による作業ミス等を防止することができ、管理の確実性を高めることができる。
【0177】
管理用パレット30を複数用いて、物品51の運搬は全て管理用パレット30で行うように運用すれば、物品51の積載をどのように組替えて仕分け、混載等しても、全物品51の現在情報と物流履歴を確実に取得できる。
【0178】
管理用パレット30が倉庫等の屋内にあるか屋外にあるかに係わらず、広範囲での物品51の所在管理や、物品51の詳細な保管状態管理が可能である。
【0179】
GPSによって広範囲での位置移動の経過を記録することができ、また運送中や保管中の温度、湿度の経過を記録することができる。このため、倉庫への入出庫時しか管理しないような従来に比較して、はるかに詳細な管理と、物流工程の証明を行うことができる。
【0180】
ICタグリーダライタ37を備えた管理用パレット30が流通するため、各物流拠点にてICタグリーダライタ装置を備える必要がなく、ICタグリーダライタ装置の投資が不要となる。
【0181】
管理用パレット30へのアクセス、及び管理用パレット30を制御しての非接触ICタグ55へのアクセスは携帯電話70で行えるため、各物流拠点をネットワークで接続せずとも利用することができる。従って、ネットワーク接続の設備投資、及びそのセキュリティ確保に関する設備投資をすることなく利用できる。
【0182】
従来のように物品51をコンベア型リーダ装置やゲート型リーダ装置に通貨させる必要がないため、物品51の搬入、搬出経路の制限がなく、貨物の停滞を防止することができる。
【0183】
携帯電話70によっていつでも管理用パレット30にアクセスでき、該管理用パレット30をリモートコントロールして現在位置、温度、湿度、衝撃といったデータが取得できるため、物品51の現状をいつでも容易に把握することができる。
【0184】
荷受人は、管理用パレット30上に注文した全物品51が積載されているか否かを、管理用パレット30に物品51を積載したままの状態で、管理用パレット30のICタグリーダライタ37にて非接触ICタグ55と通信し、容易に確認することができる。
【0185】
コントローラ32のメモリ内のデータを変更することは困難であるため、該コントローラ32の制御によりICタグリーダライタ37で非接触ICタグ55に書き込まれたデータは信頼性が高いものとなる。
【0186】
また、コントローラ32のメモリ内のデータとICタグリーダライタ37内のデータは完全に一致するため、ICタグリーダライタ37のデータが改竄された場合に、コントローラ32のメモリのデータとの照合により改竄を発見することができる。
【0187】
物流工程の最後の時点で蓄積サーバ20にデータを複写して蓄積することで、この蓄積したデータから物流工程の管理、搬送ルート物流状況の保証、物流工程の改善、廃棄物の排出監視を行うことができる。
【0188】
廃棄物としては梱包資材等が存在するが、これをコントローラ32のメモリに自動的に記録することで、発送者の資産管理データとして用いる、あるいは廃棄業者が廃棄物の種類、量の記録データとして用いるといったことができる。
【0189】
管理用パレット30の位置を追跡できるため、管理用パレット30が行方不明になったような場合でも、携帯電話70により管理用パレット30にアクセスし、GPS装置34により位置データを取得させてこれを返信させることで、管理用パレット30の行方を把握することができる。
【0190】
管理用パレット30の使用期間が残っていればそのまま使用できるため、荷受人が物品51の返品や梱包資材の返送をするような場合に返品、返送の物流工程に使用する等、複数の物流工程で別個に使用することもできる。
【0191】
なお、以上の実施形態において、ICタグリーダライタ37は、管理用パレット30の周囲部分に、例えば各面に1つずつ計4つ備える等、2以上の複数備えても良い。これにより、通信可能領域をより詳細に設定することができる。この場合、GPS装置34やセンシング装置36は余ったスペースに配置すると良い。
【0192】
また、図14の非接触通信領域を説明する正面図に示すように、管理用パレット30の平面視中央部分に1つのICタグリーダライタ37を備えても良い。
【0193】
この場合は、ICタグリーダライタ37の発信角度を60°に設定し、交信可能距離が管理用パレット30の上方へ向けて高さ約2m程度となるようアンテナ出力を調整すると良い。
【0194】
これにより交信可能領域幅は2.3mとなり、管理用パレット30の寸法である1.1m四方より、管理用パレット30の側方へ0.6m分大きい交信可能領域となる。
【0195】
この場合、管理用パレット30を隣接すると隣の管理用パレット30上の非接触ICタグ55を読み取ってしまう問題も生じるが、管理用パレット30を隣接しないような運用や、物品51を積載した状態で周囲全面を適宜の電磁シールド材45で被覆する運用をすれば、問題なく使用することができる。
【0196】
このときの電磁シールド材45には、アルミホイル又は金属繊維で形成した網等の電波遮断素材で構成したフィルムを使用すると良い。
【0197】
また、移動体用アンテナ33は、5GHz帯で長距離通信可能な無線LANと通信するように構成しても良い。この場合は、移動体通信網60の代わりにインターネット網を使用すると良い。これにより通信費用を削減することができる。
【0198】
また、外部からコントローラ32へのアクセスは、携帯電話70ではなくパーソナルコンピュータ等からアクセス可能にする等、他の外部端末からアクセス可能に構成しても良い。
【0199】
また、管理用パレット30は、図15の(A)に示すように、パレット上に積載した物品の上に載置する管理用天板91として構成する、(B)に示すように、ボックス状に形成した管理用コンテナ95として構成する等、物品51の搬送に使用する他の資材にて構成しても良い。
【0200】
この場合は、管理用天板91、管理用コンテナ95等に、コントローラ32、移動体用アンテナ33、GPS装置34、標準電波受信装置35、センシング装置36、ICタグリーダライタ37、及びバッテリ38を備えればよい。また、必要に応じて電磁シールド材45を備えればよい。
【0201】
管理用天板91の場合は、ICタグリーダライタ37は通信範囲を下方へ向けると良く、管理用パレット30の場合と上下対象に配置すると良い。必要に応じて物品51の側面に電磁シールド材45を巻きつけ、隣接して置かれている物品51の非接触ICタグ55と通信しないようにすると良い。なお、この電磁シールド材45の巻きつけは、上述した管理用パレット30の場合でも同様に利用することが可能である。
【0202】
管理用コンテナ95の場合は、センシング装置36及びICタグリーダライタ37をコンテナ内側に備え、移動体用アンテナ33、GPS装置34、及び標準電波受信装置35をコンテナ外側に備えると良い。
【0203】
これにより、コンテナ内にある物品51が置かれている温度、湿度、衝撃を取得でき、非接触ICタグ55と適切に通信できる。また、GPS衛星10及び移動体通信網60と適切に通信でき、標準電波を適切に受信できる。
【0204】
このように構成することで、パレットに限らず、物流工程で物品を搬送等する形態に応じて使用することができ、様々な搬送方法で利用できる物流管理システム1を提供することができる。
【0205】
物流に使用する資材でなくとも、前述した管理用パレット30の各要素を備えた装置を、ICタグリーダライタ37の通信範囲内の複数の物品51と共に搬送して利用すれば、同様の効果を得ることができる。
【0206】
また、標準電波受信装置35を備えず、代わりにタイマをコントローラ32に備える構成としても良い。この場合は、タイマにて時刻をカウントし、定期的な記録や測定時刻の記録を行うことができる。
【0207】
また、定期的な記録は、標準電波受信装置35にて取得する時刻が定めた時刻となったときに行う構成ではなく、移動体用アンテナ33から指示信号を受信して実行する構成としても良い。
【0208】
この場合は、手動で携帯電話70から記録指示する、あるいは、携帯電話70又はその他の外部端末から定期的に記録指示信号を送信すると良い。
これにより、標準電波受信装置35を構成から削減してコストダウンを図ることができる。
【0209】
また、倉庫内には倉庫内位置送信タグ5を備えず、ICタグリーダライタ37で倉庫内位置送信タグ5から位置を読み取る処理は実行しない(ステップp4〜p5,r3〜r4,s5〜s6を省略する)構成としても良い。
【0210】
これにより、倉庫内での位置の把握までは必要ない場合や、倉庫内でもGPS衛星10と通信できるような場合に、コストダウンを図って利用することができる。
【0211】
仮に倉庫内でGPS通信ができなかった場合であっても、その前後でGPS通信ができた際の位置から、どの位置に存在する倉庫で保管されていたかを想定することができる。
【0212】
また、ある倉庫内だけで管理用パレット30を使用するような場合には、管理用パレット30にGPS装置34を備えず、ICタグリーダライタ37で倉庫内位置送信タグ5と通信して倉庫内の位置を特定する構成としても良い。
【0213】
この場合は、GPS装置34を省略してコストダウンを図ることができ、広い倉庫内で物品の保管位置を管理したいような場合に、有効に活用することができる。
【0214】
また、管理用パレット30にセンシング装置36を備えない構成としても良い。この場合でも、搬送経路の記録や現在位置の把握はできるため、温度管理等の不要な物品51に対して、適切な物流工程の管理を低コストに実現できる。
【0215】
また、管理用パレット30にGPS装置34を備えない構成としても良い。この場合でも、温度、湿度、衝撃の記録と把握ができ、物流工程での環境管理を低コストに実現できる。
【0216】
また、管理用パレット30にGPS装置34を備えないと共に、移動体用アンテナ33も備えない構成としても良い。この場合でも、温度、湿度、衝撃を記録することができ、物流工程での環境証明を低コストに実現できる。
【0217】
また、荷受人名称や荷受人IDを記録した荷受人用非接触ICタグを荷受人にを渡しておき、荷受時にICタグリーダライタ37で荷受人名称や荷受人IDを読み取り、これをコントローラ32内のメモリに時刻と位置を含めて記録して荷受保証を行う構成としても良い。
これにより、荷受の有無に関するトラブルを回避することができる。
【0218】
また、非接触ICタグ55には、取扱い指定データとして衝撃厳禁、指定温度、指定湿度、天地無用、その他のデータ、又はこれらの複数のデータを記録しても良い。この場合、該取扱い指定に違反した場合に、警告を発する処理をコントローラ32が実行する構成としても良い。
【0219】
警告は、管理用パレット30にスピーカ等の音声出力装置を備えてブザー音や警告音声を出力する、あるいは、所定のアドレスへメール送信を行うといった方法で行うと良い。このときの警告の送信先は、非接触ICタグ55に記録しておくと良い。
【0220】
これにより、例えば所定範囲内の温度で保管が必要な生鮮食品等の物品51について、該物品51を輸送する際に輸送依頼側や荷受側等で輸送状況をリアルタイムに監視することができる。
【0221】
従って、物品51の到着後に物流工程での品質劣化に気付いて次工程の計画が崩れるといったことを、事前に防止することが可能となる。また、警告を受けてすぐに携帯電話70から管理用パレット30にアクセスし、現在の位置等から倉庫や物流業者を特定して連絡し、取扱い指定を満足する環境へ即座に移動を要請して、商品の劣化を抑えることも可能となる。
【0222】
また、物品51を積載した状態の管理用パレット30を複数段積み重ねることを想定しない場合であれば、電磁シールド材45を省略してコストダウンを図ることができる。
【0223】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の物流管理装置は、実施形態の管理用パレット30(30a,30b)、管理用天板91、及び管理用コンテナ95に対応し、
以下同様に、
制御手段は、コントローラ32に対応し、
記憶手段は、コントローラ32内のメモリ、及び非接触ICタグ55のIC内のメモリに対応し、
外部装置通信手段は、移動体用アンテナ33に対応し、
情報取得手段は、GPS装置34、センシング装置36(36a,36b)、及びICタグリーダライタ37(37a,37b)に対応し、
位置情報取得手段は、GPS装置34及びICタグリーダライタ37(37a,37b)に対応し、
時刻認識手段は、標準電波受信装置35に対応し、
環境情報取得手段は、センシング装置36(36a,36b)に対応し、
非接触通信手段は、ICタグリーダライタ37(37a,37b)に対応し、
可搬型電源手段は、バッテリ38に対応し、
通信回線は、移動体通信網60に対応し、
外部装置は、携帯電話70に対応し、
課金手段は、課金サーバ75に対応し、
所定の処理は、ステップs1〜s8に対応し、
実行結果の送信は、ステップs9に対応し、
荷受人の所持する非接触ICタグは、荷受人用非接触ICタグに対応し、
荷受人のID情報は、荷受人IDに対応し、
置かれている状況に関する情報は、緯度及び経度、区画、温度、湿度、衝撃の有無に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0224】
【図1】物流管理システムのシステム構成図。
【図2】管理用パレットの斜視図。
【図3】管理用パレットの斜視断面図。
【図4】管理用パレットの非接触通信領域を説明する正面図。
【図5】管理用パレットのブロック図。
【図6】管理用パレットのコントローラが実行する全体処理の処理フロー図。
【図7】コントローラが実行する衝撃記録処理の処理フロー図。
【図8】コントローラが実行する定期記録処理の処理フロー図。
【図9】コントローラが実行する携帯応答処理の処理フロー図。
【図10】コントローラが実行する記録蓄積処理の処理フロー図。
【図11】非接触ICタグのメモリ内のデータ説明図。
【図12】コントローラのメモリ内のデータ説明図。
【図13】物流工程の説明図。
【図14】他の実施形態の管理用パレットの非接触通信領域を説明する正面図。
【図15】他の実施形態の管理用天板及び管理用コンテナを説明する説明図。
【図16】従来のコンベア型リーダ装置の斜視図。
【図17】従来のゲート型リーダ装置の斜視図。
【図18】従来の物流管理システムのシステム構成図。
【符号の説明】
【0225】
1…物流管理システム
30,30a,30b…管理用パレット
32…コントローラ
33…移動体用アンテナ
34…GPS装置
35…標準電波受信装置
36,36a,36b…センシング装置
37,37a,37b…ICタグリーダライタ
38…バッテリ
55…非接触ICタグ
60…移動体通信網
70…携帯電話
75…課金サーバ
91…管理用天板
95…管理用コンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触ICタグと非接触で通信する非接触通信手段と、
置かれている状況に関する情報を取得する情報取得手段と、
該情報取得手段で取得した情報を所定の記憶手段に書き込む制御手段と、
上記各手段に電力を供給する可搬型電源手段とを備えた
物流管理装置。
【請求項2】
前記情報取得手段として、現在の位置情報を取得する位置情報取得手段を備えた
請求項1記載の物流管理装置。
【請求項3】
前記情報取得手段として、現在の環境情報を取得する環境情報取得手段を備えた
請求項1又は2記載の物流管理装置。
【請求項4】
前記制御手段を、
前記非接触ICタグに備えた記憶手段に前記情報取得手段で取得した情報を書き込むと共に、
自己に備えた記憶手段に前記非接触ICタグに関する情報と前記情報取得手段で取得した情報とを書き込む構成とした
請求項1、2又は3記載の物流管理装置。
【請求項5】
時刻を認識可能な時刻認識手段を備え、
前記情報を取得した時刻を前記情報と共に書き込む構成とした
請求項1から4のいずれか1つに記載の物流管理装置。
【請求項6】
時刻を認識可能な時刻認識手段を備え、
予め定めた時期設定に従って、前記非接触通信手段による非接触ICタグとの通信を実行する構成とした
請求項1から4のいずれか1つに記載の物流管理装置。
【請求項7】
前記非接触通信手段とは別に通信回線を通じて外部装置と通信する外部装置通信手段を備え、
外部装置からアクセスがあった場合に、該外部装置から受信した命令信号に基づいて所定の処理を実行し、該処理の実行結果を上記外部装置へ上記外部装置通信手段により送信する構成とした
請求項1から6のいずれか1つに記載の物流管理装置。
【請求項8】
荷受人の所持する非接触ICタグから荷受人のID情報を読み取り、該ID情報を前記記憶手段に書き込む構成とした
請求項1から7のいずれか1つに記載の物流管理装置。
【請求項9】
荷受人のID情報と共に、時刻認識手段で取得した荷受時刻、及び前記情報取得手段で取得した情報を、前記記憶手段又は非接触ICタグに書き込む構成とした
請求項8記載の物流管理装置。
【請求項10】
請求項1から8のいずれか1つに記載の物流管理装置を組み込んだ物流搬送資材であって、
フォークリフトのフォークを側面から挿入許容するフォーク挿入部を備え、
前記各手段を、上記フォーク挿入部を避けて配設した
物品搬送資材。
【請求項11】
通信を許容する通信回線と、
該通信回線に接続して通信する通信手段を備えた外部装置と、
上記通信回線を介して上記外部装置と通信する外部装置通信手段、非接触ICタグと非接触で通信する非接触通信手段、各種制御処理を実行する制御手段、及び上記各手段に電力を供給する可搬型電源手段を有する物流管理装置とを備え、
前記物流管理装置を、前記外部装置からアクセスがあった場合に、該外部装置から受信した命令信号に基づいて所定の処理を実行し、該処理の実行結果として前記非接触ICタグに関するタグ情報を上記外部装置へ上記外部装置通信手段により送信する構成とした
物流管理システム。
【請求項12】
前記物流管理装置に、置かれている状況に関する情報を取得する情報取得手段を備え、
タグ情報を前記外部装置へ前記外部装置通信手段により送信する際に、上記情報取得手段で取得した情報も送信する構成とした
請求項11記載の物流管理システム。
【請求項13】
前記外部装置から前記物流管理装置へのアクセスに対して課金を行う課金手段を備えた
請求項11又は12記載の物流管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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